Menu
 > レビュワー
 > ミスター・グレイ さんの口コミ一覧。4ページ目
ミスター・グレイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 565
性別 男性
自己紹介 三度の飯より映画好きです。どうぞよろしく。
※匿名性ゆえの傲慢さに気を付けながらも、思った事、感じた事を率直に書いていますので、レビューによって矛盾が生じていたり、無知による残念な勘違いや独善的で訳分らん事を書いているかもしれませんが、大きな心でお許し下され。
※管理人様、お世話になっております。
※レビュワーの皆様、楽しく読ませて頂いております。

-------------------------



表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526272829
>> カレンダー表示
>> 通常表示
61.  光に叛く者 《ネタバレ》 
ここで印象深いのは葉巻の煙に他ならず、ウォルター・ヒューストンが葉巻を吸い始めると圧倒的なオーラが煙のようにモクモクと立ち込めます。青年の弁護士をやり込めるシーンにおいても高みの机に腰掛けてプカプカ吹かし始めると威圧感全開で、もはやどちらが優位かは言わずもがなです。ヒューストンに反抗の色を示し騒ぐ囚人の群れの中、単騎で突っ込んで行くシーンにおいても葉巻パワーで囚人たちを黙らせているようにすら見えます。剃刀で殺人を犯した囚人にヒゲを剃ってもらっている時も葉巻を吹かしていたからこそ防御壁が張られ首をスッパリされなかったと思えるほどの最強のアイテムです。しかし、その無敵の葉巻パワーが唯一通用しなかったのが娘の涙であり、ここから愛の映画へと突然変貌を遂げるところが感動的でもあります。  …ところで、ティム・バートンの「エド・ウッド」でその存在を初めて知ったフランケンシュタイン役者のボリス・カーロフが出演しているのですが、強烈なイメージがあり、密告者を殺害するシーンも良く出来ています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-23 18:22:37)
62.  海外特派員 《ネタバレ》 
雨中の階段で起きるヴァン・メア殺害シーンから続くカーチェイス、風車小屋でのかくれんぼ、ホテルでのユーモアを交えた騒動、展望台での殺人の緊張感と工夫を凝らした面白いシーンが展開され見所満載ですが、その一方で後半、主人公のジョエル・マクリーの扱いがぞんざいになるのは気になります。ヴァンの拷問シーンに飛び込んでくるのもffさんですし、そこから黒幕のフィッシャーの人物像が魅力的に見えてくるのも主人公の影を薄くしている一因で、やや物語のリズムが悪くなっています。  飛行機墜落シーンはCG全盛の現在、リアルさの観点から見れば陳腐に思えるかもしれませんが、逆に言えば当時の技術でこれだけの迫力を演出しているのは凄いことです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-18 18:31:09)
63.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
天使たちのようにジョージを覗き見ることから始まり、薬のエピソードを挿み、ジェームズ・スチュワートのひょうきんな表情の静止画とくる…。この時点でジョージに肩入れせざるを得ない状況になってしまう導入部が上手いです。そしてその後も大人になったメアリーとの再会と華やかなダンスシーン…、4年間も待った弟が町に戻った時、その妻に弟の現況を尋ねる前に見せる一瞬の決心の横顔…(個人的にはこの瞬間が一番好きだ!)、メアリーとの繊細な距離を電話を使ってみせるシーン…、あるいは雨が降りしきるハネムーンへの出発に不吉な予感をさせる光りを照り返す傘の群れ…、すぐに取れてしまう階段のボロい装飾…と、いくつか忘れ難い素晴らしきシーンがあります。  ただ、8000ドルを失ってしまってからの過酷なシーンの連続は居心地の悪さを覚えます。様々な場所で怒鳴り散らすスチュワートの姿を見るのは辛く、しかも始めから決して不幸のまま物語が終わるはずがないと確信を持たせるのに、ここの地獄のような暗さは長過ぎると思います。もちろん、だからこそ生に歓びを見出すのであって、つまりは成功していることになるのですが・・・やはり物語に対しての尺がやや冗長だと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2011-02-15 18:30:40)
64.  ザ・タウン
顔面アップの連続と膨大な台詞が画面を埋め尽くしており、ほとんど何にも見えません。と言うよりも見せようという気すら感じられません。 キャラクター造型についても花屋のピース・ポスルスウェイトはゾクっとさせてくれますが、その他の登場人物は性格付けが中途半端で完全に物語を停滞させています。結局、タウンとやらが何なのかも良く分かりませんし、率直に言って監督ベン・アフレックが何を見せたかったのか謎です。
[映画館(字幕)] 3点(2011-02-08 18:24:36)
65.  RED/レッド(2010) 《ネタバレ》 
良くも悪くも雑なところがあり、例えばCIAに侵入して暗号が分からず壁を蹴破るハチャメチャさだとか、殺されたと思われたモーガン・フリーマンが何の仕掛けもなく驚くほど単純な方法でピンチを切り抜けて復活するイイカゲンさだとか(二度目も復活すると思わせるのは問題)、誰もが引退の要素が皆無で弱点が見当たらないところであるとかが(この題材なら寄る年波を経験値で補ってほしい)、持続性を削いでいる感じがします。 ・・・しかし面白いのも確かで、例えばブルース・ウィリスとCIAの若き新鋭とのファーストコンタクトなどはワクワクさせてくれます。当然のように走行中の車からサッと降り銃を撃ちまくるウィリスが格好良いですし、若者の方も不死身のウィリスを追い込めるギラギラした雰囲気を持っており面白そうな対決に胸が期待で膨らみます。さらに次に遭遇した時、彼らは殺し合いではなく取っ組み合いを始めますが、これは互いを認め合うためのケンカであり、後々手を結ぶことになると思わせるもので、こういうシーンがしっかり用意されていることが重要であり嬉しくなってしまいます。 それに加え、コスプレして縦横無尽に画面にインしてくるジョン・マルコビッチ、白いドレスでマシンガンをブッ放すヘレン・ミレン、お約束で彼女を救いに来る昔の恋人、あるいはCIAの地下で資料管理するジイ様にアーネスト・ボーグナイン…と、脇を固める人々が登場する度に面白くなります。
[映画館(字幕)] 7点(2011-02-04 18:27:29)(良:2票)
66.  花様年華
あらゆる画面がほぼ完璧に近く、男と女の機微も非常によく捕えられていて、バカみたいに肌を露出させたりしなくとも男と女に驚くほど色気があり艶っぽいです。何気ない日常が断片的に切り取られているようでありながらも、現実と小説の世界が見事に交錯し幻想的にもなっています。もはや言わずもがなですが、トニー・レオンもマギー・チャンもとことんセクシーで惚れ惚れしてしまいます。・・・ただ気になってしまうのは、これは少々計算が立ち過ぎていて〝これ見よがし〟な印象も受けることです。  《追記》再見したのですが、やはり芸術を意識したような感じが鼻に付くところがあります。例えば、ラストのカンボジアの風景のカットをいくつか挿入し過剰なBGMをかけているところなどは、やり過ぎているように思えます。
[DVD(字幕)] 8点(2011-02-01 18:41:25)(良:1票)
67.  エド・ウッド 《ネタバレ》 
無条件に本作が好きなのですが、それは何よりティム・バートン監督の映画への愛が画面から滲み出ているからです。もうジョニー・デップが登場するまでの映画の物語に相応しいオープニングシーンから既にタマりません。  〝ワンダーキッド〟のオーソン・ウェルズではなく〝史上最低の〟エド・ウッドの物語であるからこそ余計に愛しく、デップが女装をバッチリ決めて演じていることからもエドに好意的なのは当然なのですが、他の役者もみんな良く、特に棺桶から登場し棺桶で退場してゆくマーティン・ランドー演じるベラ・ルゴシの素晴らしさは格別です。  ルゴシが子供たちを驚かそうとマントを羽織るシーン(「市民ケーン」みたいに天井を意識してる?)