121. 歓楽通り
《ネタバレ》 女とは、なんと身勝手で逞しく、なんと優しい生き物か。マリオンがプチ・ルイに言った「最初だけ力を貸して。幸せになりたいの。」このセリフに二人の関係が凝縮されている。プチ・ルイには全て分かっていたんだろうと思う。この映画に出てくる娼婦達には大人の女の包容力があふれていて、優しい気持ちになれた。マリオンとディミトリの愛の生活が長続きするとは思えないので、マリオンを幸せの絶頂に導いたことにプチ・ルイが満足感を覚えている時に彼女があっけなく逝くというのが、結果的に残されたプチ・ルイを救ったのではないか。9点でもいいぐらいだがレティシア・カスタがファム・ファタールとして今ひとつ魅力に欠けるのでー1点。あの歌で大喝采はないでしょう・・ 8点(2004-10-15 14:01:20) |
122. マイ・プライベート・アイダホ
焚き火の前でスコットに思いを告げるマイクの姿がなんとも切なかった。痛々しい姿を晒しつつ、それでも愛して欲しいと言わずにはいられないマイク。でもスコットを始め、彼をとりまく世界のクールさこそがこの映画の神髄。強者は自己欺瞞に目を背け過去を切り捨てて階段をのぼっていき、弱者は淀みに留まり美しく野たれ死んでいく運命の対比を描いた作品だと思う。 8点(2004-10-10 11:12:38) |
123. ニューヨークの恋人(2001)
悪者が出てこないラブコメはストレスなく観られるので疲れているときに最適。白馬の王子様を地でいくレオポルドのキャラクターには何度か爆笑させられた。品のあるジャックマンは侯爵役にぴったりだったけど、乗馬できないのがバレバレでちょっとがっかり(^^;) キャリアファッションに身を包んでもやっぱりメグはかわいい。なにげにチャーリーとレオポルドのからみに味があってよかった。可愛い弟だ! 8点(2004-10-09 14:20:30) |
124. 抱擁(2002)
地味ながらストーリーも映像も音楽も美しく後味もとてもよい良作。G・パルトロウは芸術家の血を引くインテリ女性の役にぴったりだが、相手のA・エッカートはちょっと若すぎ明るすぎ?でもそのやんちゃなところがなければこの話は成立しなかったわけでこれでいいのか。最後の「誰も知らない」エピソードも◎。 8点(2004-10-09 12:08:14)(良:1票) |
125. モンテ・クリスト伯(2002)
原作を読まずにオリジナル脚本のエンターテイメントとして観る分には充分面白い作品だと思う。いつも思うがカヴィーゼルのきれいな瞳は虐げられる純朴な男にはまる。この映画を観て面白かった人はぜひ原作も読んでみて欲しい。超長編ですが飽きずに読める傑作ですよ。 8点(2004-10-09 10:17:03) |
126. かずら
《ネタバレ》 あまり期待せずにみたものの、面白かった。まあオチは最初から分かっていたハッピーエンドではあるが、小ネタが結構楽しかったのでよしとする。とはいえ、この映画を薄毛に悩む男性に勧めるか否かは相手のキャラを見極めたほうが良さそう。 [DVD(吹替)] 7点(2016-03-28 00:56:36) |
127. HK/変態仮面
原作未読だが大変に楽しめた。泣きたくなるほど下らない。凄まじく下品。当然ながらこれに高得点をつける、或いは人に勧めるのはやはり非常に勇気がいる。思わず主人公にならって、訊かれてもいないのに「でも私は変態じゃない!」といちいち注釈したくなるが、そんなことを口にしたら余計に変態ぽいし・・という苦悩に陥る悩ましい作品。ここはやはりキャストの役者魂に敬意を表することにしよう。鈴木亮平の肉体美は完璧。この見事なカラダさえあればどんな衣装でも(あの衣装ですらも!)かっこよく見えてしまうというもの。でもある意味彼以上に役者根性を見せていたといえるのが安田顕の偽変態仮面。屈辱感に全身を震わせながら変態哲学を語るイッちゃってる姿にこっちが涙目。サイコーでした。 [DVD(邦画)] 7点(2015-06-25 02:08:29)(良:1票) |
128. LUCY ルーシー
いやー、皆さん点が辛いですね。でも「フィフス・エレメント」に10点を付けちゃう私ですから、当然こちらも単純にファン目線で採点しております。確かに突っ込みどころは満載ですが、ベッソンならではのテンポの良さ、いかにもか弱そうな華奢な美女を最強の存在として描く安定のパターン、なにより、無駄に大金をかけてこんなB級映画を作っちゃう痛い道楽者っぷりがたまりません。 [DVD(字幕)] 7点(2015-06-25 02:05:14) |
129. 小さな巨人
大法螺吹きだがストーリーテリングに長けた爺が若き日の武勇伝を語るというドン・キホーテさながらのストーリーで、想像以上に色んな要素の詰まった映画だった。若いホフマンがなんともキュートで、その類まれな演技力が若い頃から発揮されていたことに驚く。老ジャックが語るその奇想天外な生涯はまさに武勇伝に次ぐ武勇伝なのだが、冷静に見れば彼の行動は常に行き当たりばったりでモラルも信条も感じられず、小さな巨人どころかただ悪運強いだけのちっさい男だったりするところが、この映画の味わいどころのような気がする。 [DVD(字幕)] 7点(2015-04-28 15:34:58) |
130. ミーン・ストリート
《ネタバレ》 常識の通じないヤバイ人間を演じさせたらピカイチのデ・ニーロ。その原点がここに。正直言って、いつになったら主題に入るのだろうと若干退屈気味に観ていたが、途中からこの切ないほどのどうしようもなさこそが主題なのだと気がついて姿勢を正し、祈るような気持ちで最後まで観た。スタインベックの「二十日鼠と人間」を思い出したのは私だけだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-10 15:33:23) |
131. 空中庭園
一見、家族で観られるファミリードラマのようでありながら、のっけから観る者をわけもなく不安にさせる薄ら寒さの演出が秀逸。家庭という平和の象徴のような場の危うさがうまく描かれていて面白かった。この作品時点で既に、キョンキョンと永作は、主役をはれる現役女優としてかなり長寿でいられそうな絶妙なポジションを得ているのがよく分かる。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-12-07 10:42:31) |
132. 或る夜の出来事
《ネタバレ》 古~い映画ですが、退屈せず楽しめた。米国版ローマの休日?でもヒロインが同じ世間知らずでも何でもお金で解決しようとする俗人セレブ的なところがアメリカ娘っぽい。根っからの悪人が出てこないところに古き良き時代を感じる。そしてラストは金持ち父さんが良い味出してた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-12-07 08:30:01) |
133. 抱擁のかけら
《ネタバレ》 嵐のような激しい愛憎劇がさまになる女優ペネロペ。その魅力がたっぷり味わえるのはいいが、あまりの濃さにだんだん疲れてきたりして。でもそこで観ている者をほっとさせるのが、素直で優しいディエゴの存在。この心憎い演出もまたアルモドバルならでは。劇中劇を挟んだ演出も小粋で、これまたペネロペの魅力が全開。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-18 07:59:49) |
134. アデルの恋の物語
狂気の愛と言えばリアルタイムではまったのはベティ・ブルーだったが、イザベル・アジャーニの美しくも鬼気迫る、そして容赦なく壊れていく女の表現は、そのイッちゃってる感において「これぞ本家」と思わせる迫力があり、さすが。これは男性にとってはホラー映画なのでは。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-02 11:19:23) |
135. いつか晴れた日に
オースティンと言えばイギリスの田舎貴族の山有り谷有りの婚活物語、こちらも腰を落ち着けてじっくり楽しめる作品。とにかく風景を眺めるだけでもううっとり。ヒュー・グラントはどうにも甘ったるい二枚目顔が鼻につき、知性がドレスを着ているようなエマとお似合いとはとても思えない。が、役のお陰でこの作品での彼は普段より印象が良かった。つい微笑を誘うマーガレットの可憐さにもにっこり。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-10-24 12:57:58) |
136. 星を追う子ども
《ネタバレ》 秒速…が大好きなのであの切ない世界観を期待して前知識ゼロで観たのだが、良くも悪くも期待はずれ。ジブリ映画大好きの子ども達と一緒に観たら、「キツネリスキター!」「待ってたハク!」「見な!あれが飛行石だよ!」「ムスカキター!」「アシタカ!と思ったらヤックルまでいるのかよ(笑)」「あ、これまんまラピュタじゃん!」「おっ、いよいよヴァルス!か?」とかなんとかツッコミがうるさいのなんの。自分でもどこかで観たようなシーンばかりで思わず苦笑。途中から諦めてジブリのパロディだと思うことにしたら存外楽しめた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-19 15:00:43) |
137. プライド(2008)
《ネタバレ》 原作未読ながら、他の一条作品は何作か読んでいるので期待して観たところ、果たして期待以上に楽しめました。情や金のからんだ嫉妬や憎しみ、裏表のある強かなキャラクターなど、女同士のブラックな戦いがこれでもかと描かれているものの、意外にもお子様とも安心して一緒に観られる内容。はっきり言って手放しで好感を持てるキャラが誰一人出てこないんですが、面白かった。「女って、コエェー!!」とかギャーギャーツッコミを入れつつ、家族揃って楽しく観ました。華奢な身体ながら怖い女が似合う満島ひかりの演技力が光ってる! [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-30 14:46:16) |
138. リリィ、はちみつ色の秘密
《ネタバレ》 もっと小さい頃からやたら小賢しそうなダコタ・ファニングが私はどうも苦手だったのだが、成長しながらも結局彼女はそんな役どころをきっちりこなしていくらしい。リリィがオーガストに過去を告白するシーンだけは泣けたけれど、それまでずーっと好感持てなくて、正直アンタさえいなければ…!と何度思ったことか・・・。それよりこの映画でなんとも魅力的だったのは、大好きなクイーン・ラティファをはじめ、それぞれにキャラが立ってる黒人三姉妹。ラティファおばさん印のパンケーキ・シロップなんてものが実在していてもおかしくない!それぐらい違和感ないキャスティング(笑) [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-26 15:11:45)(笑:1票) |
139. 熱いトタン屋根の猫
舞台劇風でほぼ進行は会話のみという作風は、内容によっては鑑賞が苦痛になってくるのだがこれは重いテーマの割に最後まで引き込まれ面白かった。でもその面白さは、なにかと腹立たしい煩い兄嫁が最後には反撃され痛い目を見るところ是非見届けたいという思いに支えられていた感も強い(笑)。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-18 12:52:34) |
140. デトロイト・メタル・シティ
松ケンはどうしてこうキモイ役がはまるのだ。大河なんかに出てかっちょよく振る舞ってると何故か大根に見えるのに、役がキモければキモイほど彼の持つ天性の役者魂というか演技力が冴える気がする。松雪さんもこういう役の時ほど好きだ。そして母ちゃん役の宮崎美子、相変わらず泣かせるなぁ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-04-18 17:02:12) |