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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2388
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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121.  ザ・シューター/極大射程 《ネタバレ》 
こういう映画のことを“頭を空っぽにして観ると実に面白い映画”と言うんでしょうね。決して皮肉ではありません、わたしけっこう楽しめました。細かいところではいろいろと粗が見えますが、いくら原作小説は評判が良いと言ってもそこはミステリー、完璧なプロットなぞそうあるもんじゃございません。余談ですが、“完璧なるミステリー”にいちばん近いのはフレデリック・フォーサイスの『ジャッカルの日』でしょう、これを超えるミステリーはまだ書かれていないと自分は思っています。 ハードボイルドなストーリー展開はけっこう鮮やかで、マーク・ウォールバーグはいかにも凄腕スナイパーといった雰囲気が良く出ていました。アフリカであんなひどい目にあって引退したのに、いかにも怪しげなダニー・グローバーの依頼を簡単に引き受けちゃうところが最大の「?」ですけど、まあウォールバーグ君は見た目と違って単細胞的な思考回路と愛国心を持っているということで許してあげましょう。昨今の大どんでん返しものアクション映画にすっかり毒されてしまった自分には、意表を尽く様なラストの展開が実は最大のサプライズでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-15 23:52:32)
122.  アンジェラ(2005) 《ネタバレ》 
銃も爆発もないリュック・ベッソン映画なんて実に久しぶりですねえ。この映画は、アンドレとアンジェラの組み合わせを考えついた時点で、もう半ば成功作になることは約束されたようなものです。美しいモノクロ映像とハッとさせられるショットの数々は、ベッソンという映画作家はまだまだ捨てたもんじゃないなと、見直しました。アンジェラが登場してからはアンドレとの対話劇が延々とラストまで続いている様なものですが、対話劇でもこういう風に肩の凝らない見せ方があるんだと納得しました。あと最後までメイン・タイトルを出さないところも、むかしは良くあったけど最近では珍しいですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-28 00:31:06)
123.  あるスキャンダルの覚え書き 《ネタバレ》 
卓越した演技力を持っているのに代表作と呼べる出演作がない映画俳優がいますが、ジュディ・デンチもそのひとりと言ってよいでしょう(まさか007のMというわけにはいかんでしょう)。だけども本作の演技は、ジュディ・デンチが見せた生涯最高のパフォーマンスで「これぞ、ジュディ・デンチの代表作」とこれからは言われるのではないでしょうか(ただ作品自体があまりに小品すぎるのですが…)。皆さんにあまりに不評な例のデンチの入浴シーンですが、デビュー当時はフル・ヌードになった出演作もある人なので、まあ“むかし取った杵柄”とも言えるでしょう(笑) 私にとってこのシーンで衝撃を受けたのは湯船に浸かって煙草をふかす姿で、この演技は彼女にしかできない素晴らしい表現力でした。ストーリーは救われない陰惨なお話しなんですが、俳優陣の演技が良いので不思議と後味が悪くなかったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-19 23:19:06)
124.  クレイジー・ハート
『ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』以来20年ぶりに天才ミュージシャンを演じたジェフ・ブリッジス、20年前はクールなジャズピアニストだったのが、たるんだお腹をだぶだぶさせた還暦目前のアル中カントリーシンガーというのが時の流れを感じます。ほんと、あのブリーフ姿は情けなかったけど、ジェフの役者魂はビシビシと感じさせられました。それにしても、ハリウッドの役者たちは芸が多彩ですな、ジェフもコリン・ファレルもびっくりするほどの歌唱力です。カントリー歌手役で、演技とともに抜群の歌唱力を見せつければ、『歌え!ロレッタ』のシシー・スペイセクの前例もありオスカー受賞は順当だったと言うところでしょうか。個人的にはジェフには『ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』でオスカーを獲って欲しかったのですが、良く考えたらノミネートもされていませんでした(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2011-12-21 21:19:30)(良:1票)
125.  Dr.パルナサスの鏡 《ネタバレ》 
主演俳優が急死しても製作が続けられたと言うと、山本政志の『てなもんやコネクション』という大珍作をついつい思いうかべてしまいますが(この映画の場合は俳優が途中で降りただけです)、さすがテリー・ギリアム、まるで始めからこういう脚本だったみたいに違和感なく仕上がっています。このお話し、よく考えるとゲーテの『ファウスト』のパロディ・オマージュなんですね、Dr,パルナサスはファウスト博士でニックはメフィストフェレスというわけです。それを現代に時代を置き換え、コテコテのギリアム流イマジネーションで再構築していますが、ギリアムファンではない人にはこのセンスについてこれないのではと思います。謎の男トニーも一座を救うヒーローなのかと思わせておいて、結局はホントの悪党だったと言うオチは、なかなか意表をついていて好きです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-08 21:30:41)
126.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 
やるじゃないか、ミシェル・ゴンドリー! チャーリー・カウフマンと組んでいるときにはこの監督にこんな素敵な感性があるとは思いもよりませんでした。ジャック・ブラックたちにリメイクされた映画は『欽ちゃんの仮装大賞』を見せられている様な出来ですが、映画ってとことん脱構築してゆけばこういうカタチに因数分解されるのじゃないかな。ある意味、映画というものの本質を提示されたみたいで、けっこう奥が深いところがあります。考えてみればVHSビデオテープは現在のディスクとは違って映画フィルムと形態も似ているところがあり、ゴンドリーはそこにノスタルジーを感じているのが良く判ります。それにしてもアメリカ人が撮った映画で、こういう映画愛とノスタルジーに満ちた作品が見当たらないのが不思議です(『カイロの紫のバラ』くらいですかねえ)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-02 23:01:38)
127.  アメリ
他愛のないお話しなんですが、ここまで造り込んだ映像で語られるとさすがに圧巻です。フランス映画の良質な伝統を受け継いで台詞は良く練り込まれているし、人物造形はジュネらしく老いも若きも男も女も微妙に変なキャラばかりなのが好きです。良く観るとこの映画はアメリを筆頭に登場人物たちがみな何らかのフェチであり、テーマはなんでしょうと問われれば、「フェチが世界を救う」と答えるのがいいのかも。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-17 20:24:28)
128.  ユナイテッド93
私の中で「つらくて最後まで観れない映画」番付で、東の横綱が『火垂るの墓』、西の横綱は『ユナイテッド93』という位置づけになっています。まさにハリウッドが創った究極のアンハッピー・エンド・ムーヴィーじゃないでしょうか。なんでこんなにつらい実話を映像化しなければいけないんだ、と八つ当たりしたくなるのですが、10年経った現在でも「9.11陰謀説」なんていうタワケタ妄想が一部にはびこっている現実を見ると、やっぱりこの映画の存在は必要なんだなと思います。面白半分に語られる陰謀論なぞ、犠牲者たちを侮辱しているんじゃないでしょうかね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-14 21:06:12)
129.  ベンジャミン・バトン/数奇な人生 《ネタバレ》 
ファンタジーなのに寓話性が少ないし、ちっとも“数奇な人生”じゃないと感じさせちゃうところが本作の弱いところかな。これなら、「俺の方がよっぽど数奇な人生を送ってきたぞ」と言いたくもなります(もちろん若返ってはいませんけど)。デヴィッド・フィンチャーとファンタジーではいかにも相性が悪そうでもある。でもこれだけ“老い”と“死”をじっくり美しい映像で見せられると、たぶんもう人生の半分は終わってしまった自分たちの世代には考えさせられることも多いのは確か。東洋思想には「死は生であり、生は死である」という輪廻の死生観があるけど、この映画では「人生は一度きりで後戻りはできない」と訴えるいわば“一期一会”的な語り口で一貫しています。「秒針が逆に進む時計」はそういう意味では象徴的だと思います。そう言えば、不思議と宗教色がほとんど感じられないところがあって面白いと言えます。ブラピとケイト・ブランシェットの特殊メイクは見ものですが、こういう特殊技術が自己主張し過ぎていないところは好感が持てます。
[DVD(字幕)] 7点(2011-08-20 23:35:02)
130.  10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス 《ネタバレ》 
『イデアの森』よりも馴染みが深い監督の顔ぶれですが、さてどうでしょうか。①カウリスマキ カウリスマキの作風は短編に向いているというか、普通に撮った長編から任意に10分間だけ切り取ったみたいな不思議な感じ。6点②ヴィクトル・エリセ ごめんなさい!今までエリセって聞くと「長―い、眠―い」という一部の世評を聞いて敬遠していましたが、本作を観て打ちのめされました。この詩情あふれる10分はまさに至福です。優れた映画作家は時の流れの質感を自由にコントロールできるんだと初めて知りました。10点③ヘルツォーク この人ほんと辺境ものが好きですねー。テーマはいいんだけど、「これってフェイクだよね?」ってことがずっと気になっちゃってマイナスでした。5点④ジャームッシュ やっぱこの人は短編の名手ですね、トレーラー・ハウスという狭い空間を使って一人の女優を赤裸々に見せてくれます。9点⑤ヴェンダース これも一種のロード・ムーヴィーですよね、とてつもないバッド・トリップですけど。このエピソードが本作中でいちばん濃かったんじゃないでしょうか。可愛いオチもちゃんとあって感心しました。8点⑥スパイク・リー このゴアvsブッシュの大統領選については『リカウント』という長編が詳しいのですが、あの内容を10分でまとめたってのはある意味すごいことです。ただねえ、本作のエピソードとしてふさわしいかと言うと、それはまた別のお話し。『イデアの森』のゴダールといい勝負のやりたい放題でした。5点⑦チェン・カイコー 東洋代表カイコーは怪談風味で勝負ですか。この『聊斎志異』チックなエピソードにラストあのアニメーションを持ってくるセンスは気に入りました。それに“エアー引っ越し”は思わず爆笑でした。7点  それぞれの監督が個性というか得意技を見せてくれて満足できました、平均をとって7点。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-08 01:14:48)(良:3票)
131.  ミニミニ大作戦(2003) 《ネタバレ》 
あのオリジナルをここまでテンポ良くリメイクできたというのは上出来です。無駄に大人数だったオリジナルの窃盗団を技能抜群の6人に絞ったのは最近のアクション映画の常道ですが、映画としてはオーシャンズ・シリーズよりまとまっているのは確か。音楽の使い方もセンスが良くて、オリジナルでクインシー・ジョーンズが魅せてくれたシャレた雰囲気を上手くアレンジしたなと思います。 まあ言っちゃなんですが、ミニを使って逃げると言うプロットに必然性がないのが難点ですけど、そういうお話しなので素晴らしいカーアクションに免じて許してやってください(笑)。あと一言、ブリッジャー役はやっぱマイケル、ケインを使って欲しかったな、オリジナルの役者をキャスティングするのはリメイクの礼儀作法ですから。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-13 21:40:04)
132.  Mr.&Mrs. スミス 《ネタバレ》 
もうそれはくだらないんだけど、旬の監督がハリウッドの二大セレブを使ってキレまくりのテンポでぶっ飛ばしているから実に楽しい。普通の夫婦でもありそうな会話で思いっきり危ないギャグにしちゃうセンスがいいですね。夫「60人前後かな」妻「私は312人」、これってお互いの異性体験人数を告白してるみたいで、もう思いっきり笑ってしまいました。そりゃ女房が自分の5倍も数をこなしていたら、亭主なら誰でもめげちゃいますよね(笑) こういうシャレを愉しむのが大人の度量というもんですよ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-05-29 23:19:56)
133.  フィクサー(2007) 《ネタバレ》 
プレッシャーに負けておかしくなっちゃうトム・ウィルキンソンを観てると、『ネットワーク』のジョン・フィンチを思い出してしまいました。主役三人ともレベルの高い演技なので安心して観れましたし、あまり奇をてらっていない脚本も良かった。ティルダ・スウィントンも単純な悪女としてではなく、上昇志向に負けて自分でも信じられない様な悪事に走る弱い人間として描かれているところがポイントであろう。ただ、この手の企業悪を暴く題材は、そろそろ食傷気味であることも確かです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-23 22:01:44)
134.  es[エス](2001) 《ネタバレ》 
観終わってからの後味の悪さは『ミスト』に匹敵しました、いやー久々に地雷を踏んじゃった。アメリカのけっこう有名な実話をもとにしているそうですが、ドイツ人の監督がドイツに舞台を変えて映像化していることに意義があると思います。なんせドイツ人は合法的な選挙でナチスを政権につけ国民投票でヒトラーが独裁者になることを認めたイタイ歴史を持っているので、この実験はドイツ人の国民性に対する痛烈な批判にもなっているわけです(もちろん、実験の結果自体は誰にも起こり得る普遍性を持っていますが)。強制収容所の看守でまだ生き残っている人やその子や孫がいるドイツで良く上映出来たものだと感心しますよ。 脚本上の粗が目立つのも事実ですが、あえて実験の失敗をエスカレートさせて死者まで出てしまう結末に持ってゆくラストの展開には息を飲まされました。私には海辺で静かに過ごすふたりを映したラストシーンは、ささくれ立った鑑賞者の神経をケアするのに必要だったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-11 22:09:05)
135.  JUNO/ジュノ 《ネタバレ》 
大統領選挙の仕組みと並んで自分には理解しがたいのが、アメリカ人の養子に対する感覚である。この映画を見る限り、ハリウッドセレブだけの流行りでではなく庶民にもあまり抵抗がないみたいですね。生むの生まないのという話になるとすぐ神様がお出ましになる国ですから、里子に出すという方法は重要と供給のバランスを保つアメリカらしい合理的な解決なんでしょうね。 この監督は『サンキュー・スモーキング』を観たときからただ者じゃないぞと感じてました。全篇に漂う力を抜いたペーソスとユーモアが良いですね~。エレン・ページはこの若さでこれだけの表現力を身につけているとは大したものです。『ゴーストワールド』のイーニドみたいなキャラですが、ソーラ・バーチよりページの方が格段に上手い演技です。お父さんとお母さんも人間味あふれていて良かったです。
[DVD(字幕)] 7点(2011-01-06 22:45:20)(良:1票)
136.  シン・シティ 《ネタバレ》 
アメコミのことは良く知らない自分でして、フランク・ミラーのことは本作で初めて知りました。まあちょっと大げさに言えば、ここ10年でもっともショックを受けた映画のひとつですね。原作を読んでなくても、どのカットもたぶん原作のコマ割りを忠実に再現したんだろうなと判ります。ミッキー・ロークはメイクが凄すぎて、最初観たときはてっきり「カーク・ダグラスが若づくりして出てるな、でもあの人もうすげー歳なのに?」とマジで思ってました(笑)。映像とその世界観のダークさには麻薬の様な危なさがあって癖になるのですが、三人のヒーローのモノローグを通じて語られるミラーの“美学”はどこか暴走族やチンピラのいきがりみたいに安っぽく感じてちょっと引きます。ミラーという人はコミックを描いてなければただの“危ないおっさん”なのではと思わされます。彼のコミックを石原都知事が読んだらなんと言うか想像するだけでも面白いです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-12-27 22:55:20)
137.  ヒストリーボーイズ 《ネタバレ》 
オックスフォード大学・ケンブリッジ大学(オックスブリッジ)を目指す男子高校生8人と教師の青春群像劇ですが、英国の学園ものと言えばエリートが通うパブリックスクールが定番なのに本作は庶民向けのグラマースクールなのが新鮮。『ドラゴン桜』の様なお話しかと思いきやそこは英国映画、教師と生徒のゲイ関係があったりしてどちらかというと『いまを生きる』の様な雰囲気の映画です。もとはトニー賞を獲った舞台劇で配役も舞台と同じだそうです。演技陣ではデブでゲイの教師役のリチャード・グリフィス(『ハリー・ポッター』シリーズでお馴染み)が好演していて、生徒たちに受験技術ではなく豊かな教養を与えようと奮闘しています。受験対策に雇われたスティーブン・キャンベル・ムーアまでもが実はゲイだったという展開ですが、英国って国には実はゲイが多い(特に上流階級)というのはホントなのかもしれませんね。日本とは違って面接や論文が重視される英国の大学受験の様子が興味深いです。面白いのは校長以下の教師たちにはオックスブリッジ出はいなくてオックスブリッジに対して劣等感を持っているところです。学園ものにしてははじけるところもなく結構淡々とした展開なのですが、人生において人文的な教養が大事な要素なんだなと感じさせてくれる一篇でした。
[DVD(字幕)] 7点(2010-12-01 22:08:25)
138.  ブーリン家の姉妹 《ネタバレ》 
エリック・バナのヘンリー八世、雰囲気は良く出ていたんではないでしょうか。でも物語の始めから終りまで、全然老けないし太らないというのはちょっとどうなんでしょうか(それはナタリー・ポートマン、スカレーット・ヨハンソンにも当てはまりますが)。メアリー・ブーリンが妹だという説は初めてで、ちょっと違和感が… ヘンリー八世の宗教改革が秘めていた歴史的な意義をばっさりそぎ落として、ひたすらチューダー朝版『大奥』物語に徹しているので、たしかに観てて疲れます。アン・ブーリンの狡猾さや嫌らしさの描き方が中途半端なので、前半と後半では同一人物とは思えないところがちょっと不満かな。まあとにかく考えさせられるのは親父や伯父のブーリン一族のやり口で、『仁義なき戦い 広島死闘篇』での大友勝則が放つ名セリフ、「あれら、×××の汁でメシ食うとるんでぇ!」を捧げたいと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-11-12 00:21:10)(良:1票)
139.  ライフ・イズ・コメディ ! ピーター・セラーズの愛し方 《ネタバレ》 
ピーター・セラーズのことを知らない人はそもそもこの映画を見ようとは思わないだろうし、彼のファンや人物に興味感心がある人には虚像と実像の差異に戸惑いを感じるに違いない。スターの人間性やゴシップなんかは別にどうでも良く芸さえしっかりしていれば十分、と言うのは自分の考えですがこの映画は「特殊な能力を持ったひとりの男の生涯」を描いたバイオグラフィーとしてはとても良く出来ていると思います。ただ注意しなければならないのは、古今の名優と呼ばれる人たちは「どんな人間にも化けられる」能力を大なり小なり持っているわけで、セラーズが「カラッポの容器」だったこととマザコンの性癖は関係がないということでは。「名優」イコール「マザコン」では無いことは言うまでもありません。 そういう部分を除けば、本作の脚本と演出はとてもTVムービーとは思えない水準の高さではないでしょうか。セラーズの元妻たち(リン・フレデリックは亡くなってますが)やブレイク・エドワーズがまだ存命なのに、ここまで赤裸々に映像化出来たことには脱帽させられます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-17 01:33:08)
140.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 
まあ確かにタランティーノじゃなきゃこんなに狂ったストーリーは考えつかないだろうし、また彼だからこそ狂った脚本をここまで楽しめる映画に仕上げることができたとも言えましょう。ウンチク王タランティーノが言語についてここまでこだわりがあったとは意外でした。ドイツ語、フランス語、英語、イタリア語と、全編にわたって言語の違いがサスペンスを生む展開は脱帽です。 ブラピにあそこまでアホ丸出しな演技をさせるとは、タランティーノも人が悪いですな。監督の要求に素直に従ったブラピも人がいいんですね。おかげでクリストフ・ヴァルツが余計に上手く見えて、オスカー獲るのにナイス・アシストだった様な気がします。 そして『キルビル』にも出ていたジュリー・ドレフュス、『キルビル』に続いて劇中悲惨な扱いを受けてたような気がしますけど…。タランティーノって彼女が嫌いなのかな、など思わず勘ぐってしまいます。自分はNHK『フランス語講座』以来の彼女のファンなのですがねえ。
[DVD(字幕)] 7点(2010-09-21 00:24:39)(良:1票)
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