Menu
 > レビュワー
 > Olias さんの口コミ一覧。45ページ目
Oliasさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 4659
性別

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194195196197198199200
201202203204205206207208209210211212213214215216217218219220
221222223224225226227228229230231232233
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194195196197198199200
201202203204205206207208209210211212213214215216217218219220
221222223224225226227228229230231232233
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113114115116117118119120
121122123124125126127128129130131132133134135136137138139140
141142143144145146147148149150151152153154155156157158159160
161162163164165166167168169170171172173174175176177178179180
181182183184185186187188189190191192193194195196197198199200
201202203204205206207208209210211212213214215216217218219220
221222223224225226227228229230231232233
>> カレンダー表示
>> 通常表示
881.  ビューティフル・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 
実在のムエタイ選手、パリンヤー・ジャルーンポンの半世紀です。家計を助けるためにムエタイのトレーニングや試合を積み重ねながら、同時にトランスジェンダーという自分の内面にも(そして外からの偏見にも)向き合わなければならなかったという、そこだけでもいろんなドラマが予想されますが、作品としては比較的淡々と素直に順を追っていっています。わざとらしい盛り上げとかはありません。むしろ、主人公が成功すればするほど、かえって孤独が浮かび上がってきています。クライマックスは東京ドームでの井上京子との異種格闘技戦が始まって、ええっ?と思ったのですが、これも実話通りなのですね。また、パリンヤー選手本人(選手引退後は女優)も、主人公に女性ホルモン剤を渡すエステティシャン役で出演しています。
[DVD(字幕)] 6点(2021-03-14 23:55:52)
882.  男はつらいよ 寅次郎紅の花 《ネタバレ》 
この作品は、最後の最後にリリーの「もう一度のマドンナ」が間に合って完成し、それでシリーズがフィニッシュした、という意味において奇跡の作品。満男の所業についてディスカッションをする振りをしながら、かつて自分に踏み込んでくれなかった寅への怨み節をさらっと言葉に乗せる、これこそリリー。●そして、この物語の真の着地点は、寅とリリーがどうこうでもなく、ましてや満男君と泉云々でもなく、最後に二人っきりで残された博とさくらが(今回は工場のメンバーも訪問して来ない)、映画でも見に行こうかと語る場面ではないでしょうか。だって、このシリーズは、博とさくらの恋物語から始まったんですから。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-03-07 00:45:24)(良:1票)
883.  ウエストワールド 《ネタバレ》 
何というか、どこまでもあふれ出て暴走する創作イメージを、辛うじてその時点での技術(と、もしかするとこの作品の予算)で可能な範囲で具現化しました、という印象を受けます。1つの作品としてまとまったこと自体が奇跡かもしれません。見ているときは何じゃこれ状態だったのですが、終わった後でじわじわしみ出してきます。全体のあからさまな人工物性がもたらす違和感的恐怖は、後に「トゥルーマン・ショー」あたりに受け継がれたような気がしています。●それにしても最後の囚われのお姫様(当然のように手錠がすぐ外れる)、やっぱりそういう設定ニーズもありなんかい!とちょっとウケてしまいました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-03-03 01:06:13)
884.  ブルジョワジーの秘かな愉しみ 《ネタバレ》 
各シーンの顛末とか次のシーンへの流れ方なんかは、ことごとく予想を外してくるんだけど、なぜか最後まであるようなないような一本の筋でつながっているという、何とも困った作品。終盤の○オチ連発も、何か技巧に走りすぎていて鼻白む気がしないでもないが、そんなことも制作者の想定内なのだろう。こんなアホな人物たちの現実なんてどうでもいい、というシニカルな視線すら感じられる。
[DVD(字幕)] 6点(2021-02-28 18:27:58)
885.  映画に愛をこめて/アメリカの夜
映画製作の裏側をこれでもかというくらい見せて(再現して)くれるのは、それはそれで興味深いのですが、そのまんま何のひねりもなく最後まで行ってしまわれると・・・。鑑賞の対象が「この映画はどうなるのか」ではなく「作中の映画はどうなるのか」になってしまいます。ジャクリーン・ビセットの美しさを保存した功績に+1点。
[DVD(字幕)] 6点(2021-02-24 00:59:33)
886.  男はつらいよ 寅次郎の縁談 《ネタバレ》 
結局何だったのかよく分からないゴクミシリーズも一応完結して、今回は元々あった基本フォーマット(?)に。見ていて思ったのは、やはり寅さんは、「縁側のある家」が似合うということ。この光景の中にいるだけで、すでに別世界が形成されている。●年齢を考えても、今さら寅さんが我を忘れてあれこれにはなりにくいと思うんだけど、それでもつかの間の高松デートを見せてくれたのは、やっぱりファンサービスだったのかな。よく考えると、寅さんがマドンナとサシでデートというのも、実は久しぶりでは?そして最後には、マドンナのとらや(くるまや)訪問というかつての定番締めです。●今回は導入部が象徴するように、満男の社会への入門というのが1つのテーマなのですが、島での満男の労働体験を割と丁寧に追っているのが成功しています。そこからすると、博にはもうちょっと何か見せ場が欲しいところでしたが。一方で、今回は珍しくさくらが「何でも先回りしてしまう鬱陶しいママ」になってしまっていて、こういうさくらはあまり見たくありませんでした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-02-22 00:45:02)
887.  リターン・トゥ・パラダイス 《ネタバレ》 
マレーシアで遊んだ(麻薬含む)若者3人組のうち、2人は帰国。ところが残った1人が密売人扱いされ、死刑判決を受ける。どちらか1人でも現地に戻って出頭すれば死刑判決はなくなり、2人で行けばさらに全員の刑が軽くなる・・・というまるでパズルのような設定なのですが、決して理屈っぽくなることなく、するりと分かりやすく導入されています。その後も、登場人物の心の揺れを捉えながら、一段ずつ確実に最後の審理に向かっていきます。役者陣の功労者はアン・ヘッシュでしょう、時に正体不明であり、時に有能であり、時に弱々しくもあり、時に体も張るという難易度の高い人格表現を、ごく自然に行っています。ロマンス的な部分はやや唐突な気もしますが、ラストはなぜかそれなりに美しく結実している不思議。
[DVD(字幕)] 6点(2021-02-11 00:53:43)
888.  TOKYO JOE マフィアを売った男
かつて80年代に、シカゴ・マフィアの中核を占めながら、組織を離脱して詳細な証言を行い、マフィアを壊滅に導いた日系人、トーキョー・ジョーことケン・エトーを対象としたドキュメンタリーです。そもそもこういう人が存在すること自体知らなかったので、たいへん勉強になりました。視点は当時の捜査官や連邦検事からなのですが、なかなか突っ込んだ具体的なインタビューが丁寧に重ねられています。また、家族関係についてもきちんと追っていて、単なる元マフィアではない一人間としての対象者を浮かび上がらせています。中でも、マフィアの裏切り(制裁?)により頭部に3発の銃弾を受けながら奇跡的に助かったくだりなどは、こんなことが世の中にあるのか、と驚いてしまいます。一方で、マフィア内部で彼が何をしていたのかとか、その中で彼がどうやってのし上がったのかということについてはほとんどふれられていないのですが、まあ仕方ないでしょう、そんなことをまともに公に喋ってくれる人もまずいないでしょうから。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-09 00:19:48)
889.  それでも、やっぱりパパが好き! 《ネタバレ》 
双極性障害の父親と、妻と、娘2人の物語。ただし、一筋縄ではいきません。まず、主人公は症状が進むと周りのことなど目にも入らずに我が道を行って、特に娘たちなんかは大いに困惑しますが、それはそれでたまには良い結果をもたらしたりします。また、娘たちはどこまでもパパ大好きなのですが、喧嘩も言い争いも対立もします。この辺の「行ったり来たりぶり」に妙にリアリティがあります。さらには妻がNYの大学に行ってしまうという展開もなかなかトリッキーです。そのようなわけで、上手く着地しているラストも含めてファミリー・ドラマとしてはなかなか器用にまとまっているのですが、一方で、全体にやはり技巧が先走っているような気もして、インパクトや残留感という点ではやや物足りなさを感じたりもします。
[DVD(字幕)] 6点(2021-01-21 01:12:45)
890.  恋は緑の風の中 《ネタバレ》 
タイトルからは何ともロマンチックな青春風景を想像してしまいますが、一切そんなことはありません。頭の中がエロで充満しているアホ中学生の日常生活譚です。しかもその主人公のエロアホ脳が、例えば「博多っ子純情」のような明快でストレートなものではなく、中途半端に理論武装(?)されて変に理性的なのがタチが悪いのです。さらにそのエロベクトルは、あらんことか自分の母親にまで(!)向いてしまいます(それにあながち満更でもなさそうに対応している水野久美も、むしろあっぱれというか何というか・・・)。そうそう、そのアホ生徒軍団に真面目に性教育をしようとする三田佳子の保健教諭というのも、今となっては実に貴重な光景かもしれません。で、大事なのはこれが当時16歳の原田美枝子様のデビュー作という点なのですが、意外に出番は多くないです。台詞回しなんかもまだまだ未熟なのですが、その存在感と安定感は、やはり少年少女キャストの中でも群を抜いています。作品としては、中盤過ぎまではその謎の暴走ぶりが面白かったのですが、終盤で隠れ家みたいな倉庫改造家がどうのこうのという方向に収斂して、広がりが薄れてしまったのが残念。
[DVD(邦画)] 6点(2021-01-20 00:48:41)
891.  愛しのグランマ 《ネタバレ》 
孫娘が祖母のところにやってきて、中絶費用の相談をする・・・という出だし。これからいろいろ孫と祖母の交流がいろいろあって、と進むんだろうなあと予想していたら、意外にも、この冒頭のシングル・イシューからぶれない。そして、何とか費用を捻出するため、あれこれの人に会いに行く。この一点集中ぶりはなかなか見事でした。こういうように冒頭にテーマがどんとあって、そのためにいろんな人を訪ねるという展開は、何かに似ているなあと思ったら、ジム・ジャームッシュの「ブロークン・フラワーズ」ですね。ただ、簡素で寓話的な雰囲気すらあったあちらと比べて、こっちは割と全体的にドロドロです(笑)。また、浮ついたところのない鋭い会話の応酬が、作品に緊張感を保っています。そんなわけで職人芸を感じさせる一作なのですが、一方であまりに手堅くコンパクトにまとまっているため、作品世界の広がりという点ではやや物足りなさを感じないではない。
[DVD(字幕)] 6点(2021-01-14 22:36:59)
892.  男はつらいよ 知床慕情 《ネタバレ》 
マドンナが竹下景子というだけで、あの異次元の完成度を誇った「口笛を吹く」と比較されてしまうわけですが、やはり超えられませんでした。●しかしそんなことは想定内といわんばかりに、まずはサブゲストに世界のミフネ!そしてさらにサポートというには豪華すぎる淡路恵子姐さん!いや、今回のマドンナは、むしろこの恵子姐さんですよ。最初に三船宅にふらっと入ってきた一幕だけで、人格設定はもちろん、それまでの三船との関係まで全部表現している。終盤、ソファで三船の腕をとる一瞬に込められた情感。ブラボーです。竹下景子も、最後の寅さんとのやりとり(場所がわざとらしく縁側なのはご愛敬。初期にはこの構図がよくありましたね)という美味しいシーンがありましたが、それに至る積み重ねがまだまだでした。●あと、少し前の作品くらいから、どうも山田=朝間の脚本に陰りが見えているというか・・・三船が寅との初対面後に車に乗って「寅さんがいてくれてよかった」なんて、前の脚本だったら絶対にわざわざ言わせていないと思うし、知床での生活状況をとらやへの手紙で語ってしまうのも無粋、そして野暮。加えて、知床の風景のあれこれがやたら映されるのも、かえって興醒めしてしまう。どんなロケ先でも、一瞬の何気ないカットで現地の魅力を鋭く切り出すのが寅さんシリーズではなかったか。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-01-01 00:45:39)
893.  非行少女ヨーコ
タイトルがすべてを物語っているといいますか、とにかく、主人公ヨーコの希望なき怠惰な破綻した生活を追い続ける一品です。ただその中でも、あれこれ手を広げるわけではなく、終始軸足になっているのはずばり「薬」です(といっても麻薬とかそっちの方ではなく、市販薬の過剰摂取か脱法ドラッグっぽいですが)。これはもしかすると、「ドラッグストア・カウボーイ」や「レクイエム・フォー・ドリーム」に遥か先んじて存在した第一級のドラッグ・ムービーかもしれません。ストーリーらしいストーリーはなく、むしろ着地部分などはほぼ滅茶苦茶なのですが、その中でも主演の緑魔子の存在感が作品を支えています。●それから、若き日の石橋蓮司先生のオカマトークが全編にわたって満喫できるという点でも貴重かも・・・。
[DVD(邦画)] 6点(2020-12-21 00:34:32)
894.  天国は待ってくれる(1943) 《ネタバレ》 
導入部からして、主人公のあれこれの女性遍歴が語られるのだろうと思っていたら、案に相違して、夫婦讃歌の王道大河ストーリーでした。駆け落ちが2回あるというのもなかなかのギャグなのですが、その2回目の駆け落ちの際、もう駄目と思わせておいて妻の心が変容する部分の脚本が秀逸です。最後、美人の看護婦が部屋に入った後を見せないのもいい余韻があって、その後主人公は閻魔大王に適当なことを言っていますが、実はほかにもいろいろ合ったんじゃないの?とか想像する余地もあったりして。ただ、全体的には、構成がかっちりまとまりすぎていて、むしろ観念的になっているような気もするので、よくできているとは思っても、突き抜け感には不足しているように感じました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-14 01:49:30)
895.  西部魂(1941) 《ネタバレ》 
製作年代からいって、まあ素朴でのどかなウエスタンなのかな、と思っていたら、全然違っていました。導入部で重要な前置きを手際よく済ませ、年月を飛ばしてあっという間に本題に。そもそも主人公は、ガンマンでも何でもなく、地道に仕事を積み重ねる技師なのです。そこに、立ち位置が一筋縄ではいかないような曲者の脇役が絡んできます。主人公の妹をめぐるコメディの部分も挟みつつ、主人公にはいろいろ危機が訪れるのですが、爽快に銃をぶっ放すわけでもなく、さらに地道に我慢を続ける。それがラストに自然につながっていく。ウエスタンの雰囲気でありながら、中身はむしろビジネス・サスペンスですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-01 22:06:17)
896.  男はつらいよ 寅次郎真実一路 《ネタバレ》 
マドンナが大原麗子といえばもちろんあの名作「噂の寅次郎」が思いつくのであり、でもあれを超えるのはそう簡単ではないだろうと思いながら見てしまうのですが、やはり超えられませんでした。「噂の」ではシャープな演出で麗子さんの魅力を鋭く引き出したわけですが、こちらでは、制作側が逆に麗子さんに寄りかかっています。とはいえそれにも耐えうるほどの麗子さんの輝きと存在感は、さすがです。●コンセプトとしては、「都心の高層ビルや新興住宅に登場する寅」がやりたかったんだろうな。それはそれで貴重ですが、やっぱり寅はどうやっても生きてないというか、居心地悪そうです(笑)。そして終盤には、失踪夫の存在をどう捉えるかというドラマに直面するわけですが、「俺の心は汚い」のくだりは、無法松から継承して馬鹿シリーズから続く、監督生涯のモチーフですね。●再見して気づいた点。津島恵子のお見事薩摩弁。そういえば大河ドラマの「山河燃ゆ」と同じ年なんだけど、まさか監督、あれを見ていて津島さんを拝借したんじゃないだろうなあ・・・。●そして実は一番ぞくっとしたのは、鹿児島ツアーでメインの桜島に着いたと思ったら、「もう帰りましょう」とあっさり収束するあの切れ味。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-27 01:37:40)
897.  ダメージ 《ネタバレ》 
導入部のところで、「おいおい、もうかよ」と突っ込んでしまいました。既婚者の不倫であり、さらにそれが息子の恋人ともなれば、まずそれに先立つ夫婦関係や親子関係の「日常生活」があっての、それに対する背徳や逸脱でしょうに。●加えて、ビノシュとリチャードソンが並んだときに、どう見ても「母親と、その息子の恋人」に見えません(ちなみに2人は6歳違い)。このキャスティングは役者が可哀想でしょ。ただし、ビノシュはここで自分はこういうファム・ファタールには合わないと悟ったのか、後の「イングリッシュ・ペイシェント」や「ショコラ」では家庭的ほっこり路線で才能を開花させたわけで、やはり役の選択って大事です。●息子が「それを知ったとき」がクライマックスであることは当然なのですが、その後の処理の、まあ何ともったいないこと!あそこから関係者の心理の綾がどう重層的に展開するか、がこの作品の骨であるはずなのに。あれだったら、そもそも登場人物にとっての主題自体が、不倫から息子の死にスライドしてしまいます(実際そうなってます)。●とかいろいろアラも発見しつつ、全体としては、アイアンズ/ビノシュ/リチャードソンの強固な存在感トライアングルによって自然に最後まで見られてしまうという、何とも困った作品。
[DVD(字幕)] 6点(2020-11-10 01:57:11)
898.  男はつらいよ 旅と女と寅次郎 《ネタバレ》 
マドンナが都はるみなんで、演技力は望むべくもなく、実際見ていてハラハラしてしまう。しかしやはり、その辺は最小限にしておいて、開き直ったかのように随所で歌をぶち込んでくる。まるでミュージカルを見ているようです(!)。そのため脚本にも強引な箇所が見られますが、こういうのはそれでいいのです。ただ、佐渡の別れのシーンは、「ファンが待ってるから」ではなくて、「ここまで心配して汗かいてアンタを迎えに来た人たちがいるだろ」と言ってほしかったし、「行かせたくない」ではなく「行くんだよ!」と言ってほしかった。●とらやのリサイタルシーンはやっぱり名シーンなんだけど、そこに深みを与えているのは、影から思い詰めた表情でひっそり見つめる寅、そしてそれを見上げて何かに気づくさくら。●指輪はもう少し活用してほしかったな~、ちょっと使い損ねた印象。●しかしやっぱり、この作品で一番凄いのは、あの「日生のおばちゃん」こと中北千枝子さんを、堂々と「保険外交員役で」出してくださったことではないでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-11-07 00:54:57)
899.  奇跡の海 《ネタバレ》 
トリアー監督はとりあえず、「一番救わなければならない人を拒絶する神の矛盾や偽善」とかその辺をテーマとして作り出したのでしょうが、エミリー・ワトソンという逸材に出会ってしまって、制作のポイントが異なってきたのではないかと思います。この作品は一言で言うと、「トリアー監督とワトソンのエンドレスノーガード殴り合いバトル」です。トリアーはこれでもかという状況を延々と設定してワトソンにメンタルを削りまくる芝居を要求する。ワトソン(これが映画初出演!)は驚異の粘り腰でそれにどこまでも対応していく。最後は2時間40分、時間切れドロー。ラストの鐘の音は、トリアーからワトソンに対する「よくやった」というご褒美にしか聞こえません。そしてこれで「こういう創作の方法もあるのか!」と目覚めてしまったトリアーが、後に「ダンサー・イン・ザ・ダーク」とか「ドッグヴィル」に進んでしまったのではないかと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2020-10-19 01:46:01)(良:1票)
900.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 《ネタバレ》 
「実は意外と珍しい寅さんの『泥酔』(単なる酒酔いではなく)」「マドンナとサブマドンナが同一シーンの同一ショット内に遠近で登場」など、今回もちょこちょこ新しい試みには挑戦しています。●マドンナは何と音無美紀子!割と地味目な真面目な役が多い人なので、この待遇は嬉しい!と思っていたのですが、設定が「テキ屋の女房」!残念ながらこれは合ってない!いや、こういう同業界的なマドンナって貴重ではないかと思うのですが、よりにもよって庶民派一般人女優の代表格(?)の音無さんを当てんでも。●「亡くなった友人から妻の後添えを頼まれる」という強烈なネタも、その後の心理の綾をあまり使いこなせてないような・・・。あの夕暮れの駅のシーンだけというのはもったいないです。定式ホームコメディの枠にはやや重いネタだったのかもしれません。ただこれで、「やっぱり寅にはきちんと恋愛の修羅場に立たせないといけない」と監督が考えたのが、問題作レベルの次作「あじさいの花」につながったのかもしれん、とか想像するのも楽しい。●というわけで、音無さんの映画ヒロインというのは貴重だし、何だかんだいってこの後添え設定も味わい深いので、点数は甘め。味付けはいまいちながら、素材の良さだけで楽しめる料理、といった感じ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-10-16 00:16:12)
0100.21%
1751.61%
22846.10%
374816.05%
490619.45%
599421.34%
691919.73%
751411.03%
81613.46%
9450.97%
1030.06%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS