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 > かたゆき さんの口コミ一覧。44ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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861.  メアリーの総て 《ネタバレ》 
暗い墓場から誕生した醜いモンスターの悲劇を描き、いまや怪奇小説の古典的名作としてその名を残す『フランケンシュタイン』――。そんな暗くおどろおどろしい世界を描いた著者は、まだ18歳になったばかりのうら若き女性だった。彼女の名は、メアリー・シェリー。本作は、そのメアリーがいかにしてこの古典的名作を生みだしたのか、彼女の創作の裏に隠された真実を描いた伝記映画だ。過酷な運命に翻弄されるメアリーを演じるのは、人気若手女優エル・ファニング。監督は前作『少女は自転車に乗って』でアカデミー賞にノミネートされた、サウジアラビアの新鋭ハイファ・アル=マンスール。19世紀のイギリスを再現した映像は終始美しく、どのシーンを切り取ってみてもまるで中世の絵画の世界に入り込んだかのようなクオリティは見事としか言いようがない。そこで描かれる当時の社会的弱者の過酷な生活もリアリティがあり、この監督らしいフェミニズムな視点も抑制が効いていて良かった。ただ、本作はあくまで『フランケンシュタイン』の作者の半生を描いた作品である。なのに、主人公メアリーが肝心の創作を始めるのが映画も四分の三を過ぎたあたりからというのはさすがにバランスが悪い。私の個人的な考えだが、こういう名作創作の舞台裏を描いた作品は、主人公の半生四割、創作過程三割、その作品の内容三割くらいがちょうどいい配合だと思うのだが、本作はこのバランスが非常に悪いように感じてしまった。作品全体がほぼこのメアリー・シェリーと女癖の悪いダメ夫との破綻した結婚生活を描くことに割かれてしまっており、創作過程は後半にほんの少し出てくる程度、『フランケンシュタイン』の内容にいたってはほぼ皆無という状態だった。これでは、彼女がこの名作に託した思いというのが感じられなくて当然だろう。当時の女性の虐げられた思い、彼女が生後すぐに失くしてしまった娘の存在、愛も金もない結婚生活、これらがいかにしてこの名作を誕生させたのかにいまいち説得力が感じられないのだ。美術は文句なしに素晴らしく、一流どころを配した役者陣の演技も華があって大変良いのだが、映画のテーマ性という観点で言うとどうしても物足りない。フランケンシュタインの怪物を映像としてその片鱗すら見せなかったのは、映画として致命的だろう。期待していた分だけ、残念な出来栄えだった。
[DVD(字幕)] 5点(2019-10-03 18:55:17)(良:1票)
862.  マイ・サンシャイン 《ネタバレ》 
1991年、ロサンゼルスで起きた黒人たちによる大規模な暴動事件。いわゆるロサンゼルス暴動。発端は、無抵抗の黒人が白人の警官たちによって執拗に暴行を受ける様子が公開されたこと。のちに起訴されたその白人警官たちは、裁判の結果、なんと無罪放免となり溜まり溜まった黒人たちの怒りが頂点に達したのだ。本作は、多くの死傷者を出したその実際の事件を背景に描いた群像劇だ。監督は、トルコの保守的なイスラム社会で精いっぱい自分らしく生きようとする姉妹たちの姿を描いた『裸足の季節』で鮮烈なデビューを飾ったデニズ・ガムゼ・エルギュベン。主演を務めるのは、名実ともにハリウッドのトップクラスの実力を誇る、ハル・ベリーとダニエル・クレイグというベテランコンビ。ということで、かなり期待して今回鑑賞してみました。先に結論を述べさせてもらうと、正直かなり残念な出来の作品であったと言わざるを得ません。とにかく演出も脚本も編集ももう素人レベルの稚拙さ。ストーリーは最後まで何を描きたかったのか全く意味不明で、後半にいたってはもはや破綻していると言っても過言ではありません。沢山出てくるキャラクターの背景となる基本的な情報も一切スルーされているので、もう誰が誰でいったい何をしたいのかさっぱり分かりません。取り敢えず、ハル・ベリー演じる主人公が血の繋がらない子供たちを何人も引き受けているらしいのですが、この設定も意味不明。そしてこの子供たちが最後までワーキャーうるさいうえに、嬉々として万引きを働いたりするもんだから観ていてかなり不愉快にさせられます。編集も終始ぶつ切りで、素人がテキトーに繋ぎ合わせたかのような酷い代物。ときおりさっぱり意味が分からないシーンが挿入されるのも混乱に拍車を掛けています。あのハル・ベリーの夢の中でダニエル・クレイグが裸になって舞い降りてくるという変なシーンはいったい何の意味があったのでしょう。最後のオチも投げっ放しの酷いものでもう見られたもんじゃありません。街灯のポールに繋がれた、パンツいっちょのダニエル・クレイグが必死に木登りして終わりって何それ?って感じです。ここまで酷いとこの監督の前作ももしかしたら奇跡の一品だったのではないかと疑いたくもなります。監督、この次が正念場でしょうね。『裸足の季節』を超えるような傑作をものして、本作がそのための残念な習作だったと語られる日が来ることを期待して待っております。
[DVD(字幕)] 3点(2019-10-02 22:57:57)
863.  search サーチ 《ネタバレ》 
娘の身にいったい何が起こったのか――。最愛の妻をガンで亡くし、年頃の一人娘とともに父一人子一人の生活を送っているデビッド。だが、ある日突然、その遺された一人娘が失踪してしまうのだった。理由は皆目分からない。当然納得いかないデビッドは、警察の捜査とは別に独自の調査を開始する。娘のPCに残された情報やSNS、ネット上に拡がる様々な情報を駆使し、なんとしても娘の消息を探ろうとするデビッド。浮かび上がってきたのは、自分の知らなかった娘の隠された真実の姿だった……。失踪してしまった娘の消息を追う父親の執念の捜査を、PCの画面上の映像だけで展開させるという独自の手法で描いたサスペンス・ミステリー。この制約を巧く活かし、最後まで緊張感を途切れさせることなく魅せきった監督の手腕は大したものだと思います。絵的に単調になりそうだけど、クローズアップや画面の切り替えをタイミングよく使うことで物語にいいリズム感を与えているので最後まで飽きることなく観ることが出来ました。インターネットが発達し、生活の大半をネット上で完結させることが出来る現代社会の光と闇を風刺するその視線の鋭さもなかなかいい。ただ、そこまで面白かったかと問われたら、正直自分的にはちょっと微妙。やはりPCの画面上の二次元世界だけでしか物語が展開されないので、僕的には世界に奥行きが感じられず少し物足りなく感じてしまいました。でもまあそこらへんは好みの問題でしょうね。今までにない新しいタイプの作品なので、嵌まるかどうかはその人次第。興味のある方は是非ご覧になって自らの感性で判断しちゃってください。
[DVD(字幕)] 6点(2019-10-02 21:35:16)(良:1票)
864.  くるみ割り人形と秘密の王国 《ネタバレ》 
チャイコフスキーのバレエで有名なファンタジーの古典を最新のCG技術を駆使して映像化した定番のディズニー作品。確かにハイクオリティな映像表現は抜群の安定感で、観る者を最後まで飽きさせないのはさすがディズニーと言うべきか。あの小さなネズミたちが群れを成して大きなネズミの王様になるところなんてもうほれぼれするぐらい。まあ内容的には、どうしても『アリス・イン・ワンダーランド』の二番煎じ感は否めませんけども。でも、あちらは『不思議の国のアリス』というしっかりとした物語の土台があったからこそ充分見応えのある作品に仕上がっていたんだろうけど、こちらはどうもねえ。僕はこれまで何度か『くるみ割り人形』の映像化作品を観てきましたが、正直どれも微妙な出来なんですよね。個人的な考えを述べさせてもらうと、この古典的作品がどうして今まで残ってきたかというとやはりあのチャイコフスキーの数々の名曲群があったればこそだと思うんですよね。きっとチャイコフスキーがバレエにしていなければ、さして内容のない子供向けの童話として歴史に埋もれてたくらいの物語だと僕は思うのです。対して本作、権利の関係なのかそれともあくまで新しいものに拘ったのか、どうしてあのチャイコフスキーの名曲群を全面的に使わなかったんでしょうね。なので、出来上がったのはもうどこにも新鮮味のない、言っちゃ悪いけど古臭い凡庸なファンタジーでした。映像だけは素晴らしいですけど、はっきり言ってそれだけです。長年この監督のファンだっただけにとても残念な作品でありました。余談だけど、原作では確かネズミ軍団は最後まで悪役のままだったと思うんですけど、この作品では中盤から逆転しますよね。やはりディズニー作品だけに、ネズミは絶対に悪役にしたら駄目だという暗黙のルールでもあるんでしょうか(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2019-10-01 01:48:19)
865.  かごの中の瞳 《ネタバレ》 
過去の不幸な事故によって完全に失明してしまったジーナ。だが、夫の献身的なサポートのおかげで今はタイのバンコクで何不自由なく暮らしている。安定した収入、日常の中でのちょっとした気遣い、そして愛に満ちたセックス――。子供にはまだ恵まれていないものの、夫とともにささやかながら安定した生活を送っていたジーナに、主治医から更なる朗報が告げられる。なんと角膜移植により、右目だけだが視力が戻るかもしれないと言うのだ。藁にも縋る思いでジーナは手術を決断する。術後の結果は良好、ジーナは抗生物質を点眼しながら視力の回復を待つことに。次第に戻って来るカラフルな世界に、ジーナは戸惑いながらも喜びを隠せない。お祝いを兼ね、新婚旅行で行った南スペインへと夫と二人でバカンスに旅立つジーナ。だが、訪れた先で彼女はちょっとしたことから夫に不信感を抱くようになる。次第にギクシャクしてゆく夫婦。タイへと帰ってきた彼女は、プールで出会った心優しい男性に気持ちが揺らぎ始める…。それまで愛に満ちた生活を送っていると信じていた盲目の主婦、彼女が視力を取り戻したことで見えてきた夫への疑心を独創的な映像で描いた心理サスペンス。監督は、丁寧な心理描写に定評のあるベテラン、マーク・フォースター。ということでけっこう期待して今回鑑賞してみました。なのですが、冒頭から何度も繰り返されるシュールで実験的な映像表現が正直かなり鬱陶しいというのが第一印象。この内容でどうしてこのような映像表現をしなければいけなかったのか、はなはだ疑問でした。ストーリーの方もわざと説明を極力排除して主人公の不安な心情を表現しているんだろうけど、とても効果的だとは思えません。この監督ってこっち系(いわゆるデビッド・リンチ系の前衛的作風)のひとでしたっけ?もっとしっかりとした躍動的な物語で見せるストーリテラーな人だと思っていたので、かなりがっかりなんですけど。物語のギアとなるべき、主人公の過去に何が起こったのか?現在どういう状況にあるのか?そして未来をどんな風にしたいのか?という重要な要素がことごとく曖昧なので、全くストーリーに入り込めません。最後のオチも投げっ放しの酷い代物。けっこう好きな監督の作品だっただけに、非常に残念な出来でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2019-10-01 00:33:51)(良:1票)
866.  ダークサイド(2018) 《ネタバレ》 
自らの不注意により幼い娘を事故で亡くしてしまった、レイとマギー夫妻。深い哀しみから逃れるように、彼らは砂漠の片隅にある古びた安モーテルを買い取るのだった。知り合いなど誰も居ない片田舎で再スタートを図るレイとマギー。何もかもを捨てこの安モーテルに越してきた彼らは着々と準備を進め、記念すべき最初の宿泊客を受け入れることに。だが、しばらくすると夫レイはこのモーテルに隠された不穏な事実を知ってしまうのだった――。倉庫の片隅に秘密の通路があり、その先はある客室の鏡の裏へと通じていて、マジックミラーとなったその鏡から部屋の中が全て覗き見できるようになっていたのだ。偶然泊まっていた女性客二人組の淫らな姿態を覗いてしまったレイは、ギクシャクする妻との関係から逃れるように次第にその覗き見行為に嵌まり込んでゆく。だがある日、その女性のうちの一人が砂漠で死体となって発見されたことから、レイはどんどんと危険な罠に絡めとられてゆくのだった……。毎度おなじみニコラス・ケイジ主演で送る、そんな不穏な空気に満ちたエロティック・サスペンス・スリラー。正直、めっちゃつまんなかったんですけど、これ!全編を通して無駄なシーンが圧倒的に多く、終始ちんたらしててもう退屈で退屈で仕方なかったです。ニコケイ、しのごの言ってないでとっととレズカップルのSMプレイ覗きにいけや!!とキレそうになっちゃいました。また脚本のテキトー具合も最悪です。伏線を山ほど張っていながらそのほとんどを回収しないまま終わるというトホホぶり。あの風呂場に忍び込んだ蛇のエピソードとか何の意味があったのでしょう?一番怪しい保安官がやっぱり犯人でしたということの真相も正直、何の捻りもありません。肝心の覗き見シーンもトータル2、3分で終わるし、それも下着姿のおねーちゃんたちがお尻ぺんぺんするぐらいでおっぱいすら出てきません(怒)。ニコラス・ケイジも他の主演作と区別してもらうためなのか髭もじゃにしてる(見ていて暑苦しいったりゃありゃしない!)ぐらいで、やっつけ感が半端ありません。うん、3点!!
[DVD(字幕)] 3点(2019-09-30 13:40:20)
867.  運び屋 《ネタバレ》 
90歳にしてアメリカ最大の麻薬密売組織の運び屋となった男を実話を基にして描くクライム・サスペンス。監督・主演を務めるのは、もはやハリウッドの生ける伝説と言っても過言ではない御大、クリント・イーストウッド。名作『グラン・トリノ』で名実ともに俳優業からは引退と思っていましたが、まさかこんな役でカムバックするとは嬉しい驚きですね。沢山の家族に囲まれ枯れた余生を謳歌するような幸せな老人ではなく、ひりひりするような綱渡り生活を続ける麻薬の運び屋役というのがまた彼らしい。ストーリー自体は極めてシンプル。でも、無駄を削ぎ落したその物語はとてもサスペンスフルで最後まで引き込まれて観ることが出来ました。ここらへんは長年の経験がなせるベテランの技なのでしょう。いつ、この爺さんが事故っちゃわないか、いつ警察にバレて窮地に陥ってしまわないか、あるいはいつヘマをして麻薬組織から酷い目に遭わされはしまいかと終始ハラハラしっぱなしでした。その中で、最初は反発し合っていた監視役のチンピラと、何気なく一緒にポークサンドを喰ったことでほのかな友情が芽生えるというエピソードはなかなか微笑ましい。そして終盤、長年連れ添った元妻の危篤を知った主人公が葛藤の末に取った行動には、本当に胸が締め付けられる思いでした。ここには90年がむしゃらに生きてきた老人の生き様がしっかりと詰まっている。ブラットリー・クーパーやアンディ・ガルシアといった、油の乗った俳優たちも彼の前では単なる引き立て役になっていたのも凄いことだと思います。人生の深い哀歓を感じさせる、渋みに満ちた人間ドラマの佳品でありました。
[DVD(字幕)] 8点(2019-09-26 22:28:24)
868.  ザ・マウンテン 決死のサバイバル21日間 《ネタバレ》 
大嵐が近づき、大混乱へと陥っているアメリカの大空港。軒並み定期便が欠航してゆく中、明日の結婚式にどうしても出席したいアレックスは、ジャーナリストとしてのコネをフル活用し、小さなセスナ機をチャーターすることに成功する。あとの問題は資金面。彼女は偶然、同じようにどうしても今日中にデンバーへと帰りたいというベンという名の医師に出会う。神経外科医である彼は明日、12歳の子供の手術の予定が控えているのだ。費用を折半し、小さなセスナ機に乗り込んだ二人は、急いで目的地へと向け離陸してもらう。だが、その途中で操縦士が脳梗塞を起こし、セスナ機は呆気なく雪山へと墜落してしまうのだった――。生き残ったのはまだ出会って数時間しか経っていないそんな男女二人と、一匹の犬のみ。無線は壊れ、携帯も圏外。しかも彼らが飛行機に乗り込んだことは誰にも知らせておらず、救助が駆け付けてくる可能性は皆無に等しい。見渡す限りの雪山が続くこの絶望的な状況の中で、それでも彼らは一歩ずつ歩き始めるのだった。生きる希望を失わないために…。そんな過酷な大自然へと突然放り出される男女を演じるのは、ベテランのケイト・ウィンスレットとイドリス・エルバ。映画の大半はほぼこの二人だけで進んでいくのですが、この演技派二人のキャスティングは大成功でしたね。過酷な状況にどんどんと追い詰められてゆく二人を説得力抜群に演じていて、もう観ていて息が詰まるほどでした。野生の肉食動物や猛吹雪など、襲い来る自然の驚異はベタですけどやはり手に汗握っちゃいますね。そんな中、二人と行動を共にする耳垂れ犬がとても健気で、この重い物語のいいアクセントとなっています。ただ、ストーリーは良くも悪くも非常にシンプル。もうタイトルそのままのど直球の内容なので、最後まで新鮮味といったものはほとんどありませんが、それでも丁寧な演出のおかげで僕は最後まで惹き込まれて観ることが出来ました。最初は反発し合っていた二人が幾多の困難を乗り越えていく中で次第に心を許してゆき、婚約者がいるにも関わらず…というのはオーソドックスながらなかなか切なかったですね。どこまでも続く雪山の映像もほれぼれするほどキレイで見応え充分。最後、二人が助かってからの展開がかなり蛇足感が強く、特にラストシーンがメロドラマに寄り過ぎなのが僕的にちょっと不満でしたが、それでも充分見応えのあるサバイバルドラマの佳品でした。うん、お薦めです。
[DVD(字幕)] 7点(2019-09-26 22:22:31)
869.  ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》 
冒頭からあのジョン・コナーが自らの父親となるカイルをタイムワープ装置に送り込み、そこから一作目の時代へと舞台が移行するシーンで摑みはばっちりでした。あの小学生のころから何度も観てきた世界が最新の映像技術で復活か!!と僕のワクワクは頂点に――。でも、本作のピークはそこまででした。そこから何故かもう一人のT‐800が出てきたり、2に登場したリキッドメタルが襲ってきたり、サラ・コナーがすでにムキムキの戦闘おねーちゃんになってたり、開始早々ストーリーがもう無茶苦茶ですやん。「いったいどういうことやねん!」という僕の疑問に、一応パラレル・ワールドやらタイム・パラドックスやらで説明してくれてはいますけど、全く納得できるものではありません。話が進めば進むほど無理が大きくなるので、後半のクライマックスなんてもうグダグダしててさっぱり面白くなかったです。シュワちゃんの名ゼリフ「アイル・ビー・バック」なんて無理やり挿入した感が半端ないですし。また、妙にコメディ要素を突っ込んでくるのもものすごく違和感ありました。結論。『ターミネーター』シリーズの最新作としてはもちろんのこと、普通のSFアクションとして見てもかなりレベルの低い作品でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2019-09-26 22:08:00)
870.  死の谷間 《ネタバレ》 
核戦争後の荒廃した近未来。数少ない生存者である若い女性アンは、唯一核汚染を免れた小さな谷間で独りぼっちで暮らしていた。大自然に囲まれ、心の拠り所は父が遺していった小さな教会で毎日神に祈りを捧げること。今日も彼女はたった一人、一匹の老犬とともに誰も居ないコンビニから生きてゆくための食糧を調達してくる。そんなある日、唐突にその狭い谷間に防護服を着た黒人の男がやってくる――。誰も居ない世界で孤独に押し潰されそうになりながら暮らしていたアンは、久しぶりに交わす人との会話に喜びを隠せない。彼と一緒に暮らすことになったアンは、自然と心を許してゆくのだった。次第に惹かれ合っていく二人。だが、そこに新たに白人の若い男がやって来たことで、彼らの関係は微妙に壊れ始めてゆく……。絶望的なディストピア世界で揺れ動く男女の心の機微を淡々と描いた心理ドラマ。なんですけど、見事なまでにつまんない作品でしたね、これ。予算の関係なのか、ディストピア映画なのに、こんなに終末感のない映画も珍しい。なんか近場のキャンプ場で撮ったんじゃないかってくらい未来描写が皆無でした。当然ずっと山の中で物語が進行してゆくわけですが、これがただでさえ絵面が変わらないのに、肝心の物語がまあつまんないせいで最後まで観るのが苦痛で仕方なかったです。人類の危機なのに、やってることは終始まどるっこしい三角関係で深みも何もあったものではありません。また、信仰心に篤いヒロイン役をやったマーゴット・ロビーも全然役柄に合っておらずミスキャストもいいところ。最後のオチにいたっては、「こうやって思わせ振りのまま終わらせたら芸術っぽくなるんでしょ」という監督の浅はかな狙いが透けて見えて、もう腹立ってきましたわ。いやー、久しぶりにこんなつまらない映画を観てしまいました。
[DVD(字幕)] 2点(2019-09-26 22:00:53)
871.  クロノス・コントロール 《ネタバレ》 
いまから100年後の未来社会、高度な人工知能「クロノス」の暴走により、人類は絶滅寸前にまで追い詰められていた。開発者であるエライアス博士は肉体を捨て、バーチャル空間で生きながらえながら、地球の敵である人類との戦いを指揮している。そんな折、森の奥深くに潜み反撃の機会をうかがっていたレジスタンスの前に一人の謎の人物が現れるのだった――。彼の名は、アンドリュー。何故か彼は今から100年前の人類大破滅以前の記憶を有していた。果たして彼は何者なのか?彼と同行することになった女兵士カリアは、更なる驚愕の事実を知ることになる…。強大なロボット軍団を率いる人工知能「クロノス」とレジスタンスとなってゲリラ戦を展開する人類との種の存亡を掛けた戦いを壮大なスケールで描いたディストピアSF。なんですけど、いやー、これがなかなかトホホな出来の典型的なB級映画でした。冒頭こそ、地球規模の大破滅を描いているのですが(そのCGがけっこうショボいのはまあ予算の関係なんで目をつぶりましょう!)、その後の97年後の未来社会の描写が明らかにどっかの森で撮影していてまったく未来感が皆無なのはさすがにあかんでしょ。この絵的にも地味な舞台に出てくる登場人物もかなり地味な男女二人で、この二人がひたすら森の中をとぼとぼ歩くだけという展開が中盤までだらだら続き、もう眠いったらありゃしない。そしてこの二人が次第に惹かれ合っていくという展開もまあベタだし、その描き方もかなり雑なんで観ていてホント腹立ってきます。肉体を捨ててサイバー空間に生きる黒幕エライアスもただひたすらこいつらを見守るだけで、とても人類を滅亡寸前にまで追い詰めたような凶悪な存在には思えません。また、この黒幕を演じているのはジョン・キューザックなのですが、これがかなりやっつけ感が半端ないです。そして最後、まさかの人類地球脱出からの全面宇宙戦争開幕直前でハイおしまい。なんすか、この適当なオチは(笑)。うーん、観るだけ時間の無駄の駄作というほかありません。
[DVD(字幕)] 3点(2019-09-25 22:07:11)
872.  白い肌の異常な夜 《ネタバレ》 
南北戦争時代、まるで桃源郷のような女学園へと迷い込んだ北軍兵士の男のそのハーレム生活と破滅を濃厚に描いたサスペンス・ドラマ。ソフィア・コッポラのリメイク版がなかなか良かったので、オリジナルである本作もこの度鑑賞してみました。いやー、噂に違わぬ変な映画でしたね、これ。12歳のいたいけな少女から年増の園長先生まで、まさに男の妄想全開のハーレム状態。え、これって原作はフランス書院か何かですか(笑)。というか、主人公はじめ登場人物全員がおかしな行動を取り続けるので、最後まで居心地が悪いったらありゃしない。特に脚を切り落とすシーンなんて、「え、なんでそーなるの?」って感じでした。そして目覚めた男は居直って堂々の「お前ら全員俺の女だ。いつでも好きな時に抱く」宣言。なんでやねん!挙句、最後は何故かみんな仲直りして一緒にディナー……と思ったら、12歳の女の子による毒キノコであえなく昇天。おのれのキノコのツケはキノコで清算ってことですか…。いったいコレ、ほんとに何を描きたかったんでしょうね(笑)。ソフィア・コッポラのリメイク版は、女性たち目線でストーリーを語り直すことによって全く不自然さを感じさせなかったのはさすがでした。若かりし日のクリント・イーストウッドが何故か出ているこの珍品、興味のある方はぜひどうぞ。
[DVD(字幕)] 7点(2019-09-24 20:03:43)(良:1票)
873.  ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ 《ネタバレ》 
パキスタンからアメリカへと渡ってきた移民の青年、クメイル。故郷とは何もかも違うこの自由な地でコメディアンを志した彼は、シカゴの小劇場で地道な下積み生活を続けていた。そんなある日、いつものように舞台で故郷のパキスタンを揶揄するようなネタを披露していたクメイルに、客席から若い女性が野次を飛ばしてくる。その場は軽くやり過ごしたものの、動揺を隠せないクメイルは舞台の後に彼女に文句を言いに行くのだった。彼女の名は、エミリー。成り行きで何故か一緒に酒を飲むことになった彼らは予想外に意気投合し、そのままクメイルの家で一線を越えてしまう――。一夜限りの関係で終わるはずだった。だが、クメイルはその後、何度も彼女と会い、数か月後にはすっかり彼氏彼女の関係になってしまっていた。そろそろお互いの家族に紹介するタイミング。でもクメイルには一つの悩みの種があった。彼の家族は皆敬虔なイスラム教徒で白人のアメリカ人など到底認めてもらえないだろうということ。そのことが原因で次第にギクシャクしていく二人。そんな折、エミリーが原因不明の謎の難病を発症し昏睡状態へと陥ってしまう…。文化の違いを乗り越えて愛を育もうとする若い恋人たちを襲った突然の悲劇を、実話を基にして描いたラブ・ストーリー。自らの体験を本人自らが演じていることでも話題となった本作、アカデミー脚本賞ノミネートということで今回鑑賞してみました。うーん、正直僕の好みとは合わない作風でしたね、これ。この重たいテーマを最後まで軽くライトに描くという狙いはいいと思うのですが、なんだか物語のテーマがいまいち絞り切れていない印象。難病に犯されてしまった彼女との関係を深く見つめ直す青年の恋物語とパキスタンとアメリカの文化の違いに自我を引き裂かれていく青年の自立の物語が最後までうまく絡み合っていないように感じました。その証拠に、クメイルの家族とエミリーが顔を合わせることは最後までほとんどありません。この両者の葛藤を描いてこそ、このテーマはより活きてくるように思うのですが。本人が自ら演じていることもあり、なんだか終わってみれば結婚式のよくある新郎新婦の馴れ初め再現映像ロング・バージョンのように思ってしまいました。ただ、エミリーの両親を演じたベテラン勢二人はなかなかのいい仕事ぶり。最後まで興味を失わずに観られたのは、この二人の魅力によるところが大きい。
[DVD(字幕)] 5点(2019-09-19 02:24:38)
874.  アンダー・ハー・マウス 《ネタバレ》 
屈強な男たちに囲まれ大工として働くダラスは、心と身体の性が一致しないいわゆるトランス・ジェンダー。昼間は大工として力仕事に従事し、夜は女性専門のバーでその日の相手を物色するという刹那的な生き方をしているダラス。その夜、いつものようにバーへと出向いた彼女はその人に出会ってしまうのだった――。雑誌の編集者としてバリバリと働く彼女の名は、ジャスミン。一目見た瞬間から互いに惹かれ合ってゆく二人。だが、ジャスミンにはもうすぐ結婚する婚約者がいた。彼が遠方へと出張する数日の間に、二人は秘密の逢瀬を重ね、次第に愛欲の海へと溺れていく。お互いに期間限定の恋だと分かっているはずだった。だが、ダラスとジャスミンの関係はどんどんと深みに嵌まってゆき、やがて悲劇が彼女たちを襲う……。女同士の燃えるような情熱的な愛を濃密な夜の空気の中に描き出すラブ・ストーリー。映像はとてもキレイだし、全編を覆う退廃的な雰囲気も味があって良かったと思います。何よりダラス役をやった女性の男前ぶりが半端ない!本職はモデルらしいですけど、いやー、彼女を見ているだけで目の保養になりますね。ただ、お話として単純すぎるのが本作の弱点。女と女が出会ってやりまくって、それが婚約者にバレていったん別れたものの、やはり最後は困難を乗り越えて縒りを戻しましたってだけでは、さすがに一本の映画としてちょっと弱すぎます。軸となるエピソードがもう一つか二つ、欲しかったですね。ストーリーがこれだけ単純だと、必然的に二人の性描写が増えるわけですけど、これもちょっとしつこい。最初は官能的で情感に溢れたいいシーンだなぁとほれぼれしながら観ていたのですが、ここまで全編に渡ってやられるとちょっとしんどいですわ。同じく女性同士の官能的な愛を描いた傑作『キャロル』は、その部分が抑制が効いていて非常にバランスが良かったことを再認識してしまいました。うーん、なんだか全体的にあと一歩足りない印象。この退廃的でジャジーな雰囲気は良かっただけに惜しい。あと、これは映画本編と関係がないのですが、日本の配給会社さん、ちょっと画面にぼかし入れすぎです!別にこれはエロを目的としたAVじゃないんですから。
[DVD(字幕)] 6点(2019-09-17 02:09:13)
875.  ローガン・ラッキー 《ネタバレ》 
家族全員が何らかの不幸を抱え込んでいる、自称・呪われた家族、ローガン一家。そんな自らの呪われた人生に一発逆転を図るため、レース会場の地下に隠された金庫の強奪を計画したローガン家の兄弟と彼らの仲間たちの活躍をサスペンスフルに描いたクライム・アクション。監督はこの手の分野を得意とする、『オーシャンズ11』などで有名なスティーブン・ソダーバーグ。主演はチャニング・テイタムをはじめとした若手陣に加え、ダニエル・グレイグやヒラリー・スワンクといったベテランが脇を固めております。まあ事前の予想通りの超ベタベタな内容ではありましたけれど、エンタメ映画としてのツボは押さえられていたので僕はぼちぼち楽しめました。脚本は突っ込みどころ満載ですが、華のある役者たちと終始流れるノリのいい音楽、サクサク進むストーリー展開のおかげで最後までストレスなく観ることが出来ます。まあ三日後には完全に内容を忘れてしまいそうな作品ではありますけど、ヒマつぶしで観る分にはちょうどいいんじゃないですかね。
[DVD(字幕)] 6点(2019-09-17 01:56:10)
876.  アンロック 陰謀のコード 《ネタバレ》 
パリで起きた無差別爆弾テロを阻止できず、自ら第一線を退いたCIA職員、アリス。数年後、ロンドン支局で移民を相手にデスクワークをしていた彼女だったが、ある日、上司から急な呼び出しを受ける。最近逮捕した、ロンドンで殺人ウィルスをばらまこうと計画しているテロリストの仲間を尋問してほしいと言うのだ。当初は断ったアリスだったが、自分の元上司の勧めもあり、渋々引き受けることに。現場へと趣き、容疑者から情報を引き出そうとするアリス。だが、その最中に彼女の本当の上司から連絡が入るのだった。「自分は罠に嵌められた!」――。隙を突いて逃げ出したアリスは、偶然知り合った元海兵隊員の泥棒とともにテロ計画を阻止するためにロンドンの街を疾走してゆく……。バイオテロを目論むイスラム過激派を相手にたった一人で孤軍奮闘する女スパイの活躍を描いたハード・アクション。ノオミ・パラスやオーランド・ブルームが主演を務め、マイケル・ダグラスやジョン・マルコビッチといったベテランが脇を固めるという何気に豪華な役者陣共演に惹かれ今回鑑賞してみました。なんですけど、これがまあ最後までテンポの悪さが際立つ作品でした。とにかくサスペンスの盛り上げ方が恐ろしく下手。主人公が頑張っているのは分かるのですが、これが物語上いったい何のための行動なのかがいまいち分かりづらく、素直に楽しめないんですよね、これ。また、脚本に突っ込みどころが満載なのもいかがなものか。特に途中で主人公の相棒となるオーランド・ブルームの存在。こいつ、偶然泥棒してた先で主人公と知り合い行動を共にするようになるのですが、本当に泥棒ならそんな奴を相棒にする主人公もアホ過ぎるし、裏があるならそんな近づき方をするこいつがアホ過ぎます。また、元上司役のマイケル・ダグラスが開始早々死んでしまうのですが、中盤CIAに裏切り者がいると分かり、「あ、んじゃダグラスをそんなちょい役でキャスティングするわけないし、これはクライマックスで黒幕として再登場するな」と思ったら、まさかのそのまんまの展開に(笑)。しかもこいつがCIAを裏切ってバイオテロを計画する理由も正直よく分かりません。うーん、何もかもがイマイチな映画でありました。豪華なキャスティングに+1点。
[DVD(字幕)] 4点(2019-09-13 15:50:10)
877.  ザ・インターセクションズ 《ネタバレ》 
財産目当ての義父の策略により、実の母親を昏睡状態へとさせられてしまった青年ハーパー。ある夜、酒場で酔い潰れて管を巻いていた彼に、チンピラ風の若い男が声を掛けてくる。「2万ドル払えば、俺がその男の始末をつけてやってもいいぜ」。次の日、これまたヤバそうな見た目のストリッパーとともにやって来た男は、ハーパーにどうするか選択を迫るのだった。これからベガスへ行きその義父を殺っちまうか、それともこのまま何もせずに家でこれまで通りの人生をやり過ごすか――。物語はそこから各々の選択をしたハーパーのドラマが同時進行で並行して描かれてゆく。果たしてどちらの選択をした方が正しかったのか?だが、そんな二人のハーパーの物語は、終盤に明かされる驚きの仕掛けにより一つに収斂されてゆくのだった…。まあアイデア勝負のそんな低予算クライム・サスペンスなのですが、これが正直微妙な出来でした。車でチンピラ・カップルとともにベガスへと向かった彼と、家で義父をベガスへと見送ろうとする彼の物語が、時に画面二分割で交互に描かれるのですが、これがいまいち効果的に使われていないんですよね。どちらの物語も、終始ちんたらしてて一向に面白くならないんですよ、これが。後半、明らかになるその仕掛けの真相も「おー、なるほど。そういうことか!!」という驚きよりも、「なんやねん、それだけのことかーい!」という肩透かし感の方が強かったです。真相が分かってみれば、このいまいち面白くない物語がますます面白くない物語へと変貌するというトホホぶり(笑)。完全にアイデア倒れの凡作でありました。この監督の前作『トライアングル』がなかなか面白かっただけに、残念!!
[DVD(字幕)] 4点(2019-09-12 19:08:37)
878.  バトル・オブ・ザ・セクシーズ 《ネタバレ》 
男女差別が公然とまかり通っていた時代に、それぞれの立場を代表して一大試合を決行した世界トップクラスのテニス選手の男女。自らの信念を守るために男と女の垣根を越えて戦った彼らの生き様を実話を基にして描いた社会派スポーツ・ドラマ。うーん、なんか個人的に合わない作品でしたね、これ。そう思ってこの監督の過去の作品を調べてみて納得。僕の大嫌いな『リトル・ミス・サンシャイン』の監督の作品だったのですね。この人のまるで道徳の教科書のような枠に嵌まった倫理観が僕は昔からどうにも苦手で、今回も全く受け入れられませんでした。「男女差別は止めましょう」「社会的弱者をいたわりましょう」「お互いの個性を尊重しましょう」みたいな、そんな当たり前の薄っぺらい価値基準をこうまで正々堂々と押し付けてくるこの人たちの作風が、本当に嫌い。これはもう好みの問題なので如何ともしがたい。
[DVD(字幕)] 4点(2019-09-05 19:23:37)
879.  タリーと私の秘密の時間 《ネタバレ》 
二人の子供の母として日々子育てに追われる中年女性、マーロ。長女はそこまで手はかからないものの長男は情緒障害からか問題行動が多く、一時たりとも目が離せず気が休まる暇がない。そんな折、彼女に予期せぬ妊娠が発覚するのだった――。無事に次女が誕生したものの、肝心の夫はそこまで積極的に育児に関わろとせず、マーロのストレスは頂点に。このままでは身も心もパンクしてしまいかねない。仕方なく、彼女は兄夫婦の勧めで夜間だけ働きに来てくれるベビーシッターを雇うことを決意する。やって来たタリーと名乗る彼女は想定外に若く、最初は戸惑いを隠せないマーロだったが、その見た目と違うタリーの極め細やかな仕事ぶりに彼女は次第に心を許してゆく。子育てやそれまでの恋愛経験、そればかりか現代の夫との性生活にいたるまで何でも話せる関係へと発展してゆく二人。今にも底が抜けそうな橋の上を恐々と歩き続けるようなマーロの生活は、どんどんと潤いに満ちたものになるのだった。だが、彼女たちのそんな濃密な関係はやがてすぐに終わりを迎えることになって…。三人の子供の子育てに翻弄される母親と自由奔放な若いベビーシッター、彼女たちの友情と再生を温かな目線で見つめたヒューマン・ドラマ。監督はこの手のジャンルを得意とするジェイソン・ライトマン。本作の見どころはやはり、主演を務めた人気女優シャーリーズ・セロンのその真に迫った熱演ぶりでしょう。本作の撮影のために30キロも太っただけあって、終わりの見えない子育てに追い詰められた母親を実にリアルに演じていて、もう見ていて息苦しくさえありました。そんな彼女に訪れる心のオアシス。夜間だけのベビーシッターであるタリーがとても魅力的で、彼女がマーロの心の支えとなってゆくのが実に自然に丁寧に描かれていて好感度は高い。「カップケーキも作れない」と嘆くマーロのためにタリーがした行動は本当に微笑ましかったですね。だけど、急にタリーがウェイトレスの制服を着ておかしな行動を取る辺りから徐々に違和感が。「あれ、どういうこと?」と思っていたら、最後に驚きの種明かし。うーん、ちょっとこれはどうなんですかね。ホラーやサスペンスの分野ではよくあるオチなのですが、こういう地味なヒューマンドラマでこのネタは確かに新しいと言えば新しい。でも、さすがにちょっと無理があるような気が。僕は素直に受け入れることが出来ませんでした。でも、それは好みの問題。賛否は各々で判断してもらうとしても、現在、子育てに悩んでいる母親の皆様に是非観てもらいたい作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2019-09-05 19:15:15)
880.  マイノリティ・リポート 《ネタバレ》 
スピルバーグ監督&トム・クルーズ主演、フィリップ・K・ディック原作による知的仕掛けに満ちたSFエンタメ作品。ずっと前に観た記憶のある本作なのですが、細部の記憶がすっかり抜け落ちてしまっていたので、今回改めて鑑賞してみました。確かに僕の大好物であるタイム・パラドックスネタで、しかも映像的にもかなり斬新な表現が多く(特にあの人間の網膜を調べて回る蜘蛛型ロボットはナイス造形!)、けっこう面白かった。なのですが、やはり惜しいのは脚本。途中まで、何故自分が殺人を犯してしまうと予知されたのかを巡るサスペンスがかなりよく出来ていたので、真相が明らかにされた後の蛇足感が凄い。あのままバッド・エンドでもいいので、主人公が結局殺人者になって終わる展開でも良かったのでは?でもまあそこまでの当時のCG技術の粋を極めたであろうアクションシーンはかなりの迫力だったし、トム・クルーズも若くて格好良いし、プルコギの神秘的な描写もエキゾチックで大変良いし、ピーター・ストーメアをはじめとする脇役陣もいい仕事をしていたし、単純にエンタメ映画として僕はなかなか楽しめました。
[DVD(字幕)] 7点(2019-09-01 23:33:17)
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