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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1321.  ノア 約束の舟 《ネタバレ》 
ダーレン・アロノフスキー監督が巨額の予算を投入して描き出す、旧約聖書中のノアの箱舟の物語を元にした壮大なるスペクタクル巨編。現代ハリウッドの第一線で活躍する監督たちの中でも、僕がその次作を心待ちにする数少ない傑出した才能の持ち主であるアロノフスキー監督。彼のそんな待望の最新作なのですが、これがこれまでの素晴らしいフィルモグラフィーの中で僕が唯一「これはさすがに失敗作やろ~」と言わざるをえない『ファウンテン』という作品を髣髴とさせる問題作でありました。うーん、確かに唯一無二の壮大なる世界観や哲学的で難解なストーリーなどはまぁある一定の水準に達してはいるのだけど、観終わってすぐの率直な感想は、「とはいえ、さして面白くはないよね、これ」でした。旧約聖書はずっと昔に所謂「モーセ五書」だけは読んだのだけど、ノアの箱舟ってこんな話でしたっけ?なんだか神の意思なら我が子をも殺すアブラハム(確かそんな名前だったと思うけど自信なしッッ)の物語とごちゃ混ぜにしているような印象が?まあ、そんなことはどうでもよくなるくらい映画としてみれば普通に退屈でした。特に、画的にも地味な前半1時間はまだ箱舟出来ていないのに、僕の意識が睡魔という名の荒波に漕ぎ出しそうになっちゃったし(ZzzZzz…)。大洪水が起きてからの後半はちょっぴり盛り返したものの、その結末があらかじめ分かっている展開にやはりのめり込めず…。監督、世間では失敗作と評される『ファウンテン』のリベンジをしたかったのかも知れないけど、完全に返り討ちでしたね、これ。うーん、こういうのはこれでもう終わりにして、次は『レスラー』や『ブラックスワン』といった、人間の心の闇や弱さを鮮やかに照射してみせる傑作をまた撮っちゃってください!期待して待ってるよ~ん☆追記・この後、監督はやはり聖書をテーマとした問題作『マザー!』を撮って無事撃沈(笑)。世間からどれだけ悪評を得ようとそれでもやりたいんだったら、僕はもう止めません……。
[DVD(字幕)] 5点(2014-12-11 19:52:35)
1322.  最愛の大地 《ネタバレ》 
1992年、ボスニア・ヘルツェゴビナ。画家の卵である若き女性アイラと軍部隊将校である青年ダニエルは、仲の良い恋人同士としてささやかながらも幸せな日々を過ごしていた。だが、突如として民族紛争が勃発。ムスリムであるアイラとセルビア人であるダニエルは、そんな時代のうねりに巻き込まれ図らずも敵同士となってしまう――。収容所に投獄されたアイラは、日夜男たちからの理不尽な暴力とレイプに耐える屈辱的な日々を過ごすことに。かつての恋人を救うため、ダニエルはそんな彼女を軍専属の画家として雇うのだった。束の間の平穏を享受する2人。だが、泥沼化する紛争と民族浄化の嵐の中で、彼らの精神は次第に壊れ始めていく……。国連親善大使でもあるアンジェリーナ・ジョリーが初メガホンを取って描き出すのは、第二次大戦以降最大の人道危機とも呼ばれたボスニア紛争によって、運命を翻弄されるそんな恋人たちの悲劇を描いた重厚な人間ドラマでした。有名俳優は一切起用せず、最後までドラマティックな音楽も流さず、ただひたすら理不尽な現実に翻弄される市井の人々を淡々と追うことで、戦争がいかに人間性を破壊していくかを冷徹に見つめた彼女のそのストイックな姿勢には感服するものがあります。ただ、誤解を怖れずに言うと、そんな圧倒的な現実に対して肝心の物語が弱い。僕が映画に求めるものは、この世界は残酷で理不尽な暴力に満ち溢れていて人間は何処までも愚かで人生とは生きるに値しないのかも知れない、それでも生きていたいと思わせる何らかの〝言葉〟。あるいはラース・フォン・トリアーのように「この世は生きるに値しない」という絶望的な〝言葉〟でもいい、監督が極限まで考え抜いて絞り出した答えがそれなら僕は真摯に受け止めます。対してこの作品には、そんな心に響く〝言葉〟が乏しかった。これでは、遠くない過去に起こった――そして今でも世界の何処かで起こっているだろう残酷な現実をただ再現しただけに過ぎません。今も何処かで声にならない悲鳴を発し続けているだろう社会的弱者を少しでも救いたいというその思想には好感がもてるものの、今作を観るかぎり彼女に映画監督としての才能は乏しいと言わざるをえません。
[DVD(字幕)] 5点(2014-11-22 21:29:35)
1323.  ホビット/竜に奪われた王国 《ネタバレ》 
ロードオブサリングの感動再び!と勢い込んで観たものの、確かに映画としてはある一定の水準に達してはいるのだけど、さすがに原作のボリュームを考えるとこちらも同じような枠組みで三部作にするにはやっぱり無理があったんじゃ…、と思わせた前作。――今回、続編である本作を鑑賞してみて、そんな僕の懸念は残念ながら確信へと変わっちゃいました。壮大な世界観、世界の存亡を懸けた血湧き肉踊る躍動的なストーリー、個性豊かな魅力に満ち溢れたキャラクターたち…。前シリーズに横溢していたそんな魅力があらゆる面でスケールダウンしちゃってますって、これ。やっぱりスピンオフという位置づけで一作だけですっぱり終わらせちゃうか、それとも90分位の尺で三部作としちゃうか、どちらかにしたほうが良かったと思います。もう、今作の中盤からクライマックスに掛けての半端じゃない「頑張って引き伸ばした感」は観ていて痛々しくさえありました。そして、主人公ビルボをはじめとする髭もじゃドワーフたちにほとんど魅力が感じられないせいでいまいちストーリーにのめり込めないってトコがもう致命的ですね。冒頭から襲い掛かってくる巨大毒蜘蛛の群れだとか樽を活用したドワーフたちの脱出シーンだとか、細部の映像のクオリティの高さは相変わらず良かっただけに残念っす!!最終作が公開されればもちろん観るけれど、うーん、今からちょっと期待薄な予感が…(笑)。でも、一縷の望みにかけて次作を待ちたいと思います。頑張れ、ピーター・ジャクソン!!
[DVD(字幕)] 5点(2014-10-31 19:40:13)(良:1票)
1324.  秒速5センチメートル 《ネタバレ》 
ねえ、知ってる?桜の花びらの落ちるスピードって、秒速5センチメートルなんだって。まるで雪みたいだよね。来年も一緒に桜、見れるといいな――。小学生のときに出逢ったタカキとアカリ。クラスのみんなにいまいち馴染めなかった2人は、いつも一緒に居る大の仲良しになっていた。だが、親の都合による引越しで2人は離れ離れとなってしまう。それでも頼りない糸に縋りつくように彼女と文通を重ねるタカキは、中学生になると意を決して彼女に逢いに電車へと乗り込むのだった。だが、その日、雪は容赦なく降りしきって…。美麗な映像でもって、無垢な心を持った少年少女の初恋物語とその後を、山崎まさよしの名曲をバックに切なく描く短編連作アニメーション。普段、こういういかにも爽やかそうなアニメってあんまり観ないのだけど、なんだか心に残る印象的なタイトルと「外国人がいま大注目の日本のアニメ」というビデオ屋さんのポップに惹かれて、今回レンタルしてきました。なんだけど、いやー、まさかこんなに「恋に恋する女子高生のこっ恥ずかしいポエムのような世界(に憧れる童貞男子の妄想のような世界)」が延々と繰り広げられるとは(笑)。それでも、そんな青臭い恋物語をこれでもかという青臭い情熱でもって創り上げた第一話は、その無駄を削ぎ落としたシンプルなストーリーと精細に描き込まれた美しい映像と相俟ってけっこう良かったっす。まあ、こっ恥ずかしいけど、これはこれでアリなんじゃないかと思って第二話、第三話と観進めたのだけど、主人公の年齢が上がると共にどんどんと作品のクオリティが下がっていくのが玉に瑕でしたね、これ。ジブリの「耳をすませば」でも実感したことだけど、こういう妄想一歩手前の胸キュン初恋映画は中学生までが限界っす。だって、好きな人に告白する勇気を得るためにサーフィンで大波に乗ることを目標に頑張る女子高生って、実際に居たらキモ過ぎてもはやコントっしょ(笑)。それにこんなに性欲のない男子高校生なんていねーよ!!というわけで、第一話7点、それ以外4点で、間を取って5点っす。
[DVD(字幕)] 5点(2014-10-18 00:21:41)(良:1票)
1325.  4ヶ月、3週と2日 《ネタバレ》 
1987年、独裁政権下のルーマニアでは、労働力確保を目的に一切の堕胎手術が法律により禁止されていた。望まれない妊娠をした女学生ガピツァは、その日、仕方なく街のとある産科医に依頼し、非合法の堕胎手術を受けることを決意する。彼女のルームメイトであるオティリアは心身ともに衰弱しきっていたそんなガピツァのために、「たった一日なら…」と全面的に協力することを約束するのだった。だが、依存心の強いガピツァの様々な不始末によりオティリアはことごとく振り回される羽目に。彼氏との約束も反故にされ、街を縦横に駆けずり回り、ホテルの予約も取り直し、そして足りなかった堕胎費用のためにオティリアは自らの身体まで…。長年の独裁体制の果てにあらゆる面で社会的に行き詰っていたルーマニアを舞台に、男たちの身勝手な性欲によって翻弄される若い女性たちのとある一日を冷徹に追ったカンヌ映画祭パルムドール受賞作。うーん、確かにこの監督の言いたいことや描きたいテーマは充分に分かるのだけど、この見れば見るほど気が滅入るような辛気臭いお話をひたすら映画として見せ付けられても正直僕はもう途中からゲンナリしちゃいました。自分の身体のことなのに終始他人事のようなガピツァもそんな彼女に何故か怒りもせずにひたすら尽くすオティリアも横柄で自己中心的な産科医も、もう出てくる登場人物どいつもこいつもこれっぽっちも魅力がなくてイライラするし、映像だって必ずしも綺麗じゃなく終始薄暗くて見辛かったし、挙句の果てに排泄された血まみれの胎児を画面いっぱいに映し出した日にゃ「もう、ええ加減にせい!」って感じでした。いやー、いかにもカンヌが好きそうな芸術嗜好の強い作品でしたね、これ。だからと言って、そんな胸糞悪い思いを観客に抱かせながらもやっぱり観て良かったと思えるほどの芸術的価値がこの作品にあったかと言えば、あくまで個人的意見だけど僕は「否」と言わざるをえなかったです。だって、このラストだと結局は現実からの逃避のような気がしてならなかったんだもん。愚かで醜い男たちの性欲に決然と立ち向かう女性たちの力強さ、みたいなものを僕は観たかった。5点!
[DVD(字幕)] 5点(2014-09-26 20:17:34)
1326.  バスケットボール・ダイアリーズ 《ネタバレ》 
貧しい母子家庭に育ちながらも、名門高校のバスケットボールチームの主力選手として華々しい生活を送る青年ジム。しかし、昔からの大の親友であるボビーが白血病で死んだとき、彼の中の何かも壊れてしまうのだった――。心の空白を埋めるために、些細なきっかけでジムはヘロインへと手を出してしまう。だがその悪魔の薬は次第に彼とその仲間たちの生活を蝕み始める…。プロバスケチームからのオファーもふいになり、高校も当然のように退学を余儀なくされ、さらには薬のために引ったくりや強盗にまで手を染めてゆく彼ら。それでもジムだけは、自分の心に残る純粋な部分を守ろうとでもするかのように、その思いの丈を日記に書き連ねてゆくのだった。詩人でミュージシャンでもあるジム・キャロルの自伝的小説を、若き日のディカプリオ&マーク・ウォールバーグ主演で映画化した青春ドラッグムービー。いやー、取り敢えず2人とも若いっすね~。もうこのころからディカプリオは既に垢抜けてて超カッコいいのだけど、反対にウォールバーグがめっちゃイモっぽかったのが僕的にちょっとツボでした。あんた、どこの童貞中学生やねん(笑)。さて、肝心の内容ですが、「え、ジム・キャロルって誰?そう言えば、昔ブランキージェットシティの曲で何度か耳にしたことあるな~」程度の予備知識だけで観たのだけど、うーん、日記体で書かれた原作を映画にしたから仕方ないのかも知れませんが、なんだか最後までずーっと一本調子で進んでいくため、少々退屈という印象が否めない作品でしたね、これ。最後までひたすらディカプリオが出ずっぱりなので、「きゃー、レオ様~(もはや死語?笑)」という甘い声で追っかけてたミーハー女性の方にはウケたかも知れませんが、もうちょっと他の登場人物たちにも焦点を当ててみるとか、ジムの回想シーンを織り込んでみるとか、そんなもっとメリハリの利いた展開にしてくれないと純粋に映画として観るにはちと辛いっす。それに、この「いろいろあったけど最後は無事に立ち直ることが出来たのでした。パチパチ」という薄っぺらいラストにも拍子抜けでした。でもまあ、天才俳優としてその後の躍進を予感させる、若き日のディカプリオの熱演は充分堪能できましたけどね。ヘロイン欲しさに鼻水まみれになりながら母親に罵詈雑言浴びせかけるトコなんか凄くリアルだったし。あ、マーク・ウォールバーグも良かったよ。イモっぽくて(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-09-19 21:10:10)
1327.  ラストタンゴ・イン・パリ 《ネタバレ》 
ここでは名前は必要ない。君の名前なんか知りたくもない。どこに住み、どこから来るかも何ひとつ知りたくない。君も俺もここでは名なしだ。外の世界のことは全て忘れてこの部屋だけで肉体を重ね合おう――。長年の不倫の末に妻に自殺され、絶望の淵に沈み込んでいたポールは、ある日、とある無人のアパルトマンで可憐な若い女性ジャンヌを衝動的に犯してしまう。ところが何ごともなかったかのように別れる2人。数日後、またもやその部屋を訪れた2人は、お互いの身分を隠し、まるで生きている実感を得ようとでもするようにただひたすら性愛の海に溺れてゆくのだった…。若き日のベルトルッチがメガホンを取り、その大胆な性描写で内外にセンセーションを巻き起こした、ある一組の男女の刹那的な交流を濃密に描き出した文藝作品。ベルトルッチって昔からけっこう好きな監督の1人で、彼がその名を広く知られることになるきっかけとなった今作にも、確かにその気品に満ちた上品で美しい映像や音楽の数々、永遠に分かり合えない男女の心の機微に鋭く迫った深い視線等、後に開花する彼の才能の萌芽が随処に感じられて素直に良かったとは思うのですが、うーん、なんだろう、僕はそこまで心に響くものを感じませんでした。たぶん理由を考えてみると、それは主人公のこの男女にこれっぽっちも魅力を感じなかったからだろうと思う。主人公が街で見かけた若くて可愛い女の子をレイプしたら彼女が快感に目覚めちゃって婚約者が居るにもかかわらずその肉体とテクにオチちゃったって…。あんた、そんなエロ漫画じゃないんだから(笑)。ちょっと男の妄想が酷すぎますって、これ。それに、タイトルでもある最後のタンゴ大会に酔って無理やり乱入しちゃう2人のくだりも、いかにも傍迷惑な酔っ払いって感じで見ていてちょっぴり不愉快でした。とはいえ、この全編に漂う、いかにもベルトルッチらしい気品と情熱が絶妙なバランス感覚で同居しあう高尚な雰囲気は素直に良かったですけれど。要は、脚本がマズかったということなのでしょうね。あと、どうでもいいことなのですが、主演女優の方のアンダーヘアがアホみたいに濃かったのが鮮烈に印象に残ってしまいました。ウニが貼り付いているのかって思ったぞ(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-08-24 12:23:36)(笑:1票)
1328.  マリーゴールド・ホテルで会いましょう 《ネタバレ》 
マリーゴールドホテルにようこそ。英国式の伝統建築で建てられたここでは、インドでの優雅で洗練されたバカンスを約束します――。亡くなった夫の借金を返すため家を売ったイヴリン、子供のころの親友に会って謝罪したいグレアム、長年の夫婦生活の末に酷い倦怠期を迎えているダグラスとジーン、足を骨折し手術を受けようとしている酷い人種差別主義者ミュリエル、生涯現役を自任しパートナー探しに余念がないノーマン、息子夫婦と上手くいかず家を飛び出してきたマッジ…、人生の終盤を迎えインドの郊外に佇むうらぶれたホテルへと偶然やって来た彼ら。「広告と全然違う。こんなの、詐欺だわ!」当然のようにそう抗議するものの、支配人である若いインド人に強引に説得され仕方なくチェックインすることに。そんな寂れたホテルでいろいろと不満を覚えながらも、みんなで共同生活を送るうちに彼らは次第に第二の人生を謳歌していくのだった。初老の域に差し掛かり、自分のこれまでの人生を見つめ直すことになる彼らのインドでの生活を、洗練された美しい映像と音楽の数々で描き出すハートウォーミングなコメディ作品。ここ最近、ハリウッドでは静かなインドブームが続いてますね。「恋におちたシィクスピア」で有名なジョン・マッデン監督が新たに挑んだのも、そんな若いエネルギーに満ち溢れたインド社会に触れて再び生きる活力を得ていく初老の男女を軽妙なタッチで描いたヒューマンドラマでありました。ただ、ちょっと軽すぎますかね、これ。あくまで個人的な傾向なのだけど、こういう登場人物誰もがみんなちゃんと幸せになって終わる薄味作品ってあまり好きではありません。確かに、映画としてよく出来ているとは思うのですが、「やっぱり人生って幾つになっても素晴らしい!」というこの作品のテーマはちょっと凡庸に過ぎると思います。理不尽で残酷な現実社会に翻弄され人間として壊れてしまった人(インドのスラム街にはそんな人がたくさん居るはずです)なんかを、その片鱗でもいいのでもう少し直視する視線が欲しかったですね。それにこの全編に漂う、いかにも英国風のお上品な雰囲気にもいまいち馴染めませんでした。これはもう好みの問題なのだろうけどさ。
[DVD(字幕)] 5点(2014-08-22 12:08:20)
1329.  17歳のエンディングノート 《ネタバレ》 
末期の白血病を患う17歳の少女テッサ。懸命な治療の甲斐も空しく、とうとう主治医から余命数ヶ月であることを告げられるのだった。深い哀しみの底に沈み込む彼女だったが、それでもなんとか前向きに生きようと死ぬ前にしたいことのリストを作る。「無免許だけど車の運転」「いけないことだけど万引きしてみたい!」「なんとかして空を飛ぶ」「とことん酒を飲んで酔っ払う」「ドラッグだってやっちゃう!」「そして誰とでもいいからセックスをする」…。大の親友と共にそんな刹那的な毎日を過ごすテッサだったが、ある日、障害のある母親と一緒と暮らす青年アダムと出逢う。純朴で心優しい彼に次第に惹かれてゆくテッサ、しかし無慈悲にも彼女の病はどんどんと悪化の一途を辿ってゆくのだった――。過酷な運命に翻弄される17歳の少女の葛藤と青春、そして切ない恋心を瑞々しく描き出す青春ラブストーリー。最初こそ、そんな彼女のいかにもな自己憐憫甚だしい卑屈キャラっぷりにけっこうイライラさせられたりもしたのだけど(テッサが友達と笑いながら万引きするシーンはいくらなんでも不愉快千万!)、それでもアダムと出逢ってからのテッサが様々な葛藤を抱えながらも少しずつ心を開いてゆく繊細な心理を詩的で美しい映像と音楽の数々で描く後半部分はけっこう良かったですね。もうすっかり成長してしまったダコタ・ファニングちゃんが、難病に苦しむ可憐な少女を頑張って演じていて、そこも素直に好感持てました。ただね~、さすがにちょっとベタ過ぎじゃないっすか、これ?実話を元にしたかどうか知りませんけど、このいかにも「不幸な自分に酔いたい若い女の子たちの願望に応えてあげました」って感じの超ベタベタなストーリー展開には、もうすっかりおじさんとなってしまった僕としては観ていてちょっぴり(いや、かなり?笑)気恥ずかしくなっちゃいました。もう少し大人目線なシーンがあっても良かったように思います。よくよく考えたらけっこう悲惨なお話なのにあくまでポップで明るい雰囲気を最後まで維持した、この監督のセンスはなかなか良かっただけに惜しい作品でありました。
[DVD(字幕)] 5点(2014-08-19 00:54:00)
1330.  サプライズ(2011) 《ネタバレ》 
「つ、ぎ、は、お、ま、え、だ」。結婚30周年を迎えた両親を祝うため、郊外に佇む別荘へとやって来た子供たち。それぞれの恋人たちをも引き連れ楽しいディナーになるはずだった。そう、ボウガンの矢が無慈悲に窓を突き破ってくるまでは――。突如として侵入してきた羊や虎の仮面を被った男たちによって、そんな別荘は阿鼻叫喚の地獄へと変貌してしまうのだった。次々と血の海へと沈む家族たち…、だが長男の大学教授の恋人エリンだけはかつて体験した壮絶なサバイバル経験を糧に意を決して謎の犯人たちへと立ち向かってゆく。孤立した一軒の山荘で繰り広げられる血みどろぐちょぐちょの惨劇をノンストップで描き出すスプラッターホラームービー。うん、観終わってすぐの率直な感想を言います、「ふ、普通…」。これって昔からほんと大量に創られてきた、よくあるB級ホラーと大して変わんないじゃん。唯一、新しいかもと思えるのは、中盤で明かされるどんでん返しくらいで、それだってよく考えたらけっこう強引だし、だいいち犯人たち頭悪すぎっしょ!10人近い大人の男女をたった3人で皆殺しにしようとするのに、武器はボウガン1丁とナイフ類のみって…。せめてピストルの1丁くらいは用意しましょうよ!それにグロ痛~い描写がひたすら続くのはもちろんこういう映画なんだから有りなんだけど、さすがにミキサーで脳味噌グチョグチョグチョ~は明らかにアホ過ぎだと僕は思っちゃいました(しばらくトマトジュース飲めなさそうです!笑)。でもまあ、延々とリピートされる血みどろ映像にミスマッチなポップで明るい音楽だとかスローモーションを多用した映像センスだとかはそこそこ良かったかな~。取り敢えず、犯人側にピストルが3丁もあれば確実に30分で片が付いてただろうね、これ(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-08-07 19:18:42)(良:1票)
1331.  落下の王国 《ネタバレ》 
むかしむかし…、と言っても20世紀初頭のロサンゼルス。郊外にある静かな病院で、左手を骨折し退屈な入院生活を送る幼い少女アレクサンドリアは、同じく両脚を骨折し入院生活を余儀なくされた青年ロイと出会う。ほとんど娯楽などない毎日に退屈しきっていたアレクサンドリアへ、ロイは戯れに即興の作り話を聞かせ始めるのだった。「想像してごらん。絶海に浮かぶ蝶の形をした無人島に佇むのは、弟を殺された黒人奴隷、愛する妻を奪われたインド人、孤立へと追い込まれた爆発物専門家、貴重な蝶を標本にされた生物学者、今まさに弟を処刑されようという仮面の男…、彼ら5人はそれぞれの理由により邪悪な総督オウディアスに復讐を固く誓った男たちなんだ」。ロイが語り少女が耳を澄ます彼らの復讐の物語は、次第に病院内の現実社会へとどんどんと侵食してゆく――。いかにもターセム・シン監督らしい、オリエンタルな雰囲気が濃厚に漂う映像と悪趣味紙一重の極彩色で美しい衣装の数々で描かれるのは、そんな摩訶不思議な世界が画面の端々にまで横溢するヒロイック・ファンタジーでした。確かに、この監督にしか描き出せないだろうエキゾチックな映像美が凄いことは認めますけど、あまりにも我が道を行き過ぎてて、中盤辺りから僕はもうお腹いっぱいになっちゃいました(笑)。それに、「こんな映像を撮りたいんだ!」という監督の情熱が先走りすぎたのか、ストーリーの至るところに「?」な部分がたくさんあって、いちいち映画に入り込めません。「だって、結局はロイの即興の作り話なんだもん」って言い訳されてもさー、こういう荒唐無稽なお話だからこそ(映像だけじゃなく)脚本の細部にまで拘って欲しかったです。観る者を圧倒するこの唯一無二のエキゾチックな世界観が好き!って人の気持ちも分かるのだけど、昔から僕はこの監督とはあんまり相性がよくないんだよね~。うーん、5点、ごめんなさい!
[DVD(字幕)] 5点(2014-08-02 21:54:32)
1332.  プリズナー(2007) 《ネタバレ》 
障害のある息子を抱え様々な悩みを抱えながらも家族と共に充実した日々を過ごす女性アナ。ギャンブルによって出来た多額の借金に追い詰められ今まさに銃を手に取り犯罪へと手を染めようとしている青年ソール。決して出会うはずのなかった彼らの物語は、アラバマの刑務所へと車を走らせるアナと独房でとうとう死刑執行の朝を迎えたソールという、その後のお話を複雑に行き来しながら、とあるコンビニで起きた凶悪な強盗事件へと収斂されてゆく…。加害者と被害者のそれぞれの苦悩と救済を4つの物語を対比させることで重層的に炙りだしていく人間ドラマ。観終わって、頭の中で解体してみればしごく単純な2つのお話なのに、それを時間軸を寸断し複雑に再構成したところやアナの息子が辿ることになる運命を意図的にぼかして描き出したことで、最後まで緊張感を途切れさせずに見せ切るこの監督の手腕はなかなかのものだと思います。主役を演じたミニー・ドライバーとジェレミー・レナーのナチュラルな演技も良かったです。ただね~、けっこう深いテーマのわりにちょっとお話のスケールがちっちゃ過ぎるのが玉に瑕でしたね、これ。もう少し、観る者の心に深く突き刺さるようなドラマティックなシーンなり展開なりが欲しかったところです。それに言いたいことは分かるのだけど、最後にテロップで表示される「このように加害者と被害者を直接面会させる“修復的司法”は劇的な効果を生んでいる。それについては下記サイトに詳しいので、君たちおのおの勉強しておくように」的な、なんだか上から目線の偉そうなメッセージにはちょっぴりカチンときちゃいました。うるせーよ!
[DVD(字幕)] 5点(2014-08-01 09:05:48)
1333.  47RONIN 《ネタバレ》 
主君に絶対的な忠誠を誓った誇り高き47人の侍たちが、非業の死を遂げた主君の無念を晴らすため、市中でひたすら耐え忍ぶ生活を続けた挙句、自らの死をも省みずに復讐を果たす――。かつては年末年始に必ずといっていいほどドラマ化され、日本人の古きよきメンタリティに強く訴えかけてきた古典的名作「忠臣蔵」を、なんとハリウッドが巨額の予算を投入し、さらには豪華な日本人俳優を多数そろえ最新のCG技術を駆使して、まさかの映画化!しかも、その内容はといえば、「忠臣蔵」をこよなく愛する真面目な日本人が見たら怒り狂って卒倒しそうな程のトンデモファンタジー映画でありました。いやー、バカですね、これ。「忠臣蔵」という極めて日本的な物語を「ロードオブザリング」風味の欧米フィルターにかけるとこんな感じになるんだなー。それならそれでもっと無茶苦茶なエネルギーでもって徹底的に我が道をゆく「<300>」のようなおバカ映画にしてくれたらまだ観れただろうに、なんか中途半端に真面目に創ってるトコがけっこう失笑でした。とにかく、キアヌ・リーブス演じる主人公が強いのか弱いのか人間なのか妖怪なのか愛する女性を救い出したいのか侍として名誉ある死を選びたいのか最後までふわふわふわふわしている所なんか、「で、結局アンタ何がしたいねん!」と思わず突っ込んじゃったし(笑)。でもね、この作品の随処に見え隠れする「とんでもなく頭の悪い人が、自分はこう見えてけっこう頭良いんだぞって無理してアピールしているような雰囲気」、僕はけっこう嫌いじゃないです。クラスに1人くらい居ますよね、そんなあまり友達にはなりたくないけど、周りで見ている分には面白いって人。監督さん、恐らくそんなタイプの人なんじゃないかな~って、この幼稚な映画を観るかぎりそう思います。というわけで、決して面白いわけじゃないですけど、僕はけっこう暖かい目で観ることが出来ました。まあ、事前にトンデモ映画だって情報を仕入れてて、ハードルを1㎝くらいにまで下げて観たからかもですけどね(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-07-26 20:52:06)
1334.  ファントム/開戦前夜 《ネタバレ》 
68年、キューバ危機では米ソの核戦争は無事に回避されたが、その後、ある1隻の核搭載潜水艦が暗い海の底へと消えたとき、世界は再び核戦争の危機に直面したのだった――。長年、ソ連の原子力潜水艦の優秀な乗組員として広大な海原を駆け巡っていたものの、もはや年老い退官間近となってしまったズボフ艦長に、ある日、極秘任務が命じられる。それはKGBの怪しげな将官ブルニーを乗せてアメリカの原潜を監視するというものだった。疑問を感じながらも、艦長以下数十名の船員たちは長期休暇を返上して暗い海の中へと乗り出してゆく。だが、ブルニーには祖国を愛するがあまり、誰も知らない過激な作戦をその胸の内に秘めていたのだった。実際にあった事件を基に、核戦争の危機に直面した原子力潜水艦内部での男たちの決死の攻防をスリリングに描き出す軍事アクションドラマ。「Uボート」が製作されて以来、「レッドオクトーバーを追え」や「クリムゾン・タイド」「K19」と脈々と作り続けられてきたいわゆる〝潜水艦もの〟の系譜を色濃く受け継いだ今作なのですが、あまりにも影響を受けすぎてて全く新味のない地味な内容となってしまってますね、これ。史実を元にしたから仕方ないのかも知れませんが、ずーっと潜水艦内部でのみお話が進むため、全体的に冗長で少々退屈という印象が否めない作品でありました。もう少しドラマティックな展開が欲しかったところです。ただ、ちょっぴりプーチン大統領に見えなくもない、円熟味を増したエド・ハリスの艦長役はまさに男気たっぷりでなかなか良かったかな~。それに、後半の狭い船内で繰り広げられる男たちの緊迫のやり取りは、まあベタではありますけど、けっこう丁寧に作り込まれていてそこは素直に楽しめました。でも、やっぱり引っ掛かるのは最後のスーパーナチュラルなまさかのオチ。これまでのシリアスで超現実的なストーリーはいったいなんやったんやー!と、思わずずっこけそうになっちゃいました(笑)。完全に蛇足っす!
[DVD(字幕)] 5点(2014-07-23 09:01:28)
1335.  鷹の爪GO 美しきエリエール消臭プラス 《ネタバレ》 
この世の中の全ての人間を、「何だかんだ言ってこの社会は弱肉強食、将来のキャリアアップのためにいま何をしておけば有効か常に考え、いつでも他人との競争を意識し、社会にとって有益な人間となれるよう日々努力を怠らず、常に目的意識を持ち、将来は子供たちの模範となるだろう、そんな多くの人たちから賞賛と尊敬の声を集めてやまない人」側と「あーあ、明日仕事行きたくねーなー、出来れば死ぬまで遊んで暮らしたいなぁ~、でも無理だよな~、いっそのこと今から頑張って世界征服して、朝からビール飲んでも嫁から怒られない俺帝国を作っちゃおうかな。あはは…な人」側に無理やり大別したなら、確実に後者グループから圧倒的な支持を受けるであろう本シリーズ、もちろん僕も後者グループに属する人間(それもかなり下のほう笑)なので昔からずっと大好きです。なので、1作目と3作目で大いに笑わせてもらった自分としてはかなり期待して観始めたのですが、うーん、これはちょっとストーリーに拘りすぎ全体的にギャグのクオリティが下がっちゃって残念な出来に仕上がってしまった2作目に印象が近いかな~。全体的にテンポが悪く、ガジェットゲージもマンネリ気味だし、目新しい要素もそんなにないし、残念ながら僕はあんまり笑えませんでした。ただ単純に僕が年取って、自分でも知らない間に前者グループに入っちゃっただけかもだけどね。次回作がただいま製作中とのことなので、そちらに期待ですかね。個人的に僕は肉食大家さんが大好きなので、次回は彼女の大活躍が見られることを希望します(今夜はサバトだよ~、サバト)。それと、最初のころの予告編ではサブタイトルが「吉田、秘密結社やめるってよ」になってて、それがけっこうツボだった僕としては、大人の都合か途中からこのタイトルに変わっちゃったこともちょっぴり残念でした。それにしても、もし可能なら今すぐにでも鷹の爪団に転職して彼らのように社会にとって何の役にも立たない人間へとなってやりたい今日この頃っす!タ~カ~ノ~ツ~メ~(いろいろあって、最近、ちょっと病んでるのさ笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-07-06 22:17:34)
1336.  オン・ザ・ロード(2012) 《ネタバレ》 
第二次大戦終結後のアメリカ。作家を志す貧しい青年サルと、目の前にある快楽にただひたすら溺れる破天荒な生活を送る青年ディーン。未来も過去もなく、ただただ“いま”という時間を実感するために、ある日、彼らは何も持たず路上へと旅立ってゆくのだった――。酒とドラックとセックスに明け暮れる若者たちのアメリカ全土を巡る無軌道な旅路を乾いた映像とノリの良い音楽の中に刹那的に描き出す青春ロードムービー。日本でも根強い人気を誇るジャック・ケルアックの有名な小説を、若き日のチェ・ゲバラの青春バイク旅を乾いたタッチで描いたロードムービーの佳品「モーターサイクル・ダイアリーズ」の監督が映画化したということでこの度鑑賞してみました。いやー、これ、前作の南米からアメリカへと舞台を移しただけで中身はほとんど一緒ですやん(笑)。まあ、前作の雰囲気がけっこう気に入っていた僕としては、こちらのセンス溢れる映像や音楽もなかなか堪能できましたけどね。ただ、ずっと昔に原作は読んだんだけど、はっきり言ってその良さがさっぱり分からなかった僕としては、映画化された今作のストーリーもやっぱり受け付けませんでした。べつに僕は必ずしも映画にモラリティを求めているわけではありませんが、それでもこの誰であろうと気に入った女が居ればすぐに口説いてセックスし、友人を含めて乱交やりたい放題、知り合いが後部座席に乗っていようが構わず運転中に女にフェラさせ、金に困れば男とでもやる彼らの姿は、もう倫理観の欠落というより単なる動物としか思えません。確かに映画として及第点ではあるものの、彼らにこれっぽっちも感情移入できず僕はそこまで評価できませんでした。「モーターサイクル~」のチェ・ゲバラのように、長い旅路の果てに何か大切な希望のようなものを手に入れるとか、あるいは自堕落な生活の果てに徹底的に自業自得のどん底へと堕ちてしまうとか、そういう意義のあるラストが欲しかったです。
[DVD(字幕)] 5点(2014-06-30 15:44:31)
1337.  パニッシュメント(2013) 《ネタバレ》 
それはいつものように平凡な一日になるはずだった――。PM2:00、自堕落な母親とまだ生まれたばかりの病弱な赤ん坊と共に暮らしている少年コリーは、とても手が出そうにない高額な赤ん坊の薬を手に入れるため銃を手に薬局へと向かっていた。2:02、違法な荷物ばかりを扱うバイク便の女運転手アレクサは、ギャングに追われていた謎の青年をひょんなことから後ろに乗せて助けてやるのだった。2:01、政府のテロ対策捜査班として相棒と共に任務を遂行中のマーティは、爆弾テロを計画中と思しき容疑者のアジトへと乗り込んでゆくのだった。2:03、元全国ネットのニュースキャスターだったもののいまや落ちぶれてホームレスとなってしまったドークは、同じくホームレスの友人と共にヒマ潰しに警官の銃を盗むのだった。2:04、小さな街で、そんなまったく関係なさそうな人々の物語が、「口の中を噛んだことがある?」と何度も問い掛ける黒人の太った女の子フューによって、とある奇跡へと収斂されてゆく。明らかにデビュー当時のタランティーノの影響を色濃く受けていることが丸分かりの、独特の猥雑な雰囲気が全編に漂う群像劇。なんだけど、残念ながら本家に比べてセンスがあほみたいに不足しているせいで、奇をてらっただけの単なる凡作どまりの出来でしたね、これ。まず、音楽が超ダサい。タランティーノ目指すなら、これは致命的っしょ(笑)。そして小さな街の中で様々な人々のくだらない物語が、最後、キリストの奇跡へと繋がってゆくといういかにも「パルプ・フィクション」な展開も完全に無理ありありで、見事なまでに破綻しております(あははッ笑)。でもね、頑張ってるのは分かるんだよ。全編にわたって、タランティーノを少しでも追い越せるような映画を創りたい!という意欲はビシバシ感じます。ただ、残念なことに監督に才能がなかっただけなんだよね~、残酷なようだけどさ。うーん、まあそんな監督の頑張った感と髭もじゃクリスチャン・スレーターの最近の半端じゃない落ちぶれた感にエールを込めて5点っす!
[DVD(字幕)] 5点(2014-06-27 21:18:50)
1338.  モンスター・ハウス 《ネタバレ》 
あまりイケてるとは言いがたい学生生活を送る、思春期を迎えたばかりの冴えない少年DJ。彼の唯一の親友で、お調子者で太っちょな男の子チャウダー。彼らと偶然知り合うことになる、お高くとまった生意気少女ジェニー。ハロウィンを明日に控えた夜、そんな3人はDJの家の向かいに建つ、偏屈な爺さんが独り暮らしをする怪しげな一軒家のとある秘密を知るのだった。それは、この家が自らの意志を持って人を襲い食べてしまうという恐ろしいモンスターハウスだという驚愕の事実だった。「大変だ!明日はハロウィンでたくさんの子供たちがこの家にやってきちゃうよ!」と、頼りにならない大人たちを尻目に彼らはそんな恐ろしいモンスターハウスへと一致団結して立ち向かってゆく――。スピルバーグ&ゼメキスというエンタメ映画界の巨匠コンビが製作した、全編を美麗なフルCGアニメで描き出すコメディタッチのホラー冒険活劇。なんだけど、うーん、全体的に中途半端な感じが否めない作品でしたね、これ。いまいち魅力に欠ける主人公の少年少女たち(なんか顔が微妙にリアルで怖いんですけど…笑)や、モンスターハウスの全然ワクワクしない地味な造形、スケールがちっちゃ過ぎてなんとも盛り上がりに欠けるストーリー展開…。何より致命的なのは、館がモンスターと化した原因であるお爺ちゃんとその太った妻との哀しい恋物語がかなりおざなりに描かれちゃってるとこ。どうしてあんなに太った妻をあそこまで愛するようになったのかがさっぱり分からないせいで(爺さんは極度のデブ専なの?笑)、いまいちストーリーに入り込めませんでした。でもまあ、徹底的にハードルを下げて観れば、けっこうCGも綺麗だし、時間も90分とコンパクトだし、適度なヒマ潰しにはなると思いまーす。
[DVD(字幕)] 5点(2014-06-26 18:35:48)
1339.  危険なメソッド 《ネタバレ》 
「人間は、男も女も真面目な人もちゃらんぽらんな人もじいさんもばあさんも子供たちも、みんなみんなセックスしたいがために生きとんねん!!」という身も蓋もないリビドー論を確立し、近代における精神疾患治療を飛躍的に向上させた、偉大な精神分析学者であるフロイト(ちょっぴり独断と偏見入ってます笑)。彼の忠実な弟子でありながら、考え方の違いによりのちに袂を分かつことになるユング。精神疾患を患い、そんなユングの患者となる若く美しい女性ザビーナ。長年にわたる彼らの三者三様の愛憎とプライドと性衝動が複雑に絡み合う心理ドラマ。かつてグロ映画界の巨匠として名を馳せたものの、最近はなんだか分かりにくい良く言えば芸術的、悪く言えば退屈な作品ばかり撮っているクローネンバーグ監督、史実をモデルにしたという今作もそんな例に漏れず、最後まで淡々と続く作品でありました。うーん、せっかくフロイトとユングという魅力的な題材を扱っているのだから、そんなシニカルな理論を生み出した彼らの隠された人間的な部分に焦点を当てるとか、最初は患者であるザビーナが回復するにつれて次第に妖艶な魅力を発揮し周りの男たちを狂わせていくとか、あるいは人間の性の深淵をシュールに描き出すとか、そんな他にはない突出した演出が欲しかったですね。過去のクローネンバーグなら確実にそんな方向に作品を仕上げただろうに、そうしなかったのはこれがあくまで史実を元にした作品だからか、あるいは彼が単純に歳取っただけなのか、残念ながら僕は後者としか思えないんだよね~。うーん、最後まであまりにも淡々と続くため、僕にはちょっぴり退屈な作品でありました。おっぱいちょろ出しキーラ・ナイトレイのお尻ペンペンシーンに+1点!
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-30 20:59:18)
1340.  バレット(2012) 《ネタバレ》 
俺はデカを助けた。普通ならしないが、信念を曲げなきゃならん時もある。これからその話をしよう――。長年、殺し屋として裏社会の第一線で活躍してきたジミー。ところがある夜、若い相棒と共に簡単な仕事をこなしバーで祝杯を挙げていたら、謎の男によってその相棒を殺されてしまう。「この依頼には何か裏がある…」そう確信したジミーは、同じく元相棒を殺されたアジア系の若い刑事と不本意ながらもタッグを組み、事件の黒幕を求めて夜の街へと繰り出してゆく。だが、ジミーの娘である女刺青師リサにも犯人の魔の手が迫るのだった…。スタローン主演、監督は名前を聞いて正直「へー、まだ生きてたんだ~」と思っちゃったウォルター・ヒルという、旧世代の遺物のような2人が製作した恥ずかしくなるくらい超ベタベタなアクション・エンタメ作品でした。さすがに還暦過ぎたスタローンがまだまだ現役バリバリの殺し屋役って、やっぱ無理があると思うんですけどー。なんか動きがいちいちドタドタしててキレがないし(笑)。それに完全アナログ親父のスタローンと、ケータイで何でも瞬時に情報を手に入れちゃう若いハイテク刑事という正反対な2人が黒幕を追ううちに次第に友情を育んでいくという、いかにも古き良き時代のアクション映画を楽しみたいお父さん世代に媚を売るようなストーリー展開に、僕はちょっぴり辟易でした。「ほら、そこのお父さん、そろそろ若い女の裸見たいでしょ!さあ、どうぞー!」と言わんばかりに出てくるパーティー会場での若い女たちのヌードも、あまりにもサービス過剰感があってなんか馬鹿にされてる気がしちゃいました(まあ、目を見開いて見入ったけどさ笑)。うーん、スタローン&ウォルター・ヒルとは言え、さすがにこれは古臭いっす。5点!
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-17 19:21:46)
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