501. いのちの食べかた
《ネタバレ》 文明の庇護の下でしか生活できない「ほぼ大多数」の人類が、食に纏わる、高度で、貴重な「社会見学」を、お茶の間やリビングで出来てしまうという稀有な作品。 音楽も字幕も、説明すらないという、その作品スタイルの潔さも素晴らしい。 個人的な意見としては、以前に読んだ「畑とは、人類が初めて作った工場である」という某作家の意見を、より実感できたという事。と、食べるために奪った命は、キチンと食して供養すべし、という事。 後、「人類の隣人たる【動物】を、私は食べることが出来ない」といった某有名ベジタリアン・ミュージシャンの、浅墓きわまりない意見には賛同できない、という事。 そして、蛇足ながら書かせて頂くなら、コンベアで運ばれていたヒヨコのシーンで爆笑してしまったという私の浅墓さも、ついでに恥じておきたい。ヒヨコ・オン・ザ・ベルトコンベア、ちょっと可愛い過ぎ。 [DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2009-07-27 07:17:55) |
502. タクシデルミア ある剥製師の遺言
入るべき路地を数億本ほど間違え、迷い込んでしまったような。この奇妙な寓話的世界に、良くも悪くも引き込まれてしまった。監督も脚本家も美術もCG屋も、何か「とことんまで行っちゃってる感」というか、貴方たち、どっかおかしいですよ。笑。 蛇足ですが、個人的にはこの監督にバロウズの「裸のランチ」を撮ってもらいたいなぁ、と感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2009-07-27 00:34:32) |
503. 悪魔の手毬唄(1977)
他の作品と観比べてロケーションが大人しい(といっても本作も充分美しいが)かな・・・?とか、「いョうし、わかった!」は多めだが、胃薬の舞いは大人しかったりで、全体的にやんわりとした印象。見立殺人も猟奇的・・・だったかな?ま、こんなものか、みたいな。然し、若山富三郎の存在感が凄い。甘めの善哉の塩の様な、ボケ気味のピントもクッキリ。やっぱ、このシリーズ、面白いです。常田富士男の汚れ役も、そういえば新鮮でした。笑。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-07-17 00:04:48) |
504. 劇場版 空の境界 第三章 痛覚残留
全体的な世界観の「ワン・ピース」という役割と、予備知識の無い観客を楽しませるという両方のツボを、キッチリ押さえていたと、思います。 能登麻美子(神)の半狂演技が、キラリと光ってました。 [DVD(邦画)] 6点(2009-07-09 10:03:59) |
505. 蛇イチゴ
《ネタバレ》 人間(家族)関係の暗部を根元から掘り起こし見せているのに、そこに一切の嫌らしさを感じさせない。奇麗事に終始しているわけでもなく、露悪的になり過ぎもせずに、である。これは、凄い。 贅肉をそり落としまくった清涼感あふれるラストシーンの「蛇イチゴ」に、蟻一匹の演出も、見事としか言いようが無い。見事。 [DVD(邦画)] 8点(2009-07-09 09:54:13) |
506. 蝿男の逆襲
《ネタバレ》 モントリオールを恐怖のどん底に陥れるような作品を勝手に期待していたせいか、この作品には肩透かしを食らいました。 今回は転送装置も主人公も無事に生還できたので、生物を転送するという無茶さえ避ければ、この装置で物流革命を起こせますね。彼ら。 明らかにオーバーテクノロジーですけど。 [DVD(字幕)] 4点(2009-07-09 09:36:43) |
507. ゆれる
愛憎が複雑に絡み合った人間模様の一切合切を、余すところ無く描きあげた快作。救いへと続く、一縷のか細い光明のようなラストが、素晴らしい。 [DVD(邦画)] 9点(2009-07-03 02:50:26) |
508. ぼくたちと駐在さんの700日戦争
馬鹿馬鹿くもグダグダな物語。しかし、巧妙なテンポとスッキリとしたセンス、そして好キャストの成果も手伝ってか、失速せずにラストで楽しませてもらいました。 プチ感動エピソードや大袈裟な青春賛歌ムードに少しイラッとしたのも確かですが、まぁ全体的なバランスを損うほどでは、なかったかな? 安易に「お涙頂戴」な方向に進まなかった点と、「SM貴族のパリパリして開けないページ」というゲスさも織り込まれていた点が、嬉しい。 [DVD(邦画)] 7点(2009-07-03 02:36:05) |
509. ルパン三世(1978)
劇場版ルパン、最初で最後の傑作。・・・って、今後のルパンにゃ希望は無いんかぃ!と、思わせてもしょうがない。当時のルパンと現在のルパンは「似て非なる物」ですから。 [ビデオ(邦画)] 8点(2009-06-29 09:40:50) |
510. ソウ5
この悪趣味なギミック満載の殺人機械たちや残酷シーンに、五作目にして飽きてきた。人間の慣れって、怖いですね。 もう少し脚本をシンプルにしてもらわないと、物語を追うのもいい加減面倒くさい。 次回作を観るころ、この「ソウ5」の内容を覚えていられるという自信が、正直ない。ここいらで脱落しそうですね。私。 でも、次回作に、期待。 [DVD(字幕)] 4点(2009-06-26 00:22:14) |
511. デッド・サイレンス(2007)
特に怖くは無い…はずなのに、我が家のタンスで鎮座している香港土産の人形と、この作品に出ている人形たちが、何でかめっさ似ていて…ちょっと我が家の彼(人形)と、しばらく目を合わせられなかった程度に、怖かった。 我が家の人形も、深夜にいきなり口が開きませんように… [DVD(字幕)] 6点(2009-06-26 00:14:23) |
512. チーム・バチスタの栄光
キチンとしたミステリのクオリティの高さと、コメディとしての面白さを同時に楽しめた。 笑いに走りすぎず、ミステリとして深刻にもなりすぎず、すごい良いテンポで楽しめました。 [DVD(邦画)] 7点(2009-06-19 05:17:08) |
513. 刑事ニコ/法の死角
パム・グリアー、シャロン・ストーン、そしてスティーブン・セガールという、豪華なんだかどうだかよくわからないキャスティングではあるが、中身はビックリするくらいに「いつものセガール節」でした。 セガールファンしては、そこそこに楽しませて頂いた。 [ビデオ(字幕)] 5点(2009-06-15 03:05:24) |
514. リアル鬼ごっこ(2008)
意外と評価が低いので、少し戸惑っています。 物語的にも時間的にも、暇潰しにはちょうどイイ作品だとは思うんですが、ねぇ。 この奇妙な「サトウ」狩りによって、後には「鈴木」の時代が来るんでしょうねぇ。 リアルネームに鈴木の姓を持つ私としては複雑ですが。 [DVD(邦画)] 5点(2009-06-15 01:02:11) |
515. ワイルド・ゼロ
ゾンビとロックをB級にまとめた「ギターウルフ」の長編プロモーション・ムービー。 しかし、キチンとB級エンタテイメントとして成立している点が、見事。 [ビデオ(邦画)] 6点(2009-06-10 06:01:20) |
516. 劇場版 空の境界 第二章 殺人考察(前)
シリーズ毎に世界観のピースを小出しするという「まどろっこしさ」に、早くも嫌気がさしてきた。勿体つけ過ぎ。単に私が短気なのかも、だが。 キャラクターはそれなりに魅力があると思うんですが、如何せん物語に磁力がないように思える。ズバリ面白くない。 今後、シリーズが進む毎に面白くなるのかな?そうは思えないんですけど。 動画や美術のクオリティが高いだけに、色んな意味で惜しい。 [DVD(邦画)] 3点(2009-06-10 05:57:32) |
517. 北斗の拳(1995)
《ネタバレ》 垂れ目のケンシロウに、ふくよかむちむちのシン、鷲尾いさ子なユリア、童貞臭漂うバット、空中浮揚リン、銃殺されるリュウケン、なんちゃってジャギ等、登場人物だけ見れば確かに「北斗の拳」なのだが、明らかに「北斗の拳」に似せた別作品。 オープニングの「リュウケン銃殺」に始まり、クライマックスの「ケンシロウ、北斗神拳を使わずシンを撲殺」まで、ありとあらゆるツッコミ所を仕掛けて楽しませて(愕然とさせて)くれました。 まさしく「YOUはSHOCK!!!!!」な内容でした。 蛇足ながら書かせていただくなら、DVDについている映像特典(60分以上ある豪華っぷり)を、是非ご覧頂きたい。 「ケンシロウの愛とシンの愛の間で揺れている[ジュリア]の気持ちが…」とコメントしている鷲尾いさ子の「実はよく解っていないんです感」が、もしかしたら今作品中で一番の「YOUはSHOOOOOOOOOCK!!!!!!」なのかも知れません。(愛で空が落ちてくるレベルの) 怪作。 [DVD(字幕)] 1点(2009-05-29 10:40:21)(笑:2票) |
518. 純喫茶磯辺
ダサい事この上ない喫茶店を軸に、店主・その娘・従業員・常連が織り成す、美しくは無いがクスリと微笑ましい間抜けで憎めない人間模様が面白い。 今日もどこかでこんな間違いだらけの純喫茶がオープンして、そしてヒッソリと閉店していくんだろうなぁ。 [DVD(邦画)] 7点(2009-05-29 04:42:20) |
519. ブロブ/宇宙からの不明物体
《ネタバレ》 子供が犠牲者になってしまう、という反則ギリギリの驚きと、巨大人食いアメーバの内部で手榴弾が静かに小さく爆ぜるシーンが面白い。 そういや、ああいう「お約束のラストシーン」だったが、シリーズ化もしてないし、この手の類似作も出てきませんねぇ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2009-04-23 10:11:09) |
520. スカイ・クロラ The Sky Crawlers
現実感のない毎日を送る不安感と、救済の物語。シンプルなストーリーなのに、静謐で、力強い慈愛に満ちていた。名作。 鑑賞後の清々しさと切なさに、何ともいえない気分でした。 そして蛇足だが、劇場の大スクリーンでこの映像美を堪能できなかったという悔しさと、しかしながら自室で煙草を喫りながら鑑賞出来るという贅沢を、同時に噛みしめられた。鑑賞中に、煙草一箱(推定)消費。喫い過ぎに注意しましょう。 [DVD(邦画)] 9点(2009-04-23 10:01:50) |