81. 阪急電車 片道15分の奇跡
《ネタバレ》 いろいろな人間関係の「問題」を取上げ、一つ一つ上手く解決していく様は見ていて心地良かったです。 今津線という阪急の中でも「メイン」ではない路線を取上げているのも良かったと思います。 ただ、電車内で騒ぐオバちゃん達の演技がちょっとオーバー過ぎるような気がしましたね(まあ、ああいう人たちもいないわけではないでしょうが・・・・) [地上波(邦画)] 7点(2014-11-16 10:09:33) |
82. のぼうの城
《ネタバレ》 「忍城水攻め」の史実、状況を映像として観ることができたのは良かったです ただ、映画作品としては、ほのぼのとした喜劇的要素と迫力のあるアクション的要素と「めでたしめでたし」とは言えない戦国時代のシビアな史実とがコロコロと入れ替わっていくのに追いつけず、作品に入り込めませんでした。 どうせだったら、レッドクリフくらいの娯楽大作にしてしまった方が良かったかなと思います。 [地上波(邦画)] 6点(2014-11-08 15:01:32) |
83. 鉄くず拾いの物語
《ネタバレ》 この映画は主人公たちの日常生活を観賞する「作品」ではありません、我々の「なぜ?」という気付きを喚起させ、この物語の背景にある問題について考えさせるための「素材」なのです。 社会の抱える諸問題の多くは、静かに深く佇んでいることを、セミドキュメンタリータッチで示しています。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-01 12:19:19) |
84. ハンナ・アーレント
《ネタバレ》 この作品が現在の日本でヒットしてしまうことが喜ばしいことなのか憂慮すべきことなのかは良くわかりませんが、多くの人が彼女の考え・行動に触れる機会を得たことは大いに意義があると思います。 正直、私はアイヒマンが「全体主義の下で思考不能に陥り事務的に残虐行為に加担した小役人」だとは全く思えないし、ユダヤ人の多くが「人間を無用の存在にした極悪人に報いを!」と怒りをぶつけたくなる気持ちも理解できます。 しかしながら、そこで「思考不能」に陥ってはいけないというのが彼女の訴えだと思いますし、我々がどのような状況であってもしっかりと思考し善悪を区別する能力をつけていくことが肝要であることは間違いないことだと思います。 作品的には、非常に分かり易く彼女の主張・行動を伝えており、特にアイヒマンの姿を俳優を使わず実際の映像を使ったことがとても効果的でしたね。 [DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 00:13:32) |
85. 海炭市叙景
《ネタバレ》 ドラマティックな展開は殆ど無いのに、約2時間半ついつい見入ってしまいました。 退屈と漠然とした不安が漂う地方都市に住む市井の人たちの日々の呟きを、上手く切り取ってつなげ、一つの作品にしてしまう佐藤泰志の才能と、80年代に創られた原作を今の時代に持ってきて上手く映像化した熊切監督の技量が上手くマッチしています。 地方都市が80年代に「変わりゆく日本」に乗っかろうとしながらもどこか取り残されていく姿が、現在「変わりゆく世界」に取り残されそうになっている「日本」にどこか被っているように感じられ、この作品が現在再評価されているのも理解できます。 内容については、やはり最初の物語のエピソードに漂う虚無感がこの作品のキモなので、そういう意味で、谷村美月と竹原ピストルのキャスティングが見事にハマっていて作品全体のクオリティも引き上げていると思います。 後は、とにかく「猫を抱いた婆さん」のインパクトの強さですね。この人を見つけてきた熊切監督の眼力に感服しました。 [DVD(邦画)] 7点(2014-10-04 10:07:16) |
86. 地獄でなぜ悪い
《ネタバレ》 ジョン・ウォーターズが『セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ』でインディーズ魂やカルトムービー愛を炸裂させたが、我が日本にも園子温がいた! 細かいことは抜きにして、ここまでのエネルギーに満ちた、センス溢れる爆発的な映画を作る園子温監督の映画愛には、思わず感服いたしました。 [DVD(邦画)] 8点(2014-08-31 11:08:40) |
87. トラブゾン狂騒曲 ~小さな村の大きなゴミ騒動~
《ネタバレ》 ファティ・アキンのルーツであり「心の楽園」である場所が、「現実」の前に汚され壊されていく姿を映し出したドキュメンタリー。 我々があまり見ることのないトルコの一面を知ることができ興味深かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2014-08-27 00:05:05) |
88. クラシコ
《ネタバレ》 今や、Jリーグの理念の理想像ともいえる松本、そして長野の黎明期を描いた貴重なドキュメンタリーです。 いずれは、J1の舞台で繰り広げられるであろう信州の2チームの原点を記録した貴重な映像作品です。しかしまあ、バドゥ監督は日本で成功してもらいたかったとつくづく思わされました。 [インターネット(字幕)] 7点(2014-08-09 10:52:48) |
89. シンプル・シモン
《ネタバレ》 素晴らしいコメディ映画でした。ストーリー・音楽・映像共にセンスが良く、北欧の清潔感あふれる美しい風景と見事にマッチしていました。ユーモアセンスも中々のもので楽しい時間を過ごすことができました。 楽しいだけでなく、アスペルガー症候群について理解し受容することの必要性を訴える思いも込められていることもあり、考えさせられる面もありました。 [映画館(字幕)] 9点(2014-06-09 06:47:09) |
90. 奇跡(2011)
《ネタバレ》 子供の持つ「力」の凄さを教えてくれる作品 九州新幹線開通にあたっての企画物映画ではありますが、宣伝色を感じさせないドラマを作りつつ、九州の魅力を映し出しているのはさすが是枝監督という感じです。 [地上波(邦画)] 8点(2014-06-07 00:35:18) |
91. きっと ここが帰る場所
《ネタバレ》 「大人に反抗する子供」のまま年齢を重ねた男が実はもう反抗する相手などいないのだと気づくまでの過程を追った物語 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-03 23:57:31) |
92. 42~世界を変えた男~
《ネタバレ》 人種差別が個人の考えの範疇にとどまらず、社会の常識であったという恐怖。 その恐怖に立ち向かい、尚且つ打ち勝った主人公そして、その主人公を支える周囲の姿にはただただ感服の意を表するしかありません。 まあ、タイトルには「世界を変えた」とありますが、正直「変えた」のではなく、「おかしな慣習を改めた」というのが正解だと思います。 [DVD(吹替)] 9点(2014-05-31 00:48:07) |
93. 桜並木の満開の下に
《ネタバレ》 日立の桜を観にいきたいと思いました。 作品内容については、見ていて「まあ仕方ないよね」を連発してしまうような内容なんですけどね・・・。個人的には、日立の町工場が舞台なのに皆が標準語をしゃべっていることに違和感を感じてしまいました。日立が舞台なんだけど日立じゃないみたいな・・・まあ、仕方ないのはわかっていますが・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2014-05-03 00:26:10) |
94. リトル・マエストラ
設定、キャスティングは良い しかしながら、クライマックスの展開が「何故そうなる?」と思わざるを得ないもので、なんか醒めてしまいましたね。原作がある作品なので仕方ないとは思いますが、良い素材を生かしきれてないのが本当に勿体無いですね。 [DVD(邦画)] 4点(2014-04-26 10:38:05) |
95. 探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点
《ネタバレ》 昭和のテイストと北海道札幌の風景が見事に調和していて心地良かったです 松田龍平も父親の雰囲気を残していて作品にマッチしていて良いですね。 ストーリー的には1作目よりもいろいろと考えさせられる展開でしたね。人間の負の感情の深さ、「弱い者がさらに弱い者を叩く」という現実のやりきれなさが印象的でした。 [DVD(邦画)] 8点(2014-04-13 23:47:07) |
96. 俺俺
《ネタバレ》 三木聡監督の新作ということで観賞しましたが、やや期待外れでしたね。亀梨和也は熱演していたと思いますが、題材と三木監督の作風がいまひとつマッチしていない感じを受けました。 何というのか、「三木ワールド」のシュールさや細かいこだわりが、これまでの作品のようにストーリーのうま味を増す役割を果たせず、逆に邪魔になっている感じがしました。 [DVD(邦画)] 5点(2014-01-27 00:07:37) |
97. 武士の家計簿
《ネタバレ》 今見ると、堺雅人が「半沢直樹」に見えて仕方ありませんが、藩政に於いて財政運営の重要度が高い時代の武士の姿を描いていて非常に興味深かったです。フィクションの部分も多分にあるのでしょうが、何となく現代に通じる要素もありましたね。 [地上波(邦画)] 8点(2014-01-05 11:26:11) |
98. 最初の人間
《ネタバレ》 故郷であるアルジェリアの紛争に対峙し苦悩する「大作家」カミュの姿とその背景を映し出した非常に興味深い作品でした。人間としてのカミュが全編を通して描かれていて、これまでよりも親しみを覚えましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2014-01-04 14:57:25) |
99. 天使の分け前
《ネタバレ》 表面的なストーリーはハートフルなんですけど、結局は主人公たちのような労働者階級の人間は、人並み外れた才能と宝くじに当たるくらいの運がなければ「負の連鎖」が渦巻くコミュニティから中々抜け出せないというイギリス社会の問題点が背景に隠されていて、さすがケン・ローチだなと思いましたね。 この作品の本当の主役は、実は主人公のロビーではなく彼を取り巻く人々の方ではないですかね。で、ロビーのサクセスストーリーもどこか違和感を伴うものとなっていて、その違和感が何なのかを我々に考えさせることがケン・ローチ監督がこの作品を作った狙いなんじゃないかと思ってしまいました。 まあ、やり切れないラストよりも一応ハッピーなラストの方が好きですけどね。 [DVD(字幕)] 8点(2013-12-23 23:59:29)(良:1票) |
100. 眠れる美女(2012)
《ネタバレ》 尊厳死という難しいテーマを軸に3つの物語を展開させているのですが、重苦しさはそれほどなく、むしろ登場人物たちの日常を時にはユーモアや皮肉を交えて描いているので非常に面白く観賞できました。 相変わらずセンスのある映像美と実力派のキャスト陣の安定した演技も見ものでした。まあ、主テーマについての結論は曖昧な感じで、結局は「愛」に行き着いたなという感想です。 [映画館(字幕)] 7点(2013-12-07 08:54:21) |