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 > にじばぶ さんの口コミ一覧。26ページ目
にじばぶさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3228
性別 男性
自己紹介 監督別鑑賞作品数

成瀨巳喜男 69
溝口健二 34
川島雄三 40
小津安二郎 37
石井輝男 24
豊田四郎 19
石井岳龍 18
矢崎仁司 12
西川美和 8
山下敦弘 15
今泉力哉 21
フェデリコ・フェリーニ 24
ミケランジェロ・アントニオーニ 14
ピエル・パオロ・パゾリーニ 16
ルキノ・ヴィスコンティ 17
ジャン=リュック・ゴダール 34
フランソワ・トリュフォー 24
ルイ・マル 17
ジャン・ルノワール 15
ジャック・ベッケル 13
ジャン=ピエール・メルヴィル 11
ロベール・ブレッソン 12
イングマール・ベルイマン 27
アルフレッド・ヒッチコック 53
ジム・ジャームッシュ 15
ホウ・シャオシェン 19
ウォン・カーウァイ 14
ジャ・ジャンクー 9

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501.  顔(1999) 《ネタバレ》 
殺人を犯した人間が逃走する様を、実にリアルに描いている。 人間、何がなくても何とか生きていけるもんだなぁ、と別なところで感心してしまった。  行く先々で色んな人と出会い、別れ、ひどい目に遭い、ちょっとした幸せも感じた。  そして何より、劣等感の塊だった一人の女性が、逃亡生活の中でちょっとずつ自我を発掘し、今までの人生で抱えていた劣等感を克服して、活き活きとしていく様が実に興味深い。   社会から隔絶していた人間が、反社会的な行動に出た時、初めて社会と本当の意味で接することができた。 何たる皮肉、何たる人生の数奇さよ。  人間、どこまで堕ちたとしても、とりあえずは生きているべきだということ、それを本作から学ぶことができた。 実に有意義な2時間だった。
[DVD(邦画)] 7点(2011-10-20 02:34:31)
502.  GO(2001・行定勲監督作品) 《ネタバレ》 
序盤はむやみにハイテンション・ハイスピードで物語が展開され、「こんだけブッ飛ばしておけば、つかみはOK!」的な、あざとい狙いが脚本に感じられる。 やはり、この脚本家は苦手だ。  中盤からは、在日をテーマにした恋愛ドラマにシフト。 ハチャメチャさだけで最後まで突っ走ってくれたら、おそらく傑作間違いなしだっただろう。 ところが、在日という変に真面目なテーマを掲げるているもんだから、どうにもアンバランス。  バイオレンスとスピード感、そしてほろ苦くも甘いラブストーリーだけで構成すれば十分だったんじゃないだろうか。  今から10年前の作品で、一応“ゼロ年代”の映画ということになるが、古臭さが既に感じられるから驚き。 この10年の日本映画の変わり様は、私が思っている以上に早いようだ。
[DVD(邦画)] 7点(2011-10-13 22:57:33)
503.  麻雀放浪記 《ネタバレ》 
モノクロの映像が実に自然で素晴らしく、風景もまたリアル。 戦後の荒涼とした状況の中で、博打に生きる男たちの生き様を通し、重厚な人間ドラマが実に巧く表現されている。  一方で、キャスティングについては好みに合わず、鹿賀丈史や加賀まりこ、大竹しのぶ辺りが、この戦後を舞台に描いたせっかくのリアル感を、少なからず損なわせている気がした。  しかし、主演の真田広之は意外にも良かったし、女衒役を演じた加藤健一がとにかくカッコよかった! ただ、あんな情け深い女衒じゃあ、商売にならないだろうに・・・  麻雀については、ツミコミや賽の目の出し方テクニックなど、見所があった。 戦後の闇賭場として、バーだかクラブだかが出てきたが、場末で怪しげな雰囲気を醸し出していて、実に味わいがあった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-10-10 19:49:32)
504.  エレクション 《ネタバレ》 
レオン・カーファイが、中山ゴンに似ているが、これがまたかっこいい!! 実にカチっとヤクザ役がキマっている。  要するに、香港の裏社会を描いたヤクザものだが、そこはさすがのジョニー・トー監督、後半にたたみかける様にアっと言わせるシーンが連発!  実に魅せてくれるヤクザ映画だ。 北野武のヤクザ映画とはまた異なる面白さを持った内容で、香港のチムチャーツイの夜景を堪能できるのも、また素晴らしい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-10-09 22:32:08)
505.  ハッシュ! 《ネタバレ》 
同性愛ものという時点で既に自分にとってNGだし、高橋和也の演技も気色悪いのだが、それでもなお且つ楽しめたのだから不思議だ。  なんというか、世の中のはみ出し者同士が、傷を舐め合うような内容で、どちらかというと弱者を描いている。 そこに傲慢さは感じられず、何だか謙虚で繊細な映画だなぁ、と感じ入った。 人間的な優しさを感じさせる映画である。
[DVD(邦画)] 7点(2011-09-11 01:53:17)
506.  告白(2010) 《ネタバレ》 
冒頭でいきなり、殺された幼児の母親である松たか子が、殺人事件の顛末を「告白」し、それから関連人物が次々に事件にまつわる枝葉を「告白」していくという、異色の構成。  何人もの「告白」がなされ、次第に明かされていく殺人事件の真相。 映像的に暗めのトーンで展開される、このシリアスな物語は、終盤に向かって息つく暇もなく展開していく。  この展開の仕方が見事で、全く飽きさせない。 物語の構成と暗い色合いの映像とがマッチして、独特の雰囲気を醸し出しているのも良い。  ただどうだろう、とびぬけて傑作かと聞かれたら、そうでもないと答えてしまうだろう。 生悪説を前提に、中学生という「少年」が残虐な行為をするという決めつけが少し極端な気がする。 確かに、人の心の痛みを十分には知らない少年が、相手の痛みを理解できず、残虐な行為をするパターンというのはよくある話だけれど、松たか子が担任していたクラスの少年たちは、全員が皆同じように残虐であり、同じような行動パターンをとる。 それが何だか、作り物的な風合いを感じてしまう。  そして無能な他の教師たちの描き方も極端。 熱血教師に恨みでもあるのかと思ってしまう。  総じて面白く、同年に製作された「悪人」と賞を競り合っただけのことはあった。 だが、「悪人」にしてもそうだが、胸がすくような、心が打ちのめされるような突き抜けた何かが感じられないのだ。  中島哲也監督は、現在において、間違いなくトップクラスの監督だと思うが、期待が大きいだけに、この程度の作品でまとまって欲しくない。 もっともの凄い作品を、今後に期待したい。
[DVD(邦画)] 7点(2011-09-05 19:14:04)
507.  悪人 《ネタバレ》 
ストーリーで見せるというより、随所に込められたメッセージ性が強く感じられる作品。  人間は大切な人がいる場合、その人のことを妄信的に愛する。 相手が世間的にみて悪人であったとしても、愛する人にとっては関係ない。 親子間でも言えることで、娘を愛する父親にとっては、娘がどんなアバズレだとしても、可愛くて仕方ないし、大事で仕方ない。  誰が良い人で、誰が悪人か。 それを繰り返し根気強く、この映画は観る者にメッセージとして問いかけてくる。  悪人であるか否かの基準として、社会的規範に反する、例えば本作の様な殺人を犯した人間が悪人だとする見方がある。 その一方で、その社会的に悪人と見做された人間には、その家族がいて、その人間を愛する人がいる。 社会的に悪人であったとしても、その人たちにとっては大切な人であり、ただの弱い一人の人間である。  こうした社会性と個々人との相反する感じ方の相違について、実に考えさせられる映画であって、それぞれの人物に共感でき、つまり誰が正しいのか分からない混沌とした気持ちにさせられる。  もし自分の愛娘を殺されたりもしたら、その娘がたとえどんな人格だとしても、私は殺した人間を絶対許さないし、場合によっては犯人を捜し出し、殺してしまうかもしれない。 もしそうやって犯人を殺してしまったら、私も犯人同様に悪人と見做される。 だけど、本当に悪人なのだろうか? 社会的な規律を維持する上で、殺人を犯したら悪人とされるのであって、深い人間関係や感情の問題を考慮した時、誰が悪人で誰が普通の人なのか、その基準は極めて曖昧だ。  簡単なハッピーエンドにはせず、バッドテイストな形で終わらせたからには、一部の人には共感を得られないかもしれないが、私にとっては大いに気持ちを揺さぶられ、メッセージ性の極めて強い秀逸な映画であった。
[DVD(邦画)] 7点(2011-09-03 13:26:35)(良:1票)
508.  さんかく 《ネタバレ》 
小野恵令奈のロリコン的エロさに尽きる一本。 この少女をめぐり、周りの大人たちが翻弄される。 男女それぞれの恥ずかしい部分や、恋愛における男女の行動パターンを見事に捉えていて、それが随所に描かれている。  まるで、男女にまつわる「イタイエピソード」を紡いだ様な流れ。 おそらく、普通に恋愛を経験した大人、特に男が観たら、自分のイタイ思い出とリンクして、恥ずかしさや思い出がこみあげてくるに違いない。  とにかく、小野恵令奈の小悪魔的なエロさを満喫できるだけでも、観た価値はあった。 露出度の高い小野恵令奈の服装、甘ったれたしゃべり方も、この上なく魅惑的で危険に満ちている。  個人的には、路上で小野恵令奈がサラリーマン風の男に痴漢されるシーンなどの、ちょっとした演出もまた効果的で印象に残った。
[DVD(邦画)] 7点(2011-08-27 02:09:55)(良:1票)
509.  バッシング 《ネタバレ》 
作品名の通り“バッシング”されまくる一人の女性を主軸に、その女性が原因でその家族までもがバッシングの対象とされ、悲劇が起こるまでの顛末を描いた、極めてシリアスな家族人間ドラマ。  私の最も好きな「東京フィルメックス」でグランプリを受賞した作品。 この映画祭でグランプリを獲った作品には今のところハズレが無い。  殺伐とした浜辺を眼前にそびえ立つ古びた団地。 そして荒涼とした工業地帯。 地味で地道な仕事に勤しむ人々。 それらの舞台設定が抜群に良く、このシリアスな題材に感情移入できるだけの、良い意味での映像的な「負のパワー」に満ち溢れている。  主人公を演じる女性は、とても自分勝手で、コンビニでわがままをタメ口で言ったり、決して美人とは言えない容姿など、冒頭から嫌悪感を振りまいている。 これは序盤から中盤で、この主人公の女性に同情的な感情移入をさせまいとする、計算づくの演出だったに違いない。 その序盤の彼女への印象が、終盤では見事に覆っていく。  いわばコンプレックスを抱えながら、貧しい環境で育ってきた一人の女性が、閉塞的な荒涼とした町の中で、いかに自分の居場所を失っていったか。 それは想像に難くない。  そんな彼女が、海外ボランティアを通して、自分の存在価値たるものを感じたかったと考えるに達するのは至極当然な流れである。  何不自由なく育った人には、他人事にしか思えないだろう内容だが、どこそこかにコンプレックスや居場所の無い孤独感を経験したことのある人なら、本作を鑑賞して、共感をおぼえるに違いない。  さすが「東京フィルメックス」のグランプリ作品だけあって、心の深い部分をえぐられたような衝撃を感じた。 これからも「東京フィルメックス」には注目していきたいし、過去の受賞作もできる限り観ていきたいと思う次第である。
[DVD(邦画)] 7点(2011-08-22 23:34:09)
510.  たぶん悪魔が 《ネタバレ》 
ロベール・ブレッソン監督作としては、遺作の『ラルジャン』と似た味わい。 その映像たるは、恐ろしいほどに澄み切っていて、透明度が高い。 この美しい映像の中で、ロベール・ブレッソンの手腕が遺憾なく発揮されている。  主人公の男は、これまたおそろしいほどに美青年で、おそらく女性ならこの俳優を観ているだけで楽しめるだろう。 しかし、この主人公は全てにおいて、社会と隔絶した考え方を持っており、ひと癖もふた癖もある人物設定で、実にとっつきにくいキャラである。  ところが、そんなとっつきにくいキャラであるにも関わらず、彼は世の中で居場所を失い苦悩しており、同情に似た共感を観る者に与えてくれる。  美しい映像の中で、美しい青年が、苦悩の果てにその命を散らせていく。 実に破滅的でいて、美しい世界観が展開されていく。 青年は頭も良く外見も良いのに、自ら命を捨てる。 それは絶望の果てに、彼が選択せざるを得なかった唯一の選択肢だった。  人は馬鹿に生まれて外見も悪ければ、不屈の精神で生きる道をさぐるべく生へのモチベーションを得ることもあろうが、この青年のように頭も良くて外見が良いと、逆の道を辿り、破滅死に追い込まれることがある。 どちらの人生が良いのか? どちらに生まれれば幸せなのか? そういった深淵なテーマについて、考えさせられる作品だった。  本作は、ロベール・ブレッソン作品としては、初期の傑作群にはやや及ばないものの、晩年の作品として評価の高い『ラルジャン』に匹敵する作品であると思う。
[DVD(字幕)] 7点(2011-08-21 00:17:21)
511.  g@me.(2003) 《ネタバレ》 
とにかくドンデン返しの連続。 最後まで飽きさせないとも言えるし、やりすぎとも言える。 でも、ここまでひっくり返しまくれば、結局は元に戻る。 つまり、二人は離れ離れになる。 その締め方が巧い。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-08-14 02:35:56)
512.  秋菊の物語 《ネタバレ》 
人それぞれには意地とプライドというものがある。 それに強いこだわり持つ人にとっては、曖昧な結論など受容できるはずもない。  夫にケガを負わされた妻は、最初は夫のために抗議活動をしていたとはいえ、いつの間にか自分自身のこだわりとしての活動にエスカレートしていった。  本作は、役人の権力に対して人民がどれだけ対抗し得るか、それを一つのテーマにしている。 民主主義ではなく社会主義としての中国内において、どれだけ人民ひとりひとりの権利が尊重されるのか。 そして、それは尊重されるべきものであるとして、監督のチャン・イーモウは、観る者に訴えたかったに違いない。  人間というものは一度感情的になってしまうと、敵も味方もなく言動を起こしてしまいがちであり、本来仲間である村長や村人たちを巻き込んでいってしまう。 そんな暴走ぶりと、終盤の難産騒ぎで村長がこの妻の為に職務を全うするという下りが、見事に平行して描かれており、実に人情味のある豊かで緻密な作品に仕上がっている。  組織や集団における仲間意識の重要性。 だが、それはちょっとしたことから亀裂が生じ、行き違いが生じてしまう。 そんな人間の絆の重要性と脆さ、そして逆に結束力の強さをも提示してみせた本作は、チャン・イーモウの実力と魅力が存分に発揮されている作品だった。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-06 13:01:54)
513.  Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン 《ネタバレ》 
北朝鮮を支持する団体の幹部であった父と、日本で在日として生まれ育った娘。 二人の間には、思想という点で、どうしても埋められない溝があった。 それは、どんなに父娘が愛し合っていても、埋められない溝だ。  日本で北朝鮮の思想活動を人生を賭けて行ってきた父親だが、老齢になり活力も失われつつあった。 そんな父親に、娘が「韓国籍」を取ってもいいか、と質問するシーン。 娘に幸せになってもらいたいという思いが頭をもたげ、韓国籍になることを許す言葉をひねり出す。  北朝鮮の思想を生涯信じ続けてきた男としての父親と、愛する娘の幸せを願う父親とが交錯し、葛藤するシーンだ。 父親は誰だって、娘に幸せになってもらいたいと心の底から願っている。 だけど、どうしても譲歩できない部分がある。 そんな葛藤から意を決してひねり出した言葉が、娘に韓国籍になることを許す言葉だった。 娘を持つ父親なら、感情移入できる部分に違いない。  それと、本作は北朝鮮の風景や人間たちを映像に残しているという部分でも、非常に貴重な作品である。 ピョンヤンの映像を撮った監督の勇気に敬服する。  個々の人間がそれぞれに持つ思想や価値観。 それを上回るものは、親の子供に対する愛情であった。  あらゆる試練や苦難を乗り越えてきた一人の男の、死に瀕するまでの過程を描いたドキュメンタリーで、人間の生き様、人間の業というものを深く考えさせられる作品であった。
[DVD(邦画)] 7点(2011-08-01 01:29:22)
514.  からみ合い 《ネタバレ》 
さすが小林正樹監督作品、重厚な味わいで内容も面白い。 美術や音楽も独自性に富んでおり、ストーリーとは別に、映画として、画として楽しめるのがまた良い。  小林正樹監督作品の『化石』と似たような設定で、大企業の経営者が不治の病に侵され、今までの人生を反芻し、余生をどうにか全うしようと苦悶する姿が主軸となっている。  その社長の死に臨み、その遺産を狙う人々。 さまざまな欲望と策略、そして嘘が複雑に“からみ合い”、醜悪な人間たちの内面を見せつけられた。  法律の知識を武器に暗躍する企業顧問弁護士、愛人のごとく体を武器にして遺産相続人に名乗りを挙げる社長秘書、必至に自分の立場を守ろうとする若き妻、そしてその妻の元愛人・・・と実に複雑巧みに人間がからみ合う。  ドロドロとした人間ドラマで、もう一度観たいとは思えない内容ながら、これまたハズレのない小林正樹作品に、どっぷり黒々酔いしれることのできた2時間弱だった。
[ビデオ(邦画)] 7点(2011-07-28 23:00:15)
515.  接吻 (2006)
社会的に不適合者だと常に感じ、いつも孤独を感じている。 そのような人間が自分をどう見つめているか。 それは、自分のことを不適合者だと思っていない人には知る由もないことであり、そこには大きな溝がある。  不適合者が抱える心の闇。 不適合者同士しか理解し合えないこと。 しかし、不適合者同士とは言え、他人である以上すべてを理解できるとは限らない。 そこにはおのずと限界もある。  「この人なら私を理解してくれる。この人のことなら理解できる」  そう思っても、ちょっとした考え方のズレが、決定的な絶望感と孤独感を創り上げてしまう。  愛し合っている男女の関係にも同様のことが言え得るのではないか? お互いのことを完全に理解し合っていると信じている男女が居たとしても、ちょっとした価値観のずれが深い絶望感をもたらす。  深い絆で結ばれた人間同士でさえも、ひょんなことから深い溝が生まれる。 人間の関係性の難しさ、そして完全に理解し合うということの不可能性を本作を観て、痛烈に感じさせられた。  最後になったが、小池栄子は女優としてのプロ根性を発揮し、迫真の演技で実に素晴らしかった。 ついでに巨乳も相変わらず素晴らしい。
[DVD(邦画)] 7点(2011-07-17 02:40:07)
516.  ざくろの色
色彩と構図だけで勝負したら、この映画の右に出る作品はないだろう。  台詞を排し、時折り入る語りも音声がしぼられており、色彩と構図をひたすら強調した演出も、さりげなく巧みである。  ソフィコ・チアウレリの美しさも鮮烈。 特に、白装束・白塗りの彼女は、神秘的なまでの美しさとオーラを放っている。 目じりが印象的な女優で、もっと沢山の作品で彼女の姿を拝みたかったものだ。  強いて苦言を呈すれば、映像的な美しさと物語としての面白さが両立していないところ。 だがこれは、究極的に色彩と構図に焦点をしぼった結果だとも言える。 それだけ、絵画的美しさに特化した、孤高の作品だった。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-27 00:35:05)
517.  ジャバウォッキー 《ネタバレ》 
個人的にヤン・シュヴァンクマイエル作品の中でナンバー1な作品! とにかく気が狂いそうな悪夢的イマジネーションの世界爆発!!  迷路が出てきて、行き止まると猫が出てきてドボーン、そんでもって悪夢登場!って流れが何だかクセになるバッドテイスト。  果物が割れてウジが出てくるのには正直参ったが・・・汗
[インターネット(字幕)] 7点(2011-06-17 00:45:52)(良:1票)
518.  不安 《ネタバレ》 
不倫に関わる、ややもすると単純になりそうな話を、見事なまでにサスペンス風味満載に仕上げた作品で、いつ殺人が起るとも分からない雰囲気が全編に渡り漂っていて、緊張感を持ったまま最後まで観ることができた。  ロベルト・ロッセリーニとイングリッド・バーグマンは実生活でも不倫関係にあったが、本作はその不倫関係をまるで鏡の様に映しこんだ内容である。 結果、ロッセリーニは、不倫というものを深くリアルに追究し過ぎ、本作をもってバーグマンとの不倫仲も終りを遂げる。  ロッセリーニが、自身のプライベートをさらけ出してでも撮ろうとしたその意気込みを評価したいが、その一方で、単にロッセリーニの女グセの悪さを見せられているだけの様な気がしなくもない。  不倫とはいかに不誠実で、リスクが高いか。 単純に言えば、そんなことを訴えている作品である。 そんな単純な題材を、ロッセリーニは独自のセンスで、サスペンス劇としても十分に楽しめる作品に仕上げてみせた。  ロッセリーニは、イタリア近代映画の草分け的存在の監督だけあって、その完成された演出手腕には、さすがの貫禄を感じた。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-06-12 01:21:37)
519.  紅夢
中国製作映画としては、チェン・カイコーの『さらば、わが愛/覇王別姫』に匹敵する濃度を持った作品。  チャン・イーモウは、この頃、素晴らしい作品を撮った。 現在に関しては、敢えて語らず。 抜群の才能が、出世的野心と金によって摘まれることの損失の大きさ、本作を観てこれを感じずにはいられない。  主演のコン・リーは、完璧なまでの大陸美人。 チャイナ服をとっかえひっかえ着こなす。  そして、巨大なのに閉塞感たっぷりの大邸宅。 妾4人とは羨ましくもあるが、現代日本の感覚からすると、むしろ寂しい印象の方が勝るかも。 とにかく、あのお城の様な邸宅は冷たい感じがする。 大体、気味の悪い小屋が屋上にある時点で頂けない。  だが、中国ならではの文化、もちろん中国の中でも特殊な世界での文化だろうが、我々日本人からしたら、カルチャーショックの何物でもない。 同じアジア圏の私から見てもショックを受けたくらいなので、欧米人が本作を観たらどんな感想を持つんだろうか。
[ビデオ(字幕)] 7点(2011-06-05 01:52:59)
520.  ピョンヤン・ダイアリー 1994-1997
オーストラリア人が北朝鮮を旅した際に、手持ちカメラでもって、北朝鮮の実態を映像におさめようと、旅先の日々を綴ったドキュメンタリー映画。  日本のニュース映像で垣間見る北朝鮮の映像は、非常に限定、いや、人為的に偏った映像であり、それが日本人の北朝鮮という国に対する偏見を生んでいる。  アメリカ傘下の日本では、北朝鮮の実態そのままをニュースで報じることは現実的には不可能である。 そんな中で、オーストラリア人が北朝鮮を旅して、監視付きながらも北朝鮮の映像を中立的立場で撮って見せた本作はとても価値があり、有意義なものであると私は感じた。同じ人間である以上、日本人も北朝鮮も平和を願っているという点では共通である。  勿論、できれば戦争は避けたいと北朝鮮人も思っている。 だが、アメリカが世界を牛耳る世の中で、アメリカにおんぶにだっこである日本が、北朝鮮を正しく理解できるはずもない。 それはアメリカに影響を受けた報道規制の中でしか、我々日本人は北朝鮮の思想や実際の姿をニュースで見ることしかできないからだ。  北朝鮮は小国ながら、社会主義国としての立場を貫こうと奮闘している。 こういった北朝鮮の真っ直ぐな姿勢を、もっと日本人は客観的に評価すべではないか?  もちろん、北朝鮮の全てを肯定しろという意味ではない(飢餓問題など)。 報道規制されたマスコミの情報だけで、北朝鮮を悪い国だと決め付けている日本人、アメリカにぶら下がり安穏としてアイディンティティを持ち得ない日本人は、北朝鮮のこういった真っ直ぐな姿勢にもっと興味を持ち、理解する努力すべきなのではないかと思う。  アメリカに抑圧され、操作された日本報道文化の中で、どうしたら我々日本人が、同じアジアの国で自国のアイデンティティを貫いている北朝鮮を理解できるのか。 中立的な本作を観ていると、そういった疑問や不満がわいてくる。  念のために書いておくが、本作は決して北朝鮮寄りに創られたドキュメンタリー映画ではない。 オーストラリア人が、極めて中立的な立場で創り上げたドキュメンタリー映画である。  極めて客観的で中立的な本作を観るにつき、アメリカ式資本主義に対立する、社会主義国に関する日本人の理解の低さ、そしてマスコミ報道を丸ごと無意識に信じ込んでいる日本人の愚かさを感じずにはいられない。
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-31 03:21:42)
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