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 > かたゆき さんの口コミ一覧。4ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1885
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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61.  トランセンデンス(2014) 《ネタバレ》 
優秀な科学者として、研究施設で最先端の人工知能(AI)の開発に携わるウィル・キャスター博士。ある日、彼はそんな科学技術の極端なまでの発展に警鐘を鳴らすテロ組織に銃撃されてしまう。幸い軽症で済んだものの、銃弾には放射性物質ポロニウムが染みこませてあったのだった。放射能中毒に陥り、余命僅かとなってしまったキャスター博士は、愛する妻と別れたくないあまり、研究中のAIへと自分の意識を全てアップロードしてしまう。肉体的な死を迎えた彼だったが、その意識はネット上で永遠の命を得ることに成功するのだった。喜ぶ妻や戸惑いを隠せない同僚たち。だが、それまでの人間という狭い枠組みから“トランセンデンス(超越)”した彼は、次第にその力を暴走させてゆく。そう、まるで自らが神だとでもいうように……。ジョニー・デップをはじめとする豪華な役者陣競演で贈る、近未来SFエンタメ作品。つーか、なんなんですか、このびっくりするくらい雑な脚本は。だいたいポロニウムを染みこませた銃弾ってなんやねん!あれって傘の先端とかに仕込んで静かに暗殺するためのもんっしょ。殺傷力の高い拳銃の銃弾に仕込んだって意味ないやん。他にも突っ込みどころや意味不明な箇所がスーパーの安売りセールのように盛り沢山。それにお話のテンポも恐ろしく悪く、観ていて眠気を堪えるのが大変だったのに、途中でいきなり“それから2年後…”とか一気に進んじゃうしで、観客である僕はもう頭ポカーン状態でした。挙句、最後は「やっぱり愛が一番大事」なんて腹立つぐらい薄っぺらいメッセージを残して終わり…。いやー、久し振りに「金返せーー!!」と大声で叫びたいくらいのつまんない映画を観てしまいました。久々にまともな顔したジョニー・デップ兄やんが見れたんで+1点しときます。
[DVD(字幕)] 4点(2023-11-27 10:40:31)
62.  オールド・ボーイ(2013) 《ネタバレ》 
「視聴者の皆様、こんにちわ。20年も続く長寿番組『犯罪ミステリー』のお時間です。今夜は特に記憶に残る謎を振り返ってみましょう。それは“ドナ・ホーソン殺人事件”です。彼女は20年も昔にレイプされ残虐な方法で殺されました。容疑者は元夫であるジョーという男。だが、このジョーはもう20年も失踪したまま、その生死すら不明。夫婦の遺された娘であるミアは、いまや美しい女性へと成長しました。今日は、そんな彼女をゲストに迎え、事件のことや失踪した父親への想いを語ってもらいましょう」――。妻と離婚し、3歳になる娘ミアとも離れて暮らす営業マン、ジョーは毎日のように酒に溺れてはトラブルばかり引き起こす困った男。仕事で重大なミスを犯してしまった彼は、今日も深酒して路上で飲んだくれていた。だが、酷い二日酔いで目を覚ましてみると、彼は見知らぬモーテルの一室に閉じ込められていたのだった。出口はどこにもない。小さな窓から夜毎差し出される食事とウィスキー。唯一の娯楽であるテレビからは、なんと自分が妻殺しの容疑者として追われていることを告げられるのだった。そして……、ジョーは恐るべきことにその日から20年もの長きにわたって監禁されるのだった。変わりゆく世界、成長する娘。やがて、彼は何の前触れもなく解放されて……。日本の漫画を原作に、韓国で映画化されたそんなミステリアスな作品を、スパイク・リー監督が豪華な役者陣を揃えてリメイクしたサスペンス・スリラー。原作の漫画も韓国の映画もいっさい知らず、何も予備知識もないままにこの度鑑賞してみました。それが良かったのか、冒頭から観客にほとんど考える隙を与えずに小気味よく展開されるその不穏なストーリーに一気に惹き込まれ、主人公ジョーが解放されてからも全く謎が明らかにされず、さらにはこのジョーがもう無茶苦茶に暴走していく展開に僕のテンションは上がりっぱなしでした。うん、こりゃ面白いっすわ~。サミュエル・L・ジャクソン演じる看守の相変わらずの怪演振りも良い感じだし、ヒロインの女の子も可愛かったしね。ただ中盤、ジョーが監禁施設に乗り込んでいくシーンでは、さすがに漫画が原作になったからなのかちょっと荒唐無稽にし過ぎちゃった感があって僕はそこからちょっとノレませんでした。いやいやさすがに1人対100人でばったばったと敵を倒していくとかあり得ないっしょ。てか、敵の皆さんも拳銃くらい用意しとこうよ(笑)。う~ん、個人的にはもうちょっとリアルに描いて欲しかったかなぁ。それに最後に明らかになる真相もちょっと無理が有り過ぎる気が……。とはいえ、元になった韓国映画を知らないので比較は出来ないのですが、この個性豊かな登場人物たちやぐいぐい観客を惹き込むストーリー展開、全編を支配する不穏な雰囲気等々、僕はなかなか楽しめました。うん、7点!
[DVD(字幕)] 7点(2023-11-27 10:22:54)(良:1票)
63.  アクトレス ~女たちの舞台~ 《ネタバレ》 
人気と実力を兼ね備えたベテラン女優マリア・エンダースは、私生活の方も任せっぱなしの女性マネージャーとともに充実した毎日を送っていた。そんなある日、彼女はとある舞台の出演依頼を受ける。それは彼女の映画デビュー作である『マローヤのヘビ』のリメイク。若く美しい少女がお堅い中年女性をその美貌で翻弄し破滅させるという役柄で自分は一躍有名となったのだ。だが、その役は当然かつての美少女ではなく、なんと破滅させられるお堅い中年女性の方だった――。時の流れの残酷さをひしひしと感じ当初は断ろうとしたマリアだったが、恩師である映画監督の急死を機に前向きに検討することに。そんな彼女を献身的に支えてくれるマネージャーから知らされた、かつて自分が演じた美少女役に抜擢されたという若手女優ジョアン。ネットで調べてみた彼女はまさに自分が演じた役にぴったりのスキャンダラスな若く美しい女の子だった。彼女の存在に心を搔き乱されたマリアは、出演依頼を承諾することを決意するのだが……。確かに題材は良かったと思うんですよ、これ。かつてその悪魔的な美貌で一人の中年女性を破滅させるという役で一世を風靡した女優が、今度は逆に破滅させられる役を演じるというのはなかなかに興味をそそられるお話。しかも演じるのはジュリエット・ビノシュとクロエ・グレース・モレッツという、これ以上ないくらいのまさに嵌まり役な2人。そこにクリステン・スチュワートが絡んで三角関係のような心理劇となるなんて、どう考えても面白くなりそうな脚本なのに、これが一向にそうならない。何故なんでしょう?それはやはり監督の演出が終始、見事なまでに的外れだからじゃないですかね。観客が観たいのはそこじゃないだろ!!と突っ込みたくなるほど、どうでもいいシーンの雨あられ。主人公の女優と女性マネージャーが山にピクニックに行くシーンなどやたら長いうえにはっきり言ってつまらない。恐らく監督は、この2人の友情以上恋愛未満なシスターフッド的関係をこそ描きたかったのだろうけど、いかんせん深みが足らないせいで観ていて退屈でしかなかったです。また、肝心のクロエちゃんが出てくるのが映画も中盤を過ぎてからって明らかに遅すぎ!ようやくクロエちゃんが出てきたと思ったら、ここまで破天荒キャラで引っ張っておきながら実物は驚くほど優等生な女の子。ユーチューブの映像で散々お騒がせセレブキャラみたいに煽っておいて、これはアカンでしょ。物語の焦点となるはずの最後の舞台劇もまるで取ってつけたようで肩透かし感が半端なかったです。この3人の嘘とプライドが複雑に交錯する心理劇をこそ掘り下げて描くべきだった。華のある人気女優たちの豪華共演に+1点!!
[DVD(字幕)] 4点(2023-11-27 09:47:34)
64.  300 <スリーハンドレッド> ~帝国の進撃~ 《ネタバレ》 
現代ハリウッドで、最先端の映像技術を駆使し唯一無二の圧倒的な世界観を有する独創的な作品を数々創り上げてきた天才映像作家、ザック・スナイダー監督。彼が、その溢れんばかりの才能を惜しみなく注ぎ込んで製作した、いまや伝説と言っても過言ではない快作「<300>」の約7年ぶりとなる続編ということで、けっこう期待して今回鑑賞。ただ、本作はそんな彼が監督から単なる製作へと廻ったということで、一抹の不安を感じてはいたのですが、そんな僕の懸念はどうやら的中してしまったようです。何が駄目かって、やっぱ〝筋肉〟!あの前作でのスパルタの皆様方の全身に満ち充ちていた通常人のマッチョの二割増(当社比)だった筋肉が、今回は見事にこそげ落ちてしまってるやん!もう何か叫んだだけで全身から脂身がぼとぼとと零れ出てきそうな半端じゃないマッチョ比率の高さが、前作の最大の魅力だったのに、こんなの「<300>」じゃなーーーい!!「ストーリーやらリアリティやら史実やら、そんなのどうでもいいんじゃぁぁ!!わしゃあ、スーパーマッチョの男どもがその滾らんばかりの男汁を撒き散らしながら画面狭しと暴れまわる超かっちょ良い画が撮りたいだけなんじゃぁぁ!!」と言わんばかりの潔いまでのその内容のなさと、それと反比例するかのような拘りに拘りまくった唯一無二の映像美が素晴らしかったのに、本作はそんなこそげ落ちた筋肉と一緒にその独自性もどっかにいっちゃったみたいです。もう、ふつ~~~の大して面白くないファンタジー合戦映画でございました。やっぱ、ザック・スナイダーじゃなきゃ駄目なんですね。それでも、悪役を演じたエヴァ・グリーン嬢のその超絶ドSな女王様振りに、僕のM心がびんびん反応してしまったので+1点しときます。僕も、彼女に鞭でビシバシやられたいっす(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2023-11-17 10:57:33)
65.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 
「無理だね、1~2回なら勢いで僕に勝てたとしても、君がシーズンを制するのは不可能だ。チャンピオンになるにはスピードだけじゃない、徹底的に考え抜かれた戦略こそがものを言うのさ。出勤して、レースに勝って、家に帰る。それが全て。君みたいに、酒場に繰り出して阿呆どもと与太話などしない。結婚したんだろ、君もちゃんと家に帰れ、ジェームズ・ハント」――。1970年代、常に死と隣り合わせの世界で相手より0.1秒でも速く走ることを競い合うF1レーサーたち。そんな刹那的な世界で、めきめきと頭角を現してきた全く正反対の性格を持つライバル同士、ジェームズ・ハントとニキ・ラウダは共に全く違うやり方でそれぞれにチャンピオンを目指すのだった。情熱的で派手な私生活のハントは死をも怖れぬ大胆な走りでトップを目指し、常に冷静沈着なラウダはマシンの性能やサーキットの攻略分析などを駆使し着実に勝利を収めていく。だが、76年、F1の世界で墓場とも呼ばれているもっとも危険なサーキットに出場した2人に悲劇が訪れるのだった……。実話を基に、F1レーサーという華やかな世界に生きる、全く正反対の2人の男の“プライドと友情”が複雑に交錯する刹那的な日々をエネルギッシュに描き出すヒューマン・ドラマ。もういかにもロン・ハワードといった、抜群の安定度を誇るエンタメ映画の逸品に仕上がっていましたね、これ。極めて分かりやすいストーリーテリング、全編にわたって再現された手に汗握る迫力のレースシーン、否が応にもテンション上がっちゃう瀕死の重傷を負った男の奇跡の復活劇…。まあ、ベタっちゃあベタですけど、やっぱり素直に面白かったっす!さすがエンタメ映画職人のロン・ハワード、相変わらず良い仕事しますね~。クライマックスでの、チャンピオンの座を賭けた2人の白熱のレースシーンにはもう久し振りに「こいつら、なんて格好良い男たちなんだよ、こんにゃろー!」と心からワクワクしちゃったし。F1レースどころか、車にすら全く興味のない僕でも当時の彼らのレース映像を見たくなりました。個人的には、もう少しアクの強さみたいなものがあればなお良かったけれど、それは欲張りと言うものかな。うん、面白かった!8点!
