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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2402
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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121.  レッド・スパロー 《ネタバレ》 
暗い雰囲気のストーリーが延々と続くし、観終わっても壮快感なんか一ミリも無いし、あんまり人にお奨めできる作品じゃなかったかと思います。ジェニファー・ローレンスが体を張って頑張っていると言われても数か所あるヌードシーンは遠景だったり暗かったりで言うほどのことはなしで、リアルでアレな画像が流出しちゃってる彼女としてはこの程度のヌードで騒がれても屁でもないでしょう。それよりも、全編通して笑顔を見せたカットがなかったんじゃないかと思うぐらいの仏頂面演技が、彼女の真骨頂でしょう。監督が『ハンガー・ゲーム』シリーズと同じなので、彼女としてもやり易かったかもしれません。それにしてもロシア保安庁(もとはKGB)の禍々しさはどこまで実態を反映させているのか判りませんが、最近のロシアの実情から考えるとあり得るのかなと感じます。シャーロット・ランプリングが出てくるスパイ養成所なんて、雰囲気はまるっきりソ連じゃないですか。 ジェニファー・ローレンスの叔父の保安庁高官を演じる役者が、あまりにプーチンに似ているのにはちょっとびっくりです。やはりこれは確信犯なんでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-12-11 23:41:47)
122.  レディ・プレイヤー1 《ネタバレ》 
たぶん自分が生涯でもっとも聴いたロック・スコアである“Jump”がいきなり響き渡るのだから、そりゃ高まらないはずはないでしょう。次から次へと登場してくるポップやサブカルチャーのアイコンたちには息を飲むばかりでしたが、そのうち半分近くが日本ネタというところに、改めて日本のポップカルチャーの影響力を実感させられました。噂では「ゴジラも出てくるらしいよ」と聞きましたが、実際にはゴジラはゴジラでもメカゴジラの方だったのはちょっと残念。ローランド・エメリッヒが例のイグアナ・ゴジラを製作してるときに「君がゴジラをリメイクするのは冒涜以外の何物でもないから、止めた方が良いよ」と非難したぐらいのスピルバーグですから、自作でもゴジラそのものを登場させることは矜持が許さなかったのかもしれません。エッグを獲得するための最後の試練がアタリの原始的なゲームだったというのはアメリカらしいけど、ここはぜひともドラクエとかゼルダの伝説なんかをフューチャーして欲しかったところです。 オアシスを開発したジェームズ・ハリデーとは、観れば判る通りスピルバーグその人なんです。とくに若いころのハリデーは50年前のスピルバーグと瓜二つでしょう。映画の道に進まなかったらただのオタク少年だったスピルバーグが、もし違う人生を選択出来たらなりたかった自分の姿こそジェームズ・ハリデーなんだろうと感じます。そしてラストで見せられるハリデーの部屋は、スピルバーグ少年の部屋を再現したんだろうなと想像してしまいました。「孫もいる歳になっても、まだピーターパン症候群が治らないのかよ」と突っ込みたくなりますが、「リアルがいちばん大事、週二日は脱Net日を」なんて分別くさいメッセージを織り込めるぐらいの大人にはなれたみたいですね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-11-25 20:32:31)(良:1票)
123.  グレイテスト・ショーマン
P・T・バーナムという人の実像からはあまりにかけ離れている、と米国の批評家からは酷評されたそうですが、自分にはそれはどうでも良いとしか思えないです。調べてみるとたしかにこの映画は相当派手に脚色されているみたいです。 “バーナム効果”という心理学用語があるぐらいで、確かにペテン師的な印象が強いみたいですね。でも山あり谷ありと言ってもこれだけポジティブな人物だと、観ていて愉しくさせてもらえることは確かでしょう。テンポも良くてサクサクとストーリーが展開しますが、サーカスの芸人たちやビジネスパートナーそして家族とのエピソードが薄っぺらすぎて自分としても低評価になっちゃいます。サーカス公演のミュージカル場面もそこそこに豪華絢爛ですけどなんか中途半端で、どうせならバズ・ラーマンの『ムーラン・ルージュ』ぐらい弾けて欲しかったところです。まあこの映画は、気分が落ち込んでいるときにはいい薬になるかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-11-22 23:22:38)
