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ころりさんさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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61.  ザ・ハント(2020) 《ネタバレ》 
あんまり褒めたくないけど、よくできてる不思議な映画。鑑賞中の感想はずっっと「感じ悪い〜」だった。登場人物ではなく、この映画の製作者に対して。脚本のデイモン・リンデロフは、最近だとHBOドラマ版『ウォッチメン』で人種問題を大胆に取り入れたことで知った人。しかし、白人至上主義を叩いた『ウォッチメン』とは対象的に、この映画でカリカチュア化されるのは、リベラルのエリートたち。その人間的なクソっぷりは冒頭から炸裂し、トランプ支持者っぽい登場人物をユーモラスでグロい方法で殺戮する序盤は、もう何をどう考えればいいのやら、という感じだった。この映画の「イヤ〜」な感じの正体は、たぶん、リベラルっぽい人たちもトランプ支持者っぽい人たちも、その描き方が、メディア(とくに敵対する陣営)が描く相手のステレオタイプ的なイメージそのものであることだ。それぞれの「典型的なイメージ」を実体化して見せ、その人たちが殺し合う様を「コメディ」として見せてること自体が、たいへん気持ち悪く、感じ悪い。そのなかで一人超然とした立場にある主人公は、くだらない殺し合いを安全地帯から眺めている「私たち」とも重なる。それは、昨年の大統領選挙の前後、面白おかしくアメリカの政治混乱を眺めていた「私たち」にも重なる。  ただ、その構図の気持ち悪さに耐えられなくなってきたとき、ラスボスであるヒラリー・スワンクが語る「真相」にはちょっと唸った。なるほど、これは単なる感じ悪いメディア・イメージの戦争であるだけでなく、そのメディア・イメージがいかに現実を作ってしまうのかを描いた一作だったのだ。見終わった後、誰かと語りたくなるものの、語る内容によってはその人との関係にも影響がありそうな点も含めて「劇薬注意」という作品でした。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-09-16 14:29:01)
62.  ヤクザと家族 The Family 《ネタバレ》 
バイオレンスと人情のヤクザ映画な前半と、没落稼業の悲哀を描いた後半で2本の作品を見たような、ちょっとお得な感じ。綾野剛、市原隼人、磯村勇人のそれぞれのハマりっぷりもよい。とくに前半と後半で別人のような市原隼人の演技の巧さに久々に唸った。開始20数分後に登場するタイトルもワクワクした。ただ難点は、藤井道人監督の前作『新聞記者』と同様に、暴対法以降のヤクザというテーマ的な新しさの反面、人間関係の描き方、とくに男女関係の描写の妙な古くささ。『新聞記者』の松阪桃李夫妻の描き方もそうだったが、本作の綾野剛と尾野真千子のロマンスは最初から最後まで「いつの時代の話だ?」というクエスチョンマークが続く。ヤクザ映画の男女関係なんてそんなもん、なのかもしれないが、新しいヤクザ映画を模索した本作だったからこそ、尾野真千子のキャラは重要だったはずなのに、なぜか「純朴」で「努力家」で「待つ女」という、いつもの「ヤクザの脇で悲劇に耐える女」でしかなかった。肝心の親分との絆も、実はそこまできちんと描かれているわけではなく、そこは古今のヤクザ映画を思い浮かべて観衆の想像で補うしかない。ラストの娘と翼が会うシーンは「いい場面」風なのだが、本編を見た身としては「おいおい、また同じ間違いを繰り返すのか、この人たちは・・」という危惧のほうが先に立ってしまう。狙いは面白く、新しいアプローチを評価したいのだが、肝心の映画として台詞や演出の古くささが目立って微妙な印象というあたりも、『新聞記者』と同じだった。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-09-09 09:10:43)(良:1票)
63.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》 
夏休みということで久々に家族で映画館。細田監督作品はあまり好みではないのだけれど、家族が見たいというので付き添い。細田さん、人の気持ちの襞を丁寧に描くのが苦手な割には妙に「重い」家族問題を持ち込みたがるのが気になっているのだけれど、今作も冒頭から少女が母親を失うエピソードで始まり、後半には虐待話まで絡んでくる。でも予想どおりというか、その重さを背負い切れておらず、むしろ物語を進めるためのコマっぽくなっているのが不愉快である。夏休みのファミリームービーで虐待を扱うっていうことの意味とか、わかってるんだろうか。少女が「1人」で助けに行くとか、無茶苦茶な展開で専門家の助言とかもちゃんと反映されているようにも見えない。あの兄弟のその先もちゃんと描かれているようにも見えず、重いのに「いい話」に落とし込む感じも不愉快だ。だいたい、ラストの兄にあんな台詞を言わせる脚本に、虐待問題について語る資格なんてないだろう。もう彼は十分にがんばったし、闘ったんだよ。これ以上どうしろというんだよ。浅はかに「感動」に持って行こうとする脚本は思い出すだけで腹が立つ。  仮想空間シーンで『美女と野獣』そのままの展開になるのも意味がわからないし(エンドロールの最後に延々名前が出てきたテレビ局関係者から「美女と野獣っぽいの入れましょうよ」と無理な入れ知恵でもされたのではないかと勘ぐるくらい・・・)、Amazonプライムの『ボーイズ』を思わせるスポンサー付き極悪ヒーローキャラもまったく新鮮味はない。ベルが竜に入れ込む過程もよくわかんないし、そんなわけで唯一よかったのはベルが歌う楽曲。でもこれもオリジナリティがあったのは最初の『U』くらい。冒頭10分だけは楽曲・歌声・クジラのビジュアルに引き込まれた。ただ、それだけの作品だった。
[映画館(邦画)] 2点(2021-07-22 23:23:20)(良:3票)
64.  TENET テネット 《ネタバレ》 
たぶん少なくともあと1回見るけど、やっぱりレビューは初見時の気持ちが大事ということで、1回見た状態&しかもNetflixでの鑑賞という条件でのレビューです。まず、難解という前評判を聞きすぎたこともあるのか、最初の印象は「確かにわからないが、これはわからなくても面白いやつ」だということ。なんか順行と逆行が入り乱れたシーンとかでなんじゃこりゃーってなりながら、飛行機もカーチェイスもラストのドカンも、その時間のごちゃごちゃをうまくサスペンスに昇華してる。「わからないけど楽しい!」っていう気持ちって、映画を見る上で結構大切なんじゃないかな、と思った次第。思えば小さい時に初めてみたスターウォーズだってガンダムだって、実はストーリーとかよくわかってなかったけど、「楽しい、かっこいい」という気持ちで見てたのを思い出した。そういう原初的経験を何十年も映画を見た後に体験できるとは思わなかった。難をいえば、やっぱり映画館で観たかったか。それなりに大画面と音響の環境で見たけど、そりゃー映画館にはかなわない。一方の難点は、ノーランの映画にはいつも同じことを言ってると思うけど、アクション自体の面白さ不足。絵としての奇抜さと新鮮さはあっても、アクションとしてのワクワクがやっぱり足りない。まあでも、個人的には完全にNGだった『ダンケルク』の後に、これだけ「面白いやつ」を繰り出してくるあたり、やっぱり侮れないし、これからもノーランの新作には注目し続けることになりそう。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-27 18:24:10)
65.  ノマドランド 《ネタバレ》 
2020年を代表する作品なのは間違いない。ほぼ全編出づっぱりのフランシス・マクドーマンドは、『ファーゴ』とも『スリービルボード』とも異なる、静かだけれど、人付き合いがよく、でも何かが欠落している人物像を見事に演じきった。ホンモノのノマド生活者のキャストもみな個性的で魅力的だ。クロエ・ジャオ監督は市井の貧しい高齢者たちをとてもチャーミングに、そしてそこにある人間としての芯の強さをしっかりと表現している。そして、素晴らしいアメリカの「ハートランド」の風景。砂漠も荒れ地も山も海岸もどれも本当に美しい。前は年に1度は行っていたアメリカの風景だが、コロナ禍ですっかりご無沙汰になったせいもあって、その見事な映像を見るだけで涙が出そうになる。きっと、コロナ禍で移動がままならないなか、この映画の風景描写に救われたアメリカ人も多かったのではないかな。だからこそのオスカー獲得は見事。地味とかなんとか言われるが、今年この映画が受賞したことには、「アジア系女性初」みたいな意味ではなく、もっともっと大きな意味がある。  ただ同時に、釈然としない思いがあるのも確かだ。それはやっぱりこの映画が描く現代資本主義への切り込みの弱さだ。もちろん、ケン・ローチになる必要はない。ラストの「消えた町」の風景に批判精神がないわけではない。それでも、たとえば、アメリカの医療保険をめぐる問題について少し知識があれば、この高齢者の生活がちょっとした病気や怪我であっというまに成り立たなくなる儚いものであることはすぐにわかる。だから大病後にノマド生活をするスワンキーのエピソードが現実から遊離した「夢物語」であることに、何か大事なことをごまかされているような気持ちになる。ノマドのコミュニティの人種構成も気になる。先住民らしい女性はいるけれど、そうした人種的な重層性を排したところに成立した世界に「フロンティア」を見出す視線も、すんなりと受け入れ難いものがある。寓話であることはわかっている。あえて踏み込まないミニマルな世界観こそがクロエ・ジャオ監督の真骨頂なのかもしれないが、それは、いろんなものの歪みが噴出した2021年に、僕が見たかったものとは少し違っていたようだ。
[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2021-05-06 00:22:56)(良:1票)
66.  ミナリ 《ネタバレ》 
思ったよりも手強い映画でした。移民の成功物語では定番の周囲からの差別の問題や世代間のギャップみたいな話は出て来ず、主人公はひたすら「大地」と戦い、妻は信仰と夫への不信のあいだで揺れ動き、息子とおばあちゃんが少しずつ心を通わせる。息子とおばあちゃんのパートはハートウォーミングで楽しいのだけれど、それ以外は妙にストイックで劇的とはいえない描写が積み重ねられ、最後にたどり着いたのは、積み上げてきたものが崩れることで、バラバラになりかけた家族がかろうじて形を取り戻した、という話。ある意味、あのラストからが本当の「移民物語」のスタートだったのかなとは思うけれど、多用される宗教的メタファーをはじめ、たいへんに知的なドラマであったのだろうと思います(が、自分には響く部分は少なかった・・・)。個人的には、ポール・トーマス・アンダーソンの『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に近い手触りの映画。見るときの調子や気分にも左右されそうだけれど、万人にわかりやすい映画でないのは確か。
[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2021-05-04 08:28:51)
67.  ワンダーウーマン 1984 《ネタバレ》 
前作は難点もあるけれど、ガル・ガドットが動いて戦うだけで魅力的な映画だった。近年にはない新しい女性ヒーローものとして、主演女優の素材をこれ以上ないほど活かしきった一作でした。そして、監督も俳優陣も続投で期待の続編、結果的には前作の悪かったところが増幅し、ガル・ガドットの魅力すら霞んでしまうような出来だった。前作でも気になったテンポの悪さ、ストーリーテリングのまずさ。最近のヒーローもの(とくにマーベル)は話運びが効率的で上手いものが多いので、パティ・ジェンキンス監督の手腕に大きな疑問符が付いてしまう。アクションシーンも少なめで、だいたい予告編で見た以上のものはでてこない。前作のような暗がりばかりではなくなったものの、CGによるキャラの動きのぎこちなさは、ここ数年で格段に進化・深化したアクション演出と比べるとその鈍重さが際立つ(シャーリーズ・セロンが別格なのかもしれないが、「女性アクションだから」という言い訳はこの作品自体の意義に関わる問題だ)。そして、1980年代描写の中途半端さ。前大統領を思わせるマックスのキャラ設定やスティーヴの着替えシーンくらいでしか物語的には絡んでこない。この点では、ニューオーダーの「Blue Mondey」をフィーチャーした予告編が最高だっただけに、期待外れもいいところだった。もしかしたら、ストーリーやアクションの緩さも含めての80年代モチーフだったのかもとも思いましたが、だとしてもNetflixの『ストレンジャー・シングス』があれだけ面白かったんだから、この作品の不出来を1980年代のせいにするのはアンフェアだ。そして、最悪だと思ったのは、「取り消し」できてしまうという設定。この作品には「責任」という概念はないのか。間違った選択をしてしまっても「取り消し」できない、というのが人生なのに。「真実」も大事だけど「責任」だって大事だよ。核戦争寸前までいったのに「取り消し」たので元の世界にもどりました・・・って夢オチよりも酷いんじゃないか。新作の娯楽大作映画に飢えていた状態だったので、デジタル配信が始まってすぐに見たものの、とにかく残念の一言でした。
[インターネット(字幕)] 3点(2021-03-06 00:27:35)(良:1票)
68.  花束みたいな恋をした 《ネタバレ》 
なんとなく、この映画は映画館で見た方がいい、という思いに駆られ、本当に久々(ほぼ1年ぶり)の映画館での鑑賞。休日午前の映画館は、若い女性2人組、カップル、そして4〜5人くらいの若者グループがメインで、その隙間に中年くらいの男性や女性が1人で見に来ていて(私もその1人)、まずまずの入りでした。上映前、普段まず見に来ないタイプの映画の予告編(すべて邦画と韓国映画)が立て続けに流れ、少しアウェイ感を感じる。  映画の序盤、目立たないタイプの麦と絹が、文化系ネタでの共通点を次々と見つけていく過程は(実際に登場する作家やアーティストはわからないものも多いながら)とても楽しい。あの長い一晩を2人とともに過ごし、互いに相手を「運命だ」と感じていくプロセスをすぐ隣でみているような気分になる(この流れは同じ坂元脚本のドラマ『最高の離婚』を思い出します。あっちはむしろ「違った」2人の遭遇でしたが・・・)。しかも、そのきっかけに世代関係なく2人の共振ぶりを実感できる押井守を持ってきた絶妙な設定! しかし、就職活動あたりから2人のバランスは崩れはじめ、麦の夢が行き詰まったあたりから大きな溝が生まれ、そうなればお互いの小さな努力やがんばりも空しく、決定的に瓦解していく。もともと『アニー・ホール』から『(500)日のサマー』『マリッジ・ストーリー』までこの手の恋愛プロセス映画が好きな私は、とくに中盤以降はどこか冷めた視点でみてしまい、いずれ来るであろう「修羅場な口論」シーンを期待(?)して待っていただけに、自分の感情をぶつけるよりも先に状況を「読み」、自分で結論を出してしまう2人に、やや消化不良な印象が否めませんでした。そして、物語の顛末も、鮮やか過ぎるラストも相まってさわやかな後味が先に来てしまい、もっと苦みを・・・と思ってしまいました。  ただ、映画上映後、クレジットが終わり会場が明るくなっても、みな席を立とうとしない。いつも映画館を最後のほうに去る私が、なんと一番最初に席を立っていた。それだけ、当日映画館にいた若い人たちには「刺さっていた」模様。やっぱり映画館で観たのは正解でした。そうか、彼らにとっては、この描写や台詞が「リアル」であり、「切実」だったのだ。残念ながら、この作品は「私の映画」ではなかったけれど、ここにいた人たちにとっては、この後もしばらく引きずりつづける1本になったのだろうな。そういう現場に立ち会えるのも映画館の醍醐味だったことも思い出しました。
[映画館(邦画)] 6点(2021-02-25 22:12:47)
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