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ゆうろうさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 972
性別 男性
ホームページ http://yuromovie.blog.shinobi.jp
年齢 39歳
自己紹介 名前をdonkeyから「ゆうろう」に改名しました。
好きな監督は北野武、クリント・イーストウッド、宮崎駿、石井聡互、黒澤明など。


よろしくお願いします。

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81.  アフターショック 《ネタバレ》 
上映回数が限られるなか、なんとか時間を作って鑑賞してきました。ほとんど予備知識もなく(それこそ災害パニックものであることも知らずに)見て、一体何が起こるのか、ハラハラしながらも最後まで楽しめました。前半は「クローバーフィールド」っぽく、日常っぽいゆる~い展開。しかし後半になると、前半のゆるい描写がことごとく違う意味を持って主人公たちに襲いかかります。昼間キャッキャウフフと浮かれながら歩いた道が、夜になると極悪脱獄囚に追いかけ回される地獄の道に変貌。前半があるおかげでエグさ倍増です。そういう点は「クローバー~」に勝ってるかも。結講最後のほうまで地震パニックを追体験させる映画なのかなと思っていました。が、ところどころ挟み込まれる「中絶」の話題が、妙に引っかかります。これを踏まえて見ていると、ラストの脱出ルートがまるで産道のように感じてしまいました。熾烈な生存競争を勝ち抜いても、自分ではどうにもできない運命に流されてしまうような無力感・・・。これはちょっとゲスな見方かもしれませんけど。
[映画館(字幕)] 8点(2013-11-16 03:30:19)(良:1票)
82.  ルームメイト(2013) 《ネタバレ》 
「クロユリ団地」を舞台に繰り広げられる「ブラックスワン」(もしくは「ディープブルー」)。話の作りは「クロユリ団地」ととてもよく似てます。軽い気持ちで誰かと友達になり、相手のことを扱いきれなくなりつつ、主人公の過去のトラウマが明らかになってゆく・・・。見てる最中は退屈せずに楽しめましたが、さすがに「この手のパターン、もうよくないかい?」という気持ちもします。自分が見落としていたかもしれないけど、高良健吾やその友人がなぜ襲われなければいけなかったのか、その理由がピンときませんでした(主人公2人の関係を壊そうとする存在だから?)。良い場面もいっぱいあったとは思いますけども。偶然だとは思いますが、ダニーボイルの「トランス」やデ・パルマの「パッション」などと、演出や内容が似ている作品が同時期に作られてるのがなんだか印象的でした。そういう時代なんですかね。
[映画館(字幕)] 6点(2013-11-12 10:25:41)
83.  清須会議 《ネタバレ》 
歴史や社会が動く瞬間を大雑把に分けると、「知らない誰かがやって来たパターン」(元寇、黒船襲来など)と、「重要人物が居なくなってしまったパターン」(浅野内匠頭切腹、笑っていいとも終了など)の二つだと思います。この清須会議は後者のパターン。言い換えれば「信長、死んじゃったってよ」=「桐島、部活やめるってよ」状態。なので、時代劇と言えども普遍的な内容の映画になってると思いました。結講、どの世界の人が見ても面白い話なんじゃないでしょうか。個人的には旗取り合戦のシーンは好きです。原作はイノシシ狩り対決だったようですが、それぞれ人物の個性がうまく表現できていたと思います。オチもサイコーでした。最後は柴田勝家の生真面目さ、真っすぐさが可笑しいと同時に、とても切なかったです。かつて信長を中心として栄えていたころから、何も変わらない空の下、戦の音だけが聞こえてくるラストシーンも哀愁が漂っていました。
[映画館(邦画)] 7点(2013-11-10 22:57:01)
84.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 漸(ゼン)ノ篇 《ネタバレ》 
スペックを使う使わないとか、信頼がどうとか、テレビスペシャル版から同じ話をずーーっとしてるような印象です。ストーリーが前に進んでる感じが全然しなくて、とても退屈でした。後半も 回想シーンばっかり。ドラマ版の映像が回想として入るのは100歩譲って良いとしても、今作の映像まで頻繁にインサートされてウザかったです。それ、今さっき見たばっかりじゃん!作り手たちは、回想を入れておかないと記憶を保てないんだろうか。メメントか君たちは。ストーリーが長くなっちゃったから2部作にしたわけじゃなくて、2部作にするために水増ししてたのねん。ドラマ版からずっと見てきたキャラが死んでしまったとしても、もはやどうでもいい気分です。「実は死んでませんでした~」とか「特殊な何かで~」とかでどうせ再登場するんだろう、と思ってしまい、悲しくもなんともない・・・。本当に死んでいたとしても、また回想でクドクド登場しそう。完結編の予告がハッタリでないことを祈るばかりです。
[映画館(邦画)] 2点(2013-11-10 02:57:17)(良:2票)
85.  劇場版 SPEC~天~
ドラマ版を見る前は、「どうせまた、奇声と寒いギャグで適当なストーリーを誤摩化したショボいドラマなんだろ」と思ってました。実際見てみたら「お、面白いじゃねえか・・・(震え声)」と、見事にハマってしまったんですけどね(笑)。ただ、今回の映画は、ドラマを見る前の先入観そのままの内容になってしまいました。ストーリーの大筋は別に悪くないと思うんですが、細部がいい加減すぎて、物足りなかったです。話のスケールに作り手自身が追いついてないと思います。
[DVD(邦画)] 4点(2013-11-09 17:18:19)
86.  42~世界を変えた男~
オーソドックスな作りで、良い意味で誰でも楽しめ感動できる映画だったと思います。個人的には、主人公の奥さんが堀北真希ぽっくてカワイイなあと思いました。それはまあどうでもいいんですが・・・。軽妙なタッチの作品で、実際にはもっと酷い差別を受けていたかもしれません。しかし、「ただ野球がしたいだけだ」という思いは十分伝わってきました。人前では「これくらい平気だかんね。へへーん」というノリの主人公でも、人気の無い場所で泣き叫ぶ姿は見ててこっちも辛かった。映画全体の軽妙なタッチの裏にはこの叫びが隠されてると思います。どちらかと言うと差別行為そのものよりも、それに対して異議を唱えることが出来ない状況のほうが印象的でした。更迭される監督や、大人達の罵声に怯えて自分も罵倒する側に回ってしまう少年などです。最近の映画で言えば「ヘルプ」もそんな映画だったと思います。タイトルにもあるように「42」という、本来特別な意味なんて何もない数字に、大きな意味を持たせた主人公アッパレです。
[映画館(字幕)] 8点(2013-11-04 01:52:02)
87.  グランド・イリュージョン
そもそもマジックのタネなんて、バラされてしまえば「な~んだ、そんなもんか」というもが大半なので別にいいんですが、肝心のマジック自体がそれほど凄く見えないのが物足りなかったです。最初のショーなどは、会場で見てる観客からすれば、男を一人消して金が上から降ってくるだけですし。どちらかと言えば、最初のキャラ紹介シーンのほうが「おお、すげえ」と思っちゃいました。個人的にはそこがピークです。その後ストーリーは二転三転していきますが、誰にも感情移入できないまま終わってしまいました。今流行っているプロジェクションマッピングの使い方も、なんだかおかしい。その場にいるヤジ馬ではなく、映画を見てる観客(空撮カメラ)から見たときに丁度よく見えるマッピングの仕方をしてます。小道具の使い方としてもったいない。20年以上前に作られた「インディ・ジョーンズ・最後の聖戦」に出てくる橋のほうが、プロジェクションマッピングの面白さを活かした演出をしてましたよ(あちらは超アナログな方法でしたけど、原理は同じですよね)。マジックのネタばらしは「な~んだ」でも構いませんが、物語のネタばらしまで「な~んだ」じゃマズイと思います。観客をあっちこっちに振り回したかったのかもしれないけど、作り手もこの物語に振り回されてないかい?
[映画館(字幕)] 5点(2013-10-27 22:49:07)
88.  ロボジー 《ネタバレ》 
軽妙でオフビートなテンポが観てて楽しい、気楽に鑑賞出来るコメディです。 矢口監督の作品を良く言えば、「自分が納得して楽しめて、なおかつ周囲の人も楽しませるにはどうするか?」ってことだと思います。けれど、全員を100%納得させて幸せにできるかっていうと、それは至難の業。当然無理が出てきます。その無理を押し切るには、最後まで嘘を突き通すしかない!って展開は、私は面白かったと思います。それはエンターテイメントの鉄則でもあるしね。 ただ、題材や内容的には悪くはないと思うんですが、ヒジョーに勿体ない出来の映画でした。 私は劇作家の平田オリザが取り組んでいる「アンドロイド演劇」が好きで、この映画もそれと共通したモチーフが、ロボット以外にも沢山出てきます。ただ、平田氏の演劇と比べるとそのモチーフを活かし切れていないような気がしました。オチもなんだか釈然としないもので、個人的には最後ミッキーカーチスではなく吉高百合子がロボに扮する、って展開が観たかったなあ。サンタを信じていた子供が大人になって、今度は子供たちのために自分がサンタの格好をするように。まあ、このオチが良いかどうかはともかく(汗)。もっと突き詰めて作っていれば、現代における日本版「三十四丁目の奇跡」のような傑作になったんじゃないでしょうか。観てて非常に歯がゆかったです。大きなお世話か!?
[DVD(邦画)] 6点(2013-10-26 05:33:13)
89.  劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ 《ネタバレ》 
「神聖かまってちゃん」というバンド(この映画で初めて知った)を台風の目にして、様々なキャラが描かれる群像劇。群像劇でちょくちょくあるのは、あの場面とこの場面は実はつながってて、このキャラとあのキャラは実は知り合いで、あの場面の裏では、実はこんなことが起きてて、最終的に一つの場所にすべてが集約されていって・・・というパターン。けれどこの映画は、そういう技巧をこらした繋がりが「集約」するのではなく、「拡散」していく、というのが面白かったです。タイトルにかまってちゃんと入れておきながら、かまってちゃんがメインの主役じゃないというのも新鮮でした。それでいて奇をてらっているわけじゃないのも好印象です。音楽が人に与えるパワーなるものが描けていたような気がします。音楽そのものが直接問題を解決してくれるわけじゃないけれど、他人から見れば大したことのない、ほんのちょっとした一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。最後になるかもしれない舞台で一花咲かす。一人で聞いていた音楽を、友達みんなと共有する。失恋を叫び飛ばして将棋に勝つ!(しかもアマチュア) たとえライブハウスにいなくても、CDを直接聴いているわけじゃなくても、音楽のパワーが伝播していくクライマックスは、映画を見てる自分にまで伝わった気がして震えました。欠点を挙げれば、低予算のせいか映像が安っぽい、役者の演技がプロと素人でちぐはぐ、そのせいで演出意図が全面に出てしまってるシーンが多々あること、などでしょうか。けれど、メジャー映画にはない勢いがあって自分は好きな映画です。 
[映画館(邦画)] 9点(2013-10-22 03:40:14)(良:1票)
90.  トランス(2013)
前作「127時間」で神経水攻め攻撃を仕掛けてきたダニーボイルが、今回は全編鏡ばり作戦で攻めて来ました。「なにもここまでせんでも」ってくらい鏡と反射で囲まれていて、まるで万華鏡の中に閉じ込められたみたい。どれが実像なのか分からない状態での「催眠」からの脱出劇。そういう意味では「127時間」と似たような話かもしれません。個人的にはあまり記憶に残らない、「忘れる」タイプの内容なんですが(笑)、「映画」ってものがある意味催眠みたいなものかもしれません。iPadで鑑賞しても面白いかも。
