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41.  父の祈りを
観る前は重そうだし、地味だし最後まで観られるかどうか自信はなかった。が、なんとすばらしい作品。こういうカタチでいい映画に巡り会えた時の喜びは大きい。ダニエル・デイ・ルイスはもちろんいいけど、ピート・ポスルスウェイトに感激しました。オスカー主要部門全てにノミネートされていながら無冠だったのが本当に残念!あの年はユダヤ人問題にもっていかれたっけな”どうだ残酷だろう、さあ、感動しろ、泣け”といわんばかりのあざとさはなく、事実を淡々と描き、どう感じるかは受け取り手に委ねるというのが好きです。重いテーマの作品はなおさらね。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-12-10 21:49:11)
42.  アンタッチャブル
たしかパラマウントのなん周年かのアニバーサリー作品として制作されたと記憶してます。記念の作品にふさわしい華やかで、かっこよくて、悔しがってそしてあー楽しかったと言える娯楽作品だと思う。とにかく役者がいい!あの4人のキャラもしっかり描かれているし、デ・ニーロは余裕しゃくしゃくで楽しんで演じているように感じました。この作品でコスナーもガルシアも御大コネリーも一気に出世しました。何回観ても飽きないわ。 何回目になるのか、先日また観ました。あ~やっぱり面白い!乳母車を支えながら狙いを定めるガルシアのカッコよさはどうよ。ここも何回観てもホレボレする。思い返せば「エンゼル・ハート」を観に行った時にやっていた予告編を観ただけでワクワクしたっけ。ケヴィン・コスナーを認識したのがこの作品。「こりゃまた、い~い役者が出てきた」とうれしくなりましたねえ。あの音楽も爽快感があっていいわ。 どんなに時代は変わっても嘘と誤魔化しには限界があるのね、最後に勝つのは正義と誠実と信念、そして結局はその人の人格です、それ以外ないと思う。
[映画館(字幕)] 10点(2003-12-10 00:53:08)
43.  トゥルー・ロマンス 《ネタバレ》 
クラレンスとアラバマは個人的に今までのベスト・カップルの中に確実に入る。趣味の悪いハデなだけの服を着ていてもパトリシア・アークエット演じるアラバマはキュート、度胸はあるけどちょっとマヌケなとこもあるクリスチャン・スレーターのクラレンスにも愛嬌を感じる。免許証を落とすわ、間違ってとんでもないものを持ってきてしまったりと、LAの住所を書いたメモを始末しなかった父親ゆずりか。父を演じたデニス・ホッパーのぎこちない所作もいい。クリストファー・ウォーケンとのシーンはここだけゆっくりと時が流れている感じだった。あとはこの暴走カップルのペースで進んでゆく。ホテルの部屋であっちからこっちから追っ手が飛び込んできた時は大爆笑。こういう場合、何もせずに床に突っ伏している者が勝ちだとわかった。ここに出てくる人たちは皆、おかしなテンションなんだけど、生き延びたクラレンスとアラバマは純粋だし打算や損得でものを考えない。もうひとり生き延びたディックは迷わず自分のキャリアより友情を選んだのでした。    洋画専門チャンネルで最近放送してまして、ほんと何年かぶりで観ました。 やっぱりイイ、面白い、のめり込める映画。20年以上まえの映画だけどそういうのを感じないのがすごい。今思うことはクリスチャン・スレーターにとってもパトリシア・アークエットにとっても本作は最高傑作だったんじゃないかってこと。 ブラピは当時クラレンス役がすごくやりたかったけどスレーターにいってしまい、でもちょっとだけでも出たいってことでああなったらしい。 タランティーノによればクラレンスは死に、アラバマはその後プロの強盗になって、ミスター・ホワイトとチームを組む。 そして「レザボア・ドッグス」へ繋がっていくそうです ジェームズ・ガンドルフィーニはこれが出世作ですよね、あのバイオレスシーンは最高の見せ場です やっぱりタランティーノのバイオレンスは質が違う、それを壊すことなく見事に描いたトニー・スコット。 20年を感じるのはサミュエル・L・ジャクソンがほんの端役でトム・サイズモアが痩せてるの。 そして監督のトニー・スコット、デニス・ホッパー、クリス・ペン、ガンドルフィーニが故人てこと。 これサイコーの映画です
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-12-06 01:24:03)(良:1票)
44.  ディア・ハンター
数あるベトナムものの中でもこれは重い。田舎町に住む少数移民である彼らがなぜ志願兵としてベトナムに行ったのだろう。少数移民だからこそアメリカ国民としての存在価値を確認したかったのでしょうか。そして想像を絶するベトナムでの体験で深く傷つき大切な仲間を失う。前半で描かれたあの日々はもう戻ってこないのかしら。結婚式で始まりお葬式で終わるのが痛すぎる。どうしてもあのロシアンルーレットのシーンに話題が集中してしまいますが、私はそれよりもラスト近く、ひとり厨房で卵をかき混ぜながら、こらえきれずに泣きだすジョージ・ズンザのシーンがたまらなかった。私もそこで一気に噴き出るように涙がでてきました。マイケル・チミノ入魂の一作ですね。
[ビデオ(字幕)] 10点(2003-12-05 12:40:32)(良:1票)
45.  ダイ・ハード
アクション部門ではやはり最高傑作だと思うので満点です。高層ビルを縦横無尽に飛び回るブルース・ウィリス。決して若くてハンサムではないし、筋骨隆々でもないし、ハゲてるしそこらのオッサンみたいなブルースがランニングいっちょ、おまけにハダシで傷だらけになって頑張る姿は頼もしい。この作品からじゃないだろうか、どう見てもアクション・スターには見えないオッサン俳優がランニング着てアクションするのが目立ってきたのは。そしてそのアクションの数々はアイデアいっぱいで痛快、爽快でした。アラン・リックマンはこれが映画デビューになるんだそうですね。それまではイギリスの舞台に。なんでこんな魅力的な俳優が今まで映画に出てくれなかったんだろうと恨めしかったです。
[ビデオ(字幕)] 10点(2003-12-02 10:45:28)
46.  ライムライト
初見は小5か小6でした。キチンと劇場まで行って観ました。いつものメイクをせずセリフを話しているチャップリンに少し驚いたものです。11~12才の私にはあのシーン、カルベロが劇場の前で古い芸人仲間と偶然会い、喜びも束の間「出演の話があるんだ、ここの道化がまずいらしい」というその人。これには胸が痛くなりました。チャップリン自身、もう自分の時代は終わったと、感じていたのでしょうか。あの音楽と共にずーっと心に残る作品です。
[映画館(字幕)] 10点(2003-11-29 22:45:32)(良:1票)
47.  ゴッドファーザー PART Ⅱ
デ・ニーロが演じた若き日のビトーが秀逸でした。ビトーの時代とマイケルの時代を交互にみせてくれる。ビトーとクレメンザが銃の修理を頼むシーンで修理屋が息子に「カーマイン、この人たちにフルートを聞かせてあげろ」と言います。カーマインとはコッポラのお父さんの名前なんですね。街で拾った男にビトーがアメリカ式の名前をつけてあげる、その男が後にマイケルを消そうと画策するハイマン・ロスだったりとその繋がりもおもしろかったです。この作品ではマイケルの孤独がよく表れていました。家族のありかたが大きく変わった時代でもあるのですね。雪の降り積もるある日、帰宅した一家の長であるマイケルを家族が出迎えるどころか帰ってきたことにも気付かない。孤独を如実に物語っていました。ファミリーは守ったものの、マイケルは家族を失ってしまいます。一言だけ言わせてもらうならマイケルはなんであんなにトムをないがしろにしたんだろ?父に忠実ではあったけど自分に対しては不安だったのかしら?
