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黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 791
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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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101.  パトリオット 《ネタバレ》 
 Imdbで本作は6.9点という微妙な点数である。この生々しい点数はどのようなところから来るのだろうか。  この映画ははっきりとエメリッヒであり、僕らが大好きなエメリッヒが散りばめられている。え?そんな戦争だったっけ?ってな具合に脚色されたストーリーはバッチリ歴史ヒーロー物のテンプレートで有り、愛国復讐劇そのものだ。   横隊の正規兵に散兵戦術を採った大陸軍の活躍は、現代の陸上歩兵部隊のような躍動感がありその威力をまざまざと見せつけ、興奮をさせられる。虐殺(大事なことだが、同じ国民同士がツボ)を繰り返すロイヤリストが感情移入を高めて、最終決戦。  ツボを押さえすぎとすら言える鉄壁の作りにとうとうアメリカ人は「スゲー、俺アメリカ人で良かった」と言ったり「リアルじゃない。子供に嘘を教えるな」と言ってみたり。なるほど中間のない映画だねと納得させられるのだった。   なるほど、似たような例に置き換えて考えてしまっては想像力が足りないのかもしれないが、新撰組なんかもどうとでも取りようがあって創作の上ではどちらにも転ばせることが出来る素材としては似たようなものだろうか。  どちらにも言えることはリアルさとか史実観とか、創作物には創作物としての意味合いを汲んでやれよと観る側が大人になることの大事さが要求されることだろうなと思う。   で、要するにこの映画がどうかというと、ネットがない時代の共産ぽい平和主義とか、反米意識とかヒッピー的歴史観とは水と油、Imdbでもそう言う人がめっためたに叩いている。  真っ向からエンタメで立ち向かうどころか、それを使ってざっくり無視する大人なエメリッヒさん半端ねえ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-11-14 17:22:47)
102.  スパイキッズ 《ネタバレ》 
 子供がいないと逆に切ないんじゃないだろうか。無念だ。
[DVD(吹替)] 7点(2012-11-08 04:05:03)
103.  ロード・オブ・ウォー 《ネタバレ》 
 作中に垣間見える事実が真実かどうかは別として、このような世界が構築されてはいけないと言う道理という物の大切さに揺るぎなさがある。  行為に魅力を感じてさえいる自分の浅はかさに気づき、行為の是非を眺める別の自分は後半の展開を戒めと取るか落胆を感じるのかを選べと迫る。   もし、このような才が自分に有ったとしたら、飛び込まずに自制できるだろうか。世の中の道から外れて殺されるまで続く累卵の脇道に、魅力を感じずにいられるだろうか。要するにその根源が金だけでは無いと言うところに、人の煩瑣と言う物がある。   それはさておき、ニコラスケイジさんの生き様マジカッケー。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-11-03 03:21:00)
104.  スコーピオン・キング 《ネタバレ》 
 危うく史実と勘違いするところだったのは、この映画が良く出来ているという訳ではなくて私がオッチョコチョイだからだ。あぶねえ、気をつけたい。   意外と面白かったのもきっと私がオッチョコチョイだからなんだろう。
[DVD(吹替)] 7点(2012-11-02 04:16:25)(笑:1票)
105.  アドレナリン:ハイ・ボルテージ
 足元で跳ねる水音が気に障る。ウレタンの靴底が規則正しく叩き付ける足先は、速いリズムで雨を背中に跳ね上げて僕を汚していく。頬から伝うしずくは次々と落ちていくけれど、いくら流れても、いくら拭っても、尽きなかった。    霧雨が夕方になって降り始めて、彼女の迎えに傘は必要だろうかと考えたけれど、他愛のない話をしながら雨宿りすれば良いと、持って行くのを止めた。  その後、駅で待ち続ける僕の前に彼女は来なかった。大げさに短く切りそろえた前髪の彼女は連絡もよこさずに僕を待ちぼうけさせた。30分だけまってから、いつもの喫茶店に入って紙コップに入った甘いコーヒーを飲み、ぼんやり過ごした。小一時間経ったあたりで何の連絡も無く待ち合わせをすっぽかした彼女にどう言ったクレームを刺そうかと考え始めたけど、実はそんなに怒っていない自分に気づいてからは同情を惹くセリフしか浮かんでこなかった。   いくら待ってももう来ないだろうなと、諦めが付いた頃携帯電話が鳴った。液晶に書かれた名前に違和感を感じた。何か嫌な予感が心を撫でたがそれをしっかりと認識する前に通話ボタンを指でなぞった。 「妹が急に顔色悪くして、病院に今運んできたの。病院はあなたたちの学校の近くの総合病院だけど、すぐに」  と言いかけた段階で意識が急に狭まった。霧雨から強い雨に変わった商店街を走り抜けて学校の実験棟を目印に病院に走った。雨に濡れた携帯電話はもう通話が途切れて、詳しい話を聞いておかなかった過ちを駅に置き去りにしていた。   紛争地域から逃げてきたかのような僕の姿を見た病院の職員は、どうしたんですかなどと忙しなくきいてくるけど、僕の彼女の名前を告げるとすぐに黙ってしまった。涙が止まらない。若くは無い看護師さんが僕にタオルを渡してくれて、待合所の様なベンチの群れの中の一人に手の平を向けると彼女だよね、と聞いてきた。その女の子は僕に気づくと走り寄ってきて事情が飲み込めていない僕にこう言った。  「いやー、盲腸でさぁ死ぬかと思ったけど薬で散らせたんだよ。残念だけどパイパンじゃないからねー」  ずぶ濡れの僕の顔についているのが水だけではないことに気づくと更にこう言うのだった。 「君、いったい誰からどういう連絡を受けたらそうなるんだ。急な話は最後まで聞くように」    と、言う位絶望的におっちょこちょいな映画だった。嫌いでは無い。
[DVD(吹替)] 7点(2012-11-02 03:59:30)
106.  その男ヴァン・ダム 《ネタバレ》 
ヴァンダムが非アクションな演技をしている。 なんか可哀想なストーリーが、現実なのか嘘なのかわからない。作り込まれた映像美にドキュメンタリズムを排除した優しさがあるのに、なんかヴァンダムに容赦ない。 どの程度ヴァンダムが可哀想なのかホントのところが謎めいて虚実入り交じったこの話で、一番うろたえてるのは誰か。 ヴァンダムではなく、見てるオレだった!  どうすんだよヴァンダム。この後どうすんの?って、って思わずヴァンダムを調べると、2012の新作に超重要キャラとして登場するらしくて安心した。  マジで安心した。
[DVD(吹替)] 7点(2012-05-20 17:24:38)
107.  ヴィレッジ(2004) 《ネタバレ》 
 森の中に隠された人生。誰の目にもとまらぬように。   デバイスとインフラに管理された現代の人間には、彼らの悲喜交々はわからない。彼らを管理しているのは伝承と習慣であり、完全に文明から分離され自律的な存在を信じて疑わない彼らには、旧来の人間の形をした布をかぶせたような不自然さが漂う。  人工的な生命であるような気味の悪さを彼らに感じつつも、無理にでもその居心地の悪さを飲み込んでしまうのは、彼らの生活に何らかのリアリティがあるからなのだろう。   決して万能ではない、たとえ異能を持っていたとしても外界の人間を超越することが出来ない彼らの箱庭に生かされる彼らは、この後どうやって人生を振り返り、拓いて行くのだろう。  そう思うと、色々な枠の中に綺麗に収められて大切に扱われているに過ぎない現代人がなぜか強大な力を持った異文明の中で暴威をほしいままにする存在のように感じられてしまう。  無力な彼らに対する憐憫は、彼らの境遇を作り出した人間にも向けられ、結局何をすべきだったかを間違ってしまっているのに受け入れてしまうそうになる。   色々に気持ちが揺れたまま、静かに終わるこの物語はどうしてこんなにも心地良いのだろう。
[映画館(字幕)] 7点(2012-05-20 17:12:44)
108.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 
