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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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541.  イノセンス
ああ、理屈っぽい。前作ではまだ草薙素子の身体が極めて人間であったうえに、語られる哲学も人間的な葛藤の上に模索されるのだが、この作品では生々しいものはことごとく排除され哲学だけが充満しちゃってるので、世界観としての面白さはあっても映像としての面白さが非常に乏しくなっている。また前作や「パトレイバー」で見せた写実的風景のSFアニメとしての魅力的な絵も激減(高い技術は見せ付けられたが)。絵は理屈に説得力をもたらすものでしかなく、あらゆる辻褄を合わせるものでしかない。アニメーションの醍醐味は無い。しかし最初からアニメーションであろうともしていない。これは押井守の論文だ。いや、論画か。
[DVD(邦画)] 4点(2010-03-26 16:04:52)(良:1票)
542.  GOEMON
紀里谷作品の最大の特徴は創作の源流に漫画やアニメがあるところ。もっと言うと漫画やアニメしかないところ。映画を作る人の源流に映画が無い人なんてそうそういません。そこが紀里谷監督の強みなのです。スーパーヒーローでもなければ新造人間でもない五右衛門が超絶的な身体能力で大暴れすることを堂々と描ききる。ギャグに逃げず照れもせず、あくまで大真面目にかっこいいと確信して。それはたしかにイタイし、幼稚でもあるんだけど、こういう人もいないと面白くない。お話的にも前作同様にヒーローが平和を願うという、よくまあそんなこと恥ずかしがらずにってことを大真面目に訴えてくる。そういう意味では前作とやってることはなんら変わっていないのに、前作とはうってかわって概ね受け入れられていることに驚いた。この差はなんなのだ?やっぱりストーリーですか?あと、紀里谷ワールドを担うビジュアル面ですが、新しくはないものの自由に混ぜ込んで取り入れた美術はOKなんですが、全体を覆うCG着色がダメ。独自色は出てるんだけど濃淡、明暗が乏しいので見にくい。
[DVD(邦画)] 4点(2010-02-19 15:34:32)(良:2票)
543.  チーム・バチスタの栄光
田口先生を原作の男から女に変更したのは、男男のコンビよりも男女のコンビにしたほうが画的に映えるだろうし原作にはないスクリューボールコメディの予感を漂わせてこれはこれでいいかと。ただ、病院内権力に全く関心が無く手術に関してもド素人であることが物語の主人公としての必然であった原作に対し、映画はド素人であることが全く活かされずに終わってしまうってのはどうかと。と言うものの、無能な常識人間と有能な非常識人間のコンビという映画オリジナルな関係を作っているわけだからこれもまたアリなのかもしれないんだけど、こうなってくると元来事件と無関係の主人公が事件に関わってゆく展開にもう少し工夫が欲しかったように思う。医療に関する社会問題を前面に出さず、あくまでミステリーとコメディに徹した作りは良かったと思う。でもそのコメディ部門を牽引するトンデモキャラの白鳥が「どんと来い!超常現象」の著者とかぶってしまっているのは制作者側の怠慢だと思う。
[DVD(邦画)] 4点(2010-02-04 17:13:20)
544.  ウォッチメン
これまたコミックを知らないもんで、このやたらとじめじめとした暗いトーンが映画独特のものなのかコミックにあったものなのかわからないんだけど、このトーン自体はこれまで見たことのあるスーパーヒーローものにはないもので新鮮に感じた。スーパーヒーローたちが現実の世界にいるその荒んだ状況がまた面白いのだが、彼ら彼女らがこの世界にいることの説明がくどい。ベトナム戦争とかケネディ暗殺という史実に彼らを絡ませてニクソン天下の世界を作っているのだが、これをマンガや小説なら面白く読めるんだろうが、映画だとここの説明がどうしてもくどくなる。キャラ的にはロールシャッハとドクター・マンハッタンが抜きん出て魅力的だがそれぞれの過去とか葛藤とかもいらんやろ。そんなもんよりロールシャッハを目の敵とする連中がうようよいる刑務所内の緊張をもっとスリリングに描けよ。刑務所の暴動をもっとダイナミックに描けよ。彼ら彼女らのアクションをもっと堪能させろよ。
[DVD(字幕)] 4点(2010-01-27 14:13:26)
545.  ラスト、コーション
誰も信用できないという特異な環境、特異な立場にある男が、唯一人間らしくいられるのがある女との肉欲にまみれたひと時。演劇からスパイ活動へ派生し、常に偽りの自分でいなければならない女が最も正体を知られてはいけない男との肉欲の世界の中で本当の自分を見出してゆく。嘘が蔓延する世界の中でお互いを求め合うという唯一の真実。だからセックスはこの映画の中で最重要。当然そのシーンは「最重要」であることを訴えるようにセンセーショナルさを伴うことになる。それはわかる。でもセンセーショナルさそのものを得るためのセックスシーンになってはいまいか。規制の厳しい中国の監督が前作ではゲイの世界を描いて見せた。今回もタブーに挑戦するのだということが目的の一部になってはいまいか。見せ方がそう感じさせる。もうひとつ。男と女のあれこれはうまく描かれているのだろうけど、その時代その場所の恐怖と緊張が乏しすぎる。この設定ならばもっとドキドキしたものにならないと。それにしてもタン・ウェイはたいしたもんだ。処女の顔も娼婦の顔もできちゃうんだもんな。それとも女は化粧と衣装でなんにでもなれるのか。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2009-12-15 15:53:07)(良:1票)
546.  ザ・マジックアワー
三谷幸喜作品の面白さは演劇にこそある。『12人の優しい日本人』が面白いのは会話劇だからだ。言い換えれば会話だけで人を楽しませることができるのが三谷幸喜である。ところがどうも監督は映画をしたいらしい。前作『ザ・有頂天ホテル』は『有頂天時代』と『グランドホテル』を合わせたタイトルから想像するに「映画」と「三谷演劇」の融合を試みようとしたものだったのかもしれない。しかし実際は試みてはいない。自由に視点を変えられるカメラが三谷演劇を切り取ったにすぎない。長回しは映画的空間を作らずにNGの許されない演劇の醍醐味こそを映し出していた。しかしだからこそ面白いのだ。しかししかしこの『ザ・マジックアワー』というこれ以上ないくらい映画を連想させるタイトルを冠した作品は今度こそ「映画」と「三谷演劇」の融合を試みる。演劇的な室内劇から外へ出る。カメラは何度も切り返される。クレーンで上昇もする。「映画内映画」という映画的モチーフが映される。映画に対する露骨な愛を見せてもいる。たしかに前作よりもはるかに映画に近づいた。でもそうなってくるとこれまで三谷映画で気にならなかった粗が気になってくる。融合の弊害。例えば明らかにそれとわかるセットは三谷演劇を見せるために必要な虚構を演出するアイテムなのだろうが演劇ではなく映画っぽく撮ることで不自然さだけが目立ってしまう。窓から見下ろす「外」も「外」には見えなく、「この街から出よう」と言われても街の外も想像できない。融合の途中段階として今後に期待。でも演劇的オーバーアクトのうえにさらなるオーバーアクトをのせて笑いをとるのは「演劇」ならではであって、やはり三谷は「映画」より「演劇」で魅せてほしいとも思う。
[DVD(字幕)] 4点(2009-12-08 12:03:39)
547.  ライフ・イズ・コメディ ! ピーター・セラーズの愛し方 《ネタバレ》 
よく子供がそのまま大きくなった人などと形容される人がいるが、ここで描かれるピーター・セラーズがまさにそんな人。道化を演じればみんなが笑ってくれる。いざとなったら道化を演じればいい。この安全弁でもあり最強の武器を手にしたセラーズは高嶺の花にも臆することなく大胆にアプローチしてゆくことができるのだ。その一方でこの安全弁と最強の武器があるから大人の分別も持ち得ない。おそろしく幼稚な大人が出来上がる。そういえば『ロリータ』の中のセラーズもとんでもなく子供な大人だった。この作品はセラーズを演じるジェフリー・ラッシュがセラーズのまわりの人間に突如変身して登場するという幻想的なシーンをところどころに配している。カメレオン俳優のカメレオンぶりを描く映画としてなかなかシャレの利いた構成だと思うし、あまりに辛辣な人物造詣を虚構の中のものとして見る事を多少なりとも助長しているように思う。だがピーター・セラーズという実名と彼が出演した数々の実在した映画のワンシーンがこの映画を虚構のものとして見る事を拒絶する。つまり純粋に映画を楽しめなかった。『博士の異常な愛情』のセラーズは苦悩していたのか!全く気付かなかったよ!とか『カジノ・ロワイヤル』のセラーズは憤慨していたのか!知らなくてごめんよ!とか、なんともいたたまれない気持ちになっちゃったよ。 『チャンス』での彼が称えられてるけど、あれだって子供のまま大人になったような役じゃん。なんか複雑~。
[DVD(字幕)] 4点(2009-12-07 18:23:45)
548.  エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?
巨大企業はいかにして崩壊したのか?とサブタイトルにあるようにすでに崩壊された、つまり過去のことを延々と綴っているだけ。たしかにエンロンがいかにして成長しいかにして崩壊していったのかを分りやすく見せてくれてはいる。メッセージ的なものといえばエンロンとブッシュ、あるいはエンロンとシュワルツネッガーの黒い関係を臭わすあたりに極めて政治的な思惑が見え隠れするのと、「人生を振り返り”失敗した”と認めるのは難しい」という至極真っ当な秘書(だったっけ?)の言葉が終盤にあったが、言い換えれば関わった人間の大半は反省することすらない結末だったわけで、この事件で何かを学ぶことなく又同じようなことが繰り返されるのだろうという投げやりな幕の閉じ方それ自体には社会を憂うメッセージが内包されているととってもいいかもしれない。しかしエンロンの崩壊そのものに対する独自の見解があるでもなく、ゲーム感覚で金儲けに便乗するトレーダーたちをピックアップするでもなく、カリスマ、ケン・レイその人に迫ったものとも言いがたく、けっきょく、あらすじはわかったけど、面白いところがなかった。面白い題材がゴロゴロしてるのに。最も魅力的題材はなんといっても途中でまんまとばっくれたストリップ大好きな天才中国人だ。ここ、追いかけてほしかったなあ。
[DVD(字幕)] 4点(2009-11-13 17:02:53)(笑:1票)
549.  20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗 《ネタバレ》 
一身上の都合で見に行ってしまいました。これだけはイヤだって言ったのに。ちなみに前の2作はDVDでちらっと見ました。ヨメがこの日のために借りてきたんだけどあまりのくだらなさに途中で見るのやめました。これはそっくりさん大会か。金のかかったかくし芸大会か。いや、そういう意味では楽しめたのかもしれない。神父なんてめちゃそっくり。なんでわざわざそっくりメイクをする必要があるのかわからんが、とにかく笑えたからまあいいか。原作マンガを知る者限定のお楽しみではあるが。マンガのほうでは終盤、まだ続くかと呆れながら読んでたので「ともだち」の正体とかもうどうでもいいよと思ってたんだけど、映画のほうはこれ1作(といっても155分)で同じように思わせてしまう。マンガ版の途中までの「ともだち」でもあった○○○○が実はみんなが□□□□君のことを勝手に○○○○だと思ってたという映画版のみの、そりゃ傷つくよ、な展開はさすがは浦沢直樹(脚本)と思いました。まあ、どうでもいいけど。地球防衛軍を武装解除させたときにヘルメットのフェイスカバーをあけたら高嶋政伸と田村淳だったシーンで、ナイナイの岡村やったら面白かったのにとかヨメと笑いながらトークがはずんだことに感謝の意を込めて大サービスの4点だ!
[映画館(邦画)] 4点(2009-10-13 16:37:05)(笑:2票)
550.  スパイチーム
傷心をキザに描いたような冒頭シーンからだいたい想像できたのだが、レオン・ライのプロモーションのような作品だった。ストーリーはありがち。シーンもどこかで見たことのあるようなものばかり。まあそれはそれでもいいのだが、傷心の原因が作品の肝なのにそこのところにはあまり触れない。触れないわりにミステリアスにならない。スー・チーがこれ以上ないくらい謎の女ですって感じで登場するんだけど見せ場無し。スー・チーがどうなっちゃうとかはアレでいいんだけど、主人公の傷心を振り切る女として存在しなきゃいかんと思うのだが、なんだかなあ。敵も仲間も含めてみんな地味なのもいかん。
[DVD(字幕)] 4点(2009-09-28 17:28:18)
551.  オーシャンズ13
仲間同士で遊びながら作ったような『12』がけっこう好きな私としては、この『13』はまじめすぎるというか正統にすぎるというか・・。『11』からすでに遊びが入ってるこのシリーズはとことん遊ばないと。もしくはとことんカラーを変えてしまうか。ということで期待はずれでした。キャラクターが増えすぎて収集つかなくなってきた感もあり。あの媚薬は、まあ、欲しい。
[映画館(字幕)] 4点(2009-07-08 12:45:16)
552.  ラスベガスをぶっつぶせ
いざラスベガスへ繰り出さん、までは良かったのだがここからが見せ所って部分が盛り上がらん。プレイヤーとなる主人公が後ろ手を組む合図と共に場につくんだけど、主人公が場につくまでのカウントが映されてこそそのカラクリを楽しめるというもんだ。そのカラクリ自体がよくわからんでも、なんとなくオオー!と思わせる画を見せればいいのだ。この映画を見ている限りじゃカラクリは教授の説明だけで、あとは結果を映しているだけ。わーいわーいと勝ってる画だけ。これじゃつまらん。豪遊ぶりもなんだかありきたりな画がちょっとあるだけでつまらん。かといってカジノの専属警備員との攻防も盛り上がる前にいとも簡単に見破られてるし。けっきょく最後のどんでん返しに向かってストーリーが進行しているだけの映画でした。
[DVD(字幕)] 4点(2009-07-06 16:38:34)
553.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式
タイムマシンというとんでもない装置をもってたかだかたったの17年の時しか遡らないというバカバカしい設定に呆れるも、そのたったの17年で日本のファッション・風俗が笑っちゃうくらいに変貌しているからこそその設定が活きているという映画である。その時代を知る者にはより楽しんでもらおうとした作品ともいえるだろう。私自身は大いにバブルの恩恵を受けた世代だが、この映画に出てくるこの時代のノーテンキな輩ほど浮かれたつもりはないが、まあそこは地域格差もあっただろうし、多少は面白おかしくもしているのだろう。17年のギャップでいえばその当時はなくて当たり前だったケータイの使い方がうまい。日本経済の建て直しという背景を持ちながらも社会派の色合いは全く無い。ホイチョイだから当然である。ホイチョイ・プロってまだあったんですね。バブル時代をコメディで見せるという視点と全体的なバカバカしさはじゅうぶん評価したい。でも4点。
[DVD(字幕)] 4点(2009-06-25 14:52:03)
554.  トリプルX
スカイダイブにスケボー、スノボに曲乗りバイクとアクションの安売り大売出し。雪山のシーンで「007」を思い出したんだけどあらゆるアクションで「007」をある意味においては超えている。火薬の量も半端じゃない。バイクもあり得ないほど高く飛ぶ。実に派手。だけど派手なわりに痛快感がない。ピンチになってもドキドキしない。クライマックスにも気持ちが入らない。「007」もたいがいドキドキさせてくれないけどコレは加えて主人公のキャラがありきたりすぎ。全然アンチヒーローという設定が生かされていない。これが一番の問題か。
[DVD(字幕)] 4点(2009-06-04 14:11:48)(良:1票)
555.  M(2006)
日常の中にある非日常が描かれていて、それはフィクションとしてはありふれてはいるんだけど映画初出演のヒロインのぎこちなさとモデル出身という現実離れした存在感が独特の雰囲気を出していて面白い。主婦という日常と主婦ではない非日常を行き来する女の危なっかしさにドキドキもさせられる。のだが、この作品はそのドキドキを堪能するものではなく、非日常的あれこれも単なる背景にすぎない。ではこの作品は何が描きたかったのかというと、おそらく女の中にある性質という目に見えぬもの。性的な不満が描かれることでベースを作り、その不満が非日常を呼び込み、その非日常をきっかけとして本来持っていたのだろう性質を表出させるという物語はいいのだが、はたしてその目に見えぬ性質とやらが画面に現れていたのかというとビミョー。だから母親に対するトラウマを抱えた青年の暴力にヒロインが性的に感じてしまうクダリは唐突感を拭えない。この青年のエピソードもえらく濃厚なのだが、そこまで濃厚にする必要はなかったような気がする。
[映画館(邦画)] 4点(2009-05-27 15:16:39)
556.  モンスター(2003)
彼女がなぜモンスターになったのか。その根源はあきらかに幼少期にあることを映画は説明する。たしかにモンスターになるざるを得ないような悲惨な過去が語られる。さらに他に道はなかったのだと言う様に彼女の心理を丁寧に映し出してゆく。しかし殺すことに慣れてしまった、つまりモンスターになってしまったこの女がしてきたことはけして許されないことなのだと、殺された男の善良性を物語る一枚の写真を映し出すことで告発する。わざとらしいくらいにバランスをとっている。バランスをとることで観る者に問題提示をしているようでもあるが、いきつく答えも限られるように誘導している。殺人鬼の狂気を描いたわけでなく、殺人鬼を生み出す世界の狂気を描いたわけでもなく、真面目に連続殺人を犯した女の心理を描いているだけの映画なので基本面白くない。しかもその「真面目」が真面目なフリをしているふうにしか伝わってこない。題材が題材なだけに期待が大きかったせいなのかもしれんが。その中で図らずもモンスター誕生の一因となる女を演じたクリスティーナ・リッチの母性をくすぐるルックスと同居するいかがわしさはこの映画の中でずば抜けて光っていた。
[DVD(字幕)] 4点(2009-04-23 14:28:35)
557.  ダ・ヴィンチ・コード
この類のお話って実はだ~い好きなんですよ。いろんな謎があっていろんな説があって、その説が単なる想像でもいいんだけど、尤もらしい根拠となる資料なんかあったりしたらもうワクワクしてしまう。で、原作『ダ・ヴィンチ・コード』のその謎と突飛な説とその根拠と楽しく創作された史実はすごく面白かった。でもその謎を追い、史実に迫る主人公たちの物語は至って陳腐。ジェットコースターばりに展開される出来事はたしかに読むことを中断させないが、出来事ばかりが羅列される、いわば長いあらすじみたいなもん。しかも主人公たちに降りかかる展開には「創作された史実」の欠片ほどの新しさも無い。これを映画化した本作が原作同様に面白くないのは当然。むしろよく150分にまとめたなと感心する(そのぶん駆け足感も高まるが)。もちろん原作物語を逸脱させたっていいのだが、映画会社が、そして製作者や原作者がそれを許すはずもない。でもこの史実を導く物語を大幅に、過激に、スキャンダラスに、ブラックに、ホラーに、そしてシンプルに変更できれば・・・・儲かる映画にわざわざそんな手間かけんわな。
[映画館(字幕)] 4点(2009-04-06 15:22:01)
558.  フライ,ダディ,フライ
今どき、傷害事件を起こした生徒の父親が著名な政治家でって展開には笑っちゃうのだが、そこから父ちゃんが『ロッキー』のような猛特訓シーンを経て決闘で決着するという実にバカバカしい単純ストーリーに大いに喜ぶ。こういうの好き。須藤元気のそんなヤツおらんでってな完全悪党もマンガチックでよろし。岡田准一のカリスマ性は抜群。サラリーマンを応援する高校生軍団のコメディ部隊もよろし。ただ、もうちょっとコメディの部分は頑張ってほしかったかも。コメディの中にシリアスなテーマを含んでいるというよりはコメディのふりしたシリアスドラマ寄り。そこが気に入らない。だから堤真一の中途半端なへなちょこぶりもイマイチ(もっと笑かせ!)。バスはいらん。とってつけた感動はいらん。でも大筋は面白い。
[DVD(邦画)] 4点(2009-03-02 17:57:49)
559.  涙そうそう
公開時の新聞に載った土井監督の言葉によると、テレビとは違って暗い館内でスクリーンに集中する映画の観客に説明しすぎないことに気をつけたとあって、それはおそらく前作『いま、会いにゆきます』があまりに説明しすぎたところの反省も含んでいるのだろうと思われるが、たしかにこの『涙そうそう』には説明をわざと抜いてるなと思わせる場所が多々見受けられる。とくに妹が登場するまでの兄の生活ぶりとか妹と兄のカノジョの初対面(観客にとっても初対面)で説明を排除したことはそれなりに映画を停滞させずに見せることに貢献しているとは思う。でも矛盾を起こしてはいけないとか意味を持たせなきゃいけないというところからは開放されていないので結局そこで説明じみたものが入っちゃう。例えば嵐の再会シーンに意味を持たせる為の子供時代の嵐のシーンは全編説明で成り立っている。例えば兄の過労を納得させるための詐欺事件はこの映画からえらく浮いている。見せたいものだけ自由に見せても観る者は勝手に想像力をもって理解してくれるものなのだ。そしてその想像をリードしてくれたら面白いものがきっと出来上がる。長澤まさみに、にーにーと呼ばれる。萌え萌えな想像を喚起するこの響きを利用しない手はないではないか。ああ、もったいない。
[DVD(字幕)] 4点(2009-02-16 18:46:46)
560.  ブーリン家の姉妹
ヨーロッパ近世の絶対王政の時代における宮廷内って性に対して奔放というか貞操観念が薄いというか、まあ、政略結婚が当たり前の時代だし、とにかく現代とは性に対する価値観が大きく異なっているのは明らかなのだが、この映画はたいそうに史実を史実として描きながらドラマをムリヤリに現代の価値観でとらえていることにしらけてしまう。とくにメアリーの生き方ってこの世界では極めて異質で純粋すぎで、おそらくはアンのこの世界では特別であっても異質でない生き方を現代の価値観における真っ当な世界に戻そうとする役目を担わされてると思うんだけど、それをいかにも史実ですって体裁でやっちゃうのってどうなのかなと思うし、もしするならいちいち均衡を考えないでドロドロな世界で突っ切ってくれたほうが良かったんじゃないかなと。そうでないと記憶に残らん。ま、儲かる作品にはならんだろうが・・。
[映画館(字幕)] 4点(2009-02-09 14:26:52)(良:1票)
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