21. ナーズの復讐 集結!恐怖のオチコボレ軍団
《ネタバレ》 まず題名にもなっているナーズとは何か?辞書には「nerd[名](俗)まぬけ;変わり者;オタク」とあります。映画の内容はその題名の通りオタク達がjock(運動だけできて頭カラッポなヤツ)に復讐するという単純明快なお話。ただ一言にオタクと言ってもこのナーズという英語は結構色々な人々を指す言葉でして、劇中でナーズに分類されているのは1.ガリ勉、2.スラッガー(所謂落ちこぼれ)、3.オカマちゃん、4.日本人(これはひどい)、5.コンピュータおたく、等々です。つまり社会で暗黙に推奨されているロールモデルから少しでも外れた人たち全てを指すわけです。そんな彼らが体を鍛える事しか能の無い馬鹿学生を得意分野であっと言わせるのだから同じナーズの一員としては万雷の拍手を送るしかありません。結構下ネタも多分に含んでいるティーンムービーですが自分もナーズだ!という人は嵌ること間違いないですよ! [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2012-09-22 11:50:42)(良:1票) |
22. 天国の門
《ネタバレ》 一言で感想を述べてしまいますと、疲れた……。普段は長尺な映画であっても集中したら一気に観てしまう性質なのですがこれは三日間位に分けて観てしまいました。その位に物語に起伏が少なく実に観ていて飽きる。皆さんも仰る通り映像は素晴らしいし、ヒロインのエラや彼女を巡る男たちの感情の機微の描き方も実に巧みだ。この辺りは流石は巨匠という気がします。しっかし物語のカタストロフィまでに150分を費やすってのはいくらなんでも長すぎというのが率直な意見です(完全版の場合)。しかもやっと訪れる最後の戦闘で移民たちは凶弾に倒れていきますが彼らの個人個人にはスポットライトが当てられていないのでそれ程に大きな衝撃もありませんでした。同じく終盤に味方サイドがバタバタ死んでいく「プライベート・ライアン」みたく一個人にまで作品内で言及しておけば最後の戦闘も活きてくるのではないかと思ったのですがどーなんでしょう。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-25 23:47:31) |
23. エイリアン2/完全版
《ネタバレ》 現代の娯楽映画の神様ジェームズ・キャメロンらしく全編ドンパチ撃ちまくる映画となっています。前作の様な文芸的なストーリーの深みは失っているが、それを補う分のアクションとサスペンスが盛り込まれており全く飽きない二時間半でした。完全版として追加されたシーンはまあ無くても損はしないかなって位のモンですかね。ただ追加されたシーンのお陰で主人公のリプリーが何故あそこまで少女に固執するかが良く分かりました。それにしても最近は女性のメンタル面の強さを強調する映画が多くなりましたが、最近の映画にもリプリー位フィジカルでも強さを感じる女性を入れてほしいものです。いや、リプリーまでいくと行き過ぎか(笑)。エイリアンのクイーンとキャットファイトする女なんてリプリー姐さんだけでいいな。 [DVD(字幕)] 7点(2012-08-19 00:04:11) |
24. レイジング・ブル
《ネタバレ》 暴力と猜疑心に憑りつかれた男、ジェイク・ラモッタ。彼はぶっちゃけ一般的な人が見ると余り感情移入できないキャラクターであることは間違い無い。些細なことで怒鳴り、物を破壊し、妻が不貞を働いていないか心配で仕方が無い、こんな男は滅多に居ないからだ。では彼は誰かと言うと想像だが監督マーティン・スコセッシ自身の投影なのだろうと思う。何故なら彼のフィルモグラフィーから考えて暴力に憑りつかれた男だったことはほぼ間違いないからだ。もしかしたらイタリア系マフィアが多くいた街の出身だったからかもしれない。本作はそんな暴力の権化とも言えるジェイクが一度はタイトル獲得まで上り詰めるも最終的には場末の司会にまで落ちぶれるまでを描いている。だからと言ってスコセッシは「暴力にとらわれていても良いことなんてありませんよ」というメッセージを投げかけている訳ではないだろう。ジェイクが最も輝いて見える瞬間は疑いようもなくリング上で敵を殴り敵に殴られ血潮を撒き散らしている姿であろうから。またロバート・デ・ニーロの肉体改造と言ってもいい程の見た目の変化、そして各場面ごとのテンションの差異は素晴らしいとしか言い様が無かった。スコセッシの闇の一部を切り出したかの様な数々のカットや固定カメラから暴力シーンを覘き込むコッポラ風の演出も同様に素晴らしかった。 [DVD(字幕)] 8点(2012-08-11 15:28:39) |
