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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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621.  鬼滅の刃 那田蜘蛛山編<TVM> 《ネタバレ》 
こちらは劇場版公開直前の「煽り・宣伝」目的に地上波TV放送された作品で、TVアニメの中から特別人気の高い「下弦の陸・那田蜘蛛山での戦い」を中心に編集された内容となっています(いわゆるしょう中ボス戦)。こちらも『兄妹の絆』同様の性格を有しますが、ビギナーをより深く『鬼滅沼』へ引き込む使命を帯びています。この戦略はTVアニメ放送時点から明白で、最終回でもないのに最終回さながらの外連味溢れる演出を施し、完全にTVファーストシーズンのクライマックスとなっています。主人公が初披露する『ヒノカミ神楽』に、同じく初お披露目の『禰津子の血鬼術』のコンボ。そこに情感たっぷりの『竈門炭次郎のうた』が色を添え、誇張なく『神回』と言える内容でした。 『兄妹の絆』の感想で原作よりアニメが優れている点として『アクションの秀逸さ』を挙げましたが、基本的にアニメに期待するのは原作漫画の『補完』です。アクション然り、状況説明然り。本作で言えば『ヒノカミ神楽』とは何ぞやという部分が、漫画以上に丁寧に説明されていました。大変素晴らしい。良く言えばテンポがよい、ともすれば大味な原作のストーリーラインがアニメで補完される仕組みです。理想的な漫画のアニメ化と考えます。
[地上波(邦画)] 7点(2021-06-19 23:56:07)
622.  鬼滅の刃 兄妹の絆 《ネタバレ》 
タイムシフト(全番組録画)でたまたま見つけた刺激強めなタイトルに惹かれ、地上波深夜放送を観たのが、私と『鬼滅の刃』との出会いでした。TVアニメを観る習慣は無かったので完全に偶然。とはいえ、子供時代『アニメージュ』を購読していた生粋の元アニメオタクですし、本サイトの評価傾向でも『アニメ好き』は健在。私が『鬼滅』にハマる要素は満たしていたと言えます。本作はテレビ放送第1話~5話までを編集し、劇場先行公開したものと聞きました。一般的にTVアニメを編集して劇場公開する場合、どんな名作も著しく評価を落とすのが通例です(例:未来少年コナン、ガンバの冒険)。尺が圧倒的に短くなるのですから当然の話。その点、本作の圧縮度は微々たるもので、TVアニメ版と比較して不満を感じる点はありません。本作は見事に『鬼滅の刃』世界へ誘う『フック』の役目を果たす作品に仕上がっていると思います。実は、私以上にこの鈎針に引っ掛かったのが小5の二女。誕生日プレゼントはコミック全巻で、東大王の伊沢氏は呼び捨てなのに、声優さんには全員敬称を付けるという見事なオタクへと変貌しました。血は争えませんな。 社会現象となった『鬼滅』人気の秘密を此処で語るのも今更感がありますが、一点だけ。私が『アニメ』から入ったという理由もありますが、原作漫画よりアニメの方が優れているのはアクションシーン(殺陣)であります。漫画では『一枚絵+必殺技名』で処理される部分を、きちんと動きで見せてくれるのが有難いです。同じジャンプ漫画でいえば『聖闘士星矢』も同じく『一枚絵+必殺技名』タイプですが、こちらはTVアニメも同じ表現方法を採用していました。だから物足りないという気はなく、原作に忠実にアニメ化しているだけの話。アニメ『鬼滅の刃』で披露されるアクション映画さながらの充実したカメラワークが、大人をも惹き付ける作品人気の一端を担っているのは間違いないと考えます。『鬼滅の刃 那田蜘蛛山編』の感想につづく。
[地上波(邦画)] 7点(2021-06-19 23:55:17)
623.  ボーダー 二つの世界 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。未見の皆様ご注意ください) 元ネタは、アンデルセン童話で有名なあのお話。テーマ及び帰結点についても大差ないと考えます。異なる種族の常識をアイデンティティに取り込んだが故に、主人公は“苦しんだ”訳ですが、“人として生きるには必要だった”のも間違いありません。さて、問題はこれから。自らの正体を知った彼女の生きる道は?もちろん同族のコミュニティで暮らすのが幸せに違いないでしょうが、どうやらかなり難しそう。これからも人間のコミュニティに依存して生きるのであれば、“歪んだアイデンティティ”だとしても彼女はそれに縋るより他ないでしょう。果たして彼女は、子のしっぽを引き千切るのでしょうか。『おおかみこどもの雨と雪』(あっまだ観ていないや)、『借りぐらしのアリエッティ』あたりと対比してみるのも面白いと思います。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-14 21:28:59)
624.  今日から俺は!!劇場版 《ネタバレ》 
『今日から俺は!!』の何がウケたかと考えた時、加来賢人のアドリブ過多のコミカル演技と仲野太賀の愛すべき馬鹿っぷりに因るところが最も大きく、次いで清野菜名のアクション、磯村勇斗の存在感、橋本環奈の変顔あたりの貢献度が高いと思われます。勿論福田作品常連の佐藤二郎やムロツヨシのオフザケも「定番の味」で悪くないのですが、こと「笑い」に関して言えば、シソンヌの手練れぶりは圧倒的で、芸人俳優のポテンシャルの高さを感じさせます。数ある福田コメディの中でもキャスティングの充実ぶりは本作が頭一つ抜け出た感があり、できるならTVシリーズでも劇場版でも、じゃんじゃん量産して欲しい魅力的なコンテンツであるだけに、主要キャストが不祥事を起こしてしまったのは痛恨の極みであります。ちなみに、前述した私規準の貢献度でいうと件の彼の順位は大して高くありませんが、一度定着した俳優への愛着は捨てがたく、仮に名優に交代したとしてもマイナスにしかなりません。どうせなら作品内でガチにボコボコにして(あるいはウニ頭をイガグリにでもして)禊代わりとしてくれませんか。無理ですか。無理ですね。ああ悔しい。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2021-05-18 21:59:44)(良:1票)
625.  ザ・ファブル
『桃太郎侍』や『水戸黄門』の殺陣にリアリティが無いと注文をつける人はいません。それはファンタジーと一般認知されているからです。お茶の間TV時代劇は、リアリティを捨て去った代わりに、様式美という自遊空間を手に入れました。本作にもおそらく同じ事が言えます。タイトル『ファブル』(=寓話)からも、そのスタンスが伺い知れますし、劇中では「ジャッキーチェンかよ」という台詞まで出てきます。エンタメアクションに特化した制作姿勢は大変心地よいもので、アニメ活劇を観ているかのような心持ちでした(クライマックス。狭い工場内を上階へ向かいながら繰り広げられるアクションは、カリオストロの城へのオマージュに思えました。)コメディとしても上出来で、主演を務めた岡田准一が果たした役割は大きいと感じます。桃太郎侍の高橋英樹と同じような『役者顔』とでも言いましょうか、ナチュラルさが売りの俳優さん(例えば瑛太とか西島秀俊)では出せない『濃さ』がエンタメの様式美にハマっていたと思います。そういう意味では、柳楽優弥は上手すぎて様式美からはみ出していたような。同タイプでも、北村一輝の『濃さ』なら上手く寓話にマッチしたのではないかと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-04-21 19:58:33)(良:1票)
626.  透明人間(2020) 《ネタバレ》 
(ネタバレしてます。ご注意ください)  私の世代ですと美脚も露わな2人組女性アイドルの歌声が脳内リフレインしてしまう『透明人間』でありますが、人間透明化の手法は大きく2種類に分けられると考えます。『物理的要因』と『心理的要因』。前者がサイエンス、後者がオカルトと言い換えても構いません。かつては前者が主流だった気がしますが(例:博士が透明薬を発明)、最近は後者のパターンが多い気がします(例:『ハンター×ハンター』の某キメラアントが有名でしょうか。同じジャンプ漫画の『アウターゾーン』でもそんな話がありました。あれ?最近でもないな)。いずれにせよサイエンス(SF)の切り口で『透明人間』を理論づけるのは無理があります。理屈不要のオカルトの方がまだ説得力があるでしょう。そんな事情などお構いなく、本作では『物理的透明人間』が採用されていました。しかもナノテクノロジーなんて『流行りの言い訳』には目もくれず、旧知のアナログ型テクノロジーで勝負です。私のようなメガネユーザーにしてみれば、あのスーツがメガネ着用に対応しているのか大変気になるところですが(いや、そこはコンタクトレンズにすればいいのか)、やはり空想科学はロマンに溢れており好感が持てます。とはいえ、トンデモサイエンスとシリアスな社会派サスペンスの相性が良いとは思えません。ドラえもんはコメディマンガ(アニメ)だから愛されるのであって、リアルドラマ、ましてや実写など誰も望んでないでしょう。ですから、ツッコミ耐性ゼロというハンデを負ってまで、あえてシリアスドラマに『物理的透明人間』を採用したのには、何らかの意図があると推測します。例えば、どんなに狡猾なモラハラ男が相手でも、立ち向かう術はあるというメッセージが隠されていたとしたら。それなら、手に負えない魔法ではなく、タネも仕掛けもある、ある意味弱点だらけの『物理的透明人間』が採用されたのも頷けます。最後に透明スーツについて。発明者は光化学研究の第一人者だそう。光の屈折?反射?を使って透明化するという理屈は、それなりに説得力があります(ホントにそう?)。しかも私たちは、『アイアンマン』という奇跡を既に目の当たりにしており、『そんなスーツがあっても、まあいいか』程度に騙される用意は出来ていました。ただそうだとしても、ペンキを浴びても水洗いで元通りとか、部分破壊されても機能は失われないとか、流石に好き勝手が過ぎました。空想科学は、奇想天外な設定の中にも科学の足枷を完全に無くさない部分にロマンがある訳で、何でもアリだとオカルトと区別がつかなくなってしまいます。もう少し謙虚に『空想科学』と向き合って欲しいのです。
[インターネット(吹替)] 7点(2021-04-15 18:53:34)
627.  淵に立つ 《ネタバレ》 
この家族に起きた悲劇について「どこかで引き返せたか?」を考えたとき、思い当たるポイントは無数にあります。何時でも最悪を回避できたと思う反面、決して逃れられぬ結末であったとも感じます。それは「姿勢」に所以する問題だからです。「何を(誰を)守りたかったのか?」の問いに対する答え。妻は「隣人」であり、夫は「自分」であったと考えます。そこに「家族」の視点は感じられず、犠牲者が出たのは道理でありました。 さて、ここで注目したいのは、夫の人間性です。過去に犯した罪の告白により、その劣悪な人間性が明るみとなりました。実質的にこの時、家族は崩壊したと考えますが、なぜ夫は秘密を墓場まで持っていかなかったのでしょう。苦難を共有することで夫婦の絆を感じていたから赦してもらえる気がした?いや、彼は自身に対して“嘘を付き過ぎた”のだと思います。「自分は悪くない」そう自身に言い聞かせてきた結果、夫の中で嘘は真実に変わったのだと思います。罪の重さを強く感じていたが故の刷り込みならば、彼は極悪人でもありません。誰の身の上にも起こり得ること。罪に対して適正な罰を受けるのは、加害者の為でもあることがよく分かります。 夫はもとより、妻も不貞という罪を犯しました。すなわち夫婦にとって八坂は“罪”又は“罪悪感”の象徴と見て取れます。罪悪感は自身に内在するものですから、何処か外で見つけようとするのは無理な話。罪が昇華されない以上、最後は罪悪感と共に心中するしかなかったと考えます。 最後に古舘寛治氏について。正直、役者としての魅力が今まで分からなかったのですが、本作で初めてその本領をみた気がします。存在感を出さないことの凄みとでもいいますか。観客が自身を登場人物に置き換えようとしたとき、これほど都合のよい器もありません。ほんと、お見逸れしました。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-04-10 11:25:08)(良:1票)
628.  ディープ・インパクト(1998) 《ネタバレ》 
『アルマゲドン』と同年制作。20世紀末に量産された人類滅亡系ディザスター映画の代表格です。とっくに観た気になっていましたが、実は未鑑賞だった事が判明したため、この度のお籠り期間を機に初鑑賞しました。正直いいますと『アルマゲドン』と大差無い気がしますが、本作の方がちょっとだけリアリティ路線のような気がします。最後まで諦めなかった人たちが助かる展開はOK。でも諦めて穏やかな最期を迎えようという姿勢も理解できます。公開当時だったら、また違った感想だったと思いますが。大津波シーンの迫力は、今観ても震えます。こんな映画を観ると、ちょっと本気でシェルターが欲しくなります。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-02-20 21:56:59)
629.  クーデター 《ネタバレ》 
