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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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61.  キートンの鍛冶屋 《ネタバレ》 
木にもたれかかる、しかしデカい木だこと、服がふくれて筋肉があるように、針で「プス」っと、鍛冶屋、飯も作る、あーもったいない、熱々の馬蹄で足と尻を火傷、馬蹄は磁石になって吸い寄せる、消える工具たち、車輪も保安官バッヂも銃も、親父強えー、巨大な馬蹄で攻撃。  時計もダメになったら鞴、火の中に突っ込む、白馬に乗った貴婦人、色んな馬蹄、馬に直接言ってもしょうがない、足のサイズ、贅沢な馬、鏡、インクで真っ黒・馬も真っ黒になり模様のように、次々来るお客さん、鞍はどうした鞍は、梯子、それでいいのかアンタ。  車の修理、迷い込む子供、アイス、風船凄え、クソガキ、パチンコ、車がお釈迦に、だからインクが…あーあーーあーあー。  どんどん破壊されるスクラップと新車、エンジンは紐に吊るされ鉄槌に、逃げ支度の速さは異常、親方の帰還、帽子もビックリ、ブチギレ、親方!上から親方が!とどめの一撃、夫人の逆襲、四面楚歌、馬に引きずりまわされる、列車がー、馬に跳ねられる、ハンカチ、馬草、指輪、水、列車で脱出。  エンディングはキートンによるNG集?と思いきや…キートンみずから幕を下ろす。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2016-08-28 01:12:50)
62.  幕間 《ネタバレ》 
モンタージュを駆使した前衛的なコメディ映画。 パリの街並み、ひとりでに前進したり後退する砲台、それにスローで飛びかかる二人の男。 砲塔を倒し、砲弾を込め、ぴょんぴょん飛びはねる男たち、砲弾の行き先は・・・? 斜めになったり逆さまで次々とうつされる街並み、萎む人形たちの顔はまた膨らむ、バレリーナが踊る下からの視点が時折現れる、突きあうグローブ、パリの街並み、夜。 男の頭の上の棒切れの山、そこに火をつけられて頭をかきむしる、遺跡の柱、チェス。  チェス台に注がれる水、雨のイメージ、荒れ狂う海を進むように浮かぶ紙の船。 徐々に現れるバレリーナの全身、脚元だけが光に包まれる海、交わされる腕、どんな美女かと思いきやオッサンww 海原と二つの眼、口元、向けられる銃口が狙うのは噴水の上の丸いもの、水がなくても浮かんだり分裂したり、鳥が漁師の頭の上にとまる。それを狙うもう一人の狙撃手。  派手な馬車・・・いや駱駝車をスローで追いかける人々、まるで踊るように町を行く人々もスローモーションに駆ける。  再び現れるバレリーナの脚、駱駝車の後をゾロゾロとついてく人々、いつの間にか後ろの霊柩車だけ離れてしまう、それを追いかける人々も全力で駆ける。 やがて坂道を下るように早回し・すべてのスピードが上がる、車の列、自転車の列、飛行機、船まで猛烈なスピードで進む。木々や河川、街中を横切る視点・ジェットコースター。  延々と走り続ける、激しいカットバック、あまりのスピードに振り落とされる棺桶は原っぱを転がり、追いついた人々が棺を取り囲む。ひとりでに棺の扉があいて・・・タラーン♪ 目撃者は全員消されてしまう。自分自身も。 「FIN」だと?誰が終わらせるものかっ!うるせー終わりっつったら終わりなんじゃ!逆再生で戻されるオッサンたち。わけがわからんがとにかく楽しい映画だった。
[DVD(字幕)] 8点(2015-07-28 17:02:41)
63.  突貫小僧 《ネタバレ》 
フィルムセンターで鑑賞。  いきなり「人攫いの出そうな日である」という出だしからして既におかしい。 悪い顔で現れる斉藤達雄、遊ぶ眼鏡の子供に声をかける、顔芸をかましまくる達雄。とうとう体全体でパフォーマンス、通りかかった女性も思わず笑って去っていく。  パンを買いそれにかぶりつく子供、それを取り上げると泣き出してしまう、泣く子供を黙らせるために色々と買うハメになる達雄。 警官にも仲の良い親子くらいにしか見えないのだろう。付け髭だった事がバレる、髭を取ったらただのイケメン、子供に付け髭をつけたり。  泣き出す子供、人攫いの親分?のところに連れて行く10円ハゲだらけのオッサン。ハートマークだらけの襖、松之助って尾上松之助?  オッサンに食べ物や飲み物をガンガンすすめる子供、「やめなさい」とぶっ叩いて叱る、撃ったおもちゃの矢が10円ハゲに命中ww  水鉄砲にたじたじ、桶でガード&叩きつける、尚もおもちゃの矢を打ち込み知らんぷり、あまりにもやんちゃなのでさらっておいて「捨ててこい」と言い出す親分。 一応お辞儀してお別れ、情が芽生えてしまう達雄、おもちゃも置いて一人寂しく・・・と思ったら自分たちも買ってもらおうと子供たちに追いかけまわされるwwwもう子供は懲り懲りだ~
[映画館(邦画)] 8点(2015-07-28 16:56:50)
64.  和製喧嘩友達 《ネタバレ》 
フィルムセンターで鑑賞。  炊けた釜に手をやる、外で歯を磨く男に向かって朝の会話、まともに出来た卵を分ける仲の良い食事。 車を走らせる視点・うっかり人を轢いてしまう事故。  巨大なゴムのチューブを枕代わりに寝る、地下の鶏、被害者なのに「送ろうか?」という恩義に応えてか毎朝来る女。  重い荷物を運ぶ重労働、仲の良かった二人にも亀裂がはしりだす、殴り合い、取っ組み合い、喧嘩を止めようとする仲間、やらせろと止めようとしない上司。  古着屋で買った着物をプレゼント、着物から出てきた白い角砂糖、女に嫉妬する男心、食べ比べ、甘すぎるのか金魚鉢の水を飲む。   女の真のお相手、恋に破れた二人の寂しげな表情、潔く身を引いていく男たち。汽車を追いかける車の疾走感!大きく手を振って幸せを祈る。良い奴らだなあ。
[映画館(邦画)] 8点(2015-07-28 16:54:06)
65.  大学は出たけれど(1929) 《ネタバレ》 
現存する短縮版をフィルムセンターで鑑賞。 橋、東京の街並み、大学を卒業した若者。卒業したというだけで偉そうな若者。受付でも何でもいいから引き受ければいいものを、下らない意地を張って別の仕事を要求する。やがて何振り構わず仕事をしなければならない事に気づく。 田中絹代が言うほど美人じゃないのが残念。やっぱ癖が強いなあ。黙っていると綺麗だけどさ。 ギャグでやっているのかマジでやっているのか男のニート生活の始まり、東京見物で遊びほうける、子供たちと公園で遊んで。いいから仕事を探せニート。  毎日が日曜日(サンデー毎日)気分、苦労(家でゴロゴロ)、妻はアホな夫のためにカフェで内緒のバイト、女の行動でやっと仕事を探しに行く決心につく。もう雨を理由にぶーたれる姿は何処にもなかった。 「働くのが一番しあわせだと思って」 胸にささるセリフですね。晴れやかな空、男が乗るであろう電車を見送る女の姿。
[映画館(邦画)] 8点(2015-07-28 16:52:10)
66.  アッシャー家の末裔 《ネタバレ》 
60分版を鑑賞。 ジャン・エプスタン(ジャン・エプスタイン)監督、ルイス・ブニュエルも参加したホラー映画。ブニュエルが同監督の助監督を務めるのは「モープラ(Mauprat)」以来。 悪夢めいたイメージが多様されながらも、エドガー・アラン・ポーの原作に忠実な展開となっている。  不気味な木々、落ち葉が敷き詰められ湿っている不安定な足場、そこを荷物を持って歩いてくる男。 男は家らしきところを見つけるとドアを開け、住人に手紙を見せて「アッシャー家」を尋ねる。   「アッシャー」の名前を聞いて男たちは驚き、窓から馬車を覗く女も微妙な表情を見せる。 湿地を駆ける馬車、一方のアッシャー家。広い居間、椅子を挟んで見つめ合う男女、男は絵の具のプレートを取ると絵を一心不乱に描きはじめる。  愛した筈の妹への愛は絵に移ってしまったらしい。絵の中の精気に満ちた彼女、現実の今にも倒れそうな彼女。  馬車の行く手を阻むように立ち込める霧、霧が晴れるシーンは後に黒澤明が「蜘蛛巣城」でオマージュを捧げていた。 室内に流れる風、ワイングラス、女の肖像画、室内でコートを厚くはおる人々。寒いならなぜ窓を閉めないのだろうか。   風で燃え盛る蝋燭の火、本棚から落ちる本、舞い散る絵や木の葉、ゴミ。 響き渡るであろうギターの音色。海、霧がかった森の映像が交互に重ねられる。この霧や海、雲のイメージは幾度も繰り返し現れる。  屋敷の不気味なオブジェたち。甲冑の鎧、古時計、地べたを歩く猫、壁に描かれた別の女の顔。   男は憑り付かれたように絵を見つめ描き続ける。女はモデルとして同じ場所に束縛され、夥しい蝋燭の熱にうなされる。女は徐々に衰弱していく。女を襲う「めまい」。   疲れ果て椅子に座り込む女、男は立ってくれと懇願するように両手の手を掴む。女の顔を見て休ませようとか、そんな考えは毛頭ないのだろう。 無理な作業を続行させられ、とうとう両の手をひろげて倒れこむ妹、そこに居合わせてしまった来客。   いつまでも眼を見開いて見つめ続ける絵の中の妹、後ずさりをして脚にあたる倒れた現実の妹。絶望に満ちた表情で抱きかかえる。殺してしまった事への罪悪感か、あるいわモデルを失ってしまったショックか。  ベッドに横たわり沈黙する者、階段を降りた先で白い棺を抱える男たち、不気味なオブジェが並ぶ地下。 ゆっくりゆっくりと階段を上っていく、医者にすがりつき死を受け入れられない様子。「まだ彼女は死んでいない!!」とでも言いたげ。いや、男は女が再び自分の目の前に現れると信じきっているらしい。終始キラキラした眼をしているのはそのためなのだろうか。神経症の影響だけではないのだろう。  白いベールの彼女、黒衣をまとう絵の中の彼女。棺から溢れ出るベール。棺の釘を打とうとするハンマーを見て飛びかかろうとする男の狂気。「私の妹を閉じ込めるきか?」とでも言いたげな。   蝋燭が高い木のようにそびえる幻、棺を運ぶ男たちの黒い影がそこをゆっくりゆっくりと進んでいく。   死者を乗せる船、ベールは森の風になびき水面になびく、収められるベール、うらめしそうに葬儀屋たちを見つめる男の顔、棺桶に釘を打ちつけるショットを何度も繰り返す。   岩場の蛙の親子?夫婦?と現れ始める白い“幻”。 打ち捨てられたギター、弾ける弦、時計の振り子や歯車、不気味に揺れ続けるカーテンと光、光、光。暗闇を彷徨いはじめる男、それを見守る男。男は彷徨いそうになる男を落ち着かせようと朗読を始める。    風と共に迫りくる「何か」、白い幻、ひとりでに開く扉、闇の向こうに落ちる雷。雷はやがて館の木も焼き尽くす。 ひとりでに動きはじめる棺、手を組んで祈るように何かを待つ表情。待っていた者が来たのか、今までに見せた事のないような無邪気な笑顔を見せる。  炎のようになびく白いベール、扉の影から徐々に現れる白い幻想。ゆっくりゆっくりと近づいてくる。風によって吹き飛ばされる本、倒される甲冑。  気がつけば巨大な火が部屋を包み込もうとしていた。目の前に現れる白い幻、屋敷を包んでいく炎。絵の中の“幻”も燃え尽きる。   原作の世にも恐ろしい凄惨な結末とは大分違うが、これはこれで脱出した二人がまた絵のモデルと書き手になる狂気の作業を繰り返すのかと思うと怖くなる。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2015-07-12 13:53:20)(良:2票)
67.  チャップリンのゴルフ狂時代 《ネタバレ》 
「のらくら」または「ゴルフ狂時代」。 汽車を待つ人々、降りてくるゴルフ狂たち、夫人の脚、荷物入れから出てくるチャップリン。何と言う無賃容赦。 車の後ろに座るが振り落とされる。 今回のチャップリンは放浪者と同時に身奇麗な紳士も演じる。ちょっと抜けたね。 ズボンの短さに不意打ちってパンツかよwwww新聞で隠してしゃがんで移動。 泣いてんのかと思ったらカクテルをシェイク。サイレント映画ならではのギャグ。  芝生をズカズカ歩き、ゴルフボールを気づかぬ内に蹴って運んでしまう。  正しい土の使い方、不憫すぎるオッサンの連鎖、チャップリン気づけよ、腹を踏むと次から次へとボールが出てくる昼寝中のオジサン。よく窒息しなかったなこの人・・・。  馬、乗馬する女性、ロバで追跡、自力で追うスピードの速さ!と出来たらいいな。  酒瓶を狙い撃ったようにしか見えないナイスショット、殴られ腫れ上がった面で再び現れるオッサンの受難、太めのオッサンも災難続きで帽子を踏む追い打ちまでされる。  人違い、地面かと思ったら沼にドボン、チャップリンと出会うゴルフ狂はみんな災難が降りかかります。  仮装パーティー、騎士に扮装する紳士、鉄仮面が取れなくなるパニック。  スリに間違われ警察とのおにごっこ、チケット、逃げた先で警察かと思ったらそれの仮装。  懐中時計をくるくる回しながらしまう、デブのオッサン相手に後の「猪木アリ状態」?、御夫人のスカートに失礼。 バグパイプ奏者、嬉しくないパンチラ、缶切り?で鉄仮面を切り開く一変する空気。 追いかけて交わす握手・・・を文字通り一蹴するのがチャップリン。「今更遅いわ!」
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-11 23:41:24)
68.  蒸気船ウィリー 《ネタバレ》 
子供の頃、ミッキーのビデオで見て以来。 黒い煙を噴き上げる蒸気船。口笛をふきながら舵を切るミッキー、伸びる胴体、五月蠅いオウムにバケツごと水をぶっかける。 細い牛にデカいベルト、それを草を食わせて太らせる。乗船し遅れた乗客をパンツごと引き上げる。楽譜とギターはヤギに食わせる餌。音だけが残る。 楽器になるyアギ、ありとあらゆる物が楽器と化す楽しさ。猫やガチョウ?、子豚、豚、牛の歯すら楽器に。 俺が見たビデオ版(Disney ミッキーマウス/ブラック&ホワイト特別保存版)には豚の母親が仰向けになってアコーディオンのようにされるシーンはカットされていたかも知れない。 硬そうなチョコ?ガム? ハメを外しすぎた罰に、芋の皮むき。五月蠅いオウムは再び叩き落される。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2015-06-10 18:25:00)
69.  チャップリンの給料日 《ネタバレ》 
工事現場で働くチャップリン。下から放り投げられたレンガを上で見事にキャッチしまくる。 工事現場のリフトが絶妙なタイミングで上下する。それはチャップリンに食事を運ぶため。 カステラ?とフランクフルトのサンドって美味いのかしら。  笛の音でキッチリ作業を止める。後の「モダン・タイムス」にも繋がるような描写。  夫の給料が心配で見に来る恐妻。黙ってついてくる怖さ、ごまかしがバレる。嫁怖ー。フィリス・アレンのインパクト。  下水に杖を吸い込まれる、落ちるようで中々落ちない名人芸、たむろには水をぶっかけろ、たむろも傘で応戦。  死なないのはギャグ補正、酔って傘と杖を間違う、吊革とソーセージを間違える、バスが来た瞬間に待ち伏せでもしていたかのようにブワ~と登場する群衆に弾かれる。  靴も猫も飛ぶように去っていく、やっと寝られると思ったら朝になってしまい仕事場へ。トホホ・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-07 15:38:39)
70.  朝日は輝く 《ネタバレ》 
溝口健二の初期のサイレント作品。  これは元のフィルムの四分の一しか残っておらず、「東京行進曲」同様ダイジェストみたいな作品だ。  光の洪水から始まるオープニング、 電光掲示板でタイトルを出す斬新さ、 新聞と地球儀の数で月日を表す、 当時としては珍しい空撮映像、 新聞を製造する機械のうなりが聞こえるよな映像とかなり凝った実験的な作りだ。 完全に朝日新聞の宣伝ですハイ。そっちの「朝日」かよ!  溝口健二も結構職業監督というか、国の政策で幾つか映画作ってたんだな。 こういう映画と他のサイレント映画もいっしょくたに国が管理してくれていたらよかったんだがなー・・・残念だ。  戦争みたいな映像や関東大震災後の東京をチラリと映す。 それを新聞の記事として執念で追う記者たち。 記者にとっては大事な仕事、ただ一般人には邪魔だよな。 それでも記者は命懸けでネタを追う。 船の事故の時も「後でたらふく助けるから先にネタをくれ」だ。 図太いんだか白々しいんだか。  あっという間の25分だった・・・。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-07 21:20:33)
71.  吸血鬼ノスフェラトゥ(1922) 《ネタバレ》 
ムルナウというと「サンライズ」や「ファウスト」「最後の人」といった素晴らしい傑作を残してくれた監督で、この「吸血鬼ノスフェラトゥ」もまた退屈というものを感じさせてくれなかった。・・・しかし正直感想は微妙だ。 久しぶりに「今見ると大したことないな」という映画だった。 自分でもビックリだ。 これまで豊作続きだっただけに、尚且つ上で述べた作品で感動しただけムルナウだけに今作はちょっとガッカリと言えた。 ブラム・ストーカーの原作を下敷きに、ヘンリック・ガレーンといったドイツ映画家たちのアレンジを組み込んだホラー映画。 名前のアレンジはモチロン、ねずみ男のような不気味な風貌(実際ねずみだらけ)、原作とは違った結末など普通の吸血鬼映画ではない。 むしろブラム・ストーカーの世界観をまともに映画化したのがトッド・ブラウニングの「ドラキュラ」辺りからだったし、それまではカール・テドア・ドライヤーの「吸血鬼」みたいにまったく別物の吸血鬼映画が量産された。 屋敷までのやり取りが40分もあるのは展開の遅さを感じた。丁寧すぎる印象を受けた。 つうか馬車のスピード早すぎバロス。 原作にある程度沿ったストーリー、ただ少し違うのがヒロインだ。 原作は伯爵がヒロインを誘惑する。 ただ今作は「かかって来い」と言わんばかりに伯爵を呼び込む。 食虫植物の授業をする教授も真っ青なくらい。 つうか教授がマジで使えねえ。杭を伯爵にねじ込むとかそんな能動的な事はまったくと言って良いほどしない。 「血は生命なり!血は生命なり!」と叫ぶ伯爵の部下はいつも通り。ハゲ具合も教授と双璧だ。 いやー次から次へとブラム・ストーカーのファンが発狂するようなシーンばっかりだね。伯爵のハゲ具合とか。 自分の棺桶を一生懸命に運ぶ伯爵が面白い。 墓場が並ぶ海岸とか、崩れそうな古屋、影、吸血鬼=ペストとなって押し寄せるという演出も不気味だ。 ラストはぶったまげた。 何せヒロインが「身をもって」伯爵を誘い込む。 己の肉体と引き換えに伯爵を消し去る・・・こういう「ドラキュラ」もアリだと思った。 コッポラの「ドラキュラ」なんかヒロインみずからドラキュラ殺りに行くんだぜ? 凄すぎてドン引きしたよ(監督を)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-04 23:17:38)
72.  東京行進曲 《ネタバレ》 
溝口健二の初期のサイレント映画。  当時の東京の様子を上空から拝めるのは大変貴重だが、このフィルムも四分の一にまとめられたダイジェスト。 残りのフィルムは何処へやら。  溝口らしいといえばらしいが、普通の普通の作品。 たった25分だけでもそれが解る。  印象的だったのが、後ろの兜の影と男の影が重なり鬼のようになる場面。 そこに思いをよせる女の表情を重ねる。 これぐらいかな。  後はなんだかんだ言ってハッピーエンド。 船に乗り込み旅立つ・・・・てやっぱり船が出てくるのか。  溝口だな~。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-03 23:33:08)
73.  アンダルシアの犬 《ネタバレ》 
何を考えてんだかわけがわからない、でも何故か飽きないそんなブニュエルと言えば「アンダルシアの犬」。  個人的にブニュエルは「ビリディアナ」や「忘れられた人々」等メキシコ時代の傑作群で一目置く存在だ。 「よくこんな変な映画撮れるよ」と首を傾げながら拍手しちゃう監督だよ。  が、フランス時代の「アンダルシアの犬」はサルバドール・ダリ×ブニュエル・・・考えうる限り最高に意味不明な投げっぱなし映画が産まれないワケが無い。 ある意味映画を芸術(よくわからないけどとにかく凄いんだろうな)にしちゃったコンビです。 犯罪レベルで偉大な二人だ(きっと褒めてると思う)。  シュルレアリスムをテーマにした映画はジュルメール・デュラックの「貝殻と少女」を皮切りに マルセル・レルビエの「人でなしの女」、 ジャン・コクトーの「詩人の血」、 日本でも衣笠貞之助の「狂った一頁」などがある。 が、それよりも遥かに難解を極めた作品がブニュエルの「アンダルシアの犬」なのだろう。  映画は芸術?娯楽? 無論娯楽以外の何者でもない。 「映画=映像、無粋な言葉はいらない」という考えには大いに賛同する。  ただ、ストーリーを重視する俺は映画の芸術性や美しさというものは自然に生まれる存在だと思っている。 ダリやブニュエルも「自分の夢を映画にしたら面白いだろう」という発想からこの映画を作った。 だってブニュエル本人が剃刀男を演じてんだぜ? 100%本気でふざけています(褒めてる)。 ダリもそんな格好で何してんだwww  悪夢、手、乳揉みと後のブニュエル映画の要素が揃った短編。  眼球ぱっくり、 謎の手首、 虫がたかるほど臭い手、 おっぱい揉んで吐血、 謎のピアノにロバの死体、 掴んだ木の板を銃に変える謎能力、 脇ツルツルで感動、 とりあえず砂浜・・・意味不明すぎる。やりたい放題すぎだろ・・・(乳揉みも)。 凄まじい嫌悪感、病みつきになると抜け出せない魅力・・・それがルイス・ブニュエル。 「黄金時代」も酷い映画(賛辞)だったよ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-01 20:28:24)
74.  十誡(1923) 《ネタバレ》 
「現代篇」の部分は退屈だが、古代篇は良いと思う。確かに同時期のデミルにしてはレベルが落ちるのかも知れないが、1956年の「十戒」は自分には長すぎて退屈だった。コッチは2時間弱のコンパクトさ。ニタ・ナルディも美しい。 海や天空(現代篇)が割れるシーンは音が聞こえてきそうな迫力だ。大量のエキストラによる群衆シーン、廊下を歩く光と影のコントラストが際立ったシーン、エジプト軍の大群が一気に駆け抜けるシーンのグリフィスや後のジョン・フォードを思わせるスピード感!これぞ豪華絢爛なスペクタクル史劇。 特に海が割れるシーンは、56年版の「十戒」のレビューでも書いた事だが岩肌が露出するほどの割れっぷり。岩肌から水が滴る感じ、エジプト軍が膨大な水によって木っ端微塵に飲み込まれるシーンは圧巻だ。海のうねり具合を出すためにゼリーを徐々に溶かしながら撮影したらしい。 だが、人によっては古代から現代に切り替わる“瞬間”のインパクトの方が強烈だという人もいるだろう。 神を信じる者と信じないもの。天井が崩落する場面やモーター・ボートが暗礁に激突する瞬間の戦慄。エレベーターが登っていくシーンのカメラ・ワークも凄い。そう、単体だったら凄く良いのかも知れない。ただ、古代のスペクタクルと絡ませるとどうしても比較して見てしまうのだ。グリフィスの「イントレランス」がそうだったように。アレは物語が交互かつ、ところどころ繋がる部分があって見応えがあったけどさ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-04-07 21:50:17)
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