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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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61.  ロング・グッドバイ
舞台は70年代のLA。50年代の原作の世界から20年後のマリファナにまみれたハリウッドがある街に、時代にそぐわないうらぶれたヒーローを放り込む。原作のマーロウからは想像できなかったグールド=マーロウがはまるはまる。そして原作には無い冒頭の猫との掛け合いが素晴らしいのだが、猫がマーロウの飼っている猫としての自然な振る舞いを見せてくれるのも素晴らしいがそれ以上にキャットフードを買いに出る冒頭シーンでグールド=マーロウのうらぶれた感満載の魅力とその後ドラマのつなぎを見事に果たすマーロウの棲家の一風変わった造りと変わった隣人をさりげなく完璧に見せてしまうのがもう上手すぎ。結末の改変はいかにもというか、どこかで見たことあるようなありふれたものでガッカリなんだけど、全体的には複雑なカラクリをよくここまでわかりやすくできたもんだと感心もする。それはさておき、やはりフィリップ・マーロウを(製作当時の)今の時代に蘇らせてしまうアルトマンは並みの監督じゃない。単に今の時代を背景にするだけじゃなく、ちゃんと今の時代を描いている。傑作。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-04-14 14:15:17)
62.  サブウェイ・パニック
列車と管制室を切り返しながら見せてゆくシンプルな構成。犯人のバックボーンや地下鉄幹部と警察のエゴをくどくどと語らないシンプルなシナリオ。シンプル・イズ・ベスト。(今年公開予定のリメイク作も楽しみだ。)緊張感が足りない!というのはたしかにそうで、リアルさを求めるときついかもしれない。しかし例えばコロンボや古畑の現実味の無いキャラを楽しめるならこれだって楽しめるはず。最後のマッソーの表情はまさにこの世界観を象徴しています。下手(シタテ)に出ながら堂々と去って行った国鉄職員たちはこの翌年に新幹線ひかり109号に爆弾を仕掛けられることをまだ知らない(『新幹線大爆破』は1975年公開)。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-02 14:32:34)(良:2票)
63.  パリの灯は遠く
この時代この場所においてのユダヤ人は人間として扱われなかった。そのことを冒頭のユダヤ人を判断するための下劣な身体測定シーンで強調する。そして人間扱いされないこと以上に怖いのが、そのことが普通のことであるという社会の風潮である。それがユダヤ人をこき下ろす舞台ショーでの観客の笑いをもって強烈に表現されている。そんな世界で差別され虐待され殺されてゆく立場に突然立たされる恐怖が描かれる。主人公は同姓同名のユダヤ人の登場によってその恐怖を味わうことになる。と同時に同姓同名のユダヤ人に興味を抱き、自己の存在理由への疑問も相まって変身願望にも似た執着を見せてゆく。そのときのアラン・ドロンの異常な表情が印象的。話が進むにしたがって主人公がユダヤ人に同化してゆくのだが、そうなってしかるべき状況や伏線が溢れかえっている。登場人物から部屋の装飾、光の明暗に至るまで伏線としての細やかな配慮がされている。話は暗いし進まないしわかりにくいかもしれないけど、何度か見てこの細やかな演出に驚愕してほしい作品。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-01-15 14:02:57)(良:2票)
64.  ディア・ハンター
ロシアン・ルーレットはたしかに怖かったけど、鹿狩りシーンの雄大な画のほうがずっと印象に残っている。どれだけ時間とお金をこの芸術的な画のためだけに費やしたのだろう。鹿がヌッと現れるシーンなんて今だったら間違いなくCGなんだろうな。出兵前の鹿狩りの神々しい画から一転、突如現れるのが戦場シーン。動かないカメラが動き、静寂がヘリの爆音に変わる。長尺の作品の中で実に短い戦場シーンは死と隣り合わせのロシアン・ルーレットに凝縮される。帰還後には出兵前のようなバカやってる小さな幸せが無い。数十分前に映されていたはずの鹿狩り前のしつこすぎる置いてけぼりシーンが妙に懐かしく感じる。ボーリングのアホな出来事も懐かしい。長い長いダンスシーンも懐かしい。何かを奪い去り変貌させてしまう戦争の悲劇をビフォー・アフターで見せる。変わらない友情と移民同士の繋がりが取り返しのつかない「変貌」をより鮮明に浮き上がらせる。
[DVD(字幕)] 7点(2008-12-16 15:45:11)
65.  ルパン三世 カリオストロの城
大人になって見直したことはないのだが、見る度に心底楽しんだことは間違いなく覚えている。もしモンキー・パンチの漫画しか知らずにこれを見たら戸惑いもしただろうが、宮崎ルパンはテレビで何度も見ているのでじゅうぶん受け入れられる。そもそもテレビアニメの後期ルパン(赤いジャケットのやつ)よりも初期の宮崎ルパンが好きだったし。というか後期のはパッチリ目の峰不二子がイヤだった。ただ、この作品のルパンは同じ宮崎ルパンであってもテレビ版よりも遥かに優しくて大人。だらしなさやスケベな面にこそキャラクターの面白さが現れていたテレビ版とは打って変わる。そこに「ルパン三世」としては物足りないものを感じるわけだが、言い換えればすでに培われたキャラクターに頼ることなく面白いものを作り上げたともいえる。実際この映画の面白さはルパンや次元や五右ヱ門のキャラにあるのではなくアクションシーンにある(クラリスは例外)。このアクションの一つ一つが心底楽しいのだ。ラストの銭形のセリフには感動しないどころか気持ち悪いとさえ思ったのだが、それはやっぱりテレビ版との違和感がそう思わせたのだろう。それでもあえてそうすることで1本の完結した映画として昇華させているのだと思う。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-04 17:25:15)
66.  M★A★S★H/マッシュ 《ネタバレ》 
戦場や軍隊というものに関して戦争映画からの知識しかないが、アメリカ軍ってのは他の国(とくに日本)なんかと違って、わりとくだけたイメージがあって、だからこの作品でのハチャメチャ行為も突拍子も無い行為には見えず、つまりコメディとしてとらえられずに鑑賞していたんだけど、中盤あたりからそのハチャメチャさがどんどん加速していきコメディ色が強くなってくると段々と面白くなってきた。ハチャメチャさが増大するごとに彼らの本業である手術シーンの大真面目ぶりがより強調されてゆく。ここに命を奪い合う場所で命を懸命に救うという矛盾が浮かび上がってくる。この作品はたしかに反戦映画なのだろうが、他の反戦映画のようなストレートさはない。というか、戦争を批判せずに戦争の本質を批判するという高尚(?)な技を使う。ハチャメチャ主人公は最初から最後まで軍の規律を破り続ける。ここは徹底している。勝手に使用できないジープで転任するシーンから始まり、日本での軍の病院では許されない民間人の子供の手術まで。その一方で軍の規律に従順な者を貶めてゆく。軍規を守って戦争に従事することとどんな人間でも片っ端から助けてゆく行為のどちらが人間的か。また軍規を破るというのは軍隊というシステム、あるいはそのシステムを構築した上層に君臨する者を批判するということ。この上層に君臨する者たちが戦争を起こすのだ。まわりくどい反戦映画である。でも本質を突いている。 あと、アメフトの応援をするホットリップ看護婦長に大いに笑ったのだが、彼女は権威の象徴として登場したことで散々な目に遭ったあげくに権威がなんの役にも立たないことを自覚して権威という服を脱ぎ捨てるという、この作品の要とも言える役回りを任されている。
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-08 16:06:06)
67.  コンドル(1975)