124.  ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷 《ネタバレ》 
監督が『プリデスティネーション』のスピエリッグ兄弟で、同作で強烈な印象を残してくれたサラ・スヌークも出演とくれば、どうしても期待しちゃいます。 題材は有名なウィンチェスター・ハウスで、30年以上も屋敷を増築させた未亡人サラをヘレン・ミレンが演じるとなれば、けっこう怖いんじゃないかと身を正して観始めました。ヘレン・ミレンが初めて姿を現すシーンは期待通りの不気味さでしたが、ストーリーが進むにつれてどんどん良心の呵責に苦しむ普通のおばあちゃんになって行くのにはちょっと期待はずれでした。彼女が魔女的な怪演を観せてくれるのかと思いましたが、デイム・ヘレンを引っ張り出してきてそんな三流ホラーみたいなことは、さすがに出来なかったんでしょうね。サラ・スヌークもごく普通の母親で、これなら別の女優でも良かったんじゃないでしょうか。後半の亡霊が正体を現すきっかけは明らかに1906年のサンフランシスコ大地震で、こういう史実やサラ・ウィンチェスターの実際のエピソードが上手く取り入れられた脚本だと思います。後半は単なる亡霊バトルのアクションですが、前半の心霊ホラー・パートもよく考えたら突然デカい音で脅かす例のパターンが多かったのはちょっと残念です。 サラが増築を続けた理由は実際もこの映画の通りだったみたいです。でもそんなこと言ってたら、最近鬼籍に入ったAK47を開発したミハイル・カラシニコフとその一族はどうなっちゃうんでしょうかね。旧ソ連の大戦後における最良の工業製品はカラシニコフAK47であると、現在のロシアでも賞賛されているぐらいですから、何をかいわんやです。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-11-18 23:01:48)
125.  ゲティ家の身代金 《ネタバレ》 
世界屈指の大富豪がドケチで恐るべき怪物だったという、言ってみれば身も蓋もないお話です。降板したケヴィン・スペイシーを観たかったというご意見も多いですが、風貌と言いその迫力と言い、クリストファー・プラマーのジャン・ポール・ゲティの方が圧倒的に迫力があったと思います。 この映画は実際の事件とフィクションを巧みに融合させた構成になっていて、リドリー・スコットの手堅い演出もあって中だるみ感もありながらも一気呵成にストーリーが展開されます。プラマーは代役撮影という事情もあってかわき役的な存在で、ゲティ家サイドのマーク・ウォールバーグと誘拐犯側のロマン・デュリスのシメントリーな関係がストーリーテリングの軸となっています。とくにロマン・デュリスが演じるチンクアンタと誘拐されたゲティ三世の関係の変化が、チンクアンタがどんどん同情的に変化してゆく“逆ストックホルム症候群”というような状況だったのが印象的です。ゲティに雇われているマーク・ウォールバーグも母親ミシェル・ウィリアムズの苦境に直面して、ゲティを裏切るような形で彼女を助ける展開で、やはり“逆ストックホルム症候群”の趣がありました。もちろんこの辺りはフィクションですけど、この両者の行動を対にした脚本は上手いと感じます。 映画はいちおうハッピーエンドのような形で終わりますが、ラストでゲティ三世のその後に触れなかったのは、結婚して子供にも恵まれたけど重度の薬物中毒で廃人状態になって2011年に54歳で死亡したあまりに悲惨な人生と、その最期を看取った母親がまだ存命なのが理由なのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-11-12 23:52:28)
126.  ゲット・アウト 《ネタバレ》 
