41. ブレス
《ネタバレ》 積み上げる愛も描くのか。ギドク。 絶対の愛や本作では性描写も抑えられ、上品なムードさえ漂う。そんな本作では丁寧に積み上げる愛が描かれる。死刑囚と女。女と旦那。死刑囚と同房の男。 今までのギドク作品があまりにも積み下げる愛ばかりを描いていたので本作やうつせみは異質に感じる。本作もまたハッピーじゃないハッピーエンドだが。 歌う女。なぜか園子温監督作品、「恋の罪」の神楽坂恵の鏡のシーンを思い出した。 [DVD(字幕)] 6点(2015-08-07 08:33:40) |
42. 絶対の愛
《ネタバレ》 整形社会を題材に愛を描く。かたや女。自分を愛してくれる男の愛を疑う。自分のへの愛の揺らぎを自分の容姿に対する飽きだと考える。かたや男。付き合って2年の女を愛してはいるものの、女の自分に対する愛への心配に多少の嫌気を感じる。 女は自分自身を作り変え、男の愛を確認しようとする…。 こんな映画が撮れるなんて…。脱帽。間違いなくかなりの低予算。しかし力のある監督がいればここまで持ってくることができるんだなと。一歩間違えればかなりのキワモノホラー&サスペンス映画だが、狂おしいまでのラブストーリーに仕上がっている。キムギドクに本当の意味での愛がわかっているのかどうかは定かではなかったのだが、主演2人の愛の心模様がとてもよく伝わってきた。ギドクの愛、あなどれじ。主演、イカれた2人に違いないが互いに本当に必要としているというこんな形の描写はもう他の監督には撮れない。 ただ絶対の愛という邦題には残念。原題の通り「TIME」でいいのでは。主題は男女の愛だととらえたのだろうが、本作では、「時間の経過における愛」というのが正しい主題だと考えると…。あと絶対的な愛は、悪い男やうつせみで十分に味わった。原題に込めたギドク監督の思いは悪い男やうつせみに託した愛ではないだろうに、その心意気を無にする邦題にしてはと…。 [DVD(字幕)] 6点(2015-08-07 00:48:39) |
43. コースト・ガード
《ネタバレ》 夜7時を越え、その金網の奥の海辺に行くと撃たれても仕方がない場所が韓国に。北からのスパイの上陸に備えて日々訓練する沿岸警備隊。2枚目大スターチャン・ドンゴン演じるカン上等兵は他の隊員が遊んでいる中でも訓練する熱血漢。1人、闇にまぎれるため顔も塗る。そんなある夜、警戒態勢の中に忍び込んだカップル。カン上等兵は男を撃ち手榴弾をも使いころす。軍では表彰され、男の仲間や家族からは石を投げつけられる。 ここから気がふれる2人。1人はころしたカン上等兵。1人は目の前で恋人をころされた女。 この映画のすごいところはここから。本当にふれているのはこの2人だけなのか?本当は違うんじゃないか描写の連続。 兵役とは? 戦う相手はだれなのか? 国家の分断。 深夜に沿岸警備隊が襲われる場面の緊張感は凄まじい。 ギドク監督の海軍従軍経験もおおいに盛り込まれているのだろう。狂気を演出という点ではフルメタルジャケットに軍配があがるような気がするが、ギドク監督作品の中でも最も救いがないんじゃないかという展開と、帯びた強烈な社会性が作品を一つ上のランクに押し上げていると感じた。 グッジョブギドク。 [DVD(字幕)] 6点(2015-08-03 23:30:45) |
44. 映画は映画だ
《ネタバレ》 キムギドク監督の弟子、チャン・フン監督デビュー作。キムギドク監督が原案&製作。師弟関係が作った名作。しかしこの後、2人は劇的なお別れをするのだが(>_<) とにかくガンペを演じるソ・ジソブの死んだ目が最高にいい。この目に尽きる。 ストーリーは、素直に間延びを感じた。ガチ殴り合いのはずが、あまりにも顔に当たってなくて醒めた。でもこれをキムギドク監督が撮ってたらまたまたとんでもなくマニアックな世界に飛び込んでしまっただろうと考えると、チャン・フン監督がエンターテインメント性を吹き込んだと観るのが正しいのかも。途中だれたが、そこそこ男同士の熱い話に仕上がっている。 ただ…、男2人が互いに高め合う要素がもう少しあればと無い物ねだりしてしまう。 ラストは…、これこそ韓国映画の魅力。 [DVD(字幕)] 6点(2015-08-02 17:39:09) |
45. 弓
キムギドク監督の映画の中でも寓話性の溢れるもの。性と倫理が戦う。老人も凄まじいまでの生き様を見せる。少女もその聖女性を実に繊細に失う。そして2人は弓を操る。大学生は狂言回し。老人と少女はセリフもなく全てを語る。 老人と少女の生き様から人生を俯瞰できるように感じる。放たれた矢のように。 [DVD(字幕)] 6点(2015-07-28 23:50:06) |
46. 春夏秋冬そして春
《ネタバレ》 美しい。湖に浮かぶ寺。そこに住む和尚と少年。少年は魚やカエルやヘビに石をくくりつけて遊ぶ。朝起きると少年の体には和尚によって石がくくりつけられていた。和尚に言われる。明日、魚やカエルやヘビにくくりつけた石を外せと。もし一匹でも死んでいたならお前の心には一生石が残るであろうと…。 季節が過ぎるごとに年数が経過する。そして湖上の寺の風景とともに人間模様が繰り広げられる。 性と煩悩と死と生と。そしてまるで輪廻のような世界観。 何本か、キムギドク監督作品を観て、石井聰互・石井隆・北野武あたりに似てるものを感じるが、似て非なり。キムギドク監督の貫きすぎる他を寄せ付けない世界観はこの映画でも十二分に感じられる。 本作では音楽の美しさも十分に味わった。少しは作品作りにお金をかけることができるようになってきたのか、と感じた。そして韓国民謡アリラン。この曲か。これが後の超問題作「アリラン」につながるのか。 拳法の型を見せる監督は何を感じ何を演じたのか。わからない部分も多いが、覆面の女を推測し、残された子どもからやっと本映画の主題にせまることができたように感じた。 [DVD(字幕)] 6点(2015-07-27 23:37:53) |
47. サマリア
お父さん。やっていることの順序が違いますよ。 [DVD(吹替)] 6点(2015-07-27 23:36:22) |
48. トライアングル(2009)
離婚して障がいのあるお子様を育てる若い母親。いらだつ毎日。気晴らしのヨット。転覆。大きな船に避難して…。 こんなにネタバレしたくない映画もないですが、多少かいつまんでご紹介。 まず非常によくできた脚本の映画であること。時間軸をずらさずに違う時間をみせることができていること。さまざまな伏線がとても小気味よく回収されること。象徴的な場面の入れ方(たとえば繰り返すレコード、ラストの場面の大量のカモメ?の死骸など)がうまい。そしてなんといっても秀逸なサスペンスであると同時に、恐怖の質がとても異質であることを挙げたいです。 もちろん人が死ぬ描写の恐怖もあるんですが、製作者はそこのところの恐怖はたいして重きをおいていないのでは。それよりも無限の…、おおっと危ないネタバレしそう(笑) 絶対に面白い映画に違いない、なんて肩に力をいれて観るんじゃなくて、パッとレンタル屋さんで手に取っちゃったとか、テレビでやってたからたまたま観たなんて人は「お、けっこう良作」と思っていただけるんじゃないでしょうか(笑)。 テーマは罪と罰とみました。どうかな? [ビデオ(吹替)] 6点(2015-07-21 00:07:46)(良:1票) |
49. JUNO/ジュノ
《ネタバレ》 妊娠してしまった少女が自分の生まれてくる子どもを里親に受け入れてもらう話。 自立できていない16歳の少女の生きる強さがとてもよかった。エレン・ペイジの存在と演技だけでリアルな感じがした(吹き替えもとってもよかった)。 フレッチャー教授(セッション…笑、今回はお父さん役)とか母親とか、あんな家族ならジュノも胸を張って強く生きるよなって。フレッチャー教授が彼の肩をつかむシーンよかったなあ。 とんでもなく素晴らしい映画でもないし、ここは、というような場面が続くわけではないけど。この映画、観てよかった感はとてもあるなあ(笑)。 [DVD(吹替)] 6点(2015-07-02 18:51:09) |
50. 親切なクムジャさん
《ネタバレ》 純粋復讐劇。 復讐をテーマとしている映画の中で、ここまで題名と内容にギャップがある映画もないなあと。この世に題名だけみて何の気なしにこの映画を観てしまった人、いるだろうなあ。映画館の中で困ったろうなあ(笑)。ガッチガチの復讐もの。私は三回目くらいの鑑賞。何度観てもインパクトある。 絶対にテーマは贖罪ではなく「復讐」だと思う。復讐だけを胸に抱え13年間も服役。他の人と一緒に復讐しようとしたのは贖罪ではく、復讐を分かち合っただけのように感じました。自分の「復讐の仕方の正しさ」を修正したと。自分だけで復讐するより、復讐すべき他の人にも復讐する権利がある、そこは分かち合おうというような。より先生に与えるダメージを増幅させる、とまでは感じませんでしたが…。指を切っても詫びにはならない。そこはクムジャさんが先生に正しく念入りに復讐するためにどうしても必要な自分のためのプロセスだったように感じました。クムジャさんからは他の人を巻き込んだ責任をとるような姿勢は感じられないので。 [DVD(字幕)] 6点(2015-06-25 16:14:28) |
51. あぁ、結婚生活
《ネタバレ》 無印良品。大人の大人の身近なサスペンス。 愛する妻と別れ、若い後家さんと人生を歩もうとするクリスクーパーの紳士な趣きが良い。その親友で遊び人のピアースブロスナンもまた紳士。大人の大人による大人の「身近な」サスペンス^ ^私も年を取ってしまってすっかり「身近な」ありえるなーという感じにやられました。ストーリーは決して新しくもなんともないですが、悪くない映画だなーって^_^ おしゃれな雰囲気から始まるこの映画は、とにかく焦らない。一つ一つを丁寧に描きます。時間軸のズレとかそういう技もなし。潔いくらいです。 どこか一つでも要素が解決すれば丸く収まるのに、じりじりと作品は私たち観客を焦らします。あー、もう、の連続。スケールが小さくてもかっちりサスペンス。騙しも少ない分、一所懸命オチを想像すること間違いなしです。 テーマは結婚生活ということで間違いないと思いますが、そのエピソードがことごとく20代の頃の私では理解できないかもしれないモノ。40代も過ぎ、一度はパートナーとの愛を疑ったことのある方であれば共感できるのでは^ ^ そして描かれる友情もよし。 [DVD(吹替)] 6点(2015-06-17 15:58:40) |
52. リンダ リンダ リンダ
《ネタバレ》 私の涙腺崩壊が、まさかのラモーンズさんとピエールさんのシーン(笑)。予想をはるかに上回るラモーンズさんと予想のはるか斜め上のピエールさん本人。 そうなんだよな。私もバンド活動に青春を燃やした一人。本当に演りたいバンドは演奏が難しすぎて、それでブルーハーツを選んだりする気持ちがよくわかる。ゴメン、ブルーハーツディスってないです。彼女たちはブルーハーツのメンバーの顔も(先生が甲本ヒロトの実の兄弟であることも)知らずに演奏していたのでは。そこがまたいい。 私もそうだった。知らないバンドを演奏することになって…、そして急にそのバンドを聞きあさったり知ったかぶりして。 ギター担当の恵が観た夢に出てきたラモーンズさん。恵の元彼が演奏していたといわれていたラモーンズさん。もう絶対に集まることのできないラモーンズさん(メンバーの中心人物の方、お亡くなりになってて…泣)。私も個人的に何度もカバーしたラモーンズさん。あそこで登場とは。ティーンの憧れ、演奏しやすいスクールロックバンドナンバー1! ソンのかわいさや前向きさの描写だけでなく、ほかのメンバーにもしっかりエピソードを組みつつ、過剰な演出は避けた結果、日本全国どこの高校でもあり得る素敵な青春ムービーに。ほのかなキュートなシーンの連続に気持ち良くなりました! [DVD(邦画)] 6点(2015-06-09 15:13:59) |
53. アバター(2009)
《ネタバレ》 何度か観た。で最初の印象がぬぐえない。手立てと目標のうち、手立てが優先されたんだなと。もちろん映像の素晴らしさはあるのかもしれないが、3Dで鑑賞しなかった私にも低得点の原因はあるかもしれない。だがしかし、映画を撮ることの「目標」とそういう風にとるための「手立て」があるのだとすると、「手立て」にこそすべてがあるように感じる。この場合の手立てとはCG・3Dだ。 だからCG・3Dに5点。それ以外はとくになし。 おーっと忘れてた。ミシェル・ロドリゲスに+1点! [ビデオ(吹替)] 6点(2014-10-12 12:38:38) |
54. バニラ・スカイ
《ネタバレ》 アクション映画だと思って視聴。まいったな、トランスムービーかい!でも登場人物にみんな力があって、サスペンス要素にいったときにはなんでもありだなと全く予測できず。そこそこ楽しんだ。 しかーし、この多岐に広がってしまった作品を収束させるのはお前かーい。それが一番予想外だったぞよ。あー。エレベーター登りすぎるのも怖くてよかったぞよ。 [DVD(吹替)] 6点(2014-10-04 18:45:40) |
55. ドリームキャッチャー
《ネタバレ》 面白い。映画館出ようかと思ったくらい初見では良さがわからなかった。思いがけず衛星放送で観、DVDでさらに観、友情と超能力の映画だと気づいてじわじわと面白さがわいてきた。そういえばキャリーやシャイニングに通じるものがある。クリーンマイルにだっていえるかも。ただただ自分の中の何かわからない思い込みがあって、それが初見では裏切られたように感じた。モンスターの出てくるスタンドバイミーだ。 [DVD(吹替)] 6点(2014-07-11 13:33:26) |
56. ウルヴァリン:X-MEN ZERO
《ネタバレ》 おもしろいけど、新しい驚きのようなものがない。残念。 [DVD(吹替)] 5点(2015-12-15 13:41:22) |
57. 渇き(2009)
《ネタバレ》 ヴァンパイアと悲しい恋愛はよく似合う。韓国映画のとっても良い音楽もよく似合う。ゴシックな感じはしない。極めて韓国的な美があふれる。 ソンガンホが美しくみえる。物悲しくみえる。ソンガンホの大ファンなので、これだけでも観た甲斐があった。 キムオクビンの狂気の演技が素晴らしい。映画のクライマックスは彼女のクライマックスでもあるように感じた。最初に出てきたときと比べると、殻をうち破った感がハンパない。昔であれば、クリスティーンのアーニー、この頃であればクロニクルのアンドリュー(デインデハーン)を思い出した。彼女が次々に人を襲うシーンはホラーだ。 分相応以上の力を持つと破滅する。 とりたてて好きな映画ではないが。作りはとてもしっかりとした良い映画だと感じた。 [DVD(字幕)] 5点(2015-07-17 12:54:22) |
58. とかげの可愛い嘘
《ネタバレ》 靴の紐で彼女を椅子にくくりつけるシーン。あそこが最高だ(笑) [DVD(字幕)] 5点(2015-07-17 12:14:10) |
59. 南極料理人
《ネタバレ》 南極までいってるのに。なにがつらいって、ラーメンが底をつくのがつらいんだもんなー(笑)。最高! [DVD(邦画)] 5点(2015-06-22 14:43:55) |
60. パッセンジャーズ
《ネタバレ》 死んでも恋ができるなんて、最高にすばらしいことではないか! [DVD(吹替)] 5点(2015-06-01 09:09:13) |