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41.  ミスティック・リバー
俳優の演技はパーフェクトだと思いますが、後味は最悪に近いですし、評価しにくい作品ですね。ボストンの決して裕福ではない労働者の小さなコミュニティの閉塞感と、そのなかで生きる家族の信頼と不信を描いた映画として見れば、完成度の高い作品。好みの問題なのかもしれませんが、僕はけっこう好きでした。
8点(2004-03-04 11:27:21)
42.  ミュンヘン 《ネタバレ》 
スピルバーグらしいヒューマニズムに満ちた暗殺スリラー映画。たぶん、このテーマだったら今ならもっと冷酷に徹したアクション・スリラーに仕上げることもできただろう。しかしスピルバーグは、登場人物たちの人間味を優先させ、それゆえに壊れていく主人公にフォーカスした悲劇に仕立て上げた。白眉だといえるのは、主人公たちが宿屋で敵と一夜を共にするシーン。ラジオの音楽で一触即発と思われた状況を救ったのは、なんとアメリカの黒人歌手アル・グリーンの「Let's Stay Together」! 1970年代という時代状況も考慮しながら、敵同士が意見を交わす本作でももっとも重要なシーンでの思わぬユーモアに少し心があたたかくなる。もちろん、だからこそその後に訪れる悲劇に打ちのめされるわけですが、このあたりのヒューマンな「甘さ」はスピルバーグならではです。その後の展開は復讐劇よりも、イスラエルという国家への疑念から、それまでかろうじて主人公を支えてきたものがガラガラと崩れ去る様のほうに力点が置かれるのですが、結局は「ユダヤ人」でも「パレスチナ人」でもなく「人間」としての描き方にこだわったスピルバーグらしい結末であったと思います。『シンドラーのリスト』や『プライベート・ライアン』と比べれば、物語的なバランスの悪さ、ヒューマニズムと復讐劇の噛み合わせの悪さは気になりますが、ある意味、21世紀になっても臆面なくこんな映画を撮れるスピルバーグの唯一無二さはむしろ貴重です。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-25 23:12:25)
43.  俺たちニュースキャスター 《ネタバレ》 
コメディにしては、1970年代のサンディエゴというマニアックな舞台設定だけど、男性中心の職場にやってきたキャリア志向美女をめぐるあれこれという展開はこの設定だからこそ笑えた(現代でやったら寒すぎる)。ラストのクレジット後のシーンが象徴するように「こんな時代があったんだよね」というちょっとほろ苦い絶妙の雰囲気で包まれた、でも徹底的にバカな映画。出色は、各放送局のアンカーたちのバトルロイヤル!これぞカメオ出演の手本というべき、思わずニヤリとしてしまう大物俳優の使い方が素敵! ルーク・ウィルソンも、ベン・スティラーも、ティム・ロビンスも楽しそう。燃える男、駆ける馬、ふっとぶ腕など演出もぶっ飛んでます。そして動物園のシーン、政治的に「リベラル派」として知られるティム・ロビンス演じる、これまたリベラルな志向の公共放送局PBSのアンカーにあんなことを言わせる&やらせるなんて! 風刺とおバカが絶妙にミックスしたSNL出身のアダム・マッケイ監督とウィル・フェレルのコンビだからこその楽しい90分でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2017-01-28 21:09:45)
44.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
「アフタースクール」がよかったので、いつか見たいと思っていていたのだけれど、やっと見られた。予備知識ゼロ。冒頭の失恋した者どうしのちょっとダルい出会いエピソードから、探偵視点の第2幕に入って途端に転がり始める展開は本当にお見事。まさか、あのオープニングで最後に現代ヤクザの悲哀の物語になるとは思ってもみなかった。この方の映画の凄いなあと思うのは、これみよがしではない絶妙な伏線の張りめぐらせ方。たとえば、宮田くんのガッツポーズ脇を通り過ぎるクラウン。意識するほど見たわけじゃないけど、どこか意識下に残ってて、それで後半のヤグザ視点になった瞬間に急に意識上に現れて、あーっそうだったってなる。別に前半を1シーンも見逃さないぞという意気込みで見る必要は全くない。フツーに物語を楽しんでいても、意識しないうちにどこかで引っかかってる程度の絶妙さ。そんなシーンが2幕から3幕にかけて続けて登場するのが気持ちいい。登場人物に感情移入したり、エモーショナルに盛り上がるタイプの映画ではなく、キャストが弱い分脚本の技巧的な部分ばかりが目立ってしまうのが少し気になるけど(その点では「アフタースクール」のほうが好きかな)、限られた予算とキャストでこれだけやれたら十分。楽しませていただきました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-12-26 10:44:06)(良:1票)
45.  回路
ダイヤルアップ時代を知る世代としては、あの「ピー・ギゴー・シュゴゴゴー」みたいな接続音はホラーだ。あの音が響くだけで、どこかに吸い込まれるようで十分怖いわけだけど、その恐怖を、「心霊」「幽霊」という日本の怖いお話に結びつけ、それを見事に映像化してると思う。へんな効果音をBGMに無駄に露出高めの(当時)若手女優さんたちが恐怖に顔をゆがめるという、アイドル・ホラー映画的な趣向も、世界滅亡という必要以上に壮大な物語も、なんだかほほえましく楽しめる。主演のはずの加藤晴彦が倒れた小雪を重そうに持ち上げる場面とかの妙な感じも、「生きる」ことに執着する彼のキャラクターを表すと思えば、どこか受け入れられてしまう。全体として、ジャパニーズ・ホラー特有の怖さと緩さが、行間を読め!系の黒沢清監督作品とうまく融合してる。「インターネット」の怖さとか、加藤晴彦の演技とか、今の時代に見ればちょっと残念な要素もあるけれど、それなりに楽しめると思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-07-01 14:11:05)
46.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 
ポール・トーマス・アンダーソン監督の怪作。やっぱりこの監督は凄い。全体的には『マグノリア』などのやや過剰気味の演出から一転して静かで淡々としているけれど、そこはダニエル・デイ・ルイスの強烈すぎる存在感で十分におなかいっぱい(+ポール・ダノの「怪演」も満腹感を増幅させる)。このあたりは好みは分かれるところで、個人的には「やりすぎ」感のほうが先に来たかな。ただ、映画としての「力」は十分伝わる。これって「アメリカとは何か」を語る壮大な叙事詩だと思います。アメリカン・ドリームと資本の象徴としてのプレインビュー、土俗的で原理主義的な教会の象徴としてのイーライ。そして「血」では繋がらない息子との関係は、「血」ではなく「理念」で無理矢理「国」を作ろうとしてきたアメリカの理念そのもののよう。この3者の関係は、複雑に入り組みながら、結局は資本主義の強烈な欲望の前にどんどん破滅へと向かっていく。最後の「終わった」は、何の終わりを意味しているのだろうか。いろんな解釈ができるけれど、あれこれ考えるだけでも結構楽しい。
[DVD(字幕)] 7点(2016-03-19 11:23:09)(良:1票)
47.  マイレージ、マイライフ 《ネタバレ》 
主人公のマイルを貯めるのが楽しみな気持ち、なんとなくわかる。いつも混雑して長蛇の列ができるカウンターやセキュリティ・チェックを、さっとスマートにカードをかざすだけでスムーズに通り過ぎる。スタッフが自分の名前を呼んでくれる。いや、冷静に考えれば「何でこんな事に」と思うようなことだが、自分の仕事や生活の「スタイル」の結果として積み上がるマイルという数字を眺めるのは、きっと快感なんだろうなと思う。そういう彼を揺さぶる2人の女性がいい。正論をぶつける部下と、同じ価値観を共有する(と思ってた)大人の女性。そこから浮き彫りになっていく、主人公の生活の「空虚」。そういう主人公の仕事がリストラ通告というのもいい。実際には、仕事で直面する人間や社会のもっともドロドロした部分と、空の上の世界とそこから眺める各都市の風景の対比。「空の上(Up in the Air)」の「空虚」に気づいてしまった主人公の今後は明確には示されないが、たぶん同じような生活を送りながら、彼のなかでは何かが決定的に変わっている、そんな生き方を彼は模索していくんだろうと思わせる。大きな展開や感動的なエピソードがなくても十分に楽しめる佳作。この映画の監督が映画公開時はまだ32歳で、しかもあのアイヴァン・ライトマンの息子だったというのに驚き・・・。さらに、この映画の「大人の女性」ヴェラ・ファーミガが、自分と同い年だったというのに、さらに驚愕・・。若い(と言っておきたい)スタッフが作り上げた大人の映画。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2013-09-16 22:59:38)(良:1票)
48.  ディア・ドクター 《ネタバレ》 
