801. ハイテンション
《ネタバレ》 でかい音がなったりするわけでもなく、ジットリとした屋内での殺戮が行われる前半は、直接的なスプラッター描写と、音だけで聞かせて恐怖を掻き立てる描写のバランスがうまく、ゾクゾクする。女の子がギャーギャー悲鳴をあげず、冷静なのも好感が持てる。屋外に出てからちょっとテンポダウンするものの、恐怖演出が結構好みでコワ面白いので全然退屈はしなかった。こりゃなかなかの良ホラーだぞ! と思いきや、何で奇をてらっちゃうかなー。納得させるだけの整合性があればいいんだけど、散々オッサンの殺戮を見せといてそれはナイ。製作者の欲が見え、ガッカリ。面白味が半減しちゃった気がしました。正統派で勝負してもイケる出来だったと思うんだが…。もったいない。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-28 01:32:24)(良:2票) |
802. 暗黒街の顔役(1959)
《ネタバレ》 メインの男前兄弟二人のくっさいセリフと大げさな演技は、監督の指示なのだろうか。見ていて少し気恥ずかしくなった。ひねりのないベタベタなストーリーは、面白いとは言えないし、なんかチマチマしている。 シリアスなヤクザものとしてはダークさもなく、アクションシーンや、ヤクザの面々にもあまり迫力を感じず、脇役陣もあまりノっていないように感じた。 そんななか佐藤允だけは一人で異様な存在感と格好良さを醸し出していて、逆に浮いていたぐらい。 50年代末の作品で、この80年代のような雰囲気は、やはり岡本喜八監督のセンスに未来的なものがあったことを証明しているようにも思えた。 [ビデオ(邦画)] 5点(2009-11-27 14:44:14) |
803. セントラル・ステーション
《ネタバレ》 人の手紙破いたり、子供を売り飛ばそうとしたときはこのババア、鬼畜にもほどが あるぞ!と思いましたが、この人間のできていないドーラさんの予測不能な行動やセリフが面白いです。ストーリー自体はベタで、旅を続けるにしたがい、憎たらしかったドーラさんは、やっぱり次第に子供にほだされていき、表情も優しくなります。 しかしながら、その過程に無理がなく、鑑賞している僕も同時にこの二人を好きになっていました。 見慣れないブラジルの景色もあわさって、最後には心地よく、静かな感動を得られました。良作。 [ビデオ(字幕)] 8点(2009-11-26 14:35:50)(良:1票) |
804. 鬼が来た!
《ネタバレ》 香川さんの熱演と、軽快な会話運びでなかなか楽しく見ることができました。昔話のような話で案外気持ちの良いラストを迎えられるんじゃないかとちょっと期待してしまいましたが、やはり日本軍は鬼か…。まぁ、そこまで一方的な描き方ではありませんでしたが、何を思えばいいか難しい映画です。個人的には犯人はハッキリさせてほしかったなー。 [DVD(字幕)] 7点(2009-11-24 01:19:10) |
805. 子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる
《ネタバレ》 大五郎かわえー。この度、子連れ狼に興味を持って見てみたので、初期設定とかから丁寧に見せてくれて良かったです。それにしても座頭市と同監督の三隅研二さんとは思えないくらいエログロで悪趣味なシーンが多い。公開セックスをするヒーローなんて初めて見ました。結局暴れるのに無駄に我慢していた拝さんが不可解極まりない。 この大味さと、B級臭さは好きです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-24 01:12:39) |
806. 扉をたたく人
《ネタバレ》 移送されてしまう不法滞在者の友人、恋人、家族は本当に何もできない。余りにも無力。これがリアリティなのかもしれないが、無力すぎて抵抗もできず、展開も余りない。丁寧な造りで心には残りましたが、映画としてはちょっと地味。ジャンベシーンはどれも素敵でした。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-23 22:36:18) |
807. ダークマン
《ネタバレ》 酷いやつらにズタボロにされた科学者の復讐劇。という設定だけだと、さも陰惨で暗~い映画のようですが、ときおり飛び出すC級なとんでも演出に笑わせられたり、妙なB級の空気感はニヤニヤしちゃいます。 そんでもって意外とアクションは派手なので、エンターテイメントとしては、ソツがないです。そのせいでこの映画はホラーなんだかSFなんだかアクションなんだかわけわかんないものになっていて、見るときは戸惑ったが、妙に印象深い映画として心に刻まれた気がします。顔をほいほい変えていく様は、フェイスオフやルパンやアンパンマンを彷彿とさせられました。 どっちがホンモノだ!てのを大真面目にやってくれたのでとてもおかしかったです。 [DVD(字幕)] 8点(2009-11-21 02:01:29) |
808. スペル
《ネタバレ》 うひょー、おもしろっ!! 怖い感じでつくってんのかと思いきやオープニングから霊体にボコられて投げとばされてへぼいCGの地獄に吸い込まれる少年をみせられキョトンとしてしまった。 気をとりなおして序盤の婆さんは気味悪くて怖いが、いきなり若い娘と婆の掟破りな肉弾戦はかなり愉快。娘さんは超絶鼻血ブーを見せたうえ、蝿とか汁とかハンカチとか腕とか霊とかを体内に入れたり出したりと正に人間ポンプ。ビックリ人間の衝撃映像満載だ! 怖いはずの霊がなぜかめんたま飛び出すわ、踊り出すわ、車のワイパーでどけられたりするわでとにかく愉快愉快。これだけアイデア満載なホラーも近年珍しい。ポルターガイスト、エクソシスト、エルム街の悪夢のいいとこどりをしながらもオリジナリティ溢れる演出に満ちた、遠慮なしのくだらない痛快ホラー。 邦題は直訳で「私を地獄に連れてって」でどうでしょう? …ダメだな。 [映画館(字幕)] 8点(2009-11-21 01:28:36) |
809. ザ・フィースト
《ネタバレ》 B級ホラーとしては可もなく不可もなく。軽く見れるのがよいが、目新しい点はない。手抜きな登場人物紹介や、ヒーローがアッサリ死ぬところとか、面白い点もあり、好感はもてるが、ふざけ方がイマイチ中途半端。そして画面が見難い。そうそうたる製作指揮陣は何故? [DVD(字幕)] 5点(2009-11-16 00:11:19) |
810. ガンジー
《ネタバレ》 キレイごとにしか思えない非暴力・不服従を掲げ、命を賭して行動し、武力を使わずインドの独立を果たしたガンジーは文句なしに偉大だ。しかし、それで全てが解決するほど歴史は甘くなく、その後パキスタンとの戦争になっていくインドを思うと何とも悲しい。 教科書的内容とも言えるが、その割には細かい歴史的背景の説明はなく、ガンジー個人の行動のダイジェスト的である。丁寧なつくりであるが、映画として特別名作とは思えない。ガンジーを知るための入り口としての意義は深い。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-15 22:22:35) |
811. ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ
《ネタバレ》 大物詐欺師と、チンピラ詐欺師。どちらも一癖も二癖もあり憎めない。その騙しあいは実に面白いが、どっちにも勝ってほしくないなー。カモの女性はバカすぎではないか? とか思いながらも軽妙で滑稽で洒落た展開やセリフを笑いながら堪能。 そして、不満の一切残らない気持ちの良い結末。痛快な映画とはこういうのを言うんだな。面白かった! [DVD(字幕)] 8点(2009-11-15 01:49:44) |
812. クライム&ダイヤモンド
《ネタバレ》 粋だ!! この映画は、近年稀に見る粋さを持った映画だ!! 死人の出る犯罪ものなのに血生臭くなく、愉快でロマンティック。鳩に運び屋をやらせるなんて素敵だわ。 登場人物も皆可笑しく、わかりやすいながらも意外と緻密な物語も面白い。やはり映画バカの殺し屋が最高。セリフ回しはタランティーノに通じる気の利き方(ずっと上品だが)で、60~70年代王道のようなラストには、気恥ずかしく感じながらも許せてしまう。最近の映画なのに、ビリー・ワイルダーの映画のような心地よい粋な香りがします。人に薦めたくなる映画ですね。 [DVD(字幕)] 8点(2009-11-11 00:12:51)(良:2票) |
813. アンデッド
バカバカしくてスプラッターなB級ホラーが見たくて借りんたんですが…。 魅力のない役者がヘボくて、緊張感が全くない割にギャーギャーうるさい。 なりやまないBGMが非常にダサくてうるさい。演出も酷くダサい。肝心のアクションシーンの銃声が小さくて迫力がない。ゾンビ登場シーンも効果音が小さすぎて全然ビックリしない。ここ笑わせたいんだなってところでも笑えず。ストーリーが深いっぽいんだが、なんかかなりどうでもいい。テンポがめちゃめちゃ悪い。カメラワークは絶望的なセンスのなさで、ほとんどが役者の寄り。パッパカ切り替わる画面は、状況がわかりづらいし、眼が疲れる。 後半さっさと終わってほしいのに全然終わらない。ゾンビもSFもバカ映画も好きだけど、残念ながらこの映画は何一つ楽しめなかった。 [DVD(字幕)] 1点(2009-11-10 00:33:11)(良:1票) |
814. 菊次郎の夏
《ネタバレ》 珍しく人情ものを描いた北野監督。物語自体はパッケージ裏とかのあらすじを読めば全部分かるような内容。理不尽なたけしのキャラクターも終始笑えるし、優しい顔になっていくたけしの顔はズルいし、映像も美しい。天使の鈴のくだりの恥ずかしい演出は、武どうしちゃったんだ?とビックリ。 そこまでだと一般向けを狙った感動作に見えますが、普通の映画ならクライマックスになるシーンを中盤で通過してしまうと、あとのシーンは大人と子供がゲームなどをしてひたすら戯れるという緩~い内容になっていきます。そこからはビートたけし流の悪ふざけもかなり顔を出してきて、いくらでも削りようがあるシーンの連続です。 僕は何だか微笑ましく見れてしまいましたが、結局は人を選ぶ作品になってますね。 しかし、必要以上に感動を誘ってしまうような久石譲の音楽は、この映画には特にそぐわない気がしました。 [DVD(邦画)] 7点(2009-11-08 20:59:39) |
815. おっぱいバレー
《ネタバレ》 どちらが良いとは言えないが、ただバレーが好きだとか落ちこぼれが周りを見返すために勝ちたいとか言うストイックな精神性のスポ根ドラマより、ずっと感情移入はし易いと思われます。 ただおっぱいの為に頑張る少年というのも、むしろ健全で素晴らしく、眩しいのではないでしょうか。一人一人の少年達を深く掘り下げてなく、視点が大人よりになっているのも潔いです。懐かしく、ナイスな選曲も良いし、おっぱいネタにも充分笑えました。ベタで爽やかながら、嫌みなく優等生臭くない内容が好きです。 乳首見せろとは言いませんが、このタイトルなんだから綾瀬はるかももうちょっとサービスカットをくれても良かったんじゃないでしょうか? ソコが不満ではありますが、大人げないのでそんなことは減点対象にしませんが、半乳くらいさぁ…。 [DVD(字幕)] 8点(2009-11-07 18:04:37)(笑:1票) |
816. セント・エルモス・ファイアー
《ネタバレ》 若者達が不毛な恋にはげみ、だれも幸せそうでない不毛な群像劇。安っぽさ、軽さ、ダサさがなんとも80年代らしい。「私を口説かないなんて、あなたゲイでしょ?」という短絡的で自信過剰な発言をする女性を思い切り罵倒してやりたくなりました。 僕も「恋なんてクソだ」と、思う事が良くあります。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-04 16:09:09) |
817. バットマン(1989)
ご存知バットマン。子どもの頃好きだった気がするんですが、今見るとヒーローものとしては地味で、マニアックなセンスが光るので実は大人向けだと思います。どちらかというとストーリーやアクションよりも、演出が肝になっているため見方によっては冗長だったり退屈な部位があるし、かなり説明不足なのも否めません。センスは好きです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-04 14:46:33) |
818. ダウト ~あるカトリック学校で~
《ネタバレ》 おっかない女校長メリルさんの頭がおかしいのか、善人っぽい神父さんがショタコン変態野郎なのか、予測のつかない一対一のトークバトルはなかなか見応えありますが、結局スカっとしないんだよなー。地味ですが、退屈はしませんでした。 [DVD(字幕)] 6点(2009-11-01 23:46:07) |
819. パイレーツ・ロック
《ネタバレ》 面白かったー。冒頭でいきなりキンクスの名曲「All Day and All of the Night」がかけられて、いきなりテンション上がりまくりです。60年代のロックンロール、ソウルミュージックは、ポップスとして市民権を得ていて、今でも新旧問わずそんな音楽が愛されている英国が羨ましいです。 しかし、だからといってその時代の名曲をセンス良く流すだけじゃ映画は面白くなりません。曲が良いだけで、退屈な音楽映画の多いこと多いこと。 海賊ラジオ放送局の乗組員、DJ達のキャラクターがとにかく濃い。登場人物は結構多いのに皆に愛着をもてました。黙ってるだけでカッコいいDJも、DJやってなけりゃただのデブ、みたいなヤツも最高にイカしてます。爺さんもビシっと決まっててカッコいいです。 そんな面々が下ネタ満載でワイワイやってるだけで、非常に楽しい。 女性キャラクターはビッチばかりですが、それでも愛嬌のある女優さんばかり。 ちまちました感じで終わらず、後半は映画らしいスペクタクルを見せてくれて盛り上げてくれるのも嬉しい。他に取り柄もなく、音楽と心中しようとする男たちに共感し、胸が熱くなります。船が沈み行く中でビーチボーイズをかけちゃうとこなんか憎いなー。 物語自体はフィクションらしいですが、実際に存在したという海賊ラジオ局というおいしすぎる題材が今まで使われてなかったことが不思議です。 しかし、序盤から登場する政府側との直接対峙がないのは、もったいなさすぎるぞ! 劇中のBGMとキャストをおさらいしたくて、久しぶりにパンフレット買っちゃいました。 [映画館(字幕)] 9点(2009-11-01 15:39:44)(良:1票) |
820. ●REC/レック(2007)
《ネタバレ》 ガタガタ揺れまくるカメラと、暗い画面に目が疲れる。70分程度に抑えたのは正解だと思います。怖いというか、ビックリするシーンはありましたが、ギャーギャー阿鼻叫喚の中、登場人物が主張もなく、ろくに抵抗もできず、あまりにもアッサリ死んでいく姿に笑ってしまいました。しかし、尺の都合か、逃げ惑う一辺倒では芸がなさすぎでしょう。ジワジワ追い詰められるとか、一旦は希望をみせてからドン底に叩き落としてくるとかしてくれないと物足りない。観終わって何にも残らない、お化け屋敷的な映画でした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-10-31 16:31:12) |