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コメント数 1395
性別 男性
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121.  モダン・タイムス
 トーキーへの移行に対するチャップリンのサイレントへの拘りをぶつけた問題作。唯一「ティティナ」で歌声を聞かせる以外はパントマイムに徹して痛快。その「ティティナ」も「音が聞こえるなんて、こんな風に意味のないモノだ」と言わんばかりの歌詞の意味不明さ・無国籍ぶりは勿論確信犯。工場シーンでルネ・クレールの「自由を我等に」からの影響アリアリなのが、天才の彼にしてはチト意外なので若干マイナス。何度でも言うが、彼は単なる喜劇俳優じゃあナイからね!不世出の天才映画作家であることをキッチリ踏まえて鑑賞して欲しい。
9点(2003-01-01 12:31:06)(良:1票)
122.  或る夜の出来事
 流石に当時のオスカーを総ナメにしただけのことはある。コルベールもゲーブルも実に魅力的。モロに濡れ場を見せるような下品さを避け、「ウォール・オブ・ジェリコ」で表現する上手さ!ヒッチハイクの名シーンも後に数々の映画がパクったが、矢張りオリジナルが最高!結局こういうのって、作り手のセンスの問題であって時代の新旧じゃあないんだよね。キャプラの楽天性を嘲笑うのは簡単だけど、そういうシニカルを気取った連中って「エンターテインメント」というモノが分かってるのか?辛気くさいリアルさを描いてりゃ芸術だとでも?勘弁してくれ…!
9点(2003-01-01 04:56:25)(良:3票)
123.  イントレランス
 全く時代の異なる四つのエピソードを同時並行させる力業は正に空前絶後!「映画の父」デヴィッド・ウォーク・グリフィスの代表的な傑作がコレ。矢張り圧巻はタヴィアーニ兄弟の「グッドモーニング・バビロン!」でも描かれていた”バビロン空中庭園”篇。アレを越えるスペクタクルはCG全盛の現在でも絶対に無理だろう。要はセンスの問題。ただ、今日の視点でも難解な本作のプロット構成は、当然ながら公開当時も不評で大コケ。膨大な制作費を回収できなかったグリフィスは以後小品しか撮れなくなってしまいフェイドアウトするきっかけになったのは残念であり皮肉でもある。時代は未だ彼の先進性に追い付いていない?!
9点(2002-12-31 17:30:38)
124.  ベン・ハー(1959)
 19世紀末のベストセラー作家ルー・ウォレスの原作3度目の映画化だったことは殆ど知られていませんが、かく言う私も1907年版は未見。しかーし!1926年版(フレッド・ニブロ監督・ラモン・ナヴァロ主演)は観ましたよ!ワイラー版に優るとも決して劣らぬ、映画史上に残るべき傑作でした。ダイナミックな戦車競争シーンも26年版という格好のテキストがあればこそ、という感を強くしましたね。ワイラーのキャリアは1920年代からなので、26年版は絶対に当時観て影響受けまくったハズ!もしワイラー版が完全オリジナルだったのなら、オスカー最多11部門受賞も納得だったんですがネェ。原作付きな上に(サイレントとは言え)手本となる26年版の存在まで加味すると、評価もキッチリ割り引くのが妥当というものでしょう。よって9点。因みに26年版はオスカーを一つも受賞してません。当然です。だってアカデミー賞がスタートするのはその翌年(1927年)ですから。マァ、仮にスタートしてたとしても、まだ部門数も少なかったからワイラー版の最多受賞記録は揺るぎなかったでしょうが。興味のある方は是非26年版も一見することを強くオススメ致します!
9点(2002-12-31 14:40:21)(良:1票)
125.  地上より永遠に(1953)
 直訳なれど、この名邦題。仮に今リメイクしたら、タイトルは絶対「フロム・ヒア・トゥ・エタニティ」だろーな(^^)。センス無さ過ぎにも程があるぞ、昨今の邦題は!シナトラがこの役(オスカー助演男優賞を受賞!)を得るために何をしたか、「ゴッドファーザー」でも描かれていたのは有名なハナシだが、既に当時からジンネマンの監督作品には、きっと後世に残る傑作になるであろうという信頼が厚かったのだな、という何よりの裏付けと言えよう。実際名作だし。あんなカッコイイ不倫場面は空前絶後!
9点(2002-12-27 04:19:05)
126.  切腹
 時代劇初挑戦の小林正樹監督にとって、橋本忍の脚本を得たことが成功の第一歩となった。彦根藩江戸屋敷を舞台に回想が入り乱れる怒濤のストーリー展開は並みのシナリオ作家には到底無理だった筈。石浜朗の若侍(千々岩求女)の竹光による悲劇的な死に様、リアルなお歯黒メイクの若き岩下志麻の熱演等見所も多いが、仲代達矢扮する津雲半四郎が丹波哲郎演じる沢潟彦九郎相手に見せるケッタイな剣法(胸の前で腕を交差させる)だけが何か浮いてしまっており、やや減点。ラスト、半四郎の大立ち回りで家宝である井伊家の赤備えを滅茶苦茶にされ、茫然となる三國連太郎演ずる家老・斎藤勘解由の表情がイイ。武満徹の音楽も秀逸で正に異色の時代劇。
9点(2002-12-24 12:11:16)(良:1票)
127.  メトロポリス(1926)
 こういう古典作品の評価には時代を先取りした映像の革新性というものを、もっと考慮に入れないと!そりゃ何でもアリの現在のCGと比較すりゃ陳腐でしょうよ。でも、当時の発想としてはスゴ過ぎる!ブリギッテ・ヘルム演ずる「マリア」を越える女性型ロボットがその後一体でも登場したか?C-3PO?…ってジョークは無しにしようや、セニョール。
9点(2002-12-24 03:02:08)
128.  激突!<TVM>
 リチャード・マシスンの珍しくナイスな原作(サスペンス物ばっかり書いてるがハズレ多し)を得て、TVムービーで作り上げた若きスピルバ-グの処女作にして(多分)生涯の最高傑作!以後幾多の作品を発表しているが、個人的にコレを越える傑作にはお目に掛かっていないのが現状。「金を掛けりゃあ、良いってもんじゃあないだろ?」とハリウッドのお偉方に大見得切ったようなチープなシチュエーションとダイナミックな演出はもう拝めないのかナァ…。原題は「Duel」。決闘、ですか。確かに。余談ですが、私もラジエーターホースが破裂してオーバーヒート!ボンネットからモウモウと白い煙が立ち上った経験有り。それもよりによって一番交通量の多い交差点のド真ん中で!デニス・ウィーヴァー扮するセールスマンの気持ち(オーMYガッ!)がイタイほど理解できた瞬間でした…。
9点(2002-12-22 02:55:38)(良:1票)
129.  遊星からの物体X 《ネタバレ》 
 J・W・キャンベル・Jrの古典「影が行く」を下敷きにしているため、いつものカーペンター作品(自分で脚本も書く)に付き物のシナリオの破綻がないのが今回の勝因。サスペンス描写やショック演出に出色の才能を持ちながら独善に陥りがちだった異才が初めて放った会心作が本作。しかしながら本作をカルト化させた最大の功労者は当時22才前後だった若きSFXマン、ロブ・ボッティンであることに誰も異論はないのでは。CGなど駆使せずとも悪夢の如きオブジェを嬉々として作り出したもう一人の異才。異才同士の運命的出会い、といったものを感じてしまうが実際は「ザ・フォッグ」に続いて二度目だったりして。ボッティンの過剰なまでのSFXが仇となり米本国では大コケだったが、その後ジワジワと再評価されカルト的人気を得る、ってまんま”物体X”そのものだナw。個人的には、そんな米本国の評判など一切予備知識ナシに劇場で観て充分満足した記憶があり、後にそのことを知って意外に思ったものだった。矢張りあれこれ前評判に振り回されず、自分の判断に忠実に鑑賞するのが吉ってコト!原作に忠実な点では確かに1951年版「遊星よりの物体X」よりも、こちらが上。原作が古典SFたる所以は何よりも「生き物(The Thing)」が”同化して相手ソックリに成りすます”ことから湧き上がる隊員同士の疑心暗鬼ぶりにあり、そこから生まれる閉鎖空間でのサスペンスがハイライトだったわけだし。ただ難を言えばキャンベルJrの原作も51年版作品も隊員数が多いってか多過ぎ!そこへ行くと本作では程良い人数にシェイプアップされており(余計なヒロインとかもカット!流石カーペンター♪)むさ苦しい中にも絶妙な緊張感を醸し出していると思う。↓で何かラストで生き残った二人の内、一人の息が云々とか仰ってるけど、ベニングス(ハゲでヒゲのオッサン)に変身途中だったXが基地の外で奇声を上げながら吐く息は白かったっしょ??身も蓋も無いネタバレでスマソw。
9点(2002-12-22 02:15:34)(良:1票)
130.  ダイ・ハード
 B・ウィリスにとっても、J・マクティアナンにとっても正にBEST。勝因の大半は練り込まれたプロットの巧みさにありますが、有名俳優を一切使わず、個性派で固めたキャストも可成り貢献していると思います。特にハンス役のアラン・リックマンとカール役のアレクサンダー・ゴドノフの好演が光ります。テオ役の黒人もコンピューター・ハッキングを担当する知能犯を演じる皮肉さが利いていますし。 2,3の敗因の一つに「悪役のインパクトの弱さ」が挙げられると思いますね。確かにフランコ・ネロやJ・アイアンズの方が知名度では上かもしれませんが、何をしでかすか読めない不気味さ等が決定的に欠落していました。 W・アザートンの突撃レポーターもB・ベデリアにグーで殴られるまでは笑えましたが、2でのスタンガンを食らわされる辺りになるとチトやり過ぎで興醒めでした。レジナルド・ベルジョンソン扮する黒人警官も本作では最後にオイシイ所を持っていく役回りでしたが、2では顔見せ程度の出演で寂しい限り…。「正編を凌ぐ続編無し」の法則は本シリーズも例外ではなかった、ということですネ。
9点(2002-12-22 00:59:49)(良:1票)
131.  フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ 《ネタバレ》 
前作「フランケンシュタイン対地底怪獣」の姉妹編?的ポジションだが、前作よりも完成度が高い稀有な一例。成功の要因は幾つか有るが、何と言っても本多監督自身が馬淵薫と共に書き上げた渾身のシナリオであろう。とにかく極力ムダを省いた抜群のテンポで一気呵成にラストまで見せる物凄い馬力に圧倒される。第2にサンダとガイラを俳優に演じさせる愚を繰り返さず、(成田亨デザイン・利光貞三造形の)着ぐるみにしたこと!殊にガイラはスーツアクター中島春雄のパワフルな演技により出色の出来映え。海を目指して疾走する姿は従来の鈍重にノッソリ歩く東宝モンスターとは完全に一線を画していた。第3に皆さんご指摘のメーサー殺獣光線車による抜群の視覚効果。漲るハイテンションのL作戦シーンは伊福部昭の勇壮な「L作戦マーチ」の音響効果と相俟って屈指の名場面に仕上がっている。難点は…強いて挙げれば「ビアガーデンの女性歌手が歌うシーンの冗長さ」、「ラス・タンブリンのスチュワートがやや木偶の坊」と「終盤の海底火山噴火が唐突で不自然」辺りか。しかし満足度の高さで8点進呈。怪獣映画かくあるべし!
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-21 02:48:27)
132.  バラキ 《ネタバレ》 
まず最初にハッキリしておきたいのは、本作は”実話を基にした”フィクションなのではなく、「登場人物は全て(マランツァーノもルチアーノもジェノヴェーゼも)実名であり実在の人物である」「描かれた出来事は全てバラキの告白に裏打ちされた歴史的事実である」というコト。この辺をキチンと踏まえて観ないと、本作がコッポラの「ゴッドファーザー」や深作の「仁義なき戦い」の亜流みたいな勘違いをされかねないので敢えて無粋な注釈をした次第。テレンス・ヤングは凄くムラっ気のある監督だが、本作では随所に持ち味のパンチの効いた演出を見せ実に手堅い。数少ないアタリとみて間違いなかろう。ヒゲなしブロンソンの男臭さと裏切りの苦悩を滲ませる演技も天晴れ!いわゆる「マフィア」が俗称であり、組織の正式名称が「コーザ・ノストラ」であることも私は本作から教わった。尋問を担当していた連邦捜査官と互いに利用された悲しさを共有し合うラストも余韻を感じさせて良し。8点。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-10 23:46:57)
133.  マジンガーZ対暗黒大将軍 《ネタバレ》 
公開から30余年が経過しようとしているが、今も尚コレを超えるインパクトを有したロボットアニメは(まぁつぶさに全てのアニメを検証した訳ではないけどサ)他にあるまい。それほどまでに本作におけるマジンガーZとグレートマジンガーの交代劇は当時の児童にとって筆舌に尽くし難い衝撃的なイベントであったのだ!まずもって主役たるロボットをよくぞここまで容赦なくサディスティックに痛めつけ満身創痍にしたものだ、とスタッフの英断には感心させられる。TV放映中にも多少のピンチは幾度かあったものの、敗北や死を予感させるような危機に甲児が見舞われたことなどほぼ皆無だっただけに観る者の不安・焦燥はいかばかりかご想像いただけるかと思う。だからこそ雷鳴と共に颯爽と登場し、絶体絶命のZを救援するグレートの勇姿と縦横無尽・快刀乱麻の大活躍にも尋常ではないカタルシスが生まれる。TV版最終回のようにZが戦闘獣にやられっ放しのまま終わるのではなく、反撃に転じつつグレートに借りた剣で敵の司令官にとどめを刺すラストも配慮が見られ嬉しい。惜しむらくはグレートの操縦者・剣鉄也のCVがニヒルな低音ボイス野田圭一ではなくチョット甲高い声の田中(デビルマン)亮一だったことと、タイトルロールたる暗黒大将軍が対決など一切せず、単なる顔見せに過ぎないばかりか「余の機械獣を云々」とチョンボ発言まで犯していたこと。併せて2点マイナス。でも、理屈が先走りロボットの活躍そっちのけで小難しい鬱な人間ドラマに傾倒しがちな昨今の妙なロボットアニメなんかよりゃ、遥かに血沸き肉踊らせる”熱い”傑作であり、後代に与えたその影響は甚大であるコトは疑う余地のない事実。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-30 02:48:51)(良:1票)
134.  あにいもうと(1953) 《ネタバレ》 
かつて1936年に木村荘十二監督によって「兄いもうと」の邦題で映画化された室生犀星の原作を名匠・成瀬がリメイク。味わいと完成度で旧作には惜しくも及ばないものの、こちらも実に素晴らしい。何より古き「日本の夏」の情景をここまで活写した作品はそうそう無い。表の往来に打ち水・井戸に吊るして冷やした果物・川辺で網を振るっての魚採り・壜入りラムネ・ふんどし一丁で川に泳ぐ子供ら・日傘・かき氷・もんがパクつくアイスキャンデー…etc。元来ストーリーに拘りのない成瀬は伊之ともんのいかにも新派好みな兄妹愛場面を極力省略し、愛憎劇の舞台たる(今は失われた自然豊かな)多摩川沿いの状況描写を優先させた。結果として劇的な昂揚感(ドラマツルギー)は著しく減退したが、うだるような夏の情景はしっかりとフィルムに込められることとなった。その是非は観る者の判断に委ねたい。俳優アンサンブルとしては母りき役の浦辺粂子が矢張り絶品。ダメダメな夫・息子・娘を欠点込みで丸ごと愛する包容力を誇張の無い全身の演技で見せる上手さときたら溜め息が出そうな程だ。気の弱そうな大学生・小畑を演じた船越英二の飄々とした個性も実に良かった。森雅之はウマイことはウマイけど、余りに作り過ぎた役柄なのが些かハナについたので若干減点。木村版の丸山定夫が見せたブルーカラー丸出しの石工職人ぶりには及ばず。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-23 01:43:31)(良:1票)
135.  ジャイアンツ 《ネタバレ》 
本作でジョージ・スティーヴンスが見せる悠々たる大河ドラマ演出に、昨今の●HK大河ドラマ制作スタッフは括目せよ!と声を大にして言いたい。二流の大根アクターに過ぎないロック・ハドソンが(ジョーダン役で)かくも輝きえたのはスティーヴンスの非凡なディレクションの賜物である。彼(ハドソン)が後にAIDS感染をカミングアウトして死去するまで本作以外コレといった代表作も名作も無いのが何よりの証拠!レズリー役のリズ・孤独な牧童ジェット役のジミーとも持ち味を遺憾無くフルに発揮しており、キャストのアンサンブルも(前半は)ほぼ完璧と言えよう。難点は…強いて挙げるとすれば、後半の主役3人は(チャチい)老けメイクではなくて年齢相応な熟年俳優でダブルキャスティングにしてくれてたならなぁ。文句無し10点満点だったんだけど。あと、ジェットの当て馬にされるキーパーソンにしてはラズ二世役にキャロル・ベイカーじゃチト弱いってか荷が重い。2点マイナス。余談ながら個人的に作中で最も印象的な場面は、幼いラズ二世がペドロと名付け可愛がっていた七面鳥がクリスマスで丸焼きターキーと変わり果てたのを見て「これがペドロ?」と泣きじゃくるトコロ。ジェットがオイルにまみれながら石油を掘り当てるシーンとか他にも名場面には事欠かない本作で何故選りに選ってそのどうでもいいシーン??とお思いでしょうが、本人にも何故かはよく分からない。とにかく強烈に印象に残ってしまったんだから仕方ないとですw。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-15 01:53:33)
136.  大江戸五人男 《ネタバレ》 
松竹が30周年記念に制作したオールスター時代劇の決定版。この年の邦画興行収入1位を記録する大ヒットだったらしい。何と言っても役者の存在感が圧倒的!しかも名匠・伊藤大輔の的確なディレクションぶりはメリハリが利いており、主役級に止まらずちょっとした端役に至るまで実に活き活きとした見せ場が各々に提示されている。それでいてテンポは些かも澱むことなく快調そのものなのだから、面白くならないハズがない。阪妻扮する長兵衛が江戸の泰平を願い自らの生命を犠牲にして狼藉三昧の旗本・白柄組を(喧嘩両成敗で)壊滅に追い込むメインストーリーに「番町皿屋敷」誕生秘話までも絡め見応え充分。役者では阪妻や右太衛門も勿論イイが、個人的には権八役の高橋貞二、近藤役の三島雅夫、大久保彦左衛門役の山本礼三郎が出色の好演だったと思う。昨今の●HK大河ドラマ等を思えば、平成の世ではもはや再現不可能な”本物の役者による本物の時代劇”の稀少価値に…8点!
[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-02-25 01:10:37)
137.  スウィングガールズ 《ネタバレ》 
けっこう辛口のコメントが多いですね。しかも何か矢口監督が前作(ウォーターボーイズ)を踏襲し杉!という見方が大半のようです。しかし「最初はやる気も実力もないヘタレな登場人物たちが次第に真剣に(作品の主題たる何かに)のめり込み始めてラストで見事に締め括る」というプロットは洋の東西を問わぬ言わば”王道”であり、或る程度の類似性は無理からぬのではないでしょうか。あと、「女子高生にビッグバンドジャズ」という取り合わせで「奇を衒った」と云えば、まぁ確かにそう見えなくもないですが、私は寧ろ新鮮さと共に「故きを温めて新しきを知る」的な古典への憧憬すら感じましたね。クライマックスで「Sing Sing Sing」を(吹き替えナシで)鮮やかにキメる彼女らの活き活きした姿を見る限り、受け狙いのあざとさなんぞ殆ど気になりません。惜しむらくはテンポが些か冗長な点と彼女らに降りかかるトラブルに作為が目立ち過ぎる点。特に友子がコンテストの応募テープを送り忘れるくだりはドジっ娘とかで済まされない杜撰さ・無神経さでいくら何でもワザとらし杉。普通に会場に着いて演奏で全く問題なかったハズ。それと、こういう吹奏楽系で短期間に上達するには優れた指導者が不可欠なのに最後まで不在のままなのも痛い。竹中直人にその役割を振ろうとして余計なエピソード(実はハッタリでした的なサゲ落ち)まで盛り込んでいるが明らかに蛇足。素直に谷啓あたりに任せて欲しかったと思います。2点マイナス。最後に矢口監督について。二番煎じでお茶を濁してる、とか云うよりも若手を積極的に起用して才能を開花させよう!という日本映画界への前向きな姿勢を私は買いたいですね。若手俳優の成長なくして邦画の復権などありえないのですから…。
[DVD(字幕)] 8点(2005-08-28 23:08:14)(良:3票)
138.  戦艦バウンティ号の叛乱 《ネタバレ》 
1787年に起こった英海軍史上に名高い実話を基にMGM(アーヴィング・サルバーグ)が最初の映画化を果たした海洋劇の佳作。原題は「バウンティ号の叛乱」だが、戦前の本邦初公開時には御法度だった”叛乱”部分を大幅にカット、邦題も「南海征服」とされて単なるタヒチ冒険モノの如くにされてしまった。本サイト登録時には一応この公開邦題に従ったが、私が観たのは勿論ノーカット版なので誤解なきように。さて、後に二回もリメイクされるだけあって筋立てだけでも充分に面白い内容なのだが、今回のフランク・ロイド版が最優秀なのは出航前の船員徴集から船荷の積み込み、マストに登って出帆の手順などといったディテールを実にテンポ良く提示している点にある。そうしたディテールの積み重ねが、ブライ船長による過剰に残酷な船員への処罰やそれを行き過ぎと嫌悪するクリスチャンの心情を絵空事にしない説得力を生む。タヒチまでの道中、冷酷無残なブライの性格が徐々に暴かれてゆくと共に船内の空気が一触即発となっていく過程も実にスリリングである。何と言っても怪優チャールズ・ロートンの凄まじい存在感溢れるブライ役の演技が物語全体を牽引しており正に圧巻。リメイク作でのブライ役(トレヴァー・ハワード、アンソニー・ホプキンス)にはロートンの持つネチっこさ、漲るパワーが絶望的に不足していた。惜しむらくはタヒチに着いてからテンポが急落し、クリスチャン&バイアムが現地の娘とダラダラ恋する辺りの退屈さ。こんな安っぽい大甘メロドラマみたいなシーンはとっとと端折って叛乱場面に行けばグッと締まったと思うが。しかし叛乱が起こってからはキビキビと凄まじい馬力であり、当時の日本軍が慌てて検閲カットしたのも無理はないと思わせるインパクト。ブライが悪運強く生き延びて執念深く追跡に戻るくだりや軍事法廷でバイアムらが裁かれる場面などは明らかに欲張り過ぎて蛇足の印象が強いので評価も若干割り引き。よって8点。(ヒゲなし)ゲイブルはそう悪くないが、バイアム役フランチョット・トーンはオイシイ役の割にもう一つ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-28 00:55:59)(良:1票)
139.  とらんぷ譚 《ネタバレ》 
異色の才人、サッシャ・ギトリによる何とも人を食った洒脱なコメディ。本人たちをそのまま登場させる開巻のスタッフ&キャスト紹介からして実にシャレてる。劇中も台詞が殆ど省略され、専らギトリのナレーションによって場面処理されている等、作りもとにかく異色。店の売上げをチョロまかした罰で夕食をお預けされた少年(主人公)。ところがソレは毒キノコ料理!だったので家族全員を食中毒死で失うも自分ひとり助かる出だしも皮肉でブラックな味わい。それから成長して正業に就こうとするも、泥棒の片棒担いだり、偽装結婚してカジノのイカサマ師になったりでルパン3世っぽい裏街道人生を歩まざるをえないのもまた皮肉。詐欺やイカサマで一身代を築き上げるも、まともになろうと決意した途端に博打で全財産をスッて呆気なく無一文になってしまう主人公。滑稽な中にも人生の侭ならない感じがよく出ており、いかにもフランス映画らしい上質のエスプリが味わえる逸品。ただ…ギトリのナレーションが開巻から終幕まで延々と続くのが五月蝿い・鬱陶しいと感じる方も多いかも。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-03-27 21:58:15)(良:1票)
140.  スクール・オブ・ロック 《ネタバレ》 
いやぁ思っていた以上に面白かった~!というのが素直な乾燥じゃなくて感想。ま、フツー常識に照らし合わせて考えれば、デューイみたいな野郎に直に相対したらネッドの恋人のような冷淡極まる反応しか返らないのが厳しい現実なんだろう。ただ…ニセモノ教師の彼を生徒たちが皆あれほど慕うようになった最大の理由は、決して彼のロック魂に深く共感したからとかじゃなくて、(そもそもは不純な動機に端を発しているとは云え)生徒一人一人の心に一歩踏み込んで適材適所な役割を与え、バンドコンテスト優勝を目指す彼の姿に”本気”を感じ取ったが故に違いない。それだけに(個人的にはチト苦手な)ジャック・ブラックの異様な迄に「暑苦しい」熱演が、デューイの”本気”に抜群の説得力を生む原動力となっており実に秀逸。年齢の多寡や学力の上下に拘らず、子供というものは「教師が自分に対してどれだけ本気で真剣に接してくるか」を実にシビアに見抜く眼力を備えている。たまたま本作ではそれ(本気度の目安)が”ロック”であったに過ぎないのであり、現代の教師たちへの変化球的な叱咤のメッセージという意味も込められているように感じた。御多分に漏れず私も学生時代にバンドをやってたクチ(ドラムス担当)なもんでキビシー現実は百も承知なだけに、終盤の展開には「いくら何でもそんなに上手くいくわきゃねーだろ?w」とシニカルに思わないでもなかったが、一方で「せめて映画の中のこいつらだけでも上手くいって欲しいよなぁ」と彼らに感情移入しまくってもいた。これもまた立派にパラマウントの伝統を受け継ぐ佳作の一つだよなぁと何か嬉しくなったのでオマケして8点進呈!
8点(2005-02-27 19:25:13)(良:3票)
070.50%
180.57%
2221.58%
31007.17%
41228.75%
533123.73%
625918.57%
722215.91%
819413.91%
9856.09%
10453.23%

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