シリアス且つリアリティある状況設定に対して、展開は思いのほか『ご都合主義』が目立ちます。ハリウッドの娯楽アクション映画のノリと大差ありません。少々アンバランスな印象を受けました。もっとも、そうでもしないとこの危機を乗り切るのは絶望的で、原題『NO ESCAPE』に偽りはありません。 主人公(お父さん)はよくやったと思います。「相手の10歩先を行く」の判断はまさに的確で、何度も絶体絶命のピンチを切り抜けました。いち早く状況を把握し、さらに腹を括れた事が功を奏しました。見事な判断力と行動力です。ただし、そんな優秀な主人公をもってしても、この状況を自力で打開する事は叶わなかったでしょう。最後は運。そして助けてくれる人。最善を尽くした者にだけ、彼らは救いの手を差し伸べてくれるのかもしれません。そうです。これは『ご都合主義』ではなく『必然の奇跡』と呼びましょうか。 もし異国でこのようなクーデターに巻き込まれたら、間違いなく助かりません。それはもうハッキリと自覚しました。政情が安定しているって本当に有難い。そもそもお家大好き人間である私の、外国旅行への意欲がますます遠ざかるうう・・・。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-12-25 18:47:13)
630.  クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし
誰向けか分からないシュールギャグ。絶妙(ときに微妙)な人選のゲストキャラ(芸能人声優)。何気に質が良いアクション。そして家族愛を軸とした感動ストーリー。近年の映画版クレヨンしんちゃんのフォーマットは以上のとおり。本作も当てはまります。悪く言えば『マンネリ』、良く言えば『定番』ですが、他の国民的な長寿アニメをみればわかるように、これは『定番』と捉えるのが適切と考えます。マンネリは飽きられますが、『定番』は愛されるものであります。というより『定番』を創り出すことが至難の業であり、優れた様式に辿り着いた先人の努力を称える案件と思慮します。実際、本作も手堅く楽しめ、満足しました。 さて、本作で語るのが適切ではないかもしれませんが、長寿アニメの宿命・声優交代について。劇場版クレしんは本作からしんのすけ役の声優さんが交代しました。 オリジナルのイメージを損なわないように(できれば気づかれないように)交代するパターンと、イメージを一新する思い切ったキャスティングをする場合と、主に2通りあるように思います。前者の代表が『ルパン3世』、後者は『ドラえもん』です。何となく前者の方が無難な印象がありますが、実際は逆という気がします。些細な違和感はかえって『偽物感』に通じるからです。一時的には大きな代償を払っても、新たなオリジナルを目指す『ドラえもん』方式の声優交代が個人的には好みです。 クレしんの声優交代の変遷を紐解くと、オリジナル声優死去に伴い人気キャラ『ぶりぶりざえもん』は10年近く発声を封印しました(今ではオリジナルに勝るとも劣らない素晴らしい声優さんが着任しております)。この判断自体は賛否あろうかと思いますが、私はキャラクターに対する限りない愛を感じました。そんな声優に拘った作品ですから、てっきり『ドラえもん』パターンの声優交代を選択するものとばかり思っていたのです。しかし、ひろしやしんのすけの声優交代は、イメージ継続パターンでした。実はちょっとガッカリしたのです。交代当初は。 ところが、本作を観て認識を改めました。確かにしんのすけに対しては、まだ違和感があります。でも、ひろしに対してはオリジナルと全く遜色ないのです。何故か。理由は簡単。新しい声に慣れたからです。TVレギュラーシリーズを持っている効果は絶大でした。ルパンのように不定期制作だと『耳慣れ』が進まないため、長く違和感が残るんですね。もちろん声優交代に正解などなく、あえて言うなら『定番』を守るか『マンネリ』を打破するかの選択なのだと思います。そういう意味で『ドラえもん』は大英断でしたし、『ルパン3世』は中途半端な選択をしてしまっている気がします。すみません。横道にそれました。愛すべき『定番』を守った『クレヨンしんちゃん』が末永く続きますように。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-12-05 00:59:01)(良:2票)
631.  怪談(1964) 《ネタバレ》 
映画のジャンル分けで一般的に使用される『ホラー』とは異なる『怪異の物語』。不可思議ではあっても、不合理でも不条理でもなく、人間の業を味わうドラマとして楽しむことが出来ます。『物語=読み聞かせ相手に想像させるもの』とすれば、本作を象徴する特徴的な書割も観客のイマジネーションを掻き立てる意味で有効だったと思います。3時間は流石に長尺でしたが、オムニバスで目先が変わるため、体感はそれほどではありません。豪華キャストはお得感満載。たまにはゆったりと日本の詫び錆びを堪能するのも一興かと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-11-30 18:57:34)(良:1票)
632.  ミッドサマー 《ネタバレ》 
盛大にネタバレしています。未見の皆様はご注意ください。  学生たちが訪れた村は、いわゆる『カルト教団』のコミュニティ。その特異な風習は、我々の価値観(ルール)の範疇から逸脱するものでした。しかし学生たちは当初『文化の違い』と捉えました。研究対象としての魅力に抗えなかったのでしょう。もちろんこれは誤りです。我々の社会が許容できない価値観を『文化』とは呼びません。『蛮行』、いや『習性』でしょうか。狼が小動物を食らい、小鳥がさえずるが如し。村人は良心の呵責を一切感じる事無く人を殺せました。同じ顔、同じ言語を話しても、基本的な価値観を共有できなければ、それはもう『別種の生き物』です。DNA的にはどうあれ、『野生動物』や『宇宙人』に同じ。この要点を見誤ったが故に、学生たちは命を落としました。彼らは危機に対して鈍感過ぎました。 『別種の生き物』とは共存するのが人類の基本戦略です。豊かな生態系を維持することは人類にとって有益だからです。人の多様性を認めるのも然り。しかしカルトは、人間社会にとって百害あって一利なしです。我々の文化・生活圏と隔離されているならまだしも、彼らは人間社会に足を踏み入れ『尊厳』を踏みにじりました。これは看過不可。『文化の違い』などでは決してなく、我々にとってはただの犯罪集団、というより『害獣』です。世間に気づかれたら最後、コミュニティの解体は免れません。にも関わらず、長年集団が維持されてきたのは、そのシステムが巧妙であったからと考えます。 (ここからは完全推論です)最重要ポイントは、村人全員がそこで生まれた者ばかりということ。第1期(誕生~18歳まで)は教育期間。村の『常識』を植え付けます。『常識』に理論武装は必要ありません。だから最強。異なる価値観に触れたところで揺らいだりしません。工作員の学生は「自分も親を亡くした」と口にしていましたが、これは主人公を取り込むための方便でしょう。村に親子の概念なし。全員が家族ですから。我々にとって村人が『別種の生き物』であるように、村人にとっては外界の人間もまた同様。役目が終われば全員廃棄でしょう。また、注目すべきは村の憲法『経典』を常にアップデートできること。彼らは常に外界の文化文明に触れていますから、古の理では満足できなくなること必至です。時代の流れに沿うように経典を書き換えられる制度設計が、村の維持に大きく役立っているのは間違いありません。そういう意味では『蛮行』が廃止になる可能性もゼロではありません。しかし『伝統』は『常識』に負けない強固な概念。簡単には覆せません。ちなみに、意図的に障がい児を作り出し『無垢なる王』に据える手法も見事な知恵と言えましょう。神輿の上は軽いほど良く、有力者に都合がよい「神託」を出す便利な道具であります。  気づけばバッドエンド一直線の物語は恐怖でしかなく、ホラーとして一級と考えます。しかしその一方、サスペンスとしては選択肢がないため物足りません。学生たちには最低限、生きる為に足掻いて欲しかったなあと。これが本作に対する率直な感想です。同じ設定・脚本で、市川崑監督とか堤幸彦監督だったら、どんな物語になるのか見てみたい気もします。
[DVD(吹替)] 7点(2020-11-25 19:24:15)(良:3票)
633.  鬼灯さん家のアネキ 《ネタバレ》 
血の繋がらない兄妹のラブストーリーは、ドラマや漫画でみられる定番シチュエーション。シリアス系から軽いものまで様々な仕立てがありますが、本作はちょっとエッチなラブコメディであります。主に、色仕掛けでチョッカイを出してくる姉に振り回される弟君をニヤニヤしながら見守ります。注目したいのはキャスティング。まず弟くんを演じた前野朋哉氏について。どうみても設定と実年齢が合っていません。まるでAVのよう。ただ、この違和感ある配役が、物語の全容が明かされるにつれて効果を発揮します。彼のオッサンめいた風貌は(失礼)、『貴重な若さを引きこもり期間に失った』意味と受け取れました。幼なじみの女子役が佐藤かよさんだった事も意味がありそう。本作が一般的なラブストーリーではなく、性別を越えた愛がテーマであったことの伏線では。ちなみに名字の『ホオズキ』。江戸時代には堕胎薬として使われたとか。姉との恋愛成就も暗に否定されていたのかもしれません。考え抜かれた、手の込んだキャスティングだったと思います。最後に谷桃子さん。『ゴッドタン』での破天荒キャラのイメージが強い彼女ですが、本作ではヒロインを熱演していました。演技が上手いとは思いませんが、”勘の良さ“を感じさせる表情や仕草を見せます。もともと頭の良い方なので女優としても成功した気がしますが、もう引退されているのですね。残念。エロチックコメディからスタートして、最後は心温まるヒューマンドラマへ落とし込む手際はお見事。いい映画だったと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-11-05 13:24:00)
634.  今夜、ロマンス劇場で 《ネタバレ》 
ネタバレあります。ご注意ください。  絵本やアニメのように人の手で生み出されるキャラクターと違い、実写映画の登場人物には、演じる役者本来の人生があります。しかし姫には、俳優の人格が存在しませんでした。あくまでフィルムの中の世界限定、物語の住人として彼女は生を受けた訳です。しかも、姫は自分が物語のために創作された人物と気づいていました。作品が上映されている間のみ、限られた空間と時間の中で繰り返される人生。それが当たり前なら、自身の境遇を嘆くこともないでしょう。しかし、姫はフィルムの外の世界を知ってしまいました。色鮮やかな美しい世界。決められた台詞や動きに縛られない自由。愛する人との記憶が積み重ねられていく充実感。彼女にとってこちらの世界は楽園に思えたはずです。しかし、異なる世界の交流は、世の理(ことわり)に反しました。モノクロの肌に化粧で色付けできるのも、ずぶ濡れの衣服が一瞬にして乾くのも、2人が理を外れている証。理に背き恩恵を得た代償は、人に触れてはいけない、愛する者の温もりを感じられない罰でした。愛しあう2人は甘んじてその罰を受けいれたのです。2人は数十年に渡り罰を受け続けた末、男は天寿を全うしました。今度は彼が、姫がいるべき世界へ身を委ねる番です。 さて、同様の構造を有する物語として『人魚姫』が挙げられます。住む世界が違うという意味では『ロミオとジュリエット』も同じ。ご承知のとおり、これら作品の結末は悲劇です。しかし『人並な幸せが一番』という価値観の中では避けられぬ結末でした。そういう意味で、本作で2人が選択した『幸せのかたち』は異例中の異例だったと思います。劇中の昭和30年代日本では勿論のこと、同性愛をカミングアウトし、障がいを個性と捉える『多様性を認め始めた現代日本』においてさえ、画期的な決断であったと考えます。2人の選択を『幸』と捉えるか『不幸』と捉えるか、観客の価値観によってその判断は大きく分かれるはずです。 姫は人であって人でなく、その内面に複雑な思いを封じ込めている極めて難しいキャラクターでした。この難役を綾瀬はるかさんが見事に演じきったと思います。同じ美女なら30代より20代(失礼)、触れられる方が絶対良い訳はずなのに、主人公が姫を選んだ決断に違和感がないのは、単にラブストーリーというフィルターだけでなく、数々の映画で『主演女優』の大役を引き受けてきた綾瀬はるかさんの『女優の格』が成し得た奇跡と考えます。見くびっていたつもりはありませんが、綾瀬はるかさん、凄い女優さんです。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-09-30 18:24:58)(良:1票)
635.  ファインド・アウト 《ネタバレ》 
記憶と証拠、主観と客観、どちらが正しい?精神を病んだ者が主人公となるこの手のジャンルは、どちらに帰結するパターンも既存作品で目にします。ですから早々に見切るのは厳禁なのですが、それでもあらゆる可能性を排除せず、終盤まで物語を引っ張り、緊張感を持続させられたのはお見事でした。流れる水の如く出任せを言う主人公、何か裏のありそうな刑事。細かなミスリードが上手だったと思います。ただし、主人公の“決めつけ捜査”が功を奏しまくる展開は、流石に無理筋だった気がしますが。さて、特筆すべきは、ラスト主人公が下した決断です。私なら、あそこまで腹を括れない。というより、“犯人憎し”の感情よりも、“物証の確保”を優先させる気がします。それくらい、自身の言い分を信じてもらえないのは屈辱ですから。しかし、よくよく考えてみると、あの選択がベストだったのでしょう。着せられた濡れ衣を逆手に取ったすっとぼけ。かつトラウマと今後の不安材料を一掃して一石二鳥。おまけに、事件の真相を告げる証拠を警察に送り付け、溜飲も下げると。保身に走る警察は、揉み消すこと請け合いですもの(ちょっと警察を悪く描き過ぎでお気の毒ですが)。テンポの良さとスピード感、結末のカタルシスで、結構な粗を目眩まし。これもテクニックのうちと考えます。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-08-30 22:58:29)
636.  ゴースト・イン・ザ・シェル 《ネタバレ》 
そこはかとない敷居の高さを察知し、原作漫画もアニメ映画も未見です。最近本サイトで作品登録が必要なマイナー映画ばかり観ていたため、たまにはメジャーな映画も観ようと本作を選んだ次第。ド迫力ボディスーツの少佐がデザインされた劇場ポスターは承知しておりましたので、スカヨハの恵体(こんな熟語を書いたらダメだな)を拝めれば御の字くらいのつもりでしたが、なかなかどうして、面白いじゃないですか!未来の世界観の構築は見事ですし、『甲殻機動隊』の代名詞ともいえる『迷彩』表現も素晴らしいです。視覚効果で、ある程度の満足感を得られるのは大作SF映画の強みであります。タイトルでありテーマでもある『ゴースト(魂)とシェル(魂の器)』については、難解な哲学思想(きっとこれが敷居の正体なり)に踏み込まず、主人公のルーツ探で帰結しているため、私のような物知らずでも安心して楽しめる仕様でした。とはいえ、逆に言うなら浅瀬で遊んでいるようなもの。原作世界が持つ奥深さを味わうためには、原作漫画なりアニメ映画の鑑賞が必須なのでしょうが、本作が甲殻ワールドの入り口として機能している作品かどうかは分かりかねます。それにしても北野武は、自身が監督出演する映画以外では全く輝きませんね。魔訶不思議。
[インターネット(吹替)] 7点(2020-08-25 19:48:36)
637.  ババドック ~暗闇の魔物~ 《ネタバレ》 
客観的にはババドックなる化け物は存在しません。これが真実。しかし親子にはババドックの姿が見えていました。これは現実。真実に捕らわれ現実に目を瞑るのは危険な行為。母親はババドックを否定し続けたが故に彼に支配され、子を殺める寸前まで追い詰められました。我が身を守るため、愛する母を攻撃した息子は大したものです。瀕死の状況下で有効なのは、根治療法ではなく対症療法。それは現実の脅威から目を逸らさぬこと。果たして、親子はパパドックを飼いならす事に成功しました。ただし油断は禁物。いつまた奴が牙を剥くか分りません。幸運にも親子にはサポートしてくれる人たちが存在します。対症療法のつぎは、根治を目指すべきでしょう。オカルトの薄皮を被った極めて正当なサイコサスペンス。病んだ母親の表情が絶品でした。育児ノイローゼの恐ろしさを、分り易く表現した作品で、高校の教材にしてもいいくらいです。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-20 12:27:58)(良:1票)
638.  記憶にございません! 《ネタバレ》 
政界を扱った三谷幸喜作品と言えば、視聴率が振るわなかったTVドラマ『総理と呼ばないで』が思い出されます。三谷氏にとって鬼門とも言える題材への再挑戦は立派じゃないですか。とはいえ評価は是々非々ですけれども。さて、タイトルの元ネタと言えば、ご存じ『ロッキード事件』。以後、政治家の常套句として定着した言い逃れフレーズであります。また、首相のモデルはおしゃれ帽子がトレードマークのあの人でしょう。一応『架空の国』との注釈付きですが、現実からの引用が多々見られ、本来は風刺映画の体裁です。ところが皮肉批判は鳴りを潜め、総じて毒気は薄く、寓話としての色合いが濃い仕立てでありました。クライマックスは、首相と奥様の復縁話。もう政治と関係ありません。あくまで娯楽作品。過度な刺激は必要ないという事でしょう。ここからネタバレ。首相の記憶はいつ戻っていたのか問題。「あっ、ここで記憶が戻ったな」という演出は施されず、『実は記憶が戻っていた』という首相の告白のみで、漠然と処理されます。いつ記憶が戻ったのか、気になりますよね。でも、ここにメッセージが込められていると考えます。『人生をやり直すのは、何時だって構わない』ということ。偽りの記憶喪失を演じられるクソ度胸があれば、そりゃ何だって出来るでしょうよ。でも普通の人には無理な話。この一点からも、主人公は単なる傀儡ではなく、傑物である事が分ります。でもそれなら、それまでの愚者ぶりの説明が付かないワケで、頭に石が当たった事で『我に返った』と見立てるのが正しい気がします。悪いことをしたら謝る。間違ったらやり直す。子どもの頃教えられてきた常識が、大人の世界では非常識に変わるように、主人公も政界に毒されて本来の自分を失っていたものと考えます。あな恐ろしや。でもこれが一般的に『大人になること』だったりします。キャラクター造形の面白さや会話劇を楽しむ三谷監督お得意の王道喜劇。気楽に観られる大衆娯楽映画として、価値は充分と考えます。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-08-05 19:28:12)(良:4票)
639.  怪怪怪怪物! 《ネタバレ》 
劇中で主人公が言及するように、人喰い姉妹より彼女を監禁した子どもたちの方が余程悪質です。表題の『怪物』は彼らを指すものと考えてよいでしょう。怪の数=主人公を除く4人の監禁犯。実際、彼らの「善悪の判断をしない」様は、空恐ろしく、激しい嫌悪を覚えました。彼らと同類だった女教師も同様です。そういう意味では、良心の呵責を感じていた分、主人公の方が随分と“マシ”に思えます。ところが最後、主人公は4人の蛮行をも遥かに上回る凶行に及びました。情状酌量の余地などない、絶対に許されない行為。首謀者グループが消えてもなお、無くならない自身へのイジメ。殺人を幇助した意味も無くなり「人間」に対して絶望した結果、主人公は身も心も「怪物」に変化したと考えます。タイトルも4人の怪物の意味ではなく、怪が4つもつく超特大の怪物=主人公かもしれません。注目すべきは、主人公のパーソナリティが特別ではなかったこと。自身へのイジメを回避するため、いじめっ子に同調する狡猾さ。ほどほどの良心。彼は何処にでもいる普通の子です。普通の子が怪物に変わるから恐ろしいのだと思います。彼はいつもコンビニのイートインでひとり夕食をとっていました。これが当たり前の景色になる“異常事態”に、事件の本質が隠されている気がします。
[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-30 20:24:53)
640.  アウターマン 《ネタバレ》 
私は監督名を確認せずに映画を観ることがよくあります。本作もそうです。もちろん予想は付きました。どこをどう切っても河崎実印ですから。氏の作品を一度でも観た事がある方なら、その意味がお分かりいただけるでしょう。しかし、それでもなお、エンドクレジットを確認するまで、別監督の可能性を捨てきれずにいました。というのも、“実によく出来ていた”からです。いや失礼。でもこれが本心。チープな映像、不出来な脚本、役者の熱演、そして特撮愛が謎の化学反応を起こしたとしか言いようがない出来栄え。中でも「アウターマン」と「シルビー星人」の造形が絶妙でした。立場が変われば見方が変わる。知識と経験で人は変わる。どちらの異星人も、ちゃんと「いいもの」にも「わるもの」にも見えました(技術論的にはカラーリングの上手さ。そして原則は“能面”と同じ理屈と思われます)。いつもは決して上手とは言えない(実は監督お得意の)社会風刺も、驚くほど鋭く(あらぬ方向に)突き刺さります。群衆の手のひら返しを、あなたは笑えますかと。基本的にパロディ。紛うことないバカ映画。しかし真摯なヒューマンドラマでありました。もしかしたら本作は河崎監督にとって会心の一作では?あるいは私は、監督を見くびっていたのかもしれません。ちゃんと河崎監督作品を観直してみようと思います(暇が出来たら)。なお、公開当時に鑑賞していたら、職人が一個一個丹念に製作するという変身アイテム(25,000円(税別)也!)に手を出していた可能性すらあるのが恐ろしいです。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-07-15 18:54:52)(良:1票)
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