米国の黒人ラッパーは『招かれざる客』と『ドライビングMissデイジー』が大嫌いだという噂がありますが、この映画の脚本の巧みなところはこの二作をごった煮にして見事にホラー料理として仕上げたところでしょう。 ほとんど予備知識なしに観ましたので、中盤以降の展開にはちょっと意表をつかれました。アーミテージ家のアメリカンゴシック調のたたずまいがホラー的な雰囲気を盛り上げてゆくことが巧みに計算されているようです。いつもいい人キャラだったキャサリン・キーナーがこういう役柄を演じたのは珍しく、これからもどんどん悪役に挑戦してほしいと思います。絶体絶命のピンチに陥った主人公が反撃に打って出るところはご都合主義の感は否めませんでしたが、こういう展開にならなきゃ観客は納得できないし、その結果得られたカタルシスを考慮すればこれは全然OKだと思います。駆け付けた白人警官に主人公が射殺されるというラストを選択する監督もいるかもしれませんが、後味悪くてもハッピーエンドのこの閉め方で正解だと思います。 そして本作でもっとも強烈な印象を残してくれたのはあの女で、『ゴーン・ガール』のロザムンド・パイクに匹敵するインパクトがありました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-10-29 22:51:35)
127.  デス・ウィッシュ 《ネタバレ》 
今やカルト映画のリメイクが趣味というか生計の糧としている印象があるイーライ・ロス、今回選ばれたのは『狼よさらば』というわけです。チャールズ・ブロンソンが演じたポール・カージーをブルース・ウィリスが引き継いでビジネスマンから外科医にキャラも変わっています。で、どういう感じだったかと言えば、予想通りの可もなく不可もなしとしか言いようがない凡作でした。 イーライ・ロス印のエロやグロそして情け容赦なさがえらくおとなしい。これは観る前から何となく予想してたら見事に的中、その理由は『グリーン・インフェルノ』や『ノック・ノック』と違ってロスがプロデューサーじゃない、つまり雇われ監督だったってことです。冒頭のカージーの妻と娘が襲われるシークエンスはオリジナルの方がよっぽどエグい、ロスが好きなように撮っていたらトンデモない映像になっていたのでは。結末もオリジナルとほとんど変わっていないといっても、この監督にしては異例のハッピーエンドなのは凄く期待外れ。カージーの出来の悪い弟フランクというキャラも、実は悪のサイドの人間でついにはカージーに成敗されるという展開かと思いきや、どんどんキャラ変してゆき最後は普通のイイ人で終わってしまうというのはある意味がっかりでした。だけどこの映画でいちばん文句が言いたいのはブルース・ウィリスで、その容姿は最近のジョン・マクレーン刑事そのまま、エリートで平和主義者の外科医という雰囲気にはほど遠い。少しはキャラづくりという努力をしてくれないとねえ、「世界一ついてない刑事がシカゴでまたドンパチやってる」としか見えません。 というわけで、イーライ・ロスの才気がまるで感じられない凡作でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-10-04 22:22:56)
128.  グランド・イリュージョン 見破られたトリック 《ネタバレ》 
監督を中国系に変えて(この後に『クレイジー・リッチ!』を撮った人)チャイナマネーを呼び込み、シリーズ化させる気は満々とお見受けいたします。内容もますます『ミッション・インポッシブル』風味が強まり、いやというか『キングスマン』シリーズを意識してきたというのが正解かも。この四人のマジシャンと元FBI捜査官はここまで来ると完全に謎の組織のエージェントですね。今回は風呂敷を広げ過ぎたおかげで前作どころじゃないツッコミどころの多さで、ここに寛大な心で臨めるかどうかがこの映画を愉しめるかのカギとなります。私は思ったより自分が広い心を持ってなかったと反省する次第です(笑)。その中であえてひとつ言わせていただければ、「催眠術、最強かよ!」というところでしょうか。いやはや、ここまでくればまさに魔法、いやほとんど超能力といった感じです。ほんとアントニオ猪木じゃないけど「催眠術があれば何でも出来る~1・2・3、ダァー!」と叫びたくなりました(笑)。 昨今のSNS全盛ご時世、YouTuberとして人気を呼べれば犯罪者も義賊になれそうという流れを皮肉るのがこのシリーズ脚本の隠れた意図かとも思いましたが、そんな深いこと考えてるわけないですね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-09-30 22:41:04)
129.  グランド・イリュージョン 《ネタバレ》 
これはもう皆さんご指摘の通り、マジックを題材にする映画の居心地の悪さがドンと立ちはだかって結局それを乗り越えられなかったということにつきます。言ってみれば映画自体が壮大なイリュージョンみたいなものですからねえ。というわけで軽いタッチのストーリーテリングなので、展開自体もどんどん『ミッション・インポッシブル』シリーズみたいな感じになって行きました。どうせなら『プレステージ』みたいな怪奇趣味に走ったほうがなんとかなったかもしれません。 この映画の最大の弱点は“アイ”などと呼ばれるフリーメーソンみたいな秘密結社のことを脚本上うまく活かせなかったところで、四人のマジシャンたちの活動が“アイ”とどういう関係があるのかが全然わからない。インターポールの捜査官メラニー・ロランとFBI捜査官マーク・ラファロの絡みが並行して描かれているが、これではこの映画のストーリーテリングが四人のマジシャンと二人の捜査官に分裂してしまって緊迫感がそがれてしまいます。メラニー・ロランの正体ははたして?というサスペンスを強調する手もありますが、そうするとオチがあれですから突っ込みどころがさらに巨大化するだけになりそうです。 とまあケチをつけだしたらキリがないわけですけど、マイケル・ケインにモーガン・フリーマンも顔を見せていることだし、深く考えなければいい暇つぶしにはなるでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-09-29 22:00:32)(良:1票)
130.  スターリンの葬送狂騒曲 《ネタバレ》 
“スターリンのヒムラー”の異名を持つ秘密警察長官ラヴレンチ―・ベリヤの処刑については実は様々な異説があり、プーチン大統領はもちろん真実を把握していますが決して彼が(そしてその後のロシアの政体が)真相を明かすことは今後もないでしょう。でも本作で描かれるようにスターリンの葬儀直後に処刑されたというのはフィクション(逮捕直前の細かいディテールは一般的な通説に従っている)ですが、これはまあ許容できる創作の範囲だと思います。 スターリン死の前後のドタバタがこの映画のテーマですが、歴史上稀にみる過酷な独裁政治の終焉ですからその視点がブラックかつシニカルであるのはストーリーテリングとしては正解でしょう。スティーヴ・ブシェミのフルシチョフを始め政治局員の面々は実物と良く似せたふん装で、とくにブルガーニンやカガノヴィッチはそっくりです。この人物たちの権力欲だけは旺盛な小物ぶりは実にコミカルで、実際この人たちはスターリンに気に入れられなかったら一国の統治に関わるような資格さえ持てなかったんじゃないですかね。逆にベリヤが改革を進めようとする善玉のような見せ方になっているのが皮肉です。実際に彼はスターリンの死後いち早く収容所の開放や政治犯の釈放に取り掛かっているのですが、これはストーリーの進行上スターリン時代の悪行をほとんどスルーしてしまったためで、このことを批判する欧米の批評家も存在します。 さほど遠くない過去に起きた醜悪な歴史的人物たちが繰り広げるドタバタ劇、としかわたくしには感想が思いつきませんが、劇中NKVD内の廊下にまるで電話のベルが各部屋で鳴っているかのように響き渡る銃声が悪夢のようでした。その中で、狂言回し的なキャラだったオリガ・キュリレンコが一服の清涼剤でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-07 23:23:02)
131.  5つ数えれば君の夢 《ネタバレ》 
現在日本映画界でもっとも期待されている映像作家のひとりである山戸結希の、商業映画デビュー作です。アイドルグループ東京女子流の五人をメインにした彼女たちのプロモーション・ビデオと言えなくもないが、各人のキャラやストーリーそして世界観はすべて山戸結希ワールドになっているところはさすがです。私立名門女子高の学園祭で開催されるミスコンを舞台にして、マウントとりに熱中している女子高生たちを独特の感性とセリフ回しで表現しており、この作風には観る者の好き嫌いがはっきりしてしまうかもしれません。監督じたいは女子流の活動についてはまったく予備知識がなく、初対面での各メンバーとの10分程度の面談で劇中のキャラを決めたそうなので実際のメンバーのキャラとはほぼ無関係になっているそうですが、このキャラ付けには山戸結希の感性の鋭さが感じられます。哲学を専攻したそうなので確かにセリフのロジックには理屈っぽいところがあって一昔前のATG映画を見せられるような雰囲気もありますが、ここを現代の10代が演じるというのはある意味新鮮な感じすらしました。ももクロの『幕が上がる』なんかよりはるかにささるものがありました。 アイドル運営から山戸結希にPV監督の依頼が現在殺到しているというのも、納得です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-08-24 22:38:21)
132.  ヘレディタリー 継承 《ネタバレ》 
『ピーター・ラビット』を上映中のオーストラリアの映画館でこの映画の予告編が流れ、客席を埋めていたちびっ子たちがパニ喰って大騒ぎになった、これはなかなか愉しい(?)エピソードですね。でも自分だって映画館でこの映画を観たら、チビってしまったかもしれません。 前半ではまだオカルト的なことは起こらないけど、とにかくト二・コレットと子供たちが最大のホラー。娘は女の子なのになぜかチャーリーという名前、とにかくこの少女の顔が気持ち悪いんです。なんというか塗り壁みたいな不気味なのっぺり顔のうえに死んだ小鳥の首をチョンパしたりするから、もうたまらんです。高校生の兄貴も眉毛が妙に濃い暑苦しい顔で、たぶんこの俳優の地顔は割と美男子なんだろうけど終始締まりのない表情なので、これもなんか生理的に受け付けない。ト二・コレットに至っては、「確かこの人は若いころはけっこう美形だと思ってたけど、勘違いしてたかな…」と思うぐらい、壮絶な顔芸を披露してくれます。オカルトやホラーに出演すればいつも悪魔のサイドにいる印象のガブリエル・バーンがいちばん普通なんで、やっぱこの映画どっかおかしい(笑)。怖がらせ方も独特で、全編にわたって聞こえるか聞こえないかぐらいの不協和音の音楽で押し通しちゃうのが効いています。そのくせエンド・タイトルで流れるのはジュディ・コリンズが歌う『青春の光と影』なので、そのギャップはセンスがイイ。でもいちばん怖いというかわけが判らんのが、ト二・コレットがミニチュア・ハウスの造形作家だという設定でしょう。娘の首チョンパの事故死場面を立体化するのは怖すぎ。なぜかこの映画は首チョンパがやたら出てくるのですが、ト二・コレットの“セルフ首チョンパ”にはびっくり、いくら憑りつかれていたとは言え、こんな荒業は初めてです。 たしかに噂にたがわぬ怖さですが、悪魔崇拝がオチというのだけはちょっといただけない。キリスト教徒にはこういう悪魔の存在が恐怖の源らしいけど、不信心なこちとらにすると“悪魔・魔女“と聞いただけで「ああ、またか」と白けてしまいます。西洋の連中には”不条理の恐怖“というのが理解できないみたいです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-08-20 22:52:39)(良:1票)
133.  アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル 《ネタバレ》 
トーニャと彼女を取り巻く主要キャラたち、こいつらが揃いもそろってバカばっかりという壮絶さ。この実在のバカたちの、本人たちは大まじめなのにその生きざまを淡々と並べただけでコメディになってしまうというのがある意味凄いところです。トーニャやその母親を始めとする連中の劇中の会話にロジックに基づいた要素が皆無なのには、もう呆れます。だけどインタビューを再現したパートでは、実際に言ったのかどうかは詮索しませんけどトーニャがけっこう含蓄のある発言をしているのは興味深い。どっちにしろこの映画で特に強烈なのは、アリソン・ジャネイの毒母ぶりであることは間違いない。もちろん常人には理解できないこの母親なりの計算があったのは確かだろうが、ホワイト・トラッシュなのに稼ぎをトーニャのスケート費用につぎ込んできたのは、彼女なりの愛なのかもしれない。そうやって何となく彼女を理解できたつもりでいたら、オリンピック騒動が始まってからトーニャを訪ねてきた時の行動をみせられて自分の甘さを思い知らされました。やはりこの女は怪物です。 この映画はとにかく編集が超絶技巧、オスカー編集賞にノミネートされたのは当然の結果です、ぜひ受賞して欲しかった。ボクサーに転向したトーニャがノックアウトされるスローモーションに、トリプルアクセルを決める栄光の瞬間をカットバックで被せるセンスには素直に脱帽です。80~90年代の聞き覚えのあるヒットソングをひっきりなしに流す撮り方も、ストーリーテリングに独特のリズム感を与えてくれています。 これは観て決して損はない佳作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-08-15 00:03:17)(良:1票)
134.  コンビニ・ウォーズ ~バイトJK VS ミニナチ軍団~ 《ネタバレ》 
ケヴィン・スミスが撮った『Mr.タスク』からのスピンオフ作品らしいんですけど、言ってみればケヴィン・スミスとジョニー・デップ、それぞれの家族を総動員した究極のファミリー映画じゃないですか。主人公のJKコンビはそれぞれの娘ですが(それにしても娘にハーレイ・クインなんて名前を付けるとは、さすがケヴィン・スミス)、太めのコリーンの母親はスミスの嫁さんでハーレイ・クイン実の母親、スミス自身は判りにくいけどソーセージ製クローンのミニナチの顔として出演。顔にギミックつけすぎでもはや誰だか判らないデップの謎の探偵こそが元ネタからのスピンオフ・キャラらしく、元嫁ヴァネッサ・パラディは歴史の先生、コンビニでJKコンビへ悪態をつく悪ガキもデップとパラディの息子。というわけでそれぞれ家族睦まじいのはいいんだけど、肝心の映画の方が適当な思い付きを映像化したような感じで、つまり全然面白くない。ウジャウジャ出てくる顔がケヴィン・スミスのミニナチ小人が観てるうちに気持ち悪くなってくるし、いくらソーセージ製と言ってもあとからあとから踏みつぶされてザワークラフトの体液をまき散らすさまはゴキブリみたいな昆虫をつぶしているみたいで「もう勘弁して」と泣きごとが入ります。JKコンビのパワーの元がヨガだってのも、判ったようで判らなく要はピンとこない。まあこれは才人監督の暇つぶしと思うしかないけど、これでカネをとられる方は堪んないぞ。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-08-11 23:14:13)
135.  バリー・シール/アメリカをはめた男 《ネタバレ》 
80年代レーガン政権時代の米国と中米の係わりは、ほんとにややこしく複雑でなおかつ個人的には興味がないので困ったものですが、そこにトム・クルーズをぶち込んできたのでちょっと期待して観ました。映像はドキュメンタリー・タッチの手持ち撮影が多く、実録ものらしい雰囲気は良く出ていました。トム・クルーズの演技はいかにもな小者感が前面に出ていて、けっこう愉しませてくれます。そういえば同じ実話ものである『グッドフェローズ』と似た雰囲気があるとも感じましたが、『グッドフェローズ』のような切れのある脚本ではないので比べられたら可哀そうですね。キャスト面では奥さん役のサラ・ライト以外に重要な女優キャラが皆無と言える状態で、ちょっと花がなさすぎ感が否めません。結論としては、ダグ・リーマンがメガホンをとっているという期待感は見事に裏切られたかなという感じです。 70~80年代の米国政界の主要人物が勢ぞろいしていたところが面白かったところでした。それはアーカイブ映像だけではなく実際にキャスティングされた役やセリフだけで登場する人物など様々でしす。なかでも、バリー・シールがホワイトハウスに連れていかれたシークエンスで、ベンチの隣に座っていたのが小者時代のジョージ・W・ブッシュで副大統領のパパ・ブッシュに会いに来てるというのが、個人的にはツボでした。それもまるでお小遣いをもらいに来た引きこもりみたいな感じなのが笑わせてくれます。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-08-03 23:03:02)
136.  人生はシネマティック! 《ネタバレ》 
バトル・オブ・ブリテンの真っ最中、空襲に痛めつけられている英国民を鼓舞しようと情報省はプロパガンダ映画の製作を企画した。題材はダンケルク撤退、「双子の姉妹が小舟でダンケルクに赴き兵士を救出した」という新聞の記事をもとにした英雄譚でいこうじゃないか!となって省内で白羽の矢を立てた女性職員を脚本家に仕立てて製作開始。ところが彼女が双子姉妹に会ってみると新聞の記事は話を盛り過ぎてほとんどフェイクニュース状態、姉妹が操縦した船はエンジン故障でダンケルクどころか英国領海を出てすらいなかった… というプロットの映画です、いわゆるバック・ステージものと言われるジャンルになるかと思います。映画製作の裏側を見せる作品はいろいろありますが、本作のヒロインは脚本家で脚本家の視点で撮られているところがその手の映画としては珍しい視点だと思います。“予期せぬ出来事が続いて撮影現場が混乱する”というのが定番のストーリーテリングですが、この映画ではそのシークエンスが割と抑え気味で、そのためかコメディ色が薄くなっています。ベテラン名優役のビル・ナイは確かに彼らしい役柄で光っていますが、全般にヒロインを含めて主要キャストが地味な顔ぶれなのがなんか弾けてない感を強くしてしまっている気がします、まあそこがいかにも英国映画というテイストなんですけどね。登場キャラやその周辺の人々がぽつりぽつりと空襲で死んでゆくのがリアルなところなのかもしれませんが、ヒロインと恋仲になる脚本家が死ぬところだけは「そんな死に方ありか!」とただただ驚いてしまいました。 決して悪い映画だとは思いませんが、観客の期待する水準までには達しなかったなというのが正直な感想です。コメディ要素がもっと強い方が良かったかと思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-07-26 23:39:26)(良:1票)
137.  ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 《ネタバレ》 
12年ぶりに続編が製作されるとは、『T2 トレインスポッティング』ほどの驚きはないけど、なんでこんなに間が空いたのかというのは素朴な疑問。前半の展開はまるで『ブリジット・ジョーンズのセックス・アンド・ザ・シティ』といった感じで、悪友のシャザーやジュードがすっかり貫禄あるママになっている中でブリジットだけが凄く浮いている感じ。のっけからヒュー・グラントのお葬式と来るからなんか嫌な感じがしましたが、ラスト・カットを観て「あぁ、やっぱりそうか」と予感的中、こりゃ次回作もあると確信しましたがなんでグラントが本作では抜けたのかはまた疑問のタネとなりました。これは『キングスマン』のコリン・ファースのキャラのパロディなのかとも思いましたが、単にスケジュールかギャラの揉め事なのかもしれません。本来はコリン・ファースとブリジットの子供の腹ませ役を争うのはグラントのはずで、ここにパトリック・デンプシーを持ってこざるを得なかったところが、本作の最大の欠点でしょう。そりゃあヒュー・グラントとじゃ格というか存在感が段違いですからねえ。 予定調和な脚本ですが、監督が第一作目のシャロン・マグワイアに戻っていますので、原点回帰といった雰囲気だと感じます。皆さんご指摘の通り、レネー・ゼルウイガーとコリン・ファースのふけ具合は隠しようがないですが、両者ともアンチエイジングというか自分の年齢にあったメイクで役に臨んでいるので好感が持てます。レネーは最近ネットで観るすさまじい画像(失礼)から見ると、これでもかなり盛っていると考えた方が良いですけど。こういう大人向けハリー・ポッターみたいなお話しにケチをつけてもシャレになんないのは判ってますが、さすがにブリジットが出産するまで父親がどちらかを知ろうとしないのは、ちょっと浮世離れしてますね。まあこれを言っちゃったら野暮というものかもしれませんが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-07-23 23:50:21)
138.  ジグソウ:ソウ・レガシー 《ネタバレ》 
『ソウ』マラソン完走者のくせに、またまた新作が世に出たといって観てしまう自分が情けない、というか、お前ら性懲りもなくシレっと撮るなよ!とジェームズ・ワンおよびリー・ワネル両名に説教したい。 製作者たちは原点回帰と呼ばれたいのかもしれないが、よくよく考えると今回のお話しは前シリーズのエッセンスを薄めて一本の映画にしました、ってことなんですよ。ジグソウの後継者が誰か?というくだりは、まさに前シリーズの『3』当たりまでのストーリー展開とほとんど一緒だといえます。途中からジグソウ本人が登場してきてまさかの心霊ホラーかと慄きましたが、種明かしされればこれは『4』で使っていたような時系列をいじくった映像的トリックにすぎず、完走したくせに前シリーズの細部を忘却の彼方に追いやってしまった自分が情けない。でも言わせていただければ、これはミステリー系映画のトリックとしては禁じ手なんじゃないかと思いますけど… やはり私も、ラストは“Game Over”で幕を閉じてほしかった方です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-07-19 00:41:46)
139.  MEG ザ・モンスター 《ネタバレ》 
サメ映画といえばアサイラムというのが昨今の常識ですが、その牙城に敢然と殴り込んできたのはやはりチャイナ・マネーでした。ただのサメ映画にするには多額のバジェット、というわけで登場いたしますのは古代ザメ・メガロドン、でもこれも本家(?)アサイラムで何度もフューチャーされているので目新しさは薄いです。 これはもう、ジェイソン・ステイサムの割れまくった腹筋を愛でる女性ファンとその手の趣向のお持ちの男性のために撮った映画と言っても過言ではありません。五年前の原潜事故の際に巨大生物と遭遇したと主張しているけどキチ〇イ扱いされてタイで気ままな世捨て人を愉しむ我らがジェイソン、でも彼がやっていた稼業はどの組織に属していたのかなど面倒くさい説明はいっさいスルーしちゃうところがまた潔い。嫌だ嫌だといいながらも元嫁が潜水艇でメガロドンに襲われた聞くといともあっさり元の稼業に逆戻り、なんかすごくイイ人じゃないですかジェイソン。そう、この映画の登場キャラは研究のスポンサーである大富豪以外はみんなイイ人ばかりなんです。それではいくらサスペンスシーンを並べても、モンスター映画としての緊迫感がイマイチでないんです。そして理解しがたいのは、危機を脱してもとことんメガロドンを仕留めようとするステイサムたち登場キャラたちの執念です。中国の海水浴場に入り込むメガロドンを追っかけてゆくわけですが、どうせ喰われるのは…おっとこの辺で自主規制させていただきます(笑)。でも、フカヒレ漁に狂奔する彼らは、サメ一族の深い恨みを買っているかもしれません(笑)。 アサイラムと比較されたらさすがに「バカにするな」と製作者は怒るでしょうが、それでもかろうじておバカ映画の水準をクリアした程度です。そして私は嫌なことに気が付いてしまいました。ラストのメガロドンがサメの大群に喰われまくるシーンで、メガロドンの口から幼生が飛び出してくるようなカットがあったのです(サメは胎生、体内で仔魚を育てる)。これは続編製作もあるかもね(怖)。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-07-14 23:33:10)
140.  悪の教典 《ネタバレ》 
伊藤英明を稀代のサイコキラー・ハスミン役に持ってきたのは、とりあえず正解。彼もいつも演じている偽善が鼻につくヒーローよりも、こういう悪役を選択した方が役者生命を延ばせるというもんです。でもこのハスミンは通常の悪役キャラとは大違いで普段は快活で生徒に信頼されるナイスガイ、まあこのキャラについては普段の演技パターンでこなせるわけですが、鬼畜モードに入ったハスミンを演じるにはちょっと演技力が不足しているようです。それは別に凶暴にふるまう演技を要求しているわけではなく、さりげない所作などに普通じゃないところを盛り込んでほしかったんだけどなんか物足りなかったですね。区別せずに論ずる人が多いけど、いわゆるキチ〇イ(あっちの世界に行っちゃった人)とサイコパスは明確な違いがあるんです。ハスミンは原作者の意図からしてもサイコパス分類のはずで、そうなると彼に話しかける幻聴や幻覚は誤解を招く表現で不要だったとおもいます。 大量に射殺されてゆく高校生たちの阿鼻叫喚はすごい絵面ですが、彼女らに感情移入できなかったのが我ながら不思議でした。これはこの子たちの家庭環境などの個人的な背景がまったく描かれていなかったのが原因かと思いますが、原作から大幅にカットされたのはこの部分らしいです。大部の小説を映画化する場合にはどこを切るかは重要な作業で脚本家の腕の見せどころでもありますが、エピソード自体をばっさりカットして再構築するということも時には必要なはずです、でもこれは原作者との関係もあるので難しい問題かと思います。三池崇史のことですから30分以上にわたる大虐殺シーンには力を入れたかったと思いますし、そうなるとそこに至るまでにあと30分は尺が必要だったんじゃないでしょうか。 “To Be Continued ”がエンドマークでしたが、続編はどうなってるんでしょうか、まあ小説の方がまだ発表されていないので無理ですよね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-06-30 23:16:04)
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