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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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461.  アオラレ 《ネタバレ》 
現在別居中の夫と離婚協議真っただ中のレイチェルは、年頃の一人息子を女手一つで育てるシングルマザー。何かと難癖をつけてくる夫やうまくいかない仕事など、彼女の日々抱えるストレスはもはや限界に達しようとしていた。そんな折、寝坊して慌てて息子を学校へと送り届けようとしていたレイチェルは、青信号なのに一向に走り出さない前の車に思わずクラクションを鳴らしてしまう。それでも動き出さない車に、彼女は悪態をつきながら乱暴に追い越すのだった。だが、レイチェルは知らなかった。その車を運転していたのは、浮気した妻を殺して現在逃亡中の凶悪な犯罪者であることを――。「運転マナーがなっていない」とレイチェルの後を執拗に付け狙い始める男。無事に息子を学校へと送り届けたレイチェルだったが、自分の車をずっとあおり続ける男の運転に次第に恐怖を抱いてゆく。思わずガソリンスタンドへと逃げ込み、店員に助けを求めるレイチェル。だが、もはや自暴自棄と化した男は、そんなことなどお構いなしに更なる暴走を開始するのだった……。些細な理由で鳴らしたクラクションをきっかけに、サイコパスな男に様々な面で追い詰められてゆく母親の恐怖を描いたサスペンス・スリラー。近年日本でも問題となっているあおり運転の常習者を名優ラッセル・クロウが演じているということで今回鑑賞してみました。ラッセルさん、久々に見ましたがいつの間にこんなに太っちゃったんですかね。グラディエーターの頃の筋骨隆々の精悍な体形はどこへやら、もはやメタボを軽く飛び越えた太り具合にビックリです。これを役作りのためにしたのなら凄いですけどね。ただ、それがこの暴走おじさんの気持ち悪さを倍増させることに一役買ってます。こんないかついおっさんに執拗に煽られるなんて考えただけでも恐ろしい!不安を煽るカット割りや不穏な音楽、何よりスピード感溢れるカーチェスシーンもあって、これはなかなか面白くなりそうじゃん!と僕の期待はバンバン上昇。でも、それも中盤まででした。ずっとこのサイコ男と主人公のカーチェイスだけにクローズアップしてくれたら良かったのに、なんか途中からこの男が車を降りて主人公の家や弁護士のところへとやってくる辺りから、徐々に冷めてゆく自分がいました。いや、さすがにリアリティなさすぎでしょ、この脚本。わざわざ車からスマホを盗み出して主人公のプライベートを調べるとか、さすがに回りくどすぎちゃいまっか。対する警察も無能すぎ!男の運転している車も分かってるんだから、ヘリなり白バイなりを出せばすぐに見つけられるはずでしょ。レストランで弁護士を殺すシーンも、悠々と男が店から出てゆくのを周りの店員や客が大人しく見てるだけってさすがにおかしい。警察もはよ来いって!もっとあおり運転の恐怖に焦点を絞ってくれたら、良質のスリラーになったかもしれないのにね。
[DVD(字幕)] 5点(2022-06-11 06:04:38)
462.  アリータ:バトル・エンジェル 《ネタバレ》 
26世紀の荒廃した未来社会を舞台に、鉄くずの中から拾われたサイボーグ少女“アリータ”の恋と成長、そして世界の存亡を賭けた闘いを壮大なスケールで描いたSFアクション。日本のコミックを原作に、ロバート・ロドリゲスが監督、そしてジェームズ・キャメロンが制作を務めたという本作、けっこう期待して今回鑑賞してみました。結果は……、「うーん、なんか微妙~」ってのが正直な感想です。華奢な身体で屈強な男どもとガンガン戦う大きな瞳のアリータはもちろん魅力的だったし、殺伐としたサイバーパンクな世界観もけっこう好みだし、何より進化した未来社会を緻密に再現した驚異のビジュアル・エフェクトなんて観ているだけで心がワクワクしちゃいます。特に中盤、アップグレードしたハンター相手に苦戦を強いられ、闘うたびに四肢や下半身が欠損してゆき、最後は上半身だけになりながらもまだ戦意を失わないアリータに思わず胸キュンしちゃった僕はヤバいんでしょうか(笑)。でもね~、さすがにこの脚本はしっちゃかめっちゃか過ぎるっしょ。命を狙うハンターたちとの攻防やらかつての敵が遺したバトルボディやらアリータの出生の秘密だとか彼女を救った博士の過去だとか、さらにはアリータの切ない初恋物語だとかいくら何でもエピソードを詰め込み過ぎ!そしてここまで取っ散らかったストーリーをどう締めるのかと思ったら、いつの間にかローラーボールもどきのリアル・マリオカートみたいな競技に参加しててそこで優勝目指して頑張るってなんですのん、それ。見るべきところはたくさんあっただけに、もう少し脚本を練って欲しかった。続編に期待しときます。
[DVD(字幕)] 5点(2022-06-09 05:16:04)
463.  アナと世界の終わり 《ネタバレ》 
彼女の名は、アナ。何処にでもいるような平凡な女子高生だ。数年前に母親を亡くしてから過保護な父親の鬱陶しい過干渉に頭を悩ませ、なんとなく付き合っている冴えない彼氏にも不満爆発、頭の固い学校の校長先生なんて早く死んじゃえばいいと思っている。唯一の希望は、高校を卒業してから旅立つ予定のオーストラリア一周ヒッチハイク旅。そんな彼女が迎えた高校生活最後のクリスマス。だけど、アナは自分でも分かっている。今日もきっと退屈な一日が始まるはずだということを――。だがその日、爆発しそうなエネルギーを何故か歌にして発散していたアナが目にしたのは、ゾンビに支配された世界の終わりの光景だった!原因不明のウイルスによって生ける屍が大量発生した世界を、アナとその仲間たちは持ち前の若いエネルギーと歌だけを武器に乗り越えようとするのだが……。ゾンビ・パニックと青春ミュージカルの奇跡の融合というアイデア一発勝負のそんな本作、「どうせ、イロものなんじゃろ」と大して期待せずに今回鑑賞してみました。なんですけど、え、意外にも僕はけっこう面白かったんですけど、これ。キラキラと輝くようなアナのミュージカルな日常に血みどろゾンビが同居するというマジカル・ポップなこの世界観は個人的にめっちゃツボでした。顔に返り血をつけたままクリスマスツリーの飾りの杖を武器に戦うアナをはじめ、彼女の仲間たちもそれぞれにキャラが立ってるのも大変グッド。あのクリスマスツリーのセーター(スイッチ入れたらイルミネーションつく!笑)を着たアナの彼氏の絶妙のダサさ具合いなんて思わず笑っちゃいました。他にもレズビアンな女の子やマッチョな元カレもみんな個性的で、彼らがそれぞれの方法でゾンビと戦うシーンもテンポが良くて普通に楽しい。全体を通して適度にグロく、適度にシニカル、そして適度にポップ。この絶妙な匙加減なんて監督、なかなかいいセンスしてるんじゃないですかね。そして後半はゾンビ映画としてちゃんと(?)仲間たちが次々犠牲になってゆくのもセオリー通りでいい。お互いゾンビに噛まれたリア充カップルがキスしながら最期を迎えようとするシーンなんてけっこう切なかったですし。後半になるにつれ、どんどんとぶっ壊れてゆく悪役の校長先生もナイスな仕事してます。そして、最後までミュージカルとしてそれぞれの楽曲のクオリティが下がらないのも普通に凄いと思います。うん、賛否両論あるみたいですけど僕はけっこう面白かった。8点!
[DVD(字幕)] 8点(2022-06-02 10:49:16)
464.  バーバラと心の巨人 《ネタバレ》 
信じられる?奴らは太陽も逃げ出すような恐ろしい存在よ――。彼女の名は、バーバラ。海沿いの寂れた田舎町で、まだ若い姉や兄とともに貧しい生活を送る彼女にはとある秘密があった。そう、この世の諸悪の根源である邪悪な〝巨人〟が森の奥深くに潜み、何も知らない人間どもを虎視眈々と狙っているということに、彼女だけが気付いてしまったのだ。いつも身に着けているポーチへと秘密の武器「雷神トールのハンマー」を潜ませ、巨人の大好物である甘い蜜や手作りの罠を森のあちこちに仕込み、いつでも巨人の動向を監視しているバーバラ。だが、巧妙な巨人たちは一向にその尻尾を彼女に摑ませることなく森の闇の中に蠢き続けるのだった――。でも、彼女の家族や学校の先生、そしてバーバラの同級生たちはその事実に全く気付くことなく、いつものような普通の日常生活を送っている。そんなことなど気にする様子もなく巨人の物語へとのめり込むバーバラ。周囲の人間との軋轢はどんどんと増すばかりで、彼女は次第に孤立を深めてゆくのだった。そんな彼女のことを心配する転校生のソフィアや学校のカウンセラーが、何とか彼女の孤独な心を開かせようとするのだったが……。妄想とも現実ともつかぬ世界へと迷い込んでしまった少女の孤独な闘いを幻想的に描いたダーク・ファンタジー。アメリカのグラフィック・ノベルを原作にしたという本作、なかなか面白そうだったので今回鑑賞してみました。観終わってまず真っ先に思い浮かぶのは、J・A・バヨナが監督しリーアム・ニーソンが怪物の声をアフレコした某作品と設定やビジュアル・センスが丸かぶりしているところでしょう。巨人の脅威をフォークロアのように描いた幻想的なシーンなんて全くそのまんまなんですけど、これって大丈夫なんですかね?ただ、あちらの如何にもきかん坊な少年主人公に全く共感できなかった自分としては、こちらのメンヘラ女子の方にはまだ好感持てました。バーバラもその友達となる同級生もけっこう可愛かったってのもあるかもですけどね(笑)。とはいえ、だからと言って本作に嵌まったかと言えばそこまででもなく、終始辛気臭い展開に終盤はぐったりしてしまいました。もう少しファンタジー色強めでも良かったような気もしますし。ま、ぼちぼちってとこでした。
[DVD(字幕)] 6点(2022-05-27 10:24:15)
465.  ディア・エヴァン・ハンセン 《ネタバレ》 
親愛なるエヴァン・ハンセンへ。今日はきっと君にとって素晴らしい一日になる――。内向的で誰にも心を開けない孤独な高校生、エヴァン・ハンセン。精神的に不安定で抗鬱薬を手放せない彼はある日、カウンセラーに言われるまま、自分へと手紙を書いてみる。それは誰にも読まれることなく自分だけの手紙になるはずだった。ところがその手紙は、学校一の問題児として有名だったクラスメイトのコナーが偶然手に取ってしまう。薬物を濫用し、ことあるごとに暴力沙汰を起こすコナー。そんな彼に当然、エヴァンは返してもらうように言う。ところがコナーは、馬鹿にしたような態度で手紙をポケットに仕舞うと、その場を去ってしまうのだった。数日後、エヴァンは学校から衝撃的な事実を知らされることに。なんとコナーは、長らく苦しめられてきた薬物依存の後遺症から自ら命を絶ってしまったのだ。そして、彼の唯一遺された形見はポケットに仕舞われていた〝親友〟への手紙だった――。それは自分が書いたもので、彼とは親友でも何でもない。哀しみに暮れ、エヴァンのことを息子の唯一の親友だと思い込んだ両親に、彼はそんな真実を言うことが出来なかった。さらにはコナーの妹ゾーイに密かに想いを寄せていたエヴァンは、自らが書いた文章を彼からのメールだと偽って両親に見せてしまう。すぐにばれるような些細で杜撰な嘘。だが、彼の唯一の〝親友〟として追悼集会でスピーチした彼は、精神的に苦しむ人たちの共感を一気に受け、次第に時の人となってしまう……。孤独で内向的な青年がついたとある嘘を巡り、現代社会で生きづらさを抱えた人々の間に拡がってゆく波紋を瑞々しく描いた青春ミュージカル。監督は、決して特別ではない人々の人生の光と影を美しい映像の中に描き出すスティーブン・チョボスキー。いかにも彼らしい、キラキラと光り輝くような映像と観る者の心に直接訴えかけてくるような音楽の融合は素晴らしかったです!薬物依存、発達障害、家庭内暴力、そして自殺……。ともすれば非常に暗くなりがちなこれらのテーマをあくまで明るくポップにミュージカルとして描くという離れ業を、決して嫌味にならず映像化してみせたこの監督のセンスには素直に脱帽です。見事な歌唱力を披露してくれた主人公は当然のこと、脇を固めるジュリアン・ムーアやエイミー・アダムスというベテラン勢もいい仕事している。彼が思わずついてしまった嘘は確かに許されることではない。それでも自分も若ければ、まして恋焦がれる女の子の気を惹くためなら同じことをしたかもしれない。そう思わせるところも巧い。彼の嘘がいつばれるのかとひやひやしましたが、この痛々しさもまた青春あるある。若いころ、自分も同じような失敗をいっぱいしてきましたしね。最後、全てを失ってもそれでも前を向いて生きていこうとする主人公には思わず共感。人は誰しも弱い生き物で傷つくことで成長してゆくのだということを改めて教えてくれる、青春ミュージカルの佳品でありました。お薦め!
[DVD(字幕)] 8点(2022-05-23 06:09:26)
466.  500ページの夢の束 《ネタバレ》 
彼女の名は、ウェンディ。何処にでも居るような平凡な女の子。でも、一つだけ人と違うことがある。それは人と話すのが大の苦手で、自分の思い通りにならないことがあると思わず“かんしゃく”を起こしてしまう困った癖を持っていること。そう、彼女はいわゆる自閉症なのだ。唯一の肉親である姉の結婚を機にウェンディは福祉施設で暮らすようになり、今はパン屋さんで働き自立している。でも、本当の願いは思い出がたくさん詰まった自分のお家に帰ること。そんな折、姉の勝手な判断で大切なお家が売却されてしまうことを知るのだった。到底納得いかないウェンディはまたしてもかんしゃくを起こしてしまう。食事が喉を通らないほど落ち込んだ彼女が、考え込んだ末に思いついた解決法。それは、映画会社が主催する、自分の大好きなテレビドラマ「スタートレック」の脚本コンテストに応募し、賞金10万ドルを手に入れることだった。寝る間も惜しんで書き上げた500ページにも及ぶ原稿はすでに完成してある。だが、締切は明後日。とてもじゃないが、今から郵便局に預けにいってては間に合わない。仕方なくウェンディは、たった一人ロサンゼルスへと向かうバスへと乗り込むのだった。愛犬のピートを相棒にして――。自閉症と言う個性を抱えた一人の女性が、自らの夢を叶えるために遠く離れたロサンゼルスまで旅する姿を描いたロードムービー。前作で、障碍者と性と言う難しい問題をあくまで軽く爽やかに描いたこの監督らしい、ほのぼのとした空気に包まれた心温まるお話でしたね、これ。とは言ってももちろんキレイごとばかりではなく、当然そこには障碍のある人の生き辛さや家族の葛藤、世間の無関心やそんな弱者を食い物にする悪人の存在もちゃんと描かれる。でも、そこまで深刻になる一歩か二歩手前で引くこの監督の絶妙な匙加減は見事としか言いようがありません。特に居なくなった彼女を追って奔走する、トニ・コレット演じる施設職員には好感持ちまくりです。バスの運転手や医者、融通の利かない映画会社の事務員など嫌なやつも沢山出てくるのですが、それ以上に彼女のような魅力あふれる人々がいっぱい出てくるのがとてもいい(宇宙の言葉を突然話し出す、あの警官マジサイコー!)。そう、どんな人にだってちゃんと手を差し伸べてくれる優しい人が居ることを改めて教えられました。主演を務めたダコタ・ファニングも自閉症を抱えた若い女性をリアルに演じていてとても良かったです。最近妹の方が何かと話題になることが多いのですが、彼女にはこのまま演技派の道を歩んでいって欲しいものです。今回の結果は残念だったけど、必ず認めてもらえる日がきっと来るよ。そう思わずにはいられないヒューマン・ドラマの佳品でありました。お勧めです。
[DVD(字幕)] 8点(2022-05-20 08:58:57)
467.  あるスキャンダルの覚え書き 《ネタバレ》 
定年を間近に控えた、頭のお堅い歴史教師バーバラ。労働者階級の子供が多く通うという彼女の中学校にある日、若く美しい美術教師が赴任してくる。一回り以上歳の離れた夫とともに二人の子供を育てる彼女の名は、シーバ。等身大の魅力を放つ彼女は瞬く間に学校の人気者となるのだった。全く正反対の二人だったが、バーバラはすぐに彼女と仲良くなる。仕事の悩み、プライベートのこと、シーバからなんでも打ち明けられる関係になったバーバラ。だがある日、彼女はシーバの衝撃の秘密を目にしてしまう。なんと、シーバは自らが受け持つ15歳の生徒と肉体関係を伴う不倫関係に陥っていたのだ。この事実が公になれば、かなりのスキャンダルになりかねない。当然のように学年主任へと報告すると思われたバーバラだったが、その事実を元にとある計画を思いつく。やがてそれは学校を巻き込む一大スキャンダルへと発展してゆくのだった――。厳格で保守的なある一人のオールドミスの日記という形式で進む、二人の女性の愛と情欲が複雑に絡み合う心理ドラマ。主人公の理屈っぽくて厭味ったらしいおばさんをねちっこく演じるのは、本作でアカデミー主演女優賞にノミネートされたベテラン女優、ジュディ・デンチ。下半身ゆるゆるの奔放な若き女性教師を演じるのは、美貌と実力を兼ね備えたケイト・ブランシェット。この二人の今にも火花が飛び散りそうな演技合戦はなかなか見応えありました。いわゆるレズビアンのバーバラが、あの手この手でこの若く美しい女性を落とそうと画策する様が非常に丁寧に描かれております。とにかくこのおばはんのいかにもいやらしーいナレーションが不快感マックスで大変グッド。不倫相手であるヤリタイ盛りの15歳の少年も含め、誰も彼も自業自得としか言えないので、こいつらの見事なまでの堕ちっぷりは最後までけっこう楽しめました。ただ、これは好みの問題と言ってしまえばそれまでだけど、僕はこういう観れば観るほど気が滅入るうえに登場人物の誰にも感情移入できないようなお話はちょっと苦手です。特に主人公であるこの偏屈色ボケおばさんの粘液質な愛情表現に、観終わるころにはもうげんなりしちゃいました。彼女の大胆な入浴シーンなんて、いったい誰得なの?(笑)。うーん、完成度は確かに高いんですけど、こればっかりは好みの問題ですね。
[DVD(字幕)] 6点(2022-05-20 07:33:33)
468.  Z Bull ゼット・ブル 《ネタバレ》 
ストレス社会をぶっ飛ばせ!――。世界に冠たる一流兵器メーカー、アモテック社。そこは高性能銃器や小型地雷、破壊力抜群の重火器や最新型の戦闘ロボ、さらには清涼飲料水まで幅広く手掛けるグローバル企業だ。ある日、闘争心を高める兵士用エナジードリンク「ゾルト」を開発した社長は、全社員を集め、強制的に試飲させることに。だが、誰も知らなかった。そのエナジードリンクには致命的な〝欠陥〟があることを――。突如として狂暴化し、手近の武器を手に取るとお互いを殺し始める社員たち。一瞬にしてオフィスは血みどろの大パニックへと陥ってしまうのだった。遅刻してきた落ちこぼれ社員であるデズモンドは、目の前の信じられない光景に途方に暮れるばかり。同じくドリンクを飲まなかった落ちこぼれ社員たちと合流したデズモンドは、ほのかに好意を寄せている女子社員を救うため、そんな阿鼻叫喚の地獄絵図と化したオフィスへと乗り込んでゆく。果たしてデズモンドと仲間たちはこの絶体絶命の危機を脱することが出来るのか?アイデア一発勝負で撮られた、完全にB級であるそんな本作、まったく期待せずに今回鑑賞してみたのですが、これが意外や意外、なかなか面白いじゃないですか!まあゾンビものの単なる亜流と言ってしまえばそれまでだけど、全編に散りばめられた会社あるあるがけっこう笑える。経理部と営業部が無茶苦茶仲悪かったり、女社会である人事部がかなりドロドロだったり、典型的なパワハラ&モラハラな上司がブイブイ言わせていたりと、「あー、これ分かる分かる!」と終始ニヤニヤしっぱなし。日々のストレスを発散するかのように暴れまわる、ダメ社員主人公に思いっきり感情移入しながら見入っちゃいました。ドリンクを半分飲んだせいで我慢できないことがあると急に暴れ出すヒロインの女子社員もけっこう可愛くて、そんな彼女が前半ガムテープでぐるぐる巻きのまま移動させられるとこなんてすんごくキュート。そして、この会社が兵器メーカーであるとこも舞台として最高です。なんせクライマックスは、倉庫に保管されていた様々な武器爆弾に火炎放射器、果てはミサイルやバトルロボットまで持ち出して、もはやぶっ飛びまくり(笑)。うん、なかなか面白かった!!日々、会社のストレスにウンザリしているサラリーマン諸君にお薦めの一本です。
[DVD(字幕)] 7点(2022-05-20 07:08:51)
469.  ビリーブ 未来への大逆転 《ネタバレ》 
男は外に働きに出て、女は家で家庭を守る――。米国社会に色濃く残る、そんな古い価値観からくる性差別の歴史。本作は、司法の世界に伝統的に残る性差別へと果敢に戦い、後に女性として初めて最高裁判事となったルース・ギンズバーグの半生を描いたもの。監督は社会性の強いエンタメを得意とするミミ・レダー。正直、自分は全く嵌まらなかったです、これ。別に僕は性差別主義者でもなんでもありませんが、ここまで全面的にフェミニズムを持ち出されるとちょっと引いちゃいます。このギンズバーグって人、なんだか田嶋陽子さんの若い頃みたいなイメージで、何を言っても「それは男社会の論理!」で反論されそうな、ぶっちゃけて言うと物凄く面倒臭い感じがして僕はどうも苦手です。肝心のドラマ部分も、いかにもミミ・レダー監督らしく丁寧に作られていて好感は持てるのですが、全体的に専門用語が多くて分かりづらい部分もちらほら。最後の主人公の演説も僕の頭が悪いせいかいまいちピンとこず、法廷劇としてそこまでカタルシスを得られなかったです。うーん、そんなわけで自分とは合わない作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2022-05-20 06:25:03)
470.  モンスターズ/悪魔の復讐(2018) 《ネタバレ》 
1892年、8月4日。マサチューセッツ州のとある豪邸で起こった凶悪な殺人事件。当主であるアンドリュー・ボーデンとその妻が、斧で顔面を元の形が分からなくなるほど何度も強打されるという残忍な手口で殺害される。しかも逮捕されたのが彼らの実の娘だったということで、当時世間でセンセーショナルな話題を振りまいたことでも有名な未解決事件だ。本作は、後に一転して無罪となった娘リジーの犯行に至るまでの6カ月を当時一家の召使いであったブリジットの視点から描いたサスペンス・スリラー。ブリジットを演じるのは、『トワイライト』シリーズで一躍人気女優となったクリステン・スチュワート。リジー役には、アカデミー賞にノミネートされたこともある実力派のクロエ・セヴィニー。彼女たちが実は秘密の同性愛的関係にあり、ともに恨みを抱いていた被害者を二人協力して殺害したのではないかという新たな?解釈で描いているのが本作のポイント。娘であるリジーは持病の癲癇を理由に父から虐待に近い抑圧を受けていて、召使いであるブリジットは夜な夜な彼から性的虐待を受けていた――。このことを映画の三分の二近くもの時間をかけて丹念に描いている。だが、正直自分にはこれが退屈で仕方なかった。やたらと暗い画面でダラダラダラダラ続くので途中から眠気と闘いながらの鑑賞となってしまった。しかも物語の焦点となる、この二人の百合的関係も鳥小屋でちょろっとキスして抱き合う程度。この二人の歪な関係性をこそ最も力を入れて描くべきだったのに、これでは極めてバランスが悪いと言わざるを得ない。ようやく殺害にいたるシーンも二人が協力して斧で殴り殺すだけという何の捻りもない展開で、肩透かしもいいところ。大胆なヌードを披露した主演女優二人も、これでは単なる脱ぎ損ではないか。どうせ脱ぐなら、もっと百合シーンでこの二人のヌードを見たかった。クリステン・スチュワートの形のいいおっぱい(クロエさんの方は正直どうでもいい!笑)に、+1点。
[DVD(字幕)] 4点(2022-05-20 06:10:49)
471.  ファイナル・スコア 《ネタバレ》 
人質は、スタジアムの観客3万5000人――。米軍特殊部隊の元兵士であるマイケル・ノックスは、久しぶりにロンドンへと訪れる。目的は、かつてイラクで戦死した同僚の遺された家族に会うため。実の娘のように可愛がっている彼の娘ダニーとの久しぶりの再会を喜ぶマイケル。だが、ダニーは父の死をきっかけに荒んだ生活を送っていた。少しでも気を紛らわせようと、マイケルは彼女と一緒にサッカーの試合を観に行くことに。超満員のスタジアムは、人気チーム同士の対戦ということもあってかつてないほどの熱気に包まれていた。否応なくテンションが上がる二人。だが、彼らはまだ知らなかった。その裏で、凶悪なテロリストたちによって恐るべきテロ計画が進んでいたことを――。電波妨害によって外部との接触を遮断された巨大スタジアムには、いたるところに爆弾が仕掛けられていたのだ。瞬く間に指令室を占拠した犯人たちは、要求を呑まなければ観客ごとスタジアムを爆破すると宣言。密かにその事実に気付いたマイケルは、独自に行動を開始するのだが…。と言う、もう分かりやすいくらいダイ・ハードのテンプレにのっとったベタベタなアクション作品なのですが、演出のキレがいいので最後までぼちぼち楽しめました。エレベーターやレストランの厨房でのアクションシーンなど、わりかしグロ描写多めでサクサク進んでいくので普通に面白かったですね。それに、主人公の相棒となる中東系の警備員が愛すべきダメキャラで、そんなハードシーンのいい緩和剤となっているのが大変グッド。対するテロリストたちもそれぞれキャラが立っていて、特にイカレタ女兵士が本当に良い感じにぶっ壊れてます。彼女と、はねっかえり娘であるダニーとの激しい女の戦いは見ものでした。ただ、さすがに後半は突っ込みどころが多いのが本作の残念なところ。スタジアムの通路でバイクチェイスや激しい銃撃戦をやってるのに、観客が誰も気づかないってあり得ます?天井から主人公がダイブして巨大ビューイングにぶつかってるのにそのまま試合続行って、イギリス人はどんなけサッカーバカなんですか(笑)。また、ファンの人には申し訳ないんですが、主人公を演じた俳優さん、主役としていまいち華がないように感じました。見た目こそごりごりの軍人っぽいんですけど、銃を構えたり敵を追って走ったりする姿が全然サマになってないんです。この人、主役より脇役の方が合ってるんじゃないかな~。まあでもエンタメ映画としてはアクション・シーンもけっこう迫力あったしお話も分かりやすいし、気軽に観る分にはそこそこ楽しめると思います。
[DVD(字幕)] 6点(2022-05-18 05:05:58)
472.  ピーターラビット2 バーナバスの誘惑 《ネタバレ》 
イギリスの児童文学の名作を最新のCG技術で映像化したファンタジー・コメディ、第2弾。一見子供向けのように見せかけながら、内容はかなりブラックでハチャメチャな前作が大好きだったので、続編である本作も期待して今回鑑賞してみました。うーん、前作が賛否両論あったからなのか、今回はだいぶ大人しくなっちゃいましたね、これ。ウサギたちの毛の一本一本の質感さえも分かりそうなモフモフ具合だとか、ロンドンの街中を縦横無尽に駆け回る動物たちの躍動感とか、映像面は文句なしに素晴らしかったんですけど、内容が余りに道徳的になりすぎて僕はイマイチ楽しめませんでした。子供と一緒に安心して観たいお母さん世代にとっては良いんでしょうけどね。
[DVD(字幕)] 5点(2022-05-17 04:34:20)
473.  アルファ 帰還(かえ)りし者たち 《ネタバレ》 
時は今から2万年前、まだ氷河期時代の雪に覆われたヨーロッパ。過酷な環境の中、当時の人類はマンモスをはじめとする獣を狩ってその命を繋げていた。父とともにいつものように狩りをしていた青年ケダは、ある日、獲物からの反撃に遭い崖下へと突き落とされてしまう。目覚めてみると、荒れ果てた荒野に独りっきり。父や仲間たちは彼のことを諦め、泣く泣く家族の元へと帰ってしまったらしい。なんとしても部族の元へと帰ろうと決意するケダだったが、行く手には様々な大自然の困難が待ち受けていた。大雨、嵐、狼の群れ、猛吹雪、飢えと渇き……。そんな彼の孤独な旅路を助けてくれたのは、同じく群れからはぐれた一匹オオカミの“アルファ”だった――。文明誕生以前の古代を舞台に、青年と一匹の狼との種を越えた友情を描いたネイチャー・アドベンチャー。と言う設定を聞いてまず真っ先に思い浮かべるのは、かつてローランド・エメリッヒが撮ったネイチャーおバカ映画の迷作『紀元前一万年』でしょう。でも、主人公たちが皆流暢な英語を喋っていたあちらとは違い、本作では一応当時の言葉っぽい言語を喋っていて、まだリアリティに対する拘りが感じられました。とはいえ、本作で勝っているのはそこぐらい。仲間からはぐれた若者がただ家に帰るだけという、大して中身のない薄っぺらいお話がひたすらダラダラ続くものだから、もう最後まで眠たくって仕方ありません。映像の方も、よくあるネイチャー・ドキュメンタリーで何度も観たことあるような「あー、確かにキレイだね~。大自然マジサイコー。カレンダーにして飾っときたいわぁ」ってレベル。肝心のおおかみ君がけっこうしっかりと演技していたのでなんとか最後まで鑑賞できましたが、わざわざ時間を割いてまで観るべき内容ではありませんでした。
[DVD(字幕)] 4点(2022-05-15 05:13:38)
474.  オールド 《ネタバレ》 
そこは一日で一生分の時間が過ぎる浜辺――。人里離れたリゾート地にバカンスへと訪れたとある家族。11歳と6歳になる子供たちは久々の家族水らずで過ごす休日にテンション上がりっぱなし。だが、両親は何処か浮かない表情。何故なら彼らは離婚を前提に別居することを決めたばかりだからだ。そんなキャパ一家に、チェックインしたばかりの高級ホテルの担当者がとある提案をしてくる。「このホテルの裏側に秘密のプライベート・ビーチがあるのですが、ご家族で訪れてみませんか?きっと素敵な体験が出来ますよ」――。深刻な問題から逃れるかのように、その秘密の浜辺へとやって来たキャパ一家。見渡す限りのきれいな光景に、一家はそれまでの悩みなど忘れ非日常を楽しむのだった。そこにさらに二組の家族がやってきて浜辺はにぎわい始める。だが、しばらくすると拭いようのない違和感が家族たちの間に拡がり始めるのだった。急に大人びた表情を見せる子供たち、知らぬ間に増え始めるしわ、怪我をしてもその傷はすぐに治ってしまう……。そう、この謎の浜辺では猛烈なスピードで人が成長し、そして老化してゆくのだ。6歳の少年だった子供は瞬く間に大人へと成長し、お祖母ちゃんはすぐに老衰で死んでしまう。しかも、この浜辺からホテルへと帰る道を通ろうとすると気絶し、そのまま浜辺へと舞い戻ってしまうのだった。パニックへと陥る家族たち。そうしている間にも身体は成長し、そして衰えてゆく……。急速に年老いてゆくという謎の現象に見舞われ、次第におかしくなってゆく家族を描いたサスペンス・スリラー。監督はデビュー以来、一貫してアイデア一発勝負の映画を撮り続けるM・ナイト・シャマラン。いかにも彼らしいアイデア一発勝負のお話でしたね、これ。彼の作品の特徴って、そんな普通の脚本家なら没にしそうな陳腐なアイデアを、ひたすら大真面目に真剣に一本の映画としてしまうところ。それがうまくいく場合もあるし、ものの見事に失敗しちゃう場合も多いんですけど、今回はわりかしうまくいった方なんじゃないでしょうか。まあ真面目に考えたら突っ込みどころ満載ですけど、彼の映画はそーゆ―ことを考えたら負け(笑)。そこらへんはもう潔く無視しちゃって、ただひたすらこの理不尽な状況を楽しむのがこの監督の作風なんですから。疑心暗鬼からどんどん険悪な雰囲気になる登場人物なんてベタですけど、けっこう面白かったですし。それに妻の急速に悪化した腫瘍を取り除くシーンや全身の骨が折れたまま固まっちゃうおばさんなど、どれも印象的。まぁ急に成長した子供たちがテントでもぞもぞしてたらすぐ妊娠発覚、20分後にはもう出産なんて余りにばかばかしすぎて思わず苦笑しちゃいましたけどけど。最後のオチはかなり無理やりですんごく強引。でも、何度も言うようにそーゆ―ことを気にしたら負け(笑)。ちゅうわけで、僕はぼちぼち楽しめましたです、はい。
[DVD(字幕)] 7点(2022-05-11 18:08:22)(良:1票)
475.  ラストナイト・イン・ソーホー 《ネタバレ》 
彼女の名は、エロイーズ・ターナー。ちょっぴり夢見がちな18歳の女の子だ。ファッションデザイナーを目指す彼女は、今回念願だったデザイン専門学校に合格し、ロンドンのソーホーへと引っ越すことに。だが、学生寮での生活に馴染めず、エロイーズは早々にアパートで一人暮らしを始めるのだった。古くからあるそのアパートは、年老いた女性が一人で暮らす館の屋根裏部屋だった。隣のフランス料理店のネオンが煌々と輝くその部屋でのはじめての夜、エロイーズは不思議な体験をする――。なんと彼女はきらびやかなネオンに彩られた1960年代のソーホーへと迷い込んでいたのだ。ノスタルジックな音楽が絶えず流れるその世界で、エロイーズはサンディという名の歌手を夢見る素敵な少女と出会う。夜ごと夢の中で彼女の姿を見つめていたエロイーズは、次第に彼女の意識と一体化し始めるのだった。夢とも幻想ともつかぬそんな魅惑的な世界にすっかりのめり込むエロイーズ。だが、サンデイが悪い男に騙され生活が荒んでゆくと、エロイーズの実生活にも良からぬ影響を及ぼし始める。やがて、彼女は気づいてしまう。サンディは60年代に実際に生きていた少女であることを……。自分が生まれる前に生きていた少女を救うため、孤軍奮闘する女子大生を幻想的に描いたサスペンス・スリラー。監督は、エンタメ映画界を牽引する才人、エドガー・ライト。いかにもこの監督らしい、拘りに拘ったであろう映像と音楽の使い方はすんごく良かったです。キラキラと光り輝くような美しい映像といかにも60年代らしい楽しげでポップな音楽が完璧に融合していて、もう観ているだけでワクワクしちゃいますね。そんな夢のような世界の中でシンクロする二人の女の子もそれぞれに魅力的で大変グッド。特にダンスホールで、二人がくるくる踊りながら次々と入れ替わるシーンは出色の名シーンでした。それがやがて悪夢のような残酷な世界へと塗り替わってゆくのも自然で素晴らしい。一言で表すなら、『マルホランド・ドライブ』のライト版とも呼ぶべき内容ですが、こちらは何処までもエンタメで最後まで楽しんで観ることが出来ました。ただ、残念だったのは、最後に明かされることの真相がいまいち腑に落ちないところ。特に物語の随所に登場する怪しげなお爺さん。恐らく観客のミスリードを狙ったんでしょうけれど、さすがに無理がある。また、肝心のサンディの正体もどんでん返しを狙いすぎて彼女の魅力が半減しちゃってて凄く勿体ない。とは言え、60年代の怪しげなソーホーの雰囲気やぞくぞくするようなミステリアスな世界観などは充分堪能できました。女性の社会的自立というテーマも今日的でいい。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2022-05-11 04:28:51)
476.  JUNK HEAD 《ネタバレ》 
たった一人で脚本から美術から撮影から編集から果ては声まで手掛けた孤高のクリエーターが、7年もの歳月を掛けて創り上げたというストップモーション・アニメ。この常人にはおおよそ思いつけないだろうぶっ飛んだ世界観や、キモさと可愛さが絶妙に同居するキャラデザインなどは何だか癖になる魅力があり大変良かったです。特にクスコという謎の食べ物をもらうシーンなんか絶妙に気持ち悪い!!でも最後まで魅入っちゃうのは、この監督のユーモアセンスがよく分からないなりにクスリとさせられてしまうからなのかな。まあ自分はそこまで熱狂的に嵌まるほどでもなかったですが、充分楽しめました。三部作みたいなので、もちろん全部観ますぞー!!でも、本作完成までに7年、単純に計算して完結編完成まではあと14年かかるってことですな…。そのころまで生きてられるかな……(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2022-05-09 21:26:16)
477.  オーロラの彼方へ 《ネタバレ》 
太陽フレアの影響により、ニューヨークに色鮮やかなオーロラが発生した1999年。恋人との破局を迎え荒んだ生活を送っていたジョンは、ふとした思い付きから、物置の奥に仕舞い込んでいた父の遺品を引っ張り出してくる。30年前、消防士をしていた彼の父は倉庫火災に巻き込まれ殉職してしまったのだ。父が着用していた制服やバッジ、家族を守るための銃、そして父が趣味で使っていたアマチュア無線機。懐かしさから、ジョンは壊れていた箇所を直し、その無線機の電源を入れてみる。誰とも繋がるはずがないと思っていた通信は、何故か意外な人物から返答を受けるのだった。それは、1969年、死の前日に居た父の声だった――。何としても父の死を防ごうと、遠い過去へと語り掛けるジョン。だが、それは皮肉にも意外な運命へと彼を導いていく…。30年の時を経て向き合う、父と息子の絆をドラマティックに描いたSF作品。もっとド直球の感動ドラマだと思っていたのですが、意外にもこれって『バタフライ・エフェクト』系のタイム・パラドックスものだったですね。30年前の父の死を防ぐことがドラマの焦点となるかと思いきや、その目的は意外にもあっさり成功。「え、この後、どう物語を繋いでゆくんだろう?」と思ったら、なんと死ぬはずだった父がそのまま看護師である妻を訪問、そこで医療事故で死ぬはずだった連続殺人鬼が死なず、今度はそいつに母親が殺されてしまうのです。主人公、いわゆる「こっちを立てればあっちが立たず」的な板挟み状態に。ここから一気にB級感が増していきます。事故で死ぬはずだった父を記憶していながら、死なずにそのまま20年後に肺癌で死んだ父の記憶も追加されるというおかしな展開に。でも、母親が殺された記憶は何故か追加されてないみたいな感じなので、もうここでこの設定は破綻しかけてます。で、ここから連続殺人鬼は誰か?というミステリーになるのですが、過去や現在を行ったり来たり、親子の行動で現実がどんどん上書きされたりと正直ややこしすぎて僕は付いていけませんでした。そして最後は主人公の警告で煙草を止めた父が死なずにまさかの現代登場!この主人公、事故で死んだ父の記憶と肺癌で死んだ父の記憶と死なずに今も生きてる父の記憶のたっぷり30年分を3つも脳内に抱え込んでるわけですよね?さらに母親も死んだリ生きてたり、恋人と実は付き合っていなかったり……。うーん、よく頭がおかしくならんもんだ(笑)。という訳で、僕はこの設定の強引さにいまいち乗り切れず、残念ながらそこまで楽しめませんでした。
[DVD(字幕)] 5点(2022-05-09 10:40:01)
478.  ビール・ストリートの恋人たち 《ネタバレ》 
ビール・ストリート、ここはアメリカの全ての黒人の故郷であり、レガシーだ――。1970年代、公民権運動や社会不安により人種間の対立が激化していたアメリカ、ニューヨーク。身に覚えのないレイプ事件の容疑者として逮捕され拘置所へと収監された青年ファニーと、彼の子供を妊娠したことが分かった恋人のデパート店員ティッシュ。ともに黒人と言うだけで彼らは今にもどん底の地獄のような世界に堕とされようとしていた。白人警官の策略により、彼らはレイプ魔とその恋人と言うレッテルを貼られようとしていたのだ。このままでは生まれてくる赤ちゃんも過酷な人生を歩まざるを得なくなる。何としても彼の汚名を晴らそうと奔走するティッシュだったが、アメリカの司法は何処までも白人に有利になるように作られていたのだった…。ただ人並みに幸せになりたいと願った若き黒人カップルが辿る過酷な運命をソウルフルに描いたヒューマン・ドラマ。監督は前作『ムーンライト』でアカデミー賞の栄誉に輝くバリー・ジェンキンズ。この人の映画って、確かに完成度がむちゃくちゃ高いんですよね。はっきり言ってストーリー自体はけっこうありがちで物凄く単純。だけど、時系列をバラバラにして描かれるエピソードの数々がどれもこれも印象的で分かりやすく、なおかつ詩的で音楽のセンスも抜群に良い。なので最後まで純度の高いドラマを構築することに成功している。登場人物もたくさん出てくるのですが、ちょっとした脇役に至るまでキャラの描き分けが的確になされており、誰もが血の通った人間として感じられます。特に、冒頭にちょっとだけ出てくる狂信的な彼氏の母親なんて短い出演シーンなのに強烈な印象を残してくれます。ただ、これは個人的な好みの問題と言ってしまえばそれまでなのですが、僕はこの監督の政治的メッセージを前面に打ち出す作風がどうにも苦手です。黒人にとって白人は悪魔の手先で常に黒人を不幸にすることばかり考えている。そして、黒人はいつだって可哀想な犠牲者――。敢えてそう描いているのだろうけど、これってちょっとあまりにも偏り過ぎていやしませんか?モヤモヤするばかりで後味の悪いラストなど、かえって人種間の対立をより一層煽っているような気がします。深い物語性や洗練された世界観を構築する手腕は確かだと思うので、次はもっと政治から離れたテーマを扱ってほしいと切に願います。
[DVD(字幕)] 6点(2022-05-09 10:35:03)
479.  ラヴレース 《ネタバレ》 
1970年代に一世を風靡した伝説のポルノ映画『ディープ・スロート』。成人向けでありながら全米で大ヒットしたこの作品で主演を務めたのは、ほぼ素人同然の女の子、リンダ・ラヴレースだった。本作は、僅か7日間の撮影で一躍セックス革命のシンボルとなった彼女の半生を実話を基にして描いたもの。確かに興味深い題材ではあるし、伝説のポルノ女優を演じたアマンダ・セイフライトの身体を張った演技も大変良かったとは思うのですが、いかんせん基礎的な演出力が全然足りていない作品でしたね、これ。もう素人レベルと言っても過言ではありません。ドラマの最大の焦点となる、リンダがいかにして『ディープ・スロート』への出演を決意したのかや撮影現場がどのようなものであったか、またほぼヒモ状態だった夫との破綻した結婚生活などと言った重要な部分がことごとく的を外しちゃってます。「そこ、もっと突っ込んで描くとこでしょー!」って何回思ったことか。そして、本作の最大の失敗は、リンダの両親が娘がポルノスターとなったことを知るシーンがほとんどなかったこと。厳格なカトリックである母親がその事実をどのように受け止め、そしてその後いかにして娘と向き合うことになったのかという最も大切な部分がかなりあっさりと流されちゃってます。映画として、これではテーマに対する踏み込みが甘いと言わざるを得ません。また、時間軸の扱いもまるでなっちゃいない。全体を通して、今がいつの時代のエピソードなのかかなり分かりづらい。正直、お金を取って観客に観てもらうレベルに全然達していません。大胆なヌードを披露したアマンダ・セイフライトがかなり魅力的だっただけに、なんとも残念な作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2022-05-09 10:14:16)
480.  ターボキッド 《ネタバレ》 
核戦争後の荒廃した近未来を舞台に、チャリンコで荒野を駆ける世紀末ヒーロー〝ターボキッド〟の活躍をやり過ぎゴア描写満載で送る低予算B級SFムービー。まあ一言で表すとチャリンコ版『マッドマックス』なんですが、さすがにいくら何でもチープすぎちゃいまっか、これ。セットや衣装や小道具なんか全て近所のリサイクルショップで揃えたんちゃうのってレベル。撮影場所も完全に近所の裏山と潰れた工場だし、主人公のコスチュームもガムテープで継ぎ接ぎしたような感じでデパートでよくやってるヒーローショーより劣ってます(笑)。ターボキッドの腕から出る必殺技のビームなんて、一昔前のテレビのバラエティレベルのCGで思わず失笑しちゃいました。その割には、グロ描写には過剰に力を入れております。まあノリと勢いだけで最後まで観れちゃいましたけど、チープ&馬鹿々々し過ぎてさすがに面白かったとは言えないかな~。ただ、ヒロインとなるロボットのアップルちゃんはけっこう可愛かったので、おまけの6点!!
[DVD(字幕)] 6点(2022-05-09 10:05:52)
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