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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1261.  絶叫屋敷へいらっしゃい 《ネタバレ》 
金曜日に見るにふさわしい映画で(土日だったらもうちょっと歯応えがほしい)、二日たてばきれいに忘れてしまい、次の週に引きずらない。お化け屋敷もの。落とし穴あり、滑り台あり、迫り来る壁あり、でも庭にジェットコースターがあるのは珍しい。テーブルにおもちゃの汽車がまわる仕掛け。仕掛けのある家の面白さってのは何なんだろう。初めて招かれたよその家に対するある種の緊張を具象化するとこうなるのかな。ブラジル人二人組はなんか中途半端でした。若者グループと警官がピストルを突き付け合うとこ、彼らが老判事を見てワッハッハと笑うとこ、結婚の誓いをもぐもぐと口ごもるとこ、再度乗り込んで警官たちがニッコリ笑って「判事」というとこ、などなど。アメリカは麻薬に対してはほんとに厳しい。
[映画館(字幕)] 6点(2013-05-30 09:47:45)
1262.  アンディ・ウォーホル/スーパースター
スーパースターってのは、ウォーホルの造語だったそうだ。なんか意味が違ってきてる。今はスターの中のスターって感じだけど、この人のは、スターを超えて、って感じ。ウォーホルのドキュメンタリー映画。この人の表情はヤク中だとばかり思ってたけど、ああいう表情で防御しなければならない立場に自分を追い詰めていった、って感じもある。自分から大衆=マスコミと関係を持ち続け、彼らがそうしてほしがる「微笑」の対極へ対極へ押されて行っちゃった、っていうのか。微笑も駄目だが奇人を装うことも陳腐になってしまう、そういう恐ろしい時代を、彼も加担して作ってしまったのだ。芸術家は奇人を装って大衆から隠れていればよかった、たとえばダリなんかの時代はまだ牧歌的だった。家族とファクトリーの連中とは会わせなかった、っていうとこ、なんか痛ましい。
[映画館(字幕)] 6点(2013-05-28 09:57:55)
1263.  トイ・ソルジャー
だいたい立て籠もる話はその設定だけで好きになっちゃうんで、『わらの犬』あり『狼たちの午後』あり『ダイハード』ありと、永の年月見てきたもんだが、これはあんまり立て籠もった甲斐がなかった方。ワルモノがコロンビアから逃げ出して来るんだけど、ずっと追跡されててヒョッコリ学園にやってこられるもんかな。あるいはラスト、軍の突入となれば犯人側はまず人質を固めると思うんだけど、外を走り回って死んでっちゃうのがトンマ。そういうのはいいとしても、不純な要素が死んでいって、アメリカの純潔な部分が残るように見え、古めかしいヒロイズム讃歌が聞こえてくる。ま、黒人が残っただけでもヨシとするか。こういうので多いのが、有色人種がしばしば尊い犠牲になってみんなに哀悼されつつ消えていくパターン。それはなかった。内部情報を伝えに外に出た主人公が、軍隊にとどめられるあたりちょっとハラハラした。ああいう仕掛けをもっと欲しかった。
[映画館(字幕)] 6点(2013-05-24 10:37:55)
1264.  就職戦線異状なし
情報もの的な青春群像もの、ってことになるのか。バブル期の優雅なリクルートの記録になった(『大学は出たけれど』と二本立てで上映すると昭和平成における学生の就職比較を学ぶ講座になるでしょう)。「なりたいものより、なれるもの」になっていくことより、「なりたいもの」が外部から決定されていくとこに、この時代の問題点があったんでしょうな。若者たちが社会を手玉にとってるようでいて、実は嬉々としてシステムの中に飛び込んでいく、ようなところがあって、こういう方向にはより強固な「社会」が存在する気がして、いささか不安を感じたが、その未来が今になってるわけだ。会話が弾むところは脚本協力の坂元裕二か。本田博太郎の不快感をもっと大きく扱ってもよかった気がする。ラスト近くの「楽園の終わり」の感覚は悪くない。仲間っていいもんだ。でもそれ本来「社会」と拮抗させるべきものなのでは、と思うのは、バブル時代を謳歌しなかった者の僻みか。
[映画館(邦画)] 6点(2013-05-23 09:42:02)
1265.  ゴッホ
群像ものではなく兄弟もの。困った兄さんをとことん尊敬しぬく弟、で彼も兄と同じようにだんだん閉じていき、妻も追い出し、兄の絵だらけの部屋に閉じこもる。徹底した社会への不信。でもこの病む兄弟に対して弟の妻はやたらに食べて健康。彼女がいたからヴィンセントの絵は残ったんだなあ。弟テオは自分の「家庭」よりも、兄との「家族」に拘束されてしまっていたんだ。芸術の狂気の物語でありつつ、現代の投資としての芸術とどこかで対比させていた。カラスがワッと飛び立つとき、麦畑に隠れて合図を待っていたスタッフたちのことを想像してしまってはいけない。
[映画館(字幕)] 6点(2013-05-18 10:26:07)
1266.  ナック
ポップだなあ。怒れる若者たちの時代、大人たちの視線を折り込みつつ、老大国イギリスの自意識でもあろうけれど、若者たちを街に走らせる。ベッドを走らせるあたり、イキイキしてる。いつもどこか開いてしまうコインロッカーのドア、コーヒー販売機のボタンで閉まる。あと路地の出入り、とかギャグもいろいろ。この監督アメリカ生まれなのね(たしかJ・アイヴォリーもそう)。根っからの英国人でないことも、この視点に関係しているか。伝統を背負う責任がない。若者たちの子どもっぽさを肯定する空気がある(いや、それこそイギリス的なのかも)。ジョン・バリーのジャズっぽい音楽が(つまり大人っぽいってこと)、若者たちとの間に距離を作ってる。彼らの明るさに対する翳り、この世は無常ですぞ、といった雰囲気。
[映画館(字幕)] 6点(2013-05-11 09:15:32)
1267.  マーニー 《ネタバレ》 
ヒッチコックが好んだ「心の闇」もののサスペンスはこれが最後となった。掉尾を飾るとはいかなかったが、味わいはある。いいとこが一つでもあれば可と思っており、これは三つはある。①無人となった会社で金を盗むとこ。画面を壁で分割し、左側に掃除婦が入ってくる緊張。ずっと無音のところ、ポケットに忍ばせた靴が落下。入れ替わりに入ってくる男とマーニーがぎりぎりですれ違う。彼の掃除婦への呼びかけの声の大きさで、掃除婦耳が遠かったと分かる。そんなシーン。②旦那の家のパーティに次々に客が訪れ、カメラがゆっくりゆっくりドアに近づくと、最初の事件の会社の経営者が立つ。これはもうヒッチお得意の段取りで、昔はチック症のドラマーに迫ったりしてた。いいんだ、この「じわじわ接近」。③終盤の怒鳴り声の応酬で盛り上げた頂点で、マーニーが突然子どもの声になるとこ。彼女のトラウマを一瞬のうちに提示し、女の子に母の愛を奪われたと嫉妬していたシーンなども思い出させ、ドキドキしつつ哀切。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-09 09:22:01)
1268.  ダンス・ウィズ・ウルブズ
白人にとっては輝かしいフロンティアの時代、インディアンにとっては楽園の終わりの恐怖の時代、その向こう側からフロンティアを見てしまった白人の物語。システムから逃げるように果てに行ってしまう。馬と狼のみを友として(ここらへん突っ込めばカフカ的物語になったかもしれない)。でこの馬と狼を奪うのが開拓者側の人間なんだ。ま最後は家族を守るために、ってのが出てくる。これを膨らますと民族的ナショナリズムになってしまう微妙なところ。巨大な社会が小さな共同体を潰していく歴史への悲哀、っていう点で納得しました。ツー・ソックスに象徴されるもの、アメリカが殺してしまったもの。インディアンが白人を殺すシーンに溜飲が下がるアメリカ映画、という特異な作品になった。
[映画館(字幕)] 6点(2013-05-08 10:05:59)
1269.  スウィッチ/素敵な彼女?
プレイボーイの悪夢、ってあるんでしょうなあ。いつか贖罪のときが来るのではないか、いう恐れ。そういう妄想によってチャラにしてもらおう、てな下心もちょっとあったりして。冒頭、青空に雲、スローテンポで「青春の光と影」が流れ出すと、ある世代は確実に泣ける。男声と女声が対位法的に絡んで。主人公が行方不明と知らされると秘書が喜びのあまり泣き出しちゃうなんて、ほんと被虐的な妄想。プレイボーイが怨みによって女たちに殺されるんだけど、なぜか女としてこの世に送り返されちゃうの。レディーってどうしてもハイヒールはかないといけないのかな、とか。やっぱりそういう結論に落ち着いちゃうのか、という物足りなさはありますな。監督・音楽は『ティファニーで朝食を』のコンビ。
[映画館(字幕)] 6点(2013-05-06 09:39:03)
1270.  シェナンドー河 《ネタバレ》 
「国(州)が勝手に戦争やってようと俺の家は関係ない、国が子どもを育ててくれたか」と独立独歩でやってきたJ・スチュアート、馬を買いに来たバイヤーと殴り合いの喧嘩になり家族揃っての乱闘、向こうがピストルを出したところで、こちらも娘が一発放ち、決着となる。なるほど、アメリカで銃規制が進まないのは、こういう原風景があるからなんだな、と納得した。国の方針に納得できないとき、自分のとこは独自にやっていく、という担保として銃があるんだ。ライフルはその象徴でもあるから固執する。国家に最終暴力の権利を与えると、とめどなく強大になって最後は北朝鮮のような軍事国家になってしまうだろう、それなら「銃の野放し」のほうがまだいい、という判断。南北戦争のころと今とでは比べられないはずだけど、根本思想として「銃による独立」という考えがあり、それはそれで一応筋が通ってるんだ。日本では銃の野放し状態になる危険性より、軍事国家になる危険性のほうが高いんじゃないか。国家に何でもゆだねたがる性癖。たとえば死刑制度がなくならず、反対運動が高まらないことも…なんて、余分なところで感想を抱いた。映画そのものの感想。ボーイが助かるあたりは「うまく出来すぎ」だし、そもそもJ・Sの頑固親父はニンでない(息子が撃たれたあとの怒りのことばは彼ならではの説得力があった)が、内戦のやりきれなさは静かに底に流れていた。南北両軍が対峙しているところに放れ牛がやってくる場なんかがいい。留守宅での不意の惨劇も、銃の使い手が出払っている家の不安の結晶なんだな。二階に上がっていく悪人どものサーベルが階段一段一段でたてる音。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-28 10:30:58)
1271.  ゲット・バック(1991)
60年代のフィルムなんかも最初のうちは折り込んで、「ロング・アンド・ワィンディング・ロード」なんかにベトナム戦争を重ねたりしてたけど後半は面倒臭くなったか。「フール・オン・ザ・ヒル」、変な台に乗ってクルクル回り出したのはちょっと恥ずかしい。初期のイキのよさが今でも新鮮。「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」なんか。このころの方が音楽としては純度が高かったのでは。クラシック音楽も歌曲より舞踏曲のほうが純粋に発展していったようなもので、ダンスのバックで鳴ってる音楽だったころの純度ね。「ヘイ・ジュード」は、しっかりやれよ、と友を励ます歌だったのか。ほとんどカタカナで丸覚えしていた彼の歌の、詞のニュアンスを知ることができた。
[映画館(字幕)] 6点(2013-04-26 09:45:40)
1272.  幻影師アイゼンハイム 《ネタバレ》 
身分違いの初恋が成就する、というおとぎ話のようなストーリーが、世紀末ウィーンという大人の時代(たとえば『アイズワイドシャット』の原作シュニッツラーの世界)を背景に、セピアがかったトーンで描かれるのが、味わい。公爵令嬢だった娘は逢引きを発見され、兵に引き離されて、「私を消して」と手品師志願の少年に訴えた。それをかなえてやった大人の時代。もっと世紀末のすえた匂いを嗅ぎたかった気もするが、あくまでおとぎ話が本作の基本。警部がもうけ役で、宮仕えにウンザリしながら忠実に王室の番人をやっていたのが、最後に駅頭で快活な高笑いをする。やられた、という悔しさではなく、見事なマジックを見て、ブラボーと叫んでいるような高笑い。上流階級が舞台の本作で、おそらく低い身分出身者は警部とアイゼンハイムだけだったわけで(マジックを降霊術と信じたがる大衆の存在も社会背景としては重要だが)、そういう階級的共感も下地にあった高笑いかもしれない。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-23 09:05:34)(良:1票)
1273.  エル・ドラド(1966)
最初『昭和残侠伝』みたいな話になるのかと思ってしまった。J・ウェインとR・ミッチャムが、友情を維持しつつ敵対する組に属してしまい、義理と人情の板ばさみになり、最後は二人してライフル携え悪の一家へ颯爽と殴り込みの道行きになっていく、バックには冒頭の歌が流れ…、って。そしたら、すぐにウェインは悪の一家とは手を切って、馬を後ずさりさせて善玉に属する。池部良のような心の葛藤はない。そして終盤では「颯爽」ではなく二人の怪我人として殴り込む。ウ~ン、東洋と西洋での男意気の違いをまざまざと感じさせてくれた。物足りないのは悪役に魅力がないことで、どう悪い奴らなのかをあまり映像で見せてくれない。彼らが悪役と言う立場なんだよ、と会話で説明されてるだけ。善玉の仲間うちの会話は楽しかった(保安官任命の宣誓とか、バッジは標的になるだけ、とか)。その他の俳優、とりわけ女優さんは60年代後半をまざまざと感じさせ、ウェインとでギャップがあったな。善玉一家の娘なんか、どちらかと言うとベトナム反戦集会にフォークギター持って参加してそうな雰囲気。J・カーンは、こういうのもやってたのか(『不意打ち』ってので町のチンピラやってたのは見たぞ)。せっかくナイフの名人ならそれをもっと生かせばいいのに、銃の訓練で笑いをとる役割り。やっぱ銃が基本の社会なんだ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-20 10:00:48)
1274.  あかね雲
水上文学の世界ってのは微妙でして、演歌的な愚痴の詠嘆にもなり得る危険性があるが、正確に社会批評の部分を突いて映画化されると、いい画になるものを含んでいる。自分を利用する男に感謝し続けるヒロイン、後半にいくにつれ脱走兵・小杉と出会ったのは幸せだったのではないか、とふと思わされ、そこに貧困の問題が大きく浮かび上がってくるの。世間の良識としての小川真由美が存在して、この苦労を積んだ上での批評が、こちらのカップルを刺激し続ける。それが男社会の批評にもなっている。これに対応するように小杉さんも疚しさを感じ続けるのだけど。夕焼けだけ朱になる趣向。親から十円借りるあたりホロッときた。山崎努が缶詰のシールを貼っている薄暗さに、脱走兵の不安が重なる。脱走兵と女の物語は、後にもう一度水上文学の映画化『はなれ瞽女おりん』で美しく繰り返される。
[映画館(邦画)] 6点(2013-04-19 10:26:27)
1275.  必殺! THE HISSATSU
リアリズムを無視してるところがけっこう楽しめた。黒ミコシにはついていけなかったけど、三田村君が水中から飛び上がる馬鹿馬鹿しさは許せる。シーンのつながりでの面白さはないが、ワンカットワンカットのビジュアル的な面白さでもってる。急に大きな面が出てきたり、山田五十鈴が三味線弾いてせり上がってきたり、嬉しい。暗い中に照明を絞って効果出す、ってワンパターンなんだけどね。ただ設定がけっきょく連中の内輪な話なわけで、ラスト積極的に主人公たちに共感できないんだよね。別に共感したくもないし、そもそも彼らが仕事に対して抱く疚しさなんてどうでもいいし、こういうのは単純な悪玉のほうがいいね。
[映画館(邦画)] 6点(2013-04-15 09:55:08)
1276.  ハムレット(1990)
シェイクスピアものってのは、いわば落語を聞くときの心構えになるわけで、ストーリーは知ってるから、その語り口で芸を見してもらおうじゃねえか、ってとこ。でもこの監督は真面目にストーリーを語っちゃうんだな。でまた、メル・ギブソンが真面目。あの人はイギリス連邦のオーストラリア出身だからか、なんか女王陛下の臣として真面目方向で、英国の国民戯曲に対処しちゃう。移民の国の人たちは、どうも故郷ヨーロッパにコンプレックスが強いらしくて、マックィーンは最後にイプセンやってたし…、国の問題ってよりも、アクション映画出身スターのコンプレックスなのかな。マッドマックスやってた男がハムレットやる面白さを狙えばいいのに、「シェイクスピア役者」の堅苦しい型に入っちゃって演じている。でもやや明るいフーテン的な線を狙ってたか。ラストの決闘でもちょいとオドケを折り込んで軽みを出そうとしてたり。
[映画館(字幕)] 6点(2013-04-09 09:43:40)
1277.  将軍と参謀と兵
これフィルムセンターで見たんだけど、戦後に上映された版だと思うんだ。厳密に言うと違う映画としなけりゃいけないんだろうが、たぶんそれしか残ってないんじゃないか。と勝手に思い、データに不備・間違いがあったら、登録者・私の責任です。つまりどうなってるのかと言うと、冒頭にちょっとだけ反戦ぽいナレーションとシーンがつく。水島道太郎が遺骨を抱いて帰ってくる映像を加えて、戦後の日本でも上映可能な映画にしてしまっている。中身はずっと戦中の国策映画なのに。これって日本の戦争映画の特徴だ。憎々しい敵が出てこなくて、戦争より戦場にこだわる(かえって子ども向けのアニメなどでは、大東亜共栄圏の意義を教育するためか白人の敵が出てくるが、大人用には心理的な戦意高揚を重視したのだろう)。戦場における兵士の友情や苦労などを描く。カボチャばかり食べてる将軍の飯に卵を用いる兵の忠、そのことに気づき、さりげなく「卵うまかったぞ」と言う将軍の恩、そういうパターンであるから、戦後上映してもそう問題にはならない。日本の戦争映画の特質がよく分かるフィルムだ。そのことが逆に戦後の反戦映画の弱さを知ることにもなる。「大変だった」への同情のレベルだから、タイトルを変えるだけでたちまち国策映画にもなり得るんだ。ちょい役で小林桂樹も見えた。まだ余力のあったころなのか、ドンパチはけっこう派手。田口哲監督。
[映画館(邦画)] 6点(2013-04-07 09:49:56)
1278.  訴訟
父と娘の親子喧嘩が、公的な法廷と私的な場で往復する趣向。でもこの二人、五分と五分じゃないだよね。一方的に企業のほうが悪くて、そのまま父が正しいってなっちゃう。娘はまだまだ世間知らず、60年代を通ってきた父は偉い、となる。アメリカ映画における父親像は、屈折を経ながらもいまだに健在。企業が「計算」してみせるとこは、やっぱりゾクッとくる。安上がりの計算、効率のみの思考。しかも私たちも社会はそれで動いていることを半ば納得してしまっているところが怖い。これはもっと突っ込めるテーマなんだけど、あんまり突っ込むとアメリカ社会の二重基準を直視しなければならなくなるからなあ。彼女の職業意識(依頼者への責任)みたいなことは、彼女の中で決着がついたんだろうか。
[映画館(字幕)] 6点(2013-04-06 09:36:23)
1279.  荷車の歌
社会派の一代記ものなわけだけど、女性の男性告発の姿勢もうかがえるところがユニーク。たとえば木下恵介だと、一代記なら夫婦が一つの単位になって話が進むんだけど、ここではやがて妻が夫を告発していくわけ。左時枝(!)の娘が出てきて面白くなる。ふてぶてしい女性像が加わり、ただ耐えるだけでない厚みが出た。同じ女だろ、と姑に食ってかかるんだ。木の洞の握り飯のエピソードは、こんな陳腐な展開で泣けてなるものか、と歯を食いしばりつつ泣けてしまう。浦辺粂子との絡みで不機嫌になった母が隅っこでムシロ編みを始めるところのドッシリ感は、日本の母そのものって感じ。風景のシーンが出るとホッとする。巡礼してるとき、山道ですれ違う坊さんの衣が風に吹かれるさまが美しかった。
[映画館(邦画)] 6点(2013-04-04 09:39:50)
1280.  戦争と平和(1947)
時代を考慮に入れればあんまりキツいことも言えないが、後半の登場人物の物分かりのよさは、ほとんど不気味と言ってもいいくらいで、まったく人間味が感じられなかった。でもかえってそんなところに、史料としてのフィルムと言うか、時代の雰囲気の記録があった気もする。前半での軍国の妻が近所の人にチクリと言われるとこなんか、なるほどと思う。顔のアップが多かったのは、プロパガンダ性の強いフィルムでは常套映像だが、もっとロケをいっぱい時代の記録として撮っておいてほしかった。宮島義勇のカメラがちょっと凝ってて、発狂した池部良をめぐって三人の顔が次々に画面を占めるシーンの照明とか、川岸でヒロインが泣いて動くと向こうに池部が立ってるってのを繰り返したりとか、やってる。ミシンという機械は、人がかがみこんでいる姿に神経症的雰囲気があるなあ。
[映画館(邦画)] 6点(2013-03-30 09:50:16)
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