121. 女帝〔エンペラー〕
綺麗な女性を眺めるのが好きな私にはチャン・ツィイーを観ているだけでお腹一杯。加えて背景の美しいこと。ゴージャスな中国版シルクドソレイユみたいなもんだと思ってみれば、ワイヤーアクションも手を叩いて素直に楽しめるというもの。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-20 12:39:28) |
122. 悲しみよこんにちは
奔放な父親に倣って自由気ままな暮らしを気取ってはいても、実は自分で思っているよりずっと幼い小娘の、お洒落で優雅で空虚な人生。ジーン・セバーグがキュートすぎる。彼女のPVとしてなら10点あげたいほど。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-20 12:30:33) |
123. 実験室KR-13
《ネタバレ》 どこから面白くなるのかとじりじり観ていたら終わってしまった。観る者の忍耐力を試す実験か?ネタバレを傍観するシチュエーションを面白く見せるのは相当難しいことが分かる。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-10-20 12:19:51) |
124. ゲーム(1997)
《ネタバレ》 テンポ良く進むので退屈はしないが、おふざけがすぎます。あの結末で弟を抱擁できる兄の器は相当デカイ。続編で弟をひっかけるべし。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-20 12:12:19)(笑:1票) |
125. コックと泥棒、その妻と愛人
これまで観たグリーナウェイ作品の中で一番分かりやすかった。まさに芸術と汚物は紙一重。映画館ではなく自宅のそこそこ大きいディスプレイで視聴したのが幸いしたのか、かなりグロテスクな描写が続いても平然と観ていられる自分にやや驚愕。好き嫌いが激しく分かれる映画なので一人で観ることをお勧めします。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-20 11:59:24) |
126. おくりびと
本木・山崎両氏の演技は秀逸。人が次々と死んでいく様子を、涙を流しつつもこれほどあたたかい気持ちで見つめられた映画は今まで無かった。ただ、広末演じる妻の言動がちょっと浅いような気がして、それが役者の所為なのか脚本なのか両方なのか分からないが、いずれにせよ残念なキャスティングだった。納棺師という職業に対し何ら偏見を持っていなかったので、「汚らわしい」とまで言われ蔑まれる理不尽さが今ひとつピンとこなかったが、この映画が注目される以前の世の中的にはそういうものだったのだろうか? [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-10-20 11:16:40) |
127. TAXI NY
オリジナル未視聴。ベッソンはかなり好きな方だがこれはイマイチだった。こういう優男系の白人ダメ男になんら魅力を感じないので寒々しい気がした。大好きなクイーン・ラティファも全然クールじゃなくて、めっちゃ所帯じみたおばちゃんキャラでややがっかり。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-10-20 11:03:05) |
128. 刑事ジョン・ブック/目撃者
刑事物が苦手な女性にもお勧め。思わず息を呑むサスペンスの要素もしっかりありながら、どこまでも静謐で穏やかなアーミッシュの生活描写から漂う草木の香り、清廉な空気にうっとり。特に納屋を建てるシーンがとても好き。私の映画鑑賞史上最高にうまそうなレモネードが出てくる。音も映像も美しくて、刑事物にありがちな無骨さを感じない。秘めた大人の恋を演じる主演二人の視線演技も素晴らしく、胸の奥を鷲掴みにされる感覚。自分にとってハリソン・フォードのベスト作。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-09-16 14:36:04) |
129. シンドラーのリスト
《ネタバレ》 シンドラーという人の真実の姿は誰にも分からないが、単なる享楽主義の商売人だった主人公が、我が身の富と自由を謳歌する以上の生き甲斐を、無為に死んでいく人々を救うことに見いだしていくという、その経過がいかにもスピルバーグ的な演出でうまく描かれていたように思う。ホラきたうまいなぁと若干目が覚めるような気がするシーンもチラホラあるが、監督自身の出自を踏まえればいつかは撮ったであろうこのテーマを、世界中の映画ファンの期待を裏切ることのない完成度にきっちり仕上げたのはさすが。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-09-13 14:11:40) |
130. LOOK
《ネタバレ》 出歯亀趣味の妄想の映像化というか、それ以上でもそれ以下でもない写真週刊誌並の薄っぺらさ。ヤラセって分かってるものを覗いて楽しいか、と言われると、自分はそういう趣味ではないとしか。ラストもなんともまあ救いのない…。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-09-10 11:01:49) |
131. フライド・グリーン・トマト
《ネタバレ》 中心となるイジーとルースの物語に対し、語り部ニニーの関係が今ひとつ曖昧なまま話が進行するので、「ああこれは要するに…」と観ている方はオチを察するものの、ラストの種明かしが何だか微妙な演出だったのでつい考えてこんでしまい、感動しそびれてしまった。蜂蜜に添えられたメモの筆跡が妙に若い、とか。病室の壁一面に貼られた写真と薔薇の切り抜きをエブリンが発見するシーンも、薔薇のガーリーなイメージがボーイッシュなイジーからかけ離れていたので、ニニーが当事者という感じがせず、あくまでも二人の関係に憧れる女子校的三角関係だったのか?などといらぬ深読みをしてしまった。素敵だったのは、人種差別が盛んな頃の南部にありながら、白人と黒人とが心の底ではお互いを信頼し尊重し合って暮らしている小さな町がありました、という心温まるおとぎ話が描かれていたこと。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-10 10:30:37) |
132. 陽暉楼
《ネタバレ》 ゴージャスな肉食系女優の競演は見応えがあるものの、うっかり鬼龍院と間をおかずに観てしまい、お腹一杯に…。でも2作通じて一番好きなのは珠子。清々しいほどのヤンキー魂にホレボレ。桃若との取っ組み合いシーンは私の邦画鑑賞史上最高のキャットファイトである。ドロドロの修羅場を散々見せておいて、ラストにその親の因果をまだ知らぬ無垢な子供の笑顔を見せるとは泣かせる。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2010-09-02 21:47:57) |
133. 初恋(2006)
初恋というタイトルから連想されるような若さと甘酸っぱさは皆無、代わりに作品全体に漂う暗さと閉塞感が、まんま当時の空気を再現していると思えば作品世界の演出は悪くない。でも大きな事件を扱っている割に色々と説明不足&プロットが稚拙すぎてそのモチーフが活かされていない。宮崎あおいの演技は悪くないのに何か非常にもったいない気がする作品。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2010-09-02 13:36:46)(良:1票) |
134. 千と千尋の神隠し
この作品の素晴らしさは主人公千尋と同じ年代の子供達が見てこそ分かるもの、と思っていたが、何度も観るうちに、いやいやこの滋味が分かるのはせめて30代以降だなと思い直した。ジブリ作品で名作と言われるものには架空の国が舞台になっているものが多いが、西欧あるいは南欧の明るく乾いた陽光が感じられるそれらの背景は年を経るほどに味気なく思えるようになった。今になって、やはりジブリの神髄は日本が舞台の作品にあるとしみじみ思う。匂い立つような緑、昼なお暗い陰翳に富んだ室内、ハッとするような艶やかな夜の情景・・常に目に見えぬ物の気配を漂わす湿度の高い日本的空間を再現してみせるジブリの画力には、いつも涙ぐみたくなるような感動を覚える。海面電車(?)に乗ってるシーンが一番好き。この実在しない景色ですら、私の中の心の原風景を彷彿とさせるような気がして、スルッと染みこんでくる映像に涙が流れそうになる。そこへきて久石譲の音楽がまたすごくいい。このサントラ弾きたさにピアノを習い始めたぐらいだ(^^;) 一見分かりやすいようで色々な隠喩が含まれた深遠なストーリーも秀逸で、カオナシを他人とは思えない私は、弱き者、異形の者への優しさに溢れた作品世界に毎度号泣してしまう。後に海外メディアの評を読んで「八百万の神」という概念になんの違和感もない自分に気付き、これまた日本人である自分を再発見させられた。 [DVD(邦画)] 10点(2010-09-01 14:45:42)(良:3票) |
135. 天空の城ラピュタ
ジブリ代表作として安心して誰にでもお勧めできる作品。個人的には、最初に観たのがもう成人してからだったので、多分遅すぎたのだと思う。子供の頃に観ていたら多分もっと素直に感動できただろうにと思うとちょっと残念な気がする(同じジブリへの高評価としてもラピュタ派と千と千尋派に分かれると書いている方がいたが、私は間違いなく後者)。シータが料理番をすることになって、でっかい元少年達が口々にあれ作って!と言うシーンで、何故かイギリスの家庭料理ばかり出てきたのが古典的な児童文学ぽくて印象的だった。作品全体としても完成度の高い名作児童文学のような味わい。 [DVD(邦画)] 8点(2010-09-01 11:11:45) |
136. 変態島
ベアール見たさに恐る恐る観てみたが、まあ変態っていうほどでも変態でもなかった。多分みんなが期待しているような変態シーンはラストシーンの後に続くのだろう勝手に妄想する余地はあります。ベアールは泥まみれでアタマいっちゃっててもやはり美しいです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-01 10:52:03) |
137. TOKYO!
《ネタバレ》 ゴンドリー映像目当てで観たが、「エターナル・サンシャイン」でも感じたように、ゴンドリーの作風は長編だとシュールさがくどくて逆に野暮ったい印象になってしまうので、PVぐらいの尺が丁度良く楽しめる、ということを再確認した。カラックス作品は一見ホラーな不条理物で、前衛芝居を観るような新鮮さとわけ分かんなさが面白かった。あまり期待していなかったジュノ監督作品が、意外にも映画としては一番楽しめた。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-31 00:39:58) |
138. ショコラ(2000)
《ネタバレ》 なかなかジョニーが出てこないので、ひょっとしてこの村長が変装したジョニーなのでは?と疑惑の視線を向けてみる、という無駄なことをしてしまった。それにしてもチョコレートって食べることの官能を象徴する食べ物だとつくづく・・・「赤い薔薇ソースの伝説」を思い出したが、こっちの方がよほど平和でお子様もOKな感じ。死ぬまでツッパリ上等の不良婆さんアルマンドの生き様が格好いい。ちなみに唐辛子入りのチョコといえば「一味唐辛子キットカット」というのを食べたことがあるが、確かに意外なほど違和感のない味で美味しかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-31 00:21:53) |
139. サンシャイン・クリーニング
丁寧とは言い難い出来ではあるが、思うようにならない人生を、汚れ仕事をしつつも地道に歩む人を描くこういった作品はとても好きなジャンル。エイミー・アダムスは某ディズニー映画では若作り空回り的な痛さがやや鼻についたが、こういう役どころだと素直にその不器用さを応援したくなってくる不思議。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-30 23:11:47) |
140. 愛を読むひと
《ネタバレ》 朗読プレイが結びつけた奇跡の恋が描かれるのかと思いきや、その一見激しい愛は結局最後までそれぞれが利己的に追い求めた自己愛でしかないように見えた。マイケルは無論若さ故の肉欲優先、対するハンナは彼女のアイデンティティとも言える最大のコンプレックスをあえて刺激しつつ癒すような、痛気持ちいい時間を捨てがたかったのではないだろうか。どっちもどっちで相手より自分の立場と欲望を優先させる二人。度々それを思い知るようなエピソードが挿入され、いつまでたっても主演二人のどちらにも感情移入できない寒々しさが残った。さらにラストが最悪。父親の自己満足の為に今更どうにもならん重い話を聞かされる娘が不憫すぎる。私にとっては愛の話というより人間の身勝手さと業とを描いたなんともいたたまれない話だった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-30 23:01:39) |