Menu
 > レビュワー
 > K&K さんの口コミ一覧。37ページ目
K&Kさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 807
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41
>> カレンダー表示
>> 通常表示
721.  自虐の詩 《ネタバレ》 
「西日がビンボ臭ぇ!」って言葉がとても印象に残ってた。北国の夜型人間の私は、映画のビデオを朝まで観て、さぁ寝ようって時に希望に満ち溢れた日差しが入る寒い東向きより、遅くまで夕日を楽しめて、夜が来るワクワク感を感じさせる、温かい西向きが大好きです。理想は南西リビング! 他に覚えてるのは阿部ちゃんのちゃぶ台返しくらい。あとなんか最後の方ホロリと来る人情話だった記憶が薄っすらと…はい再視聴。  前半のギャグ多めの現代パート。“あ、ここ笑うところなんだな”ってのがハッキリ解る。モトが4コマ漫画だそうで、なるほど。だからブツ切りのショートコントっぽいのが続くんだなって納得した。 後半にかけて明かされる過去。幸薄い学生時代と熊本さんのインパクト。丘の上で取っ組み合いからの仲直り、熊本さんには熊本さんの考えがあるんだなぁって納得させられたし、駅での別れも弁当の見せ方も良かった。なんか前半のパート減らしてコッチを厚めにしても良かったんじゃないか?って思ったわ。強盗事件後の藤沢さんたちの反応とか観たかったな。  イサオが、不器用で奥手なマトリックスから、ヒモのDVパンチパーマになった過程が描かれないから、なんか突飛な印象が残ってしまう。幸江も、学生時代と今は繋がるけど、綺羅びやかな売春婦時代が結びつかないというか…2人に何があって、こうなったんだ?って。  連載終了後、何年も経ってから『BSマンガ夜話』で原作漫画が注目されてからの映画化とのこと。遅咲きの原作人気に便乗したのかなぁ?阿部ちゃんがちゃぶ台をひっくり返す映像をスローで見たら面白いだろうなって、それだけで突っ走った感がないわけでもない。泣ける場面もYou Tubeとかの1分で泣ける短編動画のそれと、そんなに変わらない。映画なら前後の繋がりで泣かせてほしい。 家康のダメな父親演技は特に良かった。けど自分の娘と同じ名前の風俗嬢を指名するのはキモい。もう少し説明欲しかったな。
[地上波(邦画)] 4点(2023-04-30 21:53:01)
722.  釣りバカ日誌2 《ネタバレ》 
ハマちゃんが東京に居ることに違和感があり、なんでなんで?って疑問が解決すること無く終わった。シリーズ化で高松出戻りが無かった事に…って、説明も無しに大胆なことするなぁ。 1作目がとても良く出来たパイロット版釣りバカで、本作以降が釣りバカシリーズって解釈すれば良いのかな? う~ん…前作のあの続きが見たかったのに、社長の正体を隠してたスーさんを受け入れるハマちゃんの包容力。高松に戻されるハマちゃんに対するスーさんの気持ち。笑顔の裏に赤ちゃんを望むみち子さんの深さ。あれ全部が無かった事になった気分…  前作に比べて表面上の笑いを優先した感があり、佐々木課長の呼び出しの結果は結局何だったのか?投げっぱなしにするなら入れる意味が不明。 スーさんが1人で釣りに行くのも違和感。私はてっきり、釣りにかこつけてハマちゃん一家と触れ合うのがスーさんの癒やしだと思っていたから。 ヒロイン間宮の謎。いや謎の間宮?一人旅で爺さんと良い感じになって…って、子供居るんかい。子供置いて一人で伊良湖岬の豪華リゾートホテルかい。新聞の写真一枚で鈴木建設は大騒ぎなのに突然結婚の寿退社。う~ん…消化不良。 スーさんの娘だって嘘も意味がわからん。自分の奥さんとも交流があるハマちゃんに、あんな嘘言ったって、その場しのぎにもならないのに。  前作と同じ監督、同じキャストだし、私も前作と同じ水準を期待してしまった。その場のドタバタを書きたいがために、全体像の交通整理をきちんとしないで創られたみたいな印象。前作がとても良かっただけに、シリーズ物の方は私には合わないかも?
[インターネット(邦画)] 4点(2023-02-11 12:04:00)
723.  愛情物語(1984) 《ネタバレ》 
'83年、原田知世は舞台『あしながおじさん』で主演デビューをしていたと言うから、この映画は今で言うメディアミックス的な相乗効果があったのかもしれない。ただ如何せん角川監督が何を観せたいのかが解らない。いや原田知世を!俺が!可愛く!撮り!たいんだ!!ってのは伝わるんだけど、その熱意が見事に空回りしている感じ。 ダンサーを目指す少女のサクセス・ストーリー。あしながおじさんを探す日本情緒なロードムービー。なんかホラー調な部分もあって、何がしたいんだか解らない映画に仕上がってます。楽しい幕の内弁当と言いたいところだけど、宴会オードブルの残り物詰め合わせのように思えてしまう。  当時の風景くらいしか見所がない映画かというと、原田のダンスは中々のもの。ボディウェーブとか出来てんじゃん。振り付けに時代は感じるけど、結構長い時間ワンカットでダンスシーンが観られる。だけど電車の中(特撮)で踊ってたり、渡瀬が岩をカンカンやってる横で踊ってたりと、なんともシュールな画が挟み込まれる。角川春樹ら大人達の期待に答えようと、一生懸命踊ってる原田が健気に思えてしまう。彼女が今でも年齢相応の女優として活躍している理由が解った気がする。真面目なんだ。  無国籍感満載のオーディション。というかアメリカ人(風)ダンサーだらけのなか、1人子供みたいな体型の原田がちんちくりんに見えてしまう。 そんな不利なオーディションで主演女優に抜擢という謎のアメリカンドリーム。星条旗も掛かってるし、当時の日本はアメリカの真似をすることがカッコイイと思ってたんだろうな。 そんなアメリカンなダサ格好良さとは裏腹に、久しぶりに聞いた主題歌『愛情物語』には、こんな曲あったなぁって、世代直撃の懐かしさに唸らされたわ。
[インターネット(邦画)] 4点(2023-01-17 22:22:48)
724.  大怪獣ガメラ 《ネタバレ》 
昭和ガメラをしっかり観たこと無くて、ガメラが敵の怪獣の背中を木琴代わりに叩いて『強いぞガメラ』を演奏していた記憶が薄っすらあるだけ(どの作品か不明)…記念すべき第一作ということで観たけど、最初はガメラも人類の敵だったんだねぇ。 オープニングからもったいぶらずにガメラがしっかり映ってて、どんな顔してるか良く観えるわ。バストアップはなかなか迫力あるんだけど、引きの画で観ると、思いのほか甲羅が薄いのね。なんか胴体がペタンとしててアタマがデッカイ印象。目の電球と火炎放射器が入ってるからなのかな?  登場する航空機は拘りを感じさせる。アメリカ軍のF-102(またマニアックな…)は木型から造ったっぽいし、アラスカ基地(?)のF-104は基地から離陸するだけでなく、隅っこに滑走路に向かってタキシングする機体を再現するなんて芸が細かい。ガメラが飛行しながら空港を破壊するシーンは、想像以上の大爆発。飛び散る火の粉が飛行機に引火する表現はなかなか…飛行機愛溢れる作品です。 銀座に現れるガメラ。天井が壊れたビルの中を逃げ惑う人々に容赦なく火炎吹きかけるガメラが怖い。一番感心したのはTowaビルを襲うシーンで、窓の中に逃げる人が見える。影絵の応用だって解ったけど、こんなアイデアよく思いついたものだわ。  Zプランの巨大なカプセルの本来の使い道が気になって仕方ない。“人類の手に負えないから火星に放り出してしまえ”って結末もエゴ丸出しでブッ飛んでる。 アトランティス大陸とガメラの伝説とか、後の平成ガメラって、昭和ガメラの適当な初期設定を上手にフォローした名作だったんだなって、改めて思った。  人間なんてお構いなしにちどり丸や銀座を破壊する中で、なぜか俊夫くんを助けたガメラの謎。平成ガメラ3の助けられた子供のシーンは、ここに掛かってたんだろうな。子供の思い込みをあっさり捨て流したガメラ3に対し、“ガメラはチビの生まれ変わり”“ガメラはいいヤツ”って思い込みで突っ走るクソガキ俊ちゃんに焦点を当てたのが本作で、この子がすんげぇウザったい。 怪獣が出てきたのに灯台に登る。時間稼ぎのガソリン電車に勝手に乗る。伊豆の大島行きの船に密航する。周りの大人の寛容さも含めて、どうして誰もこのガキをビンタしないんだろう?と疑問ばかりが膨らんだ。 俊夫の切れ長の目、特徴があるなぁって思ったら、この前観た“高校生ブルース”の昇じゃないか! このクソガキがわずか5年であんなクソガキになるなんて。子供の教育って大事だわ…
[インターネット(邦画)] 4点(2023-01-14 18:39:29)
725.  失楽園 《ネタバレ》 
話題作ではあったけど、もう観る前から内容が予想できて、自分には関係のない映画として、今日まで放置してました。ただ90年代後半に、ここまでエロスを前面に出した邦画も珍しかったと思う。 本サイトのワーストランキングでも好成績。不倫というタブーを題材にしているから、頭ごなしに批判されやすい面もあると思うけど、そこは映画なんだし、強盗犯や殺人犯が主役の映画同様に楽しめたら何より…なんて、少しこの映画の肩を持ってやりたい気分。  不倫の醍醐味と思われる“どのように惹かれ合って、どのように始まったか”が描かれてないのって、これ強盗や殺人なら、犯罪の瞬間を描かないのと一緒。でもたぶんココを描いてしまうと、久木と凛子に共感してしまう人が増えるから省いた? 不倫はあくまで自分勝手な欲望を満たす、動物的な自己満足として観せるためにも、この2人に共感できない創りにしたのかもしれない。 ただねぇ、結婚してから本当に人を好きになることって、あることだと思う。50歳や38歳になって、あんな情熱的なSEXするのって、凄い。 ディープキス以外に直接的な性描写を極力描かず、また観えそうで観えない、ギリギリを攻めた訳でもない撮影と編集には感心した。観ていて下品じゃないんだよ。アダルトビデオと映画の違い。犯罪の決定的瞬間映像と犯罪映画の違い。さすが女性客がターゲットだっただけはあるかも。  突然離婚に話が進み、あっさり片付く久木家。聞きわけの良すぎる娘に違和感。彼氏を両親に紹介したばかりじゃなかった?既にバレていながら仮面夫婦を演じていたから、奥さんにバレてからの居心地の悪さや修羅場もなく、以前と変わらないご主人様ポジションの久木に、ちょっとイラッとする。少なくとも娘に父親ヅラするんじゃねぇ。奥さんも暴れるとかすればいいのに。この辺あまりに淡白で大人しくって、まるで免許更新の教習映画の不倫版みたい。久木ももう少し誤魔化しや悪足掻きがあっても良かったと思う。けど、これまたスリリングにしてしまうと、不倫の2人に共感してしまうから…なのかな?  久木の妻「もうすぐ、春ですから。」晴れて2人一緒になれて、貧しいながらも再出発すればいいのに、死んじゃうんだ。そんなだから、不倫のスリルを楽しんだだけ!とか禁断の愛だから盛り上がっただけ!とか言われるんだよ、貧しくても生きなきゃ。老いても愛さなきゃ。 キツく抱き合って同時に息を引きとる。なんてロマンチックに盛り上がる2人と対象的に、淡々とした死体検案調書。 本人たちには愛でしか無いんだけど、彼らを観る社会の目からは不倫の結末でしか無い。最後のあの場面、色んな意味で笑うところでしょ。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-11-03 19:58:08)
726.  バケモノの子 《ネタバレ》 
画はとても綺麗なんだけど、結局何を伝えたい物語かよくわからなかった。 蓮がオープニングで語られた渋天街に行くあたりは、千と千尋のよう。きっと渋天街の不思議な習慣とかが描かれて、最後は人間の世界に帰っていく…のかと思いきや、中盤でアッサリというか行ったり来たり出来てしまう。 渋天街の住人はバケモノなんだろうけど、人間+動物の組み合わせで、そして現在より少し古い、機械化されていない普通の生活をしている。熊徹の巨大化とか、一郎彦の念力とかあるけど、特段ガラパゴス的進化は感じられなかったかな。これがバケモノ?容姿が違うだけで人間と同じなんじゃ?…なんか、不謹慎だけど、見世物小屋の牛女とかを思い出してしまった。 渋天街も最初こそ個性を出そうと頑張ってたように思えたけど、結局人間界のちょい古い時代に落ち着いてたように思う。渋谷と繋がってるなら、車とかスマホ、パソコンなど便利な技術とか持ち込んでもおかしくない気がするけど、それはしない謎。  蓮の成長物語(成長はするけど)かと思えば、熊徹の勝負がクライマックスっぽく、最後の一郎彦との戦いは、2人の因縁が薄すぎて、まるでとってつけたかのような印象。 熊徹が剣になって九太と一心同体になるのって、どうだろう?蓮これからお父さんと暮らして(イライラしそう!)、楓との男女の関係も進んで(やりにくい!)、勉強もいっぱい(退屈そう!)するんでしょ?熊徹が中の人って…剣として子の中で生きるなら、猪王山の方が、闇落ちから復活した一郎彦の中で生きるストーリーの方が、きっと多分スッキリ出来ただろう。 楓もいまいち何がしたくて、なぜ蓮と一緒にいるのかもよくわからない。蓮の父親の存在も、出て行った過程や、母の死後すぐに連絡が取れなかった過程、母方の親戚に父親があれだけ嫌われる理由が、あれだけのシーンでは想像つかず。そしてイマイチ共感出来ず、どうにも消化不良。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-10-31 22:13:10)
