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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1874
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1341.  モンスター・ハウス 《ネタバレ》 
あまりイケてるとは言いがたい学生生活を送る、思春期を迎えたばかりの冴えない少年DJ。彼の唯一の親友で、お調子者で太っちょな男の子チャウダー。彼らと偶然知り合うことになる、お高くとまった生意気少女ジェニー。ハロウィンを明日に控えた夜、そんな3人はDJの家の向かいに建つ、偏屈な爺さんが独り暮らしをする怪しげな一軒家のとある秘密を知るのだった。それは、この家が自らの意志を持って人を襲い食べてしまうという恐ろしいモンスターハウスだという驚愕の事実だった。「大変だ!明日はハロウィンでたくさんの子供たちがこの家にやってきちゃうよ!」と、頼りにならない大人たちを尻目に彼らはそんな恐ろしいモンスターハウスへと一致団結して立ち向かってゆく――。スピルバーグ&ゼメキスというエンタメ映画界の巨匠コンビが製作した、全編を美麗なフルCGアニメで描き出すコメディタッチのホラー冒険活劇。なんだけど、うーん、全体的に中途半端な感じが否めない作品でしたね、これ。いまいち魅力に欠ける主人公の少年少女たち(なんか顔が微妙にリアルで怖いんですけど…笑)や、モンスターハウスの全然ワクワクしない地味な造形、スケールがちっちゃ過ぎてなんとも盛り上がりに欠けるストーリー展開…。何より致命的なのは、館がモンスターと化した原因であるお爺ちゃんとその太った妻との哀しい恋物語がかなりおざなりに描かれちゃってるとこ。どうしてあんなに太った妻をあそこまで愛するようになったのかがさっぱり分からないせいで(爺さんは極度のデブ専なの?笑)、いまいちストーリーに入り込めませんでした。でもまあ、徹底的にハードルを下げて観れば、けっこうCGも綺麗だし、時間も90分とコンパクトだし、適度なヒマ潰しにはなると思いまーす。
[DVD(字幕)] 5点(2014-06-28 23:27:09)
1342.  チャイルドコール 呼声 《ネタバレ》 
夫の激しい暴力から逃れ、支援者らの協力のもと、小さなアパートへと越してきた親子アナとアンデシュ。新たな地で生活を立て直そうとする彼女たちだったが、異常なほど心配性のアナは、もう8歳になる息子のためにチャイルドコールを購入するのだった。ところがある夜、そんな無線機に息子とは違う子供の虐待される悲痛な叫び声が混線してしまう。当然のように困惑するアナ。そしてそのことがきっかけで、ようやく手に入れた彼女と愛する息子との安穏な生活は次第に壊れ始めてゆくのだった。忍び寄る夫の影、いつの間にか息子の身体に出来ていたあざ、何度も失われるアナの記憶、そして虐待していたと思しき隣人の怪しい行動…。冒頭から、そんな謎に満ちたストーリーと画面に横溢する常に何かとてつもなく嫌なことが起こりそうな不穏な雰囲気とでなかなか惹き込まれましたね、これ。こういう謎が謎を呼ぶミステリアスでダークな作品、もろ自分の好みっす。登場人物誰もがみんな怪しい悪意を隠し持っていそうな感じとか、けっこうじっとりとした怖さでゾクっときちゃいました。これでオチがしっかりしていれば傑作になるぞ!とワクワクしながら観ていたのですが、残念ながら最後に明かされるこのオチはさすがに強引過ぎますって(真相は実はお母さんの〇〇だった。でもだとしたら、これとあれの辻褄が合わんと思ったら、実は子供は△△だったのだって、おい!笑)。と、オチがちょっぴり残念賞でしたけれど、この全編を覆う不穏な空気と鑑賞後の(良い意味で)後味の悪~い余韻とかは充分堪能できました。大マケして7点っす。
[DVD(字幕)] 7点(2014-06-28 23:09:14)
1343.  エリジウム 《ネタバレ》 
人口爆発により社会秩序が著しく荒廃した未来の地球。一握りの富裕層は、宇宙空間に建造した巨大な宇宙ステーション〝エリジウム〟に移り住み、何不自由ない豊かな生活を謳歌していた。反対に地球に残された人々は、ロクな医療も受けられない、ゴミと瓦礫と犯罪がはびこる世界で虫けらのような生活を強いられていた。元犯罪常習者のマックスもそんなごみ溜めのような街で、鬱屈した思いを抱えながら巨大企業の工場で働いていたのだったが、ある日、不慮の事故により有害物質を全身に浴びてしまう。「残念ながら君の命は5日ともたないだろう…」と理不尽にも解雇されるマックス。怒りに燃える彼は、凶悪な犯罪者の力を借りてそんな会社の社長を誘拐する計画を立てるのだったが、図らずもそれは理不尽なこの世界を変えるきっかけとなってゆくのだった。「第9地区」という、社会の貧困や理不尽な格差や差別を真正面から描きながら、内容はあくまで良質のエンタメSF映画(ちょっぴりB級っぽい)という、かなり斬新な作品で鮮烈なデビューをかざったブロムカンプ監督。満を持して放つ新作は、巨大予算&有名俳優陣を存分に使って製作したSF超大作でした。冒頭から、見渡す限りバラックが建ち並ぶスラムで懸命に生きる人々の隣に普通に銃を持ったロボットが闊歩していたり飛行船が飛び交っていたりという、この監督らしい猥雑な世界観に否が応にもテンション上がっちゃいました。いやー、良いですね~、この乾いた感じ。社会の底辺で暮らす人々のエネルギッシュな描写や細部にまで拘り抜いたSF愛、そして一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちが織り成すスピーディーなストーリー展開、うん、充分面白かったっす!特に社長誘拐シーンでのスローモーションを多用した銃撃戦描写とかかなり格好良くて痺れちゃったよ~。ただ、さすがに気負いすぎたのか、後半から若干散漫な展開が続き、いまいちクライマックスが盛り上がらなかったところが残念でしたね(特にジョディ・フォスターの見せ場があんまりなかったとこが不満爆発!)。でもまあ、新鋭監督の次回作に期待を込めて7点っす。
[DVD(字幕)] 7点(2014-06-25 12:31:13)
1344.  ウルヴァリン:SAMURAI 《ネタバレ》 
昔から僕はこの「X-MEN」シリーズとは相性がよろしくなくて、確か一作目だけは観たと思うのだけど個人的に「うーん…」て感じだったので、以来このシリーズは全く観てこなかったのだけど、今回は日本が舞台、しかも監督は「17歳のカルテ」や「アイデンティティー」という良質のエンタメ作品を数多く制作してきたジェームズ・マンゴールドということで、ちょっと興味を惹かれてこの度鑑賞してみました。というわけで僕が「X-MEN」シリーズにこれっぽっちの思い入れもなく観始めたことが功を奏したのか、けっこう面白かったっすよ、これ。取り敢えず、ウルヴァリンさんは怒ると手の甲から鉄爪が出てきてすぐに傷が治っちゃう不死身のむさ苦しい髭面のおっさんてだけでなく、過去に奥さん(?)を殺しちゃった悲惨な過去を持つ哀しいおっさんでもあったのですね。そんな哀愁漂う彼が若い女と日本の観光地をウレシハズカシ巡りながら、その先々で暴れまくるアクションシーンの数々はなかなか楽しめました。まあ、真面目に突っ込み出したら怒りのあまり鼻血が出そうなほど、次々と出てくるおかしな日本描写はご愛嬌だけどさ。「どうだ、このイレズミ!怖いだろ~、俺たち恐ろしいヤクザなんだぜ!」と、わざわざ裸になって会長の娘を追いかけるお馬鹿なヤクザさんたちが一番面白かったかな~。ラブホの火星探検部屋は、逆に狙い過ぎてスベッてたけどね(笑)。それに新幹線をあんなにズタボロにしちゃったウルヴァリンを簡単に途中下車させちゃうJRってどんなけ甘々やねーん!と、まあそこらへんに目を瞑れば、その新幹線での白熱のバトルとか、中2病全開の赤毛の女忍者とか、真田広之のダークサイドに堕ちちゃったサムライっぷりとか、僕はけっこう楽しめたっす。
[DVD(字幕)] 6点(2014-06-17 19:45:45)
1345.  プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 《ネタバレ》 
移動遊園地の曲芸バイク乗りとして全米を転々としていたルークは、久々に訪れた田舎町で昔付き合っていた彼女と再会を果たすのだが、彼女の口から驚愕の事実を知らされる。知らぬ間に彼女は自分の子供を妊娠出産して、彼はいつの間にか父親となっていたのだった。息子の側で過ごすためサーカスの仕事も辞めてしまった彼だったが、現実はどこまでも厳しく、ルークはろくな仕事にもあり付けずしかも彼女にはちゃんとした新しい彼氏が出来てしまう。仕方なく、手っ取り早く大金を稼ぐために、リスクを承知のうえでルークは銀行強盗へと手を染めることに――。物語は、中盤でそんなルークの犯罪ドラマから、偶然彼を追うことになった正義感のとても強い警察官エイヴリーの警察内部の腐敗と戦う彼の物語へと紡がれてゆく。そして15年後、さらには彼らの子供たちへと物語の種子は受け継がれてゆくのだった。まるでそれが親の代から続く宿命だとでもいうように…。理不尽で残酷な現実社会でもがく親と子の苦悩と救済を丹念に描き出すクライムサスペンス。久々に、こんなにも骨太の映画を観たような気がします。2時間20分という決して短くはないこの作品の中に、15年に渡る多種多様な人々のドラマを見事に内包させ最後まで緊張感を途切れさせずに見せ切るこの監督の手腕は、素直に素晴らしいと思いました。豪華な俳優陣もそんな監督の要求に、見事な演技で応えていて見応え充分。第1部と第2部で主役を演じる、ゴズリング、クーパーの熱演は言わずもがななのですが、第3部で主役を演じるデハーン君(やっぱり「クロニクル」の彼だったのですね!)のまだまだ荒削りながら、見る者に鋭いナイフを突き付けるような圧倒的な存在感は凄かったです。将来性をビシバシ感じて今後の成長が今から楽しみ。うん、久し振りに作品世界へとどっぷりと浸れる良質の映画に出会うことが出来ました。この監督の過去の作品もあらためて観てみようと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2014-06-15 23:04:41)(良:1票)
1346.  アフター・アース 《ネタバレ》 
大気汚染と環境破壊により、全ての動植物が人類を攻撃するように進化してしまった遥か未来。人類はとっくの昔にそんな危険な地球を捨て、新たな新天地である惑星ノヴァ・プライムへと移り住んでいた。軍部隊の将軍を務め、人類を救った英雄でもあるレイジは、ある日、息子と共に乗り込んでいた宇宙船が隕石の嵐へと巻き込まれ、とある惑星へと墜落してしまう。気がつくと、息子と自分以外生存者ゼロ、しかもレイジは両脚を複雑骨折し歩くことも出来なくなっていた。仲間との通信機は、ここから何日もかかる場所に墜ちた船体後部の中だ。生き延びる道は、息子キタイがその通信機を求めてたった一人でジャングルを行くしかない。だが、そこはかつて楽園だったものの、いまや危険極まりない地と化した母なる地球だったのだ――。ウィル・スミスとM・ナイト・シャラマンという、ただいまハリウッドでもっとも迷走中の2人がタッグを組み、しかも主役には親バカにもほどがあると失笑されかねないウィルの息子を大抜擢して製作した、観終わってみればやっぱり親バカ爆発なSF超大作。いやー、2人の迷走を象徴するような詰めの甘~い作品でありました。主役を演じるウィルの息子くん、残念ながらあまりにも華がなさ過ぎてこれっぽっちも感情移入できません。それにこれだけ面白そうな設定なのに、肝心のクリーチャーの造形が普通の猿だったり虎だったり鷹だったりでワクワク感が欠片もないところなんか、SF映画としてはもう致命的ですね。あと、主人公を餌にしようとしていた鷹が子供を助けようとしてくれた恩返しにと自らの命を投げ打って助けに来てくれるという、「これは鶴の恩返し・SF鷹バージョンか!」と思わず突っ込まざるを得ない、薄っぺらいヒューマニズムにはもうトホホと苦笑いするしかなかったっす。この2人、いつになったら迷路から抜け出すことが出来るのか、他人事ながらちょっとだけ心配です(笑)。
[DVD(字幕)] 4点(2014-06-09 09:07:15)
1347.  ポゼッション(2012) 《ネタバレ》 
妻と離婚し、愛する二人の娘と離れ離れに暮らすことになってしまった大学のバスケットコーチ、クライド。それでもそんな娘たちと共に過ごせる毎週末を楽しみに、それなりに充実した日々を送っていた。次女、エミリーがフリマで謎の箱を手に入れてしまうまでは――。夜な夜なその怪しげな箱へと語りかけるエミリー、心配するクライドをよそに、次第に彼女の周りでは不穏な出来事が起こり始める。突然寝室の中に乱れ飛ぶ蛾の大群、冷蔵庫の食べ物を漁る謎の生き物、そしてエミリーの喉の奥にはいつの間にか〝それ〟が潜んでいた…。という、極めてオーソドックスでベタベタなエクソシスト作品。うーん、もうちょっと新しい切り口が欲しかったですね。確かに、奇をてらうことなく正統派なホラー映画を創ろうと頑張ってるのは分かるのだけど、あまりにもこちらの予想通りの展開が続くため、現代の映画としてみれば少々古臭いという印象が否めない作品でありました。最後のオチも、後味の良さを優先したのか、次に誰がその箱を拾い悪魔へと取り憑かれてしまうのかも分からずじまいで、ちょっと物足りなかったです。ただ、悪魔に取り憑かれる次女エミリーを演じた女の子がびっくりするくらい美少女で、そんな彼女が身体をはって、蛾を呑み込んだり白目むいたり絶叫したり、果てはパンチラまで見せてくれると言う、体当たりな演技で頑張っていたので、彼女の努力に免じて+1点っす(え、誰がロリコンだって?笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2014-06-02 17:45:35)
1348.  危険なメソッド 《ネタバレ》 
「人間は、男も女も真面目な人もちゃらんぽらんな人もじいさんもばあさんも子供たちも、みんなみんなセックスしたいがために生きとんねん!!」という身も蓋もないリビドー論を確立し、近代における精神疾患治療を飛躍的に向上させた、偉大な精神分析学者であるフロイト(ちょっぴり独断と偏見入ってます笑)。彼の忠実な弟子でありながら、考え方の違いによりのちに袂を分かつことになるユング。精神疾患を患い、そんなユングの患者となる若く美しい女性ザビーナ。長年にわたる彼らの三者三様の愛憎とプライドと性衝動が複雑に絡み合う心理ドラマ。かつてグロ映画界の巨匠として名を馳せたものの、最近はなんだか分かりにくい良く言えば芸術的、悪く言えば退屈な作品ばかり撮っているクローネンバーグ監督、史実をモデルにしたという今作もそんな例に漏れず、最後まで淡々と続く作品でありました。うーん、せっかくフロイトとユングという魅力的な題材を扱っているのだから、そんなシニカルな理論を生み出した彼らの隠された人間的な部分に焦点を当てるとか、最初は患者であるザビーナが回復するにつれて次第に妖艶な魅力を発揮し周りの男たちを狂わせていくとか、あるいは人間の性の深淵をシュールに描き出すとか、そんな他にはない突出した演出が欲しかったですね。過去のクローネンバーグなら確実にそんな方向に作品を仕上げただろうに、そうしなかったのはこれがあくまで史実を元にした作品だからか、あるいは彼が単純に歳取っただけなのか、残念ながら僕は後者としか思えないんだよね~。うーん、最後まであまりにも淡々と続くため、僕にはちょっぴり退屈な作品でありました。おっぱいちょろ出しキーラ・ナイトレイのお尻ペンペンシーンに+1点!
[DVD(字幕)] 5点(2014-06-01 13:29:23)
1349.  完全なる報復
妻子を殺され復讐の鬼と化した男と、自己中心的なエリート検事がかつての残虐な事件を巡って息詰まるような攻防戦を繰り広げるという話なのだが、途中から終盤にかけて完全にストーリーが破綻している。特に改心したはずの検事が犯人を目の前にして刑務所もろとも爆殺しちゃうって……。けっこう重厚で良質の犯罪映画を撮ってきた監督だっただけに、とても残念な映画だった。
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-30 20:46:55)
1350.  ペネロピ 《ネタバレ》 
私はペネロピ、魔女の呪いを掛けられたウィルハーン家の一人娘なの。どんな呪いかって?それはね、大きな豚の鼻を持って生まれてきちゃったんだ――。そんな大きな豚鼻のせいで、長年ウィルハーン家の大きな屋敷の奥深くでひっそりと生活してきたペネロピ、彼女の呪いを解く方法は良家の心優しい男性と結婚することだった。しかし、その醜い鼻のせいで、お見合い相手は彼女の姿を見るとみんな逃げ出してゆくばかり。そんなおり、スクープを狙う新聞記者が、ギャンブルのせいで落ちぶれた良家の息子をスパイとして雇いそのお見合いへ潜入させるのだった。だが、彼の存在がペネロピの硬く閉ざされた心を次第に変えてゆく…。正直、こういう“ほんわかほのぼのファンタジー”は個人的に苦手なのだけど、豚鼻クリスティーナ・リッチちゃんと鋭い目線がダンディなマカヴォイ君が主演だし、ジャケットもちょっぴりダークな雰囲気だし、「もしかしたら…」と思い、この度鑑賞してみました。なんだけど、いやー、見事に大失敗(笑)。この、何も悪いことが起きず誰一人心の底からの悪人も出てこない、こういう軽~いタッチのロマンティック・コメディってやっぱり苦手っす。豚鼻を見て窓を蹴破って逃げ出す男たちにも、「いやいや、現実には豚鼻じゃなくても逃げ出したいくらいブチャ〇クな人って大勢居るじゃん!それくらい我慢しろよ~」と思わず突っ込んじゃいました(笑)。それに、この「人間は見た目じゃなくて中身が大事なんだよ、うむうむ」という、まるで学校の道徳の教科書を無理やり読まされたようなあまりにも薄っぺら過ぎるテーマにも辟易です。うーん、僕はやっぱりティム・バートンやギレルモ・デル・トロみたいにあくの強~い、時には反道徳的ですらあるダークファンタジーの方が好みですね。でも、こればっかりはジャケットだけじゃ分からんし、地道に観て発見していくしかないんだよね~。こういうのが好き!って人には、ごめんなさいなんだけど、僕は3点っす。豚鼻でもクリスティーナ・リッチは充分可愛かったけどね。
[DVD(字幕)] 3点(2014-05-28 17:41:55)(良:1票)
1351.  オール・アバウト・マイ・マザー 《ネタバレ》 
女手一つで育てあげた一人息子を、その17歳の誕生日の日に事故で亡くしてしまったマヌエラ。深い絶望から逃れるようにマドリードを去り、彼女はたった一人、思い出の地でもあるバルセロナへと辿り着く。そこで当時の親友だったオカマのアグラードと再会を果たすと、マヌエラは共に息子の父親を捜し始めるのだった。あなたにはちゃんと息子が居たということを伝えるために――。ヘビースモーカーの舞台女優、彼女から同性愛的寵愛を受ける麻薬中毒の若手女優、エイズを患う男の子供を身篭ってしまうシスター…、そんな個性豊かな女たちが織り成す、母親やこれから母親になる予定のそして誰しもが女優でもある全ての女性たちへと捧げられたアルモドバル監督の賛美歌。のちに耽美的変態路線を突き進むことになる同監督の世界的な名声を得るきっかけとなった今作ですが、これは女性たちのユートピアを描いたある種のファンタジーですね。オカマが男に襲われているところを主人公が救ったところから、もうこの映画には男の性欲が一切出てこなくなります。ただ、男は精子を提供するだけの存在になってしまうのです(その象徴がオカマなのに男性器だけはある、あのお父さんでしょう)。女をねじ伏せようとする男たちの性欲が微塵もない世界で、実に活き活きと人生を謳歌する彼女たちの力強い友情物語に静かな感動を覚えます。そして、これはあくまでも変態監督アルモドバルの作品です。丹念に読み解くと、ここには女性の美しさを礼賛するあまり、彼女たちを汚してしまうだろう自らの性欲を去勢してしまいたいという究極のM願望を見出してしまうのは僕だけでしょうか。とにかく、多くの女性の皆さんに堪能してもらいたい美しい作品でありました。「何言ってんの?こいつ」という苦情は受け付けません(笑)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-05-24 18:07:51)
1352.  アンチヴァイラル 《ネタバレ》 
そう遠くない近未来、庶民は一握りの選ばれしセレブたちへと憧れるあまり、彼・彼女らが感染したウィルスを培養し自らの体内に注射してくれるという、異常ともいえる新サービスに熱狂していた。ルーカス・クリニックという、その中でも最大手の会社で働く研究員シドは、何度も上司の隙を突き、そんなセレブの病原菌を自らの体内に感染させ外へと持ち出すという方法で裏へと横流ししていたのだった。そんななか、同僚のウィルス密売がばれたことをきっかけにシドにも疑いの目が向けられ始めてゆく――。グロ映画界の巨匠(最近はそうでもないけど)クローネンバーグの息子が初監督をつとめたという今作は、そんな父のDNAを濃密に受け継ぐなかなか気持ち悪~いグロ映画でございました。まあ、黒を基調とした映像が特徴だった父親との違いを強調したかったのか、こちらはあくまで白を基調とし、そこにまるでスポイトですっと混ぜるように染まる赤黒い血の描写がなかなか印象的だったのだけど、残念ながらストーリーと世界観が完全に追いついていません。ウィルスを注射された客たちが、それでいったいどんな利益を享受できるのか最後までいまいちよく分からないせいで、一向にこの世界に入り込めませんでした。そして肝心のストーリーの方も、主人公を初めとする登場人物たち誰もがいったい何がしたいのか、さっっっっぱり理解不能で退屈極まりなっかったです(睡魔という名の小さな妖精が、僕の耳元で「瞼を閉じちゃえば楽になれるよ…、ほら、早く」と何度も囁きかけてきて、最後まで観るのがホント大変でした)。うーん、親の七光りにもならなかったですね。ブランドン君、もっと親父の過去の作品をじっくり観て勉強し直してから次の作品を撮ってください。
[DVD(字幕)] 2点(2014-05-21 20:29:34)
1353.  コレクター(2012) 《ネタバレ》 
これは事実を基にした物語である。アメリカの中都市、バッファローでは毎年冬になると謎の犯人によって娼婦たちが誘拐されるという事件が起こっていた。警察の懸命な捜査にも関わらず、犯人の居所も誘拐された娼婦たちの行方もその糸口すら掴めない。予算の都合で捜査の打切りを宣言する警察。ずっとその事件を担当していた刑事マイクは、諦めきれず独自に捜査を続行するのだったが、そんなおり、反抗期の自分の娘が図らずも犯人によって誘拐されてしまうのだった――。雪深い地方都市を舞台に、娼婦をさらってきては自宅の地下室へと監禁し、暴力によって擬似家族を作ろうとする猟奇犯と、さらわれた娘を決死の覚悟で追う刑事との攻防を描くサイコ・サスペンス。とにかく、「羊たちの沈黙」の影響をもろに受けているのですが(これってパクリでは…ってくらい、同じような画や音楽が随処に使われてます)、犯人の異常さや凶悪さが全くと言っていいほど伝わってこず、おかげでそんな作品に一番大切であろうハラハラドキドキ感が見事なまでに感じられない残念な作品でありました。それに設定に無理があり過ぎ!何人も地下室に居るのだから、所詮犯人は一人なんだし、みんなで一致団結すれば簡単に叛乱出来そうなもんなのに素直に従う監禁された女性たちが、医者の手助けもなくきったな~い地下室で簡単に帝王切開で子供を産んで育てちゃったり…。挙句の果ては、「なんじゃそりゃー!」と何度も大声で叫びだしそうになるくらい、強引で無理やりであり得へんオチ。「そんなこと言われたって、だって実話だもん」という嘘八百な言い訳(だったら、とっとと真犯人捕まえに行けっつーの!笑)で、言い逃れしようとするこの作品のスタッフたちにはもう教育的指導っす!!あと、最近トホホな凡作への出演が相次いでいるジョン・キューザック、この頃なんだか小粒なニコラス・ケイジに見えてきちゃってちょっぴり心配(笑)。
[DVD(字幕)] 3点(2014-05-18 16:11:42)
1354.  バレット(2012) 《ネタバレ》 
俺はデカを助けた。普通ならしないが、信念を曲げなきゃならん時もある。これからその話をしよう――。長年、殺し屋として裏社会の第一線で活躍してきたジミー。ところがある夜、若い相棒と共に簡単な仕事をこなしバーで祝杯を挙げていたら、謎の男によってその相棒を殺されてしまう。「この依頼には何か裏がある…」そう確信したジミーは、同じく元相棒を殺されたアジア系の若い刑事と不本意ながらもタッグを組み、事件の黒幕を求めて夜の街へと繰り出してゆく。だが、ジミーの娘である女刺青師リサにも犯人の魔の手が迫るのだった…。スタローン主演、監督は名前を聞いて正直「へー、まだ生きてたんだ~」と思っちゃったウォルター・ヒルという、旧世代の遺物のような2人が製作した恥ずかしくなるくらい超ベタベタなアクション・エンタメ作品でした。さすがに還暦過ぎたスタローンがまだまだ現役バリバリの殺し屋役って、やっぱ無理があると思うんですけどー。なんか動きがいちいちドタドタしててキレがないし(笑)。それに完全アナログ親父のスタローンと、ケータイで何でも瞬時に情報を手に入れちゃう若いハイテク刑事という正反対な2人が黒幕を追ううちに次第に友情を育んでいくという、いかにも古き良き時代のアクション映画を楽しみたいお父さん世代に媚を売るようなストーリー展開に、僕はちょっぴり辟易でした。「ほら、そこのお父さん、そろそろ若い女の裸見たいでしょ!さあ、どうぞー!」と言わんばかりに出てくるパーティー会場での若い女たちのヌードも、あまりにもサービス過剰感があってなんか馬鹿にされてる気がしちゃいました(まあ、目を見開いて見入ったけどさ笑)。うーん、スタローン&ウォルター・ヒルとは言え、さすがにこれは古臭いっす。5点!
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-18 09:05:39)
1355.  欲望のバージニア 《ネタバレ》 
下の兄貴フォレストが言った、俺たち兄弟は絶対に死なないって――。1931年、禁酒法が施行されたアメリカ、のどかな自然の風景が拡がるバージニアで、酒の密造に手を染めるポンデュラント三兄弟は順調にその商売を軌道に乗せつつあった。そんなやり手の兄貴たちに憧れと引け目を感じながらも、末っ子ジャックは早く一人前の男になろうともがく日々を過ごしていた。だが、そこに蛇のように狡猾なレイクス検事がやってきたことから、事態は急にきな臭くなり始める。情熱的な長男、カリスマ性に富んだ次兄、都会から逃れてきたどこか陰のある美しい女、伝説的な大物犯罪者、そしてジャックがほのかな恋心を抱く教会の可憐な少女…、バージニアを舞台にそんな多彩なエピソードを交えて描かれる濃厚な犯罪ドラマ。こういう題材を扱った映画って、普通は夜の匂いを漂わせる都会を舞台に描かれることが多いのだけど、今作の特徴は、どこまでも穏やかな田園風景が拡がる田舎ののどかな雰囲気の中に描き出したところが特徴ですね。実力派の役者陣が織り成すツボを押さえたストーリー展開はなかなか楽しめました。特に、グロ描写もふんだんに取り入れた犯罪ドラマでありながら、末っ子ジャックの青春ラブストーリーとしても観れるこの監督のバランス感覚はなかなか秀逸。ねっとり横分けガイ・ピアーズのいかにも粘液質なイヤらし~い悪役っぷりも良かったです。まあ、実話を基にしたと言いながらも、けっこう荒唐無稽な部分が散見されるのはご愛嬌だけど(首をざっくり切られた次兄が死ななかったばかりか、数日入院しただけで簡単に退院してすぐに元気に元通りって、おい!笑)。あと、ちょっぴりエピソードを盛り込みすぎかなってところも若干気になったけど、うん、普通に面白かったっす。
[DVD(字幕)] 6点(2014-05-18 09:01:25)
1356.  おおかみこどもの雨と雪 《ネタバレ》 
大学で出会った、謎めいた青年は実はおおかみおとこだった――。そんな境遇の違いを乗り越え、彼へと惹かれていく女子大生・花はやがて彼の子供を身篭ってしまう。誰にも知られず、都会の片隅でささやかな幸せを育んでいく花とその家族たち。だが、現実は何処までも残酷でおおかみおとこである彼は不慮の事故により帰らぬ人に。生きていくのが難しい都会に見切りをつけ、花は愛する二人のおおかみこどもと共にのどかな田園風景が拡がる田舎へと移り住むのだった。純朴で優しい村の人々、辛いけど遣り甲斐のある農作業、そして静かに巡りくる四季折々の美しい自然の風景…。様々な困難に出会いながらも、子供たちはそこで少しずつ大人になってゆく。普段、ピクサーとジブリくらいしかアニメは観ないのだけど、この監督の前作「サマーウォーズ」のそのいかにも童貞中高生が夢見そうなラブコメワールドには辟易させられたものの、そのシャープでポップな映像はなかなか良かったのと、それに公開当時けっこう話題になっていたのとでこの度鑑賞してみました。確かに、何処までものどかな田舎の春夏秋冬を瑞々しく描き出す映像は相変わらず美しかったのだけど、やっぱり今回もいかにも若い男の子が夢見そうな甘っちょろ~いストーリーには辟易させられました。何処までも綺麗で優しい理想的なお母さん像、思春期を迎えたお姉ちゃんのいかにもな初恋描写、そして弟はおおかみと人間の間で揺れ動くアイデンティティの脆弱さに(あくまでクールに)思い悩む…。もう全てがベタで甘いです。子供を持つ親なら誰もが声を揃えてこう言うでしょう、「子供は、こんな簡単に育てられんつーの!」。この監督さん、センスはかなり良いと思うので、次はもう少し大人な視線をもって作品を創ってくれることを期待します。
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-15 11:37:56)
1357.  2ガンズ 《ネタバレ》 
メキシコの凶悪な麻薬王パピとヤバい取引を続けているワルの二人組み、ボビーとスティグにはお互いに隠している裏の顔があった。ボビーは麻薬取締局の潜入捜査官、スティグはアメリカ軍の特命を担う兵士だったのだ。パピを牢屋へとぶち込むため、彼の裏金を隠してある銀行を襲うことに決めた2人だったが、様々な組織や人間たちの思惑から事態は意外な方向に。凶悪なギャングたち、麻薬取締局、アメリカ軍、果てはCIAまでが乗り出してきてお互いに騙し騙されの賑やかな展開が続くアクション・エンタメ作品。デンゼル・ワシントン&マーク・ウォールバーグという2大人気俳優が競演した、オーソドックスなバディものと思いきや、途中で敵同士になったり、やっぱり相棒に戻って敵と戦ったりと、そんなテンポ良く進む娯楽に徹したストーリー展開は確かに好感が持てるのだけど、ちょっと僕の好みではなかったですね、これ。なんだか全体的に無難で作りが優等生に過ぎて、心に残るものがいまいち乏しかったです。ロドリゲスまでとは言わないけれど、ラテンのノリが支配するメキシコが舞台なんだし、もうちょっと無茶苦茶で馬鹿やってくれても良かったと思うんだけどな~。アクの強いデンゼルと何処かお間抜けなマークの飄々とした相棒っぷりはなかなか楽しかったけど、明日には速攻で忘れてしまいそうな作品でありました。でもまあ、これは好みの問題。ビールと枝豆片手に暇潰しに観る分にはぼちぼち楽しめると思いまーす。
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-15 11:16:33)
1358.  孤独な天使たち 《ネタバレ》 
団体行動が苦手で学校でも浮いた存在である14歳の少年ロレンツォは、過保護で口うるさい母親から少しでも離れたくて、スキー合宿へと参加すると嘘をつき、いまは離れて暮らす父親の所有する地下室へと勝手に潜り込むのだった。数日間の孤独なバカンス、水槽に飼育された蟻の巣を眺めたり、好きな音楽を聴いたり、そんな自由気儘な生活を謳歌しようとした矢先、彼の腹違いの姉オリヴィアが「何処にも行き場所がないの。お願い、中に入れて!」と強引に転がり込んでくる。がさつで無神経なそんな彼女に、当然のように出て行くことを強要するロレンツォ。だが、オリヴィアが麻薬中毒から必死に立ち直ろうとしていることを知った彼は、そのアルマジロの皮のように硬い殻で覆われた孤独な心を少しずつ開いてゆく…。都会の片隅、誰も知らない暗い地下室での数日間に限定された姉と弟の屈折した交流を繊細に描き出す、巨匠ベルトルッチ監督の約10年ぶりとなる待望の復帰作。いやー、齢70を過ぎて、まだまだこんなに鬱屈した少年の心理を瑞々しく描けるなんて、さすがはベルトルッチですね。そんなブランクを微塵も感じさせない気品に満ちた青春ドラマの佳品でありました。舞台はほぼ薄汚れた地下室のみ、登場人物もほぼこの少年とその姉のみなのに、見事な手腕でもって構築された刹那的で深い物語世界に、最後までしっとりと浸ることが出来ました。最初はいけ好かない印象の姉が、実は夢破れた孤独な少女として少しずつ弟と心を通わせてゆき、次第に外の世界へと興味を向け始めていく自然な描写とか、もうさすがの貫禄。病のせいで、映画製作から遠ざかっていたというベルトルッチのこの10年間がつくづく残念でなりません。
[DVD(字幕)] 8点(2014-05-12 00:13:14)
1359.  エンド・オブ・ウォッチ 《ネタバレ》 
俺は警官だ、お前を逮捕する。法律は俺も嫌いだが、犯罪者は鉄の檻にぶち込む。殴られれば殴り返す。撃たれたら撃ち返す!だが、警官だって人間だ。血も流せば、悩み苦しみ、人を愛しもする。それでも俺たちは仲間のためなら身を投げ打ってでも助けに行く。バッジと銃を持つ運命、今日も俺は相棒とともに街へと繰り出す――。世界でも有数の治安の悪さを誇る大都会LAで、警官として多忙な日々を送るブライアンと彼の相棒マイクとの常に死と隣り合わせの危険な日常を、ドキュメントタッチの乾いた映像で描くポリスアクション。冒頭から、彼らの車載カメラと手にしたビデオカメラのブレブレ映像が続き、これはいわゆるPOV作品の警察バージョンなんだろうな~と思いながら観ていたのだけど、完全にそうでもなくて、場面転換に夜の街の空撮映像が差し挟まれていたり、現場へと踏み込んでいく場面で急に二人の後からその姿を追う神視点の映像に切り替わったりと、その二つの映像を使い分ける絶妙のバランス感覚に監督のセンスを感じました。おかげで彼らと凶悪な犯罪者たちとの鬼気迫るようなやり取りや、緊迫感溢れる銃撃戦など、まるで自分もその場に居合わせたような臨場感を味わうことが出来たっす。それにしてもアメリカの警察にだけは絶対に就職したくないですね~、片目にナイフをズバッとなんて目には死んでも遭いたくない(笑)。最後に描かれる、そんな危険な日常を少しでも和らげようといつものように軽薄でくだらない会話を交わす彼らの姿が、その後の哀しい展開を思うとなかなか切ない余韻を残してくれます。ただ、中盤の中だるみ感はもう少し何とかして欲しかったですかね。結婚式のシーンをもう少し削って、90分くらいに纏めてくれればもっと良かったかなとも思いました。いやー、それでもけっこう面白かったっす。
[DVD(字幕)] 6点(2014-05-11 19:51:15)(良:1票)
1360.  ザ・ワーズ 盗まれた人生 《ネタバレ》 
とある中堅作家が新作の発表に合わせて、自作を語る朗読会を開く。その内容とは――。主人公は作家志望の貧しい若者ローリー、ひたすら書いては出版社へと原稿を送るものの無下に断られる鬱屈した日々を過ごしていた。そんなおり、彼は偶然手に入れた鞄の中から、古びた小説の原稿を発見する。「これは傑作だ…」一読してそう確信したローリーは無我夢中で、それを一言一句漏らさずパソコンへと書き写し、駄目だと分かっていながら、長年自分を支えてくれた愛する妻を助けたい、何より自分のことを世間に認めてもらいたいと、それを編集者に読んでもらい出版へとこぎつけることに。本当の作者がどんな想いでこの小説を書いたかも、自分の才能を信じてついてきてくれた妻の信頼をどれほど裏切ることになるかも知らずに…。自作を語る中堅作家の物語と、彼の新作小説の内容として語られるそんなローリーの物語と、自作を盗用された年老いた男の過去の哀しい恋物語が、複雑なメタ構造で絡み合う哀切な人間ドラマ。そんな複雑な構造の作品なのに、極めて分かりやすいストーリーテリングのおかげで最後までストレスなく観ることが出来て、そこは素直に良かったです。それぞれの恋物語も実力派の役者陣の熱演(ブラッドリー・クーパーの目力は凄い!)のおかげでなかなか楽しめました。ただ、その作風に監督が溺れてしまい、どうしてこんなメタ構造で作品を描かねばならなかったのか、その意義を最後まで見出せなかったことが少し残念でしたね。特に曖昧でよく分からないこのラストは、かなり投げっ放し感が強くて大きくマイナスポイント。それでも、そんなラスト以外は、しっかりと創り込まれた人間ドラマとしてけっこう見応えありました。取り敢えず、もしかしたら大作家になれたかも知れないあのおじいちゃんの人生は本当に哀しいですね。うん、やっぱり盗作しちゃ駄目。
[DVD(字幕)] 6点(2014-05-11 16:22:56)
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