1341. JAWS/ジョーズ
前半のそれぞれの人物描写、後半の化け物鮫との格闘劇、どちらもすばらしい。昔大型スクリーンで見たときの大迫力は、言葉で表現できないほどだった。 それにしても安全より金儲けという考えは、昔も今も同じ。想定外の大津波と原発事故が起こった今も。 [映画館(字幕)] 8点(2012-04-30 17:44:33) |
1342. 江分利満氏の優雅な生活
《ネタバレ》 ところどころ非常におもしろくなったり、退屈になったり、悲しくなったり、いろいろな味がある映画だと思う。少年の頃見た映画だったけど、非常に鮮明に記憶残っている部分と、まったく忘れてしまっていて初めて見るような部分とあって、悲喜こもごも。 「Everyman」というと一般にはどこにもいるような普通の人という意味だと思うが、「Ordinary man」とはちょっと違う。戦争でばか儲けをする人がいたり、つきあいで嫌々長話につきあう人もいる。いろんな人という意味なのだろう。 [映画館(邦画)] 7点(2012-04-30 12:15:52) |
1343. 灼熱の魂
《ネタバレ》 民族の違いや宗教の違い、はたまた権力争いか、いろいろな原因で戦争や内戦は起こる。そして多くの人々に様々な形で不幸を呼び寄せる。この映画の主人公ナワルの不幸は、何と言って表現したらよいかわからないほどだ。 彼女は子供たちに遺言を残したが、きわめて奇妙、大きな謎だった。それが映画では、子供たちの謎解きの現在の旅と母親が生きていた時代とが交互に描かれることによって、少しずつ解き明かされる。そしてまたその真実が大変なものだった。 [映画館(字幕)] 8点(2012-04-29 19:12:01) |
1344. 理想の彼氏
ちょっと無理な設定かと思いつつもまずまず。時々出てくる下品なことばにはちょっとだけ顔をしかめたが・・・。それはそうと、性格は良くてもいつまでも両親が登場してくるアラムは成長したのだろうか。 [DVD(字幕)] 5点(2012-04-29 17:20:41) |
1345. さよならエマニエル夫人
《ネタバレ》 夫婦の間に女性を加えて3人で愛し合ったり、別の夫婦を加えて4人で交わったり(4Pと書くと下品になるのでこうは書かない)、自由な恋愛とセックスは前作、前々作で確立されたはずだった。お互い干渉せず焼き餅を焼かず、そして秘密を持たない。そういう夫婦の主義が、映画監督グレゴリーの出現によって崩れる。今まではセックスは楽しむためだけのものと思っていたエマニエルが、グレゴリーに対して最低の人と思ってしまったのだ。これは裏を返せば彼を相当意識したということに他ならない。エマニエルもそしてまた彼女の変化に気づいた夫ジャンも、初めて嫉妬という感情が芽生える。そしてさよならエマニエル夫人となるのだが、忘れていた昔の自分に戻ったのか、一時的な気の迷いなのだろうか。少なくともジャンはまだそう信じているみたいだ。 今までのエマニエル夫人はストーリーがあってないようなものだったが、今度のは結構ストーリーがはっきりしていて良かった。しかし同じようなストーリーの繰り返しでは続かないと見て、監督が終わらせたのだろうかとも思うが定かではない。 それはそうと、昔映画館で見たときは肝心な部分がぼかされていたが、ヘアー解禁になったせいか、DVDではしっかり拝めるようになった。時代も変わったものだ。 [映画館(字幕)] 5点(2012-04-28 23:15:30) |
1346. 大変な結婚
ラブコメは好きだが、やくざの娘というのがどうもひっかかってしまった。しかしこの娘の兄3人も何となく憎めないし・・・。馬鹿馬鹿しいといえばそれまでだが、乱闘シーンを除けばまずまずか。ラストエンディングにスタートの種明かしあり。ジンギョンの歌う歌も良い。 [DVD(字幕)] 5点(2012-04-27 23:42:10) |
1347. 殺人の追憶
ひどい映画だ。最初の頃の間抜けな捜査はコメディかと思ったが、結局は横暴でずさんな捜査、これでは何も解決できないのは当たり前か。暴力シーンや品のないシーンが多くなじめない。 [DVD(字幕)] 3点(2012-04-27 21:12:02) |
1348. アーティスト
《ネタバレ》 えっ、モノクロサイレントでアカデミー賞?と半信半疑だったが、ヒューゴとは比べものにならないくらい良かった。映画は娯楽だけでなく感動を与えてくれるもの、演じる役者さんたちもアーティストならば、制作しているスタッフ陣もアーティストだ。 サイレントから物が倒れる音が入る瞬間、サイレント(沈黙)から台詞が入る瞬間、芸術を感じた。主演男優賞(ラストの笑顔は感動的)、女優賞があるならば、あの犬の名演技は何賞だ? 古き良き時代を懐かしむばかりでなく、映画の本質とは何かを考えさせてくれる。そうか台詞をしゃべるのことのないあの犬は、サイレントの象徴か。 [映画館(字幕)] 8点(2012-04-27 20:00:42) |
1349. 悲しみよこんにちは
原作はもっとハッとする所があるように思うんだけど、映画は生かし切れていないように思う。セシルの髪型だけは超有名になったみたいだが・・・。 映画ではニーヴンの父親がいかにもだらしがない。原作もそうだったかなと思う始末。 原文の微妙なあやを語りなしで表すのは、とてもむずかしいように思える。 [映画館(字幕)] 6点(2012-04-26 23:59:22) |
1350. カサンドラ・クロス
昔見たときも相当ひどい映画だと思ったが、今見直してみるともう話にならないくらいお粗末。特撮がどうこうの問題ではなく、脚本がひどい。最初見たときもソフィア・ローレン出演ともなれば単なるパニック映画ではなくなるだろうと思っていたが、あっさり裏切られたばかりか、後半から終盤にかけては単なるパニック映画よりもひどい。 この映画になぜという疑問を持ち出したら、答えられられない疑問ばかり残る。それとも愚かさを表したかったのだろうか。 [映画館(字幕)] 3点(2012-04-26 19:03:23) |
1351. 探偵物語(1951)
《ネタバレ》 どこの社会にも己が正しくいつも正義を行っていると勘違いしている者がいる。そういう人間は、相手の非を決して許そうとしないし、忠告も聞き入れようとはしない。実に困った存在である。この映画の主人公もとうとう妻に「あなたは冷酷な人だ」と言われてしまう。そして最後は銃弾に倒れてしまう、実に哀れである。 この映画は舞台劇だから、人間の性格や感情がもろに表面に出てしまっているが、本当の警察署ならば決してあり得ないことだろう。 [DVD(字幕)] 6点(2012-04-25 21:50:10)(良:1票) |
1352. 鍵(1984)
舞台を日本から戦争直前のムッソリーニ総統下のイタリアへ移す。設定が変わっているにもかかわらず、日記をわざと読ませるようにし向けたり、ポラロイドカメラが出てきたりするなど、驚くほど原作の谷崎小説を踏襲している。ただセックスの表現は明るく開放的でイタリアらしい。 バックに流れる音楽も明るく楽しい感じで、原作の持つサスペンス感はなく、むしろコメディっぽく思える。 カリギュラを作ったティント・ブラスなので、もっとエロティックになるかと思ったがそれほどではなく、むしろ日本のリメイク作品より、嫌らしさは感じない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-04-25 16:32:29) |
1353. 精霊流し
さだまさしのグレープ時代の「精霊流し」は、たしかに名曲だと思うし、私も大変好きだ。しかし映画「精霊流し」は、さだまさしの自伝とも言えるのにどうも好きでないし、駄作にしか思えない。原作が悪いのか、脚本か、監督か、演じているキャストが悪いのか、何かはわからないがぴんとこない。思いは語られているようには思えるが、伝わってこないのだ。 [DVD(邦画)] 4点(2012-04-25 03:34:41) |
1354. 解夏
《ネタバレ》 心の内は激しく揺れても物語としては静かに流れる。原作の持つイメージをそのまま映像化したような映画だ。実はTVドラマ「愛し君へ」の方を先に見て、この映画を見たのはずっと後、その前に原作も読んだのだが・・・。 映画は大沢たかおの雰囲気が良いし、石田ゆり子の「私はあなたの目になりたい」にしびれてしまう。さだまさし原作らしく長崎の町が紹介されるのが同郷の者としてたいへんうれしかった。 [DVD(邦画)] 6点(2012-04-24 07:21:16) |
1355. 7月24日通りのクリスマス
中盤完全な中だるみ、リスボンの町でなければ、長崎の町でなければ、中谷美紀でなければ、途中で見るのを止めていただろう。 あーあ、くたびれた。 [DVD(邦画)] 3点(2012-04-23 20:51:58) |
1356. 一枚のハガキ
《ネタバレ》 どんな賞に輝いたかではなく、これぞ新藤兼人監督人生100年の集大成と言える映画だ。一切の無駄がなく、粋を集めたような画面やストーリーは、人間を追求してやまなかった男の神髄を見たような気がした。 戦争はいろいろな形で語られるが、これは監督自身が主人公松山啓太同様、くじという幸運に恵まれ帰還できた体験によるものだろう。 戦争は多くの悲劇をもたらした。長男が戦死し、その嫁が次男と結婚し、その次男も戦死する。子どもを戦死させた老夫婦が後を追ったように亡くなる。そういった不幸もあったろう。あるいは夫が戦死したと思っていた妻が他の男と一緒になっていたということもあったろう。この映画はそういった不幸を淡々と物語っている反面、鋭い叫び声を上げ、残された人間が強く生きていく姿も描いている。シンプルな作りと舞台劇のような台詞は、あたかも上質のお芝居を見ているようだったし、満を持して見ただけあって、実に見応えのある映画だった。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-04-23 09:02:03) |
1357. エレキの若大将
《ネタバレ》 有名な若大将シリーズだが、映画館で見たのはこれだけ。次期キャプテン選挙で示される結果が、青大将・若大将の性格をすべて物語っている。 酔っぱらい運転の信号無視による事故が今日のような厳しい罰にならなかったのは、ドラマだからもあるが時代を物語っている。そこからエレキの賞金かせぎへと発展する。 なつかしいのは、「シェー」やエレキの神様寺内タケシが登場すること、彼のエレキ演奏が半端でないことは誰にもわかるほど。私たち若者は「エレキ」と言ったが年寄りは「電気ギター」と呼んでいたっけ。 映画はとてつもなくおもしろかったが、後で考えると、そのときおもしろかっただけだった。だからこれ1本でやめてしまった。 [映画館(邦画)] 5点(2012-04-23 00:12:49) |
1358. 佐賀のがばいばあちゃん
先に泉ピン子主演のTVドラマを見て、その後原作本を読み、最後に映画をDVDでという順だったので、好評の映画にもかかわらずやや物足りなかった。特に婆ちゃんの「がばい」がとてもすごいという意味らしいなのだが、そのすごさがTV版に比べて足りなかったと思う。やはり吉行さんは泉さんより上品なイメージがあるからかもしれない。だが物語としては決して悪くなく、文科省が推薦するだけのことはあると思う。 [DVD(邦画)] 6点(2012-04-22 07:12:27) |
1359. 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2006)<TVM>
《ネタバレ》 田中裕子の熱演に尽きる。湿りがちでウジウジするようなストーリーも、脚本演出と田中の力で明るく吹き飛ばしてくれる。それに時々現れるオトンのハチャメチャぶりがまた良い。 音楽(主題歌)も実に良い。BEGINの「東京」という曲だが、これは昔マイペースが歌っていたもの。オリジナルもBEGINもどちらも良いが、あの“東京へは、もう何度行きましたね~”というメロディーが流れると思わず涙が出てくる。2時間というドラマがあっというまに過ぎ去ってしまった・・・ なおこの映画ではNHKテレビドラマ「カーネーション」の尾野真千子が端役で出ているが、テレビではまったく気づかなかった(違う、まったく知らなかった)さらにもう一つ、映画のオトンとオカンがこのTVドラマでは大家さんと東京タワー職員というちょい役なのもおもしろい。 [地上波(邦画)] 9点(2012-04-22 06:26:54) |
1360. 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007)
先に田中裕子主演のドラマを見ていたこともありあまり感動できなかった。原作小説は読んではいないが、映画の方が原作に近いということはすぐわかる。リアルだし、映画的だし、淡々とかつしみじみと物語を語っていく。ナレーションがはいるので、なおさらそう感じる。そしてオカンが死ぬ前も死んでからも長い。だがどうしても盛り上がってこない、そうあのTVドラマの印象が今も長く強く残っているからだ。 TVと比較するとどうして役者が地味だ。田中裕子のオカンを、樹木内田の親子で演じアイデアは良しとしても、田中の芸達者には遠く及ばない。そのほかの人物にしても、迫力不足を感じた。 [DVD(邦画)] 5点(2012-04-22 05:52:15) |