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61.  男はつらいよ 寅次郎忘れな草 《ネタバレ》 
 歴代マドンナNo.1の呼び声高い、リリー松岡・浅丘ルリ子の登場回。美しいことももちろんだが、寅さんと一番心通っていたマドンナなのだろう。物語も他作に見られるような、前半の寅の騒動とマドンナの話との断絶感が薄く、綺麗にまとまっている。  ただ、あれだけ独り身の女の不幸感を醸していたのに、最後にあっさり旦那と店を構える展開に、腰砕けの感あり。   ちなみに、この二人を見ていると、(もちろん歌のほうが後発だが)中島みゆきの『二人は』という曲を思い出してしまう。
[DVD(邦画)] 8点(2014-05-15 19:52:11)
62.  男はつらいよ 望郷篇 《ネタバレ》 
 「それから考えることも地道にね、あんまり飛躍しちゃダメよ。」という、さくらの台詞が最高でした。兄を傷つけずに言える精一杯の表現なのだろう。長山藍子の存在を知った時の表情といい、所帯を持つかもしれないという兄の電話を受けた時の表情といい、この人は寅の宿命を理解している。とら家の誰もがわかっていない兄の悲しみを知っている妹。  二作目、三作目と若干影薄かったが、やはりこの妹がちゃんと物語の中で生きていないと、男はつらいよという映画はダメなんだと再確認した気がする。
[DVD(邦画)] 8点(2014-05-12 17:19:17)(良:1票)
63.  テキサスの五人の仲間 《ネタバレ》 
 まんまとやられた。こういうので「俺は騙されなかった」などと嘯く人がたまにいるが、ダマされるのが正しい見方、存分に味わったという事だ。   正直、途中でこれはコン・ゲームなのでは?と思った瞬間もあったが、銀行の展開以降、やっぱりこれは夫を信じる妻の話なのだと考え直し、結局すっかりやられてしまった。  そう思わせる演出が実に見事で、あのまま、良き妻の物語として終わっても良かったと思うほどだ。   こういったものの多くは、最後のどんでん返しで「気持ちよくダマされた」感があるのが常だと思うが、この物語はそこまでの話が良すぎて、却って「気持ちよさ」がダウンしてしまうのが残念でもある。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-30 14:12:43)
64.  メッセンジャー(1999) 《ネタバレ》 
 かつて23区以内なら、大抵のところは自転車で行っていた自転車乗りの自分としては、大変痛快で面白い映画であった。  公開当時、銀座に自転車で映画を見に行く人はあまりいなかったと思うが、これの公開後に俄かに自転車が増えた。メッセンジャー効果なのかなぁと思っていた。  そんなことを思い出しながら、見た。   バイク便側は、ハッキリと「悪役」の性格付けがされており、自転車便が勝利するストーリーが単純だがキモチイイ。  金とブランドに物言わせてた女が、バブル崩壊後に金と機械に物言わせてる連中に決別して、カラダ一つで勝利するという、実に望ましいストーリーだ。  実際にこういう仕事は、肉体的経済的にかなりキツイものだと思うが、明るくさわやかなテイストで描かれており、ちょっとやってみたいかも、なんて思わせる魅力が表現されていた。   そして、飯島直子の決意を表現している、スカートビリッがたまりません。   ちなみに、あの近道で実際に頭ぶつけると、しばらく起き上がれないほど痛い、という事を知っている人は結構いるんじゃないだろうか?
[DVD(邦画)] 8点(2014-03-26 01:17:17)
65.  真夏の方程式 《ネタバレ》 
 他のテレビドラマの映画化で、シリーズの方向性と違うなどと批判しておいて、迂闊だったと反省する。このガリレオシリーズの映画版は、科学を応用したトリックを暴くという事が主眼のテレビシリーズとは違い「情」というモノを、めいっぱい見せてくれていて、それが感動的に受け入れられる良い映画版シリーズになっていると思うからだ。   事件のトリック的には、たいして驚きも何もないばかりか前作映画よりもガッカリであるが、それがもたらす物語が秀逸。  娘を守ろうとした二人の父の話にも感涙させられるが、「人生を捻じ曲げられようとしている者」が少年の事だというTVでは見られない湯川の感性。それに対しての湯川の対応が「科学」というモノを教える、というのには心底感心する。それが実に、「情を持ったガリレオシリーズ」らしくてイイのである。 
[DVD(邦画)] 8点(2014-03-01 21:17:31)(良:1票)
66.  奇跡のリンゴ 《ネタバレ》 
 冒頭のリンゴのお話を見るまで、リンゴが日本に入ってきてまだ100年程しか経っていないなんて知らなかった。江戸時代の人たちはリンゴ食ってなかったのか…。と、思ったら和リンゴというのがあって、劇中最初に収穫した、無農薬リンゴのような大きさだったらしい。まあ、それはさておき。   新妻の健康を脅かす農薬を使わないために、不可能と言われていた無農薬でのリンゴ栽培を成功させる物語が、非常にオーソドックスに描かれている。  人間、長いこと苦労していると目的を見失って、何をしているのか判らなくなることもある。彼の無農薬栽培は、嫁への思いだったはずだが、それを忘れたかのように、彼女を置いて死を選ぼうとした時にはちょっと焦った。  その時に解決の手がかりを見つけるというのが、何か安っぽいTVミステリーのようだとも思ったが、これは実話らしいので世の中判らないものだ。  何年も孤立した彼が最後にたどり着いた結果が、周りとの共生でうまくいく、という話もまた実にイイ。
[DVD(邦画)] 8点(2014-02-09 17:32:56)
67.  誘拐報道 《ネタバレ》 
 公開当時既に、読売新聞社の言い訳じみた報道協定の「精神に違反していない」という言い方には、共に見た友人ともども納得できなかったが、今見てもそれは変わらない。警察がガセネタを掴まされていたり、勇み足をしていたら、この人達はどう言い訳するんだろう?   誘拐犯のショーケンが、だんだんと追い詰められていく様が実にリアル。「神は細部に宿る」などと言うのとちょっと違うかもしれないが、さらった子供を持て余して追い詰められたショーケンの、小銭のなくなる描写は見事。人を追い詰める神(あるいは悪魔)って、こういう下世話で俗な所から攻めてくるものなんだよなあ、と思う。   この犯人の焦燥と、鏡のように同様に焦燥している被害者両親の、双方の不幸を見事に描いたこの映画、「報道」をその描写ごと取り払って『誘拐』として再編集したら、より良いと思う。
[ビデオ(邦画)] 8点(2013-09-29 21:55:54)(良:1票)
68.  バニシングIN TURBO 《ネタバレ》 
 もう、も文句なしに面白い!  カーアクションの後発作品と比べるなんてナンセンス!。もちろん、これがそのジャンルの嚆矢だとは言わないが。  自動車のクラッシュなどは今のものとは比べるべくもないだろうが、何と言うかドキワク感がい今のCGと違う。いや、CGを否定するわけじゃなく、画面表現とは違う次元でのワクワク感が凄いのである。   この映画の描いているのは、価値観と権利の物語なのだと思う。  公開当時、どのくらい意識されていたのか知らないが、まるで古い日本の結婚感であるような婚約者縛りを、利用するやつ有り、応援するやつ有りで、結果的に個人の自由が勝利する展開にゴ~ル!!  実際にはそうならないだろうと40数年後の我々は思うだろうが、報道の自由と個人の自由と武力でない顛末として、この結末には現代人として拍手を送りたい。  また同時に、現代でもハッキリしない報道の権利と対象の権利の兼ね合いなども悩ましく考えさせる。
[DVD(吹替)] 8点(2013-09-04 20:05:25)
69.  遙かなる走路 《ネタバレ》 
 随分と昔、東南アジアの国へ旅行に行った時に、その国の写真フィルムを買おうと思ったら、そんな物は無いと言われ驚いたことがある。我々は大抵のものは国産品があると思っている。無いのは石油と旅客機(YS-11が現役ならなあ)くらいではないだろうか?  そう、日本人というのは、とにかく自国の物を求めるし、自国で作ろうとする。なんでも自分で作らないといられない、というモノ作り大国の気概、素晴らしや。   そんな主人公、豊田喜一郎の幼少時の自動車への興味から、工学を学び自動車を開発する過程が丁寧に描かれており、製造業に携わるものとしては、大変に面白く見られた映画である。  特に論理的・基礎的な技術と同時に、製造技術の壁も実際の製品開発には重要なファクターである話、会社というものは人々の生活を背負っているのだという事に悩む経営者の話などもまた、興味深い。  さらにこれも前の話だが、数十年ぶりに光岡自動車がメーカーとして認可されたというニュースを、不思議と思ったその訳もこれで理解できた。   完成直後の役人との密約や政治的駆け引き、とりあえず作っちまうというスタンスなど、ちょっとどうなのかと思う所もあるが、行動力と情熱の人というのは伝わってくる。   色々ともっと知りたい部分もある。シボレーのエンジンパーツと入れ替えてみるって、デッドコピーを作っているんだろうか?とか、60馬力を超えた時の原因と対策は何だったのか?とか、箱根をヒーヒー言って押しながら超えたのに、あの電報はいいのか?とか、ニッサンはライバルじゃなかったのか?とか。でも、細かいとこだから、いいのだけれど。 
[DVD(邦画)] 8点(2013-08-11 08:57:45)
70.  シュガー・ラッシュ 《ネタバレ》 
 こんなに登場人物に感情移入したのは、久しぶりであった。その世界で汚れ役を押し付けられて、当然と思われている男。それが職業であるのに、その為に忌み嫌われている男。  「神に選ばれてそれをしただけなのに、なぜユダは救われないんだ問題」である。  まあ、そんな重たいテーマでは、子供に見せられる映画にはならない。しかし、さすがディズニー映画、疎外する周りの人達を含めて、巧いこと着地させている。   私としては、ラルフが去りゲーム世界が成立しなくなったシーンが最高に小気味よい。世の中には必要悪というのがあるのだ、と思うよりは、この世に必要ない人なんていないんだ、とディズニー的に解釈したい。  しかし、多分この物語の一番の重要所であろう、フェリックスが嫌われた事を嘆き、以ってラルフの苦悩を知るところの描写が、ちょっと軽かったのではないか。  が、その後の大団円までの怒涛の展開が素晴らしい。うっかり忘れそうになっていたアレと彼女が、ラルフたちの物語に絡んできて、まさかのアレがそんな伏線になっていようとは…。つくづく、見事だった。   唯一気に入らないのは、ラルフの疎外についての結末で、物語途中でフェリックスと理解し合った描写はあるものの、他の住人たちに関しては、ほとんど描写のないことだ。「君がいないとダメなんだ」くらいの事を言わせても良かったと思うのだが。
[DVD(字幕)] 8点(2013-07-22 21:04:08)(良:1票)
71.  アラモ(1960) 《ネタバレ》 
 史実であるアラモ砦の戦いを、大胆に脚色して魅せるウエスタン大作。と言っても、アメリカの歴史などよく分かっていないのだが、おそらくクロケットがサン・アントニオに入ってから戦況が厳しくなるあたりまでは(あれ?殆どか)、創作だろう。だが、そこの所が面白い。西部劇のいろんな要素を目いっぱい詰め込んだ、「特盛り」感があり、お腹いっぱい楽しめる。上映時間が長いのは、そういった意味でのサービスの結果なのだろう。   内容的には、ヘンにアメリカの国土拡張の思惑などの政治的な部分を描かずに、男の信念と「共和国』に対する思いを、前面に出した話なのが良い。デイビー・クロケットが、子供を慈しむように共和国への思いを話すシーンは、私の大好きなシーンだ。 
[DVD(字幕)] 8点(2013-06-29 17:30:23)
72.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 
 なかなか宗教的で、我々日本人にとっては居心地の悪い結末の物語である。   最後に二通りの話を聞いた白人が、言った。「シマウマと君の母は足を骨折し、コックはハイエナで、トラは君だ」と。しかし、私は違う気がしている。船員とコックの話にはトラはいない。なぜなら、トラこそが神であり、だからこそ、そちら側が神の物語なのだと。  思えば、少年時代の「数々の神」を信じようとするエピソード、最後に神を信じない人の代表として日本人を出す為に、渡航するのに日本の船を使う事など、うまく構築されているのだと思った。   この物語で描かれようとしたのは、信じる対象としての神ではなく、いつもそばにいる神、助けてくれるばかりでなく時に厳しい神。そんなものだと思う。  確かに、聖書などを読むと、神と言うのは実によく人間を試す、ダメと思ったら簡単に滅ぼす。供物を怠れば苦しめられ、テリトリーを侵せば怒り、恩恵は共にいてくれる事だけ。付き合いずらい事この上ない。そんな相手と彼は共にいる術を身に着け始める。インドでどんな宗教を学んでも、判らなかった神と共にいる事を。  だから、主人公は最後に振り向いてほしかったのだ。共に生きた者として、相手に認められたかった。恐ろしいモノ、畏怖するものではなくなった相手に、そっちもそう思ってもらいたかった。  あゝ、神よ。私はあなたにとって何だったというのですか?創作物でよく見るこの問い掛けこそ、彼の涙の意味だったのではないだろうか?  だからと言って、この結末は不幸ではないと思う。いや逆に彼は、心委ねられるモノ・そばにいるものを実感した事による、信仰力とでもいったものを得たのだろう。あの幸せそうな家庭は、そういったものに裏打ちされている気がするのだ。   そして日本人、である。八百万の神などと言うが、日本人ほど神に対して無節操で、心の奥底でそれを信じていない国民は無い、とも言われる。  そういう事への皮肉を、自虐的に笑う事は出来るが、気持ちの良くない表現ではある。
[DVD(字幕)] 8点(2013-06-15 08:55:55)
73.  ウエスト・サイド物語(1961) 《ネタバレ》 
 私の考えている、ミュージカルの(特に作曲者の)評価基準に、音楽による世界観というのがある。その作品世界を的確・端的にあらわした音楽、そしてどの一曲をとってみても、その世界の一部であることが明白に分かる統一感。   『南太平洋』は聴いただけで潮の香りがしてくるし、『キャッツ』では忽ち月夜の猫の集会に引き込まれ、『ミス・サイゴン』では東南アジアの落日の前に喧騒の街が浮かび上がる。そう多くは無いそういった優れた楽曲の一つが、この『ウエストサイドストーリー』だ。そのプロローグで我々は、対立する不良グループのイキがった争いを目の当たりにする。  しかも、このシーンはダンスまでが一体となって、二つのグループの諍いとその緊張感を表現していた。とりわけ、彼らの小競り合いがそのままダンスになっているのは見事で、才能というものを感じさせる。   ジュリエットであるマリアがトニーと共に死なないのは、ちょっとバランスが悪い感じはするのだが、一方それにより物語の視点が「二人の悲劇」にある感じの原典よりも、二つのグループの対立に重きが置かれ、よりテーマを前面に押し出していて、それはそれで良いのかも知れない。
[DVD(字幕)] 8点(2013-05-28 19:47:27)
74.  七人の侍 《ネタバレ》 
 ちょっと長かったがその分、武士と百姓のそれぞれの事情や、いきさつなどの描写が十分で面白かった。実際の戦のシーンはちょっと長すぎる気もするが、侍たちが半分やられちゃうには、充分な時間をかけないと不自然だものな。意外だったのは、ポスターにも大きく描かれている菊千代が、大した手柄も立てずにやられちゃうことだが、これは重大な意味を持っていると、私は考えている。  ちょこっとだけ気になるのは、武士たちが村を守る事になってから、百姓たちが兵隊になるところが唐突に映る。結局は兵隊がいないと戦えないとか、自分たちで戦わなければ村は守れない、とか言うシーンはあって然るべきだと思う。   さてしかし、最後に志村喬が言ったように、本当の勝者は百姓たちだ、と言うのは興味深い。彼らは、自分たちでも少しは戦うが、戦いの主導と主戦を、侍たちに依頼している。  戦いを他人に頼んで安全を確保する。長老の知恵は、現在の日本の知恵だ。それは数百年先んじていた知恵だったのか、現在の政策が数百年遅れているのかは分からぬが、今日本は自ら侍になるべく動き出している。  菊千代の死の意味は重大と前述したが、百姓から武士になった彼のように、日本がならねばいいのだが……。
[DVD(邦画)] 8点(2013-05-21 15:00:53)
75.  黒部の太陽 《ネタバレ》 
 このダムの事は、小学校で教えられた記憶がある。日本が世界に誇るものの一つだった。本作はその前段階の工事である、トンネル掘りの話。何か話が『海峡』とダブる。  しかし、こちらのプロジェクトの原動力は「電力需要の増大」。いきなり発電所がダウンした経験を持つ今の我々には、図らずも説得力のある話になった。が、そのあたりはあまり描かれずに、現場のトンネルやたちの話が中心。   前時代的なトンネル掘りの爺さんの息子で、専門教育を受けているらしい裕次郎が、合理的な判断で工事を否定するのだが、いつの間にか工事責任者の一人になっているのが、ちょっと腑に落ちないと言える。  まあ、やることに決まったならまっしぐらに進む、というのが望ましい会社員なのかも知れないが、精神論的に物事を突き進めるというのは、日本人の悪い癖だ。  で、結局『海峡』と同様、水に悩まされる工事だが、こちらもシールドマシンでトラブル解決。なんか凄い新技術科かと思っていたが、調べてみると結構昔に開発されたものらしく、ちょっとガッカリした事は事実。  それでも、黒部の自然は美しく、難工事に挑む技術者の物語には熱くさせられる部分はあり、殊に出水シーンの迫力は凄い(ありゃ、これ前にも書いたな)ので映画としては面白い。   ところで原作ありきとは言え、この話がなぜ黒部の太陽というタイトルなのか、ちょっとわからなかったのだが、最後にトンネルが開通したシーンを見て、『黒部の風』でもよかったのではないかと思った。
[DVD(邦画)] 8点(2013-04-24 16:05:33)
76.  ひとりぼっちの二人だが 《ネタバレ》 
 このタイトルが実にいいと前から思っていた。ひとりぼっちが二人いたら、もうひとりぼっちじゃないんだという、実にあたりまえだけど、嬉しくなってくるようなタイトル。それに続く「だが」のもたらす希望。『明日に向かって撃て』級の良いタイトルだと思う。   ’62年といえば、終戦後17年。戦災孤児と言うのが、そこそこ一人前の年齢になった頃か。こういう意味のひとりぼっちの人が、町にはたくさんいたんだろうか。いたんだろうな。  そういった境遇の者が、苦しい社会を生きていくうちに昔の仲間と再会し、助け合い信じ合って生きてゆくようになる青春物語。   身を売らされそうになる芸妓やら、戦災孤児やらが登場するが、決して暗くならずに見られるのは、坂本九のキャラクタのお蔭だろう。役柄と言うより「坂本九」というキャラクタにそのまま乗っかった感じである。彼の独り舞台シーンは、まあ今実際に笑いはしないが、当時は面白いシーンだったんだろうと思わせる。  そして、まるで『ウエストサイドストーリー』の最後のシーンのように、若者たちが罪を悔いて共に歌い歩き出すシーンは、作り事めいてはいるがそれ故か、若者の歩く先の明るさを思わせる良いシーンだ。
[DVD(邦画)] 8点(2013-04-16 18:16:51)
77.  ロミオとジュリエット(1968) 《ネタバレ》 
 さて物語は古典中の古典、昔読んだが忘れてしまうほどの昔で、結構新鮮に見られた。むしろ「うわ、これ『ウエストサイド』のバルコニーシーンだ」などと思う始末。   しかしロミオってのは、ずいぶんと直情型だったんだな。浅はかなヤツばっかり登場するこの物語、昔っから思っていたんだが、一番の罪びとである神父が罰せられる版を見たいものだ。  思えば、自分は「ロミオとジュリエットもの」と言えるような、この物語にインスパイアされた作品がわりと好きだった。そのような後世の作品は、この主人公たちの「浅はかさ」の部分をうまく工夫して、自業自得感が無くしているものが多い。  やっぱり自分はどうしても、この部分が気になるようだ。    それにしても、オリビア・ハッセーの可愛く美しい事。日本に来てCMに出た時のポスターを、化粧品屋から貰って部屋に貼ったのを思い出す。   この映画のおかげで知ったこと。あのヨーロッパ人のピッタリしたスパッツみたいなやつ、パンツ穿かないんだ…。
[DVD(字幕)] 8点(2013-03-22 16:57:28)
78.  宇宙戦艦ヤマト 《ネタバレ》 
 記憶していたよりも、ずっと良い総集編だった。序盤、さすがに説明的ナレーションにイラつくが、冥王星を越えたあたりから、「ダイジェスト感」も影を潜めて、一本の映画らしくなってきている。  昔見た時には、やはりもっとたくさんのエピソードを入れて欲しかったが、それは無理と言うもの。子供のよくやる無い物ねだりと言うヤツだ。今見ると、太陽系内でのエピソードは、もっと削ってもいいくらいだと思う。   ただし、個人的にはデスラー総統の「我々は初め、ヤマトの事を侮っていた。だが今は違う」(意訳)から始まる、演説を聞きたかった。これと「我々も苦しいが敵も苦しい。勝利はこの一瞬を頑張りぬいた方に訪れる」は、敵役にも立派な指導者がいるのだ、という事を小学生に教えた偉大なセリフだった。それがあれば「愛し合うべきだったのだ」のセリフも、もっと生きただろう。いや、私自身は愛し合うべきだったとは思っていないのだが。    絵も動きも、今のレベルから見ると相当ひどいものだが、この映画は今につながる日本のアニメーションブームを作った記念的作品だ。この映画は自分をアニメーションファンにした、忘れられない作品である。だから、その部分に敬意を表して、また自分にとっての思い入れを加算して8点。ダメな子ほどカワイイのである。 
[DVD(邦画)] 8点(2013-03-19 18:35:30)(良:1票)
79.  一命 《ネタバレ》 
 日本がバッシング社会になったと言われて、もうずいぶんと経つ。しかし元々、村八分などと言う言葉があった日本は、基本的に大勢で少人数をいじめる国民性を持っていた。  そして今、世間ではものすごい失業率で、従業員の首を切って、会社を立て直すのが良き事とされている。生活に困窮して社会の救済機構に助けを求める人を、怠け者の泥棒のように言う人たちもいる。   若侍が、井伊家の侍たちに受けた仕打ちを見ていると、こういう事が頭に浮かんできてしょうがない。   彼らと、彼らの周りにいたのは、武士ではなくただのいじめっ子と、それを見てみぬ振りしたクラスメートたちだ。  竹光で無理やり腹を切った浪人は、苛めを苦に命を絶った多くの学童たちである。  そして、竹光を持って大勢に挑んだ、弱者の代理人が現実の世界でも現れることを、私は祈る。
[DVD(邦画)] 8点(2013-03-13 22:42:27)
80.  切腹 《ネタバレ》 
 リメイクを先に見てしまったが、こちらも見事。井伊家の3人組が主人公に、ちゃんと竹光の件の嘲りを見せに来ているこちらの方が、若浪人を虐めるイヤラシさ、「うわべだけの面目」を取り繕う浅ましさが、より強調されているように思う。  一つだけ不満な点は、主人公の最後。鉄砲隊を見て、怯えて急に腹を切ろうとしたように見えること。庭先のシーンで「腹は斬ります」と言わせているのだから、当初からの覚悟の行為としての切腹をさせてあげたい。   ところで不勉強な事に「赤備え」という言葉を初めて知った。ネットで調べてみると、戦場で特に優れた精鋭部隊の色だという。なるほど、だからシャアが赤いのかあ。 
[DVD(邦画)] 8点(2013-03-04 06:26:50)
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