初めて観たときのことをよく覚えている。小学生のときで土曜日の午後。学校から帰るとテレビで吉本新喜劇を見ながら土曜日の昼ご飯定番のお好み焼きかたこ焼きか焼きそばか焼き飯が出来るのを待つ。食べ終わったら即外に遊びにゆく。ただ、この日はグダグダとしてるうちにテレビで映画をやりはじめた。それが『コンドル』。すでに『明日に向かって撃て!』でレッドフォードのファンだったのもあってついつい見始めてしまったのだが、すぐに遊びに行くつもりでテレビの前で座らずに見ていた。遊びに行きたいけどテレビから目が離せないというジレンマ。結局最後まで立ったまま見終えた。サスペンスへの目覚めだったのかも。後々に見直したときに、あぁ、そういうことだったのか!と主人公の狙われる理由に納得したものだったが、はっきり言ってそんなのどうでもいいってくらいにドキドキさせてくれる。サスペンスでそこをないがしろにしたって面白いと思えるのは、たんに私にとっての特別な映画だというだけのことなのだろうか。ちょっとした小物の使い方とか冬の乾いた空気と濡れた路面のコントラストとか事務所襲撃シーンに代表される音の使い方とか魅力的な演出も多いんだけど、この作品の最大の魅力は、いかにも70年代らしいかもしれないけど俳優の魅力を最大限に見せているということだと思う。中でもマックス・フォン・シドーはやばいくらいの当たり役。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-04 14:36:50)
68.  アウトロー(1976) 《ネタバレ》 
いきなりの残酷シーン。そして復讐の鬼と化したイーストウッドが復讐のために南北戦争に参戦。というオープニングシーンもタイトルクレジット後はいきなり北軍に降伏。ここからまたしても残酷な展開とガトリング銃を使ったガンアクション後、今度は傷を負った若者との逃避行。このまま二人組の逃避行と復讐劇が展開されるのかと思ったら、若者あえなく死亡。と思ったら白人に土地を奪われた文明かぶれの老インディアンとのへんてこりんなコンビが誕生。と思ったら雇い主に虐げられていた女インディアンもついてきた。どこぞから野良犬までついてくる。さらに行商に捕まった態度のでかい老婆と可憐な孫娘も同行。『荒野のストレンジャー』かと思わせといて『ブロンコ・ビリー』な映画。レオーネっぽくもありシーゲルっぽくもある。家族を奪われた男がいつのまにか(擬似)家族に囲まれている。イーストウッドが家族を守るために出てゆこうとするように家族たちはイーストウッドを守るために戦う。真っ黒な唾を頭に吐きかけられて唸っていた犬も、「またかよ」ってな諦め顔になってゆく(ように見えるんだけど、笑)。詰め込んだ脚本も散漫さよりもイーストウッドの映画を2本観たようなお得感のほうが強い。よくまとまったなと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-28 16:40:01)
69.  フレンチ・コネクション
ニックネームの由来の説明が無くても、乱暴で型破りな男をポパイと呼んでいることになんの違和感も持たせないどころか、他の呼び名は考えられないくらいにまで馴染ませているのはハックマンの容姿によるところが大きいのだろうが、それでもよりにもよってポパイですよ。ハリー刑事がダーティ・ハリーと呼ばれるのとはワケガ違う。ポパイというニックネームにリアルさがあるし、ポパイというニックネームを耳にしても不自然にならないリアルな世界観が作り上げられている。個人的にはイーストウッドやマックィーンのかっこいい虚構の刑事が好きなのだが、ちょうどそんな虚構のヒーロー刑事が活躍していた時代に突如現れた不健康そうで汗臭そうで胡散臭そうで言葉遣い最悪で、それでいていかにも存在してそうなオッサンってのは衝撃だったと思う。相棒のロイ・シャイダーが目立たないのもまたリアルなんだけど、こちらはもうちょっと活躍してほしかった。そんなリアルな世界でのカーチェイスは言うまでもなくシビレル!この作品の最大の魅力であるリアル感は、実在の刑事と実際の事件をモデルにしているというところからも得ているのだろうが、リアルに描こうとする部分と楽しませる部分が相反しないことを証明しつつ、ちゃっかりと豪快なカーチェイスやスリリング且つコミカルな尾行シーンなどの「見せ場」も用意する。これがまた中途半端にならないのがアメリカ映画のソツの無さでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-14 15:58:24)
70.  愛のメモリー
デ・パルマ版『めまい』。『知りすぎていた男』ぽいシーンもあるし『レベッカ』ぽいシーンもある。でもヒッチコックの二番煎じという印象はない。むしろヒッチコック独特の変質的な描写がなくて良い。しかもデ・パルマのお下品さもない。ミステリーは冒頭からジョン・リスゴーの役回りとか察しがつくし、フィレンツェでのそっくりさん登場もなんとなくその後の展開を予想できちゃうし、けっきょく予想の範疇を出ることのないミステリーで、筋は面白いとは思えないんだけど、霞みがかったような画質はミステリーであることよりもメロドラマであろうとしているし、実際まんまとのせられてラストのわざとらしいスローモーション+カメラぐるぐるに思いっきり感動させられてしまった。急転直下なエンディングなような気もするが、物語に占めるフィレンツェでのシーンの無邪気なまでの長さといい、その脱線具合が結果としていちいち意表を突いていて観ているこっちはけっこう楽しめたりする。これがデ・パルマの狙いなのか知らないけどコレは面白いと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2008-03-24 19:05:38)(良:1票)
71.  アイガー・サンクション
モニュメント・バレーの訓練シーンは『バーティカル・リミット』のソレを遥かに凌駕するのだが、それはCGじゃないからってことだけじゃなく、その岩山の見せ方や広大なグランドキャニオンの見せ方が素晴らしいからでもある。アイガー北壁にしたって迎えのホテルからの雄大なアイガー全景が見事に、そして残酷に映されるから一層の緊迫感をもって描かれる。もちろん体を張ったイーストウッドが相変わらず痛々しい表情でアクションをこなしているということが面白さの前提にあるが、実に丁寧に映画を作っていることがうかがえ、それゆえの面白さが充満している。屋内シーンが冒頭の仲間の暗殺シーンにしても、あるいは主人公の家の地下、組織のトップの一切光を遮断した部屋も、とにかく暗がりが多く登場するが、もうこのときから監督イーストウッドの暗がりを撮る術は長けており、暗がりが作品を重厚にし、またモニュメント・バレーやアイガーの眩いばかりの開放感を助長している。なんだかんだ言ってもイーストウッドは巧い。
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-18 12:13:06)
72.  彗星に乗って
SFなのに昔話のような感覚。古典的手法なのに今の最新技術よりも新しく感じてしまう。古いけど素朴で味がある、というのではなく、本当に新しい。「センス」の一言で片付けてしまっていいのかわかりませんが、他に言葉が見つからない。物語も斬新であるにもかかわらず、懐古的な心地よさがある。終始、人間同士の醜い争いが描かれているのにどこかメルヘンチックでもある。地球からはなれた突飛な世界観と絵葉書から始まるセピア調の二次元的映像の融合。絵本と映画がゼマンのセンスをツナギにして融合した作品。
[DVD(字幕)] 7点(2007-08-22 10:19:56)
73.  北国の帝王
無賃乗車を絶対許さない車掌と意地でも無賃乗車をする男の戦い、、て書くとコメディですね。でもひたすら熱い男同士のバトルが描かれる。この車掌が容赦ない。無賃乗車した者を殺しちゃうんだから。この二人以外に重要な役回りで一人の調子のいい詐欺師が絡んでくるのだが、結局この3人は最後まで出会ったときの関係のままで何も変わらない。主人公と詐欺師の間に親子、あるいは師弟のような関係が芽生えてきそうな展開はあるが、結局何も生まれない。ストーリーに抑揚がないのだ。主人公と車掌の関係はどうだろう。こちらも男の喧嘩にありがちな敵ながらどこか通じるものを見出したり認め合ったりといったものがありそうな展開を見せるも、やっぱり何も生まれない。ストーリーに抑揚がないのだ。なんで高評価なのか知らないが、ストーリーは全然面白くない。あえてストーリーの抑揚を抑えてひたすら男の意地のぶつかり合いだけが延々と映されるのみ。しかし、だから面白いのかもしれない。いかにもアルドリッチ的男くさい映画。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-08 12:06:13)
74.  魔笛(1974)
ベルイマンが「オペラ」で認める2作品のうちの1つがこの「魔笛」なのだそうです。この作品を観た際にオペラを専門とする方のトークショーがあったのですが、第二幕がモーツァルトのスコアよりも構成がうまくわかりやすいと絶賛されていました。難解にとられがちなベルイマンですが、彼は映画はエンターテイメントだと言い切っています。そしてそのエンターテイメントは観客のためにあると。それが顕著に表れているのがこの作品だと思う。上記の第二幕の脚色もそうですが、本来のドイツ語ではなくスウェーデンの子供たちにもわかるように(そもそもテレビ放映用に作られている)スウェーデン語が使われており、さらに歌のシーンで字幕板まで登場します。それでもちゃんとオペラ歌手を使って作ってあります。一部の富裕層だけに楽しまれる「オペラ」を大衆にまだ引き下げ、いやこの場合“引き上げた”と言う方が的確でしょうか、つまり芸術は全ての人が楽しむ権利を持っているということがベルイマン思想の根底にあることがじゅうぶんに伺われます。クローズアップの多用はオペラグラスで観た視点ということかもしれませんが、映画だけが持つ視点でもあり、真上から、あるいは真後ろからの視点という劇中劇でありながらも演劇には不可能で映画では可能な視点の提供は「これは映画である」という主張のような気がしました。とにかく「映画」と「オペラ」を楽しみました。
[映画館(字幕)] 7点(2007-03-12 16:24:48)
75.  ガントレット
そこまで撃つ必要があるのか?この映画にとって物語とは、ただ車が蜂の巣にされるために、家が家でなくなるくらいに銃弾を浴びるために、傷つきながらもゆっくりと前進するバスを見せるために存在する。だから撃つ必要があるのだ。必要があるというよりそれが前提なのだ。だからなぜ狙われるのかとかどうしてそこまでとか、そんなことはどうでもよくて、ただ銃撃の凄まじさを見て、個を軽んじられた男が奮起する姿を見て女といっしょにしびれればそれでいいのだ。おっぱいはオマケなのだ。でもオマケも捨て難いのだ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-12-15 15:23:38)(笑:1票) (良:1票)
76.  荒野のストレンジャー 《ネタバレ》 
湖畔に建つ小さな町の、今の新興住宅を思わせる西部劇には不似合いな装いがまず異様さを漂わせる。近くの墓を通ってこの町にやってくる謎のガンマン。異様さを際立たせるオープニングからすでに地獄への伏線が張り巡らされる。富と秩序を守る体制に正義はなかった。イーストウッドは自らを人智を超えた存在に変え、正義の鉄槌を怒りを伴い振り下ろす。無法者と戦う西部劇ではない。人間を超越した者、つまりは神の制裁を描いた、ただ舞台が西部であるだけの物語。正義は個人の中にある。イーストウッドの西部劇の根底に流れるものの源流が垣間見れる。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-14 13:02:51)
77.  オーメン(1976)
子供の頃はテレビで放映するたびに見ていた。学校では頭にマジックで666と書いて「うわぁ~、ダミアンや~!」とはしゃいでたことを覚えている。当時は二日遅く生んでくれた母にひっそりと感謝したもんだ。要するに私の中では一世を風靡した映画である。怖いのは苦手なのだが、おそらくこの映画は面白いのだ。今風に言うとこわおもろい?いや、ちょっと違うか。 首がひっくりかえるとか、死人が蘇って襲ってくるとか、怖くて見られないようなシーンがないから全部見ちゃうのだ。映し出されるのは自殺だとか事故であってその一つ一つは悲惨な日常のひとコマでしかないもの。それらを関連付けるストーリー展開と、目のアップだとか山犬がじっとこちらを伺う姿だとかという悪を彷彿させる画のモンタージュによって、シーンの怖さではなく見終えた後に初めて「あ~怖かった」となる怖さを持っているのです。だから怖い映画なのに何度でも見ることができるのだ。あ~怖かった。
[DVD(字幕)] 7点(2006-11-17 13:54:00)(笑:1票) (良:1票)
78.  ルシアンの青春 《ネタバレ》 
人として成熟していないある時期というのは、深い考えなしで平気で生き物を傷つけたりするものである。そしてその一方で権力というものに人一倍憧れるものであると思う。家では親、学校では先生という権力の下に常に身を置いているわけだから当然だと思う。そんな時期に、レジスタンスもゲシュタポもよく知らない状態で、暗黒の時代に翻弄されるがままに落ちていったルシアンを誰が責めることが出来ようか。少年ルシアンの青春はとてつもなく哀しい。ナチズムだとかファシズムだとかというのは、誰もが経験するある意味残酷性を持った少年期の思想そのものかもしれない。そんなことを思った映画であると同時に『さよなら子供たち』以上のルイ・マル監督の懺悔を感じた。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-02-24 15:33:18)
79.  好奇心 《ネタバレ》 
非常にここでの評価が悪いのですが、私は大好きです。さまざまなジャンルの作品を作るルイ・マルですが、彼の作品で描かれる子供たちは皆がそれぞれ悩みや欲望を抱えて生きており、その丁寧な人格描写は「子供」としてではなく「人間」としてちゃんと描いていることの証明でもあり、そのことによって子供たちは皆、色々な作品の中でその作風とは関係無くものすごく人間くさくて魅力的なのです。この作品の主人公の思春期真っ最中の少年の描写もまた、「子供」という枠にとらわれない行動と心理を見事に描ききっている。そしてこの作品の最も衝撃的なところは近親相姦ではなく、近親相姦をこんなにもあっけらかんと描いたことにつきる。その行為はまさに青春の1ページとして家族の笑い声の中に消えてゆく。よく貴族の退廃を描いたものに近親相姦が描かれたりするけど、ルイ・マル自身貴族ではなかったけどけっこうな富裕層であったらしく、近親相姦自体に我々ほどの嫌悪感を持っていないのでしょうね。あっけらかんとした明るさを持った貴族階級の人たちを描いた『五月のミル』を思い出した。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-02-22 15:05:21)
80.  さすらい(1976)
ワゴン車の窓からの景色が通りすぎてゆく。ガラスに映る景色もミラーに映る景色も時間とともに通りすぎてゆく。誰からも束縛されず、日々淡々と仕事をこなしながら長距離移動していく男と離婚をしてもそこから前へ進めない男。時が止まっているかのような二人の男の行く先々は、時の流れを象徴するものばかり。既に使われていない工場、誰も住まない男の生家、使用済みの国境見張り小屋、そして寂れた映画館、、。二人の男は気づいてゆく。変わらないと思っていたものが変わることを。いつまでも続くと思っていたものが終わることを。ワゴン車と列車にわかれ、去って行く途中、二人は一度交差してまた離れてゆく。心のどこかで長くて退屈だと思っていた映画に対し、終わらないでほしいという想いが込み上げる瞬間。離れてゆく二人から目をそらさないことで自分も少し変われたような気がするのは大袈裟、、、ですよね。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-24 15:47:17)
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