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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1879
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  さまよう魂たち 《ネタバレ》 
過去に起きた交通事故をきっかけに死んだ人の霊が見える身体になってしまったフランク。以来、個性豊かな仲間の幽霊たちと一緒に怪しげな事件を自作自演し、詐欺まがいの心霊調査員としてなんとか生計を立てていた彼だったが、ある日、とある現場で黒いマントを羽織った恐ろしい死神と出会うのだった。村人たちが次々と謎の死を遂げる中、フランクは同じく死神によって夫を殺された若く美しい女性ルーシーと共に調査に乗り出す。だが、そこには残虐な殺人鬼が過去に起こした大量殺人事件とフランク自身の悲しい過去が密接に繋がっていたのだった…。「ロード・オブ・ザ・リング」でブレイクを果たす前のピーター・ジャクソンが撮った、摩訶不思議な世界観が秀逸なコメディタッチのゴーストストーリー。うん、さすがはピーター・ジャクソン監督ですね。ともすれば、いろいろ詰め込みすぎて荒唐無稽になりかねないご都合主義全開なストーリー展開と変てこな設定なのに、破綻ぎりぎりのところで見事に成立しておりました。怪しげな洋館で様々な姿で現れる幽霊から必死に逃げ惑う謎の女性というワクワクするような冒頭部分から、相棒のぶっ飛んだ幽霊たちとフランクとのコミカルなやり取り、敵役となる怪しさ爆発なFBI捜査官や脳味噌筋肉のバカ幽霊というバラエティに富んだ登場人物たち、適度にグロく適度に笑えて、そして否が応にもテンションあがっちゃうクライマックス!まあ、許容できない人も中には居るだろうけど、僕は最後まで面白く観れました。それになんと、あの“ハートマン軍曹”がまさかのゲスト出演!!いやー、「フルメタルジャケット」以外の映画で、まさか彼の雄姿が拝めるとは夢にも思いませんでした。非業の死を遂げたあと、彼はやっぱりあの世でもこうやって幽霊たちをしごきたおしていたのですね(笑)。うん、ジャクソン監督の隠れた(?)良品、お薦めっす。
[DVD(字幕)] 8点(2015-07-01 07:14:26)
22.  のび太の結婚前夜 《ネタバレ》 
昔、当時付き合っていた彼女と一緒に観たのだけど、観終わってから僕が何気なく彼女に言ったセリフ→続編で『のび太の結婚初夜』って映画が作られたら面白くない?のび太がさ~、ベッドで「し、しずかちゃん……、ごめん、ちょっと待ってて。ドラえも~ん、どうしたらいいか分かんないよ~」って助けを求めてさ、そしたらドラえもんが「もう、仕方ないな~、のび太くん。そんな時は(ドラえもん、四次元ポケットに手を入れて)タンタラタン『〇〇〇〇〇〇!』」。うん、ドラえもん史上初、放送禁止コードに引っ掛かる本当の秘密道具が出てくるの。どう、観たくない?そんな『のび太の結婚初夜』……、当然のように彼女にはどつかれました(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-13 00:56:42)
23.  バスケットボール・ダイアリーズ 《ネタバレ》 
貧しい母子家庭に育ちながらも、名門高校のバスケットボールチームの主力選手として華々しい生活を送る青年ジム。しかし、昔からの大の親友であるボビーが白血病で死んだとき、彼の中の何かも壊れてしまうのだった――。心の空白を埋めるために、些細なきっかけでジムはヘロインへと手を出してしまう。だがその悪魔の薬は次第に彼とその仲間たちの生活を蝕み始める…。プロバスケチームからのオファーもふいになり、高校も当然のように退学を余儀なくされ、さらには薬のために引ったくりや強盗にまで手を染めてゆく彼ら。それでもジムだけは、自分の心に残る純粋な部分を守ろうとでもするかのように、その思いの丈を日記に書き連ねてゆくのだった。詩人でミュージシャンでもあるジム・キャロルの自伝的小説を、若き日のディカプリオ&マーク・ウォールバーグ主演で映画化した青春ドラッグムービー。いやー、取り敢えず2人とも若いっすね~。もうこのころからディカプリオは既に垢抜けてて超カッコいいのだけど、反対にウォールバーグがめっちゃイモっぽかったのが僕的にちょっとツボでした。あんた、どこの童貞中学生やねん(笑)。さて、肝心の内容ですが、「え、ジム・キャロルって誰?そう言えば、昔ブランキージェットシティの曲で何度か耳にしたことあるな~」程度の予備知識だけで観たのだけど、うーん、日記体で書かれた原作を映画にしたから仕方ないのかも知れませんが、なんだか最後までずーっと一本調子で進んでいくため、少々退屈という印象が否めない作品でしたね、これ。最後までひたすらディカプリオが出ずっぱりなので、「きゃー、レオ様~(もはや死語?笑)」という甘い声で追っかけてたミーハー女性の方にはウケたかも知れませんが、もうちょっと他の登場人物たちにも焦点を当ててみるとか、ジムの回想シーンを織り込んでみるとか、そんなもっとメリハリの利いた展開にしてくれないと純粋に映画として観るにはちと辛いっす。それに、この「いろいろあったけど最後は無事に立ち直ることが出来たのでした。パチパチ」という薄っぺらいラストにも拍子抜けでした。でもまあ、天才俳優としてその後の躍進を予感させる、若き日のディカプリオの熱演は充分堪能できましたけどね。ヘロイン欲しさに鼻水まみれになりながら母親に罵詈雑言浴びせかけるトコなんか凄くリアルだったし。あ、マーク・ウォールバーグも良かったよ。イモっぽくて(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2015-06-02 01:20:25)
24.  ナイトメアー・ビフォア・クリスマス 《ネタバレ》 
今年もクリスマスが近付いています。色とりどりの綺麗なネオンをまとい、賑やかなクリスマスソングが彩る夜の街並みを一人で歩いていると、毎年のようにこの作品のことを思い出してしまいます。無垢な心を持った天才、ティム・バートンが創り出したクレイ・アニメーションの傑作「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」。個性豊かなグロ可愛い住人たちが住むハロウィンタウンの王ジャックは、それまでずっと子供たちを驚かすことが最上の仕事だと信じて生きてきました。ところがそんな彼は、いつしか誰にも打ち明けられない秘密の悩みを抱えていたのでした。「本当にこのままで良いのだろうか?」心に拡がるそんな疑念を持て余していたとき、彼はふとしたきっかけでクリスマスの存在を知ります。「これだ!」と雷に打たれたかのようにジャックは、その何処までも明るく楽しそうな祭典を自分たちで行うことを決意します。それが、取り返しようもない過ちとなることも知らずに…。ティム・バートンが天才たる所以は、他の追随を許さないグロ可愛いダークメルヘンの世界を緻密に構築するその類稀なるイマジネーション力もさることながら、やはり常に社会的マイノリティの視点でもってストーリーを紡ぎだすところでしょう。クリスマス・タウンという社会の明の部分で生きることが自然な人々と、常に暗い夜陰で生きることを宿命づけられたハロウィンタウンのモンスターたち…。ハイクオリティのダークメルヘンとしても一級の作品なのに、それだけでは収まらず、ここには大人社会の寓意が実に巧みに埋め込まれています。結婚や就職や出産や子育てやマイホーム購入や家族で過ごす暖かなクリスマスという社会の大多数の人たちが幸せだと信じて疑わない価値観に、うまく馴染めなかったあるいは手にすることが出来なかった人々に終始寄り添って描いた、この作品の暖かな目線に僕は何度も救われました。良かれと思ってしたことなのに社会から忌み嫌われることになるジャックの孤独な姿と、そんな彼を何処までも思いやるサリーの健気さ…、どうしようもなく寂しい冬の夜などにふと観返したくなる、ティム・バートンの傑作だと思います。
[DVD(字幕)] 10点(2015-04-25 07:38:47)(良:1票)
25.  ミミック 《ネタバレ》 
子供にだけ感染する致死性の高い伝染病がニューヨークに蔓延。未来を担う子供たちが次々と犠牲になるなか、菌を媒介するのは実はゴキブリであることを突き止めた政府は、女性昆虫学者スーザンに事態の打開を要請する。遺伝子操作を駆使し、ゴキブリの天敵となる新たな昆虫〝ユダの血統〟を作り出したスーザン。それを使って地下に蔓延るゴキブリどもを一掃し、街は再び平和を取り戻したのだった――。3年後、恋人と共に平穏な日々を過ごしていたスーザンだったが、ある日、繁殖能力がなく既に滅んでいるはずの〝ユダ〟の幼虫を発見してしまう。事実を確認するため、恋人と共に地下へと潜り込んだスーザンは、そこで“ミミック(擬態)”という特殊な能力を極限まで進化させたユダたちのグロテスクな真実を目の当たりにするのだった…。いまやハリウッドで大活躍する大物監督であるギレルモ・デル・トロが、まだほとんど無名だったころに製作したパニック・ホラー作品。低予算で作られたB級ホラーということで、さすがに画面のチープさは否めないですけど、その徹底的にグログロな巨大ゴキブリ(?)のみをテーマに映画を作りあげたその姿勢(アホかって声があがりそうだけどッッ笑)はなかなか良いっすね~。終始響き渡るカサカサという虫の羽音、粘液ぐちょぐちょの大量の卵、脂身たっぷりのテカテカ光る黒い翅…。そんな超気持ち悪いやつ等が群れをなして襲ってくるとこなんて、「ひ、ひええ~」って感じでした。もう、これまで僕がお金と愛情を惜しみなく貢いだお高くとまっている高慢ちきな性悪キャバクラ女たちに無理やり見せてあげたいわ(時計じかけのオレンジ風に!笑)。確かに、「一度迷い込むと二度と出られない広大な地下道というわりには主人公たち偶然に出会いすぎだろ!」とか「最後、火花で大爆発を起こしたのに水に飛び込んで逃げる暇なんてあるかー!」っていう、突っ込みどころはあるかも知れないけど、ギレルモ・デル・トロの記念すべきハリウッド・デビュー作ということで、甘めに8点!
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-10 08:54:08)
26.  許されざる者(1992) 《ネタバレ》 
現代ハリウッドの歴史と共に生きてきた、もはや生ける伝説と化していると言っても過言じゃないクリント・イーストウッド監督。その代表作と呼ばれるものはだいたい観てきたし、その何作かは僕の感性に少なからざる影響を残してきたのだけど、この数々の権威ある賞に輝く彼の代表作だけはずっと未見のままでした。理由は単純で、ひとえに僕が西部劇が苦手だから…。でも、そんな個人的理由でもしかしたら傑作を観ずじまいでこのまま一生を終えるかもしれない(大袈裟?笑)という懸念を払拭するためにこの度鑑賞してみました。いやー、さすがイーストウッド、シブいですね~。まだ俳優として脂の乗り切っていたころの彼が演じる主人公は、荒野に建てられた一軒の寂れた小屋で子供と共に平凡に暮らす初老の男ウィリアム・マニー。しかし、彼の元を一人の若い賞金稼ぎが訪ねてきたことから、マニーの隠された過去が明らかとなる。彼はかつて無法の限りを尽くした伝説のガンマンだったのだ。そんな今や落ちぶれてしまった老元ガンマンの過去を回想形式で描くのかと思いきや、そこには一切触れず、あくまで金のために再び銃を手に取り賞金の懸かった悪逆なカウボーイを殺すために荒野をゆく彼の姿を淡々と追った、シンプルでありながら深いストーリーは見応え充分でした。賞金首である、女の顔を切り刻んだカウボーイよりも、強大な権力欲を糧に街を支配する悪辣な保安官を最大の悪役に設定したところもお話に奥行きが拡がり良かったです。そんな治安維持に関しては惜しみない情熱を注ぐ保安官に、愛する妻の尽力により立ち直った老ガンマン、人を殺すことを単純に格好良いと思う血気盛んな若者、金のことしか頭にない娼館の経営者、男の暴力に怯えながらも娼婦として生きざるをえない女たち…、それぞれに許されざる者がいて、誰もが単純に正義でも悪でもないという、そんな登場人物たちの深甚なる人物造形はさすがイーストウッドですね。人は誰しも自分本位なエゴを抱え、その感情のぶつかり合いの果てに様々な悲劇が巻き起こされるという、現代社会にも通じる今作のテーマは、それまでの勧善懲悪の娯楽西部劇への彼なりのある種の総括ともとれると思います。うん、やっぱり僕の個人的に苦手なジャンルである西部劇ということで、彼の数々の名作群の中では若干落ちるとはいえ、素直に観て良かったと思います。良作。
[DVD(字幕)] 8点(2014-08-24 22:59:12)
27.  ターミネーター2/特別編 《ネタバレ》 
初めて観たのは映画の魅力に取り付かれはじめた中学生のころ。この作品で完璧に映画中毒者にさせられてしまいました。CGなんてまだほとんど普及していなかった時代に、あの新たなターミネーター・リキッドメタルがドロドロと登場したシーンで、「えぇぇぇ!」と思いっ切り度肝を抜かされたことを今でも鮮明に覚えています。そして、そこから青を基調としたスタイリッシュな映像を背景に、冷酷無比なリキッドメタルが今までの映画の常識を覆すような迫力で暴れまくるころには、もう完全にノックアウト。それに、シュワもカッコいいし、ファーロングも男前だし、リンダ・ハミルトンのムキムキ具合もナイスだし、どれもこれもばっちりはまっちまったよ~。ストーリーの深みとしては、やっぱり一作目には劣るものの、映画の面白さを教えてくれた思い出の一作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-22 04:27:52)(良:1票)
28.  パーフェクト・ワールド 《ネタバレ》 
冷酷無比な脱獄犯に誘拐された少年、アメリカののどかな田舎の風景の中で2人はただひたすら無軌道な逃亡の旅を続けてゆく。社会から脱落したどうしようない犯罪者であるケビン・コスナー演じる主人公だが、次第にその少年にとって一生忘れられないであろう大切なことを教えてくれる。だが、彼は凶悪な犯罪者として射殺される。どんな人間も、人によっては大切な人になれるという、いかにもイーストウッドらしい深いテーマをもった作品。冒頭からループする、ケビン・コスナーの最期の満足気な死顔がとても印象深い余韻を残してくれます。
[DVD(字幕)] 8点(2014-08-22 03:55:42)
29.  タイタニック(1997) 《ネタバレ》 
個人的に恋愛映画ってあんまり好きじゃないんだけど、そこはやっぱりジェームズ・キャメロン、もちろん優れた恋愛映画ではあるのだけど、ちゃんとそれだけとは言い切れない要素もたくさんあって、あまりにも有名過ぎていまさら言うのも恥ずかしい面もあるけれど、やっぱり好きです、この赤面必死の超有名ラブストーリー。いまさら僕ごときが言うのもあれだけど、やっぱり名作っすよ、これ。社会が抱える矛盾や不条理を――親から子へと連綿と連なる貧富の格差に翻弄される一般庶民たちやプライドと外聞をもっとも重んじる偽善に満ちた富裕層という、当時の英国社会の病理を丸ごと積み込んだようなタイタニック号の船内で繰り広げられる若いエネルギーに満ち溢れたジャックとローズの燃え上がるような恋…(いま、自分で書いてて恥ずかしくなっちゃいました笑)。そんな人間の機微やきらめきや懊悩など構わずぶち壊してしまう自然の猛威を、後半の怒涛の展開で見せきるキャメロンの見事な手腕には今観ても圧倒させられます。そんな中で、悲劇を運命付けられながらも必死に抗おうとする2人の姿に、当時のまだ純真な心を失っていなかった僕は素直に感動させられてしまいました。有名な「私、空を飛んでいるみたい」という2人のシーンよりも、僕は降り注ぐ救命花火の美しい輝きを背景に微笑みながらローズを見送ろうとするジャックの方が好きですね(若き日のディカプリオがこれまたかっちょ良い!!)。そして、沈没という残酷な現実の前に茫然自失となる船長、「金なんてもう何の役にも立たない!」と叫んで自殺する船員、子供をダシに自分だけ助かろうとするローズの婚約者…。人間て本当に弱くて愚かな生き物なのかも知れないけれど、それでも愛する人との永遠の別れという悲劇を経ながらも、アメリカという新天地で新たに奮い立ち子供たちを育て上げたローズの力強い姿に、純真な心をすっかりなくしてしまった現在の僕でもやっぱり感動を覚えざるを得ません。いやー、ジェームズ・キャメロンってやっぱ天才だわ~。うん、いまさらだけど、やっぱり良い映画です、これ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-16 23:19:35)
30.  オール・アバウト・マイ・マザー 《ネタバレ》 
女手一つで育てあげた一人息子を、その17歳の誕生日の日に事故で亡くしてしまったマヌエラ。深い絶望から逃れるようにマドリードを去り、彼女はたった一人、思い出の地でもあるバルセロナへと辿り着く。そこで当時の親友だったオカマのアグラードと再会を果たすと、マヌエラは共に息子の父親を捜し始めるのだった。あなたにはちゃんと息子が居たということを伝えるために――。ヘビースモーカーの舞台女優、彼女から同性愛的寵愛を受ける麻薬中毒の若手女優、エイズを患う男の子供を身篭ってしまうシスター…、そんな個性豊かな女たちが織り成す、母親やこれから母親になる予定のそして誰しもが女優でもある全ての女性たちへと捧げられたアルモドバル監督の賛美歌。のちに耽美的変態路線を突き進むことになる同監督の世界的な名声を得るきっかけとなった今作ですが、これは女性たちのユートピアを描いたある種のファンタジーですね。オカマが男に襲われているところを主人公が救ったところから、もうこの映画には男の性欲が一切出てこなくなります。ただ、男は精子を提供するだけの存在になってしまうのです(その象徴がオカマなのに男性器だけはある、あのお父さんでしょう)。女をねじ伏せようとする男たちの性欲が微塵もない世界で、実に活き活きと人生を謳歌する彼女たちの力強い友情物語に静かな感動を覚えます。そして、これはあくまでも変態監督アルモドバルの作品です。丹念に読み解くと、ここには女性の美しさを礼賛するあまり、彼女たちを汚してしまうだろう自らの性欲を去勢してしまいたいという究極のM願望を見出してしまうのは僕だけでしょうか。とにかく、多くの女性の皆さんに堪能してもらいたい美しい作品でありました。「何言ってんの?こいつ」という苦情は受け付けません(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-05-24 18:07:51)
31.  シェルタリング・スカイ 《ネタバレ》 
この美しい空を見上げてごらん、この茜色の大空はね、僕たちを守ってくれているんだ、宇宙という無限の虚空から――。結婚生活10年目にしてお互いの愛の微妙な擦れ違いに悩む夫婦キットとポートは、若い共通の友人ターナーを伴ってアフリカの大地へと降り立つ。「無計画こそが私たちの計画なの」と、原生的な生きるエネルギーに満ち溢れたアラブ人たちに混ざり、広大なサハラ砂漠をただ刹那的な愛を求めて彷徨うそんな夫婦の姿を雄大な大自然を背景に描き出す、ある愛の物語。赤を基調とした暖色系の美しい映像と情熱的で壮大な音楽(全盛期の坂本龍一教授の生み出す旋律が胸に染みます)とで、この倦怠期の夫婦が若い男を媒介に冷めた愛を再び燃え上がらせようとするというなんてことないストーリーなのに、なんだか哲学的で深い映画に仕上げてしまうところは、さすがベルナルド・ベルトルッチですね。とにかく砂漠の映像が美しいです。風が吹けばそこら中に砂砂砂、市場に行けば肉にたかる蝿蝿蝿、アラブ人はみんな髭髭髭、このひたすら濃ゆ~いのに何故か知的で高尚な雰囲気を漂わせる美しい世界観には、素直に酔いしれることが出来ました。ただ、そんな映像で綴られるストーリー自体はあまりにも淡々と進むため少々退屈なところはちょっぴり残念でしたね。それでも、このどんなに情熱的な愛であろうと崇高な人間の魂だろうと最後は何もかも無機質な砂へと呑み込まれて無くなってしまうんだと言わんばかりの無常観に必死で抗おうとする人間たちの根源的な苦悩を、ラクダが闊歩する雄大な砂漠のなかに象徴的に描いた、いかにもベルトルッチらしいなかなかの良作でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2014-04-26 08:04:05)
32.  シャンドライの恋 《ネタバレ》 
政情不安にゆれるアフリカの何処かの貧しい国。反政府活動を疑われた夫が理不尽にも投獄されて独りぼっちになってしまった若く美しい人妻シャンドライは、身の安全を図るため難民としてローマへと移り住むことに。親戚が遺した遺産で悠々自適の生活を送るピアニストのキンスキーのアパートで、投獄された夫のことを気遣いながらも、シャンドライは看護婦を目指して新たな生活を始めるのだった。そんなある日、突然大家のキンスキーから愛の告白をされる。あまりにも違うお互いの境遇に、最初は反発を覚えたシャンドライだったが、彼の無垢な心と優しさに触れて次第に気持ちが揺れ動いてゆく…。映画監督としてノリにノッていたベルナルド・ベルトルッチが、ラスト・エンペラーやシェルタリング・スカイといった大作映画の後に、良い意味で肩の力を抜いて撮っただろう、小品ながらも愛すべき作品でした。まるで絵画のように美しいローマの街並みを背景に紡がれる、極端なまでに無駄を削ぎ落としたシンプルでありながら深いストーリー、全編を彩る情熱的なのにあくまで上品で静謐な音楽の数々…、もうベルトルッチの素晴らしい才気が画面の端々に漲っています。そして、何より魅力的なのは主人公のシャンドライ。きれいで可憐な容姿にもかかわらず、胸には熱い情熱を秘めた彼女の魅力に最後まで惹き付けられました(僕がいままで見てきた黒人女性の中では一番と言っても過言じゃないくらい、笑顔がかわいかったっす笑)。そんな彼女の心に芽生えた小さな恋心が徐々に高ぶり、最後は官能的でとても美しいラストシーンへと導かれていく、その丁寧でスリリングな心理描写はもうさすがの一言。最後、シャンドライがあのドアを開けるのかどうか、それを明示しないまま終わるのも印象的な良い余韻を残してくれます。小品ではあるけれど、久し振りに「ああ、良い映画観たなぁ…」と心から思える作品に出会えました。お薦めっす。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-19 19:57:23)
33.  リービング・ラスベガス 《ネタバレ》 
綺麗事など一切通用しない欲望の街・ラスベガスに辿り着いた、何もかもを失ってこのまま死ぬまで酒を飲み続けてやろうと決めた、ニコラス・ケイジ演じるアル中の脚本家ベン。そんな彼が絶望のどん底で出会ったのは、都会の片隅で今にも枯れそうになっている、エリザベス・シュー演じる娼婦サラだった。社会のどこにも居場所を見つけられなかった二人は、どこにも出口などない刹那的な恋にただひたすら堕ちてゆく……。正直、恋に恋する女子高生が観たらトラウマになりそうな映画だけど、一時期、酒に溺れてどうしようもない生活を送っていた僕のような人間には、主人公の酒のせいで全てを失ってしまったのにそれでも酒を止められない絶望感が痛いくらいに分かって本当に切なくなってしまう。「自分なんか死んだほうが社会のためだ」とひたすら酒を飲み続けたベン、そんな彼を「本当は一緒に生きてほしい」と願いながらも優しく見送るしかなかったサラの悲しみがいつまでも胸に響く。まさに大人のための良質の恋愛映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2013-11-15 19:51:11)
34.  ヒート 《ネタバレ》 
『ゴットファーザーⅡ』以来の、アル・パチーノ&ロバート・デ・ニーロという世界でも最高峰に位置するであろう二大俳優の競演という奇跡のキャスティングで撮られたハードボイルド・アクションの傑作。もう冒頭からの二人の円熟の演技合戦が最高です。思えば、このころが二人の俳優としての最後の頂点だったのではないだろうか。そしてまさにどんどんと〝ヒート〟していくストーリー、徐々に高まっていく緊張感、その臨界点に達したところで唐突に暴発する白昼の銃撃戦!もう、堪らないっす!!それ以外にも、まだ若手だったころの(そして太っていなかったころの)ヴァル・キルマーなどの脇役陣も素晴らしい。もう、男の男による男のための映画!大好きです。
[DVD(字幕)] 9点(2013-10-23 23:22:00)
35.  ライアー ライアー 《ネタバレ》 
アメリカのコメディ映画ってやっぱり日本人とはセンスが合わないのか、これまで心の底から笑えた作品ってほとんどないのだけど、この映画はそのなかでも僕が〝心の底から笑えた〟数少ない稀有な作品。普段は嘘ばっかり吐いてテキトーに人生を生きている弁護士が子供の誕生日の願い事によって、ある日突然嘘が吐けなくなってしまう。そんなベタなお話のなかで、ジム・キャリーがやりたい放題しててそれが見事に笑えるのだけど、ちゃんと映画という枠内に収まっているから凄い。アメリカのコメディ俳優って得てしてやり過ぎちゃって映画のなかでその存在が浮いてしまっているもんだけど、ジム・キャリーってちゃんと映画のなかの因果律に含まれているんだよね。とか、そんな理屈とか抜きにして文句なしに面白いです!頭、空っぽにして最後まで大笑いしちゃいましたー。おばちゃん上司にセックスの後、「どうだった?」って訊かれて「うーん、いまいち」って答えるトコとかサイコー!
[DVD(字幕)] 8点(2013-10-20 19:41:24)
36.  ユニコーン・キラーを追え(前・後編)<TVM> 《ネタバレ》 
私生活は碌でもないのだけど、人を惹きつけるカリスマ性だけは異常に高い男とその恋人。十数年にわたる彼らの同棲生活と、その後に起こった彼女の失踪事件、そして男にかけられたある疑惑をテンポよく追った作品。だが、事実を基にしているとはいえ、あまりにもカタルシスに欠けるのではないか。恐らく残忍な方法で女を殺しておきながら、ありとあらゆる方法で逃亡を続け、しかもいつも傍らには女の姿がある酷い男の逃走劇を延々見せられても不快感しか湧いてこない。この男に何らかの形で鉄槌が下されるか、もしくは遺族の魂の叫びのようなものがなければ、やっぱりもやもやとした後味の悪さしか残らないと思う。「だって実話だもん」って言われれば、それまでかも知れないけれど。ヒッピー崩れで女にだらしなくて徹底的に自己中心的な髭もじゃ男のいやらしさだけは充分に伝わってきたので5点。
[DVD(字幕)] 5点(2013-09-28 19:11:12)
37.  エド・ウッド 《ネタバレ》 
才能とお金はかけらもないけれど、映画への愛情だけは誰よりもあった史上最低の映画監督、エド・ウッド。彼のどうしようもないトホホな生涯をティム・バートンとジョニー・デップが最大限の愛情を込めて描いた異色の伝記映画。女装が趣味、映画製作は常に適当、いつだって借金返済に追われ、責任感や常識といったものを母親の子宮にごっそりと忘れて生れてきたかのように自由奔放に振舞い、恐らく社会で立派に生きていくのは根本的に無理なばかりか、もしかしたら最低限の社会生活を送る能力すら欠けているんじゃないかっていう彼の周りに集まってくるのは、これまた負けず劣らず社会生活不適格者ばかり。でも、妙に楽しそうなんだよね、彼らのどうしようもない人生が。決して味わいたくないけれど、それでも日々の競争社会に疲れたとき、幾多の責任感に押し潰されそうになったときに、一服の清涼剤を求めるかのように、たまに覗きたくなってしまう不思議な魅力に溢れた優しい映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-15 12:35:32)(良:1票)
38.  フォーリング・ダウン 《ネタバレ》 
上手くいかない現実生活のせいで様々なストレスを抱え今にも爆発寸前になっている冴えない中年男、そんな彼が真夏のエアコンが壊れた車の中で汗だくになりながら渋滞を抜けようと必死に我慢していたのだけど、そんなこんなに心底うんざりしてとうとうブチ切れ。長年、心に溜めに溜め込んだ社会に対する悶々とした不満をひたすら暴発、暴走させていくだけの映画なんだけど、これがなかなか面白い。良いですね、このキレ具合。マイケル・ダグラスの視野狭窄な自己チュー駄目中年男っぷりも見事に嵌ってました。全編を覆う乾いたユーモア、小気味の良いアクション、そして最後はちょっぴり社会について考えさせられる、自分のなかでは理想的なエンタメ映画の良品です。僕もストレス溜まってつい包丁持って秋葉原に行きそうになってしまったら、この映画を観てスカッとするようにします。
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-14 21:42:34)
39.  8mm 《ネタバレ》 
さすがに『セブン』を手掛けた脚本家の作品というだけあって、重たーいおどろおどろしいダークな映画に仕上がっております。晴れ間なんて一切ない世界で、変態たちが実際に少女を殺す映像を収めたというスナッフフィルムを巡って裏社会を奔走する私立探偵の物語。もう見れば見るほど陰鬱になるストーリーに、そしてそんな世界観をさらに濃厚にする、特濃背油を何時間もじっくり煮込んで煮込んで煮込みまくったような濃ゆい俳優陣(ニコラスもホアキンも顔でかすぎ!笑)。良いですね、このうんざりするくらい暗鬱な世界観。僕は好きです。一応、どうにかハッピーエンドで終わるけど、この観終わったあとの後味の悪さはある意味心地良い。『セブン』よりもこっちの方が好きだなー。
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-14 19:56:58)
40.  ロミオ&ジュリエット 《ネタバレ》 
シェイクスピアの古典的名作(あまりにも古典的過ぎて今さら普通に映画化するにはかなり勇気を要する)を、大胆にも徹底的にお下品で猥雑で野暮ったく、それでいてとってもエネルギッシュに映画化。もう、この濃ゆい世界観、好きです!ピストル片手にアロハシャツ姿で愛を語るロミオとか格好良すぎ!!今作のディカプリオは、びっくりするぐらい若いエネルギーが迸ってます。対するクレア・デーンズも恐らくこのころがピークだと思えるくらい可愛くてキュート!!そして脇を固める、これまたアクの強い脇役たちも痺れるくらい格好良い。そして、何よりシィクスピアが何世紀も前に描いた純愛をこうやって現代に(お下品に)甦らせた監督の手腕に拍手!何度、観てもテンション上がるっす!!
[DVD(字幕)] 8点(2013-08-14 14:42:23)
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