727.  天地明察 《ネタバレ》 
ムムムムゥ・・・・・一番最後の大和暦vs大統暦は、解りやすかった。私でも何となく解った。 でもね、午の刻に蝕が起きるって言って、ポーン、ポーンと鐘が鳴って、起きなかったぞ腹を切れ!ってなって、諦めて切ろうとした時に蝕が始まる…。アレは午の刻に日蝕が起きたことになるの?未の刻にズレたの? 馬鹿な私はすぐにググるけど、午(うま)の刻とは今の午前11時から午後1時までの2時間。午の刻を知らせる鐘を9つ鳴らして知らせたそうだ。映画では時間の長さは感じなかったけど、鐘の終わりと同時に即刻腹を切れ!(いや!2時間あるから、しばし待たれよ!)になったのか、午後1時まで2時間ボー―っと空見たうえで腹を切れ!(午の刻からズレてるからやっぱりハズレ)ってなったのか、私には解らんかった。  最後の対決は解りやすい。と書いといて、この程度である。私レベルには難しい内容で、何となく解るところが最後だけだった。と正直に書こう。 ぶっちゃけ、安井算哲が囲碁をしたり、数学が大好きで問題に挑戦したりは解った。けどメインの北極出地だの暦のズレだの、結局この物語の何がどう面白いのか、良く解らなかったのだ。あぁ、昨日の夜観た時は疲れもあって寝てしまったさ(※安井算哲が北極出地する辺りだから、30分くらいで脱落してた)。でも頑張って、今日またしっかり観たさ。で、面白さが解らなかったさ。  最後の最後に字幕とナレーションが入ったけど、これ、物語の最中にも入れてほしかった『午の刻とは現代の午前11時から13時までのことである』とか。 それか暦に興味のある素人を登場させてほしかった。状況解説したり、難しい内容を質問したりする役割の人。キン肉マンで言うところのミートくん。えんがその役割だと思ってたんだけど、あんま出て来ないし…最後の対決は町人がその役割を担ってたから、私でも何してるのか解った。 私なんかは、内容理解出来てないのに、何となく受け流して観してしまうから、そのうち興味を持って観られなくなるんだな。 歴史上の偉人を題材に、真面目に作った作品だし、楽しめたら良かったんだけど。馬鹿ですまぬ。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-10-14 16:37:11)
728.  伊豆の踊子(1974) 《ネタバレ》 
吉永小百合版を見た直後なので気になって再視聴。同じ監督の同じタイトルの作品。そして百恵ちゃんと三浦友和のデビュー作。wikiを読むと、この作品が山口百恵というアイドルを売り出すための戦略的な映画だというのが解る。  '63年版との比較になるけど、まず川島の爽やかさアップ!真面目そうな高橋英樹に代わり、三浦友和の“現代っ子”っぽさ。 百恵ちゃん(当時14歳とか?)は、映画デビュー作だけに演技と言える演技も出来ないのもあってか、肝心の演じるシーンのカメラが遠い印象。前作の吉永小百合(17歳くらい?)は踊りの時の視線とか、しっかりしてたなぁって思った。 旅芸人の扱いの酷さややアップ!きみちゃんの死は一緒だけど、全体的に陰湿な感じダウン!どうでもいいけど百合子(栄吉たちが雇っている踊り子)の出番、微妙にアップ!最後の別れで手を振るかおるに川島が驚くのって、その前に港で会って話してたことを考えると、そこに居るのは知ってたんだし、どうだろう?好みの問題かもしれないけど。  本作は百恵ちゃんの歌が2回ほど掛かり、それが結構印象深いというか、耳に残る創り。そして必要以上に盛り上げようとしているのか、音楽もテレビドラマのように感じた。悪く言えば、安っぽい。 美空ひばり版('54年)から、10年おきくらいに創られた伊豆の踊り子。同じ内容で俳優だけ変えて、手軽に撮る映画。短期間(全撮影20日間、うち百恵ちゃんの撮影1週間だって)で撮りあげて、簡単に稼げてしまったこの映画の、いわゆる興行的な成功により、アイドルと主題歌のレコードを売るための映画が増えてしまったことは、結果として日本の映画業界にはマイナスだったのかもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-10-13 18:47:47)(良:1票)
729.  十八歳、海へ 《ネタバレ》 
森下愛子って“もっとしなやに~”の、凄くスタイルの良い綺麗な人だったよなぁってだけで鑑賞。 予備校の優等生と落ちこぼれが、たまたまデートして、たまたま死と隣合わせの遊びをして、それが癖になって…みたいな内容かなぁ。 デートに来たは良いけど、特にやることも思いつかず、ブラブラするところは、私もそんな事あったなぁって思い出せて良かった。  知らないお節介爺さんに助けられて、お風呂ご馳走になって小切手までと、本当にあったら中々ファンタジー。 予備校での自殺シーン。死ぬ青年が最後まで傘刺してるのとか、英介と一緒に黙ってみてるところとか妙にリアル。 だけど英介のホテルでまた自殺未遂とか、お節介爺さんの名前をここで持ち出したりとか、この2人の目的がどうにも良く解らなかった。 佳は生と死のギリギリのラインに魅了されて、敦天は心中未遂ごっこが佳との接点なのと、金儲けに繋がると考えたのか。夏(夏期講習)の終わりを2人の終わりとしたのもよくわからないというか…  学生の飛び降り辺りまではその先が気になったんだけど、佳の姉と英介のロタ島旅行とか、どうも着地点が見えなくなってしまって、集中力が続きませんでした。最後も、あれが最後かぁって感じで。あれが最後なら、何のために今まで観てたんだろう?なんて、思ったりです。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-10-10 13:34:02)