、タコと格闘する前にひっそりとモルヒネを打つシーン、あるいはエドがルゴシの家を訪ねるシーンはいつだってゾクゾクします。バートン監督はエド・ウッドと同様にルゴシのことを愛し、さらに敬意を表しているのでしょう。故にルゴシの生前のラストシーンで道端で演技を始めるとローアングルから仰ぎ見る。それは恐怖の演出ではなく尊敬の眼差しであり、彼の退場後はややつまらなくなると言ってしまっても良いほどです。  そして、さらに最高に感動的なのはエドがルゴシの最後のフィルムを見ているシーンで、この至福の空間の訪れに涙が出そうになるのです(このルゴシのシーンにナレーションをかぶせちゃってるエドはやっぱり最低だ!)。
[DVD(字幕)] 10点(2011-02-01 18:32:12)(良:1票)
68.  夕暮れのとき 《ネタバレ》 
スタンドで新聞を探す男は明かりがつくと慌てて顔を背ける…。この男は何らか事件に絡んでいると一目瞭然な冒頭からしてミステリアスで、ただならぬ気配が漂っており観客の心を鷲掴みするものです。その後もアン・バンクラロフトとのバーでの出会い、調査員のシーン挿入の巧みさ、強盗の二人組のキャラクター造型と見所がありますが、最後の対決シーンで除雪車と小屋までの足跡しかないのに「危ない」と言いながらも何の用心もなしに近寄って行ってしまうのは間抜けに見え緊張感を欠いています。 ただここは、強盗たちが小屋の窓枠からヌッと姿を現すところを見せたかった一点に尽きるのでしょう。それに、そもそもファッションショーの会場から逃げ出す際、アン・バンクロフトは走ることは微塵も考慮されていないドレスで逃げ出し、早歩きすらままならないので主人公にお姫様抱っこされるのですから、つまりこれはハネムーンへの出発なのであってハッピーエンドはこの時点で既に約束されていたのです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-28 18:23:29)
69.  エリックを探して 《ネタバレ》 
郵便物の仕分け作業が遅くなった主人公の姿を皆が高い所から覗いている…。てっきりこの後、肩を叩かれて解雇通告されるのかと思いきや、そうはなりません。どうやら彼を救うことにしたらしく、いつものローチ作品とは違うようです。  昔、心の底から惚れた女性と復縁し、心酔しているヒーローと酒を酌み交わし、多くの友人に恵まれ、息子たちから尊敬され、悪党どもは叩きのめす…〝勇気を持って一歩踏み出せば大丈夫さ〟と男のロマン全開の甘美な物語なのですから厳しいローチ先生はどこへやら?という感じで、こうなるともうこれはファンタジーの世界で当然のようにカントナが登場してくるのですが、となればどうしても気になってしまうのがこのカントナの登場シーンです。  カントナは主人公の幻でオーディオプレーヤーのスイッチを魔法のように入れられることからも何でもアリの幽霊の如き存在で、他人には見えていないという面白い設定ですが、このカントナをどう見せたいのかがイマイチ良く分かりません(最初はわざと視線が交錯しないようにしているのかと思ったが、そうでもないようだ)。というのも彼は助言するだけの存在であり映画的な面白さがあまりうかがえず、上手く使っているとはいい難いからです。  “カントナ作戦”を決行する郵便配達人たちの過剰とも思えるパワフルな描写は凄いんですけどね。
[映画館(字幕)] 6点(2011-01-21 18:45:55)(良:1票)
70.  NARC ナーク 《ネタバレ》 
臨場感をバリバリ出しまっせとばかりにカメラをガチャガチャ動かすのは勘弁してほしいのですが、いくつか良いシーンもあります。例えば、ラストの黒人の隠れ家における銃撃戦で、暗い部屋で撃ち合い、ドアが開くとパッと明るくなり部屋の全景が分かるところであるとか、あるいはその後の一ヶ所に集まった4人の吐く息の白さが良く出ているところです。特にレイ・リオッタは格好良く、絶命し白い息を吐かなくなってしまうなんてのは上手くいっています。
[DVD(字幕)] 6点(2011-01-18 18:35:56)
71.  サボタージュ(1936) 《ネタバレ》 
