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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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41.  ファンタスティック Mr.FOX 《ネタバレ》 
妻には足を洗うと約束するものの数年後に泥棒稼業に逆戻り。擬人化されているのでここはMr.FOXが悪いと思ってしまうのだが、野生動物の本能なのだと言われるとたしかに彼らはキツネ、泥棒という行為を責めるほうがおかしいのだと思い直す。そしてキツネであることを思い知らすかのように食事シーンでは誰もが凶暴な顔で貪り食う。と思ってたらここに出てくる人間たちはキツネを言語のわかる動物という設定で対決してゆく。もうその行動は相手を動物として見ていない。設定がむちゃくちゃというかテキトーというか。しかしそのテキトーさを許容するのがアニメーション。この作品はアニメーションであることの恩恵を最大限に活かして作られている。ストップモーションアニメなのだが動かないMr.FOXをそのまま回転させて背景を流してゆく逃亡シーンのまるで手を抜いたかのような部分もアニメーションならではで、このふざけた横移動シーンだけでも実に楽しい。父の尊厳と家族の再生の物語であり父を超える息子の成長物語でもあるといういかにもアメリカ映画的なテーマを直球で見せられてもアニメーションは許容する。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-30 15:30:00)
42.  堕天使のパスポート 《ネタバレ》 
終盤のミッションを避けて通れぬミッションとするために不法移民の人権無き生活が描かれているのかもしれないが、その一つ一つが重い。重すぎる。ここまで生々しいものを見せられたら、終盤のミッションが痛快ではあるけれどちょいとファンタジックに過ぎると感じてしまう。重いといってもただ重いだけで深さが無い。娯楽がメインだから深さはいらんというのなら重さもいらん。社会派とサスペンスとラブストーリーを巧みに絡めたお話はよく出来てはいるんだけどね。
[DVD(字幕)] 5点(2011-05-26 14:32:29)
43.  ゲド戦記
ボロクソですやん、皆さん。けっこう楽しめちゃったんですけど・・。監督、宮崎吾朗。世界の宮崎駿の息子である。デビュー作に父殺しから始まる物語にしたところがニクイ。これは吾朗監督の決意ってより、デビュー作を祝う儀式であり宣伝であり何よりも「お遊び」なんだと思う。長い原作から抜粋改変して父殺しから始まるなんてわかりやすすぎ。実際、父の影響下にあることを全く隠そうともしていない。むしろリスペクトしている。ラストのドラゴンとアレンの構図ははく竜と千尋の構図そのまんまではないか。そのうえで吾朗作のオリジナリティは水彩画のような草花の描写ぐらいかと。画よりも物語を重視しているようにも見えるがこれが吾朗の拘りなのか、力が及ばなかったゆえの結果なのかは今のところ判別不能。あえて父との違いを見せつけたのがクライマックス付近の城壁から城壁へのジャンプ。父の作品のキャラクターたちはなんの躊躇もなく跳ぶ。場合によっては空を泳いででも跳ぶ。しかしアレンは何度もためらいテルーは「跳べない」と言うのだ。ここが唯一の吾朗の反抗。この反抗にどういう意味があるのかわからないが今のところアニメーションだからこそ跳ぶ駿と「物語」のアニメ化に過ぎない吾朗との差と判断する。
[DVD(字幕)] 5点(2011-05-20 14:54:14)(良:1票)
44.  かいじゅうたちのいるところ 《ネタバレ》 
某レンタルショップの「こども向け」の札がかかった棚にあった。子供と見ようと思ったんだけどなかなか時間がとれず結局一人で見たんだけど、子供が見て楽しめるのかどうか怪しい。まあこればっかりは実際に子供に見てもらわないとなんとも言えないんだけど・・。絵本が元だからといって子供向けでないといけないってこともないわけで、それはそれでいいんだけど・・。うーん、よくわからんかった。かいじゅうたちは少年の創作物で、少年はかいじゅうたちを通して自分を見つめるわけで、というのはわかるんだけど(と思ってるんだけど)、まず、かいじゅうたちの関係が分かりづらいうえにその分かりづらい関係を軸にしたドラマを見せてくることに戸惑う。かいじゅうたちの造形が可愛くもなければ怖くもないのもどうなのかと。子供の創作物だからということであればドラマも子供の創作物なわけだからもっとわかりやすい展開じゃないと。と思うんだけど。テーマとか意味するものを無視して見たって、ドキドキとかヒヤヒヤとかするはずのシーンであんまりドキドキヒヤヒヤできなかった。前後の現実の世界のシーンはけっこう好きなんだけど。
[DVD(字幕)] 5点(2011-05-17 15:26:26)
45.  ベティの小さな秘密
原作がそうなのか脚色の自由を与えられた脚本がそうなのか、それとも監督がそのように撮ったのかどうか知らないが、どう見たって『ミツバチのささやき』のパクリではないか。否、リスペクトの表れだとして、『ミツバチのささやき』を想起させちゃうというのはこの作品にとってはマイナスでしかない。少女の孤独、絶望、そして成長があまりにわかりやすくそれぞれの事象でもって描かれてしまうその安易さがやたらと際立ってしょうがない。とは言うものの森の緑と少女の赤いコートのコントラストが印象的で、おとぎ話的な印象を持たせることにも成功しているその色使いは素晴らしかった。ベティ役の女の子もかわいい。
[映画館(字幕)] 6点(2011-05-16 17:18:15)
46.  ボルベール/帰郷 《ネタバレ》 
死んだはずの母親が帰ってくる。このあたり、従来のアルモドバル映画にはない軽やかなコメディ演出を堪能させてくれる。初期作品にはコメディも多くあるのだが、どれもこれも毒が盛られている。対して今回は直球のコメディ(序盤だけだけど)。その背景にレイプと殺人があるってところが考えてみれば凄いんだけど、そんな負の背景はどっかに置いといてって感じでずんずん進んでゆく。終わってみれば『ハイヒール』同様に母と娘の物語で、『オール・アバウト・マイ・マザー』同様にたくましく生きる母がいて、『バッド・エデュケーション』同様に過去が今を作るという構図があり、というあいかわらずのアルモドバル映画であった。過去が今を作るということは今をどう生きるかが未来を作ってゆくということでもある。難局を感じさせない肝っ玉母ちゃんのように生きるペネロペ・クルスを見れば、悲惨な背景とは裏腹に爽やかな感動を覚えるのも当たり前ということだ。それにしても、やっぱアルモドバル映画のペネロペ・クルスはいいねえ。
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-12 15:10:52)
47.  フリーズ・ミー 《ネタバレ》 
性的に虐げられ人生を狂わせてゆく石井作品お馴染みのヒロインではあるけれど、女は名美ではなく、そして名美を想う村木も不在。そこに男と女の哀しいドラマはない。これは名美的な悲惨な境遇の女を軸に繰り広げられるコメディと言ってもいいかもしれない。『ヌードの夜』ではサスペンスフルに機能した死体遺棄が、ここではひたすらブラックユーモアであり、このブラックユーモアとして存在する死体たちこそが映画の主役でもある。もちろんコメディといっても笑えるという意味ではない。レイプ描写は生々しいわ、暴力は凄まじいわで到底笑えない。しかしこの三人の男たちのどこかぶっとんだ怖さもやはりコメディなのだ。ナイスバディな井上晴美が薄倖には見えないというのもこの映画を名美の物語から遠ざけているところなんだけどもちろん確信犯のはず。そのかわり石井ワールドにある昭和的なるものが平成的になっちゃったって感じ(?)に若干の物足りなさを感じる。
[DVD(字幕)] 6点(2011-05-09 15:26:06)
48.  ラブリーボーン 《ネタバレ》 
「わたしはスージー・サーモン、お魚みたいな名前でしょ。」と可愛らしい自己紹介。そして14歳で殺されたことが告げられる。殺されることが分かってるから、もう最初っから彼女の笑顔が眩しすぎて・・。仲のいい家族の描写が見ていられなくって・・。死に向かってゆく様々な記号が辛くって・・。で、この映画はこの辛さをどう償ってくれるのか。ありがちではあるけれど「復讐」が最もスッキリとするのは確か。でもこの物語は辛さを「気持ちの持ちよう」で克服する。それって実に映画に不向き。何か行動を起こすから映画になるのであって「気持ち」という目に見えないものをどうやって伝えるのか。家族の崩壊と再生の物語それ自体から読み取ることもできるかもしれないが、スージーの語りというフォローなしでこの「気持ち」を読み取ることができたであろうか。そういう意味では元々映画に不向きな原作をよくここまでのものに仕上げたなとは思う。妹の活躍とかそれなりに面白いんだけど、物語から浮いてる。ビジュアル面が売りなのかもしれないけど、そこは特に惹き付けられなかった。殺害場面を映さなかったことは大いに評価する。
[DVD(字幕)] 5点(2011-04-27 15:53:21)
49.  アンチクライスト
最後に「タルコフスキーに捧ぐ」とあった。森が歪む映像なんかはソクーロフ(タルコフスキーが擁護した)を想起したんだけど、動物の使い方やオカルトチックな流れや何よりも森そのものから生まれるサスペンスなんていうのは確かにタルコフスキーの映画だ。しかし「神」が「悪魔」にとって変わっただけでタルコフスキー的なるものがトリアー的なるものへと変貌する。列車と催眠術は初期トリアーの定番アイテムだし、セラピーというアメリカ映画の定番を皮肉った展開にもトリアーの影を感じなくもない。ましてやアメリカ人俳優ウィレム・デフォーの災難ときたら・・。でもトリアーの映画の面白さは映画の可能性を提示しているところにあるのだと思っている私にとっては今回のはいまひとつな作品。今まで映画ではあまり見た記憶がない1シークェンス全てスーパースローモーションとか列車のシーンに見せたサブリミナルぎりぎりの映像とかも奇抜なれど新しくも面白くもない。それでも私にとっての十分な合格点に行き着いたのはラストシーンの壮大な画につきます。あれは凄い。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-18 15:55:26)(良:1票)
50.  ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン
ホウ・シャオシェンは『珈琲時光』のときに小津の真似をせずに自らの演出スタイルで東京を描いたように、今回もけしてラモリスの真似をせずに今のパリを描く。長回しで見せる現代の喧騒を静かに見守る赤い風船。いつもの彼の映画のように物語以上に物語の根底となる生活が描かれる。小さな苛立ちや不安が生々しく、それでいてそれらを支える優しさやその中を生きる力強さがしっかりと映し出されている。そしていつもの彼の映画のように電車はこの映画のために適格に動き、建物はこの映画のために完璧にそこに立ち、光はこの映画のために最適な量で差し込む。そうとしか思えないように作られている。風船もまたラモリスの風船がそうであったように抜群の表情を見せてくれる。 
[映画館(字幕)] 7点(2011-04-15 16:17:02)
51.  コッポラの胡蝶の夢
映像がとにかく美しい。夜道が青い画調の中で光り輝くシーンの美しいこと。時代を感じさせるくすんだ色も素晴らしい。暗闇とソフト帽がノワールの香りを、幻想的なストーリーと静かな語り口が文学の香りを発散する。セピア色に映える女優の顔は美しさと儚さを演出する。色調にはかなりの拘りを感じる。どこからも詮索されない環境で作るとこんなのが出来ちゃうのかという驚きと納得。かといって自己満足にかたよりすぎずにちゃんと「見せる」映画に仕上げているのは娯楽の王道のトップを走ってきたコッポラゆえか。素晴らしいです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-04-14 16:33:18)
52.  パトリス・ルコントのDOGORA
前知識なしで見始めた途端に失敗したと思ったのだが、見るのをやめようと思いながらもやめれずに結局最後まで見ちゃった映画。とくに新しいとも面白いとも思わないんだけど、惹きつけるものはある。音楽と映像のコラボレーションも面白いのだが、漲る生活力とでも言おうか、生命力という響きから伝わるものよりももっと生々しいものを映し出した映像そのものこそがこの映画の最大の魅力だと思う。ずいぶん前に見たものなんだけど、たくさんの家族を乗せて走るバイクとか水辺を歩くシーンとかけっこう鮮明に覚えている。視覚的にも魅力的な画がたくさんあって、なにげない日常が美しく映し出されると、世界には「美」がいくらでもあるんだなんて思ったりもした。「世界」とか「人間」とか「生きる」ってこととか全肯定したくなる映画。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-13 13:50:18)
53.  プルーフ・オブ・ライフ
その国の政治情勢やら誘拐された男の会社の内容とか夫婦の過去とかがいろいろと語られてゆく。そのあまりに多い情報をできるだけ停滞させずに語った手腕はなかなかのものだったのだが、このたっぷりの情報で満たされた前提がその後にいまひとつ活かされていない。夫婦の物語であるならばその前フリも必要かもしれないが、メインは交渉人であり、しかも交渉するに留まらず戦争映画さながらのアクションをクライマックスに持って来てるもんだから、一層前フリの無用感が増す。いくらロマンスコメディの女王がいるとはいえその無理矢理な三角関係もいらんだろ。この内容をちゃんと一本の映画にしてみせたというだけで拍手したいという気持ちもあるのだが、もういかにもいろんな人の意向を与したハリウッド作品という感じが痛々しい。
[DVD(字幕)] 5点(2011-04-06 14:36:15)
54.  アマルフィ 女神の報酬
なにやらワケありな緊迫感を持った男と女が突然映される。すでに物語は動いている。言葉を排しているがゆえに緊張は増してゆく。言葉を排しているがゆえに映される全てのものに目が行く。言葉を排しているがゆえに画面の外からの音が強調される。概要が掴めたところで唐突にタイトルロールと波の音。この映画、ただものではない。と思ったのだが、はたしてこれは私の感想なのか。通常、未見の映画について書かれているものは読まないようにしているのだが、この作品を見るよりもずっと前にこのサイトの卒業生でもある映画研究塾さんの絶賛評をすでに読んでしまっていたのだった。織田裕二をどんどん受け付けなくなってきていて、ゆえにこの作品は一生見ないであろうと思っていたからなのだが。よって私の好評は映画研究塾さんの影響下にある可能性を否定できないのだ。それほどにインパクトのある素晴らしい批評なのでぜひ皆様もご拝読くださいませ。はてさて織田裕二だが、いつもの過剰な表情と台詞まわしを排するだけで全然受け入れられた。単にそういうキャラクターである、ということ以上に演出の成果であることを確信した。サラ・ブライトマンを引っ張り出してきたりとずいぶんと無駄な部分もあるし、ユーモアの少なさも不満ではるけれど、目を見張るシーンも豊富にあるので概ねでは満足感が勝った。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-05 13:44:02)
55.  ゴーン・ベイビー・ゴーン 《ネタバレ》 
次の監督作『ザ・タウン』もそうなんだけど、とにかく脚本が素晴らしい。物語の何もかもが必然となっている。ボストンの小さな町を舞台に、小さな町であるがゆえの物語(ここんところも『ザ・タウン』と共通)なのだけど、主人公の探偵が地元のチンピラと一悶着起こすシーンや、探偵の公私のパートナーと誘拐された娘の母親(母親の薬中仲間のほうだったけか?)が顔見知りであることなんかも「小さな町」であることをさりげなく見せている。そしてある者たちの繋がりが露呈してゆき犯行が発覚するという衝撃的な結末もまた「小さな町」であることで成り立つ。「小さな町の物語」であることを丁寧に紡いでいるがゆえに衝撃的でありながら唐突ではない結末を見事に作り出しているのだ。ある者は死に、ある者は捕まり、ある者は去ってゆく。取り残されたようにこの小さな町にいる主人公。この愁傷感が「小さな町」の閉塞感を表現しているようでもあり、エンディングをやるせなくする。
[DVD(字幕)] 7点(2011-04-04 15:41:08)(良:2票)
56.  アイデン&ティティ
この時代を共有する者にとってはそれなりの郷愁もあるかもしれんが生憎この時代を知らん。いや、その時代に生きていたが「イカ天」ならびにそこから生まれたものを知らん。こちら関西ではやってなかったのだから。テレビに煽られてロックを消費する輩と時代から取り残されながらそれはロックじゃないなどと叫ぶ輩。どちらもいけすかない。居酒屋でロックとはかく在りなんといったえらそうな戯言を述べるシーンがあるが、このイタイイタイところをもっと見せてくれれば面白くなったかもしれない。最近だと『SR サイタマノラッパー』みたいなの。でもこれは「かっこわるい」けど真っ直ぐってことを描いてるわけだけども「かっこわるい」ぐらいでしかなく、「イタイ」ところまでいってない。原作者本人がイタイとは思ってなかったらこれは当然なわけだから、居酒屋のイタイ戯言はクドカンのオリジナルかなとも思うんだけど、イタイのはここだけ。妙にまじめぶった展開の中に挟まれるコミカルパートも台詞にしかその役割は無くつまらない。現実離れしたキャラクターだけが作品を支えている。
[DVD(字幕)] 3点(2011-04-01 14:26:43)
57.  ドロップ
ちょっとびっくり。意外にもなんていうと失礼かもしんないけど、ちゃんとした映画だった。何よりもカメラが全く揺れない。すごく落ち着いている。アクションシーンさえも。この手のものによくある「やられたらやりかえす」を見事に笑いへと転化した怒涛の「お返し」合戦がまた素晴らしい。笑いへと転化していること自体もいいし、テンポもいいし、それゆえの休戦に入るシーンのギャップもいい。それでいてこの時この一瞬における喧嘩というものが端的に表されている。憎いから喧嘩するんじゃなくて、ただ喧嘩をする。そこに意味はない。ああ懐かしや。これが青春よ。健全なる若者の健全なる行動なり。しかし本職・お笑い芸人としての真髄でもある劇中頻繁に出てくるボケとツッコミがいちいち段取りくさいってのはどういうことよ。ダメじゃん。
[DVD(邦画)] 6点(2011-03-30 14:04:38)
58.  ワンダーラスト
どこかアキ・カウリスマキの映画のような印象を持ったのはけして主演を務めたパンクミュージシャン、ユージン・ハッツの容貌のせいだけではあるまい。この作品にはある程度本数をこなしてきた監督による作品としか思えないある種の余裕を感じる。なぜそう感じてしまうのかいろいろ考えてみたのだけど、たぶん「やりすぎていない」ってことに尽きるんじゃないだろうか。「スタイリッシュ」とか「お洒落」とかいう言葉が当てはまりそうな映像なんだけど、そこばかりが目立っちゃうほど「そこ」に力を入れてない。というかその加減ができるところにマドンナの凄さがある。これをきっと「センス」というのだ。こういう所謂センスのいい人というのは何やらせてもそれなりのものを作っちゃう。反面あまりに完成されすぎて面白みに欠けるなんて言うのは酷か。
[DVD(字幕)] 6点(2011-03-29 13:42:43)
59.  ローラーガールズ・ダイアリー
物語に従属しないシーンがこんなにもさりげなく挿入された映画はそうざらにない。絵に描いたようなデートの場面で幸福感を二人の美しいハーモニーで表現する。まるでハワード・ホークス『リオ・ブラボー』のあの歌のシーンのように物語から解き放たれている。女の子の願望をそのまま映像にしたような水中ラブシーンの美しさはリアルとは程遠いにもかかわらず物語の持つテーマに即しているせいもあって違和感を乗り越えて印象だけをはっきりと残す。物語とは関係の無いシーンといえば映される被写体の奥のほうでなにやらやらかしてくれてるのも楽しい。女優・ドリューがその女優振りをなかなか見せないものだから奥にドリューが映るともうそれだけで前を無視して奥ばかり見てしまうのだがそれも計算ずくなのか。これら物語に従属しないシーンを入れてゆくこと自体は実はそれほど難しいことではないのだと思う。入れればいいだけなのだから。でもこの映画は物語が実にうまく語られているからこそ物語に従属しないシーンが活きているのだと思う。物語を楽しみながらシーンのひとつひとつを楽しむ。これがアメリカ映画。しかも完璧。しかもデビュー作らしい初々しさも合わせ持つ。満点しかないでしょ。
[映画館(字幕)] 10点(2011-03-28 14:18:29)(良:4票)
60.  デュエリスト
エンタメ志向の強い韓国映画はだいたいにおいて私の嗜好に合わない。その原因は大袈裟な芝居につきる。この作品はそれが最大限発揮されちゃってる。大袈裟すぎて笑ってしまったくらいだ。とくにヒロインの演技がひどい。わたし、女だてらに刑事なんですって歩き方。あれはひどい。わたし、女だてらに刑事なんですって顔。これもひどい。反転あの変な顔は可愛いと思ってやってるのだろうか。殺陣はけっこう面白かった。影に入って人物が消え、剣だけがチャンチャンやってるやつ。ヘンテコな構えはやっぱり笑っちゃったのだが、もうちょっとかっこいいポーズで、もうちょっと普通の表情をしてくれればけっこう好きかもしれない。まあとにかく女優が悪いのか演出が悪いのか芝居の伝統が悪いのか知らんが、演技のくささを消せればそこそこのものになってるんじゃないかと。
[DVD(字幕)] 2点(2011-03-10 15:02:23)
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