主人公の伊野は、技術の面でも知識の面でも名医でもなんでもなく、おそらく単に「なりゆき」でやってるうちに僻地の診療所から抜け出せなくなってしまった中年男。この映画では、彼がそうせざるを得なくなってしままった状況が、若い研修医の目を通して描かれる。しかしその研修医すら彼を追い詰め、集合的な嘘を作り上げる側にまわってしまう。その共犯意識ゆえに、みな失踪後は彼を突き放す。西川監督は、前作『ゆれる』同様、個々人の思い込みとフィクションが作り上げる「共同体」を描くのが、本当にうまい。そして、賛否あるラストは、最後の最後に主人公が獲得した「自由」を描いたという点では、それなりに意味がある(そのために、彼自身、自分の「親」の呪縛からも解き放たれなくてはならなかった)。ただ、やはり説明過多な印象。刑事さん、それは言わなくても、ちゃんと映像が語ってるよ、っていうシーンがちらほらありました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-11 16:32:58)(良:1票)
49.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 
受験を控えて「文系」か「理系」かという選択肢しか「あり得ない」という進学校っぽい高校の設定だからこそ、その流れにどこか乗りきれないという主人公3人組のキャラやグラウンドで野球という設定も生きる。そのへんのノスタルジーのくすぐり方はうまい。たとえば、功介は、親の後を継ぐ道を選びながらも(たぶん)それでいいのかという思いを抱えているからこそ、2人とつるむのだろう。そして、未来の自分が想像できず、安易に「選択」できない真琴は、青春時代にあれこれ悩んだ経験を持つ観衆の分身である。その点で何を考えているかわかりにくい千昭が、あーいう設定になるのは必然だったのだろう。そして、この3人の関係が、真琴のタイムリープをきっかけに揺れ動く過程をうまく描いていたと思う。そして、真琴が見つけたひたすら「まっすぐ」な結論にも、まあ納得はできる。ただ、そのあたりのノスタルジーのあおり方にはちょっとあざとさを感じるのも確か。「ほれ、こうすればお前たち甘酸っぱい気持ちになるだろう」なんて言われてるみたいな感じ・・・。細田監督、この作品以後では、その「あざとい」部分のほうが前面に出てくるようになって、ちょっと好きになれないのだが、この作品では、まあギリギリのバランスで成立してる、と言っていいかも。
[DVD(邦画)] 7点(2012-09-12 15:40:40)(良:1票)
50.  ゴールデンスランバー(2009) 《ネタバレ》 
原作既読。「首相暗殺の犯人に仕立て上げられた男」という古今東西の巻き込まれ型エンターテインメントの典型のような設定なのに、その「真相究明」やら「主人公の逆襲」みたいなところを完全に無視して、ひたすら「逃げる」原作を、きわめて忠実に映像化してます。個人的には、この原作も映画も、サスペンス・アクションというよりも、ロードムービーなんだと思う。そこが原作の味なので、下手なCGで娯楽アクションに改悪されなくてよかった。というか、爆破シーンやラストの花火のお粗末な映像技術を見る限り、そうしてたら悲惨な映画になってただろう。とはいえ、あの宣伝の仕方じゃ壮快なエンタメを期待するなというのも無理な話だし、人間ドラマとして見れば細かい描写よりも「いい話」的な伏線回収のほうに熱心な感じなのもマイナス(これも原作者の悪い癖だと思いますが)。要するに、原作のよいところもイマイチなところも、きちんと映像化した作品ということでしょうか。原作ファンには安心の出来だと思います。
[地上波(邦画)] 7点(2011-10-03 06:36:14)
51.  第9地区 《ネタバレ》 
期待値が高すぎたか・・・というのが正直な印象です。エイリアンを「難民」として描くアイデアはすばらしい。ただ、そのアイデアがうまく生かしきれていない。この設定で、しかも「南アフリカ」が舞台とあれば、もうちょっと「共生」への方向性が描かれてもよかったように思いました。実は、エイリアンの故郷の星は、戦争か環境破壊か何らかの事情で帰れないという設定なんだと思い込んでいました(親子の「帰れない」という会話もそんな風に解釈してた)。そんな設定のほうが、彼らがなぜあれだけの兵器と技術を持ちながら、地球での「隔離」や「差別」を受け入れてしまっていたのかが説得力あった気がするのですが・・。そう思ってたので、ラストにさっそうと帰って行く親子に拍子抜けしてしまいました(実はまだ帰ったと決まったわけではないのですが・・・)。また、ナイジェリア人たちの位置づけも、もう少し複雑な立ち位置になるのかなと思ったが、単なる悪役に終わってしまった。そんなわけで、設定やら予告編やらを見て、私自身が勝手に期待して、勝手にずっこけたわけで、この映画が悪いのではないと思います。要するに、新しい視点でよくできたB級SFでした。
[DVD(字幕)] 7点(2011-01-17 00:52:16)
52.  ボーン・アルティメイタム
3部作も通して描かれる「謎」の真相は、実際にはたいしたことはない。まあ、少なくとも「非アメリカ人」の観客からすれば、「へー、それで?」っていうような内容。でも、この映画の真髄も、やっぱりそんなところではなくて、「プロフェッショナリズム」に徹して描かれるアクション・シーン。今回の見せ場も、CIAのハイテク追跡網を、あくまでローテクを駆使して見事にかわしつづけるボーンの姿にあるのでしょう。その集大成がラストシーン! 思わず拍手喝采したくなる、見事なエンディングでした。グリーングラス監督に変更してからの手ぶれ映像の多用には賛否両論あると思いますが、大作化していく続編にありがちな妙な色気を出さずに、3部作を通して地味ながらも見事なクオリティを保ちつづけたことは、賞賛に値すると思います。
[DVD(字幕)] 7点(2010-09-04 18:00:10)(良:1票)
53.  ミルク(アメリカ映画) 《ネタバレ》 
ハーヴェイ・ミルクの物語というのは、実際には、彼を殺してしまうダン・ホワイトの物語でもあるわけで、個人的にはこの2人の関係をどう描くかがポイントかなと思っていました。この映画のなかでは、友人でもあり敵でもあるという2人の関係を丁寧に描いており、ジョシュ・ブローリン(何と『グーニーズ』のお兄ちゃん!)も、生真面目で偏執的なダンというキャラクターを静かに、見事に演じていたと思います。どこか時代に乗り切れないダンの姿は、急速に変化していく社会のなかで「大切なもの」が失われるという保守派の人々の危機感を見事に表していましたし、その「大切なもの」が実際には少数派の人々の苦難や苦しみのもとに築かれていたのだということを、ミルクやその仲間の生き方が示してくれています。ガス・ヴァン・サント監督は、この2人の人物が体現する2つの時代を、あえて対照的に表現するのを控えながらも、見事に物語の底流に位置づけたと思います。ただ、ミルクが市の執行委員になるまでの前半が、エピソードの切り貼り的になってしまって、やや退屈だったのが残念です。前半の伏線が、終盤になって生きてくるわけですが、その伏線張りだけのために前半があったような印象を受けてしまいました。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-17 08:01:18)
54.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
ラストにインド映画的なダンスシーンを持ってきたのは、個人的にはマイナスでした。なんというか、インド映画におけるダンスは、劇中の『ミリオネア』がそうであったように、インドの人々が現実を忘れ、束の間の夢を見る時間なのです。でも、この映画は、冒頭から最後までインドの現実の重さを重要なスパイスとすることで、主人公の人生ドラマを描いています。正直そのスパイスがなければ、クイズの答えが人生経験にあったという設定だけのベタなラブストーリーです。その現実の重さ(実はそこでの現実だって欧米やら日本からみた「インドの現実」というイメージに過ぎないのだけれど)に、ここまで頼っておきながら、ラストで突然「なんちゃって」というこの監督の演出に、なんだかがっくりしてしまったわけです。とはいえ、ダニー・ボイル監督は、これでもかというほどベタでセンチメンタルな設定を、色彩豊かな映像と音楽を交えて、見事な現代映画として仕上げています。そうであるだけに、ラストのオリエンタリズム過剰な脱線が残念なのです。
[DVD(字幕)] 7点(2010-05-19 15:32:06)
55.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
前作の大味ぶりにがっかりし、ダニエル・クレイグの起用で失望に追い打ちをかけられた気分でしたが、なかなかどうして、007はしぶとい。看板はそのままでもすっかり別の映画になって見事に生まれ変わりました。クレイグのボンドは、とにかくひたすら一生懸命なんだけど、毒薬で死にそうになったり、男性なら誰もが恐れる拷問受けたりしてるシーンには、シリアスなのになぜか劇画調でコミカルな新しい味がありました。ただ、全体的にテンポが悪かったのが残念。とくに、拷問後のシーンの変調ぶりはいただけません。ポーカー→拷問で盛り上がったあとは、一気にアクションをたたみかけてほしかった。とはいえ、007が、また次回作が楽しみなシリーズとして復活したのはうれしいです。
[DVD(字幕)] 7点(2009-09-11 00:19:16)
56.  バベル 《ネタバレ》 
アメリカ、モロッコ、メキシコ、日本の4つの世界が「つながり」を持っているということよりも、そこに存在する「断絶」のほうが印象的でした。アメリカ人夫婦のためには政府が動き、メディアが動き、(多少遅れてブラピが焦ったとしても)ヘリが飛ぶ。日本の女子高生がいくら暴走しても「君は悪くない」と言ってくれる人がいる。でもアメリカの子どもの親代わりを真面目に勤めてきたメキシコ人のメイドは、自分の息子の結婚式に出たかったばっかりに仕事と住む場所を失い、モロッコの子どものちょっとしたいたずら心が、家族の破滅を招く。因果応報とはいいますが、小さな過ちから立ち直るチャンスを与えてもらえるのかどうか、それが私たちが生きる世界の「不平等」なのだと痛感しました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-08-30 15:21:27)(良:2票)
57.  レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
ディカプリオ演じるフランクは、妻にいつもちょっとだけ譲歩するけれど、でも最終的には自分の思う方向に夫婦関係を導いてきた。自分では「妻にこれだけしてやっている」と「いい夫」を演じつつ、そういう自分の「心遣い」をちゃんと受け止めない妻にいらだっている。ウィンスレット演じる妻のエイプリルは、そんな夫が見せかけの善意でつくりだす「檻」のなかで狂気を少しずつため込んでいる。そういう夫婦の関係性を的確に伝える冒頭の市民劇団のエピソードが秀逸。その後は、夫婦喧嘩→修復への努力→問題をさらにややこしく、という恐るべきパターンがこれでもかと描かれます。どんな夫婦も自分たちは「特別だ」と思う時があるもの。どんな夫婦にも「自分がこれだけやってるのに相手はなぜそれを理解できないのか」と思う時があるもの。しかし、そういう日常の歯車がも狂ったときに訪れる闇は果てしなく深く、そして恐ろしいのです。そして、最後のキャシー・ベイツの一言に思わず苦笑。このあたりは、まさに『アメリカン・ビューティ』を撮ったサム・メンデスの本領発揮です。
[DVD(字幕)] 7点(2009-07-12 21:40:36)
58.  キサラギ 《ネタバレ》 
テンポよく会話が進んでいき、家元くんのファンレターのくだりまではとてもよかったと思う。けれど、その後のプラネタリウムとラスト後の宍戸錠は完全に蛇足(顔出しとダンスはよかったけど・・・)。舞台劇っぽさから脱する演出だったのかもしれないけど、そのせいで映画自体のテンポが最後の最後で失速してしまったのが残念でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-06-26 16:14:23)
59.  ボーン・アイデンティティー
ド派手な演出や大げさな音楽を廃したおかげで、主人公のプロフェッショナリズムを感じさせる無駄のない動きを堪能できます。久々に「丁寧で良質のアクション映画」を見たという感じです。ストーリーは、主人公ボーンの自分探しが主軸なんですが、冒頭からCIA側の動きも見せてしまったおかげで、こちらのサスペンス色が薄かったのがちょっと残念。それから、ヒロインのマリーも、お約束とはいえ中途半端な印象。途中の2人の押し問答がストーリー的にあまり必要なかったように思えました。それでも、CG全盛のこのご時世に、こういうプロ魂を感じるアクション映画がちゃんとシリーズ化されて高く評価されているのは、なかなかうれしいものです。未見の続編も楽しみ!
[地上波(吹替)] 7点(2009-06-23 14:27:24)
60.  ラストキング・オブ・スコットランド 《ネタバレ》 
フォレスト・ウィテカーはオスカー受賞も納得の怪演でしたが、軽薄なスコットランド青年医師を演じたジェームズ・マカヴォイも見事でした。軽率で自業自得だけど、どこか憎みきれない(だからアミンも彼を気に入ったのでしょう)ニコラス役にはぴったりでした。そうだからこそ、アミンが最後にニコラスに対して投げかけた一言は、単なる独裁者の勝手な言い分としてだけでなく、ヨーロッパに食い物にされてきたアフリカの人々の叫びのように響いてきたのだと思います。途中まで、意図的といえるほど(この手の映画にしては)残虐描写が少なかったので「ああ、そういう描写は避けているのかな」と気を許していたぶん、終盤のたたみかけるような惨殺・拷問シーンはトラウマになりそうです。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-10 12:04:46)
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