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王の七つの森さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 188
性別 男性
自己紹介 ・・・・最初に投稿してから4年近くたとうとしています。
これからも、細々とでも投稿してゆきたいと思っています。

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101.  スーパーサイズ・ミー
もうずいぶん前ですけど、何を思ったのか、一人暮らしを始めた知人が、毎日、毎食、カップ麺を食べ始めました。10日くらいたって、彼は肝臓を悪くして、病院に担ぎ込まれました。、、、、、そりゃ、ほんとにカップ麺しか口にしないんじゃ、体にいいわけがありません。、、、、、とはいえ、カップ麺は、災害などの非常時の食料として備蓄するには非常によいし、第三世界の貧しい人たちにとっては、貴重なカロリー源になりえるわけです。、、、、、要するに、物事には、いろいろな側面があって、マクドナルドだって、いろいろな側面があるわけです。そして、日本人にとってのマック、中国人にとってのマック、インドのマック、それらは全く同じ意味を持っているわけではありません。そうした問題の多様性、文化との関わりといった側面を、この映像は十分にとらえていただろうか。、、、、、、、、結局、ただただマクドナルドをに対しての魔女狩りをやろうとしているだけのような気がする。ホットドッグもハンバーガーも元来は、貧しく忙しい労働者の食べ物だったわけだし、実際、デブ化の最大の要因はポテトと清涼飲料、それとナゲットであって、ハンバーガー自体にめちゃくちゃ問題があるわけではない。、、、、特に終盤で、クラボウスキの発言の「自分たちも問題の一部だ」という発言をとらえて鬼の首を取ったようにしているところなどは最低だと思う。、、、、、『ファストフードが世界を食いつくす』(シュローサー)を読んでから、この映像を見ると、この映像のよいところと不十分なところがもより見えてくるかもしれません。、、、、マクドナルド問題というのは、単にデブになるかどうかというだけの問題ではないのです。
[DVD(字幕)] 7点(2006-02-01 01:08:36)
102.  羅生門(1950)
戦後10年ほどの間の黒澤作品の中で、特に傑出した作品には、僕には思えない。、、、海外で評価されたのは、推測するに、1.例えば三船が森をかけるカット割りの躍動感などの映像技術、2.絶対的真理の否定という物語のアイデア、3.様式美を抜きにして日本文化の独自性を伝えていること、などだろうか。、、、、、だが、1.については他の作品にも十分に片鱗は示されているし、2.については、そもそも黒澤のリアリズムと、絶対的真理の否定というのは両立するものなのだろうかと思うし、3.については日本人の私たちには、特に意味のあることではない。、、、、、そもそも、海外で高く評価されたからといって、僕たちも高く評価しなければならないいわれはないのだ。、、、、、確かに、三船という時代劇の旧来の垢に染まっていない役者を中心にして、これまでとは異なる時代劇の空間を構築した意義は大きい。だが、その本格的な構築は「七人の侍」まで待たねばならないのではないか。、、、、そしてこの作品では、映像は斬新だとしても、音は劣悪で、しばしば映像を妨害している。、、、、さらに、すでに触れたが、黒澤自身、最後に木こりの話を付け足したように、ある種、確かなもの、絶対的なものは存在するのだと黒澤は考えているに違いない。そしてそれに基づいて彼のリアリズムは成立していると僕は思う。だとすると、主観的な語りによって事実が形成されるから、事実自体多様なものであり、一つではないというポストモダン的な、「羅生門」の一見したところのテーマは、実は黒澤の思想とは一致せず、へんな目くらましになってしまっている。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-30 11:33:53)(良:1票)
103.  瀧の白糸(1933)
白糸の高利貸し殺しは、正当防衛(過剰防衛)だから、無罪とはいわなくとも、死刑ということは、現代ならあり得ない。→それを当時の人たちは、白糸が死刑になるというのを自然に受け止めていたとすれば、女性がいかに抑圧されていたかの一つの証になる。、、、、、、大学をでて、高等文官試験に受かって役人になるというのが、典型的な出世コースであったことがわかる。、、、、、入江たか子が、全盛時代に、どれほど魅力的だったのかがわかる。、、、、、、などなど、資料的な価値は極めて高いと思うのですが、、、、、映画として、今、どれだけ楽しめるかといわれたら、どうなんでしょう。、、、、、「欣さんに会いたい」と白糸が思うと、橋の上で欣さんがねていたり、列車から飛び降りると、知り合いがそば屋をやっていたり、白糸の裁判を欣さんが検事代理として担当することになったり、、、、、今とは、芝居のストーリー展開の文法が随分と違いますね。、、、、総じて、溝口の映画というよりも、入江の映画という印象でした。
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-17 18:38:43)
104.  グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 
東独のニュースをでっち上げるところとかいいですね。社会主義圏のニュースの作り、内容がいかに安っぽいものであったのかの皮肉になっています。それだけでなく、ニュースを虚構的に構成することで、今、私たちが真実と思って接しているニュースでさえ、けっこう虚構的なものではないかということに気付かせてもくれます。、、、、また、別の世界から、私たちの世界を反転させて見せようといった趣向は、例えば、コカコーラを東側がどうみたかというあたり、あるいは壁の崩壊を西からの難民と説明したりするところにもうかがえます。、、、、、あと、統一から15年経過して、かつての東独をどのように捉えるのかというところにも面白い変化が出ていると思いました。あの空色の自動車、パルプでできていたというトラバントですよね。ドイツの人たちは、みんな「懐かしいなぁ」と思って見たんじゃないでしょうか。つまり、以前にはあったような、社会主義体制に対する痛烈な批判は、ある意味、いうまでもないこととして背景に退き、むしろ社会主義体制に対しての、ある種のノスタルジアみたいなものが全面にでるようになっている。そうした懐かしさを、どう評価するかは意見の分かれるところでしょう。、、、、、、ただ、映画、ストーリーの作りとしては、まだ十分に練れていないとは思いました。また、もし亡命したのが父ではなくて母で、全体も父子の物語として構成されていたら、皆さんがどう評価したのかも興味深いところです。
[DVD(字幕)] 7点(2005-04-01 08:55:58)
105.  シテール島への船出
映像の美しさ、長まわし、物語の重層性など、さすがアンゲロプロスの作品である。、、、、主人公アレクサンドロスという存在と、彼が撮ろうとしている作品である老父の物語の作品が交錯する。老父の物語は、それがいわば劇中劇であるという虚構性のために、かえって想像力を刺激し、豊かで奥行きのあるものとなっている。、、、、特筆すべきは、かつてブレヒト的な叙事詩を「旅芸人の記録」「狩人」などで理想としたアンゲロプロスに、エピック一辺倒からリリカルなものへ言及という変化があるように見受けられることだ。、、、、、、老父がどのような過程で、どのように政治闘争を生き抜いたのか、何故土地の収用に反対するのかは、語られない。ただ彼が追いやられたのがロシアであることから、左翼の闘士であったことがうかがえるだけである。そして、そうした様々な政治的出来事は老父の背筋と、奥深いまなざしにしまい込まれ、むしろ、老夫婦の間の情感が押し出されている。、、あるいは、主人公が路上でピアノを弾くように指を動かすと、音が流れ出すところなど、世界との感情的な調和の可能性が示唆されているようにも受け取れた。、、、、だから全体としては、政治的な出来事の記述と、それを生きる個人の感情との調和、総合が目指されているとも理解できる。、、、そういう方向性は、個人的には大好きです。、、、、、だが、老母の行動が、あまりに男の勝手な思いこみに思えて、せっかくの映像に、バケツ5ハイくらいの水を浴びせられた印象なのだ。、、、旦那を30年待って、一緒に行きたい、って、確かに美しいし、肩を寄せ合うトラックの荷台の二人など、まさしく嗚咽に値するけれど、それを美しい理想としてはいけないと思う。女は待たずに、自分の人生を生きるべきなのだ。
7点(2005-03-18 10:14:13)
106.  惑星ソラリス 《ネタバレ》 
ラストの父親は、神の象徴だと思います。(父=一神教の神、というのは一般的)、、、、ソルジェニツィンなどに典型的にみられるように、70年代のソ連では、政治的抑圧の中で、精神性、宗教性にすがるというのが流行でしたから、この映画でも、最後は神にすがっているのでしょう。、、実際、食べかけのリンゴ(=知恵の実)が最初の方にありましたし、最後の方では母親か何かがリンゴをかじっていました。、、、、、また、観念が現象を作り出してしまうというソラリスの環境は、物質が観念を作り出すのだというマルクス主義の唯物論的前提とは完全に対立するわけですから、70年代のソ連にあっては、ずいぶんと刺激的であったはずです。、、、、そうした中で、愛、生死といったものがテーマとなっていたように受け取れました。、、、、、、、全体として、良きにつけ悪しきにつけ、きわめてロマン主義的だと思います。、、、、映像美、叙情性、ロマンティックラブという点は、よい意味でのロマン主義です。、、、、そして声を大にして言いたい悪い点は、すべての人物、出来事が主人公のクリスの主観性以外に基礎づけられていないということです。例えばハリーは、クリスの思いでにのみ基礎づけられた存在で、全く自立しておらず、自分固有の感情も判断もない。、、、だけどそんな人間、実際にいるのだろうか。それじゃあ、アイドルおたくが思い描くアイドル像とかわらんではないか。、、、、、、そういう風に、周囲の世界を自分本位に、自分の感情にのみ従って染め上げようとするロマン主義には、ちょっと待ってよ、と言いたい。
7点(2005-03-13 00:10:40)
107.  雨あがる
黒澤明の、四十九日、あるいは一周忌などの法要のための映画に思えました。、、、、、最初にでてくる川どめになる川は三途の川、ラストでそれを渡った寺尾(黒沢)は、もはやこの世には戻らない。最後に舞う鷹は、天界で自由に飛翔する黒澤の魂を表現。、、、そして、色々と評価はあるかもしれないが、とにかく黒澤が庶民を楽しませてくれたことは確かではないかというメッセージを宮崎美子に語らせる。、、、、三船史郎は、歩き方もせりふ回しも大根だけど、おそらくそんなことは本人も十分承知しているでしょう。三船がでて、黒澤の魂に合掌しているということ自体がメチャクチャ重要です。もし彼がでていなければ、もっとしぼんだ作品になっていたかもしれません。、、、、、比較的短い映画ですが、そのあいだじゅう、ずっと読経の音の中で、黒澤の遺影に手を合わせているように錯覚してしまいました。、、、、、、、、映画の評価は、黒澤の遺影に手を合わせるときの気持ちの重さによってきまるのでしょう。強いていえば、最後に寺尾が素晴らしいと感嘆する風景は、天界で黒澤が見ているこの上ない景色なのだから、俗界の我々には想像に任せてくれればよいのに。センスのない監督だ。
7点(2004-12-09 11:54:33)
108.  ルーヴルの怪人
(ちょっとあまのじゃくでごめんなさい)、、、、確かに、金色のゴーストみたいなのが飛び回るところとか、ハリウッドと較べると10年古いし、館内を仮面付けてずずぅっーと移動するところとかは滑らかに移動せずに、げげっ、とださいし、、、、。でも面白く最後まで見ることができました。・・・・・ださくて、それでいてどこか知的で、ハリウッドと違うテイストが、とてもほっとさせたからです。作る方も、ヨーロッパの文化的伝統を意識して、アメリカにはこんなのないだろっ、という感じで作っているのかもしれません。(ルーヴルの外観や展示物か、カフェとか)、、、、、、あるいは、もしフランスで大ヒットしたのなら、国産自前のハリウッド的映画、これでハリウッドなんか見ないでも済むぞ的にヒットしたのかもしれませんね。だとしたら日本人の私たちには関係のないことかもしれません。、、、でも、わたし個人としては、ハリウッド的世界が好きではない方なので、そうしたフランス人には共感しちゃいます。、、、、、全体としては、ロッキーホラーショーやらホーンテッドマンションまなんかの、ホラーコメディーのフランス版で、作っている方も、冗談と本気が混じった感じでやっている印象です。それをミステリー、ホラー映画の積もりで見ると、相当に違和感があるかもしれません。
7点(2004-11-05 11:13:41)
109.  HERO(2002)
見ながら思ったことです。、、、、、れれ、これって黒澤みたい、、、。西欧文化と向き合いながら、自分たちの文化を、外に向けてどのように発信するかっていうのは、やっぱ大事だよなぁ、、、。今の日本映画で、黒澤の継承者って、実は宮崎なのかなぁ、、、。(残剣と秦王の戦いのシーンで)、、れれっ、布を縫いあわせているのが、しっかり見えてるじゃん。黒澤なら、完全に一枚の布となることを要求したんじゃないのかなぁ、、こういう手抜きはいけませんね、、、、、、、(ラストに向けて)、天下太平のため個人的な感情は捨てるべし、剣の奥義とは剣を持たずに戦うこと、ですか。最後は儒教的な政治道徳ですね。この境地に達したのは、残剣、無名、秦王だとして、飛雪にはどうやって、この儒教思想を納得させて、矛を収めさせるのだろう、、、、、、。れれっ、やっぱ、飛雪さんは儒教道徳の蚊帳の外ですか。残剣の真意を結局わからずじまい。、、、、作る側の意識の底に、天下国家のこと、儒教思想の真意は、女にはわかんないっていう先入観が、やっぱあるのかなぁ。これもアジア的っていえばアジア的だけど、、。でもこの政治道徳がストリーリー的には要の筈だから、めちゃくちゃ気になるなぁ、、、、、それと、武力を背景に平和を実現することを肯定するところとか、中国共産党の偉い人たちが見たら、喜びそうだなぁ。、、、、、、、、ただ、何が悲しいって、伝統的な文化を現代に生かそうとする映像的な試みが日本であまり見かけられなくなっているということでしょうか。陰陽師じゃねぇ。、、、、(溜息)、、、、今の日本にないものを見せてもらった点で、ちょっと高めに点数を付けます。
7点(2004-10-11 01:36:49)
110.  マイケル・コリンズ
時代の転換期にあって、道半ばに斃れた、想像力豊かな指導者というのは、ロマンの薫りを漂わせるものですね。、、、日本でいえば、ぴったしの人はいませんが、強いていえば、龍馬や信長なのでしょうか、、、。但し、この映画を見た人に、「テロも仕方のない場合がある」「今のIRAが理解できた」という印象を生み出してしまうなら、この映画は失敗作といえるのではないでしょうか。なぜなら、コリンズの闘争は、植民地支配を行う為政者、機関に対して、政治的権利を制約された多数者が行う闘争であり、ある意味で正当な革命権の行使であるのに対して、いわゆるIRAの闘争は、北アイルランドを舞台とする、多数決で意見を反映できない少数派による一般市民をも巻き添えにする闘争だからです。、、、それに時代も国際環境も随分違う。、、、、、結局、監督がアイルランド出身であるということが、この映画の場合、逆にマイナスに作用している部分があるように思います。それは、1) アイルランドの貧しさ、英国の不在地主による支配、貧富の差異が宗教の差異に転化されて増幅することなどは、アイルランドの彼にとっての常識であっても、多くの人にとってはそうではなく、それらが欠けてしまうと、コリンズの大義も不明になる、2) どうして今、コリンズを主人公とする映画を撮るのかという問いかけが弱くなり、結果として、何が主題なのかが伝わりにくくなる。、、、、例えば、武田鉄矢が龍馬の映画をとるといっても違和感がなく、結局、武田鉄矢の思い入れだけの映像になるだろうけど、もし、だれでもいいけど、M・ムーアが龍馬の映画を作るとか言い出したら、えっ、どーして、なんで、ということになり、制作意図がそれだけ明確になり、いー映画になるかもしれません。、、、、、、まあ、アメリカ市場を念頭に置いて作成される歴史映画に期待してはいけないということですね。(暴力、アクション、恋愛を分かりやすくサーヴィスする必要がありますものね。)
7点(2004-08-31 15:03:05)
111.  ひまわり(1970)
丘に広がる墓標、それと一面に広がるひまわりが重なり、花の一つ一つが、戦地に倒れた兵士の生死を表現していると、切々と伝わります。その一人一人に、その死を悲しむ肉親、友人たちがいて、それぞれに重く、悲しい物語がある筈で、このアントニオの物語も、そういう物語の一つなのでしょう。だから、ひまわりという題名がつけられているのだと思います。、、また、東西対立の時代、近代化されたソ連を写せという映像的無駄を甘受しつつ、ソ連ロケを敢行したのも、次に戦争が起これば、このひまわりが、再び血に染まるのだという、反戦のメッセージを伝えたかったからなのでしょう。、、ただ、判断に迷うのは、ソ連の駅での再会シーンです。もし私がソフィア・ローレンであったら、誰の旦那になっていようと、本当に生きていてくれたことが、うれしくて、うれしくて、思わず足の力が抜けて、その場にへなへなと崩れてしまうのではないかと思うのです。、、、だから、ここから先、ストーリーの論理が、戦争から恋愛に断絶的に転化するようで、、、。そこが素直に共感できないところです。
7点(2004-08-24 18:14:17)
112.  カルメン故郷に帰る
幾つかの点で、歴史的資料として朽ちることのない価値を持つ作品だと思います。、、、、、まず、廃線になって久しい草軽鉄道が人々の生活の中にとけ込んでいた姿を見ることができることは、鉄道ファンならずとも、好奇心をそそられることでしょう。今となっては、軽井沢から草津まで、鉄道が通っていたということはちょっと想像しにくいからです。、、、、、、第二に、軽井沢周辺、そしてそこからの浅間山の景観です。三笠から北軽井沢は、今は落葉松などが鬱蒼とし、浅間山の勇姿も木立の隙間からのぞかれる程度ですが、この映画を見ると、その周辺は開けた感じですし、浅間も存在感を示しています。有島武郎や堀辰雄が、その終焉の際に見た光景は、この映画に見る景色に近かったのだろうと思うと、想像力が刺激されます。、、、、、、、第三に、戦後すぐの雰囲気が生き生きと描写されている点です。小学校が地方の文化的、公的中心をなしていたこと、文化という言葉が流行語であったこと、オルガンが貴重なものであったことなどなどが、へえっ~という感じで伝わります、、、、、、。そして第四に、この映画が、最初のカラー映画であったこと。、、、、、、もちろん、それもこれも、高峰秀子、笠智衆、佐野周二、佐田啓二などが、昔っぽくても、しっかりとした演技をしているからこそです。
7点(2004-07-15 16:48:17)
113.  ダントン
ずいぶん昔に、岩波ホールで見ました。その時思ったのは、どうしてこの映画の題名は、「ロベスピエール」ではなくて、「ダントン」なのだろう、ということでした。ロベスピエールという権力者の苦悩の方が、生き生きと、説得力をもって表現され、「ダントン」は、単純ナイーブ、無責任、文句ばっか野郎にも受け取れたからです。、、、、、、それでも敢えて自由を高唱するダントンを評価しよう、どんなに苦悩していても権力者は権力者なのだ、というのがワイダのメッセージなのだと暫定的な解釈を与えてきたのですが、、、、、、、、、、それからずっと、もう一度見て考えてみたいと、新しいビデオ屋に行くと探すことにしているのですが、、、、、不幸にしてまだ巡り会えず、今日に至っている次第です。
7点(2004-07-06 11:24:02)
114.  ロックよ、静かに流れよ
もう10年以上前でしょうか、数人の知人と、酒を飲みながら、それぞれが推薦する映画をビデオ屋で借りてきて見ようではないか、という会を行いました。私が用意したのが、この「ロックよ~」でした。見ながら、私は涙をこらえるべく、がぶがぶ酒を飲んでいたのですが、ふと見ると知人達は、、、寝ていました、、、、、、、、、。私の好みでは、70年代の青春映画、といわれたら、「八月の濡れた砂」を、そして80年代の青春映画としては、この「ロックよ~」を推したいです。、、、、、、、岡本君や前田君がいま、上手に年をとったおじさんとして、もっとブラウン管(←ちと古い表現)に登場してくれたら、岡本君達の間で流れた15年と、見ている自分の中で流れた15年が重なり合って、もっと味わい深くなるのになぁ、、、。
7点(2004-07-05 19:27:08)
115.  父よ
淡々としていて、途中で寝てしまいそうな作品。しかし、見終えた後、何か重たいものが残り、また、つまらないと思えたシーンが妙に記憶に残る。あぁ、これがフランス映画の伝統なのですね、、、、。
7点(2004-07-02 09:45:48)
116.  戦場のピアニスト
見飽きることのない、よく整った作品だと思います。、、、、、ただ、見終えて、何か素直に感動できないものが残るのです。、、、どうしてだろう。、、、、前半で最も印象的だったのは、集められた広場で父親がビスケットか何かを家族に切り分けるシーンです。それが家族にとって、いわば最後の晩餐であり、戦争と迫害で、何が失われてゆくのかを痛切に感じさせてくれました。、、、、、しかし、その家族について、その先は映像として触れられていません。シュピルマン氏が、家族をどのように思い、どう追悼したのかが描かれないと、どこか綺麗に話しが完結した感じがしないように感じられます、、、、、、。それとどうしてドイツ人将校が、ショパンを弾くユダヤ系ポーランド人を救おうという気になったのか、それもしっくりきませんでした。、、、、、ショパンといえばポーランドナショナリズムの象徴といっても良い存在です。あの緊張した場面で弾きはじめる嬰ハ短調ノクターンは、ポーランドの人達にとっては、国歌にもきこえるのではないでしょうか。、、、、それをどうしてドイツ人将校が許すのか。、、、ドイツ人将校の命乞いのシーンを重ねると、何か、ポーランドナショナリズムの勝利宣言にも受け取れてしまうのです。、、、、、、、、というか、監督や制作者に、ナチスとそれに荷担した人達を、絶対に許さない、という強い意志があり、その攻撃的な強い意志に、どこか同感できない部分が私にあるのかもしれません。
7点(2004-06-15 10:24:12)
117.  ラスト サムライ
横浜の街、笑みを売る花魁など、極めて印象的な映像が幾つかあった。全体のストーリー自体は薄っぺらく、そこに再現された歴史上の日本には違和感を覚えざるをえない。しかし、異文化のフィルターを通して示された過去の像を見つつ、「ふーむ」と思って考えてみると、自分達も伝統的に造られたフィルターを通じて過去を見ているのであって、その像が実物そのものなのではないと気付かせてくれる。(日本の時代劇に、もっと映像的な想像力があれば、取るに足らない映画になるのですが、、、、) 
7点(2004-06-14 10:21:48)
118.  ボウリング・フォー・コロンバイン
アメリカとカナダで条件は殆ど同じなのに、銃による殺人が圧倒的に多い原因は何か、ということが結局、わからずじまいだった。アメリカはメディアが異常なまでに恐怖心を煽っているということなの??---だったらライフル協会が諸悪の根源ということにはならない。アメリカがどういう状況なのか少し見えてくるという点で貴重なものだとは思うけど、どうしたら良いのかという方向性は全く見えてこない。ただ、ただ、こんな酷いことがある、こんな悪いことがある、というのを繰り返すばかりのような、、、、。映画というよりは、プロパガンダですね。監督の勇気という点は評価できても、映像としての完成度はどーなんでしょ????
7点(2004-06-10 12:49:38)(良:1票)
119.  梟の城
とにかく色彩が豊かでした。それと神社仏閣や瓦屋根やら茶室やら、美しく画面に広がっていました。それだけの映画でしたが、それだけでも酒を飲みつつ、ぼぉーと見ているには良い映画でした。・・・・・・・・・・・・中井貴一という俳優は、真面目すぎてというか、自意識が強すぎて、他の役者との調和を壊してしまいますね。その配役に没入するのはいいけど、そのナルシズムのおかげで、一人浮いてしまい、映画が壊れてしまいます。「壬生義士伝」もそうでしたし、この映画もそうだと思います。・・・・鶴田真由さんは綺麗ですね。こんなに綺麗な役者さんだとは知りませんでした。・・・・岩下志麻とかあえて出す必要なんてないのに。・・・・・・・・この映画を象徴していたのが、終盤の秀吉の寝室でのシーンでしょうか。中井貴一の過剰な演技、マコちゃんの木訥として素人調の演技、ばらばらで全く見るに堪えませんでした。結果として、秀吉というのは個人が作り出すものではなく、全体の状況が作りあげてゆくものだ、という重要な発言が完全に霞んでしまいました。・・・・・・・最後の20分ほどは酷いですね。五右衛門の話なんて別にいらないのに。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-11-28 09:12:11)
120.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
面白かったです。デパートのシーンが好きです。特に尿意じゃなくて「屁意(hey)」というあたりは笑いました。・・・・・・・だけどこの映画の主題って、過去を懐かしむのはいいけど、ほどほどにして今を生きろよ、っていうことですよね。・・・・そして最初から、缶蹴りしたり、縄跳びしたり、メンコしたりするおとなたちが、明らかに滑稽に描かれていて、子どもの頃を懐かしむ様子をちょっとばかし茶化しています。・・・・そういう文脈で流れてくる吉田拓郎、ベッツイアンドクリスも半ば嘲笑的な雰囲気を伴っています。だから、素直に、懐かしいなぁという気分にはなりにくいですね。・・・・・・・・ところで、大正ロマンも昭和30年代回顧も、(1)実際のその時代の「一部」を、(2)今この時間を楽しむために、懐かしんでいます。だから、実際の大正時代や昭和30年代を知っていると、そういうノスタルジーには違和感があるし、一緒に楽しんだりしにくいわけです。・・・戦争で手足を無くした人が街頭で物乞いをしていたし、多くの人達が貧しかったし、夜は真っ暗で、コンビニも自販機もないし、ビデオはないし、テレビだって一家に一台あるかないか、子ども達で野球をやるっていったって、全員が自分のグローブを持っているわけでもなく、、、、。ということで、この映画が楽しめるのは、20代、せいぜい30代前半までじゃ、ないかなぁ。その年代って、まだまだ先が見えにくいし、毎日毎日、結構苦しいことは多いし、自分の思うとおりにはなかなかならないし、、、、ふと、どこかに心の安らぐ場所を見つけたくなるわけです。・・・・・・全体として、よく計算されたアニメだと思いました。 
[DVD(邦画)] 6点(2006-09-15 10:48:50)
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