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 > かたゆき さんの口コミ一覧。24ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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461.  世界の涯ての鼓動 《ネタバレ》 
続発する爆弾テロを阻止するため、中東のテロリストの巣窟へと潜入する英国諜報部員の男。生命の起源を追って深海への命がけの調査に身を投じる海洋生物学者の女。ひと時のバカンスで訪れたリゾート地で偶然出会った彼らは、のしかかってくる重圧から逃れるかのように惹かれ合い、そのまま一線を越えてしまうのだった。お互い行きずりの愛だと割り切っていたはずだった。だが、数日間共に濃密な時間を過ごした彼らは、やがて運命的なものを感じ始める――。のちの再会を誓い合い、その地を後にする二人。だが運命は何処までも二人に残酷だった。男はテロリストたちに捕まり長い監禁生活を余儀なくされ、何も知らない女はそんな彼からの連絡を待ちながらも暗い海の底へと身を投じてゆく。果たして、二人は世界の涯てで無事に巡り会うことが出来るのか?ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督の最新作は、そんな過酷な運命に翻弄される男女の愛を切実に綴ったラブストーリーでした。雄大な大自然を背景に描かれる、この詩的で深甚なる世界観はなかなか見応えありました。いつまで経っても変わらない人間の愚かさと、神秘的な生物の起源をシンクロさせるところもセンスの良さを感じさせます。そんな世界の涯てに追い詰められた男女の愛を濃密に描いたラブシーンも官能的で大変良かったです。特に、アリシア・ヴィキャンデルちゃんの美しさは特筆に値しますね。ただ、良くも悪くも最後まで淡々と進むため、途中で幾分か退屈に感じたのも確か。もう少しドラマティックな展開があっても良かったような気がしなくもないけど、それは好みの問題なんだろうね。僕は少し物足りなく感じてしまいました。
[DVD(字幕)] 6点(2021-02-11 23:00:34)
462.  ふたりの映画ができるまで 《ネタバレ》 
映画監督志望の内向的な青年と自由奔放な美しい女優の卵。そんな対照的な二人の愛と情欲のぶつかり合いを描いたヒューマン・ドラマ。メガホンをとったのが、最近監督業にも熱心なベテラン俳優ジェームズ・フランコということで今回鑑賞してみました。率直な感想を述べさせてもらうと、クソつまんなかったですね、これ。全く魅力に欠ける登場人物たちが繰り広げる、くっついたり離れたりヤったりヤらなかったりというどうでもいいお話がひたすらダラダラダラダラ……。ヤマもなければ意味もない、オチも酷いというゴミみたいな脚本でした。J・フランコの監督作は何本か観てきましたが、どれも無駄におっぱいがたくさん出てくるのはこの人の個人的な趣味なんじゃないの?なんて思ったり。ま、観るだけ時間の無駄の完全なる駄作でした、はい。
[DVD(字幕)] 2点(2021-02-10 04:30:54)
463.  真実(2019) 《ネタバレ》 
これまでの半生を赤裸々に綴った自伝『真実』を出版することになったフランス往年の名女優ファビエンヌ。だが、その原稿を読んだ彼女の娘である脚本家リュミールは憤慨するのだった。何故ならそこにはファビエンヌの都合の良いことばかりが書かれていたからだ。特に、彼女と因縁浅からぬ関係にあった今は亡き女優への言及が一切なかったことに怒りを隠せなくなったリュミールは、夫と子供を引き連れ、今住んでいるアメリカからフランスへと里帰りすることに。だが、横柄で自己中心的な母親は開き直るばかりで原稿の書き換えには一切応じないという。次第に苛立ちを募らせてゆくリュミール。果たして、彼女たち親子に隠された本当の真実とは?カンヌでパルムドールに輝く日本の名匠是枝裕和がフランスを舞台にして、そんな確執を抱えた親子の交流を淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。昔から僕とはどうにも相性の良くない監督の作品だったのですが、カトリーヌ・ドヌーヴとイーサン・ホーク目当てでこの度鑑賞してみました。いやー、今回も見事に僕は嵌まらなかったですね、これ。ドラマティックな展開などほぼ皆無、これっぽっちも興味の持てないお話がただひたすら淡々と続き、僕は最後まで眠気が止まりませんでした。別に映画に娯楽性ばかりを求めてるわけではありませんが、もう少し観客を楽しませる工夫があっても良いのでは?最後のオチもモヤモヤするばかりでちっともスッキリしませんし。うーん、こればかりは相性の問題なので如何ともしがたい。ただ、往年の名女優を演じたカトリーヌ・ドヌーヴはお歳を召されてだいぶ貫禄がつきましたね~。「めちゃくちゃヒョウ柄のセーターが似合いそう」って思ったのは僕だけ?……すんません、完全に余談でした(笑)。
[DVD(字幕)] 4点(2021-02-10 03:02:48)
464.  ブライトバーン/恐怖の拡散者 《ネタバレ》 
ある日突然、超絶的な悪の力を手に入れた12歳の男の子によって引き起こされた一地方都市の大混乱を、彼の両親の葛藤を絡めて描いたSFホラー。正直、さっぱり面白くありませんでした、これ。とにかく脚本が薄っぺらすぎて、中盤からのグダグダ感が半端ないです。それに登場人物誰もが最後までおかしな行動を取り続けるのも苦笑するしかありませんでした。特に、両親!明らかに息子がヤバいことなってるのに、今更殺人の証拠を捜すって遅すぎだっちゅーの!それに無駄にグロ描写が多いのもどうかと思います。おばさんの目にガラス片が突き刺さってるシーンなんてあまりに痛々し過ぎて、見ていてウゲッてなっちゃいましたわ。観るだけ時間の無駄の凡作というほかありません。
[DVD(字幕)] 3点(2021-02-09 02:33:43)
465.  9人の翻訳家 囚われたベストセラー 《ネタバレ》 
フランスのとある地方都市に建つ一軒の古い洋館。何処にでもあるようなその大きな建物には、強固なセキュリティに守られた広い地下室が備えられていた。持ち主は、世界的なベストセラーを幾つも手掛けてきた大手出版社のCEO。そこにある日、世界各国から選ばれた九人の男女が集められる。目的はなんと、その出版社が扱う世界的ベストセラー作家の人気シリーズ『テダリュス』の最新刊をこの地下室で約二カ月かけて、集中的に翻訳作業を行うためだった――。事前の情報流出を防ぎつつも世界同時発売を実現するため、期間中彼らは外部との接触は一切禁止、外出することも許されない。作業は一日の初めにちょうど20ページ分の原稿を渡され、翻訳が終わると全て回収される。完璧なシステムのはずだった。だが、翻訳作業が開始された直後、何者かによってネット上にその極秘のはずの原稿の冒頭部が公開されるのだった。しかも犯人はCEOの携帯に直接連絡をよこし、原稿の全文を公開されたくなければ、多額の現金を払えと要求してくる。犯人は確実に、この九人の翻訳家の中の誰か。果たして原稿を盗み、ネット上に公開したのは誰なのか?ベストセラーを翻訳するために集められた、そんな九人の男女に交錯する動揺と疑心暗鬼をスタイリッシュに描いたサスペンス・ミステリー。という、今までありそうでなかった設定に惹かれ、今回鑑賞してみました。なのですが、僕はさっぱり嵌まらなかったですね、これ。とにかく物語の見せ方が恐ろしく稚拙。完全隔離されたこの地下室から誰がどのような方法でこの原稿を流出させたのかというのが物語の焦点となるのですが、ここら辺の詰めが非常に甘く、サスペンスとしていまいち盛り上がらない。もっと脚本を整理してすっきり分かりやすくみせてくださいよ。それに、この九人の翻訳家のキャラの描き分けもイマイチで、誰一人魅力的な人物がいないのも致命傷でした。しかも彼らのうち主人公が誰なのかもかなり曖昧なので、観客が誰に感情移入して観ればいいのか分からないのも難点。唯一盛り上がったのが、中盤の原稿強奪シーン。ここはベタですけど、サスペンスフルでなかなか面白かった。でも、それも最後のオチで全て意味がなかったとする謎の自己破壊(笑)。こうなってくると、この設定を思いついたアイデアのみが唯一の長所かなと思ったら、それもなんとダン・ブラウンのラングドン教授シリーズ出版の際に実際に行われた翻訳手法とのこと。うん、見事に誉めるべきところがなくなっちゃいました(笑)。なんとなく知的でミステリアスな雰囲気に4点。
[DVD(字幕)] 4点(2021-02-09 02:30:57)(笑:1票) (良:2票)
466.  ライフ・イットセルフ 未来に続く物語 《ネタバレ》 
ニューヨークのとある交差点である日、わき見運転の路線バスによって一人の妊婦が死亡する事故が起こる。何処にでもあるような平凡な交通事故。幸いお腹の女の子だけは無事に生まれたものの、遺された夫は自暴自棄に陥り、酒に溺れた挙句自らその命を絶つのだった。祖父に引き取られた女の子は孤独を感じながらも無事に成長し、やがて歌手を夢見てニューヨークの小さなライブステージへと立つことに――。一方、スペインの片田舎では貧しいながらも妻とともに平穏に生きていたある農夫のもとに一人の男の子が誕生する。厳しい父の元、すくすくと成長した男の子はある日、家族旅行でニューヨークへとやってくるのだった――。全く接点のなかったそんな二組の夫婦とその子供たち、だが運命の悪戯か、小さな交通事故によって彼らの人生は大きく変わってしまう……。ボブ・ディランの名曲に乗せて、そんな平凡に生きていた人々に訪れた奇跡をドラマティックに描いたヒューマン・ドラマ。全く予備知識のないまま、アントニオ・バンデラスやオスカー・アイザック、アネット・ベニングという実力派の役者陣共演に惹かれ、今回鑑賞してみました。冒頭から、主人公カップルを襲う悲劇の連続――夫の目の前で妊娠中の妻が事故死し、しかもその妻は幼いころに両親を亡くし、その後引き取ってくれた叔父から性的虐待を受けていた――に気分が重たくなります。挙句、遺された夫がピストル自殺するんですから、どれだけ悲劇なんだとウンザリしそうになりますが、本作は語り口が非常にポップなのでそこまで暗くならずに観られるのですから、これぞ映画のマジックというものですね。物語はその後、遺された娘へとクローズアップしながらも、何故かスペインの片田舎へと舞台を移し、そこで全く無関係のある農夫の家族を延々追ってゆくことに。いったいどういうことだろうと思ったら、後半で納得。なるほど全てはあの交通事故へと繋がってゆくのですね。人間万事塞翁が馬ではありませんが、人と人が出会い時に悲劇を招きながらも、それでも恋に落ちカップルとなって一緒に生きてゆくことの奇跡が非常にナチュラルに描かれていて、観ているうちにじわじわと心が暖かくなっている自分が居ました。そう、人生は悲劇の連続かも知れないけれど、それでもいつかはきっと幸せが訪れる。そう思わせてくれる佳品と言っていいでしょう。
[DVD(字幕)] 7点(2021-02-06 01:28:23)
467.  シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション 《ネタバレ》 
あのもっこりヒーロー、冴羽遼が帰ってきた!!しかも遠く海を越えたフランスでまさかの実写化というのですから驚きです。ジャンプ黄金時代のドンピシャ世代としては、なんだか地雷臭プンプンでしたが今回鑑賞してみました。いやー、ここまで原作へのリスペクトがビシバシ感じられるとは往年のファンとしてとにかく嬉しい!よく見つけてきたなという原作とほとんど違和感ない役者陣のルックスも見事!まあ内容の方は完全にすっからかんでしたけど(笑)。とにかく下ネタ満載で最後までずっとお下品一直線だったのもちょっときつかったかな。シティーハンターって漫画やアニメだからあのお下品な内容でも見ていられたけど、実写にするとやはり下品さが勝っちゃうんですよね~。とは言え、エンディングでの「ゲットワイルド」が流れるタイミングは完璧!それでチャラになるくらいテンション爆上がりしちゃいましたわ。原作ファンなら一見の価値ありです。
[DVD(字幕)] 6点(2021-02-01 05:42:24)
468.  ターミネーター:ニュー・フェイト 《ネタバレ》 
ジェームズ・キャメロンが制作に復帰し、しかもあのリンダ・ハミルトンが年老いてなお闘いに身を投じるサラ・コナー役を再演しているということで話題となった、『ターミネーター2』の正式な続編。前作のあまりの酷さにこのシリーズはもういいかなと思ってたのですが、やはりこのメンツが揃うとファンとしては観ないわけにはいきますまい。まあ確かに頑張っていたのは分かります。T2の世界観を踏襲したスタイリッシュなアクション・シーン、移民という昨今デリケートな問題を絶妙にブレンドした脚本、往年のファンとしてはそれだけで嬉しいリンダ・ハミルトンとシュワちゃんの共演、そして最新の映像技術を駆使して描かれた当時のエドワード・ファーロングの輝かしいお姿……。と、脚本がほとんどT2の焼き直しじゃんという欠点を抜きにしても普通に観ていられる内容であったとは思うんですよ。ただ、やはり自分としては、冒頭であっさりファーロング演じるジョン・コナーを殺しちゃうのがどうにも受け入れられませんでした。これって名作と名高いターミネーター1作目とT2の完全否定なんじゃないですかね。まあそうしないと物語が始まらないというのは分かるんですけど、ちょっとあまりにも安易すぎやしませんか。過去作への思い入れが強い分、そこんところがどうにも引っかかって僕は最後までいまいち乗り切れず。やはり僕はジョン・コナーとサラ親子の〝新たなる運命〟が見たかったです。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2021-02-01 05:11:50)
469.  ハスラーズ 《ネタバレ》 
彼女の名は、デスティニー。何処にでも居るような平凡な女の子だ。大して特技があるわけでもなく、容姿も学歴もそれなり、人に自慢できるような経歴もない。そんな彼女が生活のために見出した職業。それは文字通り裸一貫で出来る、ストリッパーだった。夜の街で繰り広げられる男たちの喧騒を乗りこなし、徐々に頭角を露わにしてゆくデスティニー。そんな彼女はある夜、お店のトップに君臨するベテラン・ダンサー、ラモーナと出会う。彼女とコンビを組み、お店の主な顧客であるウォール街の金融マンたちを相手に荒稼ぎしてゆく二人。高級住宅や車、豪華な食事に飲み切れないほどの高級ワイン、そして煌びやかな宝飾品の数々……。こんな生活が永遠に続くと信じていた。そう、あの日を迎えるまでは――。2008年、突如として巻き起こった世界的な金融危機によって、彼女たちは一夜にして全ての顧客を失ってしまうのだった。折悪く子供も生まれ、すぐさま生活に困窮するデスティニー。そんな彼女たちが、生活を立て直すために取った方法とは?実話を基に、追い詰められ犯罪に手を染めるストリッパーたちを描いたクライム・ドラマ。主人公とタッグを組む先輩ストリッパーを演じるのはベテラン女優ジェニファー・ロペスなのですが、とにかく今年で50歳になるとは到底思えない、彼女の圧倒的な存在感に尽きると思います。年齢を全く感じさせないパーフェクトなボディに、ステージを縦横無尽に駆け回る驚異の身体能力、そして何よりむちゃくちゃエロい(笑)。彼女が超セクシーなコスチュームを着て、客が投げる札束の海で踊りまくる冒頭のシーンには思わず痺れちゃいましたわ。僕はかねてより、ある種の水着は裸よりもエロいと思っていたのですが、それを改めて実感させられるようなほぼ線でしかないコスチューム姿の彼女、ナイスですね~。ただ、肝心のお話の方は正直ありきたり。追い詰められたストリッパーが、かつての顧客である金融マンを相手に金を騙し取る内容だと聞いて、もっと緻密に計画された知的犯行だと思ったら、まさかの単なる昏睡強盗。色仕掛けで客を泥酔させて近くのお店に引っ張り込んではカードの暗証番号を聞き出すという、なんだかミナミの帝王あたりに出てきそうなみみっちいお話でした。でもまぁ追い詰められた女たちの開き直りっぷりはなんとも潔く、そんな彼女たちがスケベな男どもを次々とターゲットにしてゆくとこはけっこう爽快だったかな。まさにゴージャス&セクシー。パワフルでエネルギッシュで猥雑で、目の保養にもなったし、まあぼちぼち面白かったですかね。教訓。夜の酒場で近寄ってくるエロい女には充分注意しましょう。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-01-30 19:04:33)
470.  さようなら、コダクローム 《ネタバレ》 
決定的なミスを犯し、長年勤めてきた会社から解雇を言い渡された音楽プロデューサー、マット。首を繋ぎとめるために会社から提示された条件、それはライバル会社から二週間以内に人気バンドを引き抜いてくることだった。生活のために、その人気バンドと何とかコンタクトを取ろうとするマットだったが、どうにもうまくいかない。そんな折、思いもよらぬ知らせが彼の元に届くのだった――。過去に色々あって長年疎遠にしていた彼の父親ベンが、末期の肝臓癌を患い余命幾ばくもないというのだ。高名な写真家でもあった父は、息子に最後の願いがあるらしく、それはもうすぐサービスが終わる古い写真フィルム「コダクローム」を現像するために、カンザスまで運転してほしいというものだった。母親とのかつての辛い日々を思い、頑として首を縦に振らないマット。そんな彼にベンのマネージャーは、驚きの条件を提示してくる。なんとその人気バンドに会わせてもいいというのだ。仕方なく願いを引き受けた彼は、父の専属看護師である女性とともにカンザスへと旅立つことに。だが、偏屈な父は何かというとトラブルを引き起こし……。長年の葛藤を抱えた父子が、最後の旅路をきっかけにお互いの人生を見つめなす姿をノスタルジックに描いたロード・ムービー。名優エド・ハリスが、そんな口数の減らない偏屈爺さんを演じているということで今回鑑賞してみました。なんですけど、僕はものの見事に嵌まらなかったですね、これ。とにかく登場人物誰もに魅力がなさ過ぎます!特に、エド・ハリス演じるこの爺さん。人の嫌がることばかりして自らトラブルを招いているのに一切反省の態度を見せないとこに、もう見れば見るほど嫌悪感が湧いてきちゃいました。これがロード・ムービーの名手とされるアレクサンダー・ペインの作品なんかだと、この爺さんに何処か憎めない魅力がでるものだけどそんなのは一切ありません。もうひたすらクソじじい(笑)。また、展開もベタ過ぎます。長年憎み合ってた父子が数日旅しただけで最後にはすっかり和解して、女性看護師ともいい仲になっちゃうって都合がよすぎますわ。主人公も目的の人気バンドとようやく会えたのに、それを父をちょっとからかわれただけでキレて帰るってあまりにもアホ過ぎます!いやいやプロなんだから、それぐらい我慢しろよ!んで肝心のそのフィルムに映っていた写真も、これだけ引っ張んだからさぞかし驚きのものが映ってるんだろうなと思ったら、まさかのそのまんまの家族写真…。捻りがなさ過ぎだっちゅーの。エド・ハリスの渋さに惹かれて最後まで観ましたが、僕にはどうにも退屈なだけの作品でありました。
[インターネット(字幕)] 4点(2021-01-30 18:46:40)(良:1票)
471.  存在のない子供たち 《ネタバレ》 
レバノンのスラム街に生きる貧しい少年がある日、裁判所に両親を訴えた。理由は、「こんなクソみたいな世界に僕を生んだから」。前代未聞のその理由にマスコミや世間は瞬く間に色めき立つのだった。そうして始まった公判で明らかにされたのは、あまりにも過酷な少年の人生だった――。まあ言いたいことは分かるのですが、僕は全く否の立場ですね、これ。無責任に自分を生んだ癖にロクに世話もしてくれない両親に対する、この少年の怒りは確かに分かります。でも、この少年、そんなどうしようもない境遇へと両親を追い込んだ社会というものへの視点が一切ないんですよ。ただちゃんと育ててくれない親に対する怒りのみ。これって、引きこもりの暴力息子が「腹減ったからとっとと飯作れ!」「可愛い息子のためにちゃんと金稼いでこい!」と怒鳴り散らしてるのと本質的には一緒なんじゃないでしょうか。この悲惨な境遇は全て両親のせいという、あまりにも視野狭窄なこの主人公に僕はムカムカと怒りが湧いてきて、最後など「そんなに産んでほしくなかったなら、とっとと自殺したらいいじゃん」とまで思っちゃいました。怒りを向けるべき相手は絶対的な貧困であり、それを生みだした社会システムであって、決して両親だけではないと僕は思います。ただ、とても芝居とは思えない子供たちのナチュラルな演技は素晴らしく、変幻自在なカメラワークにも目を見張るものがあります。あまりにも過酷な第三世界の真実をあくまで冷静に直視する監督の目線の鋭さにも感服せざるを得ません。とは言え、やはり僕はこの作品に通底するテーマというものに一切共感できない。こればかりは考え方の違いなので如何ともしがたいですね。
[DVD(字幕)] 5点(2021-01-30 02:30:46)
472.  ゾンビランド:ダブルタップ 《ネタバレ》 
約10年ぶりに制作されたゾンビコメディの続編。さすがにこれだけ時間が経つと前作の内容はほとんど覚えておらず、「確か、ビル・マーレイが本人役で出ていたよなぁ」くらいしか印象に残っていない状態で今回鑑賞してみました。それがアカンかったのか、僕は最後までいまいち楽しめなかったですね、これ。主人公たちのはっちゃけ具合や変なマイルール設定にそこまでのり切れず、ずっと置いてけぼりを喰らったような感じでした。ただ女性陣は全員魅力的で、特に頭がパッパラパーのビッチギャルはナイスなキャラクター。そこはちょっと楽しめました。ま、そんなとこです、はい。
[DVD(字幕)] 5点(2021-01-22 10:24:08)
473.  デビル(2010) 《ネタバレ》 
それは、何処にでもあるような日常のとある一コマだった――。大都会の一等地に聳え立つ超高層ビル。上層階へと向かうエレベーターの一室に、偶然乗り合わせた五人の男女。年代も人種も職業も違い、まったく共通点のない彼らはただ偶然そこに居合わせただけだった。だが、その狭い筐体は動き出した直後、原因不明の不具合を起こし、すぐに動かなくなってしまう。どのボタンを押してもうんともすんとも言わず、唯一のドアはどれだけ力を加えても一向に開かない。警備員室へと繋がるマイクにいくら訴えても、向こうはただ落ち着いてくださいと繰り返すばかり。室内には不穏な空気が流れ始め、徐々に混乱してゆく彼ら。一瞬の停電のあと、とうとう第一の犠牲者が出てしまうのだった。果たして犯人は誰なのか?やがて彼らは気づくことになる。この事態の裏側には、超自然的な力が動いていることを……。とあるエレベーターの一室に閉じ込められた、何の関連性もなさそうな人々の駆け引きを描いたシチュエーション・スリラー。明らかに低予算で作られたであろう、いかにもB級なそんな本作、制作を務めるがとにかくアイデア一発勝負で映画を撮り続けるM・ナイト・シャマランということで、さして期待せずに今回鑑賞してみました。ところがどうして、これがなかなか見応えのあるスリリングな密室劇に仕上がっていて、僕の先入観はいい意味で裏切られましたね。とにかく緊迫感の煽り方が抜群に巧い!!こーゆー映画にありがちな、舞台はこの密室の中だけ、ストーリーを登場人物のやり取りのみで強引に押し進めたりせず、ちゃんと外部の視点も取り入れているのが大変グッド。おかげで物語にメリハリがつき、最後まで飽きさせません。がっつりオカルト要素を取り入れているのも最初はどうかなと思ったんですが、それも自然であまり違和感を感じませんでした。物語の焦点となる、密室内に閉じ込められたこの五人のうちの誰が悪魔なのかというミステリーの見せ方も巧い。ビル内に徐々に混乱が拡がってゆくとこなんて、なんだかパニック映画のような趣さえありました。この五人のキャラもそれぞれ個性的でちゃんとキャラ立ちしているところも良かったですね。あのおばちゃんが急に立ち上がってきたときは、「どひゃあ~」と思わずのけぞっちゃったし。最後のオチは若干強引で力技で押し切られた感はありましたが、総じて満足度は高い。うん、なかなか面白かった。7点!
[インターネット(字幕)] 7点(2021-01-11 00:38:36)(良:1票)
474.  ホンモノの気持ち 《ネタバレ》 
高度なAIを搭載した人型ロボット〝シンセ〟が社会の隅々にまで浸透した近未来。開発者であるコール・エインズリー博士は、更なる高みを目指して日々研究を続けていた。その目標とは、「人生の最愛の伴侶となる相手を人工的に創り出すこと」――。彼の元で働く研究員ゾーイは、ともに過ごすうちにそんな彼の信念や人柄に徐々に惹かれてゆくのだった。次第に心を許しあい、いつしか一線を越えてしまう二人。お互いをなくてはならない存在だと感じ始めていた矢先、ゾーイは衝撃の真実を知ってしまう。なんと彼女自身もまた彼に創り出された〝シンセ〟だったのだ。心を深く傷つけられたゾーイは、彼の元を離れ、一人で生きてゆく決心をするのだが……。高度に発達した近未来を舞台に、自我を持ったアンドロイドと孤独な中年男との恋愛をリリカルに描いたSF・ラブストーリー。ベテラン俳優ユアン・マクレガーがそんな人造人間に恋をするこじらせおじさん役を演じているということで今回鑑賞してみましたが、正直、これがさっぱり面白くなかったです。ストーリーなんてあってなきが如し、とにかく雰囲気に頼りすぎで、全体的にふわふわダラダラした印象しか残りませんでした。これで映像なり音楽なりにセンスがあれば観ていられたんでしょうけれど、それもソフィア・コッポラもどきの凡庸な代物で退屈極まりない。だいたい人工知能と人間との恋愛というテーマ自体、今となってはさして目新しくもないですし。それに後半に唐突に出てくる恋愛ドラッグの扱いもなんとも中途半端。最後の「やっぱり愛って偉大だね」みたいな結論に至っては、あまりに薄っぺらすぎて思わず失笑しちゃいましたわ。という訳で僕はさっぱり楽しめませんでした。映像的にはそこそこキレイだったので、+1点。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-12-19 17:25:17)
475.  オフィーリア 奪われた王国 《ネタバレ》 
言わずと知れたシェイクスピアの古典的名作『ハムレット』を、ヒロインであるオフィーリアの視点で描いた宮廷劇。主役であるオフィーリアを今やハリウッドのトップ女優となったデイジー・リドリーが務め、脇を固めるのはベテランのナオミ・ワッツとクライブ・オーウェンということで今回鑑賞してみました。が、正直さっぱり面白くなかったです、これ。とにかく演出がお粗末すぎ!なんとも分かりにくいうえにさして面白くもないストーリー、揃いも揃って魅力に乏しい登場人物たち、シェイクスピアの元ネタを全く活かしきれていない凡庸な台詞回しの数々……。もう最後までずっとあくびが止まらなかったです。いやー、久々にここまでレベルの低い作品に出会ってしまいました。
[インターネット(字幕)] 2点(2020-12-19 03:03:44)
476.  ジェミニマン 《ネタバレ》 
引退を決意したばかりの超一流殺し屋が逆に命を狙われた!世界トップクラスの腕を誇る彼を追い詰めた者とは果たして誰なのか?その正体は、実は最新鋭のクローン技術で作り上げられた若き日の彼そのものだったのだ!長年の経験を最大限に活かしたベテラン殺し屋と粗削りながらも才能豊かな若手殺し屋。お互い超一流の自分との命をかけた闘いの火ぶたがいま、切って落とされる……。という、いかにもB級なぶっ飛び設定のSFエンタメ・アクション。最新鋭のCG技術で再現された若き日の自分と戦う主人公には、これまたいかにもな人選のウィル・スミス。これで監督がポール・W・S・アンダーソンやリュック・ベッソンといった〝いかにも〟な人だったらたぶん観なかったんでしょうけど、本作の監督はなんと何度もアカデミー賞の栄誉に輝く名匠アン・リーということで今回鑑賞してみました。なんですが、正直イマイチな出来でしたね、これ。とにかく最後までテンポが悪すぎ!こういう頭空っぽにして観るべき荒唐無稽系SFアクションは、もっとサクサク進んでくれないと。だって肝心のクローン殺し屋クンの正体が分かるのは、映画の中盤を過ぎたあたりってさすがに遅過ぎですわ~。あとアクション・シーンが全体的にどれも地味だったのも物足りなかったです。やはりアン・リー監督の丁寧で品の良い演出は、こういうB級作品には不向きだったってことでしょうね。けっこう期待していただけに残念でした。
[インターネット(字幕)] 4点(2020-12-13 18:45:49)
477.  グッド・ライ いちばん優しい嘘 《ネタバレ》 
長びく内戦の影響により、難民キャンプで過酷な生活を余儀なくされていたスーダンの少年少女たち。先の見えない生活に希望を見失いかけていたある日、政府の救済処置によってアメリカへと移住することが決定する。それまでアフリカの狭いエリアしか知らなかった彼らが、いきなりボストンの大都会で暮らし始めることに――。今まで電話もスーパーマーケットもマクドナルドすら知らなかった彼らは、突然の豊かな生活に戸惑いを隠せない。それでも親切な支援者の協力により、住むところも仕事も見つけることが出来た彼らは、アメリカでの生活に少しずつ馴染んでゆく。だが、長く続いた内戦の苦しい記憶は簡単には彼らを解放してくれない。そう、彼らには自分たちの命を守るために自らを犠牲にして兵士に囚われた仲間の存在があったからだ。そんな彼らが過去を乗り越えるために吐いた〝優しい嘘〟とは?実話を基に、そんな過酷な境遇で育った少年少女たちの人生を淡々と見つめたヒューマン・ドラマ。冒頭から展開される、兵士たちによって両親や兄弟を殺された彼らの苦難に満ちた半生にはただただ圧倒されるばかり。その地で平穏に生きていただけなのに、たったそれだけで銃を向けられ愛する者を殺されてしまった子供たち。人間の愚かさに、改めて戦慄させられてしまいます。それでも前を向き、ただ「生きていたい」という切実な想いだけを頼りに希望を捨てなかった彼らの姿には心揺さぶられるものがあります。ただ、肝心のアメリカに辿り着いてからの後半部分には僕は残念ながらそこまで嵌まれませんでした。実話を基にしたから仕方ないのかも知れませんが、なんとも地味。事実を改竄しろとまでは言いませんが、それでももう少しドラマティックに脚色しても良かったのでは。それに主要登場人物たち誰もが紋切り方で魅力に乏しいのも残念。もう少しそれぞれのキャラクターに個性を与えて欲しかった。社会の片隅で声にならない悲鳴をあげている社会的弱者たちに寄り添って映画を創ろうという監督のその思いには好感が持てるだけに、なんとも惜しい。
[DVD(字幕)] 6点(2020-12-09 04:13:13)
478.  マリッジ・ストーリー 《ネタバレ》 
情熱的な恋の果てに結ばれたはずの夫婦が迎えた離婚の危機を、ほろ苦いユーモアを交えて描いたヒューマン・ドラマ。監督は僕とはどうにも相性のよくないノア・バームバックだったのだけど、アダム・ドライバー&スカーレット・ヨハンソンという今ノリにノッてる人気俳優が豪華共演ということで今回鑑賞してみました。先に結論を述べさせてもらうと、やはり今回も僕の好みとはどうにも合わなかったですね。確かに、全編に散りばめられたユーモアはどれもセンスがあって大変良いし、ときおり見せる機智と警句に富んだセリフにもハッとさせられるし(特に、キリスト教圏の女性は常に聖母マリアと比べられるというセリフには唸らされました)、役者陣のナチュラルな演技も素晴らしいしで、完成度はむちゃくちゃ高いのは僕も認めるところなんですけども。離婚どころか一度も結婚すらしたことのない自分としては、この離婚あるあるにいまいち嵌まれなかったのも要因の一つかな。まあでも最終的には、好みの問題。僕は本作のいい観客にはなれなかったようです。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-11-29 04:32:09)(良:1票)
479.  ダーティー・コップ(2016) 《ネタバレ》 
ロサンゼルス市警で働くウォーターズは、うだつの上がらない中年警察官。ある日、彼は同僚で友人でもあるストーンという男からある相談を受ける。麻薬密売組織の怪しい金の流れを調べてみた結果、あるホテルのレストランが保有する大きな冷蔵庫に組織の裏金が大量に隠されているのを突き止めたというのだ。「どうだ、俺と一緒にこの金を横取りしないか」――。判で押したような退屈な毎日にうんざりしていたウォーターズは、自分の人生に一発逆転を図るため渋々その計画に乗ることを決意する。ドイツ製の高級なドリルも手に入れ、車も足のつかない拳銃も用意した二人は、その冷蔵庫の上にあるアパートに忍び込みそこの住民を縛り上げるとすぐさま計画を実行に移すのだった。タイムリミットは夜明け。着実に金庫破りを進めていく二人だったが、次第に様々なトラブルに見舞われるようになる。すると、ストーンは次第にその隠された狂気性を顕わにしはじめ、根が小心者のウォーターズはどんどんと彼に振り回されることに…。果たして彼らは無事に金庫破りを成功させ大金を手にすることが出来るのか?イライジャ・ウッドとニコラス・ケイジがそんな犯罪に手を染める警察官コンビを好演したクライム・サスペンス。この二人の初共演?に惹かれて今回鑑賞してみました。まあぼちぼち面白かったですかね、これ。やぱニコラス・ケイジはとち狂ったヤバい男役がよく似合う。対するイライジャ・ウッドも内気で神経質な小心者役がばっちり嵌まっていて、この二人の凸凹コンビぶりがなかなか楽しい。前半のコメディタッチから一転、一気に緊迫感が増す後半もけっこう見応えありです。特に金庫が破られたあたりからの二人の緊張感あふれる駆け引きは、主演二人の芸達者ぶりが堪能できます。B級ながらけっこう頑張っていたんじゃないでしょうか。ただ、惜しいのはラストの展開。さすがにあのオチは駄目でしょう。捻りがなさ過ぎて肩透かし感が半端ないです。物語のキーパーソンとも言うべき、あの人質となった女性の正体をうやむやのまま終わらせたのは明らかに失敗。あの女性こそがマフィアのボスで初めから事態を何もかも操っていたみたいなオチにしていれば、もっと完成度の高いクライム・サスペンスになっていたかもしれないのにね。残念!
[DVD(字幕)] 6点(2020-11-27 06:43:00)
480.  ディストピア パンドラの少女 《ネタバレ》 
そこでは最後に残された唯一の希望さえ、今にも消え去ろうとしていた――。謎の伝染病が蔓延し人類の大半が狂暴な化け物〝ハングリーズ〟と化した近未来。人々は強固なフェンスを張り巡らせその中で何とか身の安全を確保していた。軍部が管理する完全に外部と隔離されたその施設内で暮らす11歳の少女メラニーもまた、深い絶望の中に生きていた。彼女をはじめとする十数人の子供たちは常に独房に監禁され、外へと出る際は完全拘束された状態でしか許されなかった。何故なら彼女たちもまた謎の病原菌に汚染されているから。そう、彼女たちは〝ハングリーズ〟でありながらも思考能力を残している新種なのだ。彼らこそワクチン開発の決め手となるかも知れない唯一の希望だった。だが、優秀な科学者のもともう少しで人類の未来を取り戻せそうになっていた矢先、とうとうハングリーズたちによってフェンスが破られてしまう……。滅亡の危機に瀕したそんな未来社会で、明日の光を求めて彷徨う人々を描いたサバイバル・スリラー。といういかにもベタな設定の典型的なB級ゾンビものだと思って観始めたら、意外や意外、なかなかしっかりとした内容でけっこう面白かったです。特にこの人々がゾンビ化する謎のウィルスの発生源がある種のキノコというのは良いアイデアですね~。最後、このゾンビたちを栄養源としていた菌が発芽し、巨大なキノコとなって今にも胞子を撒き散らそうとしているというシーンは絶望感マックスで大変グッド。それに、大量のゾンビたちが徘徊する世界でのアクションもちゃんとツボを押さえていてなかなか楽しい。主人公であるメラニーも保菌者なので、いつゾンビ化してもおかしくないというのも緊迫感があって良かったです。ただ惜しいのは、ここまで徹底的に考えられた設定で始まったお話なのに、後半から徐々にその設定に綻びが出ちゃうところ。まず、日中立ったまま寝ている彼らの近くで間違って音を出しちゃったのに、それに気づくゾンビと気づかないゾンビがいるというのはおかしい。後半、普通に思考能力が残った子供ゾンビが急に出てくるのですが、彼らの存在に一切説明がなかったのも残念。ここら辺の脚本上の詰めの甘さをもう少し何とかしてほしかったかな。とは言え、最後のパンドラの箱の暗喩もばっちり決まってたし、絶望的な世界観もしっかり作り込まれていたし、主人公もけっこう魅力的だったしで、まずまず満足の内容でありました。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-11-23 03:18:50)
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