このあたりの年代の俳優さんについては良く知らないのですが、このシルヴィア・シドニーという女優さんは出演作を何本か見る限り、純真な美しさが魅力的で一本芯が通ったような印象があり、やや童顔なところも男の守ってやりたい精神をかきたてる方です。映画館の窓口で八百屋で働く刑事にニカッと微笑みかけるシーンを見ればコロリとなっても致し方がないと思います。しかし、ということは逆にイジメてやりたい精神も働くわけで、可哀相なことに弟君を爆殺されてしまい(ユーモラスな歯磨きのシーンまで入っているのにまさかだ!)、あの衝撃の食卓シーンへと導かれることとなります。本来ならば穏やかな食卓が緊張感につつまれ、思いつめたシドニーが食事をナイフで切り分けていると、当人も自分が手にしているものが凶器になると気付き慌てて放り出す…。この食卓の殺害シーンが出色です。
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-11 18:29:53)
72.  自転車泥棒 《ネタバレ》 
冒頭のテロップが流れる間に悲しげなメロディにのって映る長期間仕事にあぶれる人々…、このシーンだけで当時のイタリアの惨状がうかがえます。さらに質屋に積もったシーツの山、自転車一台に一家の生活がかかりこんなにもドラマティックになってしまう凄さ。この過酷な状況下で親子の必死さが伝わってくれば伝わってくるほど悲劇の度合いはどんどん増してゆき、涙腺の臨界点に迫ってきます。しかし、悲劇的とは言え実に優しい視点で親子を見つめています。残酷なことに父親が泥棒をするところを息子に目撃させるわけですが(このシーンが最もエモーショナルだ)、それでもラストで父親の帽子を大事そうに拾い、しっかりと手を握りしめる息子の姿などはとても甘いです。ですがその甘さは極端ではなく自然な感情であり、その純粋さが胸をうち歩き続ける父子の姿が心に深く残り、家族の幸せを切に願わずにはいられないのです。 ≪追記≫久しぶりに見返して思ったのですが、本作では人にしても物にしても“多さ”が悲劇として働いています。仕事を待つ大勢の人々、質屋のシーツ、一台の自転車が貴重であるのに一方で通りに溢れる自転車、ラストも人込みの中を親子二人が去って行く姿は物悲しさを強調するものです。
[DVD(字幕)] 9点(2011-01-11 18:24:27)(良:1票)
73.  ミラーズ・クロッシング 《ネタバレ》 
ギャングな世界に帽子にコート、拳銃と酒と煙草とくれば、これは男の映画です。特にラストが印象深い。常にレオのために動き続けたトムがケジメをしっかりつけ別れを告げる、レオの背中はドンドン小さくなってゆき、見送るトムは帽子を目深に被り直す…これぞ男っちゅうもんでしょう!このシーンだけでもグッときちゃいます。ガブリエル・バーンはもちろんですが、襲撃された時のアルバート・フィニーじい様がめちゃくちゃ格好良い。アクション自体も優れているのですが、ガウンを着てマシンガンぶっ放すフィーニーの姿勢がピシッと決まっているのが良いのだと思います。それに本作に出演している役者さんはみんな声が良い。 ただ、フィニーがラストに戻ってくれと訴えるのはキャラクターの一貫性に欠けているように思います。バーンがあそこまでするほど惚れこんだ男なんですから最後まで毅然とした態度を通してくれないと。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-12-28 18:51:56)
74.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 
「トゥルー・ロマンス」のクリストファー・ウォーケンの役を、タランティーノお気に入りのティム・ロスが演じたらこうなるというような不気味な〝ユダヤ・ハンター〟ことランダ大佐の人物造型が秀逸です(役者の力によるところも大きい)。 多言語にし会話劇を最大限に活かしているのもタランティーノならではでしょう。ということで第1章が一番のお気に入り(地下酒場のシーンも素晴らしいが)。野っ原の一軒家でシーツを干していたら遠くからナチがやって来る入り方からして上手いのですが、さりげなく美しい三人娘たちを登場させたりして不吉な前兆を感じさせたりするもの憎いです。さらに尋問が開始されれば何気ないコチッコチッっという時計の音や万年筆が紙をこする音などをしっかり入れて一層緊張感を高めています(残念なことにDVDではあまり聞こえない)。大佐の手の動きなど何気ない仕草も面白いです(これは誰かと対峙し、こういう仕草が始まるとドキリとさせられるほどだ)。また第1章のラストでは、ドア越しに娘が走って逃げる小さな姿が映し出され、次には大佐が狙いを定める姿が映し出されます。これで人命が虫ケラの如く消されてしまうのねと思わせるのですが、次には娘が大きく映し出され、もしや彼女は虫ケラじゃないのかも?と思うと無事に逃げ切れる…決して会話劇だけではなく、画面の構成も見事です。
[映画館(字幕)] 9点(2010-12-28 18:43:30)(良:2票)
75.  サイコ(1960) 《ネタバレ》 
かのシャワー室の惨殺シーンと、モーテルに隣接する小高い位置に古城のようにそびえる不気味な屋敷の外観を別とすれば、後半部分の恐怖は弱いと思います。例えば、探偵を殺害する場面とラストと2回、突如ナイフを片手に襲ってくるわけですが、この唐突さはブルブル震え上がるような純然たる恐怖ではなくビックリドッキリの驚きの方が強いです(とはいえ、探偵が階段を登り刺されるシーンを頭上からとらえているのは好きだ。しかも母親の存在を信じさせるためにノーマンが彼女を運ぶシーンの後は、あの部屋は危険ではなくなるので妹が調べに来る時は階段を登っているシーンは省かれ、階段は完全に恐怖の装置として機能している)。その一方で前半の逃亡部分は恐怖に満ちています。サングラスをかけた警官はこの世で最も怖い存在に見え、後を着けられた日にはもう生きた心地などしませんし、大金を持ち逃げしているかもしれないという状況があるだけで、道端で社長と出くわすという何ということもない状況が心臓バクバクのシーンへと変貌しています。両方のシーンがどこか日常的であるという点も恐怖心をあおいでおり、単純なシチュエーションで見事に恐怖を演出しています。それとこれは音楽の効果が凄いです。・・・それにしても最初の外からカメラが入ってゆくシーンはどうやって撮ったんだ?
[DVD(字幕)] 8点(2010-12-28 18:27:08)(良:1票)
76.  ロビン・フッド(2010) 《ネタバレ》 
海岸での戦闘シーンを迫力がないと言ったらウソになりますが、決して想像の域を脱するものでもなく、加えてロビン・フッドと言えば弓だろうと何時になったら使うんだと思っていた弓の使い方にしても、もったいぶった割りに面白味がありませんし、悪役ももっと強力に描いてほしいです。 さらに、もう一つのドラマである、ラッセル・クロウとケイト・ブランシェットの恋愛模様の描写がイマイチです。キャプラの「或る夜の出来事」の毛布のように互いを隔てる布にしたって処理しきれていませんし、あるいはクロウがブランシェットの脚を馬のアブミに乗せてやり距離が近づいたのなら、その線で押しまくってほしいです。せっかく小屋で敵に襲われたブランシェットが脚で誘惑するかのように見せ、ブーツに隠してあったナイフで撃退するシーンもあるのですから、あのブーツをクロウが脱がせるシーンがあって然るべきとすら思うのですがね。 ただ、ここでのブランシェットはとても魅力的に見えます。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-24 18:50:05)
77.  最高の人生の見つけ方(2007) 《ネタバレ》 
色々と都合のいい展開はファンタジーであるから構わないにしても、伝えたいメッセージが強過ぎて、しかもその大事な部分をモーガン・フリーマンのナレーションに託してしまっている時点で、残念ながら映画としてはほぼ御臨終だったと思います。 例えば、男なら誰でも憧れてしまうような〝世界一の美女とキスする〟を孫娘で達成させるのは名案だと思いますが、あの父と娘の和解でもあるシーンにしても亡くなる前にやらなければならない肝心なことならば、もっとしっかり見せてくれよと思ってしまいます。また、冒頭からエベレストを登る男が誰だか分からないような作りになっていますが、この物語にそんなミステリーは必要ないのでは?
[DVD(字幕)] 5点(2010-12-15 18:25:56)
78.  群衆(1941) 《ネタバレ》 
ゲイリー・クーパーが真実を告白しようとする集会場の場面が秀逸。雨が降りしきり大観衆の傘やコートが光を反射させ、ディスコミュニケーションに陥ることを予見させます。観衆は歌い盛り上がりジョン・ドーの登場を今や遅しと待っているが、彼が偽者と分かると簡単に扇動され一転、敵意剥き出しとなりジョン・ドーにヤジを飛ばし大混乱となる…。開会前の好意的な様子と敵意が表れた後の迫力が、群衆の力と怖さを雄弁に物語っています。 ただ、始まりの方のコメディの調子と比べ(解雇になるシーンまで実に楽しげだ)、後半はいたってシリアスでアンバランスのように思います(バーバラ・スタンウィックの前半の妹たちと遊ぶ姿から、後半の毛皮や宝石で着飾った姿の過程描写が薄いせいもある)。また、ラストの雪が寒そうな屋上のシーンも忘れ難いですが、最後の捨て台詞はメッセージを込めるよりウォルター・ブレナンで軽妙に締めた方が良かったのでは?とも思います。
[DVD(字幕)] 8点(2010-12-08 01:05:38)
79.  ショックプルーフ 《ネタバレ》 
唐突なハッピーエンドはおそらく製作会社側の意向で、本来ならば逃避行が始まった時点で、というよりもそもそも女が男の前に現われた時点で、破滅に向かっていくのが当然の成行きだったと思います。というのも、誰もが言及せずにはいられないであろう冒頭のファム・ファタール登場シーンの流麗さが素晴らしいからです。通りを進む脚から始まり、ショッピングを開始するブルネットの彼女の姿を見せ、美容室に移り脱いだ帽子のショットから、帽子を被った彼女の移動につながり、後姿のままコーネル・ワイルド(いかにも真面目そうだ)の事務所に現れ、彼がいつも通りに何気なく顔を上げるとその目は釘付けとなり、金髪の彼女の姿が映し出される…。これぞまさに運命の女との出会いであり(しかもここまででは事務所が保護監察局で、彼女が仮釈放中の犯罪者とは分からない!)、このシークエンスが圧倒的な力を有しているからこそ、サスペンスの筋立としてはお粗末であるにもかかわらず、最後まで物語を持続させられるのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-01 18:26:20)(良:1票)
80.  クロッシング(2009) 《ネタバレ》 
冒頭のイーサン・ホークが情報屋?を射殺して金を奪うシーンから並々ならぬ殺気が漂っおり、その後たいして説明なしに個々の物語の幕が開く上に、ホーク、リチャード・ギア、ドン・チードルのそれぞれの筋書き自体は非常に単純で交錯するわけでもないにもかかわらず、緊張感が全編に渡って持続しているのも凄いです。特に各々が決心し行動に移す瞬間、ホークが切羽詰り相棒の車のタイヤを撃ち、ギアが正義感を出し失踪した娘を乗せた車を尾行し始め、チードルがウェズリー・スナイプスの敵討ちのために物に満たされた部屋から銃を片手に出て行く…物語が収束に向かっていく辺りは圧巻です。  さらにここでは死は当然ながら容赦ないもので、誰一人として最期の言葉を一言でも発することは許されません。それでもホークとチードルは死して初めて光に照らされ、警官の職務から開放されたように見えるのに対し、ギアは退職し正義を為したにもかかわらず、なお闇の中にいるような顔面アップで映画は終わり、ブルックリンで警官をするということの過酷さを物語っています。  役者で言えば、主役3人はもちろんのこと、枯れた感じのウェズリー・スナイプスと出世しか眼中にない傲慢な感じのエレン・バーキンも良いです。
[映画館(字幕)] 8点(2010-11-24 18:13:03)(良:3票)
000.00%
100.00%
210.18%
340.71%
491.59%
5519.03%
67613.45%
715527.43%
817330.62%
96812.04%
10284.96%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS