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パブロン中毒さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 914
性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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381.  チョコレート(2001) 《ネタバレ》 
問題のラストシーン。 レティシアの視線は庭の墓石を漂う。 新しく土が盛られたソニーの墓石を見つめる彼女。 そして彼女の視線はアイスを食べるハンクへ移り、納得したかのように軽くうなずいたように見えた。 つまり、ハンクの口から詳しく語られなかったソニーの死が、尋常な死に方でなかったことを確信したのだ。夫の死と無関係ではないことを、知ったのだと思う。 これにより、「夫に直接手を下した人間」でありながら「彼もまた代償を支払っていた」ことを引き換えに、ハンクを責める気持ちが中和されたのだと想像する。 なのでどこにも行くあてがない彼女が、これからもハンクに頼ることの正当性を自分自身に与えた瞬間だったと思う。 それにしてもセックスの仕方で登場人物の変化をあらわすのはキツいなあ。 前戯なしでいきなり背後(しかもお金で)→正常位と女性上位→最終的にはオーラルセックスもOKという流れでハンクという人間の変化を描いたのはひとつの思いつきとはいえるが、身も蓋も無いともいえる。同じことを描くのにほかに方法はなかったのか?やっぱり話題性を狙ったのか?と疑いたくなってしまう。 この話自体は、「レイシストの白人中年男性と、貧しく虐げられた黒人女性が結ばれるさまを誰もが納得するように描いてみたい」というところから始まって、死刑囚だの息子の死だのは、あとから付け加えていったのだと思う。こういう作り方をすると「ありえない」とか「ご都合主義」になってしまうのは仕方ないなあ。ソーントンに努力賞。 
[DVD(字幕)] 7点(2006-08-20 12:13:19)(良:3票)
382.  まぼろし 《ネタバレ》 
「5×2」に気をよくしてオゾンと仲直りしたので、ちょっと前の作品であるこれも見てみた。 そしたら「ランプリング・ワンマンショー」状態であった。ファンなら大満足であろう。 悪くはない。あえて最後まで謎が解かれないのもそれでよい。時系列も素直で見易いとはいえる。 しかし、しかーし、これを見て私はランプリングが好きでないどころか積極的に嫌いであることに気がついてしまったのだった。 お直しの入っていない中年白人女性の顔、これは笑顔じゃないと好感をもつのは難しい。ところがランプリングは正真正銘の「不機嫌顔」女優。笑っているほうが不自然なほどの女優さんだ。 なによりその口元が0点。オールタイム「への字」。そして下唇がほとんど無いほど薄いうえに、下顎が上顎より引っ込んでいるために、常に「唇をかんで」いるように見えてしまう。唇をかむというのは、何か不愉快なことを耐えている表情ですから、これを90分近くひたすら見続けるのはけっこう厳しい。見ているほうもいつしか「への字」状態に。 お話としては、もともと精神的に未熟で少女のようなマリーさんが、経済的にも精神的にも頼り切っていた夫の失踪でおかしくなっていくという話。いやほんとに、こんな妻がいたら、夫は大変だっただろう。マリーさんは、自分と夫のこと以外は、全く見えない考えない、子供みたいな人だから。いくら夫が失踪してショックだからといって、都合の悪いことは聞こえないふりをして話題を変える、すぐにバレるようなウソをつく、直視したくないことは先延ばしにする、やってることは子供と一緒。これはもともとがそういう人なんでしょう。当然姑には好かれるワケはない。夫が全面的にマリーさんを支えている体制なのだから、そりゃあ、うつ病になったって、こんな妻には言えないでしょう。こういう神経過敏な女性役にはランプリングはぴったりなんだけど。でも、やっぱり好きじゃない(この顔)。 あ、私の解釈はどう見ても水泳中に溺死、です。こんな頼りない奥さん置いて自殺できないでしょう。事実ってそんなもんだと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2006-08-13 22:12:46)
383.  ヘルレイザー リターン・オブ・ナイトメア 《ネタバレ》 
「ジェイコブズラダー」のリック・ボータ版といえよう。 しかし、そんなに悪くはない。べつにピンヘッドさんを出さなくても成立する話なんだけど、編集で無駄なところが思い切りよくカットされてるので作品としてはダメじゃない。でもシーツをめくる0.5秒前に分かってしまう。
[DVD(字幕)] 7点(2006-07-30 14:02:45)
384.  イン・ハー・シューズ 《ネタバレ》 
トニ・コレットはお姉さん女優だ。「アバウト・ア・ボーイ」のヒッピーお母さんでしたよね。 キャメロン・ディアスはまぎれもない妹女優だ。「彼女を見ればわかること」の盲目で発展家の妹役、はまってましたね。彼女には1%も「お姉さん性」を感じない。 この作品は前半のヤな感じが、後半でみごとにうっちゃりにもってかれた、そんな大技を感じる映画でした。 ひたすらローズの気持ちになってマギーに憎しみをつのらせる前半。「そうだこんな下品な女死んでも直るもんか」「早く追い出せ。私なら2時間と持たぬ」とこぶしを握りしめるのであった。 フロリダに行ってもお行儀が悪く自分中心のマギーに、「どうしたバーサン、こいつの根性をビシビシ叩きなおしてやれ!」とイライラするが、話は意外な方向へ。マギーがなぜにアバズレとなったか、その理由がはっきりする。LDだっただけでなく、それに対するきちんとした指導も受けられず成長し、大人になった今もそれを隠し続けている彼女。他人の愛情の真贋について、異常なほど猜疑心が強い彼女。「あら、それなりに可哀想な子だったのかも」なんて気持ちになったりして。 一方のローズにも、これまでしがみついていたものをあっさり捨てたことにより、新たな運が訪れる。 そうなの。それって真実で、女の場合は今持っているものを思い切り良く捨てないと、次のものが来ないみたいなのよ。そこが「男の運」と「女の運」の違いなのよね。と「運命研究家」の私はつねづね思っているのです。「ユー・ガット・メール」におけるメグ・ライアンもそうでしたよね(映画だけど。) 姉妹それは決して「仲良し」だけでは成立しない関係。「憎たら可愛い」のが妹。そういう私は姉。 ともかくすっきりハッピーエンド。殺人も犯罪も超常現象も起こらないがたまにはこういうのもいいじゃない。 
[DVD(字幕)] 7点(2006-07-29 16:26:01)(良:2票)
385.  湾岸道路 《ネタバレ》 
とても印象に残っている映画なんです。 たぶんその昔、大好きだった彼が草刈正雄のバイクものが好きで(本人は中免すら持っていないくせに)、ビデオを借りてきて見たんじゃないだろうか。鑑賞したシチュエーションもおぼろげなのに、内容はけっこう印象に残っているんだなあ。 というのも当時私は小型から免許を取りに行って(女性は小型からじゃないとダメと言われた)、3ヶ月をダブって6ヶ月も行って、その後また3ヶ月行って中型をやっとの思いで取ったという経歴があったのだった。 それはそうと、当時この映画を見た私の感想は「強烈に不可解」でしかなかった。 この夫婦の行動がなにもかもすべて「理解できない」のレベルなのだった。まあ若かったから。 それなのに、なにかリッチで洗練されて静かでもの悲しいこの雰囲気、ぐっと来たんだよなあ。 今でも、あの夫婦のとった行動がすべて理解できるわけではもちろんなく。 「粗末にしてしまったダンナの気持ちを少しでも理解したい」から大型乗るって、まあそれが大型二輪でなくて、例えば「ギターが弾けるようになる」でも「釣りの達人になってみる」でもなんでも同じなわけだ。理屈からすると。ただ女が「大型取りに行く」のがどんなに大変なことか、肌身で感じていた私は、とても衝撃を受けたのだった。(私自身は大型取れるなんて考えたこともない。周囲の男性も何度も落ちてたし。) 草刈がパスタをつくって二人で食べるシーン、印象的だったな。汚れた英雄がその後ハゲたうえにかぶりものを使用することとなるとは夢にも思わなかったあのころだ。合掌。
[地上波(吹替)] 7点(2006-07-19 23:09:22)
386.  二重誘拐 《ネタバレ》 
ふむふむ。わりと洗練されたつくりだ。余計な描写の省き方とかカットのつなぎかたもうまい。 登場人物も少ないし、オチがいっこしかないし、邦題がひどいということで、皆様の怒りをかっているようですね。 「山小屋がない」つーのが最大のオチ(言っちゃった)だけど、まあこれも予想はついてしまうよね。だから、そーゆーことでだまされたい人は、怒って当然です。 他の方のレビューにもあるように、「対照的な2人のおじさんの人生の比較」が重要マターではあります。が、それ以上に「あちらの男性にとっての妻の位置なり意味」の重要性が主題となっていた。 ウェインがなんとかアーノルドを懐柔するために必死に話しかけるその内容は、「妻」関係の話。どうやらあちらの男性にとって「妻」とは「山の神」以上の精神的な「聖域」であり、己の「良心」の宿るところ、であるみたいなのです。最も「痛いところ」であり相手との関係を深めるカギなんですね。 そして結果的にこれは「効いて」いた。アーノルドはウェインの手紙を見てはじめて己の妻のことを現実的に考える。それが後の行動につながったわけです。ウェインは殺されたとはいえある意味「勝利」を得たとも言える。(彼の言ってた貧乏だったお父さんのように) 「THE CLEARING」の意味を考えてみましたけど、「清算」か「手形」かなあ。 タイトルにこれをもってきたということは、犯人にとっての「清算」は、せしめた「100ドル紙幣」であり、これを使うことで、わざとつかまる方向へ仕向けたこと?ウェインにとっての「清算」は、浮気を続けて裏切っていた「妻への感謝状」? それにしても画面上のレッドフォードの存在感てすごいですね。なんか、ものすごくオーラ出てます(すでにフェロモンの段階を超えていて掃除機のように吸い込まれそう。) ウィレム・デフォーは、インテリをやってもはまるし、こういう無教養でアブな犯罪者もぴったりくるというめずらしい役者さんですね。 この映画、「勝ち組」「負け組」という視点で見た場合には、「勝っているやつはやはりそれなりの人格者であって、負けてるやつが暴力で脅したところで最終的にはかなわない」と語っているようにも見えますね。まあ、デフォーだって彼自身はセレブだからそういう意味では現実味は欠けるが。   
[DVD(字幕)] 7点(2006-07-17 19:57:58)(良:1票)
387.  ソナチネ(1993) 《ネタバレ》 
その昔。関内(横浜ね)のしょぼい映画館まで足を運んだのであった。 客はすごく少なかった。あと、鑑賞環境が悪く、終始場内の照明に悩まされた。 それでも見たかったんだなあ。 「その男」でしびれたテンポと意表をついた話運び、あいかわらずよかった。「殺すぞ」と抑揚なく言ったら次の場面ではとんでもないことに。いいなあこれ。 でもたぶん、私が喜ぶような上記の場面じゃなくて、キタノブルーとか絶賛された沖縄の浜で遊んでる(といえるのか)場面を一番撮りたかったんだと思うのだ。 仲間がどんどん欠けて(もちろん死んで)いくことに対する徹底した無感動、これが全編をつらぬく。究極のクールなんだけど、じゃ浜辺で仲良く「舞の海」とかいって遊んでる場面はなんなの、というミスマッチ。その描写とは逆に、観客は「ああ、こいつもあいつも死んじゃって、やばいじゃんどうするんだよ」とますます追い詰められた気持ちになる(たけしの狙い通り。)唸りますね。 つまり「俺らは世の中にも人生にも別に期待も希望も抱いていない」という大前提がないと成り立たないわけですね。「ああこいつが死んでショックで悲しいー。こいつにはぜひとも生きていて欲しかった」という感情表現がカケラも出てこないわけだから。 「期待も希望も持たずに最後は単独の出入りで終了」という、なんか非常につまらん話のように聞こえてしまうけれど、それを映画として成立させてしまう手腕。 胸の大きな姉ちゃんは本当に要らなかった。  
[映画館(吹替)] 7点(2006-07-17 14:57:52)
388.  ダーク・プレイス<TVM>(2003) 《ネタバレ》 
不覚にもウルウルしてしまった。実話ものだから、これといったヒネリはない。事故が起こって、何人かの仲間が死んで、最後に助け出されるという、シンプルすぎるくらいシンプルなドラマである。この間に、掘削器を通して地上との通信や物資の差し入れという異色な展開があり、ただの救助ものとの相違が見られる。が、ほんとーうにシンプルな映画で、妻子との家族愛とか、善良な町の人々とか、善意あふれる記者とか、地上チームの奮闘ぶりとか、みんながみんないい人。鉱場長も自分が引き起こした事故のくせに、多少の嫌味はあるものの、結局は助けたい気持ちに変わりないようだ。ほとんどドキュメンタリーといっていいような気がする。こんなシンプルな映画を作るところ、まじめだ。ドイツ人は日本人と似ているとよく言われるが、確かに、みんなまじめでいい人。これがフランスで起こった事故なら、もっと臭みのある展開になったかも。いい意味で面白みのない話とも言える。が、昨今自殺サイトを利用したり練炭を焚いてしまうような若い子たちには、是非見て欲しいものだ。案外簡単に転向するかも。
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-13 22:25:17)
389.  マルコヴィッチの穴 《ネタバレ》 
それなりにおもしろかった。 乗り移られる人間(ホスト)を、穴を通してどうやって特定しているのか、そこんとこがイマイチわからない。なんで一人のホストにわざわざ大勢で乗り込んで人格統合するのかもわからない。あと、15分超えのテクはなんなのかもよくわからい。まあ不条理だから。それでもいいけど。後半マルコヴィッチがジョンキューザックの真似演技をしているところがウケた。 あと、そんなにまでして皆が乗り移りたいと思う対象が「俳優マルコヴィッチ」てところが、ジョークと思った。(腹たるんでるし)
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-12 15:35:07)
390.  ヒトラー 最期の12日間
エバ・ブラウンはなぜあんなにオバサンなのか?すごく若いのではなかったか?調査不足ではあり得ない意図的な設定と思われるのでこの点が興味深い。ゲッベルス役の人の顔が人間離れしていて怖い。腹話術の人形のようだ。ゲッベルス夫人役の女優さんがすばらしい。アカデミー賞をあげたいと思う。首相夫人としての威厳を最後まで保った彼女を演じきった。以下ヒトラーとナチス時代のドイツ「人」について思ったこと。ヒトラー、ブルーノ・ガンツの演じる彼を見ていて、「ああ、この人ってもしかして、子供の頃におもちゃをあんまり買ってもらえなかったのではないかなあ」と、ごく自然に感じた。私にはヒトラーが、「欲求不満のまま大きくなった男の子」に見えた。それだけならよかったけれど、たまたま彼には人並みはずれたIQと、弁舌の才と、小心者ゆえの人の裏切りにするどい嗅覚があったためにこんなことになったのではないかなあ。案外そんなところじゃないかしら。どんな権力を手にした人間も、それが「男性」であれば、問題の根っこはくだらないところにある、というのが私の長年の研究結果である。ベルリンは、彼が造った最も高価なおもちゃであって、他人に盗られるくらいならその前に壊してしまえ、という幼稚な感情が伝わってくる。本当に幼稚園児の発想だよねえ。IQ高そうだけど。ドイツ「人」について。彼らはなぜヒトラーを選んだのか。「先の大戦」の敗戦により屈辱と苦難を強いられたこと、これは民族のトラウマとなっている。「降伏は二度とごめんだ」という言葉にも現れている。国内事情が良くない時、日本は「国の外」にしわよせすることで切り抜けようとしたが、ドイツでは、「国内の敵」にしわよせしようとしたんだな、きっと。特定の民族や、障害者の地位を下げるということは、「そうでない人」が相対的にグレードアップすることに他ならない。「そうでない人」のドイツ人がこれを「よし」としたのは、損得勘定からいえば自然なことだ。良心をワキに追いやれば。(このごろの日本もこれに近づいているな)「あいつはとんでもない悪魔だから非難していればいい」と、ヒトラーとナチス・ドイツの時代に蓋をするのではなく、その時代を生きた自分と同じような市井の人々の心情に想像力をめぐらすことこそが、「知性」の使い道と思う。私の場合はそのために実話もの映画を見ることが多い。(司馬遼太郎のうけうり)
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-08 00:01:22)(良:2票)
391.  21グラム 《ネタバレ》 
結論からいうとこれは「人の生死は神の領域」もしくは「人の操るところにあらず」を描いた作品である。言葉でいうとそっけなくなってしまうが、このことを映画は重苦しい雰囲気と音楽の中、数人の「無神論者」である登場人物を通して描いてゆく。ジャック、神を信じてまだ2年しか経たないのに、クジで車が当たったことを「自分の信仰心に神が応えた」と思いこんでいる。神の業とは人間の都合に合わせたものではないはずなので、彼は傲慢になっているだけで、本当に「神を信じている人間」とはいえない。その妻は、「神様に関係なく人生は続く」と言い切る現実主義の無神論者。クリスティーナ、これは普通の主婦であるが、おそらく「不妊治療」によって娘を2人もうけたことを自慢たらしく思っている「無神論者」である。ポール、これは数学の教授で、彼にとっては数学こそが神であり、過去に女を口説く時にも数学が活躍したと思われる、もちろん無神論者。彼の教え子だったらしきその妻メアリーは、堕胎はするわ、もちろんのこと無神論者である。この無神論者たちのやらかすことが、臓器移植であり、不妊治療、人工授精、ひき逃げ、隠蔽工作。とくにジャックは神に対して自分の都合のいい解釈を勝手にしておきながら「裏切られた」と言っている。ここにいるのはすべて「傲慢な人間」である。製作者は、傲慢な人間(神様から見た場合の)を描き、「神の業は人間ごときの想定を超えたところにある」と言っている。ラストのポールの死が、何よりもそれをあらわしている。なぜかといえば、ポールは「自殺」したのではなく、「元の位置に戻る」ことを望んで頭部でなく胸を撃ったからだ。「元の位置」とは、「死の待合室」で順番を待っていたころの自分である。ジャックを殺すことができず、移植した心臓もダメになり、無神論者のポールは「人知を超えた」「人の生死」を悟った。しょせん人が人の生死を左右することはムリがあると。ポールを自ら「元の位置」に戻したことにより、製作者は「命にかかわる臓器移植」を否定し、クリスティーナの想定外の妊娠により、「不妊治療」と「人工授精」を否定する。「それらはすべて人間の担当するところではない」と言いきっている。これはカトリックであり、新種の宗教映画とも思う。ナオミワッツはがんばっているが、通俗的な演技で浮いている。ショーンペンは姿のいい俳優さんだと改めて感じた。
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-05 16:16:37)(良:1票)
392.  ライディング・ザ・ブレット 《ネタバレ》 
冒頭ほんの数分だけどマックス・ヘッドルームのマットが出ている。老けたなあ。それはともかく。キング原作のこの作品は、男の子たちが「死のスリル」と戯れたがることについて描いているようだ。アラン・パーカーというどっかで聞いたような名前の主人公の男の子。彼はお行儀が悪いだけで、普通にヘタレな男の子である。ほとんどすべての男の子はヘタレと決まっているからである。そして男の子は「死のスリル」と戯れがちだ。なぜかというと、橋本治風にいうなら、男の子には生理が来ないからである。下世話な話をしないと説明できないので申し訳ないけれど、これが本当の事だ。生理というのは、本人の意思に関係なく無理やりに訪れる。自分の意思でコントロールすることはできない。男の子の射精と根本的に違うのはここのところだ。生理とは「おまえは生きているぞ。忘れるな。」という「確認を求められる」現象なのだ。「そうか。不本意ながらやっぱり生きているのか。」女の子はほぼ毎月それを繰り返しているのだ。男の子と比べてヘタレなはずがなかろう。女の子が「死のスリル」と戯れる必要がない理由はこれである。男の子はこれがないので、しばしば「自分が本当に生きているのか」について確認する必要があるらしい。この作品はそのことについて言っていると思う。亡霊のジョージが、「彼女をBULLETに誘ったが生理なので断られた」と言うが、これが端的に現している。BULLETに乗ることは「死のスリルを味わう」行為でありすなわち「生の確認」なのであるが、「彼女」は「生理」があるので、そんなもの必要ないのだ。ラストにキングらしい説教くささがあるが、これはどこまでも男の子の話であり、とりあえず「女の子」には必要のない教訓である。
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-02 21:16:33)
393.  ラストエンペラー
頂点から底辺まで転げ落ちたその転落の距離のあまりの深さに、誰もがふいをつかれ頭を垂れてしまう、そんな作品。これをぜひとも見せたかったその人は、昭和天皇、というならあまりに残酷でしょうか。でも存在しなかったもう一人のあなたかもしれないのです。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-27 21:55:22)
394.  シェルタリング・スカイ 《ネタバレ》 
音楽がストーリーと合ってない。もっと客観的でさめた感じでいいし、もっといえばあんまり無い方がいい。ことさらに人物の心情を音楽ばっかりで盛り上げすぎ。 ポートが映画の最初から人生に疲れていること(働きもしないのに)、何かを恐れていること、定住したくないこと、無計画なこと、これにはなにか原因があるのだろう。明らかにおかしいのは夫の方で、キットが「自分は夫のお荷物」と言うのは思っていたのと逆のことを言ってしまったので、ポートこそがキットのお荷物になっている。これは下世話に考えると「ポートはEDである」というのが自然なのだが。ベルトリッチの言う「カミュの読みすぎ」よりも「健康なのにEDになった」→「寝室を別にした」→「妻が他の男と寝ないか不安かつスリリング」というのが自然だが。 ポートがやたらに「僕にとって愛とは君に対する愛」だの「君の為に生きてきた」だの歯の浮くようなことを結婚10年の妻に向かってしつこく語るが、男性がこういう行動に出るのは肉体的な満足を与えられないからとしか思えないが。しかしサイクリングの野外Hシーンでそれも打ち消されたかに思えるが、その最中のキットの冷静さはいったいなんなのか。現地の男とのHの時とは全然違うんだけど。「EDになった」→「肉体の衰えを感じた」→「死が近づいたと感じる」→「神様を信じられないので、死んだら無になってしまうと思うと怖くてしかたない」→「防護壁である空の向こうは無である」? キャラバンに合流した以降のキットは、まさに「愛するお荷物」から解き放たれたように思える。文字通り小さなトランク以外の「お荷物」は捨ててきたし。健康なうちから「死の恐怖」に取り付かれていた夫は、愛していても「お荷物」だったんだと思う。お金の心配も仕事のストレスも家族関係のストレスも戦争の心配も病気も設定されていないのに「死の恐怖」に取り付かれるポート、私はこの夫の「鬱」のそもそもの原因はED以外にはあり得ないと考える。 しかしあの下品な白人のおばさんが言うように、夫婦の中でどんなに複雑な事情があったとて、この二人はハタから見たら「あのステキなご夫婦」に違いないのである。このセリフこそが最大の皮肉であり、観客を現実世界に引き戻すカギだ。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-26 20:23:25)(良:1票)
395.  インテリア
たぶん去年見た。とにかくしゃべる。そしてもめる。もめてもめてもめまくる。ああうっとうしい。常に誰かが気分を害し、もめまくるのだ。世の中は利害関係に満ちている。たとえ家族であっても。みんながこんなに自己主張しなくてもちょっとだまってればいいじゃないかあ。彼らはわが国のように「隠す」ことを美徳とする文化がないのであろう。日本人の私の感覚でいうと、家族とすらこんなにもめまくる人生は疲れすぎる。体力負け(肉食にはかなわん)。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-18 23:29:26)
396.  電脳ネットワーク23/マックス・ヘッドルーム<TVM>
もしかしてコアなファンの方がいるのかしら。私のようなよそ者がしょっぱなで申し訳無いが、何気に見てみたら、けっこう気に入ったので。この雰囲気好きですねー。弱小TV局のピンクのバスもいいですね。ギョロ目ロン毛の殺し屋も怪しいし。なんでこんなに短いのか残念だ。せめて90分くらいには。それと、「エディスンは死んじまって、画面の中だけで活躍する」てな展開を期待していたのでかなり肩透かし。ぜひとも死んでほしかった(ひどい)。ラストのまとめ方も強引な感じでちょっとさびしい。「マックス」のしゃべりをもっと見たかった。などなど欲求不満状態を呼ぶ作品。リメイクして膨らました展開にならないかな。でもハリウッドはやめて。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-18 01:01:06)
397.  ゴーストオーシャン 《ネタバレ》 
このころ「ビロウ」「ゴーストシップ」「ゴーストオーシャン」と続けて見た気がする。ところが一番ひっかかったのがこれだった。こういうオチは好きだ。あの車椅子の男が浜辺から上がってくるラストで、「そんなんありかー」「これからどうするんだー」と叫びたくなった。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-15 18:10:23)
398.  アンダーワールド(2003) 《ネタバレ》 
セレンディピティなケイトは、こういう方向に行っていたのか。アクションとケイトベッキンセール、微妙だ。でもアンジェリーナジョリーでなくてよかったと思う。面と向かって「ダメ」というほどの作品でもないが、「ここがすばらしい」というほどのシーンもなし。脚本のユルさが悲しい。ヴァンパイアが鏡に映ることと、生殖能力があること(ビクターの娘は吸血鬼なのに狼男の子供を妊娠していた。)はどう考えたらいいのか?単なる調査不足ではないでしょう。鏡に映って、子供がつくれるなら、日光を浴びられず、血を吸うだけでほとんど人間と同じじゃん。ただ一点、ビル・ナイにたまげる。ヴァンパイアの親玉はかくあるべし、「ポーの一族」に出てきても不思議ではないそのたたずまい(マンガだけど)。メイクなしでもイケるほど吸血鬼なビル・ナイ、これ以上の適役が考えられないほど。シリーズ化するなら(されてるみたいだけど)監督と脚本は変えたほうがよい。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-15 14:52:30)
399.  悪夢の夜に震える事実 《ネタバレ》 
どうしてこういう悪趣味な邦題つけるかね。ともかく、タイ映画界の星、オキサイドパンだ。これは「濃い」「グロい」。3つの話が入っているが、3人の女性が喫茶店で怖い話をしている設定もこじゃれている。2つめのヤリ○○女の話。すごいんだー、もう性欲旺盛で。「女豹」みたいに狙ってるし。あんな満員電車の中で体すりつけて痴漢する女、いるのかタイに。住んでる部屋はなかなかしゃれたインテリアだった。あの香水を手に入れたとしても、及川光博が現れない限り私は絶対につけぬ。3つめの話。なんですかこの「濃ゆーい顔」の俳優さんは。そんであの顔でものすごく足が短いのよ。なんてことだ。この3つめの話は、グロくて痛いうえに、自殺の設定に完全に無理がある。そんでつなぎが乱暴でよくわからなすぎてつらい。話としてはどうということもないのだが、とにかく、とにかくこの「濃ゆーい顔」の俳優さん、顔と足の長さのギャップについ見とれてしまいました。それが言いたかったの。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-11 01:37:32)
400.  ブルー・レクイエム 《ネタバレ》 
原題は「護送人」「護送車」くらいの意味でしょうか。どうですか、これを鑑賞した皆様。ついていけますか、この「超個人主義」。私は普段8割方ハリウッド映画ばかり見ているので、いわゆるカルチャーショック。それで「超個人主義」ですけど、なんと「管理されにくい」フランスの人々であることよ。例えとしては間違っているかもしれんが、占領したヒトラーは大変な苦労をしたに違いない。「個人主義」と言ったら聞こえはいいが、日本人から見たら「自分勝手」「礼儀知らず」にしか見えないでしょ?このフランス人の「個人主義」、その担保はいったいなんなのよ、と日本人である私は考える。「神との契約」以外のことは自分勝手にしてかまわない、に基づくものなのか、はたまた「美醜感覚」なのか、とか。私はそれは「エリート意識」に基づくという結論を今は出しておく。「腐ってもフランス人」である。(「中華思想」にもちょっと似てるけど。)「貧乏でもフランス人」である。警備員風情でこれだもの、クレッソンなんて我々のことを「計算の得意な猿」程度に思うはずだよな。ここでは、アメリカの企業に買収されるということに誰も驚かないような「落ち目のフランス」としてその「エリート意識」が皮肉っぽく描かれている(と私は解釈する)。登場人物には誰ひとりとして、アメリカ人のような天然のお人よしはいない。設定は「幸福に暮らしていた何の落ち度もない男が突然ひどい目にあって家族を失う」であるから、この主人公は「サイン(シャマラン)」の牧師とほぼ同じ立場にある。「神様、ひどいよ」状態である。「サイン」の牧師は「神を恨んで一旦は信仰を捨てる」が、相手に復讐したりしない。ところがフランス人と「神様」の関係はもっと複雑であるようなのだ。フランス人の彼は、執念深く復讐を心に決める。ここでは「神様」との関係がどうなっているのかよくわからない。単にカソリックとプロテスタントの違いなのかどうかも私にはわからない。もちろんこのフランス映画では「サイン」のように神様が奇蹟を起こして人間を助けてくれることなんかなく、すべては「主人公というひとりの人間の執念の力」だけで話は終結する。もしかして、もしかしてこれは「サイン」に対する「アンチ」映画なのかしら?またしてもハリウッドがリメイク権を取得したらしいがどうせ「バニラスカイ」程度のものにしかならぬ。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-11 00:31:01)
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