[ビデオ(字幕)] 10点(2003-11-28 22:34:47)
48.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
確か私が小6のころに公開されたと記憶してます。あっちこっちで話題になってました。私が観たのは中学生のころ。以来何度観たかわかりません。30年たっても全く古さを感じない。キャストが素晴らしい。最初は毛嫌いしていた父の仕事だったけれどファミリーが窮地に追い込まれた時、マイケルの眠っていたマフィアの血が目覚める。「ソロツォを殺るんだ」というマイケルに一同苦笑いする。一番好きなシーンです。このあたりからマイケルの顔が徐々にマフィアの顔に変わっていくのね。 映画のポスターに描かれた操り人形が印象的です、人を影で操る人は常に敵を意識していなければいけない。気の緩みが命取りになり、マフィアの世界は文字通りそれは「死」なのね。 当然犠牲にするものが大きいわけです、表向きとは違って心の平穏などなく休まる時がない。このシリーズは内幕モノだけど、そんな世界へ必然的に身を置いたマイケルの悲劇を描いているのだと感じる。
[ビデオ(字幕)] 10点(2003-11-28 21:53:04)
49.  ブルーベルベット 《ネタバレ》 
リンチのそして変態映画の最高傑作だと思ってます。一見平穏な田舎町に潜む異常な世界、日常の中の非日常ですね。オープニングの青く澄み切った空に真っ赤な薔薇のショットから空き地にすてられた耳のアップ、ゾクゾクしちゃいます。暗くマットな色彩からラストではまた澄み切った雰囲気に戻る、平穏な日常が戻り小鳥を見つけてほほ笑むジェフリーとサンディ、でも鳥はかわいくさえずるわけではなく、何かの幼虫みたいなエサをくちばしにくわえたままキョロキョロしてる、どんな意味があるのか知らないけど、ここがリンチらしくていい。 カイル・マクラクランのまっとうで優等生ぽい二枚目というのがなぜか可笑しい。イザベラ・ロッセリーニの醜さスレスレのカラダとあの雰囲気がやけにエロチックでした。デニス・ホッパーの吸入器にも笑ったけど、なんといってもローラ・ダーンのシュールな泣き顔ですね、コレがこの映画の中で最もド肝を抜かれたシーンでした。 あれで彼女はリンチの秘蔵っ子になったような気がする。。。
[映画館(字幕)] 10点(2003-11-25 09:11:55)
50.  アメリカン・ビューティー
ここに出てくる対照的な二組の家族は極端に描かれてはいましたけど、もはやアメリカだけの問題ではないですね。人間にとって基本となる基盤となる最小組織である家族が機能していない、すでに崩壊してしまっているのですね。表向きは両親と子、住みごこ地のよさそうな小ぎれいなマイ・ホーム。しかしそこに住む人間たちは無気力な夫と見栄っ張りな妻。国粋かぶれの暴君の夫と自己主張できない妻。そしてその娘と息子はこの夫婦の子ならこうなるだろうなあと、妙に納得してしまいました。その現状に疑問を持っているのがレスターとクリス・クーパーの妻。知らず知らず「こうすることが普通、幸福」と信じきっているより、何か違うと疑問を持つことの方が正常のような気がする。登場人物の中でいちばん屈託無く、表と裏を感じることなく、自然体で幸福そうなのはゲイのカップルだった。このあたりがかなり皮肉ですね。何かに目覚めたようにレスターがトレーニングを開始するあたり、それまでとうって変わってギラギラしてくるのが可笑しくもあり、突き刺さってくるものがある。忘れていた情熱ですかね、ファンタジーといってもいい。けれど現実に気づき一気に我にかえる。もうね、リアル過ぎて辛くなってくるの。 クーパーの妻は息子を父親から離すことを選ぶ。けれどあの娘と息子はラスト、レスターのあの姿を見ても悲鳴ひとつあげず、淡々と珍しいものを見るような態度である。この子らもかなりの重症だ。この感覚が子孫へ受け継がれていくかもしれないと思うと恐ろしい。20世紀はひたすら物質欲を追求した時代だったように感じる。21世紀は精神性を追求する時代になることを望む。 タイトルの「アメリカン・ビューティー」これはアメリカ作出のバラの名前です。一般的にバラといって思い浮かぶものは改良に改良を重ねた品種でしょう、美しいけれど本来の姿ではないのです。見せかけの美しさ、美しさのために無理をしていると言ってもいいかもしれません、そんな意味がこのタイトルにはあると私は勝手に解釈しています、自分でも気づかない闇、病んでいる部分をリアルに描いたシニカルコメディ、人ごとじゃありませんね。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-24 00:03:25)(良:2票)
51.  トラフィック(2000)
あまり積極的に観始めたわけではありません。途中で寝ると予想してました。が、なんとまあ、面白い、面白い。どんどん惹き込まれてしまいました。「麻薬」を中心に三者三様の話が同時進行していくわけですが、ブツブツ途切れた感じなど全くない。三つの話がラストできれいに繋がるというわけでもない、逆にそうなってしまったら「ああーやっぱりねー」て感じで、フツーの娯楽作品になってしまっただろうなぁ。きっちり繋がってはいない、けれど当事者も知らない意識しないところで「麻薬」によって実は繋がっているだよと感じさせるのがいいです。キャストもよいわね、ベニシオ・デル・トロ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、特にキャサリンについては、それまで持っていたイメージは私の誤解だったとわかりました。いまに浮気相手が登場するんじゃないかとヘンな期待を持って観ていたマイケル・ダグラスなんですが、ここでは自分の社会的立場とクスリに溺れる娘を抱え、かなりの好演好印象でした。最初から最後まで緊張感漂う秀作だと思う。スティーヴン・ソダーバーグの底力を見たような気分でした。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-22 00:38:39)(良:1票)
52.  ユージュアル・サスペクツ 《ネタバレ》 
いや~参りました。全く予想がつきませんでした。どこからどかまでがホントかウソか、それを見つけたくて何度観たかわかりません。たとえ結末がわかっていても、何度観ても飽きない作品である、というのが素晴らしい。あの面通しのシーンは感動モノです。「おーっ!こ、これはナニヤツ!」と小躍りしたベニシオ・デル・トロ。いち早く姿を消してしまったのが、なんとも残念ではありました。 えっとつまりは仕返ししたわけなんですが、あの集められた常連容疑者たち、あそこまで手の込んだ仕返しされるほどのことしましたかね。最近思うようになったんですけど、カイザーソゼってみんなに恐れられてるわりには器の小っさいヤツだななんてね。まあ、物語がみんないなくなってからの事後報告なんで、好きなように言えるわけでやっぱりどこまで信じていいのかわからないんですけどねぇ。よくよく考えたらふざけた映画です(笑)究極のダマシ映画。あっちの人は「Kobayashi」が日本人の名前だと知ってる人が少ないみたいですね。だからこの事トリビアとしてあげられてますね。日本人ならピート・ポスルスウェイトが「Kobayashi」で出てきた時点で気がつかなきゃいけないわけですな。・・・ワタシ気がつきませんでした、スミマセン。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-22 00:21:52)
53.  インサイダー
たぶん若い時なら退屈してただろうし、観ようとも思わなかったかもしれない。 アル・パチーノにラッセル・クロウだしオスカーにもノミネートされていたし・・・ちょっと観てみますか、なんて感じでさほど期待してなかったのですが、とんでもないです、最初からグイグイ惹きこまれてしまいました。 パチーノはいつもとちょっと違ってクールだし「LAコンフィデンシャル」で物凄いキレ具合の熱血刑事役からは想像できないラッセルの演技。二人のやりとり、演技合戦は見応えありました。他の脇役俳優たちもそうそうたる顔ぶれですね、シブイです。 証言だったか、公聴会だったか、海を背景にワイガンドが決断しかねて苦悩している後姿が印象的でした。でも話す決心をして車で向かう車内からの風景がお墓なのよね。 なんていうのかなぁ、女は絶対に入り込めない、ただ見守ることしかできない男の世界というのかしら「美学、プロフェッショナル、信念」そういうものを見せていただきました。抑揚のあるドラマチックな展開ではないけれど、それがかえって重厚な雰囲気を出していたように思う。文句なしにかっこいいです、長さも感じず存分に堪能しました。 ところで「ししゃも」なんて誰が言わせたんだろ、ガイジンさんではなかなかでてこないと思うけど。 
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-17 11:07:26)
54.  スリーピー・ホロウ
何度観たかわかりません。ティム・バートン作品のジョニーはイキイキとしていて最高!特にこのイカボット・クレーン捜査官は暗くて陰気な中に可笑しさが漂って、大好きです。エリート意識がにおい、目で見たものと理論を重んじるイカボット。けれどかなり臆病で怖がり。首なし騎士もその目ではっきりと目撃したからこそあっさりと受け入れたわけね。ブルブル震え、気絶しちゃう頼りなげなジョニー、めちゃめちゃ上手いぞ!ジョニーには裏切られたことが一度もないのね。「これをジョニーがやるの?大丈夫かなあ」なんて思っても、いつも期待以上、予想以上のものを見せてくれます。中でもこれと「エド・ウッド」は群を抜いている。脇役陣も芸達者が揃ってますね。初めてマイケル・ガンボンが可愛らしく見えた。かなりの豪華キャストです。ティム・バートン独特の映像とユーモアが好き。「こうだからこう」と考える前にオッモシローイ!と感じるのだから仕方ない。映画というのは感性に訴えてくるものなのよね。あの大木のカタチに、そこから飛び出してくる首なし騎士も恐いというより楽しい。コメディホラーですね。DVDを買おうかな。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-09 01:45:55)
55.  L.A.コンフィデンシャル 《ネタバレ》 
主要人物のキャラクターがそれぞれしっかり描かれているのね。これがまず、特筆すべき点であり、おもしろいのよ。出てくる人間がどれもこれも清廉潔白な人がひとりもいないのがこの作品のよいところ。事件の真相解明は二の次。殺人事件を発端に、怪しい人間模様が次第に明らかとなることに尽きると思う。 何人かの方がおっしゃっているように、一回見ただけではわかりにくいわよね、なにしろエドにバドにバズだもの。でもラッセルとスペイシーの見分けがつかなかったというご意見が多いのには正直驚きました。だって前頭部の生え際を見れば歴然とその違いがわかるはずだもの。 警察、ショービジネス界、実業家・・・ここでは天使の街の裏の世界が舞台だ。クラシックなムードが漂う50年代のL.A.が魅力的です。短く刈りあがった男たちのうなじも清潔で魅力的だ。 いつも怒ってるラッセル・クロウのキレ具合がすごい。でも「ヴェロニカに似てると言わないのはあなただけよ」というリンに「君のほうがきれいだ」なんて溶けそうなことを言う憎いやつだ。そしてケヴィン・スペイシー。上手いっ!感動ものの上手さです。その表情の素晴らしさ、巧みさ。顔のいろんな筋肉の使い具合というのかしら、ちょっとした目、口の動きで全てを表現してしまう。あの死に際の演技は芸術です。 どことなく俳優たちのまわり、背景に倦怠、退廃的な雰囲気を漂わせた、サスペンスというよりもハードボイルドな群像劇のような印象をうけました。 何回観たかわかんない映画、とにかくこの作品のラッセルは最高です。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-08 13:17:59)(笑:2票) (良:3票)
56.  レザボア・ドッグス
こんな映画があるんだ!と心躍り、衝撃を受けた。冒頭のシーンを観ただけで、この映画を観る事ができてよかった!とわくわくした。このレストランのシーンからタイトルロールのところだけ何度も巻き戻して観ました。「友は風の彼方に」のパクリだとは知っていたけど、こっちの方がスタイリッシュでセンスもいいし、とやかく言う必要は全く無いと感じた。話の筋とは関係ない会話の面白さ、音楽、キャストどれも絶妙!どの俳優もハマりまくっている。元々俳優志望のタランティーノがちゃっかり出ているのはご愛嬌。この映画の見せ場はやはりマイケル・マドセン演じるMr,ブロンドの拷問シーンだと思う。そこはかとなくユーモアを漂わせたバイオレンス。ただ残酷なだけのものと比べるとはるかに上質だと思う。低予算の中でタランティーノはこれだけは絶対に外せないというものだけを選りすぐったのだと思う。だからこの作品からは「これがやりたいんだ!」というものがビンビン伝わってくる。これはタランティーノ長編デビュー作にしてこれまでで最高の作品。これを超えたと思える作品がまだないのが残念です。「キル・ビル」はまだ観てないけど期待できるかな?
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-07 23:38:38)(良:1票)
57.  二十日鼠と人間(1992) 《ネタバレ》 
本当にすばらしい作品でした。シェリリン・フェンが役名もないこの役を選んだ理由がわかります。自分の土地を持たない季節労働者にとってはレニーはたしかに重荷ですね。皆、自分が生きるのに精一杯だ。うん、私もジョージにとってレニーは自分の存在価値を確認できる唯一の人間だったように思います。しかしちょっと目を離すとやっかいなことをしでかし追われる身となる、ここが難しいのね。ジョージは常に葛藤していたと感じる。あの老犬とレニーが重なってしまった。老犬はレニーの運命を予知するものだったと見終わって気づく。ジョージにしてみれば、ほかの人間がやるくらいなら自分が、という想いが強かったのでしょうね。この作品が初見だったゲーリー・シニーズはメジャーな娯楽大作に出る前の、いちばんオイシイ時だったと今にして思う。そしてマルコヴィッチの化け振りにはいつも驚かされます。知的障害者を演じた場合、辛口な批評をされがちだけれど、余裕さえ感じられるマルコヴィッチの演技はパーフェクトでした。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-06 01:24:22)
58.  ブラッド・シンプル 《ネタバレ》 
30年近く前に1回観ただけで、つい最近再見する機会がありました。フランシス・マクドーマンドが若くてなんか可愛らしいの。 再見することでデビュー作である本作がその後のコーエン兄弟の作品のベースにもなっていることに気付く、ここがうれしかったですね。 赤い大きな看板が出てきた時は感動してしまいました。 それぞれのシーン、ショットがいちいち印象的、アパートの大きな窓のデザインがいい。 いつまで机の上に魚を放置してるのかとか、ワンちゃんはこの後誰が世話をするのかとか、ヘンなとこも気になる。 ストーリーは極めてシンプルなんですが、なぜかストレートにそのまんま言わないし少々イラつくんです。 「何があったの?」「何をしたの?」「殺したの?」と聞かれているのになんではっきり言わないんだろ?? みんな真実を知らないまま思い込みだけでとんだ結末で、コーエン兄弟らしいブラックなユーモア。 期待外れって時もたま~にあるけどコーエン兄弟はやっぱりいいですね、大好きです。未見の作品もまだまだあるので鑑賞していきたいです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2022-03-02 15:00:43)
59.  わたしは、ダニエル・ブレイク 《ネタバレ》 
ひどい話です、40年間真面目に働き、税金も納めてきた。しかし権利としての保証を受けようとしたらこれです。 支援金のための審査の質問をする医療なんちゃら、電話ですませるとかふざけるにもほどがあるんじゃないの?その電話の声もやけにイライラする声質で、私だったらブチ切れて電話を投げつけるかもしれない、でもダニエルは理不尽さを訴えながらも最後まで冷静に答えるのよ、なんて忍耐強く善良な人なのか。彼は通りすがりの困っている人のために大声で抗議をすることもできる人なのですよ。こんな人は滅多やたらいません。 手紙が先か電話が先か・・・なんなのよ、ネットで申請するのも係の人が代理でやれよ。 シングルマザーはロンドンに住んでたのにニューカッスルへ行けと言われたらしい、飛行機でも1時間かかる遠方へ行けとかなんなの? とにかく前半は静かに着実に怒りがこみ上げてきます。 鉄の女・サッチャーの政策は今も継続しているということでしょうか?富裕層は得するということらしい。 中にはとんでもないヤツがいるのも事実で、役所の職員も大変なんだろうけど規則一辺倒でお役所仕事とはよく言ったもんです。 これは遠い外国の話ってだけじゃないですよね、この映画を観ながら自分の10年後20年後のことが非常に不安になったのでした。 壁にスプレーで書いた、エンピツで書いたダニエルの主張が、監督からの強いメッセージであり、どのシーンにも問題提起されているものがあり、まさに渾身の一作だと感銘を受けました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-11-11 14:19:33)(良:1票)
60.  女神の見えざる手 《ネタバレ》 
面白かったー、ジェシカ・チャステインがかっこよかった。 かなり前ですが、デヴィッド・スーシェのドラマ版「オリエント急行殺人事件」が初見だと思う、だからてっきりイギリス人女優だとずっと思ってたんですが、アメリカ人なんですね。  リズの頭の中ってどうなってるの?まさに神業。ロビイストとはナニ?最初からロビー、ロビーと出て来るんですが、よくわからなくて一時停止して検索した私でした。 腹心の部下っていう感じのジェーンがついていかないことが意外だったけど、まさかそうくるとはね。どのようなラストが用意されてるのか見当もつかなくて最後の最後まで満足できました。 リズの内面や背景がかなり排除されてましたけど、エスコート君のまえでは急に泣いちゃったりして繊細さがチラリと見えるものの、なぜ彼女はこうなのかというものがほとんどなくて、もう少しその部分があったらよかったな。彼女は自分のキャリアではなく腐った政治家相手に戦っているんだなというのはわかりました。 ガラス張り、ガラスで仕切られた部屋っていうのがよく出てきて、それが効果的にも感じます。  そして忘れちゃいけないエスコート君。彼もプロなんですねぇ、あそこでそのまま言ったら全ての顧客を無くす結果になったと思うのよね、それだけが理由とは思いたくないですけど。 ラストの出所したところで彼が待ってるというのをちょこっと期待したんですけどやっぱりそれは無理でした、そんな甘ったるいラストにするわけないか。でも偶然鉢合わせてリズが慌ててる様子、ずっとこわばった顔してるリズですがエスコート君の証言にふっと安らいだ表情を見せるとこも良かったな。弁護士のダニエルもリズの真意がわかった時、彼女への考えが変わるのね。 出所のシーンの見せ方は上手いですね、すごい荷物で彼女はまだ終わってないと感じるのよ。 そしてリズの視線の先には何があるのか誰がいるのか気になってしょうがないの、候補は5人いるんですけどね。後を引くラストでこの続きが観たいという衝動にかられます。  久しぶりにグイグイ引き込まれ、のめり込める映画でした。秀作、傑作だと思います。132分だったの?全く気にならなかったです
[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-09-25 20:34:13)
0120.94%
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2362.81%
3453.51%
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515712.26%
623718.50%
731624.67%
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91058.20%
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