730.  動乱 《ネタバレ》 
上映48分ほどで『第二部に続きます』と来たモンだから、三部構成だと思ったわ。だって150分の映画でしょ?不思議な… 国の未来を思う青年将校たちが二・二六事件に至る経緯が丁寧に書かれている。娘を売らないと生活できない貧しい農民。横行する武器や物資の横流し。日本製の弾に撃たれる同胞の無念。  だから二・二六事件は起こるべくして起きたんだ…って第二部に繋がるんだけど、宮城と薫の恋模様が6割以上な感じで、事件自体は短時間であっさりしている。宮城の存在含め創作部分が含まれるので、より史実に近い形で、事件の状況を解りやすく描いた“226”と両方を合わせて観ればバランスよく理解できるかも知れない。※226のレビューで、銃殺なのにどうして銃声は一発なんだ?って書いたけど、コレ観てなるほどって思った。  健さんは相変わらず。男らしさと優しさを併せ持つ不器用な男のイメージまんま。この頃の健さん映画はどの役を見ても安定の健さん役だ。吉永小百合は、この頃はもう中年女性なイメージだったけど、最初の村娘役なんて、充分に'60~'70年代のままの面影があったから驚いた。まぁでも当時35歳位だから、今の基準で考えると、若く見えても不思議はないか。う~ん…日本映画界が彼女をずっとヒロインで使いたがる理由が解った気がした。宮城を追う島憲兵。子供に握り飯あげたり、毒を盛られた宮城を助けたり、なんかとっても好人物。たった一人、宮城たちに対峙する彼の最後は悲しいものがあったな。  史実モノだけど創作部分が多い割に、今ひとつ淡々とした創り。高倉健&吉永小百合の人気俳優の初共演に頼った作品ぽいなって印象だったけど、当初企画していた原作を使えず、止む無く削るところを削った結果がこの作品なんだろう。それにしちゃ上映時間の長さは削れなかったのかな。 そうそう二・二六事件の時の音楽が、結構Zガンダムだった。三枝成章さんが参加しているからだろうけど、正規軍VS反乱軍なイメージの曲なんだろうか?
[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-10-01 22:39:56)
731.  燃えよデブゴン 《ネタバレ》 
-Enter The Fat Doragon- “太ったドラゴン現る” ~肥龍過江~コッチはドラゴンへの道(猛龍過江)をモジッてて、“太ったドラゴン海を渡る”。英語題と中国語題で意味がチグハグなんで、興味があればwikiを。 “燃えよ~”要素は小舟で海を渡るところと、ボディガード3人が似た人持ってきてるくらい。骨格は“~への道”要素のが大きいっぽい。  燃えよドラゴンのオープニングでリーと戦う太った格闘家。細いリーと比べ重たそうな男が、まさか映画の主役になるなんてね。 でもデブゴンって言うほど、太ってるかな?まぁ痩せちゃいないけど。顔なんてちょっとむくんだ塚本高史みたいで、よく見ればカッコいいかもしれない。しかし身体に似合わず上段蹴りとか素早くてキレッキレで、そのギャップに驚く。 偽ブルース・リーとの闘いはかなり見応えあり。「リーに近づきたかったら、もっと頭を使え!」・・・え?「考えるな、感じろ」じゃないの?  コメディ要素はイマイチだったけど、教授のエビ子(字幕より)に対する歪んだ欲望を産んだ回想シーンはちょっと面白かった。 この映画、字幕より吹き替えで見たほうが面白かったんだろうな。 デブゴン・シリーズってたくさん創られてたと思ったけど、沈黙・シリーズと一緒で邦題だけ統一した別作品なんだ。へえぇ~~。  今回始めて観たんだけど、小学生のころ「チャイニーズ!カンフー!ナンバーーワーン!!」ってネタが流行ってたの。 私はその映画観てなかったけど、フレーズが面白いんで、一緒になって真似してたっけ。そうか~、アレの元ネタはデブゴンだったんだ~。 ユウシくん、元気だろうか。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-09-06 21:35:49)
732.  さすらいかもめ 釧路の女 《ネタバレ》 
単純にタイトルに惹かれて登録申請してしまいました、すみません。 期待以上に'73年当時の釧路の風景を堪能できます。幣舞橋にはまだ乙女の四季像は置かれていなくって、当然フィッシャーマンズ・ワーフMOOも無い。そして何より人がいる。今は廃墟と言われている釧路市内を、ワラワラ人が歩いているのが凄い。後半チラッと阿寒湖温泉の商店街が映るのも嬉しい。 映画の性質上、恐らくゲリラ撮影だと思うし、観光名所をじっくり観せてくれるわけじゃないんだけど、ホンのちょっぴり当時のナマの生活感が感じられて、今としては貴重なフィルムになっていると思う。 由美が掛ける赤電話の先に、釧路しんくみの旧ビルと現存する電電公社の鉄塔。位置的に佐藤紙店辺りかなぁ?・・・なんて、釧路に思い入れのある方なら、多少観る価値があるかもしれません。そうでない方には・・・  内容はねぇ、何だこりゃ?って話。大作は許嫁の由美が居ながら純子を抱くくせに、由美が大作の夢の為に造船所の社長と寝ると大激怒。それも半分社長に騙されて抱かれたのに、由美が幸薄すぎてあんまりだ。でも愛想の悪い彼女にパブ勤めは不向き。上客の社長を放っぽって大作の来店にキャッキャしてる素人丸出し感。そりゃ社長もあんな仕返しするわな。 結局、大作も純子も由美も、最初より条件悪化して振り出しに戻る。そんな、北国東方最果ての街らしい、ジメッとした寂しい終わり方でした。  日活ロマンポルノってことで、お色気がメイン。当時はモザイクでなくボカシ(そういや映画の場合モザイクって使わないっけ??)。そのボカシの入り方が大きくて雑なのが面白い。今の基準だと“そこボカシ無くても何も観えなくない?”ってシーンでも入っているボカシ芸に関心。場面に合わせてボカシの色も変えてくる丁寧さ。枯れ草も徐々に見え始める大草原で絡み合う大作と純子。そこに色鮮やかなグリーンのボカシ。カメラが引くとボカシも薄れて消えていく。なんか“私はいま、ロマンポルノを観てるんだなぁ”って気持ちになる。それでいて蘭子(二條朱美)の豪快な脇毛。当時はそれで良かったのか??
[インターネット(邦画)] 4点(2022-08-20 10:54:22)
733.  ビー・バップ・ハイスクール(1985) 《ネタバレ》 
-BE-BOP-ビバップは、モダンジャズの始まりのような形態で、即興・アドリブを入れた、従来の型にはまらない演奏方法…みたいに解釈しています。 さぁ始まった!と思ったらスタッフロールが流れて、まるでエンディングみたい。当時ヤンキー&ヤンキー予備軍に大人気だったこの作品、彼らが大人しくエンド・クレジットなんて観てるワケないんだから、初めにババっと流してしまうのは正解。 私の周りでも凄く流行ってました。原作は原作として、それとは別に映画は映画として、共に人気があったように記憶しています。 高校生の頃、友達の家でビデオ鑑賞会みたいになって、何作か観たと思う。腹に剣山仕込んだ悪者のシーン(他作品)と、絵の馬が暴れるの(これも他作品)を観た記憶はあるんですが、それ以外あんまり覚えていませんねぇ。  ケンカに明け暮れる2人とマドンナが、内容に似合わずハートフルな関係を築いていくのかと思っていたし、制服並べは可愛くも思える。だからこそあの誕生会のブチ壊し感は必要だったのか疑問(原作未読)。 前半こそ細かいエピソードの連続で、どこに注目して良いのか戸惑ったけど、戸塚水産高校との抗争に焦点が合わさると、このやり過ぎ感のあるケンカの連続に、不思議な安心感を覚えてしまった。 有名な電車からダイブ(テレビの特集で観た)。今日子の髪をナイフで切る(ハサミやカミソリでなくて良かった。けど、痛々しい…)。最後の乱戦(風雲たけし城みたい)。そもそも何で彼らは、ここまでの激しい抗争を始めたんだか(ほとんどケンカばかりで、そもそもの抗争のキッカケを忘れてる)…あれだけ派手にケンカして、両校に死者が出てないのも凄い。いや怪我人は凄まじいんだろうけど。  カンフー映画やハリウッドアクション、チャンバラとも違うケンカ映画。達人でも何でもない普通の不良がケンカしてる映像集。面白い映画かと言われると難しいんだけど、wikiの撮影裏話なんかと併せて観ると、色々考えさせられて、観て後悔は無いかも。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-08-02 20:53:34)
734.  ミックス。 《ネタバレ》 
新垣結衣はとても可愛いけど、彼女の演じる富田多満子には全然魅力を感じない。まず萩原が過去の話をしている時の茶化し方が意地悪い。工事現場の昼休みに、自分の内面、妻と子への思い、他人に語らなくていい過去を話している相手に、あの態度はないだろう。アレでは江島の歓迎会を転倒でブチ壊したあと、庶務課の誰も片付けを手伝ってくれないのも解る。多満子が“良い子だけど幸薄い子”ではなく“腹黒い自己中な女”に観えてしまった。 ミックス解散の理由も自己中。他の2組を励まして大会に導くのが、フラワー卓球部部長(かな?経営者?)の努めだろうに。しかもわざわざ、大会当日に缶詰工場のシフト入れること無いじゃない。せめて次の仕事は月曜からにしようよ。 いくら強敵が少ないミックスという競技とは言え、そもそもあんな素人の付け焼き刃チームが、卓球雑誌の表紙になるような選手と同じ土俵で大会出場って出来るの?ある程度のレギュレーションってありそうだけど?復帰直後は凄い才能を見せた多満子も、なんか試合中はヘロヘロだったし。  萩原。あのポジションでいきなりキスは気持ち悪かった。観てる側は元妻と復縁した既婚男だと思っていたから、えぇ~~!?って。多満子も元妻と復縁するモンだと思って大会に付いていったと思うと、なんかなぁ、どうだろうなぁ。 それに面接の日に、あの髪型と髭のままはないだろう。大会に心が揺れていたというより、最初から面接行く気がなかったのか? 江島と愛莉のコンビって、結局本当に不仲だったのか、江島の作戦だったのか解らなかった。いや作戦ったって、格下のフラワー卓球部に、ねぇ。それだと性格悪すぎだよね。 最後卓球部が大人気になるのも、あの試合そこまで注目されてたの?って思ったし、かなり強引なハッピーエンドに思えたわ。  こういう最近の邦画を観ると、つい私も『出演陣が豪華です。』…って書いてしまうけど、本作のような軽いノリで楽しめる邦画って、だいたい出演陣は豪華なのに最近気がつきました。 日本映画界の厳しい台所事情を想像すると、『映画』だけで食べていくのは厳しい。メディアミックスと言えば聞こえは良いけど、特に若い俳優は“職業=映画俳優”だけでは難しく、まだ体力のあるテレビ局が制作する映画、テレビドラマの延長のような映画に、名の通った俳優たちが出てくるのは当然の結果なのかな。 コマーシャルで成り立つテレビ業界。出演俳優をコマーシャルの側面で考えると、“気さくな元ヤン院長夫人”を演じた広末涼子。“ガサツな中華料理屋の嫁”を演じた蒼井優が際立っていた。「彼女たち、こんな演技もできるんだぁ」という意味で。永野芽郁の“外面だけの嫌な女役”もだけど、彼女のイヤな女役は『半分、青い。』でもやってたっけ。 こういう映画の脇役で、自分の演技の幅広さを観せる。映画を俳優のコマーシャル目的に使うのも、一つの方法なんだろう。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-07-31 21:26:15)
735.  ポンペイ 《ネタバレ》 
-Pompeii-ナポリ近郊の2.5万人規模の都市。ベスビオ山の噴火で消滅し、2千人程が亡くなった。…市民全滅ではなかったのね。 火山の噴火という自然災害に身分の異なる男女の恋愛を取り入れ、贅沢にも剣闘士のアクションまで取り入れた欲張りな作品。タイタニックとグラディエーターをいっぺんに観てるような、そんな気分になれるかもしれない。  しかしあそこまで恋愛路線に傾いてるとは思わなかった。何故か一目惚れして、何故か相思相愛になってて、何故か逃走して。あの短時間に恋敵であり親の仇が登場し、ヒロインが連れ去られたり取り返したりと忙しい。闘技場から屋敷に走って、また闘技場に戻ってと、本当に忙しい。ポンペイってディズニーランドくらいの広さなんだろうか?人口から考えて本当にそれくらいかも?  2人の恋にベスビオ山の噴火がどう関わってくるか。火山の噴火と火砕流に呑まれる街の描写は中々気合が入っている。だけど、突然噴火するだけで、火山の前フリとか登場人物との絡みが殆どないのね。劇中、溶岩が溜まっていく様子とか、頻発する地震とか、建物のひび割れとか、馬に落とされて亀裂に呑まれる人とかの“噴火の予兆”はあったけど、それを俯瞰で観察して、ポンペイの未来に危機感を感じてる登場人物が出てこない。当時の学者なんかを主要人物に入れて、予兆を体験させて「このままでは噴火するぞ、市民を逃さないと」みたいな盛り上げ方は必要だったかと。 あ、剣闘シーンはなかなか。歌いながら場面説明をする、黄金のマスクマンたちは雰囲気出てた。  オープニングの石膏で再現された遺体。あの石膏遺体がどうやって再現されたか?とか、他の映画でよく描かれる古代ローマ都市とポンペイがどう違うのか?とか、観ていて歴史の勉強になる要素は殆ど見つけられなかったのは残念。 2人の最後は、ちょっとロマンチック過ぎないかい?カッシアを守ろうとマイロがキツく抱きしめたカタチで…くらいの表現で良かったかと。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-06-29 22:53:41)
736.  テルマエ・ロマエ 《ネタバレ》 
-THERMAE ROMAE- “ローマの公衆浴場” 顔の濃い日本人でローマ人を表現するセンスは素晴らしい。中途半端に西洋人を出すよりもずっとインパクトあるし楽しそう。 あとは肩肘張らずに、原作の面白さと阿部ちゃんのスットボケキャラの相乗効果を味わうだけ。・・・だと思ったんだけどなぁ。 漫画原作の邦画って、どうしてかダイジェスト的に話を詰め込み過ぎになりがち。  ①銭湯→②家風呂→③ショールーム。この、それぞれでドラマの30分枠を充分に埋められる面白い話を、たった35分で消化してしまう駆け足具合。シャワーの便利さ、富士山の壁絵の雄大さ。フルーツ牛乳の甘さと冷たさ。シャンプーハットの懐かしさ。果てはウォシュレットの気持ちよさ。…私たちの生活に当たり前に浸透している、日本のお風呂文化(いや水回り文化か)を見て、ルシウスが驚いて感動するところがこの作品一番の目玉だと思う。私たちには当たり前の光景が、どうして素晴らしいのかをルシウスに語らせる。そしてそれをローマに帰ったルシウスが、当時の技術で上手に再現するところも含めて“日本のお風呂文化って凄いんだな”って。 日本ローカルの愛すべきお風呂文化が、同じくお風呂が好きな古代ローマ人に喜んでもらえる嬉しさ。最近流行った『世界に誇る日本の文化』みたいな風潮のモトって、このテルマエ・ロマエかもしれない。  お爺さんたちが古代ローマに行ってしまうと、いままでの日本のお風呂文化の素晴らしさが伝わる喜びが無くなって、途端に退屈になる。 ・・・というかネタを詰め込みすぎてお腹いっぱい。上戸彩が実家に帰るあたりにはもう飽きて長さを感じてる。 原作は途中までしか知らないけど、ローマに行ったお爺さんたちが後方支援とは言え、戦争の一方に自主的に加担するのも安直だし、クライマックスにオンドルなんて、あまり馴染みのない、朝鮮半島の文化を入れてくるのも不自然。この当時のフジテレビの韓流ゴリ押しは異常。  こんな無理やりな展開入れるなら、もう銭湯からショールームまでで90分くらいの映画で良かったんじゃないか?って。 ケロリン桶の美しさを解説する全裸の阿部ちゃん(股間は上手く隠れてる)なんて、想像するだけで笑えるのに、サラッと。 ワンダーウェーブ洗浄とかBILINGUALとか、映画独自の笑い要素もあって、全部が悪いわけじゃない。 しかしエンディングのお風呂でくつろぐ登場人物たちは、私に“お風呂入りたい欲”を沸き立たせる。
[地上波(邦画)] 4点(2022-06-28 22:07:49)
737.  トロン:レガシー 《ネタバレ》 
前作を観て暫くしてからだったし、ストーリーや設定なんて殆ど忘れてるなか劇場で観た。2Dで映される現実世界と、3Dで映されるコンピュータ内部の世界。視覚のメリハリがハッキリしていて、ダフト・パンクの音楽も格好良くて、アトラクション映画として中々良かったと思う。あと若々しいジェフ・ブリッジスには驚いた。  今回新旧トロンのDVDを買って、続けて観た。まぁま同じような展開だったわ。前作のオマージュも多く散りばめられてるけど、大まかな流れが 現実世界→グリッド→ゲーム→逃走→決戦 と一緒。 盛り上がるのが中盤のディスク投げ合いとライトサイクルなのも一緒。前作の終盤が盛り上がりに欠ける決戦だったからか、今回飛行機のバトルも加わったけど、3Dで観た時はともかく、家のテレビで観るぶんには、ライトサイクルほどではなかったかな。  前作の“コンピューター世界のそれっぽさ”に対し、映像技術が格段に進化してるんだけど、どうも“仮想現実の世界”にしか思えないのは残念。ライトサイクルがジャンプの後バウンドしたり、曲がる時に蛇行したり、遠心力が掛かったりするの、まさにバーチャルゲーム映像。もっとコンピューターの中の世界らしく、不自然な直角軌道を観せてほしかったわ。 結果として近年の美麗なCG映像作品と、明確な差別化が出来ていなくて、あのトロンの続編としては失敗したんじゃないかな。 当時は驚いた若いジェフ・ブリッジスだけど、今の目で観ると目元と眉があまり動かない。当時のCG映像の限界だったのか。 トロンも正義に目覚めてからの活躍が無いし、ケヴィンとクルーの魔法っぽい最後の戦いも、なんか前作の最後同様、印象に残らない。
[3D(字幕)] 4点(2022-06-18 16:11:51)
738.  影武者 《ネタバレ》 
学生時代に借りて観て、事前に聞いていた評価の割に面白くなく思えた。乱は怖くて重くて楽しめたのに、この影武者は軽くて退屈だった。自分には合わないのかなぁ、と思って、以降黒澤作品を借りることはなくなった。 今回久しぶりの鑑賞。昭和55年当時、一般的に考えられていた史実と、諸説・異説。そこに創作の融合。信玄に重症を負わせた狙撃手の解説なんかとても面白く、実際どうかはともかく、暗闇で狙撃を遣り遂げた工夫に説得力があった。 間者を騙し、孫を騙し、女を騙し、刺客を騙しと、次々と降りかかる無理難題。そこに輪をかけて勝頼の嫌がらせ。影武者と重臣たちがどう乗り越えるかは、影武者の醍醐味として堪能できた。特に側室たちに対する暴露は緊張感と笑いの見事な演出。  ただどうにも、全体的に盛り上がりに欠けていたように思う。例えば重臣たちの会話などが所々台詞・台詞していて、活き活きとした会話とは言いにくい場面があちこちに観られた。また乱同様、あまり役者の顔に寄らない撮影方法から、まるで舞台演劇を観ているようで、映画としての役者の躍動感が感じられなかった。名だたる俳優が揃っている(山崎、室田、根津、倍賞、観ているあいだ気が付かなかったわ)のに、大滝秀治と隆大介くらいしか、印象に残らない撮り方というのは如何なものだろう。  信玄討たれるの報を聞き、馬を走らせる信長の場面。馬の疾走→信長の顔→城。を二回半も繰り返すクドさ。誰かが入れたいもの、誰かの要求されたものを全部突っ込んだら、結果こうなった感が半端ない。 高天神城の戦いの夜襲は本当に真っ暗で、せっかく騎馬武者を走らせているのも関わらず、何が起きているのかよく見えない。 佳境の長篠の戦いも、まるで策もなく特攻し、一方的に撃たれるを三度も繰り返す冗長さ。また撃たれた人馬の死屍累々、三重臣の死体を、ほぼ均等な長さで延々と映す長さ。削るべきを削り、活かすものを活かす潔さが必要と思われるのに、それを削ること無く全部入れてしまうから、結果こんなに長く、盛り上がりにかける作品になったんじゃないだろうか。  また全滅した武田軍の死体、うごめく重症者、倒れた馬。当時の定説はどうだったのか、射程の短い火縄銃の被害にしては、戦線が伸びすぎではないだろうか。ガトリング砲やライフル銃が出てきた時代の戦場に見える。そう西部劇の時代、南北戦争の戦場のようだ。 同様に高天神城の攻城戦の、家康軍の銃の撃ち方も、まるで南北戦争。当時はまだ、射手が自分の判断で動く敵を撃つのではなく、指揮官の指示で決まった方向に銃を向けて撃つだけの時代だと思う。また火縄銃の構造上、下向きには撃てないんじゃないかな。どうだろう?(※撃てるみたい) 音楽も違和感を感じさせる。お館様のご帰還に合わせて鳴るファンファーレの場違いなこと。言われるがまま創ったものを組み合わせたら、こうなった感が…。「ちょっと合わないよなぁ」と言う人が居なかったのか、言えなかったのか。 信玄の死を聞いて自然に敦盛を舞う信長。入れたかったんだろうけど、実際入れると不自然さ、違和感を感じる。  『風と共に去りぬ』のような戦争大作を、日本の戦国時代を舞台に創る。という目論見だったのか。 芸術性はともかく、娯楽作品としては盛り上がらないこの映画。世界進出を狙って制作され、見事パルムドールを受賞したものだから、後年の黒澤映画の代表作、傑作の一つとして鎮座してしまい、結果として(当時の)若い人が、本当に面白い過去の黒澤映画に触れる機会を逸してしまったのかと思うと、少々勿体ないように思う。
[ビデオ(邦画)] 4点(2022-05-29 17:11:21)(良:2票)
739.  北斗の拳(1995) 《ネタバレ》 
-Fist of the North Star- “北極星の拳(こぶし)” こちらでワースト四天王(?)に挙がるくらいなので、余程酷いものを期待していたけど、案外観られる作品だったと思う。 東映Vシネマのアメリカ版とのことで、安かろう事は想像できたけど、制作費2億円は、Vシネマにしては凄い金額なのかな? 制作された'94年当時、1$=100円として2億円≒200万$。同年代の大作ダイ・ハード3が9000万$、デスペラードで700万$、あのストリートファイターで3500万$だそうだから、どのような規模の映画か想像できる。 その少ない予算で片手間にフザケて創ったのかといえば、案外真面目に制作されたんじゃないだろうか。  ベースはシンのサザンクロス編。ランデル監督らは限られた構想期間で、原作コミックではなく、TVアニメと'86年の劇場版アニメをベースに選んだんだと思われる。当時は英語版のコミックが手に入らなかったのかも。TVアニメではサザンクロス編は結構長く、カーネルもジャッカルもシンの部下で登場。そしてシン配下の怪しい南斗聖拳の使い手がいっぱい出てくる。南斗列車砲とか。 劇中処刑される南斗のマスターは、どことなくTV版のジョーカーっぽい(髪型なんかが)。 で、制作までの時間も無いから、ビデオの早送りを駆使して長いアニメを視聴して、作品に詳しい人に解説してもらって「あ、ここアニメオリジナルね、原作だとこの子(バットの弟分タキ)死んじゃうのね、そんでね…(早口)」所々勘違い(バット死んじゃうのかぁ。とか)しつつも、巨人デビルリバースは予算の関係で無理だなぁとか考えながら、更に短くまとめられた'86年劇場版も観て、コッチをベースにしたほうが良いのになぁ、このジャギってキャラ、カッコいいなぁ…なんて思いつつ、劇場版でもジャギはシンとの絡みがあるからコッソリ出して、中堅どころのクリス・ペン使っちゃって。って具合に。 シンがリュウケンを銃殺(!!)するのはショッキング。映画の序盤だったし、さすがにココは吹き出した。うん、さすがワースト映画って思ったわ。 だけどジャギだって銃は使うから、原作をよく知らない人が創ったと思えば、そんなに無理設定ではないかもしれない。  ゲイリー・ダニエルズは元キックボクサーだそうで、本当にケンシロウのように素晴らしい肉体。後半のザコ相手のケンシロウ無双は素直にカッコいい。 少ない予算でVFXも限られたシーンにしか使えなかったんだろう。やはりインパクトのある顔面破裂は使いたいし、ライバルのシンの強さを強調したいから、南斗聖拳の切れ具合も入れたいと。 あのペチペチ百裂拳は、制作陣も悩みに悩んだ末の決断だろう。実際に拳の連打を出せるゲイリーの技術を取るか、低予算の特撮でそれっぽく見せるか。結果は多くの失笑を買ってしまったけど、今のCG技術でもない限り、百裂拳を格好良く撮るのは難しいと思う。 不遇なB級肉体派俳優ゲイリー。エクスペンダブルズではジェット・リー相手に華麗なマーシャルアーツを観せる。 ゲイリーが自分の子供に“ケンシロウ”と名付けたって知り、不覚にもジーンと来てしまった。 あの素晴らしい原作と比べたら、こちらでの低評価も納得だけど、モトがTVアニメだと思うと、案外頑張った低予算映画かなって。 1点付けるつもりで観たけど、出来の悪さに怒りを覚える2点でもないし、3点でも良いんだけど、ゲイリーに愛着湧いてしまって… 平均点上げてしまってすみません。
[インターネット(吹替)] 4点(2022-05-15 17:51:14)
740.  カクテル 《ネタバレ》 
当時はトップガン→ハスラー2と、飛ぶ鳥を落とす勢いのトム・クルーズ人気。その勢いで、このカクテルも結構流行っていた。少なくとも知名度はあって、堺正章が新春かくし芸でフレアバーテンディングをやると知ると“あぁ、トム・クルーズのアレね”ってみんな解ってたくらい。トムがあの甘いマスクでアルコールのボトルをクルクル回す姿は、本当に格好良かった。  でも映画自体を見る機会がなく、今回ようやく初視聴。アイドル映画だとは理解していたけど、あまりに中身が薄っぺらい。 金持ちになるのが目的で、日中は学業、夜はバイトの2足のわらじ。眠い目を擦って成功に向かって頑張るかと思いきや、早々に学業をリタイア。一方バイトは活き活きと楽しんでて、ロクに練習シーンもなくボトルをクルクル回してる。単にブライアンに才能があったってことだろうか?自分の店を持ちたいのは解るけど、リゾート地ジャマイカで楽しくバーテンダーやってるなら、それはもう、その時点で成功者なんじゃないか? ジャマイカで金を稼ぐブライアン(NYでバーテンのバイト辞めた)。ジャマイカに新婚旅行に来るダグ(NYの金持ち女のヒモ)。ジャマイカに遊びに来てるジョーダン(NYのレストランのウェイトレス)。NYにとってジャマイカって何なんだろう?  ブライアンにとってのダグの存在がよく解らず、ブライアンの彼女を寝取り、数年ぶりの再開でブライアンをからかいながら、金持ちの女を落とせとけしかける。このダグとブライアンが、フレアバーテンディングの大会とかに出て成功を収める映画だと思っていた。放り投げたオリーブを口に咥えた楊枝でキャッチするシーンが出てくると勝手に思ってたから、後半ほとんど“カクテル”関係なくなってくるこの映画の着地点、ゴールはいったいどこなんだ? 失敗はしても挫折することも教訓を得ることもなく、ただただブライアンが欲しい物を手に入れていく映画。トム・クルーズの格好良さ、エリザベス・シューの可愛さを観るぶんには文句なし。前の方も書いているけど、トム自身の歴代ワースト4に挙がる作品らしい。じゃ他の3本は何だろう?ちょっと調べたけど出てこないところを見ると、トムはこの作品だけ突出してワーストの評価をしていたのかもしれない。
[インターネット(字幕)] 4点(2022-04-17 22:54:48)
000.00%
120.25%
2111.36%
3182.23%
4708.67%
515619.33%
617321.44%
716019.83%
813216.36%
9516.32%
10344.21%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS