421. キューティ・ブロンド
コメディとしいはまずまずで話の展開もおもしろい。だがハーバードの法科がこんなものなのかと疑問に思うと途端に楽しめなくなった。上手すぎる展開で安易すぎる。いっしょに見ていた妻は大いに楽しんでいたようだが、もしかすると女性向けの映画なのかもしれない。それに法廷シーンは証拠に基づく論理とはとても言えないし・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2014-02-23 06:25:42) |
422. 破れ太鼓
朝から夜まで鳴り通す破れ太鼓、阪東妻三郎の雷親父をもじって歌っているのだが、それを終盤のシーンで聴き直すのが良い。ストーリーの展開としては甘いと思うけど、ネクタイ背広の阪妻もなかなか見られるものではない。森雅之が長男役というのはちょっと気持ち悪かったけど音楽担当の木下忠司までが出演しているのには大変驚いた。 [DVD(邦画)] 6点(2014-02-21 22:08:34) |
423. ハンナ・アーレント
アドルフ・アイヒマンは冷酷な極悪人だったのか、それとも命令に忠実な小役人にすぎなかったのか。映画はアイヒマン裁判の実録フィルムを交えて、ハンナ・アーレントの論理を展開していく。大詰めのスピーチシーンは、誰しもがアイヒマンになりうることを指摘しているようにも思う。 [映画館(字幕)] 7点(2014-02-20 19:41:19) |
424. マイヤーリング<TVM>
マイヤーリングとはウィーン郊外の狩猟地、その小さな街でとんでもない大事件が起こる。妻子あるオーストリア皇太子と美しき男爵令嬢との禁じられた恋、そのうたかたの恋は小説となり映画も作られた。シャルル・ボワイエとダニエル・ダリュー、オマー・シャリフとカトリーヌ・ドヌーヴが演じたどちらの映画も見たが、これはテレビ映画。生放送で再現不能とされた幻の映画なのだが、技術躍進により白黒映画として日の目を見ることになった。主役の二人はメル・ファーラーとオードリー・ヘプバーンの夫婦、ヘプバーンの魅力はあるものの、作品としては上映時間も短く物足りないかも。 [映画館(字幕)] 5点(2014-02-18 15:02:04) |
425. うたかたの恋(1968)
1935年のフランス映画のリメイクだが、令嬢マリアが銀行家の娘に変えられている。実はこのリメイク版の方を先に見たが、オーストリア皇太子の悲恋の物語というキャッチフレーズに引かれて見てしまった。 アラビアのロレンス、ドクトル・ジバコの好演が光っていたオマー・シャリフであり、シェルブールの雨傘のカトリーヌ・ドヌーブということで、主役の男女は申し分なしのはずだったが・・・。 オマー・シャリフはエキゾチックな顔立ちでありどうしてもオーストリア皇太子としては違和感があり、カトリーヌ・ドヌーブもシェルブールの雨傘から6年後ということで落ち着きはあるものの初々しさでは疑問だった。 そのような私の思い込み違いと歴史認識の不足から、映画観での印象はあまり良くなかった。 [映画館(字幕)] 5点(2014-02-18 15:00:26) |
426. 王将(1948)
《ネタバレ》 昔三国連太郎主演の「王将」を見ていたので、ストーリーはよく覚えていたし名作だとは知っていた。しかし念願の阪東妻三郎版を見てみると、単なる名作どころか大感動作である。夫の勝利を祈る「南無妙法蓮華経」が、 映画のラストでは危篤の妻へ回復を祈る願いとなる。そして握りしめられた王将の駒、これ以上に私の心を動かすものはなかった。 [DVD(邦画)] 9点(2014-02-17 07:55:18)(良:1票) |
427. 名もなく貧しく美しく
聾唖者が一人で生きていくのは大変だけど、聾唖者同士お互い力を合わせれば・・・。それでも耳が聞こえない悲しさ、やっぱり悲劇は起こる。手話そのものはあまり手話らしくは見えなかったけど、主役の二人は上手く演じていたように思う。結婚して良いのか、子どもを産んで良いのかから始まって、どうやって子どもを育てていくのか、切実な問題をしっかりと捉えている。この後は父と子で助け合って行くのか、やっぱり息子は良い子だった。昔見た映画だけど印象深い。 [映画館(邦画)] 7点(2014-02-15 22:19:47) |
428. 再会の食卓
何十年も連れ添った事実上の妻を、彼女が望むようにようにとあっさり元夫の元へ返すのはどうだろうか。あまりにも人が良すぎるように思うが・・・。それでも三人が囲む食卓では酒に酔い、歌を歌い、長年の思いが吹き出す。この三人の食事の場面での心情表現が実に良い。結果としてはやはりということになるが、それにしても二つに分かれた中国は悲しい。近代化の進む上海の街と取り残された裏町の対比が何とも言えない。 [DVD(字幕)] 6点(2014-02-09 08:46:07) |
429. 風の中の牝雞
小学校のすぐそばに曖昧宿があるとは大変驚きだが、小津映画らしからぬ異色さを発揮する内容にはさらに驚き。しかし「あんなことをなぜ」に代表される「あれ」「これ」「それ」がふんだんに出てくるのもやっぱり小津映画。戦後ほどない混乱期、女が一人で生活して難しさがわかるような気もする。 [DVD(邦画)] 5点(2014-02-06 21:03:22) |
430. 英国王のスピーチ
王室継承とか戦争スピーチなどは好きではないが、伝記物映画としてはなかなかの感動ものだった。吃音症の国王役コリン・ファースはもとより、治療に当たった言語療法士のジェフリー・ラッシュが良い味を出していたし、支えになった王妃役のヘレナ・ボナム=カーターもまた良い。演技達者な俳優陣が揃って良い映画になっていたと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2014-02-05 08:28:50)(良:1票) |
431. ポテチ
70分かからない短い時間に、いろんなエピソードが伏線となって繋がりエンディングを迎える。無駄のなく凝縮された映画、短編はこうでなくちゃと感心させられる。ポテチが何の省略形かも知らないほど現代感覚に乏しい私だが、この映画十分に新しい感覚を味わった。個性溢れるキャストが良いし、木村文乃さんて素敵だなと思う。無駄のない作りと言えば、野球のあのシーン、空振りやファールはあっても遊び球(ボール)はひとつもないんだ。 [DVD(邦画)] 7点(2014-02-03 06:46:35) |
432. 宇宙で最も複雑怪奇な交尾の儀式
医学的というわけでなく、エロティックというほどでもなく、それでいてコメディたっぷりのロマンス? おもしろさの源は他の方々が言われているように、ナレーション、宇宙の果てから皮肉ったような語り口が絶品。 [ビデオ(字幕)] 7点(2014-02-01 18:38:52) |
433. 真夏の方程式
湯川博士の天才科学者ぶりは相変わらず凄い。ペットボトルロケットを筆頭に数々の科学的思考や発想はあっけにとられるほど、そして少年との関わりもなかなか良い。だが犯罪捜査となるとどこから仮説が生まれてくるのか皆目不明、突飛すぎておよそ論理的には思えない。そして極めつけは、柴咲コウから代わった女性刑事、美人で若すぎて現実離れしすぎている。愛する人を守るためというのはわからないでもないが、およそ動機不十分、なんでそれで人を殺すの?という疑問が残る。 [DVD(邦画)] 5点(2014-02-01 06:17:41) |
434. 暖簾
「何事も堪忍」の辛抱と大阪商人のど根性、なにわを舞台にした見応えのある人生劇だ。暖簾分けに頂いた女房千代との夫婦愛もすばらしく、年老いた吾平と若い孝平の二役を森繁がこなす。同じ画面に二人の森繁が登場しかけあう場面は見ものだし、子どもの頃見たときは大変驚いたものだ。 [映画館(邦画)] 8点(2014-01-31 06:23:54) |
435. 恋愛アパート
I・A・L・ダイアモンドと言えば、「お熱いのがお好き」などビリー・ワイルダー監督と組んで数々の名作コメディを生み出した私の大好きな脚本家。この映画もマリリン・モンローが脇役で出演していることより、おもしろさ満載の脚本の貢献度が大きい。アパートの大家さんとして苦労するスコット夫妻が主役だけど、謎の人物パターソン氏が光っている。 [DVD(字幕)] 8点(2014-01-29 07:52:44) |
436. 小さいおうち
山田洋次監督が時代劇に挑戦したときも驚いたけど、秘められた恋愛もの映画というのもそれ以上の驚き。しかしそういった内容や戦争という状況下にあってもやはり山田監督らしい心遣いが随所に見られる。久石譲のノスタルジックな風情を醸し出す音楽もまた良い。倍賞さんも婆ちゃん役を演じるようになったとは感慨深い。 [映画館(邦画)] 8点(2014-01-28 14:35:47) |
437. 翼のない天使
「シスター、まだ走者がいます」と言って、ゴール前で手を広げ待っていたじじ、その愛情溢れる姿に思わず涙が出てしまった。主人公がとてもかわいいし、子どもらしい純真さと暖かさに満ちた良い映画だったと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-26 06:11:24)(良:1票) |
438. アラビアン・ナイト(1999)
物語は中世のはずだがこの映画では近世を思わせる。だがファンタジックな要素は十分で、シャハラザードが語る千一夜物語も魅力たっぷりでおもしろい。王(サルタン)でなくてもついつい引き込まれてしまう。アリババやアラジンの物語を見ながら、子どもの頃読んだ童話を思い出した。よく言えば終盤がちょっとあっけないように思うが・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-25 16:45:51) |
439. アリババと四十人の盗賊(1944)
「開けゴマ」の合図で洞窟の扉が開く、子どもの頃童話で読んだアリババの物語。40人の盗賊が出てくるのは同じだがどうも筋書きが違う。映画用に筋書きを変えたのだろうがまずまずおもしろい冒険劇。 [DVD(字幕)] 5点(2014-01-24 08:28:20) |
440. 足ながおじさん
「私がいくらお便りしても一度も返事をよこさない足ながおじさん、あなたはどんな人?」と空想を巡らすジュリー、とてもファンタジックでロマンチックな物語である。子どもの頃読んだお気に入りの小説だ。映画はこの空想シーンがミュージカルになりダンスになる。アステアのダンスは芸術的であり、対するレスリー・キャロンも本職ダンサーだ。このふんだんに盛り込まれたダンスシーンが好きでないと、映画は途中から退屈になり長く感じることだろう。私は嫌いではないが何度も見せつけられるとやや・・・の方である。 [DVD(字幕)] 6点(2014-01-23 05:38:52) |