25. ハメット
《ネタバレ》 中国人娼婦を演じるリディア・レイがフレデリック・フォレストの指を舐める仕草がエロい。舐める相手が中年だし銃をぶっ放すシーンより犯罪的に見えた。現実の出来事が主人公が書いている三文ハードボイルド小説さながらの展開を見せるのは面白いアイデアですね。街中のシーンが明らかに虚構の街として撮られているのもその展開を強調させるためでしょうか。アクションシーンの気の抜け方も実に三文小説といったレベルになっていて笑えてくる。 [DVD(字幕)] 7点(2012-07-25 01:45:31) |
26. パリ、テキサス
《ネタバレ》 小津安二郎を嫌でも思わせる俯瞰的なカット、驚異的なロングテイク、主人公の心情描写を極力排しその演出がラストのピープショウでの会話において意味を成すシーンなどは実に良い。既に言い尽くされている通り各シーンの撮影の上手さ、シネマスコープには目を奪われます。物語としても私も主人公と同じく結構嫉妬深い性格なのでかなり感情移入もしてしまいました。ただ一言だけ言わせてもらうと、とにかく"眠かった"という感想になってしまいます。各シーンに役者のアクションが余りないので仕方が無いとはいえ、取りあえずエンターテイメント性を映画に求める人間としてはやや観ていて辛い映画でした。ライ・クーダのギターも激シブなのですがそれ以上に眠気を誘う音楽にしか聴こえない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-07-21 23:41:27)(良:1票) |
27. 13日の金曜日(1980)
《ネタバレ》 スプラッターホラーの元祖中の元祖ということで一応鑑賞。しかしかなり面白かったです。特に今となっては大味映画音楽の巨匠、スティーヴ・ジャブロンスキーの楽曲が実にヒッチコックの名作「サイコ」のタイトルテーマと酷似しているのには驚きました。豪く露骨にパクッてるなーと思っていると、後半になって話がサイコになるという展開。サイコは母親の亡霊に取りつかれた中年男ノーマン・ベイツがモーテルの宿泊客を次々と殺していくという話でしたが、13日の金曜日は息子の亡霊に取りつかれた中年女が若い男女に復讐していくという話となっており、明らかにサイコからの影響があると思います。だから音楽もサイコにオマージュを捧げていたのかな?後々に不死身の怪物としてシリーズで暴れまわるジェイソンですが、実のところ1作目のジェイソンの母親が一番恐ろしい気がいたします。息子を思う余り狂ってしまったという展開が何より不気味で恐ろしい。「ミザリー」を観たときにも思ったのですが、ホラー映画で一番恐ろしいのは怪物じゃなくて狂った人間なんだと。 [DVD(字幕)] 7点(2012-04-29 00:47:29) |
28. フローラ
《ネタバレ》 植物人間の飢餓感がこちらに真に迫ってくる感じがすさまじい。子どもには見せられない作品ですね。 [DVD(字幕)] 5点(2012-03-25 18:02:55) |
29. 対話の可能性
《ネタバレ》 一本目のアニメーションが一番面白かった。アニメーション作成の手間を考えると眩暈がしてくる。 [映画館(字幕)] 6点(2012-03-25 16:28:58) |
30. アリス(1988)
《ネタバレ》 原作のカオスッ振りを更に上回るカオスとビザールな世界の洪水。動きだし時計を取り出してはハラワタを詰め込むウサギが不気味。マペットアニメの質の高さもとんでもない。 [映画館(字幕)] 7点(2012-03-25 16:24:38) |
31. 肉片の恋
ヤン・シュヴァンクマイエルの作品では良く出てくるモチーフ、生肉をフィーチャーした短編。動き回り愛を育む肉がとにかく不気味かつ可愛らしい。 [DVD(字幕)] 6点(2012-03-25 16:20:36) |
32. ドラえもん のび太の恐竜
《ネタバレ》 もともと1つのエピソードだったものを長編化したためでしょうか、後半の恐竜ハンター絡みの冒険パートはかなり設定が雑に感じる作品です。のび太はドラえもんの力を借りず、独力だけで恐竜の卵を発見し、ピー助を育て、別れる決心をする。この段階までで充分感動的であるし、映画が終わっても問題が無いように感じてしまいました。ただこの映画は劇場版ですので、後半の恐竜ハンターに追われ白亜紀を冒険する羽目になるパートを継ぎ足したといった所でしょうか。短編映画として綺麗に終わってても良かったかなと思える作品です。というか幼少のころ、なぜか好きだったカマキリを家で飼おうとしたら母親から大反対されて泣く泣く逃がした身からするとやっぱり前半が最もグッとくるのである。 [ビデオ(邦画)] 8点(2012-03-22 23:18:04) |
33. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
《ネタバレ》 如何に以後の映画・アニメ・漫画・小説に多大な影響を与えたかが良く分かる偉大な作品。胡蝶の夢を引用し自己存在についての映画を子ども向けとして作ってしまうあたり、本当に押井守は天才だったんだと思います。個人的にタクシーでサクラ先生に夢邪鬼が時間の哲学を語るシーンがとても好き。人間の理屈を超えた理論が非常に恐ろしくも惹かれてしまう。「第三の男」のオーソン・ウェルズが観覧車で悪の哲学を語るシーンに似たものを感じます。 [DVD(邦画)] 8点(2012-01-21 19:40:19) |
34. ジャンボ・墜落/ザ・サバイバー
《ネタバレ》 あのシャマランに影響を与えた映画ということで鑑賞。言わずもがなオチが結構衝撃的な映画なのですが、その魅せ方が「そう描写するかー」といったものなのでオチが分かっていても楽しめます。ただこの映画はホラーなのに全然怖くないのが問題だと思いますね。ホラー描写といっても基本的に死んだ乗客の叫び声とちょっとばかしのポルターガイスト現象が起きるくらいなので予想を超える驚きが殆ど皆無でした。この時代ならばもっと恐怖映画のレベルは上がっていたのでしょうに、残念です。また犯人の動機があまりにも取ってつけたようなものだったのも個人的にはマイナスでした。もっとあっと驚く捻りを犯人にも用意してほしかったです。 [DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2011-12-11 14:32:04) |
35. 裸の銃を持つ男
《ネタバレ》 「バカで下品ですが何か?」と開き直っているような制作姿勢が素晴らしいですね。殆どのギャグが一応物語を転がす要素となっているので、しょーもないギャグが連発してもダレてイライラすることがないのが良い。ただクライマックスの野球場での女王暗殺計画のくだりは、フランクの監督ネタがやりたかったから入れたという感じで、ストーリーの本筋とギャグが全くリンクしていなかったので、非常に観ていてダレました。何というか面白いんだけどさっさとストーリーを進めてほしい感じ。 [DVD(吹替)] 7点(2011-11-14 07:19:03) |
36. ポリス・ストーリー/香港国際警察
人智を超えたトンデモアクションとサモハン的なコミカルなストーリーが楽しめるジャッキー映画の代表作とも言える作品。なによりクンフーアクションに立体的な場面を組み合わせた功績は計り知れんでしょう。 [地上波(字幕)] 8点(2011-10-16 12:30:16) |
37. 恋におちて
《ネタバレ》 不倫を只のロマンスで無く、一種の悲劇としても描いている所が好きです。ただコメディ要素が全くと言っていいほど抜け落ちていたのが少し残念。やっぱり恋愛ってのは楽しくなきゃ! [DVD(字幕)] 7点(2011-09-19 12:50:27) |
38. ルクソーJr.
《ネタバレ》 発想の勝利としか言いようのないピクサーらしい映画です。 [映画館(字幕)] 7点(2011-09-03 09:53:16) |
39. E.T.
《ネタバレ》 かなり小さかった頃に観た作品だったので、「SUPER8」の予習の為にも観直してみました。改めて今鑑賞してもスピルバーグの天才性が良く分かる作品でした。宇宙にかける夢と、子どもだからこそ持つ純粋さ。他の作家が作ると恐らく綺麗ごと言ってんなと思ってしまうのでしょうが、何しろ大人になっても子どもの心を持ち続けたスピルバーグが作ったのだから素直に感動してしまいました。ただ少し荒削りな部分(大人たち(特に中途半端にキャラ付けしてある科学者等))もありますが、ケレン味のある自転車での飛翔シーンとジョン・ウィリアムズの素晴らしすぎるスコアで、そんな不満は吹っ飛んでしまいます。 [DVD(字幕)] 8点(2011-06-25 23:11:57) |
40. ニューヨーク1997
《ネタバレ》 大して予想外な展開は起きないのですが、それでも十分に面白い水準の作品だと思います。短い上映時間の中でもキャラクターがキチンと立っているから安心して物語に没頭できます。ただジョン・カーペンター御大自らの音楽だけには苦言を呈したい。終盤になってもあのゆったりとしたテクノじゃ気分が全く盛り上がらないよ! [DVD(字幕)] 7点(2011-05-29 10:04:24) |