21. リトル・ダンサー
《ネタバレ》 評判がいいようですが、まあ「普通にいい映画」というところ。最大の問題点はビリー君の父と兄で、どうもこの2人に親しみが持てない。これに関してはイギリスの炭坑問題というのがネックで、ストを破って仕事に出るのがどれほど大ごとなのか、はっきり言って全くわかりません(単に「知識」として理解しているのでなく、その「心情」が計り知れない、ということ)。なので、肝心の家族関係のエピソードではたいして心が動きません。ウィルキンソン先生母子とかマイケル君など、それ以外の脇役はなかなかよかったんですが……。 あと、ビリー君のダンスはワイルドでいいのですが、果たして彼は踊っていて楽しいのかどうか、そのあたりにも疑問符がつきました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-05-13 22:08:01) |
22. 櫻の園 -さくらのその- (2008)
《ネタバレ》 こういう作品は嫌いではないのですが、いかんせんすべてが薄味。人物も個性を際だたせるところまで行っていないし、ストーリーも淡々としていて、いろいろある割には盛り上がりもない。稽古をしている場面にしても、みんなで作ろうという気概や楽しさが伝わってこない。これはシナリオも関係あるでしょうが、とりあえず監督にやる気が感じられない。完全に投げてるでしょ。唯一よかったのは、野外劇場で次々と台詞を朗誦する場面で、それもこの作品自体がチェーホフの『桜の園』をモチーフにしているということがわかって面白い、ということにすぎない。 とりあえず、違う人に監督してもらいたかったですね。それならここまでひどくなるとは思えません。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-05-08 21:48:15) |
23. 未知との遭遇/ファイナル・カット版
《ネタバレ》 オリジナル版は公開時に見ましたし、その後テレビ放送でも見たはず。しかしその後スピルバーグに対する関心がなくなったので、『特別編』は見ていません。ということで、久しぶりの再見だったわけですが、かなりのシーンを覚えていました。見る前は忘れていたと思っていたのですが、いざ始まると見覚えのある場面がゾロゾロ。やはり若い頃に見た映画の方が、強く印象に残るようですね。 さて、再見してまず思ったのは、ストーリーがあってないような映画だったんだな、ってこと。むしろ映像を楽しむ作品で、そういう点は非常に成功していると思います。むしろ30年以上前によく作ったなと思いますが、もしかしたらリマスターされたりしているのでしょうか。 一方、バリー坊やが連れ去られるあたりの演出が昔の怪奇映画もどきで、そぐわない感じ。スピルバーグの趣味が出たんでしょうが、やり過ぎで全体から浮いているという気がします。また、ロイがデビルタワーの模型を作ろうとする場面も、かなり極端な描写になっています(窓から流しに押し込むというのがどうも……)。これは最後の展開に合わせるために必要だったのでしょうが、やはり無理やりで浮いてるという感じ。こういうあたりが残念でした。それにしても、あのラストはウルトラQの「あけてくれ!」と同工異曲だったようですね。 ということで、多少不満は残るものの、子供の頃UFOや超自然現象関係の本に親しみ、木曜スペシャルの矢追純一番組を心待ちにしていた世代としては、無下に低い点数はつけられないものです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-05-05 11:18:33) |
24. エリザベスタウン
父親の物語なのか、恋愛の物語なのか、そのあたりがはっきりしません。欲張ってあぶはち取らずになった感じ。コメディとしても、特に笑えたわけではありませんし……。スーザン・サランドンのタップダンス(というか、ほとんど盆踊り!)のように、部分的にはいいところがあったと思いますが、全体としてはマイナスが多いです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-04-16 21:42:48) |
25. あなたは私の婿になる
《ネタバレ》 コメディとしてはいまいち、でした。ストーリーとしてはパターンながらしっかり作っていて、特に2人の心理の変化はていねいに追っていたと思います。しかし、いまいちこれというところがない。ワサビを抜いた寿司のように、それなりにおいしいけれどピリッとしたものがほしいところ。ストリッパーとか調査員とか、適役になりそうな人物は登場したと思いますが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-02-27 22:18:46) |
26. キング・アーサー(2004)
《ネタバレ》 最初の戦闘は各騎士の紹介のようなものですが、それぞれ戦い方に特徴があって、まるで戦隊ものみたいな印象を受けました。そのためかどうか、なんだか安っぽい映画だなぁという感じ。悪役のマーリンがいかにもという雰囲気で、かえってがっかりです。なぜ「魔法使い」と呼ばれているのかも不明でした。自由とか平等とか、いかにもアメリカ人好みの要素を重要ポイントに使っているのも安っぽさの一因でしょう。それにこの内容なら、別にアーサー王でなくてもかまわないという気がしますし、“伝説”のアーサー王物語の方が、よっぽど面白いと思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-01-20 22:14:10) |
27. アメイジング・グレイス
《ネタバレ》 ウィルバーフォースについてはまったく知らなかったのですが、一応内容は把握できたので、その点はちゃんと作ってあると思いました。しかしこの題材なら、映画よりもテレビシリーズでじっくり見たいです。時間がないのであくまでウィルバーフォース一派だけの話になっていましたが、奴隷制度をめぐる当時の世相や賛成派の話を入れた方が物語に厚みが出るでしょうし、更に理解が進みそうです。題材からしても、もっとじっくりと腰を据えて描いてほしかったところです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-01-16 22:22:22) |
28. マーサの幸せレシピ
勝手にコメディだと思いこんでいたのですが、かなり違いました。疑似親子ものとしてはまあ普通でしょうが、最後までマーサに好感が持てず、楽しめませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-01-13 19:16:30) |
29. 幸福のスイッチ
《ネタバレ》 どことなくNHKの朝ドラを彷彿とさせるような話でした。田舎を舞台にした、ゆる~いホームドラマ。田舎だからか電気店のお客さんはお年寄りかおじさん・おばさんばっかり。いかにも手がかかりそうなお客さんに、ちゃんと手をかけているお父さんは好感が持てます。基本的に、主人公の怜が仕事をする・働くということを身をもって知るという流れなので(そこはすごく成功している)、やはり浮気騒動がうまく収まっていない感じ。とはいえ、娘のことを思いやるガンコ親父を好演したジュリーに拍手。やたらと機嫌の悪い樹里にも拍手(笑)。もっと活躍を見たい女優さんなのですが、いろいろと難しいのか……? 全体的に小道具の使い方がうまい。いろいろと出てくるのですが、多すぎて嫌味になるところまでは行っていないのも、なかなかのもの。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-12-19 22:18:32) |
30. カレンダー・ガールズ
話としては鉄板なのですが、イギリスらしいシニカルさがあって好き。おばさまたちのはじけっぷりが楽しい。パリーの「エルサレム」が婦人連合のテーマ曲になっているのも嬉しいです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-26 19:46:38) |
31. アメリ
《ネタバレ》 登場人物はまあ魅力的なのですが、お話が絶望的に面白くない。とくに最初の20分くらいは苦痛ですらありました。後半少々持ち直しましたが。アメリがニノにアルバムを返す段取りなど、回りくどすぎてとてもついて行けません。アップの多用とかナレーションもうるさくてむしろ邪魔。あまりこういう表現は使いたくないのですが、「お花畑な映画」という印象。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-10-20 10:35:43) |
32. グラディエーター
《ネタバレ》 映像には見るべきところが多かったですが、序盤でスローモーションを多用していたのにはうへっとなりました。ストーリーは特にどうということもないのですが、仇役のコモドゥスに魅力がない。悪には悪なりの哲学や美学がある方が望ましいのですが、単に権力を手に入れた勘違い野郎でしかなく、主人公が命をかけてまで倒さなければならない相手とは思えません。逆にそれが狙いなのかもしれませんが。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-21 22:16:07) |
33. キューティ・ブロンド/ハッピーMAX
《ネタバレ》 ワシントンの政界へと舞台を移してグレードアップした結果、おバカ映画となってしまいました(笑) そういう視点では、それなりに楽しめました。友愛会全員集合による大行進とか、研修生がいきなり踊り出すとか、呆れつつ笑ってしまいます。一番うけたのは友愛会のあいさつで、まじめにバカやってるな~ってのがわかって面白い。しかし最後の演説でもっともらしい話になり、果ては「アメリカ万歳」になってしまったのでは、それまでとトーンが違いすぎてついて行けません。どうせならアメリカ議会や国そのものをしゃれのめす余裕がほしかったところ。それとアメリカで法案を通す手順は最後まで理解できませんでした。そのあたりもあくまでアメリカ人向けの作りになっていて、残念です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-09-14 21:57:40) |
34. キューティ・ブロンド
《ネタバレ》 これはエルの性格設定がすべてでしょう。お金持ちだけどタカビーなところがなく、ポジティブで友達思い。友愛会の会長を任されているのも納得です。高価なものを身につけても嫌みにならないところがステキ。頭のよさも端々に表現されています。裁判ではかなり運がいいわけですが、全体がコメディタッチなので、大きな傷とはなっていません。卒業演説でのシメも決まっていて、かなりいいできだったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-09-13 22:18:08) |
35. JUNO/ジュノ
《ネタバレ》 深刻になりがちなお話を、軽いユーモアを交えてカラッと仕上げていますが、決して軽薄ではありません。そのあたりのバランス感覚が絶妙で、こうした映画に関して深刻か軽薄かの二択しか思いつかない人は、高く評価しないかもしれません。しかし軽みの中にもシリアスなテーマはしっかりと練り込んであり、それが男女の愛情問題・人間関係を軸として展開しているので、見ていて充実感がありました。ジュノの成長が、年相応のものに抑えられているのも、好感が持てます。あと、リアがいい奴でとても嬉しくなってきます。欠点がないではないですが(両親が理解がありすぎるとか)、あまり気になりませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-08-30 22:08:56) |
36. おくりびと
《ネタバレ》 職業にもよりますが、私たちは普段人の死に立ち会うことが少ない。それゆえ人の死は特別な出来事であり、映画やドラマではドラマチックに描かれることが多くなります。この映画は、死と出会う機会が多い納棺師を主人公にすることにより、過度にドラマチックになることを避けつつ、十分なドラマを描いていきます。納棺の場面で故人の人生の一端を伺わせるというのはうまいやり方でしょう。その一方で、肝心な部分ではしっかりドラマを作っています。そのあたりの緩急のつけ方がいい。 つまり、仕事で出会う人たちのちょっとした物語がステキなのであり、主人公と父親との関係は、型どおりに流れたようでちょっと残念でした。ただ、妻との関係の流れはよかった。普段出会うことのない、忌むべき存在である「死」を身近に感じる職業に対する嫌悪から、その仕事を目の当たりにすることによって理解するというプロセスは、説得力がありました。それは演じている本木君の所作が、私たちに説得力を感じさせるということでしょう。 宗教色を極力廃して、誰にでも訪れる「死」を扱ったことにより、普遍的な作品となりました。そのことが多くの人の共感を得たゆえんでしょう。封切り時以来の鑑賞ですが、やはり穏やかな気持ちで見られる作品です。希望を持たせた締めくくりもいいと思います。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-12 20:40:49) |
37. テラビシアにかける橋
《ネタバレ》 あの2人何歳の設定なんでしょう。秘密基地ごっこをする年でもないかと思うんですが。 それはともかく、テラビシアが架空の世界にしては力が入りすぎのような気も(笑)。もっとちゃっちくて現実世界と明らかに区別がつく方が、それらしかったと思います。あくまで現実世界がメインなわけですから。 レスリーのことを忘れないために彼女が作り出したテラビシアが存在し続けるというのはわかりますが、どうも最後は納得しかねます。2人を結びつけていたものは、テラビシアしかなかったのか。そうだとすると、やはり悲しいことではないかと思います。あの8年生のいじめっ子女子が関係してくるのかもしれませんが、そこまで描かれていないですし。普通の大人からすると、ジェス君にはお父さんの言うとおり、もっと現実を生きてもらいたいですね。 [CS・衛星(吹替)] 5点(2013-08-10 20:33:47) |
38. かあちゃん
《ネタバレ》 『しゃべれどもしゃべれども』を見たせいか、最初に熊五郎の家に泥棒に入るあたりで、てっきり落語が原作かと思いました。別に違っていてもいいんですが、もう少しハチャメチャというか、笑える展開でもよかったかと思います。長屋の4人組などは、面白かったですが。メインの話がまじめすぎますかねぇ。いい話なんですが、いい話すぎて、かえって損をしているのでは。台詞回しとかはいいんですけど。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-07-19 20:33:08) |
39. しゃべれども しゃべれども
結局何がやりたかったのかわからず。皆さんどこか成長したのでしょうか。子役の落語は早口で何を言っているのかわかりづらいし、いじめっ子を笑わせようと必死なのが痛々しい。伊東四朗の火焔太鼓はおもしろかった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-07-17 21:43:36) |
40. Dr.パルナサスの鏡
《ネタバレ》 なかなかよかったですが、こういう映画はスクリーンで見ないと面白さ半減(以下?)でしょうね。元ネタが『ファウスト』だと知らない場合も、ちょっと辛いかも(と言いつつ、私も読んだことはない)。あと、NHKでの放送時間が120分だったのが気になりますが……。 お話としては、ニックがトニーの死を望む理由がよくわからないのですが、ヴァレンティナがいなくなってゲームが続けられなくなるからでしょうか。このあたり、悪魔の価値観がわかりません。出演者はそれぞれ好演でしたし、映像的にも堪能できました。代役の3人も、あまり不自然さを感じさせずよかったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-14 11:14:04) |