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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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61.  夜ごとの美女 《ネタバレ》 
街灯が灯る夜更けに聞こえてくるのはピアノの音色。気持ち良く聞いている者もいるのですが、それを不快に感じる人たちが出てきます。バイクの修理をする彼らには、どうやらピアノの音は騒音であるらしく、クラクションを鳴らして邪魔をする。 この一幕で、人が変われば物事の捉え方も変わり、どんな人も皆、自分本位に物事を考えるものなんだということを気づかせてくれ、またそれは画面を見、ピアノの音に聞き入っていた自分さえも同様なんだと思い知らされます。 良い映画は最初の10分でわかる。これは自分が勝手に思っている法則ですが、この監督の音に対するこだわりの一片が見れたようでかなり嬉しくなってしまいました。 一番の注目ポイントは、郵便を届けに来た配達員とのやり取りのシーンや、会話を窓越しに映して会話の内容を観る側の想像に委ねるところでしょう。特に後者はヒッチコックの専売特許とばかり思っていただけに、これはちょっとビックリでした。 さて、ストーリーですが、これは非常に軽快かつ愉快なコメディ。 主人公クロードの近くにいるおじいちゃんが、昔は良かった・・・とぼやいて、手にしている新聞など(その時代によって持っているものが違う)を投げ捨て、どんどん時代をさかのぼってゆく。そこで出会う女性に恋をして・・・というのは、ジェラール・フィリップの十八番なストーリーですね。最後の方の、原始時代までさかのぼってくる頃になると、もう何が何だか訳わかんなくなってきますが、このハチャメチャ感がイイです。 夢の先々で出会う3人の女性は、実は現実の世界にも存在しているのに何故かそれに気がつかないのが面白いところで、最終的にはその中の1人と結ばれますが、個人的には彼のキャラらしく3人全員と結ばれるか、全員にフラレるかにして欲しかった(笑)。けど、クロードを取り巻く周りの人間がみんな暖かくて、みんなで大団円を迎えられたのがこの映画を楽しめた一番のポイントだったと思います。 あと、アラブ姫を演じたジーナ・ロロブリジーダは本当にハマリ役ですね(彼女はそういう役ばっかり^^)。自分も彼女に1票!
[映画館(字幕)] 8点(2008-02-13 00:59:20)
62.  フレンチ・カンカン 《ネタバレ》 
自分は映画に関しては素人同然ですが、エラソーな事を言わせてもらうと“良い映画は最初の10分でわかる”と断言したい(その逆もまた然り、ですが・・・)。うまく説明できないけど、最初のギャバンの登場シーンやらローラやら口笛やらが最高に良かった。この映画はここには書き尽くせないくらい見どころが多くて本当に困ってしまうのですが、まず、この映画が有する微妙なコメディの要素に注目。となりのカフェでお茶をしていたカップルは初めからカップルでいたわけではなく“白い女王”をダイナマイトで爆破したときの衝撃がきっかけでくっついてしまい、そのままずっと最後まで一緒にいて、事あるごとに登場するっていうのが、本当にチョットなんだけど微笑ましくて妙に面白いのです。また、ニニとその友達との会話で「芸人って身を任せなきゃダメなのよ。」「初めての人はポーロって決めてたのよ。まだ時間もあるわ。」と言うなり、ポーロのところに駆けていったシーンなんかはふき出しちゃうくらい笑えます。そのすぐ後、ニニがポーロの店に行っておじさんがいないのを確認すると、目配せだけでポーロのことを誘うシーンがありますが、あのシーンに完全にヤラレました!今どき、あんなキュートでロマンティックな誘い方をする女性はいないでしょう。 そして、何と言ってもラストのカンカンシーン。少し前までしょげていたニニの別人のようなあの笑顔にビックリ!これぞプロ魂。プロ根性でしょう。ダンサーの登場シーンのゾクゾクするほどの高揚感もさることながら、これでもかと言わんばかりのカンカンの連続に感動です!このように、映画のクライマックスをきちっと作り、観客を楽しませようとするエンターテイナーとしての心意気に感激しました。 これは、プロのエンターテイナーによるプロのエンターテイナーの映画です。当然10点。
[映画館(字幕)] 10点(2008-02-11 13:41:38)(良:1票)
63.  あこがれ (1958) 《ネタバレ》 
あこがれて、その対象を傷つける・・・。なんて大人気ないんだろうって思っても、大人じゃないから仕方ないのだけど。けど、相手が傷ついたことが判って初めて大人になっていくわけで、苦い思い出かもしれないけれどとても貴重な経験。 ナレーションが大人の声であることから、この映画は恐らくはトリュフォー自身の懐古なんだろうなと思う。 うまくコメントできそうにないけど、自分が小学校低学年の時に募金活動をしていた時の、中学生くらいの“お姉さん”の胸元に赤い羽根を刺すときのあのドキドキ感が舞い戻って来るような、そんなどこか懐かしい映画。(感想になっとらんがな!)
