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飛鳥さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1679
性別
自己紹介 今まで観た映画の記録を整理したくなり、レビュー開始。
物忘れが良いのでメモを残しておかないと、印象薄めのものは内容をすっかり忘れていたり、前に観た映画も初見かと思って後半にようやく気づくなんてことも。
備忘録を兼ねているので、ほとんどのレビューはネタバレで書いてます。

10 至高の殿堂入り
9 心に残る傑作 
8 もう一度観たい佳作
7 面白い
6 そこそこ面白い
5 普通
4 それほど面白くはない
3 面白くはないが見どころがなくはない
2 全然面白くない
1 酷い駄作
0 呆れ果ててもはやネタレベル

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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61.  脳漿炸裂ガール 《ネタバレ》 
ボカロを使った曲が元で小説や映画に派生していったようだが、つまらない小劇団の芝居を鑑賞したときのような印象。 メッセージ性があるようで薄っぺらい、自己満足のような世界。 教師役の演技も酷くて、狂気のようなものをまったく感じさせてくれず、最後まで見るのが苦痛になってくる。
[インターネット(邦画)] 2点(2019-06-28 22:20:18)
62.  裏切りのサーカス 《ネタバレ》 
説明的なシーンを極力省いていて、最小限の描写で状況を伝えようとしているので、そのサインを見逃すとなかなか状況が掴めない。 なので、気軽に1度見ただけでは難しい。 原作を読んでいればまだ理解しやすいのだろうけど、原作を省略しているところもあるようなので、未読では尚のこと難しいかも。 しかも、サーカスの幹部の中でも、二重スパイのフリをして敵の情報を掴もうとしている者と、本当に二重スパイで敵に情報を流している「もぐら」が混ざっているので、余計にややこしい。 また、人間関係のややこしさは、仕事上のことだけでなく色恋も絡んでくる。 更に、男女間の純粋な恋愛だけでなく不倫や男同士の同性愛も絡んでいるのでわけがわからなくなる。  二重スパイのフリをして敵の情報を得ようとするウィッチクラフト作戦は、結局は「もぐら」のせいで敵のカーラには筒抜けでカーラの流す情報を掴まされていただけだった。 サーカスチーフのアレリンはソ連を手玉に取っていたつもりだったが、「もぐら」を操るカーラの術中にまんまと嵌っていたわけだ。  元諜報部員の実話がベースにあるということで、派手なアクションもなく地味だけれどリアリティのある作品。 「ミッション:インポッシブル」や「007」のようなスパイ映画とは対照的なので、そっちを期待して見ると拍子抜けになれど、こちらはあくまで本物志向。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-12-04 01:50:51)
63.  三度目の殺人 《ネタバレ》 
こういうメタファーが多いのもモヤっとした終わり方も好みじゃない。 是枝監督はあえてモヤっとさせたかったようだが、こちらはスッキリしたいので。 十字架、北海道の原風景、器など、示唆するものを掘り下げてみればいろいろ浮かび上がってくる作り方だけど、謎解きのように分析するのは正直面倒臭い。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2018-11-29 23:10:51)
64.  6才のボクが、大人になるまで。 《ネタバレ》 
子役と青年役がとても似てて絶妙のキャスティングだなと思っていたら、同一人物だったとは。 成長していく役者に応じて12年間という長いスパンで撮影しているのは、その労力に感心する。 内容は一般的なアメリカ人の回顧映像のよう。 身近で普遍的、誰にも思い当たるような「あるあるネタ」が盛り込まれているので、なんだかアルバムを見て懐かしむような気持ちにもなる。 それはそれでいいのかもしれないが、ただそれだけで終わっている気がしないでもない。  成長してからの主人公の陰キャラがちょっと鼻につく。 母親の二番目の夫は高圧的で嫌なヤツだから嫌われるのもわかる。 でも、三番目の夫が酔って主人公に絡んだシーンでは、どちらかといえば主人公よりも義父のほうに少し共感してしまった。 この二人はタイプも全然違うから相性も合わないのだろうけど、あれだけかわいげがなく懐かない義理の息子にはストレスも溜まってしまうだろう。 もっとも、母が離婚を重ねてそのたびに父が変わる子供も、迷惑な話だろうけど。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-09-08 23:17:19)
65.  人生の特等席 《ネタバレ》 
イーストウッドもすっかりシワシワのお爺ちゃんになって、今回はMLBのスカウト役。 本物のMLBの迫力を知っていると、こういう映画でのベースボールのプレイは素人丸出しで、ドラフト1位の超大物スラッガー役のスイングなんてしょぼくて見ていられない。  仕事も家族も恋愛もすべてハッピーエンドに収まるまでのあまりのご都合主義には、見ているこちらが居心地の悪さを感じるくらい。 父娘がお互いを思いやりながらのすれ違いと関係回復は必殺の泣ける要素のはずなんだけど、まったく琴線に触れない。 でも、めちゃくちゃ嫌な性格の同僚スカウトがやりこめられるくだりはスッキリ。
[CS・衛星(吹替)] 4点(2018-09-08 12:34:41)
66.  お嬢さん(2016) 《ネタバレ》 
三部構成の一部はスッキ(珠子)の視点で、二部は秀子の視点で描かれ、三部で全ての真相が明らかに。 真相が次第に明らかになるのが面白い。 官能小説の朗読での日本語の訛りが、ムードぶち壊しでコントのようで笑える。 あれで興奮するのは無理だろうし、興奮するならホンモノのド変態。 全体的に韓国人俳優の日本語がもう少し流暢であれば良かったのだが。 現代劇の話し言葉であればそれほど気にならないかもしれないが、耽美派文芸風の畏まったセリフだけに余計に気になった。
[DVD(字幕)] 6点(2018-08-27 13:39:21)
67.  人生はビギナーズ 《ネタバレ》 
どこか文学的なテイストのある映画で、生き方を考えさせるような真面目なテーマをじっくり描く。 ただ、ゲイをカミングアウトして亡くなった父ハルとのことと、別れたアナとやり直すことがどうつながっているのか。 人生を謳歌した父に感化されてということなんだろうけど、今ひとつピンと来なかった。 そもそもオリヴァーがなぜ自信を持てないのか、アイデンティティが不確かなのか、その悩みがよくわからないので共感するまでには至らず。 オリヴァーの性格形成に、冷めた両親の仲が大きく影響しているようではあるけれど。 アナとのラブストーリーと、両親との葛藤と理解の物語が、微妙に別の話のようにも感じられてしっくりとはこない。  「気分がふさぐ時は部屋にこもり大声で叫ぶの。1~2分でスッキリする」 オリヴァーが子供の頃に母から教えてもらった言葉だが、母は自分自身のやりきれない悲しみをこうやって解消しようとしていたのだろう。 母はハルがゲイだとわかっていて、「私が直してあげる」とプロポーズした。 オリヴァーは死期の迫った父から初めてそのことを聞き、父と母の間にも愛はあったのだと知る。 父なりに母の思いに応えようと努力はしたのだろうが、母が満たされることはなかったのが哀しい。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-08-26 22:49:22)
68.  ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 《ネタバレ》 
モノクロだったが全然気にならなかった。それだけストーリーにマッチしていたのだろう。 誰もが思い当たるような親との思い出。モノクロが郷愁をそそるのかもしれない。とても地味だけど、静かにグッとくる映画。 同監督作品の「サイドウェイ」もそうだがストーリーに派手さはないけれど人間描写が実に巧みで、その裏にどこかウィットや温かさのようなものを感じる。  誰が見ても詐欺だとわかる100万ドルの当選通知。それを信じてはるばるネブラスカに向かう父。 認知症の気もある父は家族の説得にも耳を貸さない。この辺りの頑固さと話の通じなさへのイライラは、息子にすごく共感できる。 一緒にネブラスカに向かう間に、今まで知らなかった父の一面を少しずつ知っていく。 子供は親にも青春時代があったことをつい忘れがちだし、あえて知ろうとしなければ知ることもない。 父が100万ドルに執着した本当の理由は、新車のトラックが欲しかっただけではなく、息子たちに何かを残してやりたかったから。 そのことを知った息子は、父の本当の姿をまた一つ見つけたよう。二人の心の距離がグッと近くなったのが伝わってくる。 そんな父が馬鹿にされるのが我慢できず、エドを殴りつけてしまう息子。 理性的なデヴィットらしくない行為だけれど、これは殴らずにはいられないと自然と感情移入。  大金を当てたと信じこんだ人達が次々とタカってくる様子がとてもリアル。 家族間のやりとりも絶妙で、兄や母もキャラが立っている。 特に文句ばっかり言ってる母の姿は、思わず苦笑させられるほど。  ラストも巧い。デヴィットが購入してあげたトラックを誇らしげに運転する父と、それを呆然と見送る顔を腫らしたエドの姿が面白い。 エドの表情は、本当に100万ドルを当てたのかと信じられないものを見たようだった。 父をホラ吹きのボケ老人にさせなかったデヴィットの素敵なプレゼントに心温まる思い。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-08-25 21:45:37)
69.  プロミスト・ランド(2012) 《ネタバレ》 
天然ガスの埋まる田舎町の土地買収を図る企業側と、企業の甘い話には乗らずに田舎町の自然を守ろうとする抵抗派との攻防。 こうした構図の場合、主人公は対企業側であることが多いのだが、この映画では買収する側なのが興味深い。 環境保護団体の活動家が環境破壊の証拠写真を広めたため、スティーブは一気に劣勢となるが、その写真が捏造であることを突き止める。 その捏造に思わぬ真相が隠されていて、環境保護団体活動家の正体のどんでん返しが意表をついて良かった。 ただ、最後にビジネスライクなスティーブが雇い主に反旗を翻したのはなぜか、その背景となる生い立ちがしっかり伝わってくればもっと納得できたのに残念。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-08-24 19:42:52)
70.  インポッシブル
2004年スマトラ島沖大地震での津波に遭った家族の実話に基づく作品ということだが、こういうのは下手にドラマや映画にするより完全ドキュメンタリーのほうが響くのかも。 実話としての臨場感、フィクションを加えた物語性という点で、どっちもつかずの中途半端な感じがなきにしもあらず。
[DVD(吹替)] 5点(2018-03-24 10:40:09)
71.  地獄でなぜ悪い
園子温監督は好きなほうなのだが、これはまったく合わなかった。 コメディはハマらないと最後までつらい。
[DVD(邦画)] 2点(2018-03-24 09:23:38)
72.  大統領の執事の涙 《ネタバレ》 
ドラマに深みがないような。もっと掘り下げてほしかったが、意外と淡白に終わってしまったという印象。 白人に従順に仕える父と過激な黒人解放運動に走った長男の対立と和解が、少しあっけなく感じられた。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2018-03-20 22:40:38)
73.  ヘッドハンター(2011) 《ネタバレ》 
こういうストーリーは主人公に感情移入できなければドキドキ感は半減する。 主人公に肩入れしてこそ、どこまでも追跡され殺されそうになる展開にハラハラできる。 低身長でコンプレックスを抱えながら、美術品を盗んだ金で美人の奥さんとセレブな生活を維持する陰気な顔の主人公。 そんな主人公にあまり魅力を感じなかった。 肥溜めに全身浸かって身を潜めたり、追跡発信機のジェルを落とすために丸坊主で全裸になったり、元軍人から必死で逃れる姿は目を見張るものがある。 サスペンスのストーリーはよくできているが、自分にとってのハラハラ感につながらなかったのは残念。  4年程してもう一度見たが、物忘れがいいのが幸いして内容をはっきりとは覚えておらず、サスペンス自体は楽しめた。 が、元軍人のクロスが親の敵のようにどこまでも執拗にロジャーを殺そうとする合理的な理由がわからない。
[DVD(吹替)] 5点(2018-02-26 17:30:09)
74.  トラッシュ! この街が輝く日まで 《ネタバレ》 
腐敗しきった権力者や警察に反逆する、少年三人の少年漫画のような冒険活劇。 暗号の解読も少年探偵団的で、巨悪vs少年たちの構図。 ただ、少年たちもお金のために必死で戦っていたはずなのに、最後は正しいことだからそうしたとなっているのは、キレイごとになりすぎた感が。 お金をゴミの山でばら撒くシーンにも違和感。 少年たちを都合よく祭り上げたような印象もあって、ちょっと子供向け的に感じる部分も。  ブラジルのスラム街の子供たちの生活がリアルに迫ってくる。 以前、ブラジルのストリートチルドレンが商店主に雇われた警察官らに殺されるような事件もあったが、そうした実情の片鱗を感じることができる。 「シティ・オブ・ゴット」でも感じたけど、平和ボケの日本からするとブラジルの治安の悪いところは次元の違う別世界。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-02-01 01:03:56)(良:1票)
75.  沈黙 ーサイレンスー(2016) 《ネタバレ》 
恩師であるフェレイラ神父の棄教が信じられないガルペとロドリゴ。その二人の神父がフェレイラの消息を訪ねて日本にやってきたが、直面したのはキリスト教を拒絶する過酷な現実だった。 拷問されても信仰を捨てずに命を落とす姿に、複雑な感情が沸いてくる。形だけでも踏み絵をすれば助かるのにとも思ってしまうが、そんな簡単には神を踏みつけられないのだろう。 キチジローは人間の弱さの象徴。吐き気がするほどに醜い。我が身かわいさに身内を見殺しにしたりロドリゴ神父を密告で裏切ったりしては懺悔して許しを請う。そんなに都合よく神に許されるなら、悪行への免罪符としての利用してるだけにも見える。キチジローの懺悔を聞くロドリゴもさすがに許しがたい思いを抱いたはずだが、結局棄教したロドリゴを心から信奉し理解していたのはキチジローかもしれない。  原作は昔読んだが、詳細はすっかり忘れていた。 中学校の社会の教科書にもキリシタン弾圧で多くの信者が殺されたと書いてあったが、神が本当に存在するのならなぜ信者を救えなかったのかと子供心に思ったものだ。 秀吉は昔読んだ子供向け伝記でも天下統一した英雄だったけど、こうしたキリスト教迫害を指示した張本人である負の面を見ると、素直に英雄視できなくなってくる。  無宗教の人間にとっては、宗教や信仰は正直ちょっと怖さも感じる。宗教は本来人の心を救うものだが、ときには争いの元にもなる。それは排他性を誘発しやすいからだ。自分の信じる神が唯一絶対的な存在だから、それ以外をなかなか認めようとしない。 宗教が根っこにある紛争は、今も昔も世界の至るところで起きている。そういうこともあって宗教には無意識に深入りしないようにしてきたかもしれない。だからキリスト教のこともよく知らなかったが、この映画で少し触れることができた気はした。
[DVD(字幕)] 6点(2018-01-27 22:49:18)
76.  22年目の告白 -私が殺人犯です- 《ネタバレ》 
二転三転するストーリーでサスペンス性はあるが、大事なものが欠けている。 サイコなシリアスキラーなんだけど、その犯人から肝心の狂気を感じない。 そういった点でいうと、韓国映画の描くサイコキラーは実に不快で嫌悪感と殺意を抱かせる。 この映画からはそうした感情は沸かなかった。 ということは、キャストを含めて狙った犯人像が描ききれなかったということだろう。 韓国映画でリメイクすればもっと面白くなりそうな気がする。 と思っていたら、原作は韓国映画の「殺人の告白」だった。 ストーリーや設定、キャストのイメージ、演出など、かなり違ったテイストになっていたので気づかなかった。 やっぱり犯人のインパクトは「殺人の告白」のほうが遥かに上で、ひたすら気持ち悪い。 日本版は韓国版にはなかった犯行動機にスポットを当てて戦場でのトラウマが語られているが、それが理屈っぽくなって迫力に欠け、かえってわけのわからない不気味な犯人像を損ねてしまった。 犯人にちょっとしたダンディズムのようなものを感じて、韓国版の動機もわからないどうしようもない気持ち悪さがない。 が、韓国版はいろいろ詰め込みすぎてリアリティーがなくアクションに偏りすぎで、ストーリーとしては日本版のほうが良かった。 終盤で真犯人のどんでん返しも加えて、捻りも入れている。 日本は理詰め、韓国は情緒で訴えかける印象。
[DVD(邦画)] 5点(2018-01-19 21:06:38)
77.  ヒメアノ~ル 《ネタバレ》 
「ヒミズ」もそうだが、古谷実原作の独特のテイスト。 ギャグ路線の稲中卓球部と同じ作者とは思えないシリアスさ。 どこか闇と狂気、ヒリヒリと乾いて荒廃した世界を感じさせる。  タイトルの意味がわからなかったが、ヒメトカゲという造語で、強者の餌食になる弱者を指すようだ。 強者に虐げられた者は、より弱い者に捌け口を求める。 自分が辛い思いをしたら、他人にはそんな思いはさせない――そんな道徳的な人間ばかりじゃない。 むしろ、より弱い者へと捌け口を求めるケースが目立つ。 同級生のイジメ、親の虐待、先輩の理不尽なしごき等、負のスパイラルが多く見られる。  冴えない童貞男の岡田が、清楚でかわいいユカに一目ぼれされるという思いもかけない幸運。 ところが、そのユカをストーカーしていた安藤が、岡田の高校時代の同級生でシリアルキラーだったという不運。 佐津川愛美と濱田岳のラブシーンがいい。 清楚に見えた女が実は結構経験豊富で、そこに引っかかる男の器の小ささがコミカルでクスッと笑える。 と思えば、一転してシリアルキラーの血生臭い凶行で、緩急めまぐるしい展開。  このシリアルキラーを演じる森田剛に、どうしようもない違和感。 イジメてた側ならわかるが、どう見ても元イジメられっ子には見えない。 さらに致命的なのは、サイコキラーの狂気が感じられないこと。 ここが違えばストーリーは面白かっただけにもったいない。 ミスキャストだと思ったが、だったらこの主役を演じきる役者が誰かというと、探すのがなかなか難しい。 興行ということを考えて、話題性スター性のある俳優の中から主役をとなるとなおさらだ。 この手のものが得意な韓国映画では、本当に気持ちの悪い、身の毛もよだつ狂気を感じさせるのだが、邦画ではそこまでのものは感じない。 日本では演技派で聞こえる役所広司でさえ、「渇き。」では役の上での狂気や不気味さをまったく感じずガッガリしたくらいなので、本業が歌手の森田剛に多くを求めるのも酷な話なんだろう。 いくらフリをしても、その目や顔つきからは、本物の持つ闇の深さとか邪悪なものは滲み出ない。 日本でも実際に事件を起こしてニュースになったサイコキラーが何人もいたが、皆、滲み出る負のオーラが違う。 こいつ本当にサイコキラーの資質があるんじゃないか――と思わせたら勝ちだが、残念ながらそこまでには至らなかった。 嫌悪感を催す不気味な役と子役の演技に関しては、天性の何かがあるのではと疑うほどに韓国との歴然とした差を感じる。韓国だけでなく欧米にも及ばない。 オタク的な気持ち悪さをコミカルに上手く演じる役者は、この映画でのムロツヨシ以外でもいろいろ思い浮かぶのだけれど。
[DVD(邦画)] 6点(2018-01-17 00:44:30)
78.  愚行録 《ネタバレ》 
人間の目を背けたくなるような嫌な部分をえぐりだすのがうまい。 冒頭でのバスの優先席をめぐるやりとりで、早くも主人公・武志の闇がうかがえる。 男同士のドン引きするような会話。色欲。計算高い野心。女のほうもしたたかさでは負けていない。女特有の嫌らしさ、プライド、嫉妬。 殺された田向は欲しいものには手段を選ばず労力も惜しまない。目指す就職のためにはコネを持つ女と付き合って平気で利用する。確信的なエゴイスト。欲しいものは手に入れるが、敵も多いタイプ。妻・友希恵も他の人を踏み台にしながら自分の幸せを追求する女。  あちこちで恨みを買っていそうな夫婦と幼い子を惨殺したのは、一体誰で、どういう恨みからなのか。 事件のサスペンスとリンクして、武志と光子の兄妹の抱えた闇が明らかになっていく。 妹への思いに兄弟愛を超えたものを感じたので、光子の子の父親のオチは途中から予想がついてしまった。 元々は兄妹の両親がろくなもんじゃなかったのが大きな要因。その両親のそれぞれの親たちにも問題があったのかもしれない。負の拡大再生産だ。  名家のお坊ちゃんお嬢ちゃんが通う名門大学では、セレブの多い内部進学者と外部からの入学生の隔たりがよく言われる。 内部進学者が外部生を下に見て相手にしないとしても、外部生がセレブの内部進学者にあこがれたり媚びるのがおかしい。 いろいろ出てきた愚行の中でも、その愚かさが印象に残った。 親から受け継いだものだけで他を見下すような手合いは、それこそ相手にする価値もないつまらない人種なのに。 光子もそれがなければ友希恵とも関わらなかったろうし、違った人生を歩んだに違いない。 内部学生らの性処理道具にしかならなかったのが、愚かで哀れだった。 恵まれた家庭ではなかったからこそ、何不自由のないセレブな学生たちに引寄せられたのだろう。 また、父親との体験から性的なハードルや自己評価が低くなっていたこともあるだろう。  それぞれのキャラやストーリーはあまりにステレオタイプにすぎる印象を拭えなかったが、妻夫木と満島の兄妹を始め、キャスティングが良かった。 妻夫木の頬の傷跡が役にプラスになっていたし、満島はキレイだけど健康的ではない病的なものが滲み出ていた。 小出恵介は例の淫行騒動があったせいで爽やかなイメージがなくなったのが逆に役にハマって見えたし、松本若菜も美しい悪女がピッタリだった。
[DVD(邦画)] 7点(2017-12-30 22:15:19)
79.  イコライザー 《ネタバレ》 
デンゼル・ワシントンが元CIAの凄腕エージェント。 シンプルなストーリーだが、爪を隠していた温和で平凡そうな男が悪い奴らを叩きのめすその無双っぷりにカタルシスを感じる。
[DVD(吹替)] 7点(2017-12-27 20:21:53)
80.  少年は残酷な弓を射る 《ネタバレ》 
自分の子供がシリアルキラーになったら――そんな恐怖を体感させる映画。 母親は人間的な温もりや魅力に欠けるかもしれないが、この程度の親はいくらでもいる。 子供がまったく言うことを聞かなければ、ヒステリックになる気持ちはわかる。 息子の問題行動の芽にもっと早く積極的に専門家を交えて対処していたらというのはあるが、一概に育て方のせいとも言い切れない。 そうなる資質を持っていたとしか言いようのない気もする。 ただ、愛する者を理由もなく殺されたら家族からすれば、犯人の親も憎悪の対象になるのも無理はない。 どうすれば子供がシリアルキラーになるのを防げたのか、自分ならどう対応したか、他人事ではなく考えさせられる。
[DVD(字幕)] 6点(2017-12-27 20:19:45)
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