41. 水の中のナイフ
静かに進むヨット、時には無風でまったく進まなかったり、また突然激しい勢いで進んだりもする。それがヨット上の三人の行動と心理状態と絡み合うかのようなおもしろさもある。だがその三人は個性的ではあるがどうも私には馴染めなかった。 [DVD(字幕)] 6点(2013-12-20 05:59:23) |
42. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 米ソ宇宙開発競争、アポロ計画の最中に作られた映画で大いに興味を持った映画である。しかし映画が始まって大変驚いた。音は鳴れど映像は出ず、ツァラトゥストラが演奏されたかと思うと猿の映画(猿の惑星ではない)、そして美しき青きドナウ、本当に映画はいつ始まるのだといらいらしてしまったのを覚えている。 映像は大変美しく目を見張るものがあったが、ストーリーはほとんど覚えていない。後半に大型コンピューターが出てきて、人間とコンピューターの闘いになってようやくおもしろくなった。 そのときは映画は半分の長さに縮められると思ったし、どうして高評価なのかもわからなかった。 [映画館(字幕)] 6点(2013-12-15 11:07:24) |
43. 狂ったバカンス
カトリーヌ・スパークの魅力たっぷりの映画、中年技師のアントニオが少女フランチェスカにぞっこん参ってしまい、若者たちに翻弄される。前半はコメディっぽく結構おもしろかったけど、髭を剃ってからの後半はちょっとばかりかわいそう。 [映画館(字幕)] 5点(2013-12-13 11:24:39) |
44. 風の視線
好きな松本清張作品だが、複雑な人間関係を描くという謳い文句よりもネチっとした展開が気になるし私向きではない。新珠三千代、岩下志麻というキャストも好きなんだけど・・・。この映画で特筆すべきは清張自身も出演していること、それもヒッチコックみたいにちらっとではなく、きちんと台詞のある役として。 [DVD(邦画)] 5点(2013-12-12 20:45:06) |
45. 輪舞(1964)
オープンはパリのお洒落な感覚、さぞロマンティックかと思いきや、内容は至って平板。ジェーン・フォンダを始めとする華麗な女優陣を起用しても、これでは1950年の作品に明らかに劣る。それに「巡りめぐる愛」という主題も希薄。 [DVD(字幕)] 5点(2013-12-01 06:11:46) |
46. 恋のマノン
アベ・プレヴォーの小説で舞台を現代に置き換えたものの、原作の面影は乏しいし、オペラや舞台、ミュージカルなどの数々の作品に較べ見劣りが否めない。映画だってクルーゾー監督の「情婦マノン」というのもあったし、そもそもドヌーブが男をたぶらかす情婦とは少しばかり無理があるのかも・・・。 [映画館(字幕)] 4点(2013-11-26 14:43:26) |
47. 暗くなるまで待って
入れ替わり立ち替わり登場する三人組とスージーの知恵比べも良いし、後半から終盤にかけてはハラハラドキドキ、もう何度も心臓が止まりかけた。おもしろさ抜群だし、オードリーの熱演は見事。 [映画館(字幕)] 8点(2013-11-22 12:13:45) |
48. 残雪(1968)
《ネタバレ》 「愛する二人が実は○○だった」はよくあるドラマのストーリーで、青春ラブロマンスが一転して悲恋映画となる。この映画の中で一番感動したのは、主演の舟木一夫でもなく大好きな松原智恵子でもなく、彼女の母を演じた千石規子だった。本当に心がこもっていると思う。余談だが、この映画にはザ・モップスというロックバンドがちょっとだけ登場する。そのボーカルを担当していたのは後に有名になる鈴木ヒロミツだ。 [映画館(邦画)] 5点(2013-11-11 22:38:37) |
49. まぼろしの市街戦
何とも言えない不思議なファンタジー、戦争の愚かさを皮肉った反戦映画なのだろうが、どう評価して良いのか迷ってしまう。おもしろいといえばおもしろいのだが・・・。ところで昔は何とも思わなかったが、DVDで見直すと、放送禁止用語なのかずいぶん吹き替え音声がカットされている。 [地上波(吹替)] 7点(2013-10-05 11:46:43) |
50. 女系家族
遺産相続をめぐる三姉妹の欲深い争いと思っていたら、大番頭や踊りの師匠、叔母らも加わった駆け引きと画策のすさまじさがおもしろい。さらに愛人若尾文子を登場しさらにヒートアップ、けなげに見える彼女が一番したたかとは予想通りだったが、最後に笑ったのが当の死んだ本人だったとは良くできた物語だ。遺産相続に関する法律等、よく調べあげられたところが実に山崎豊子の小説らしい。死を惜しみ鑑賞。 [DVD(邦画)] 8点(2013-09-30 22:46:56) |
51. 飢餓海峡
ずいぶん昔に見た感動の映画。主役は三國連太郎だが、弓坂刑事の伴淳三郎、杉戸八重の左幸子の印象が強い。伴淳三郎はコメディアンとしか見ていなかったし、左幸子がこれほど情の深い役をするとは思っても見なかった。爪を大事にとって哀願するさまは目に焼きついて離れない。 [映画館(邦画)] 8点(2013-09-30 07:13:12)(良:1票) |
52. パリジェンヌ
4話からなるオムニバス形式のラブストーリー。「シャレード」を思わせるコメディっぽい第1話から、若きカトリーヌ・ドヌーヴ(シェルブールの雨傘よりも前)のみずみずしさまで、フランスのお洒落な感覚満載、まさにパリジェンヌ、どの話も良いが最初と最後が特に好き。 [DVD(字幕)] 7点(2013-09-22 09:55:46) |
53. 許されざる者(1960)
《ネタバレ》 オードリー・ヘプバーンの西部劇は注目に値するが、実はインディアンの娘となると違和感バリバリ。映画としてはレイチェルの出生の秘密が明かされるあたりからおもしろくはなるが・・・。また白人とインディアンの間で起こった血なまぐさい争いは事実だから仕方がないが、描写としては論議を呼び起こしそうな気もする。 ベンと共にやってきた古いピアノが引っ張り出されしばし休戦となるのは、戦場のアリアやビルマの竪琴を思い出す。 [DVD(字幕)] 4点(2013-09-21 14:17:42) |
54. 地下鉄のザジ
快活で茶目っ気たっぷりの少女ザジ、そのびっくりするような行動と映画の作りは実におもしろい。だがそう思ったのは前半だけで、後半はだんだんおふざけが目立つようになり、ドタバタ劇にうんざりしてきた。そもそも「地下鉄の~」とする意味合いはあるのだろうかという疑問さえ起こった。 [映画館(字幕)] 5点(2013-09-10 14:03:13) |
55. 悪い奴ほどよく眠る
企業の汚職を扱った映画だからもっと社会派映画かと思ったら、ただの拭く襲撃だったとは内容が浅い。もっと心理面の葛藤がほしい。 [DVD(邦画)] 4点(2013-08-20 22:31:03) |
56. テキサスの五人の仲間
《ネタバレ》 ポーカーのゲームが終わっても結婚式の続きがあった。それが終わってもなお・・・。ポール・ニューマンのスティングを思い出させる鮮やかさだった。(こちらの映画が古いのだが) さすがポーカー、だますゲームには違いないのだが、天井知らずの掛け金無制限ルールでは、一番金を持っている者が勝つ決まっているのだが、銀行家が一枚加わったことにより一変してしまう。脚本がすばらしく、おもしろさ抜群。 [DVD(字幕)] 9点(2013-07-23 05:55:45) |
57. にっぽんぱらだいす
たくさんの引っ越し車の行列の中に一台の霊柩車、実に印象的だ。赤線を描いた映画は数多くあれど、おもしろく、おかしく、そしてもの悲しく、表裏をさらりと表現した映画はめずらしい。若く美しい香山美子はもちろん好きだが、喜劇役者としてしか知らなかった益田喜頓の味のある演技も良い。 [DVD(邦画)] 8点(2013-07-09 07:04:26) |
58. 若い東京の屋根の下
いかにも源氏鶏太原作らしいユーモラスな雰囲気が好きだし、おもしろい。ただ気になるのはキャストの年齢差、長男と末っ子で親子くらいの違いがあってもおかしくはないのだが、親と長男がほぼ同年代(伊藤雄之助より下元勉が年上)というのは不自然きわまる。それに下元勉と山岡久乃がパパママと呼ばれるのにも違和感を感じるし・・・。 [DVD(邦画)] 6点(2013-06-25 21:25:45) |
59. 天使の詩
兄弟でも4つも歳は違うし、父は留守がち、最愛の母は死んでしまった。本当はもっともっと甘えたい年齢なのに、幼い弟の面倒を見なければならない。アンドレアの気持ちは痛いほど伝わってくるし、いじらしい。なのに父親は長男にかまってやれない、いやかまうのだが、それは少し違う。外交官の秘書とは行き過ぎだが、実年齢より上に見ていたようだ。母の声のテープや肖像画など、涙を誘う。 [映画館(字幕)] 7点(2013-05-29 22:56:58) |
60. 月曜日のユカ
《ネタバレ》 私が少年の頃見た映画の中で、強烈な印象が残っているものの一つ。日活100周年と共にHDリマスターとして蘇ってきた。映画の最大の魅力は加賀まりこ、他のレビュアーの皆さんが言われる通りである。日曜日は家族サービスデー、したがって月曜日のユカとなるわけだが、月曜は男にとって仕事の日、このすれ違いが最後になって悲劇を呼ぶ。身体は許してもなぜキッスはダメだったのか、改めて思い知り感慨にふける。だけど50年近く経った今、冷静に点数を付ければやはりこの点数か。(50年前だったら満点だったかも) [映画館(邦画)] 8点(2013-05-25 06:51:38) |