[ビデオ(字幕)] 7点(2007-12-02 22:40:58)
64.  大人は判ってくれない 《ネタバレ》 
子供大大大好き!な自分としては、これはもう、堪らない一本。 授業中に先生の目を盗んでイタズラをしたり、学校の外に出て走っているときにみんな後ろから少しずつ逃走しちゃったり、お母さんを死んだことにしちゃったり、カーテンの中に隠れたり・・・っていうのは本当に微笑ましい限り(実は自分も、身内に不幸があったことにして学校をサボろうとしたことがあります^^)。 しかし、最初のころのイタズラ程度の悪さだったら大人に怒られるだけで済むものだけど、盗みを働くほどの悪さになってくると、徐々にサスペンス色を帯びてくる。ここまでくると、もう序盤のような微笑ましさはとうになくなってきて、牢屋の中でタートルネックの襟を口まで上げて大人しくなってしまったドワネル少年の表情は凄く切なくて、護送車の中での彼の涙にはこっちまで涙が出てきてしまう。 鑑別所を脱走し、ひたすら走り続ける少年は見ていてとても辛い。海に出た少年を映すカメラが描く開放感は、同時に強烈な孤独感をも描き出す。冬の海の何と寂しいことだろうか。ここまで印象深いラストはそうはお目にかかれない。
[映画館(字幕)] 8点(2007-11-10 19:29:51)
65.  危険な関係(1959) 《ネタバレ》 
セシル役のジャンヌ・ヴァレリーも、アネット・ヴァディムも最高に綺麗なんだけど、この夫婦のやりたいことがちょっとわかりにくかったなぁ。 チェス盤に文字を浮かび上がらせるオープニングクレジットもオシャレで良かったし、椅子の隙間からのカットとか、人が通った時の影を境に瞬時にズームに切り替えたりといった映像面での工夫が随所に見てとれたのも好印象。 最後の教義的な終わり方はいいと思うけど、ヴァルモンの死に方とか奥さんの火傷の負い方なんかは、ちょっと呆気なさ過ぎたような気がします。  
[映画館(字幕)] 7点(2007-09-29 23:46:33)
66.  美しきセルジュ 《ネタバレ》 
まず、タイトルがよくわからない。恐らく、原題の直訳であろうと推測されるが、何故“美しい”のか、何が“美しい”のか。考察の余地が多々ありそうである。 そして、問題の最後の場面。セルジュが笑うシーンで幕が下りるが、非常に示唆に富んだ終わり方だと思う。 一般的な解釈は「セルジュに子供ができ父親になったことで開眼し、再びまっとうな人生を歩んでいこうという、希望に満ちた笑み」というものであるようだが、自分にはそうは見えなかった。 自分は「子供は無事生まれたが、母親の息絶えている姿を見て生きることに絶望し、半狂乱状態になって笑いをこぼした」と解釈した。 他にも「生まれてきた子供が先天性の奇形児で、繰り返される悲劇に絶望し、半狂乱状態になって・・・」など、いくつかの解釈が可能であると思う。 “美しき”セルジュなのだから、その意味を正しく認識して初めて、ラストの笑みの意味が解けるのではないだろうか。 また、雪道を歩いて転ぶときのカッティングや、冒頭で水をかけてセルジュを起こすのが伏線になっていたりといった面白さもあり、全体的なストーリーも決して難しいものではないのだが・・・何とも謎めいた映画であると思う。
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-29 01:39:03)
67.  いとこ同志 《ネタバレ》 
試験前日に追い込みをかけるシャルルの部屋に行ったフローランスとシャルルとの会話「あなたと一緒にいたいの」「そこに掛けてれば」「いや、あなたの側がいい」・・・。 こんな女が近くにいたら絶対ブン殴ってると思う。 そもそも「性格が正反対の男二人」という構図に飽き飽きしてきてて、ストーリーに全く面白みが感じられなかった。シャルル役のジェラール・ブランはまだ若いのに程よく渋さが出てて格好良かったっていうのと、レコードが止まる洒落たエンディングは好き。今はCDの時代だからレトロな感じがあっていいと思うけど、当時の人にとってはどうだったのかな?
[映画館(字幕)] 5点(2006-12-23 15:18:03)
68.  獅子座 《ネタバレ》 
何か、タイトルから(獅子座どうしの)美男美女の淡いラブストーリーをイメージしていたのですが、全然違う話で、いきなり胸毛ワンサカなオヤジが出てきたのでビックリしました。 最初、パーティーのシーン辺りで眠くなってきてしまったのですが、遺産が手に入らなくなってパリを徘徊する辺りから一気に目が覚めてきてストーリーにグイグイ引き込まれていきました。あの徘徊シーンは主人公の台詞もほとんどなく、ハッとするような出来事もこれといってないにもかかわらず、何故か強烈な印象を受けます。“執拗なまでに”ピエールの動きを追って、という感じではなく“ただ淡々と”もしくは“黙々と”見つめるとか、見守るといった感じに見えます。 ラストも、ピエールの豪遊しているところを出してハッピーエンドを迎えるといった安っぽいことはせず、遠目で控えめに見て、これからのピエールをちょっと心配してしまうような目つきでピエールのことを映していたように思えました。
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-14 22:43:42)
69.  夜と霧 《ネタバレ》 
ネットをやり始めたばかりの頃、不謹慎とは思いながらも、人の死体の画像を検索したことがある。結局、うまく探せなくてそのときはほとんど見られなかったが、今、この映画を観て、そのときの自分の行為の愚かさを思い知った。 感想が上手く書けそうにないけれど、アラン・レネが戦争の悲劇を記録し、世に伝え、残したいという願いは確実に自分の心の中に入ってきた。 この映画の中のいくつもの無数の死体はみんな痩せ細っていて、目を見開いたままの死体や、頭だけが切られて山積みになっているのもあり、とても正視できるようなものではなかった。しかし、それとは対照に、最後の方で建物からぞろぞろと出てきた女達がみんな肥えていて、いかにも健康そうな体つきをしていたのが印象的だった。
[映画館(字幕)] 6点(2006-12-14 20:50:00)
70.  カビリアの夜 《ネタバレ》 
ジュリエッタ・マシーナ扮するカビリアの、娼婦生活から足を洗おうとする一生懸命な姿、特に、教会で涙する彼女の姿に心打たれました。 一歩一歩順調に階段を上がっていくなぁと思いながら見ていると・・・やられました。このまま上手くいくはずなんてないとは思っていながらもあのラストですからね。衝撃でした。 フランソワ・ペリエの目のドアップのワンカットなんかを見ると、“映像の力”ってやっぱりあるよなぁ~って思います。 エンディングのワンシーンもジュリエッタ・マシーナだからこそあのように望みあるエンディングを迎えられるわけで。こういうのって彼女の発するオーラですよね。 けど、何回聞いても“カリビア”って言っちゃうんだよなぁ。是非、また観ます。*
[映画館(字幕)] 7点(2006-12-03 05:31:37)(良:1票)
71.  巴里の空の下セーヌは流れる 《ネタバレ》 
普通のオムニバスと違い、複数の人物の一日の行動を同時並行で描くことによってストーリーが展開していきます。 この映画に出てくる話というのは、当時のフランス、パリではごく普通にある事のたとえなのだと思う。 猫にやるミルクがないほど貧しい人がいたり、ちょっと頭のオカシイ人がナイフを振り回したり、家出をする子供がいたり、労働条件で反発している会社があったり、パリでは撮影は日常のありふれた光景なのだろう。また、文通は誰でもやっていることだし、身障者を街中で見かけるというのも特に珍しくはないんだろうなと思う。 一人一人の行動にさほど興味を引かれるということはないが、つまらなく感じたり飽きてきたりということはなかった。 最後は、全員がハッピーエンド、若しくは普通のありふれた日常のまま終わってもらいたかったが、全ての人が皆幸せになれるとは限らない、という監督からのメッセージなのだと思う。けど、心臓の鼓動と共に夜明けを迎えるという、パリという都市の力強さを表したところが希望に溢れるようでいて、良かった。
[映画館(字幕)] 6点(2006-07-13 00:04:06)
72.  顔のない眼 《ネタバレ》 
まず、クリスティアンヌの仮面を外した顔を出さないのがいい。それによって、見る側の想像力を駆り立て、より恐怖心が増すように描いたのが功を奏したのだと思う。 そして、この映画一番の注目ポイントは、何といっても女優エディット・スコブの天才的な演技力であると断言したい。眼の動きと立ち振る舞いだけで心に傷を負った少女の心情を完璧に表現し切っている!ここまで演じられる役者はそうはいない。途中、素顔で演じる場面もあるのだが、この時の顔がまたそれまでにイメージしていた顔とピッタリ重なって、本当に適役というに相応しい演技だった。 全体的に面白い映画なのだが、オープニングでのやや明るい調子の音楽がマッチしていなかったのと、終盤での警察の立ち入りの場面で、実験台の女が眼を覚ましそうになっている映像をカットバックで入れればより一層の切迫感が生まれた筈だけに、惜しいと思う。 最後、手術台の女を逃がし、ルイーズを刺し、自分のために実験台になった動物たちを解放して出来る限りの罪滅ぼしをしたクリスティアンヌ。そして、彼女は森の中へ歩き出す。恐らく、自殺を図るのだろう。わずかの救いも感じられない映画だけど、こんな悲しい映画もたまにはいい。
[映画館(字幕)] 8点(2006-07-04 01:01:09)
73.  悪魔のような女(1955) 《ネタバレ》 
ヒッチコックに影響されたのか、はたまたこの映画がヒッチコックに影響を与えたのか、どちらかわからないくらい雰囲気が似ていますよね。 殺人を終えて自首しようか迷っているクリスティーナに対してそれを思い留まらせようと説得するニコールですが(これは「ロープ('48)」に似ている)、実際に毒を盛ったのも水に沈めたのも像を重石として実際に使ったのもみんなニコールなんだから、「自首してしまえば刑は軽くなるぞ~」と、いつの間にかクリスティーナに感情移入してしまい、最後のどんでん返しではクリスティーナ同様に完全にノックアウトされました。このように、騙される側の人物に感情移入させることによって観客にウラを読ませない筋書きと監督の手腕に脱帽です。 名シーンの宝庫ともいうべき本作ですが、ドアが閉まった瞬間にミッシェルのグレーの背広が老刑事の目の前に出てきて「こんな感じ?」と言うシーンが特に好きなんですけど、何かゾッとしますよね。 それと、プールの水を干した時、下からのアングルでクリスティーナが卒倒するところを映したシーンなんて芸術的じゃないでしょうか。 ニコールはあれだけ巧妙にクリスティーナをだまし、徐々に心理的に迫り、最後には心臓発作を起こすくらいまで追い込んだのですから、まさに“悪魔のような女”でしょう。 ラストで、少年が言ったセリフにいまいちピンとこないのですが、トータルで見ると映画全体でモノクロ画面のとても良い雰囲気が味わえたのと、数々の映像のテクニックに大いに魅了され、ラストのインパクトもしっかり衝撃を受けたので、久々に満足のいく映画に出会えたと思いました。
[映画館(字幕)] 8点(2006-07-02 01:27:02)
74.  しのび逢い(1954) 《ネタバレ》 
ストーリー前半までは、いつものジェラール・フィリップだなぁ~(笑)などと、楽しめたのですが、よく観てみるとただ淡々と回想をたどるだけのストーリーなので、ちょっと退屈してしまいます。他に出てきた女性達よりもパトリシアが一番綺麗だったのに、登場回数が少なかったのがやや不満。最後、車椅子に乗っているジェラール・フィリップは頭までやられちゃったのでしょうか?それでもなお、女性を目で追っているところが何とも哀れでした。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-10 23:10:51)
75.  禁じられた遊び(1952) 《ネタバレ》 
どこかで前にも書きましたが、良い映画は最初の10分でわかる。 まず、冒頭の爆弾投下の資料映像と逃げまとい阿鼻叫喚する人々のカットバックが凄い。全く違った二つの映像が何の違和感もなしに一つのフィルムとなってストーリーを形成している。また、それとは対照して、女の子の純真無垢な表情が収められ、さらに、犬や馬や牛などの動物までもが完璧に監督の思い通りに動いている。ルネ・クレマンの手にかかれば動物までもが役者と化す、とまで思うのです。 ところで、この映画って幼い男女の恋愛を描いたという風に捉えることも出来るようですが、私がこの映画の二人から感じたのは、異性に対する恋心と言うよりも兄と妹の関係で生まれる感情の方が強いような気がするのです。自分に妹がいるからかもしれませんが、自分の小さい頃ってよく妹と一緒に遊んだりして、今思えば、この映画のミシェルの様に妹のわがままをよく聞いていたような気がします(今は喧嘩ばかりですけど・・・)。だから、何となくですが、教会の十字架を取ろうとしたりっていう気持ちはわかるような感じがするし、それだけに、終盤近くの、水車小屋での少年の涙、そして、少年を暖かく見守るフクロウの瞳が強烈に印象付けられてしまいました。あれはラストシーンよりも心に焼き付いています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-02-22 00:03:48)
76.  肉体の冠 《ネタバレ》 
大工という職業柄、庶民的な顔でなければならなかったのかもしれないが、マンダ役の俳優がちょっと存在感に欠けていたように感じられた(マリー役の人は適役だったけど)。 また、マンダとマリーがお互いに惹かれ合う心理的描写もはっきりとしてなかったと思う。 序盤くらいまでは気が強い女に見えたマリーが「私のこと好き?」なんて聞いたり、結婚式を覗き見しているときや髪をおろしたときは普通に可愛く見えた。女って、一見強そうに見えてもそういう可愛らしさがどこかにあるんだなぁ・・・って思った(勘違い?)。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-02-12 22:19:14)
77.  道(1954) 《ネタバレ》 
まず、フェリーニは人間がどういうものであるか、男というものが、女というものがどういうものであるかが非常によくわかってると思った。 例えば、ザンパノとキ印のトランペットの教え方。ザンパノは、ジェルソミーナが失敗すると鞭で叩き罰を与える。罰を受けまいと努力させる方法で、犬などの動物に教えるときによくある方法。それに対し、キ印はまず褒める。どんなに下手でもとにかく褒めてジェルソミーナのやる気を呼び起こす。褒められて自信をつけたジェルソミーナはさらにやる気を出して練習に励む。どちらが正しいと言うわけではないが人間性の違いがハッキリと表れているひとコマ。 そして、修道院の納屋で一晩を過ごしたときのジェルソミーナの言った「私のこと少しは好き?」というセリフ。当然の如く、ザンパノには軽くあしらわれるのだが、どうしようもなくなってザンパノの気を引こうとしてトランペットを吹いてしまうジェルソミーナ。愛されることによって自我を確立するという、女性にありがちな性質をとても上手く描いていると思う。 そして、これまでに多くの方が指摘なさっているので今更語るほどでもないが、ラストシーンのザンパノの慟哭もこれまた男性にありがちなパターン。 終始、ジェルソミーナの仕草がとてもチャーミングで、微笑んだ顔もしょげた顔も何から何までいちいち可愛い。多少頭は弱いのかもしれないが、一緒にいたらこっちまで笑顔になってしまいそう。こういう女性も魅力的であり、当然高得点である(笑)。
[映画館(字幕)] 8点(2005-11-12 10:16:10)
78.  間違えられた男 《ネタバレ》 
この映画では、取り調べってこんなことをさせられるのかという、刑務所の中の様子を描いたドキュメンタリー映画に似た雰囲気を味わうことが出来ます。 この映画では最初にヒッチコック自身が実話だということを明かしますが、私はこの方法が正しいやり方だと思います。 というのは、この映画で出てきた数々の取り調べ方法のほとんどが観る側の人間にとってとても非日常的だからです。私も面通しなんて初めて見ましたし、店の奥まで行って引き返して戻ってくるというのも、本当にこんな取り調べの方法が実際にあるのだろうかという疑問まで浮かんできそうです。前もって実話と断りを入れておけば素直にストーリーに入り込めますが、最後まで実話だとわからないまま観ていたとしたら、何ともリアリティに欠くストーリーに思えたに違いありません。 最後はバッドエンディングで終わっちゃうのかなと思っていたら、最後に家族4人の幸せな後ろ姿で締めくくられていたのでホッとしました。あのワンカットで救われたような気がしました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-07-20 22:46:51)
79.  ぼくの伯父さん
オープニングの、看板に書かれたスタッフ紹介・ユロ伯父さんのアパート・魚とにらめっこするワンちゃんで「なんてセンスの良い映画なんだろう。こりゃぁ~期待できるぞ~」とウキウキしながら見ていたのも最初だけ。30分で飽きてきました。 登場人物のセリフを極力減らし、サイレントの映画のようにパントマイムだけでストーリーが展開していくのは好印象なのですが、どうも、ギャグがつまらない。ユロ伯父さんの余りの間抜けぶりに、正直のところ見ていてイライラしてしまいました。 シーン一つ一つのセンスのよさは私も気に入ってしまいましたが、この映画の中の大人達のダメ人間ぶりがとてもじゃないけど見るに耐えないのです。この映画の登場人物を見て、ほんわかとした温かみを感じたりほのぼのとした気分になるなんて絶対無理。 けど、ギャグがチャップリンみたいに面白ければこの映画のハイセンスな映像にマッチしないだろうと思うので、やっぱりこのくらいのレベルの笑いがちょうど合っているような気がしました。
[映画館(字幕)] 5点(2005-05-21 01:41:19)
80.  ライムライト 《ネタバレ》 
1952年公開の、チャップリンが60過ぎに撮ったかなり後期の映画、という程度の予備知識しかない状態で観てみました。 序盤からギャグがつまらない。寒いネタばかり。ノミだのイワシだの、ハッキリ言ってどうでもいいネタが多すぎて、カルヴェロを演じてるのは本当にチャップリンなのかという疑問すら浮かんできてしまい、半分呆れたままボーっと観ていたのですが、どうも様子がおかしい。やけに臭いセリフがたくさん出てきている・・・。どこかで聞いたことのあるセリフなんだけど・・・。そうだ!そう言えば、この臭いセリフって、チャップリンがこれまでの数々の作品の中で言わんとしてきたことばかりだ!と気づいてからは、どんどんストーリーに引きこまれていってしまいました。そうか、これはチャップリン映画の集大成なんだ!とわかると前半の寒いギャグにも十分頷けます。ここまでわかってくるとこの映画が作られたのが1952年ということも、この映画をより深く理解できる要因になってきます。 時代はサイレントからトーキーに移行していき、自分の持ち味であるパントマイムを駆使した作品は廃れていってしまい、まさにこれは劇中のカルヴェロの寒いギャグのよう。当時の観客は時代の先端を行くトーキー映画にどんどん客を奪われ、実際のチャップリンもかつての人気もどこへやらという状況だったのかもしれません。だからこそ泣けてくる。テリーが舞台の上を華麗に舞う姿も美しすぎて泣けてくる。舞台の上を華麗に舞うテリーとそれを見守るカルヴェロ。それは、新時代をいくトーキーと、トーキーに映画の未来を託しさらなる発展を願うサイレント時代を駆け抜けてきたチャップリンの姿を描いたものだったのかもしれません。 最後の、カルヴェロに布をかぶせるシーンはもう、チャップリンならではの完全なサイレントのワンシーンです。テリーが華やかな音楽にあわせて華麗に踊っている背後で、医者の動きだけでカルヴェロの状態を知らしめるというサイレント映画ならではの表現方法。やっぱり、映画の基本はサイレントなんだなぁと実感した瞬間でした。傑作!
[映画館(字幕)] 9点(2005-05-13 22:38:21)
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