[映画館(字幕)] 6点(2013-10-13 12:35:42)(良:1票)
91.  謝罪の王様
真っ向からコメディに挑戦する日本映画も少ないんで、小難しい映画やとんがった映画以外にも、こういう作品があってもいいやね、とは思います。色んな登場人物が絶妙に絡み合うのは気持ちいいし、小ネタの数々も振り切ってていいですね。役者のインタビューでも書かれていましたが、ヤクザの車と衝突事故を起こすときの、あの過剰さが楽しい!「引き算の美学」みたいな気取ったトコからは出てこない描写が良かったです。ただ、何も考えずバカになって楽しめるかと言うとそうでもない。マンタイ王国への謝罪の仕方って、ラーメン屋の謝罪の仕方と同じじゃない?とか・・・。昔の東宝特撮に出てくるいい加減な小国みたいで、いまだにこんな描写でいいのか?という気もします。ただでさえ「謝罪と賠償」をしょっちゅう求められてる国ですから、どうもモヤモヤしてしまいました。
[映画館(邦画)] 6点(2013-10-12 16:36:56)
92.  R100
デヴィッドフィンチャーの「ゲーム」みたいな映画なのかな、と思ったらそれも違いましたね(笑) 松本人志の映画は基本的に好きで、ネットで見てると「何もそこまで言わんでも」というくらい酷評されてるので、むしろ擁護したいくらいでした。しかしさすがにこれはキツい・・・。 全体的にはアイデア勝負ばかりで、素人目に見ても表現力が弱いような気がします。同じ内容でももっと演出力がある人が撮れば、いい意味で「賛否両論」が出る映画になったんじゃないかなあ。セルフ突っ込みも正直痛々しいです。一昔前のギャグ漫画を見てるような気まずさがありました。 監督本人が登場するシーンは、良くも悪くも松本人志のエンターテイメント感が現れてて面白いです。お互い同意の上でプレイしてるんだから、文句言うな、と・・・。ネット上で、見もしないで嘲笑してるだけの書き込みが垂れ流されている現状への怒りのようにも感じます。かなり卑怯な作品ですが、「卑怯な観客」への反撃するための映画なんでしょうか。 「分かるヤツにだけ分かればいい」タイプだと思いますが、この作品は「分かるヤツ」すら蔑ろにする作品です。振り回されっぱなしで、なんだか見てて疲れるし悲しくなる映画でした。 最近、映画愛を全面に押し出す娯楽作に夢中になっていたせいか、その落差も個人的にキツかったです。
[映画館(邦画)] 2点(2013-10-08 01:06:26)
93.  凶悪 《ネタバレ》 
「あなたこの事件を追いかけてるあいだ楽しかったんでしょ?私も楽しかったよ」という池脇千鶴のセリフが印象的でした。「はい!ボクも楽しかったです!リリー・フランキーとピエール瀧の悪役っぷりマジさいこーッス!」などと不謹慎なことを思ってしまいました。映画自体は面白いんだけど、実際に起きた殺人事件を面白いと思ってしまう、人が死ぬことを知らず知らずのうちに望んでしまう、複雑な映画です。当然、リリー・フランキーがラストで指差さす相手は自分なわけですね。登場人物の顔を真正面から捉えた映像も印象的でした。まだ観たことはありませんが、アメリカ映画「カポーティ」と似てるのかもしれません。あれも、実際の殺人事件の犯人を取材してゆく作家のお話です。今度観てみようと思います。
[映画館(邦画)] 8点(2013-10-07 01:21:23)
94.  クロニクル
最初は「またこの手のPOV映画かあ」などとナメていましたが、実際に見てみたらとてもフレッシュな作品でした。最初は超能力で無邪気に遊ぶ姿が続いて、「羨ましい!自分もあんな風に遊んでみたい」と呑気に思っていたのに、次第にエスカレートしていく様は凄くゾワゾワさせられました。銃乱射事件や通り魔殺人事件などを起こしてしまう青年たちの感情を追体験する感じかもしれません。役者の演技も見事で、1カット内で喜怒哀楽の感情変化を見事に演じきっていました。CGを使いまくった作品だけど、役者にとってもやりがいのある作品だったでしょうね。演出による感情表現も面白いです。よくある演出だと「悲しいシーンは雨を降らせる」のが定番です。対して本作では、不良にブッカケられたビールがレンズにビチャ~と付いたりします。このシーンは主人公の惨めさ倍増。足下の水たまりがズズズと移動していくシーンも良かったです。「よくある演出」をこの作品に合った形で駆使しているのがフレッシュさの由縁でしょうか。展開に合わせてカメラワークの視線が変化していくのも印象的。とくに、ベッドに寝ている主人公が、超能力でカメラをフワ~ッと持ち上げていくシーン。技術的には凄くもなんともないんですが、今までに観たことも感じたこともない感覚がするシーンです。こんな映像は初めて観ました。まだまだ発見されていない映像や演出があるんですね~。
[映画館(字幕)] 7点(2013-10-01 00:39:05)(良:1票)
95.  地獄でなぜ悪い 《ネタバレ》 
あまりの面白さに、映画館を出たあとすぐに受付に走り、次の回も連続で見ちゃいました。それくらい面白かったです。 最初見た時は、なぜ星野源扮する男が登場するのだろう?長谷川博己扮する映画監督一人に役割をまとめちゃってもいいのでは?と感じました。が、「エンタメでもありつつ監督の個人的な映画」だとして見れば納得。恐らく監督は「映画を撮りたい!」という感情と同時に、「オレこんな所で何してるんだろう・・・」という感情を同時に持ってるんでしょうね。そして、映画なんて全然わからない星野源でも、心の中で彼自身のための「映画」を思い描いていた場面はグッときました。金も知識も無かったとしても、誰にだって心の中だけにある自分のためだけの映画を持ってるんじゃないでしょうか。 そして國村準扮する組長の、「こんなとき(抗争中)なのは分かってるが、それでも映画を撮ろうじゃねえか!」という心意気も胸が熱くなります。震災を題材にした映画を撮っている園監督の心意気のようにも感じられました。 細かいところで言えば、録音部担当のヤクザが妙にリアリティがあって面白かったです。映画を作ってる人たちが作ってるんだから、当然といえば当然ですけど。多分、実際の撮影でも、ああいうベテランの渋いオヤジがタバコを咥えながら機材に向かってるんでしょうね。で、ときどき役者がブラブラ近寄ってきて「いや~、ここは平和だねえ」なんて言うのでしょう。で、「なにが平和だ。こう見えてもこっちは仕事してんだぞ!」とか思ってそう。プロの人が見たら「撮影あるある」満載の映画かもしれません。 他にも、ここが良かった、あそこが良かったと言いたい場面が盛りだくさん。最近の邦画を皮肉るネタもいっぱいでした(とくに星野源のビックリシーンは傑作)。サイコーに楽しい映画です。けど、一番映画を楽むなら、自分で作るのが一番なんでしょうね。自分のための、もしくは大切な人のためだけの映画を。
[映画館(邦画)] 10点(2013-09-29 20:58:03)(良:2票)
96.  エリジウム 《ネタバレ》 
主人公が徹底的に苛められ追いつめられていくので、思わず感情移入して見ちゃいました。最近のアクション娯楽映画の中では一番追いつめられてたんじゃないでしょうか。今の状況からなんとか抜け出そう、這い上がろうと行動する度に裏目に出て、逆にどんどん(文字通り)がんじがらめになっていくのが辛かったです。それでいて、車を盗んだり誘拐に加担したり、自分が助かるためなら何でしてしまう自業自得な人間だったとしても、ギリギリ感情移入できるバランスでした。悪役クルーガーもこの世界に追いつめられていた人間なワケで、主人公とは似た者同士。クライマックスの選択以外は、意外と二人の言動に違いは無かったんじゃないですか。クルーガーがヒロインに言い寄る姿は、主人公の本音を剥き出しにした姿のように感じられて、ちょっと気まずかったです(汗)。だからこそ、最後に他人のために行動を起こす主人公の姿にはグッ!ときました。客観的な理由やキッカケは描かれていなかった気がしますが、感情的には理解できました。この辺りのキャラ造形はさすが「第9地区」の監督!って感じですね。 確かに、細かい点では気になるところもあります。プログラム書き換えるだけでクーデターできるの?とか。宇宙に剥き出しのスペースコロニーは、事故が起こったときのことを想像するとゾッとするし(笑)。エリジウムが単なる高級住宅地以上には描かれていないのも勿体ないですね。デラコートだって、実は子供がいたとか、彼女も巨大なヒエラルキーの中間でしかなかったとか、例えベタでも何かしら描いてほしかったですね。 けれど全体的にはとてもパワフルで、見てる最中はハイテンションで手に汗握りながら楽しむことができました。パンフに載ってた監督のインタビューでは、「ヴァーホーベンのロボコップが好き」とのこと。ああ!ロボコップのリメイクはこの人にやってもらえば良かったんじゃないですかい!?勿体な~い。 
[映画館(字幕)] 8点(2013-09-27 02:17:46)(良:2票)
97.  エンド・オブ・ウォッチ 《ネタバレ》 
「日常を描いた映画」と聞けば、淡々としている内容を想像してしまいますが、「LAの警官にとっての日常」を映画化するとこうなるのか、と思うと、なかなかゲッソリします。なんか「トレーニングデイ」っぽいなと思ったら、この監督が脚本を書いていたんですね。なるほど納得。みんな無駄話したり、終始ニヤついてたり、ケンカ越しだったり、自分の乗るパトカーが分からないヤツまでいたりと、最初は感情移入出来ませんでした。「えーっ、警官ってこんな感じなの?そのうち不正も働きそうだな。きっとそうに違いない」とまで思っていました。それこそ「トレーニングデイ」のように。けれど、最後まで見ているといつのまにか感情移入しまくっていましたね。主人公たちの危なっかしさにもハラハラするし、突然現れる暴力・残虐シーンに思わずのけぞります。普通の映画だったらじっくり盛り上げそうな場面でも、「当然ですがなにか?」ってな感じでショックがきて、逆に笑っちゃう場面までありました。最初は主人公たちを軽薄だと思っていましたが、彼らも、そういうスタンスでなければ耐えられない環境なんでしょうね。よくあるハリウッドのアクション映画なら、端役の制服警官が一人二人死んだところでサッサと流されてしまいます。だからこそ、運命のいたずらのように生死が決まってしまう日常を見せられると、より切なさ倍増でした。 
[映画館(字幕)] 7点(2013-09-17 19:16:00)(良:1票)
98.  ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 
基本的に面白かったんですが、日米の「死」の価値観や風習の違いをもっと見せてくれないかなあ、とは思いました。忍者にお寺、派手な看板にパチンコ屋など、すでに取り上げられたものだけでなく、例えば盆踊りとか(季節が合わないけど)、まだハリウッドが触れていないものもを魅せればよかったのに、と思います。 真田さんと対決するウルヴァリンの、完全復活シーンはカッコよくて大好きです。 日本の描写については、良い悪いすら抜きにして「も、いいかな」って気分です。逆に、邦画はちゃんと「日本」を理解して映画を作っているのか?と思わされました。日本の映画が、アイアン・サムライの暴れ回る姿を見せてくれたか?・・・否!新幹線の上でM:iみたいなアクションを見せてくれたか?・・・否!冗談でも嫌味でもなく、邦画も「ハリウッドよ、これが日本だ!」と言えるような作品を作って欲しいなあ、と思うようになりました。最近だと「風立ちぬ」や「許されざる者」くらいかしらん。このままほっといたら、日本の男たちが全部ウルヴァリンに負けちゃって、日本の女性をみんな持ってかれちゃいますぜ。あの、急接近して着物の帯を直すのはマストで入れなきゃいけないシーンなんですかい!?
[映画館(字幕)] 8点(2013-09-16 10:54:47)(良:2票)
99.  許されざる者(2013) 《ネタバレ》 
個人的にはオリジナル版が大好きだったので、リメイクされると知ったときは「なんてことしてくれるんだよう!」と思ったものですが、実際見てみると1本の作品としてガッチリできていたので良かったです。どうしてもオリジナルと比較してしまうんですが(笑)、良かったところもあったし、好きじゃないところもありました。良かった点。アメリカが舞台の話を見事に日本に置き換えられていたこと。時代背景はもちろん北海道という場所も、むしろオリジナルよりもいい設定だったんじゃないでしょうか。アイヌの人々が登場するのも良かった。そもそもメジャーなエンタメ作品で取り上げられることがないですから。言い方は悪いですが、「ハリウッドの巨匠が手がけた傑作を渡辺謙主演でリメイク」という”担保”がなければ、現状の邦画業界では実現できない内容だったと思います。それだけで、「許されざる者」という作品をリメイクする価値は十分あったなあ!と思います。オリジナルでは触れられなかった「主人公と奥さんが結婚したキッカケ」も、主人公の内面をより複雑にしていて良かったなあと思いました(決して”良い話”ではないですけど)。 好きじゃなかった点。とにかく説明過多。オリジナルではセリフで説明だけして、あとは観客に想像させるようになっていましたが、こちらは「説明セリフ」+「過去の回想シーン」で二重に説明してしまっていて、正直くどかったです。そのせいか、上映時間はほとんど同じなのに、凄く長く感じてしまいました。オリジナル版の、アメリカ国旗をバックに「俺の言うことを守らなけらければ、お前達全員皆殺しにするぞ!」と主人公が叫ぶシーン(ここで魂が震えます笑)も、どう日本版に翻訳されているか気になっていましたが、個人的にはあまりピンときませんでした。女郎やアイヌを、そっとしておいたほうがいい弱い立場の人たちにしてしまっていいのだろうか?そういう単純な話だったっけ、と思ってしまいました。 ・・・とまあ、細かい点をあげつらってクドクド書いちゃいましたが、安パイ狙いの映画が多い中で、自ら高いハードルと過酷な環境に飛び込み、力作を作ってくれた作り手たちにはありがとうと言いたいです。 
[映画館(邦画)] 7点(2013-09-16 08:01:57)
100.  サイド・エフェクト 《ネタバレ》 
薬の副作用だけではなく、事件から派生する様々な「サイドエフェクト」に翻弄される2時間でした。 見終わった後にこのサイトを見てから「そういやヒッチコックでしたわネ」と気づくくらいで、見ている間は普通に夢中になって没入してしまいました。 ここ最近、「ウソつき合戦」的な映画が増えてますね。「ジャンゴ(含むタランテイーノ映画全般)」や「アルゴ」、など、「ウソ」がキャラクターたちの運命を握っているものが多く、この作品もそういうパターンになっていて、スリリングだと思いました。 それに加え、この映画は「正論というカードの奪い合い」をしているようにも見えました。「鬱病」「殺人」「不倫」「過去の失敗」「精神異常」などのネガティブなレッテルを相手に張ってしまえば、あとはもうこっちのもの。 自分が「正論というカード」を持っていれば、相手をコテンパンにしても構わない!社会的に抹殺されてもしょうがない、悪いのはお前だかんね、という感じで、これは怖いことだなあと。薬や犯罪とはまた違う恐ろしさがありました。 その正論カードがひとたび別の人に移れば、周囲の人間の対応までコロッと変わってしまうのも印象的でした。真犯人が捕まり、失いかけてきたものが帰ってきた、めでたしめでたしという、ありきたりな決着のハズなのに、ちっともそうは思えない結末にゾクゾクします。安部公房の小説っぽい感じもしました。
[映画館(字幕)] 8点(2013-09-12 02:24:59)
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