この映画の気持ち悪さはハンパ無いんだが、嫌いじゃないから不思議だ。 そもそも、ブラッドピットが全く機能してないにもかかわらず、出て来るだけで締まる。ウケるわけだが、彼はこういう気持ち悪い万能感に冒された重症患者のような異常性を演じるときむちゃくちゃな存在感を発するから凄い。それを躊躇無く入れる。他の大物監督がまじめに作っても成立しそうな話なのにね。  結果としての内容が「で?」としか言いようのないところに、残虐性とか怖さが乗っかるのはやっぱり監督の個性なのか。私はそれが大嫌いで、金と時間を払ってなんで観なきゃいけないわけ?と思うわけだが、意志に反してついつい観てしまい釘付けになるわけだ。  この大嫌いな要素を上回る魅力がたまらない。だからタランティーノを無茶苦茶大ッ嫌いで不愉快だと思い続けることで、その作品を観たときのゾクリが味わえる。たまらん。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-05-11 18:29:29)
109.  シャフト(2000) 《ネタバレ》 
ギャー、シャフトマジカッケエ。 黒いジャガーより良く出来てるし。結構満足度高けえ。 残念なのは、サミュエルLだね。彼でさえスゲエかっこいいんだからさ、普通にカッケエ俳優使えば異常にかっけえ映画になったのは間違いなかったんじゃないだろうか。  何回も見たのに内容は全然覚えていない。
[DVD(吹替)] 7点(2012-05-11 18:18:57)
110.  小説家を見つけたら 《ネタバレ》 
良い話。凄く良い話。 老人と少年の友情っていうのは、それだけで深みを感じちゃったりして。この話に限らず良いよな。 ページが折れてるのを見つけたウォレスはジャマールに「作者に失礼だ」っていう。ちょっと良いな。  こう言うやりとり、良いなあ。すがすがしい。
[DVD(吹替)] 7点(2012-04-15 04:20:11)
111.  かいじゅうたちのいるところ 《ネタバレ》 
なかなか面白かった。  あの島がなんだったのか。マックスの妄想が作り出した虚構では有るのだろうが、手のつけられないあの荒くれ者でかいじゅうな彼らがマックスを癒して、しかるべき道筋に乗せてくれたのは決して都合が良い空想であるということだけでは無い。  ゆったりと、哀しくもないのにそう言う風に流れていく時間。子供の頃、親戚の家で年下のいとこたちと留守番をした日を思い出してしまった。何をして遊んで良いのか解らず、ああやってよく分からない王様ごっこを順番にやったのだけど、同じように飽きてしまってみんな疲れて黙り込んでしまった。 それぞれが夢中で役割をこなす内に、求めてるものは無いんだなって気づいてしまうとうちに帰る時間が猛スピードで近づいてしまっているのに気がついた。  そうやって迎えたおうちに帰る時間は、そんなはずは無いのに妙に切なかった。映画を見終わってしばらくすると何故か記憶の中でこれが選び出されて、頭のストレージから引っ張り出されてきた。  子供の頃、確かにあんな風にちょっと怖くて、我が儘を言えて、我が儘を言う仲間が居てくれる島に行ってみたかった。でも実際に行ってしまうときっとああやって切なくなっちゃうんだろうな。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-04-12 01:32:33)
112.  たそがれ清兵衛 《ネタバレ》 
清貧に身を置くという生き方にすばらしさを感じる一方で、貧しさの中で人間を崩さずに生きることの大変さを感じさせられる。  素朴ではあるが、日々の中にあるほんの少しの喜びに敏感な清兵衛が周囲の人間には闇にもがいているかの様に見える。清兵衛の「この暮らしを恥とは思っていない」という言葉は自分の主義には正しくても、身内の気持ちには響かない。  作品のテーマがどのあたりに置かれているのかが判断できないのでそこには重きが置かれていないだろうが、当人の気持ちと周りの気持ちのずれをどうとらえていいのか迷ってしまった。  幸せになった清兵衛も幕末の動乱で犠牲になるが、それを避けることは出来なかったんだろうかと切なく考えさせる結末は秀逸だと思う。ほんの少し語られる背景に、時代というのがリアルに映し出される。そこには劇中の、目で見るリアリティ以上に訴えてくる「らしさ」が滲んでいた。
[DVD(邦画)] 7点(2012-04-07 16:25:54)
113.  アドレナリン(2006) 《ネタバレ》 
絶望度のほどよいアホな映画だった。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-04-07 15:11:41)
114.  ガール・ネクスト・ドア 《ネタバレ》 
結構面白い。  色々温いのだが、その温さがよかったりする。もうちょっとハードな展開とか、痛い展開とかをやると妄想アニメみたいになってイヤだったりする。別れちゃったりしなくてよかった。  最後もうまくいってよかった。切なくなっちゃったらどうしようとか心配したけど、直球ど真ん中な話もたまには良いな。うまくいって何が悪い。切ない展開悲しい展開はスイマセン自己憐憫で死にそうになるから止めてください耐えられないんですゴメンナサイ。  アーア。こんな夢みたいな卒業してミテエ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-03-23 05:37:43)(笑:1票) (良:1票)
115.  デジャヴ(2006) 《ネタバレ》 
なかなか良かった。  妙に漫画っぽい時間装置にしっくりこない感覚を受けた。でもその辺は気にせずに見ていくと、アクションをさせるには丁度良いのかと納得したりする。  主人公は死んでしまう訳で、厳密には最後の彼とは別人だ。同僚も死んでしまう。監視機関によって客船の被害者達ははじめから助かるところをもう一人、クレアを助けたいという彼の我が儘で物語は転がる。自分の中に産まれそうな恋のような感情について、彼は気づいているようで気づいていない。  何となく画面からは二度のタイムスリップという風に読み取れるが、何度も過去に戻って、何人もの自分が死んで、その積み重ねで何も知らない自分がクレアと出会う。そういうラストなんだろうきっと、その方がちょっとだけぐっとくる。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-03-17 08:25:00)
116.  ミスト 《ネタバレ》 
面白かった。  この映画、虫みたいなヤツとか触手とか出てきた瞬間「待て待て、これじゃキングだろw」とか突っ込みまくったりした。ちなみに宇宙人とか出てきて最終的には全員死ぬか主人公だけが人類の生き残りになるとかやるんだろうなキングだったらさ、とかバカにしてみたりもした。そしたらホントにキング映画でやんの。  で、キングなのに中盤から様子がおかしい。なんかだんだんクリーチャーがどうでも良い立ち位置にどかされて、キモいおばちゃんが存在感を放つ。で、このおばちゃん、キリスト教とか宗派とか全然関係ないただのキチガイだったりする。いくつかのレビューに宗教とかキリスト教とかがテーマという記述があるが、宗教でもキリスト教とか全然無関係で、アメリカ人とかも関係ない。あんなアメリカ人見たことないわと思ったりした。映画で変人が出てくると何でも一般的なアメリカ像にしてしまうのはとても日本的だなと。アメリカ人がアメリカ人に見せるために作ってるんだからそんなわけ無いでしょ。  だけど、そういうことよりもこの映画を観ていて恐ろしかったのは、だんだんあの地震を思い出し始めたことだ。地震の後、原子炉が崩壊していた。この映画の絶望感とは比較にならない諦観が自分を押しつぶしてしまったのを思い出す。で、あの当時やはりあのおばちゃんのように、「何が何だかよくわからないインチキな知識で周囲を扇動し始める人」が現れた。あのおばちゃんは現実にいっぱい居た。  恐怖感が耐えられる限界値を上回ると、ああいう形で諦めを形にしてしまう人もいる。人間の本質ではないが、数割のそういった人が実在するのも事実だ。そういった人たちが諦めた人間同士でそのヒエラルキーを構築し始めるのは驚愕だった。そう言う意味でとてもリアルな映画だった。  で、ラストに今まで思っていた事へ剛速球で回答がくる。「なんか自衛隊とか米軍の方が強い様な気がするけどキングだし猛威ふるっちゃってるな」とぼんやり思っていた。そしたらホントに米軍が見事解決しちゃってる。そう言うエンディングか。あのキチガイおばちゃんが居なければ、こうならなかっただろうな。今だってそうだけど、その立場にそぐわないのに他人が生きるのを諦めさせようとする人間と、そうでない人間はいつでも戦っているんだ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-01-03 07:19:47)(良:1票)
117.  マイノリティ・リポート 《ネタバレ》 
面白い。  ディックの原作物は監督殺し的な面がある。どこかイっちゃってる監督の方が相性が良いらしく、ブレード・ランナーだけでなくトータル・リコールなんかも秀逸だった。  この映画はスピルバーグなので、正直ディック的な気持ちの悪さを使うのかどうかと首をかしげたが、きちんとやってる。非常に良くやってる。終盤ヌルいような気がしないでもないが、非常に手堅い。  変に大学生くらいの層を狙ったカルト風のSFを意識した作りにするよりも、この方が話として面白い。良い仕事してる。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2011-09-24 05:37:12)
118.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 
面白い。お勧め。  序盤の訳のわからないノリは結構好きだ。ジャック・ブラック的なお約束なんだろうね、ああいう壊れ方は。  中盤の映画リメイクから始まる騒動は、弱小チームモノ系のセオリー通りで安心して観ていられる。結構絶望的な状況のはずだけど、ふしぎな優しさがあって、トゲがない。映画撮影をしていく彼らを見ていて、著作権とか大丈夫なのか?って思っていたらまんまと訴えられるわけだけど、そんな彼らにもやっぱりちょっとした温情を何とか届けたいような気持ちに駆られる。とは言え、重大な犯罪行為だったりもするわけでやっぱりそのやりきれなさは堪える。  そう言う風にして何とか懸命に街を生かそうとする人々になんかスゴい感動してしまった。確かに序盤とそれ以降ではなんか風味が違うようにも思うけど、それが上手く雰囲気を作ってる。やりきれなさを少し和らげてくれる間抜けな主人公たちが居るからこそこの映画はすごく光っているんだと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2011-09-19 02:51:25)
119.  ヤギと男と男と壁と 《ネタバレ》 
なかなか。 狙い所が良い。ホントかどうか分からないのにほぼ実話的な立ち位置を文字でそう書いてあるだけなのにだんだんそんな気がしてくるのがうまい。  この訳が分からない演出はアメリカとか関係ない。我々は映画で演じているのが白人だとすぐアメリカの陰謀とか反戦とかそういう何でもアメリカが悪い現実を作り出そうとするが、そんなことはない。素直に見ればいい。  昔予算が潤沢な時代に軍隊の中で、閑職としてこう言う趣味的な訳が分からん部署が実在して、時期が来たら無くなった。その四方山話がベースになってんだな、受けるわ。と、受け止めれば楽しめるはずだ。ソニーにだってバブルん時に似たような部署があった。そういう時代だ。軍に絡めてくるあたりがこの映画の題材のおもしろさだ。 そこに何となく重くて何となく切ないストーリーがどういうわけか乗っかってくるあたり、相当にこなれていると思う。  突っ込みどころ満載だし、隙の大きささえ笑えるけど、失笑に似たユーモアをじっくり楽しめる。良い映画だと思う。楽しくはないけど面白い。それで良いと思う。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-08-28 04:10:27)
120.  WXIII 機動警察パトレイバー 《ネタバレ》 
なかなか面白かった。 これをアニメでやる意味は、既存の技法が動画によりトレースされることで新しい雰囲気を生むから。この味わいは何にも代え難い。映画で文学とか小説の映像化とかと同じだ。嫌いな人には不可能か無意味かのどちらかに見えている。  押井的な味わいが、映画をドロッとした物にしている。良い感じだ。だが、押井というブランドを他の人が使うことでブランドの浸透に成功しているかというと微妙。品質は高いのに他人の個性を着るというのがあまり良くなかったのかも知れないし、押井に興味がなければ地味で気持ちが悪いだけかもしれない。  原作がいったいどれなのか、というとよく分からないのがパトレイバー。マンガも映画もテレビもすべてヘッドギアとかいうとこの原案からの創作物で、メディアミックスが前提となった結構前衛的なお話だったのかも知れない。  で、映画版の気にくわないところがある。多面性が全くない。 社会派実写邦画のようなタメにこだわった物しかなく、パトレイバーというコンテンツが終息する原因の一つではないかと思う。ロボットが出なくってもいいし、コミカルでなくても良いけどこの水準で他のやり方も見てみたかった。 あと、監督誰だっけ?押井じゃないんでしょ、分からなくても良いけどさ。で、終わる原因にもなっている。
[ブルーレイ(邦画)] 7点(2011-08-16 02:43:57)
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