[DVD(字幕)] 8点(2023-11-17 10:12:15)(良:1票)
66.  キリングゲーム(2013) 《ネタバレ》 
18年間、ずっと捜したよ、血眼になってな。ようやく奴の尻尾を捉まえることが出来た。これからどうするかだって?決まってる、ハンティングに行くのさ――。1990年代、泥沼の民族紛争が続いたボスニア・ヘルツェゴビナ。そんな狂気の戦場に従軍したフォード大佐は、心に深い傷を負ってアメリカへと帰って来る。以来、大自然に囲まれた山奥の山荘でひっそりとした生活を営む彼の元に、〝あの男〟がやって来るのだった。そう、ボスニアの戦場でフォード大佐と因縁浅からぬ関係にあったあの男が……。鬱蒼と茂る森を舞台に、ボスニア紛争に端を発する2人の男のそんな命を懸けた“キリング・ゲーム”をスリリングに描いたネイチャー・アクション。ロバート・デ・ニーロ&ジョン・トラボルタの夢の競演ということで今回鑑賞してみたのだけど、いやー、なんなんですか、このショボい出来上がりは(笑)。だいたいこの2人ってボスニアで何があったんですか?最後まで観たのに、いまいちよく分からなかったんですけど!!核となる部分がこれなので肝心の物語が盛り上がるわけもなく、その後の2人の森の中での決死の追跡劇もけっこうトホホな理由で立場が入れ代わったりするものだから、もう自分は苦笑するしかなかったです。だって、トラボルタとか相手が狙っているのを分かっていながらワインを取りにノコノコ姿を見せて、案の定脚を弓矢で射抜かれたりするんですよ!対するデ・ニーロもせっかく相手を捕まえて机に縛り上げたのに、自分で斧を打ち下ろして間違ってその縄を切っちゃうってどんなけアホやね~~~ん(笑)。脚の傷にロープを通してそれで木に吊るしたり両頬に矢を貫通させたりといった、無駄にグロいシーンが多いのにも辟易です。挙句、最後は中途半端に薄っぺらい反戦メッセージを残して終わり…。うーん、何年かに一本、こういうネイチャー系鬼ごっこ映画が出て来ますが、その中でもかなりレベルの低い作品でございました。
[DVD(字幕)] 3点(2023-11-06 06:39:39)
67.  マチェーテ・キルズ 《ネタバレ》 
マチェーテ、嘘つかない。マチェーテ、メールしない。マチェーテ、ツイートしない。マチェーテ、もちろん死なない――。メキシコが生んだ、希代の映画バカ、ロバート・ロドリゲス監督。彼が過去に製作したおふざけ全開のフェイク映画予告編から誕生した、無敵のタコライスヒーロー・マチェーテがまさかの映画化!信じられないことに続編まで製作して、しかも脇を固めるのはアントニオ・バンデラスやレディー・ガガやアンバー・ハートやメル・ギブソンやらのまさかの豪華俳優陣!いやー、ロドリゲスってやっぱりバカですね~(笑)。なんなんですか、このびっくりするぐらいアホらしい演出とチープなCGとくっだらな~~~いストーリーは(褒め言葉!笑)。でも、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』でかつて度肝を抜かされ大いに楽しませてもらった自分としては、「これこれ、これを待ってたんだよ~、ロドリゲスちゃん!」ともう最後までテンション上がりっぱなしでした。前作では、個人的にあんまりはっちゃけ切れなかった印象が強くていまいちノレなかったのだけど、今作はもろ僕好みの超B級お馬鹿映画に仕上がっててむちゃくちゃ面白かったです!全身真っ二つ、電気ビリビリ、ヘリのプロペラでぐちゃぐちゃ、内臓チョンバ…、もうアホかってくらい色んな殺し方を披露してくれるマチェーテ兄貴に素直に乾杯!それに、今回は無駄におっぱいが出て来なかったのも大変グッド。だって前作は超バカ映画なのに、そこにおっぱいまで登場したから「下品過ぎてちょっとひくわ!」ってところもノレなかった要因の一つなのだけど、これくらいのエロが僕にはちょうどぴったりって感じでした。若干、後半の展開がいつも通りのロドリゲスって感じでちょっぴりテンション下がっちゃった感がなきにしもあらずだけど(目を潰されながら戦うヒーローっていつぞやのジョニー・デップそのままですやん!)、うん、余は満足じゃ。マチェーテ、次回作では宇宙へと活躍の場を拡げるみたいだが、もちろん観るぜ!(さすがにやり過ぎが酷くて、またひいちゃうかもだけどッッ笑)
[DVD(字幕)] 7点(2023-11-06 05:39:06)
68.  鉄くず拾いの物語 《ネタバレ》 
戦争が遺した傷跡からいまだ立ち直れないでいるボスニア・ヘルツェゴビナ。妊娠中の妻と幼い2人の子供たちと共に貧しいながらも慎ましく暮らしているナジフは、廃品置き場から鉄くずを拾い集めそれを売って生活費を得ている。そんなある日、妻が急な不調を訴えるのだった。急いで病院へと出向いた彼らだったが、そこで看護婦から無慈悲な通告をされる。「残念ながら奥様は流産されており、すぐに手術をしなければ命に関わります。ですが、あなたは保険証をお持ちでないということで980マルクの手術費が必要となります。払っていただかなければ、手術を行うことは出来ません」。当然、そんなお金など何処にも持ち合わせていないナジフ、そこから彼らの命を巡る悲痛な日々が始まるのだった……。実際にあった出来事を基に、その当事者たちが本人役で演じた哀切極まりないヒューマン・ストーリー。確かに、本作が言わんとしていることは非常によく分かります。この世の中には残酷で理不尽な現実がいたるところに横たわっており、そこで翻弄されるのは決まって貧しい人間であるという厳然たる事実。手術費を払えなければ、ただ静かに死を待つしかないという現実にひたむきに立ち向かった、この“鉄くず拾い”の生き様には素直に胸を打つものがあります。ただ、敢えて勇気を持って言わせてもらえば、これって映画と呼んでもいいのでしょうか?これって当事者たちによる再現VTRの域を出ない、あまりにも淡々とした左翼系プロパガンダの一種だと僕は思うのですが。この人たちの物語って決して特別なものではなく、世界中の何処にでもいっぱいあるものでそれをいちいち映画にしていけばきりがない。これで彼らにどうしても映画にしなければならなかった特別な真実があればいいのだけど、残念ながら僕はそこまで彼らに感情移入できませんでした。だって、こんなに生活に困窮してて子供だってもう2人も居るのに、新たに3人目を作る必要があったのでしょうか。これでは、流産にならなかったとして、もし普通に生まれていたとしてももっとお金だってかかっただろうし、いまいる2人の幼い姉妹だってますます苦労させてしまうことになるだろうと思うのです。3人目を作るなら、もっと環境が整ってからにして欲しい。もしかするとこれって優性思想と根本的なところで繋がってしまうかもしれませんが、僕はそこのところがどうにも気になって最後までいまいち物語に入り込めませんでした。
[DVD(字幕)] 5点(2023-11-02 10:15:51)
69.  8月の家族たち 《ネタバレ》 
ええ、そうよ。私が薬を止められないのはこの口の中に出来た癌のせいよ。痛いのよ!口の中が、もう焼けるように――。うだるような熱気が立ち込める8月のオクラホマ。退屈な毎日が繰り返されるそんな田舎町で、年老いた夫と共に過ごすウェストン家の初老の女性ヴァイオレットは口腔癌を患い、常に鎮静剤が手放せないかなりの偏屈者。ある日、そんな常に誰かのことを口汚く罵ることだけが生き甲斐の妻に嫌気が差したのか、長年連れ添ってきた夫が失踪してしまうのだった。連絡を受けた彼女の3人の娘たちは、それぞれの夫や恋人を引き連れて久し振りに実家へと帰ってくる。各々に深刻な問題を抱えた娘たちだったが、長年の鎮静剤服用のせいで性格が歪みに歪みまくった母親の問題行動からさらに大きく振り廻されてしまう。やがて、失踪した父親が湖で自殺死体となって発見されたことで、家族の絆はますます壊れ始めるのだった……。アカデミー賞に輝く豪華俳優陣を起用し、有名な舞台劇を基にそんなかなり問題を抱えた一家族の醜い諍いを終始シニカルに描いたホーム・ドラマ。いやー、なんですのん、この超面倒臭~~~い家族の面々は(笑)。最後の最後までひたすら続く、このうんざりするぐらい醜い口喧嘩の応酬に僕のテンションは上がりっぱなしでした。メリル・ストリープの「お前は中世の魔女か!!」ってくらいのイヤらしい偏屈ババアっ振りはやっぱりさすがの貫禄ですなぁ。対するジュリア・ロバーツの更年期真っ只中って感じのヒステリーおばさん演技も見事に嵌まってました。それにしても、この作品の全編に横溢する家族というものへの徹底的な不信感は凄いですね。家族の絆が最後まで壊れたまま終わっていくのもなかなか良かったです。と、観れば観るほど気が滅入るような作品なのですが、僕のように「家族とは、子供を育てるという目的の下に作られた社会システムであって、必ずしも全ての人を幸せにするようには出来ていない」というひねくれた考え方を持っている偏屈人間にとってはいたく共感出来ました(笑)。さすがにあの従兄弟同士のカップルに明かされる真実はやり過ぎ感があったけど、うん、面白かった!7点!
[DVD(字幕)] 7点(2023-11-02 09:40:27)
70.  リーガル・マインド 裏切りの法廷 《ネタバレ》 
「そう、彼女の罪は男を見る目がなかったこと。彼女は決して殺人などという大それた罪は犯していません。当初は私も疑ってました。確かに報道の記事を読めば彼女はまさに不良少女ですが、それは警察と検察、それに真犯人が作り出した虚像に過ぎません。彼女が終身刑で投獄されたのは、警察と検察が証拠を隠蔽し重要な証言を捻じ曲げ、不当な裁判を仕組んだからなのです!彼女の悲劇は誰にでも起こりえます。私にも、そして皆さんにも」――。仕事の重圧から酒に溺れ、仕事も大事な家族をも失ってしまった、かつてのエリート弁護士ケイト。愛する娘と再会するため、彼女はなんとか立ち直ることに成功するのだった。さっそく復帰第一号の仕事として、ケイトは第一級殺人罪で終身刑となった少女レイシーの再審請求を引き受ける。当時の関係者から事情を聴き、証拠も一から調べなおしたケイトは、次第に彼女が無実であることを確信していく。酒に溺れるきっかけとなった、過去に無実の男を投獄してしまったというトラウマを克服するため、どんどんと裁判へとのめり込むケイト。だが、最愛の娘とのすれ違う日々が増え、彼女は再び酒に手を出してしまう……。嘘と真実が交錯する、一人の少女の冤罪事件を巡る裁判をケイト・ベッキンセール主演でスリリングに描いた法廷劇。まず最初に言っておきたいのは、これってレイプされそうになった不良少女が起こした殺人が、冤罪であったかもしれないという事案を巡る裁判なんでしょ。なのにどうして、その肝心の事件のいきさつを映像で見せなかったのでしょう?事件の真相なんていくらでもぼやかして、普通に映像として観客に見せることが出来たはずじゃないですか。それを冒頭、登場人物のセリフだけで早口で説明されてもさっぱり頭に入ってきませんって。物語の重要な核となる事件がそんな感じなので、肝心の法廷劇がいまいち盛り上がりに欠けるんですよね~、残念なことに。それに、主人公によって冤罪で投獄された男が忍び寄ってきたり、裁判長がケイトに色目を使い性的関係を迫ってくるだとか、ちょっとエピソードを盛り込みすぎで、僕はストーリーに散漫な印象も受けてしまいました。K・ベッキンセールの弁護士役がなかなかさまになっていただけに残念です。
[DVD(字幕)] 4点(2023-11-02 09:10:21)
71.  とらわれて夏 《ネタバレ》 
「さて、次のニュースです。今朝、刑務所から逃亡した凶悪な殺人犯は現在も逃走を続けています。彼の名はフランク・チェンバーズ、殺人罪で懲役18年の刑でした。警察発表によると彼はいまもまだ逃亡を続けており、近隣住民は不安な日々を過ごしています」――。1987年、アメリカの蒸暑い片田舎で思春期を迎えたばかりの息子と2人で暮らすアデルは、過去の辛い離婚が原因で精神的に不安定なシングル・マザー。生きる支えである最愛の息子ヘンリーと近所のスーパーへ買い物に行った彼女は、駐車場で逃走中の脱獄犯フランクに強引に車へと乗り込まれてしまう。息子の安全と引き換えにフランクはそのまま、アデルの家へも乗り込んでくるのだった。降ってわいた事態に、当然のように怯える親子。だが、フランクの殺人犯とは思えないその誠実な人柄に、母子はいつしか心を許していく。やがて、息子は離れていった父親の面影を、母は失われた愛を投影するかのように、そんな今にも壊れてしまいそうな危うげな日々に身を任せていくのだった……。脱獄した殺人犯に人質として囚われた親子が、いつしか擬似家族のような絆を結んでいったそんな刹那的な5日間を濃密に描き出すヒューマン・ストーリー。この監督の過去の作品は何度か鑑賞してきて、その人生の生き辛さや理不尽な現実をあくまで軽くポップに描くその作風は、まあ意図してのことではあると思うのだけど、なんだか妙に鼻について正直あまり好きではありませんでした。そんなわけであまり期待せずに彼のこの新作を観始めたのですが、これが意外や意外、男女の愛憎が濃厚に入り乱れる人間ドラマの佳品へと仕上がっていていい意味で裏切られました。いやー、なかなか面白かったですよ、これ。セックスシーンらしきものはほとんどないのに、この全編に漂う濃厚な性の匂いに僕はもう完全にノックアウトでした。この擬似親子関係を作り上げた3人が、手を混ぜ合わせてピーチパイを作るシーンなんて、そんじょそこらの官能小説より充分にエロティック!!対する思春期を迎えたばかりの悶々息子(笑)が、かなりおませな同級生の女の子にファーストキスを奪われ、「これであたしはあなたの忘れられない女の子になれたわ」なんて言われるシーンとかすんごく印象的(話はずれるけど、この女の子の蓮っ葉ですれたロリビッチな雰囲気、もろ自分のタイプっす☆笑)。最後の展開は確かにやり過ぎな感もあるけど、これはこれで良かったと僕は思います。うん、なかなかの良作でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2023-10-30 12:04:36)(笑:1票)
72.  トカレフ(2014) 《ネタバレ》 
「トカレフ、TT-33。昔、ロシア軍が使っていた銃、装弾数8発、いまじゃこの街のロシアンマフィアたちが好んで使う。そう、お前がかつて襲撃し金を奪った、あのロシアンマフィアさ。それがお前の最愛の娘を殺したんだ」――。過去に犯罪集団の一員として様々な事件に関わってきたものの、いまや足を洗い堅気の生活を送っているポール。ところがある日、彼の最愛の娘が誘拐されてしまう。かつての仲間たちと手段を選ばず娘の行方を捜し求めるポールだったが、それも空しく娘は額を撃ち抜かれた死体となって発見されるのだった。娘をこんな目に遭わせた奴らを絶対許さない。彼は娘のために復讐を固く誓うのだった。やがて、娘を殺した銃が“トカレフ”であることが判明すると、ポールのかつての因縁の相手であるロシアンマフィアたちの存在が浮かび上がってくる……。ニコラス・ケイジ主演で、そんな娘を殺された父親の決死の復讐劇を描いたクライム・サスペンス。なんだけど、いやー、これが超つまんない映画で僕はびっくりしちゃいました。ニコラス・ケイジ主演ということで、それだけでかなりハードルが下がっているというのに僕のそんな下がりに下がりまくったハードルのさらに下をゆく(笑)完成度の低さでしたね、これ。とにかくお話のテンポが恐ろしく悪く、一向にストーリーが動きださないものだから、映画が始まって30分くらいもう眠くって眠くって…。具体的な敵の正体が分かり、ようやく父親の復讐劇が始まったと思ったら、ニコちゃんもさすがにしょうもない映画に出過ぎて疲れているのか、怪我して足を引き摺りながら逃げるロシアン・マフィアにいつまでたっても追い付けないって、あんた身体なまり過ぎっしょ!その後、主人公が街中でかなり無茶苦茶なカーチェイスをやらかして警察に囲まれたのに、そこに友達の刑事が現れて「俺が全責任を負うから逮捕せんで見逃せ」って素直に引き下がるとかどんなけ甘い警察やねーーん!挙句、最後に明かされる驚愕の真相も「はぁ、なんやねん、それ!客をナメとんのかーーー!!」と大声で叫びだしたいくらいアホらしいものでもう呆れるしかなかったです。うーん、昔は「ニコラス・ケイジ、しょうもない映画出過ぎ!」と笑って突っ込んでいられましたが、最近は本作といいもう笑えないくらい酷いレベルの作品が続いているのでちょっと心配になってしまいました。ニコラス・ケイジ、そろそろ長期休暇でも取って、自分探しの旅にでも出かけてみてはいかがでしょう?
[DVD(字幕)] 2点(2023-10-30 11:28:18)
73.  ハンナ・アーレント 《ネタバレ》 
「聞いたでしょう、アイヒマンは法律に従っただけ。彼は自分で手を下していない。ただ、ユダヤ民族抹消という上からの命令に従っただけ。その証拠にアイヒマンは、自分にユダヤ人への憎悪はないと主張している。そう、彼は単なる役人なの。ホロコーストという、想像を絶する残虐行為と彼の平凡さを同列に裁くことは間違っている」――。1960年、多くのユダヤ人をガス室へと送ったナチス戦犯アイヒマンが、イスラエル諜報機関によって南米で逮捕される。すぐにイスラエルへと移送された彼は、人道に対する罪で裁判にかけられるのだった。ドイツ系ユダヤ人であり、自らも迫害された過去を持つ高名な哲学者ハンナ・アーレントは、彼の罪を冷静に見つめようと、すぐにイスラエルへと飛ぶ。「こんな残忍な怪物はすぐに処刑すべきだ!」という空気に満ち満ちたそんな裁判を傍聴していく中で、ハンナは彼が裁くに値しない凡庸な人間であるという考え方を強めていく。やがて、「ホロコーストという未曾有の悲劇を起こしたのは、彼のような人間だけではなく、ユダヤ人にもその責任の一端がある」という主張を表明すると、彼女に嵐のような批判が巻き起こるのだった……。実話を基に、ナチス戦犯であるアイヒマン裁判をあくまで冷徹に見つめた一人の女性哲学者の凛とした生き様を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。恥ずかしながらハンナ・アーレントというこの哲学者もアイヒマン裁判もほとんど知らずに本作を鑑賞してみたのですが、これがなかなか見応えのある人間ドラマの佳品へと仕上がっておりました。とにかく、本作の主人公であるハンナ・アーレントが人間としてすこぶる魅力的!!ヘビースモーカーだった彼女が煙草をくゆらせながら(ほんと、ず~~~っとプカプカ煙草喫ってます笑)延々とディベートする姿がとにかく格好良い!!どれだけ批判に晒されようと絶対に自分の信念を曲げない鉄の女であった彼女。でも、家庭では一人の女性として夫を気遣う姿がとても印象的でした。そして、ユダヤ人でありながら、自らの感情よりも冷静な知性でもって真実を見つめようとしたハンナの姿勢は大変興味深いものでした。誰もが自分で考えることを放棄し、ただ上からの命令や時代の空気に流されてホロコーストという未曾有の悲劇を巻き起こしてしまった人類……、今回も感情に流されてアイヒマンを死刑にしてしまったら私たちは何も時代から学ばなかったことになるというハンナの思想は、徐々に右傾化する現代日本に警鐘を鳴らしているようでもあります。時代の風潮に安易に流されることなく、自分で考え判断することの重要さをあらためて教えてくれる佳品でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2023-10-27 08:58:20)
74.  ローン・サバイバー 《ネタバレ》 
2005年、アメリカ軍とタリバンたちとの激しい戦闘が続くアフガニスタン。そんな危険な地で、常に死と隣り合わせの日常を生きるマーフィ大尉ら4人にある極秘任務が与えられる。それは山岳地帯に隠れ住む凶悪なテロリストのリーダーを暗殺せよというものだった。すぐに現地へと向かい、林の中からそんな標的のテロリストのことをじっと息を潜めて見つめていた彼らだったが、偶然通り掛かった羊飼いの少年に見つかってしまうのだった。「ばれてしまった以上、俺たちに残された選択肢は3つだ。その1、この少年を解放しここから逃げる。だが必ず追っ手が来る。それも200人以上のタリバンが。その2、少年をここに縛りつけて残す。その場合、高い確率で彼らは狼に喰われるか凍死する。その3、危険性の排除。それがどういうことかは言わんでもわかるだろう」――。そんな極限の選択を迫られる彼ら。だが、「駄目だ。俺たちの目的は子供を殺すことじゃない!」という部隊長の決断により、彼らは地獄のような逃避行へと追い込まれてしまう……。実際にあった事件を基に、そんな勇敢なアメリカ海軍たちの決死の逃避行をリアルに生々しく描き出すサバイバル戦争アクション。最近、こういう事実を基にした戦争映画に秀作が多かったので本作もけっこう期待して鑑賞してみたのですが、いやー、これが恥ずかしくなるくらいの超アメリカ礼賛映画でした。この映画に出てくるアメリカ兵たちの「何があろうと仲間は見捨てない!」「女子供は絶対に殺さない!」「とにかくタリバンは悪なんで、がんがん殺してよし!」という、あまりにも綺麗事に過ぎる鉄の価値観ってちょっとどうなんですかね。べつにそういう映画があってもいいと思うのですが、さすがに“事実を基にした物語”と言いながら、ここまで綺麗事で纏められてしまうと僕はちょっとひいちゃいます。護衛ヘリもついていないのに仲間を助けるためだと強行に現場へと向かい、呆気なく撃墜されちゃう救出部隊もちょっと無謀過ぎやしません?そして最後に唐突に出てくる、「実はアフガン人にも良い人たちだっているんだよ」と言わんばかりの主人公を助ける現地部族…。なんだかアメリカ海軍のイメージアップ映画のようでした(笑)。確かに、主人公たちが崖を転げ落ちるシーンの息を呑むようなリアルさは迫力ありましたけれど、ストーリーの構成的にもバランスが悪かったような気がして僕はそこまで入り込めなかったです。うーん、最後に映し出される実際にアフガンで戦った兵士の皆さんには申し訳ないですけど、僕は5点っす。ごめんちゃい!!
[DVD(字幕)] 5点(2023-10-27 08:29:13)
75.  ザ・ベイ 《ネタバレ》 
2009年、7月4日。穏やかな港湾に面したアメリカの地方都市クラリッジはその日、独立記念日の祭典に沸いていた。花火が打ち上げられ、たくさんの屋台が道路に軒を連ね、海岸ではカニ早食い競争が開催されていた。人々は朝からビールを飲み、そんな平和な夏の休日を満喫していたのだった。だが…、彼らはまだ知らない。海に隣接する大きな養鶏場から連日のように廃棄される鶏の糞には危険な科学物質が大量に含まれていて、さらにはそんな危険物質を含んだ海水が市の“海水淡水化事業”により、人々の飲み水として大量に供給されていたことを――。化学物質の影響で突然変異を起こした恐ろしい寄生虫によって、突如として阿鼻叫喚の地獄絵図へと変貌してしまった港湾都市の悲劇を、遺された大量の映像で再構築して見せるモンスター・パニック作品。こういうジャンルにありがちな所謂フェイク・ドキュメンタリーというスタイルで撮られた作品なのですが、そこはさすがアカデミー賞の栄誉に輝くバリー・レヴィンソン監督。取材していたテレビカメラの映像や、監視カメラ、実家へと帰省する若い夫婦のプライベートビデオ、パトカーの記録映像、当事者によってネットへと投稿された動画などなど、様々なフェイク映像を抜群の編集センスによって繋ぎ合わせることで、この手の作品によくある“視点が最後まで変わらないのでストーリー展開が単調になりがち”という弱点を見事に克服しておりました。最後まで全く緊張感を途切れさせずに見せ切るこのサスペンスフルなストーリーはなかなかのクオリティ。被害者の身体の中や魚の体内に蠢く寄生虫たちの見ているだけで鳥肌立ちまくりの悶絶気持ち悪さといったら、もうトラウマもの!!それに群像劇としてもなかなか良く出来ていたんじゃないでしょうか。ただ、「これからこの超気持ち悪~いこいつらが大量発生して生き残った人々をさらに殺し捲るんだろー。もうヤバいってーー!」とワクワクしながら観ていたのですが、最後はけっこう呆気なく終わっちゃったのが残念!こういうモンスター・パニックもののクライマックスは、やっぱりもっとやり過ぎってくらい無茶苦茶な阿鼻叫喚にしてもらわないと。と、そこだけ残念ではありましたけれど、全体的には気軽に観られるB級パニック映画として、僕は充分楽しめました。ただ、これから食事しようという方(特に魚料理!笑)は観ない方がいいかもね~。確実に食欲がなくなります!!
[DVD(字幕)] 6点(2023-10-27 08:00:14)(良:1票)
76.  ザ・マシーン(2013) 《ネタバレ》 
近未来。世界の軍拡競争の中心は、人工知能を搭載した人型ロボット兵器の開発に移行したのだった――。政府によって秘密裏に設立された地下の研究施設で、最新鋭ロボット兵器として開発された女性型アンドロイド、エヴァ。不幸な事故によって命を落とした女性科学者の記憶をアップデートされた彼女は、人間としての自分と兵器としての自分というアイデンティティの狭間で苦悩していた。あくまで人間として接してくれる優しい開発者の博士と、すぐにでも兵器として戦線へと送り出したい政府との思惑に、彼女のそんな思いは翻弄されていく。やがて、限界を迎えた彼女のストレスは、地下研究施設内で暴走を開始してゆくのだった……。美しい女性の姿をした人型ロボット“ザ・マシーン”の苦悩と暴走を抑えた演出で描き出す近未来SF作品。『ブレードランナー』にもっとも近付いた映画という宣伝文句に惹かれ今回鑑賞してみたのだけど、いやー、これの何処が『ブレードランナー』やねん!『ブレードランナー』の足元にも及ばんどころか、天と地にも格差が開きまくりの、例えるなら「最新鋭のスパコンと昔懐かしのゲームウォッチ」くらい差のある、質の悪~~い映画でした。とにかく物語が始まってから最後まで、登場人物誰一人としてキャラが立っていないのが致命的。マシーンを開発する博士ものちにアンドロイドとなる若い女性科学者も政府の役人もいったい何がしたいのか最後までいまいちよく分かんないから、物語が一向に盛り上がらない。ストーリーもずっと地下の狭い研究施設内だけでちまちま進行していくし、変なアンドロイドみたいなあの喋れない兵士もいったい何なのかよく分かんないし、最後の取ってつけたようなハッピーエンドも「はぁ、なんやねん!それ!」と腹立つし、唯一期待できた全裸の女性型ロボットが暴れまくるというエロ…、おっとセクシーシーンもCGでぼやかしてお茶を濁すしで、僕は最後まで観るのが苦痛で苦痛で仕方なかったです。こーゆーつまんない作品を観ると、監督や脚本家を初めとする製作陣は今まで面白い映画を観て来なかったんじゃないのって疑いたくなります。……て、ちょっと言い過ぎ?(笑)でも、それっっっくらい、つまんなかったです。
[DVD(字幕)] 2点(2023-10-18 10:03:19)
77.  ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 《ネタバレ》 
アメリカ、モンタナ州。家電量販店で働くデビッドは、妻に捨てられテレビでキャスターを務める成功者の弟に引け目を感じながらただぼんやりと毎日を遣り過ごしている冴えない男。ある日、彼は保安官から高齢の自分の父親ウディを高速道路で保護したので今すぐ来てほしいとの連絡を受ける。急いで駆けつけて事情を聴いてみると、父親は宝くじの当選金100万ドルを受け取るためにネブラスカまで歩いていくという。「父さん、そんなのは昔からよくある詐欺だよ」と説得するデビッドだったが、父親は頑として応じようとしない。仕方なく有給を取り、親子で車に乗り込んだデビッドは遠くネブラスカを目指すのだった。ところが、途中で父親の地元に立ち寄ったことをきっかけに、デビッドはこれまで知らなかった自分の父の過去を見つめ直していく……。人生の曲がり角を迎えた冴えない中年男と酒浸りの偏屈老人という負け組親子が、宝くじ当選金を(詐欺と分かっていながら)受け取るためにゆくネブラスカまでの旅路をほのぼのとしたモノクロ映像で描いたロード・ムービー。このアレクサンダー・ペインって監督、昔からこーゆーどうしようもない駄目男の悲哀をユーモラスに描くのがホント上手いんですよね~。『サイドウェイ』ではノーテンキ浮気男と酒癖悪いウジウジ失恋男の2人旅、前作『ファミリー・ツリー』では妻に浮気され娘からも邪魔者扱いされる駄目パパ、そして今作で描くのは酒浸りのボケ老人と冴えない息子とのどうしようもないトホホ旅でした。でも、普通に考えたらけっこう悲惨な状況にいるそんな親子なのに、この監督の人を見る目ってすごく優しい。最後まで穏やかな気持ちで観ていられるロード・ムービーの佳品に仕上がっておりました。特に、人の意見を全く聞こうとしないこの偏屈ジジイなんて、普通の監督が撮ればきっと見ていられないくらい嫌なキャラになりそうなものなのに、どこか憎めない飄々とした爺さんとなるのがこの監督の巧いところ。そう、人は誰しも他人に迷惑かけて言い争いや揉め事ばかり起こしてしまう弱い生き物なのかもしれないけど、それでもあーだこーだとボヤキながら生きていくしかない。そんな人生の哀歓を優しく肯定的に見つめた本作を観終わって、僕はほのぼのとした良い気持ちになれました。これからは僕もあんまりお酒を飲み過ぎないように気を付けます(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2023-10-18 09:40:17)
78.  わたしは生きていける 《ネタバレ》 
「緊急ニュース速報です。ただいまロンドンで核爆弾が爆発した模様です。繰り返します、ロンドンで核爆発、首都近郊はいまや炎に包まれ、数万人規模の死者が出ているようです。確認できただけで15の組織が犯行声明を出していますが、真偽のほどは分かりません。現在、ヨーロッパ各地に死の灰が降り注いでおり、政府は戒厳令を発令しました。繰り返します、世界はいまや第3次世界大戦の瀬戸際に立たされています」――。ハードロックをこよなく愛する反抗期真っ只中の16歳の少女デイジーは、ひと夏を都会の喧騒から逃れて過ごすため、イギリス郊外の叔母の家へとやって来る。のどかな田園風景が拡がるそんな田舎町で彼女を迎えてくれたのは、自由気儘に暮らす従兄弟たち兄妹だった。最初こそ、情緒不安定な性格のせいで反発を覚えたデイジーだったが、次第に彼らの純朴な人柄に心を許してゆく。やがて、長男のエディに仄かな恋心を抱くまでになるのだった。だがある日、緑に囲まれた丘の上でのどかなピクニックを楽しんでいたデイジーたちは、遠くの空に一筋の閃光を見るのだった。直後に降り注ぐ謎の白い灰。急いで家に帰ったデイジーたちは、テレビのニュースで第3次世界大戦が勃発したことを知る……。これまで社会派ドラマの良品を幾つもものしてきたK・マクドナルド監督が数々の権威ある賞に輝くベストセラーを映画化したという本作、正直に言って、明らかな瑕疵の目立つ作品でありました。前半での青春ドラマパートにおける主人公デイジーとエディの恋があまりにも唐突過ぎて説得力に欠けるうえに、彼の動物と話せるらしい特殊能力もデイジーを終始苦しめる頭の中の声も一向にドラマに絡んできません。挙句、最後の取ってつけたような展開にいたってはもう目も当てられない。なのですが、本作にはそれを補って余りある魅力が随処に感じられて、僕は素直に観て良かったと思えました。たとえば、デイジーが大量の打ち捨てられた死体の山で従兄弟のことを捜すシーン、こんなにも悲哀に満ちたシーンを僕は久し振りに見たような気がします。あるいは、従兄弟の女の子を捕まえようとした男たちにデイジーが躊躇なく引き金を引くシーン、彼女の深い怒りに胸が張り裂けそうになりました。本作の優れた点は、戦争という巨大な災厄をあくまで一人の無力な少女の目線から捉えたところでしょう。この世界はロクでもない暴力に満ち溢れていて常に犠牲になるのは女や子供といった弱い者たち…、それでも人を想う気持ちさえあれば“わたしは生きていける”。そんなシンプルだけど、力強いメッセージにどうやら僕は心打たれようです。それだけにこの脚本上の欠点がつくづく惜しい。
[DVD(字幕)] 7点(2023-10-18 09:06:27)
79.  アクト・オブ・キリング 《ネタバレ》 
1965年、インドネシア。軍部によるクーデターが発生し、軍事独裁政権が誕生した。政府に逆らう者は共産主義者として告発され、西側諸国の支援のもと、100万人を超す“共産主義者”が1年足らずの間に殺された。虐殺や拷問の主な実行者は〝プレマン〟と呼ばれる、ほとんどヤクザと変わらない民兵集団だった。当時、彼らは権力者として敵対するものを容赦なく迫害。驚くべきことに、彼らは今も罪に問われることもなく国民的英雄として幸せに暮らしているのだった。今回、取材に応じたそんな殺人者たちは、かつて自らが犯した残虐行為を誇らしげに語り始める。どうして彼らはそんな鬼畜にも劣る行為を嬉々として実行できたのか――。その理由を知るため、本作のスタッフたちは、彼らに当時の拷問や虐殺を自由に再現し撮影して1本の映画として完成させるよう依頼する。本作は、その過程を追い、そんな殺人者たちの形成過程を記録したドキュメンタリーである。主な出演者は、当時プレマンと呼ばれ残虐の限りを尽くしたものの、今では地元の権力者として住民から英雄視されている初老の男たち。つまり当事者自らが当時のことを再現してみせるのだ。例えるなら、本物のナチスが多くのユダヤ人をガス室に送った工程を自ら演じてみせるようなもの。こういう今まであり得なかった手法で撮られた本作は、もうそれだけで観る者の知的好奇心を否応なく刺激してくる。映画を撮るために、久々に集った当時の仲間たちが、まるで学校の同窓会のように抱擁を交わし、そして当時の虐殺の様子を楽しそうに語り始める姿は観客の倫理観に挑戦状を叩きつけてくるようだ。「俺たちは当時正しいと信じられていたことをやっただけだ。それを言うなら、アメリカだってイラクで同じようなことをした。戦争犯罪は勝者が規定するものさ。殺人を責めるなら〝カインとアベル〟からやれ。俺たちは勝者だ、自分の解釈に従う」と主張する彼らに、真に有効な反論をいったい誰が有しているだろう。人間の倫理観の規範となるべき根拠の脆弱性を鋭く問う本作のテーマは、なかなか深いものがある。ただ、後半における「そんな彼らも当時のことを再現する過程で罪悪感に目覚めていった。きっと人間の本質にあるのはやはり〝善〟だ」という既存の道徳観に(無難に)収めていく展開は、残念ながら監督の“逃げ”と捉えられても仕方ないだろう。日本が世界に誇るカルト・ドキュメンタリーの怪作『ゆきゆきて神軍』における奥崎謙三が放っていた真の狂気性には到底及ばない。監督には彼らの心にいまだ眠っているだろう真の闇に、徹底的に肉薄して欲しかった。そうしたら、歴史に残る傑作になり得ただろうに。惜しい。
[DVD(字幕)] 7点(2023-10-16 05:54:16)
80.  余命90分の男 《ネタバレ》 
最愛の息子を事故で亡くしてから、常に怒ってばかりの偏屈オヤジになってしまい誰からも嫌われる孤独な男、ヘンリー。健康診断の結果を聞きに病院へと向かった彼は、そこに現れた代理の若い女性医師シャロンから衝撃の事実を聞かされる。脳動脈瘤。その病名に到底納得できない彼は、そこで彼女と酷い口論となってしまうのだった。一方、唯一の心の慰めであった飼い猫を亡くしたばかりのシャロンは、彼の理不尽な物言いについつい激高して出鱈目な余命を告げてしまう。「そうよ、あなたの余命は90分!せいぜい悔いのないようにね!」――。常に怒ってばかりで家族からも見放された偏屈オヤジは、その短い時間で自分を見つめ直そうとするのだが……。名優ロビン・ウィリアムスの最後の主演作となったのは、そんな終始小気味よく進む軽いタッチのヒューマン・コメディでした。さすがに余命90分というのを簡単に信じ込んじゃう主人公には違和感があるし、なのに映画の上映時間が84分しかないというのもご愛嬌だけど、まあ最後まで軽~い感じで観ていられる娯楽作としてなかなか面白かったです。最後のセックスをしようと別居中の嫁の家へと乗り込んじゃう主人公とか、まあアホですよね(笑)。そんな一向に共感できない主人公なのですが、自分のキャリアを潰されまいと彼のことを追いかけて街を駆けずり回る一方の女性主人公シャロンが好対照をなしていて、作品にいいアクセントを与えておりました。うん、気軽に観られるエンタメ映画としては、ぼちぼち面白かったんじゃないでしょうか。以下、個人的な感想。そんな精神的に問題を抱えている主人公を演じた名優ロビン・ウィリアムズ。この映画に主演したのを最後に、彼が長年の闘病生活の果てに自死を選んだことは周知の事実でしょう。結果論とはいえ、このすぐ後に自ら命を絶つことになる人が、これから自殺しようという人間を演じるのはやはり見ていて痛々しいものがあります。映画の中の彼にはちゃんと救ってくれる人がいて助かったのですが、現実での彼にそんな人がいなかったことがつくづく残念でなりません。「ここで死んだらあなたの人生も周りの人々も取り返しがつかなくなる」という劇中でのミラ・クニスの言葉が彼の心に届くことはなかった。遺された僕たちは、哀しいですが、彼のご冥福を祈ることしかできません。
[DVD(字幕)] 6点(2023-10-16 05:23:47)
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