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381.  ブラックブック 《ネタバレ》 
 ラジオ番組での、田原総一朗のオススメにより鑑賞。   ナチスとレジスタンスの闘いだから、戦争の話に決まっているが、物語の興味は、それよりも人間の暴虐についてなのでは、と思う。  基本的にユダヤ人迫害は暴虐だが、それをいい事に、財産横領のための大量謀殺。無意味な死刑を望まないドイツ将校がいる一方、終戦後にナチス軍の論理によって行われる、銃殺刑。  この辺までは、直接戦争行為の一部といってもいいが、終戦後のナチス協力者たちへの、市民による残虐。丸坊主にされた女の写真は、教科書で見たことがあるが、切られている場面を動く映像で再現されると、ちょっとショッキングだ。囚人を裸にして、汚物を浴びせる連中を見ていると、戦争が人々に与えたストレスと、その反動というのは、尋常じゃないと素直に思える。  正直言うと、レジスタンスの裏切りに関する話は、それほどの興味をそそられない。終盤、何か犯人探しみたいになったあたりで、かなり興味が萎えた。ドイツ将校と主人公の恋愛事情には、もっと興味がなかった。   悪事への制裁とは言いながら、戦争後に一般人を殺してしまった主人公が、その後尼寺にでも入るように、ギブツで暮らす結末は、何故かちょっとショック。結局は、ナチスのためにと言うよりは、富に目の眩んだ犯罪者のために家族を失った事が、彼女のその後の生き方に影響しているのだろうか?   本題とは関係ないが、ヨーロッパでも、進駐軍はイン・ザ・ムードの音楽に乗って、チョコレートばらまいていたんだな。
[DVD(字幕)] 6点(2012-10-29 21:46:49)(良:1票)
382.  ベン・ハー(1959) 《ネタバレ》 
 ジュダ=ベン・ハーが、復讐を果たすまでの波瀾万丈なさまは、本当に面白かった。ガレー船による海戦も、馬車レースも迫力があり、手に汗を握った。そりゃあ、もう8点を付けるだけの面白さだ。  しかし、この物語はイビツである。ジュダは、復讐を遂げた後に、イエスの磔刑を目にして、その教えに心奪われたように描かれる。物語の主題もおそらくそこにある。だが我々はすでに、騎馬戦の勝利と復讐の成就に感情を移入し、大いに溜飲を下げた直後なのだ。ここから「汝の敵を愛せよ」に涙するには、相当な、それこそ宗教的な説得力がないと難しい。元々キリスト教の素地がない普通の日本人には、もっと、ジュダの考え方を根本から突き崩すような、そういうエピソード、そういった描写が必要だったろう。  イビツと書いたのは、ジュダの復讐の成就までと、その後のイエスの奇跡に涙するまでの物語のバランスの悪さと、彼の心の転換部分の判りずらさだ。しかし考えてみると、これは、聖書における旧約と新約のそれに近いのかもしれない。もしかして、これは、一人の人間の人生を使った、聖書そのものだったのだろうか。
[DVD(字幕)] 8点(2012-10-28 13:18:00)(良:1票)
383.  塔の上のラプンツェル 《ネタバレ》 
3D表現でよくここまで表情を描けるものだと感心した。本当に役者が要らない時代がやってくるのかも知れない。体全体の動きのリアルさは、白雪姫のロトスコープの動きを、初めて観た時のことを思い出させた。背景画も旨い。陽の光のコントラストや柔らかさなどの表現が見事、と思ったシーンがいくつもあった。 わずかに気になったのは、ラプンツェルが自身の出自を知るところを、神秘性をそのまま失わずに、もうちょっと説得力ある形で、見せて欲しいのと、王様女王様と再開する所で、ティアラか何かの証が無くていいのか?という所。無くても親子なら分かり合う、というのならそれなりに描写がほしい。 あ、あとミュージカルに関しては、残念ながら楽曲的に、私には合いませんでした。特に湖の上の二人のデュエットはもうちょっと、シンプルで歌いやすいメロディのほうがいい。でも魔法の発動が歌による、というのはいいと思う。 ついつい文句を言ってしまうタチだが、総合的にはかなり良いアニメーションだった。劇場で3Dで観なかったことが悔やまれる作品だ。
[DVD(字幕)] 8点(2012-10-28 02:30:32)(良:1票)
384.  決断の3時10分 《ネタバレ》 
 捕らえられた強盗団の首領と、その男を列車で送致するために護送する男の物語。  リメイク版と比べると、非常にスピーディでテンポよく話の進む、コンパクト版。 チャーリーの残虐性も抑えられていて、最後の突撃に対する銃撃も、かなり少なく地味。リメイク版の、弾丸の雨をかいくぐる緊張感と、撃たれるか、いつなのか、というこちらオリジナル版の緊張感、どちらも甲乙つけがたい魅力。  汽車に乗り込む瞬間に、撃たれない工夫として、もうもうと煙る汽車の蒸気を使うのは、上手い。ただ、何もかもうまく行った「ハッピーエンド」が、若干安易にも見えるも事実。殊に、命を救われた借りを返しただけ、的な説明はいらなかった。ベンは、もっと違うもののために、汽車に乗ったのだと思う。それは、リメイク版を見ると、よりはっきり分かるようになっているのだが。  最後に、牧場主の求めていた雨が彼らに降り注ぎ、爽やかに物語を締めくくる。ダンを苦しめた干ばつの終わりを告げる、雨なのに明るいこのシーンは、彼らの明日を暗示していると思いたい。
[DVD(字幕)] 6点(2012-10-28 02:30:18)
385.  昼下りの決斗 《ネタバレ》 
 正義の保安官に性根を直された昔のヤンチャ者が、今、年老いてからヤンチャな青年と仕事を共にして、青年の生き方を変えて死んでゆく、という実にカッコイイ西部男の話。    最後の「決斗」場面は、"早撃ちガンマン"的でない、リアルな世界観で良いのだが、自らの死の受け入れ様が、冷静というか達観というか、アメリカ人的な感じがしない。生死の狭間で生きている、辺境の西武人ならではの、生死感なのだろうか。
[地上波(吹替)] 6点(2012-10-28 02:02:29)
386.  幸福(1981) 《ネタバレ》 
 正直なとこ言うと、「色が邪魔」だったのなら、モノクロで撮ればよかったんだ。更にいうと、DVDで再現されたシルバーカラーも、劇場で見た時の印象よりは、セピアに偏っている気がする。何だか、懐かしい感じになってしまっているが、もっと、灰色っぽい、無機質な感じの、"都会の色の抜けた感じ"のする色調だったはずだ。   物語は、殺人事件を通して浮かび上がってくる、現代社会における家庭崩壊、親と子の姿、幸福とは何かを追求している。…そうである。そうである、というのは、パンフレットに書いてあるからそうなのだろう、と思うだけで、自分では納得していない。  まず、その親子・夫婦と家族の姿が、物語として有機的に機能していない、というか、それを知った主人公刑事の行動に結び付くさまが、見えないというか。ただ並べて描写しただけ、という印象。事件が「彼の事件」になっていない感じ。  主人公刑事は、事件によって明らかになった幾つかの家族の姿に触れなければ、あのままだったのか?普通女房に逃げられたら、まず会いに行って、どういう事か問い質すのではないか?ましてや子供のいる家庭で。居場所が判らないというでもなく。   シルバーカラーの色調だけしか印象に残っておらず、物語をすっかり忘れていて、今回すごく新鮮に見られたのは、公開時に同時上映した『アモーレの鐘』の城戸真亜子の、豊な胸の印象が強すぎただけでは、なかったようだ。
[DVD(邦画)] 5点(2012-10-27 23:35:17)
387.  哀しい気分でジョーク 《ネタバレ》 
 そりゃあ、泣いちゃうけどさ。泣かすように仕組まれた設定にストーリーだから。だけど、公開当時見た時には、実際のたけしと同じ、コメディアンという設定が、今よりももっと、あざとく感じられて、とても印象が悪かった。   当時の漫才ブームというのは凄まじく、劇中で描かれるように、サイン攻めなどは当然、人気者ではあるが個人のプライベートなど、考慮される風潮はなかった。  だからこそ、そんな芸人の裏には、それぞれこんな人間のストーリーがあるのだ、という事なのだろう。そういう物語の構造は悪くはないと思うのだが、そこで語られるのが、難病の子供が死ぬ話という、鉄板の感涙ストーリーだというのが、「ズルさ」を感じさせるのだ。
[DVD(邦画)] 3点(2012-10-26 23:14:47)
388.  皇帝のいない八月 《ネタバレ》 
 こういう、どこもかしこもダメな話って、後味悪い、と言うか憤りの持って行き場がなくて、とてもストレスがたまる。クーデターの理由が、古臭いただの軍国主義で、一片の理解もできないし、それを抑えようとしている側も、腐っているし。  で、結局、何が言いたいのか分かんない。皇帝のいない八月って、意味有りげなタイトルだけど、架空の曲で、作戦名以上の説明が無く、ガッカリ。  乗客を人質にした、列車ジャックのサスペンスで魅せるかと思っても、列車って最後必ず駅で止まる運命だし、イマイチ、ドキドキ感が無い。   そもそも、山本圭の搭乗阻止の理由は何だったのか。小百合ちゃんを強引に奪っておきながら、今更昔の彼氏の命を守る意味は何か?  特殊な口径の弾薬で示唆した、アメリカ軍の関与の詳細は描かないのか?そもそも、あれだけの国粋主義者が、米軍の援助でクーデターを行うものだろうか?   当時33歳という、小百合ちゃんの、絶妙な女っぷりだけが、救い。   
[DVD(邦画)] 4点(2012-10-25 23:09:51)
389.  名探偵コナン 11人目のストライカー 《ネタバレ》 
 今作だけの事ではないのだが、最近のアニメーションはコンピュータの導入が進んでいて、人間の動き以外の動きは、運動計算に基いて、かなりリアルな動画となっている。自動車の止まる時の、サスペンションの揺れ戻しなんか、顕著な例である。ところが、そういうのと、人間たちの動きが、絶望的に合っていない。物体だけリアルに動いて、人間だけリミテッドアニメの動きというのはとても気持ち悪い。絵柄もそうだが、動きだって、全体の統一感が大事なのではないだろうか?  それと、いつもの真っ黒描写で描いていた、犯人の犯行準備を行なっていた場面。わざと古いフィルム的な効果を出していたのは、一体何故なのだ?ひょっとして、暗所の好感度撮影時のノイズを表現したのかな?それにしちゃあ、フィルム特有の盾傷も描かれていたし。時期的には現在の犯行を描いている場面なので、意味がわからん。  まあ、それはともかく、相変わらず、壮大な事象を起こす割には、犯行動機がしょぼく、爆弾の入手や物量など非現実で、そのご都合主義には、呆れ返る。推理モノって、そういう所があまいと途端に白けちゃうものなんだが。  ところで『戦慄の楽譜』の時にも感じたのだが、派手な部分は別として、事件のコアな部分がどうも、東映系刑事ドラマで見たことある感じなのだ。何だったか思い出せないが、今回のも、急病の子供を乗せた救急車が、渋滞的なものに阻まれて、それを恨んだ犯行、というドラマを思い出す。字にしてみると、似ているどころではない。これは、かなり問題だと思うのだが、どうだろう。
[DVD(邦画)] 4点(2012-10-24 01:36:12)
390.  華岡青洲の妻 《ネタバレ》 
 何年も前に新薬被験者の登録をした時に、随分といろいろな妄想と、戦ったことを思い出す。もちろん、現在の試験は安全なのだろうけれど。  そう考えると、麻酔という技術が、半ば伝説としてしか無かった頃に、失敗したら死ぬかもしれない実験に、体を提供するのは、並の精神力ではない。   世界初の全身麻酔、と言う部分にはもちろん興味深さはある。しかし、スゴイと思うのは、母と嫁の被験者競争だ。子を溺愛して嫁に意地悪をする母、というのは、物語や幾人かの知り合いの話などで、聞くことはあるが、その張り合いが人体実験にまで及ぶというのは、大した狂気だ。  この部分の、二人の狂気的な張りあいを見ると、人間の一念、思いの強さ、を恐ろしい思いを持って観てしまう。と、同時に、顔も見ずに嫁入りし、新婚生活をも姑にコントロールされてなお、人体実験を申し出る、お武家さんとは、大したものだとも思う。   その人は、医者の家の美しい女将さんに憧れて、そこに嫁入りし、その美しい姑にいじめられ、さやあてのように被験を申し出る。まさしく「美しい花には毒があ」ったけど、そのおかげで「毒薬変じて薬とな」ったという、ことわざ通りのお話なわけだ。そういう意味では、これは『華岡青洲の母』でもあった話かもしれない。
[DVD(邦画)] 7点(2012-10-22 22:59:56)
391.  ダーク・シャドウ(2012) 《ネタバレ》 
 妹が借りてこなければ、まず見ないタイプの映画だが、見てしまったので感想などを一つ。  バーナバスが成仏するとか、その愛が成就するとか、がその結末だと思っていた。確かに、彼の愛は成就したように見えるエンディングだったが、彼女は、彼の想い人の、直系ではない子孫だ。昔愛していた人に、良く似た親戚の子との恋が実って、メデタシメデタシってのは、どうかと思う。よくあるのは、生まれ変わり的なもので、それだったら200年の時を超えて結ばれる二人、という話になるけど、本人とは別モノとして描かれている。  こんなこと気になるのは、自分くらいかもしれないけど、戦いの最後に現れた時に、二人が邂逅する、という展開もアリなんじゃないかと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2012-10-21 03:19:01)
392.  あひるのうたがきこえてくるよ。 《ネタバレ》 
 教師としてなにがしかの挫折を味わった男が、美しい自然あふれる山深い田舎町で、アヒルを育てて、都会に帰って行くという、成長物語。非常に地味な映画だが、緑深い美しい自然と、カワイイあひるの映像に、心和まされ、強く感動したりはしないが、アヒルと一緒に主人公の男も育って巣立ったのだと、分かった時に心が暖かくなる。   今ではこれを、劇場で見ることは、なかなか難しいのかもしれないが、シネマスコープの大画面でもう一度、この自然の風景を見たいものだ。   パンフレットに相当する、ホネ・フィルムのガイドブックによると、温泉シーンの習字は、「一心不乱」以外は、本物の学童の好きな言葉を書いた習字だという。「図星」という言葉の選択は、すごいセンスだと思う。さらに奥には、「罪ほろぼし」もあるらしい。子供の発想力はスゴイ。
[ビデオ(邦画)] 6点(2012-10-20 02:24:25)
393.  スノーホワイト(2012) 《ネタバレ》 
 昔、ある作家のエッセイで、女性読者の話としてこんな言葉を読んだ。「物語の中の女の子は、何故どこの馬の骨とも分からぬ王子を、それというだけで受け入れるのか?」  なるほど現代の女性は、相手のステータスだけで結婚相手を選ばない。自分と相手の気持の帰結としての、結び付きを求めている。  そういう意味では、今時は童話や昔話をしにくくなった事だろう。白雪姫にいたっては、「通りすがりの王子様」だもの。ちょっと、それはねえ。   そんな訳で今作の王子は、ちゃんとした隣国の王子で、スノーホワイトの幼なじみとなっている。彼女との思い出もあり、彼女も憎からず思っている。ところが、例の毒リンゴを食らわされて、この王子が泣きながらキスしても、覚醒めやしない。ここへ至ってやっと、白雪の相手は、命を助け合ったエリックの方なのだと気づく。生死と苦楽を共にした気持ちの結び付きは、遠い日の思い出よりも強いのだな。このあたりの展開も現代的、というか大人の物語として良いと思う。   ところで、毒リンゴのシーンに張り巡らされた、周到な罠には唸らされた。  冒頭に描かれた、白雪のイメージカラー、真っ白な雪のシーン、それと同じような雪のシーンで、「こちら側」感を出す罠。  幼少時の二人の遊びのエピソードとしてリンゴを使い、それと同じシチュエーションと見せかけて、それを毒リンゴと思わせない罠。  それまで女王自身、そんな大きな魔法を使えるとは思わせなかった罠。 ……で、まんまとそのシーンでアッといってしまった訳だ。   その後の、戦いに至るストーリーは、今時のファンタジー映画の流行りなのかもしれないが、私は好きではない。もうちょっと上手いこと魔法使いをやっつけるアイデアは無いものだろうか。  しかし好きでないとは言いながら、全体的には結構楽しめた。ちょっと前の『赤ずきん』よりかは、よっぽど。
[DVD(字幕)] 6点(2012-10-18 13:50:00)
394.  大地震(1974) 《ネタバレ》 
 なんだよ、地震国日本の「地震列島」より6年も早くコレがあったのかよ。しかも、見てみれば、おそらくコレが、日本版の元ネタじゃないか、と思うほどの似通い様。  …なんて言ってみみるも、そういえば超低音を売りにした宣伝を見た記憶も、蘇ってくる。当時は、『ポセイドンアドベンチャー』以降の数多く作られたパニック映画は、なんか他の二番煎じっぽく思っていたので、観ていなかったが、地震で建物の倒壊するさまや、人々の脱出のドラマで、なかなか魅せてくれる。色んな人のドラマが少しづつ絡んでいて、数々の思いを起こさせる。殊に、州兵という存在とその危うさは、日本人としては興味深かった。  特撮的にも、ほぼ不満点はなく、というより同時期の日本のそれと比べると、見事という他無い。   それにしても、本作や、『タワーリング・インフェルノ』など公開された、この時代のアメリカの高層建築家は、怖かったろうなあ。と、二十数年前にサンフランシスコで大地震の起きた、10月17日にこれを見て、不謹慎にも思うのである。
[DVD(字幕)] 6点(2012-10-17 18:35:26)
395.  ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 《ネタバレ》 
 第一作目のゴジラは、一作目にして完全な映画だった。モンスター映画としての映像も、核兵器批判としての表現も、そのアイデアも。  省みて今までのガメラは、怪獣映画としては、ほぼ完全だったが、ゴジラのように高尚そうなテーマが無いように見えた。その部分に手を出して、大失敗してしまった。と言うのが私の解釈だ。映像的には文句ないし(事に京都駅の映像はスゴイの一言だ)、自衛隊関係の描写も安定のリアルさだ。   だが、「巫女」とゲームクリエーター(こんなのが、政府関連の仕事を?)周りの物語の陳腐さは何だ?この男は、古代人についての想像とつまらない終末論を言うためだけの、他に何の役にもたってない登場人物で、同様の巫女と共に、居なくてもなんにも困らない役だ。この、マナというものとそれによる厄災の話で、地球環境的なテーマを語りたいのかもしれない。が、描写が足りなすぎだし、なにより結末が暗すぎる。あの二人の件を全部カットしたら、もっとマナと厄災、ガメラの物語が描けたろう。  それと、冗談のネタとも言える「正義の味方に踏み潰された人」という設定で描かれる、ガメラへの復讐の物語は、米軍と基地周辺住民問題に通じる、更に厄介な問題で、何かと同時に描くほど簡単な問題ではない。欲を出しすぎだ。   絶望的な暗さの結末については、そういう物語も当然アリだが、前二作の爽快感とあまりにも違いすぎて、戸惑う。  異論はたくさんあるとは思うが、怪獣映画は第一義的には子供のものだと思っている。そういう意味では、もうちょっと救いのある、というか明るい未来を信じられる結末を観たかった。見せたかった。ガメラが守るに値する未来を。
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2012-10-16 12:56:56)(良:1票)
396.  ガメラ2  レギオン襲来 《ネタバレ》 
 大好評を博した『大怪獣空中決戦』の続編で、新怪獣の登場。なんだか防衛関係に好評だったのか、自衛隊協力のクレジットが異常に多い。   さて今回は、ただ現場にいたというだけの単なる民間人に、作戦上のアドバイスを受けたり、現場に連れて行ったりと、ちょっと非リアルでそういう所ダメな人も居そう。でも、今回の最大の見所は、師団長の「火力をレギオンの頭部に集中、ガメラを援護する」だろう。これこそ、一方的だった、ガメラの思いが成就した瞬間。ガメラが人類の味方、という設定だからこその、素晴らしいカタルシスだった。  また、某格闘アニメの影響からか、地球の「気」のようなものも、素直に受け入れられた。   しかし、今回の話は、私の気に入っていた「人類の味方設定」に、暗雲がかかっている。「ガメラが守っているのは人間じゃないのかも」とラストで示唆するところだ。  だけど、今作にはガメラが仙台に降り立った時に、踏み潰しそうになった車をよけるカットがある。そんな事言わないでほしいものだ。もちろん、草薙浅黄ちゃんがあの場にいたら、キリッと否定してくれたろうけど。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2012-10-16 12:56:09)(良:1票)
397.  刑事物語 《ネタバレ》 
 ひっさしぶりに観たわ。  当時、東宝は、寅さんに対抗するシリーズにするつもりだったと何かで読んだが、こちらは犯罪事件が基本で全体的にちょっと暗めなためか、長く続かなくて残念なことだった。  モテない割に女にはめっぽう優しい、蟷螂拳の達人刑事の物語。いいキャラクタだったんだけどなあ。  こんないい人の力の源が、「憎むこと」なのは考えてみると意外だが、その台詞を言う前の段階で、この人は相手を憎んでいる、と分かっちゃう武田鉄矢の芝居に驚かされる。この、女に優しく毎回誰かを愛してはフラれ、を繰り返している刑事と、力を発揮するときには相手を憎む、と言う部分の関係についてのドラマをもっと観たかった。   ところで、ラストに流れる主題歌「唇をかみしめて」は、ホントにいい曲だ。スナックのカラオケでたまに歌うと、大抵のおじさん達が褒めてくれる。歌唱ではなく、歌の内容を。 
[DVD(邦画)] 7点(2012-10-14 15:13:30)(良:1票)
398.  ガメラ 大怪獣空中決戦 《ネタバレ》 
 この映画の優れた点は、巨大生物が現れた際の、日本の社会や防衛関係者などの、リアリティある描写にあると、多くの人が言う。私もそう思う。しかし、実はそれよりももっと、私が評価している、嬉しく思っているところがある。ガメラの性格である。いや、人格的な意味でなく。   ガメラは、子供の味方だった。ただし、旧作を見返してみると、そんなに説得力のある理由は無かった。いきなり「子供の味方」と言い出したのを、我々は喜んで観ていたわけだ。それを、子供→人類と置き換え、それにSF的設定を与えただけのことで、その性格をそのまま、上手く引き継いだこの平成版ガメラは、戦う不自然さを根本的に解消できた。  なによりこの設定で、ラストシーンの「来るよ、ガメラはきっと来るよ」という、実に晴ればれとしたセリフに帰結するさまが見事。  久しぶりに通しで見ると、色々と原作(『大怪獣空中戦』)の要素を、新解釈で描いていたりして、楽しい。ガキが勝手に名付けていた、名称についてのやりとりとか、「こんな生物はいない」というセリフとか、完全無欠な生物でもやはり夜行性なのかとか、足を切断するのはギャオスの宿命なのかとか。そういえば、ラストのシーン、急速に炎が収束するシーンで、ガメラの、炎好きで火を吸入する習性を思い出した。そういう事だったのか?
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2012-10-13 01:01:31)(良:2票)
399.  大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス 《ネタバレ》 
 何と言ってもギャオスのデザインがスゴイ!  およそ地球上の生き物で、こんな直線を持ったものを私は知らない。それ故に感じる、異常な違和感、ヤバさ。これが目の前に現れたら、恐ろしいという以上の危険を感じると思う。ゴジラシリーズで言えば、キングギドラに匹敵する強烈なキャラクターだ。  物語は、時代を感じる「高速道路建設には対する住民と建設業者の諍い」でその場所に、ギャオスが現れて、結局強欲住民たちが心を入れ替えるという話。   この作品で、急にガメラの性格付けが決定されて、「子供の味方」と言う事になったらしいが、せめてその経緯くらい描いてほしいものだ。それにしてもガメラお前、背中に手が回るのか?
[ビデオ(邦画)] 6点(2012-10-13 00:59:22)
400.  大怪獣ガメラ 《ネタバレ》 
 今回、『大怪獣空中決戦』の参考のために観てみたが、思い込んでいた 「ガメラは子供の味方」という部分が、殆ど無いので肩透かし状態だった。実は、「浦島太郎」的なエピソードでもあって、子供の味方になるのかと思って、期待していたのだが。  非常に思わせぶりな、少年の逃がしたカメとガメラの関係は、無いようだし、よくよく考えれば、本当に子供の味方なら、そもそも灯台壊さなきゃいい訳だし。助けたのは、ただの気まぐれだったとしか思えない。しかも、このストーリーに何の意味ももたらさないクソガキが、まあ、大人の邪魔をする、他人を危機に巻き込む。観ていてイライラする。   ゴジラのライバルの最初の物語は、意外と残念なものだった。
[ビデオ(邦画)] 2点(2012-10-13 00:54:55)
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