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Сакурай Тосиоさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 250
性別 男性
自己紹介 サンボリズムとリアリズムのバランスのとれた作品が好きです。
評価はもちろん主観です。
評価基準 各2点ずつで計10点
1.物語の内容・映像にリアリティを感じるか?
2.視覚的に何かを象徴できているか?
3.プロットの構成は適切か?
4.画面に映る動き・台詞や音にリズム感があるか?
5.作品のテーマに普遍性はあるか?

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121.  メランコリック
台詞の生っぽさが面白いというぐらいでカメラワークも構成も平凡ですし内容は青年漫画的なモテない男性の願望充足と自己肯定の物語でしかありません。低予算だからこの程度でいいと満足するのではなく低予算だからこそ小さな世界で収まろうとせずに普通の映画ではできないことをやろうという気概がほしいです。まあ逆にオーソドックスな作りができるということはこの監督は普通の娯楽映画でも活躍していける才能があるということかもしれませんのでそこは一長一短ではありますね。殺し屋と銭湯という組み合わせは鍵泥棒のメソッドからの着想でしょうか。日本のフィクションは安易に殺し屋のような架空の存在に頼るのをやめた方がいいと思います。物語上殺し屋を出す必要なんか全くないのに純粋にラブストーリーやドラマの力だけで勝負できないから余計な要素を突っ込んで間を持たせているだけではないでしょうか。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-09-13 23:25:34)
122.  空白
シチュエーションは面白いんですが、アイデアが見つかったから映画化しただけのようでそれ以上の試行錯誤の過程が見えてこないです。なんだろう、頭の中で考えられた人物の機能や役割が描かれていてもその人間性までは十分に描かれていないという印象が残ります。伊東蒼なんかまさにそうで不幸な少女だという説明描写が終わったら劇的なシーンを作るためにさっさと退場させられてしまいます。テーマを描くためのリアルな描写が不快感を催させているのではなく、観客に不快感を持たせる人物を登場させること自体が目的と化してはいないでしょうか。漁師やスーパーの店長やパートの中年女性、責任逃れしようとする学校や悪質な報道をするマスコミ、作り手が安心して見下せる立場の人間を安全圏から面白がって眺めてるだけで自分の問題として捉えているようには思えません。マスコミの描き方なんかこの映画自体が偏向報道そのものではないですか。まあそれでも古田新太と藤原季節の絡む場面は好きな方ですね、俺も昔万引きしましたなんてサラッと告白しちゃうところが良いです。終盤の人物に変化の兆しが見える展開も悪くはないのですが、安直でまるで別の映画が始まったようにも感じてしまいます。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-09-11 23:44:06)
123.  ラブ・アゲイン
こういうタイプのラブコメ映画って最近あんまり見なくなってしまった気がします。スマホが出てこないというのも今では考えられませんね。ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの二人も一時期はよく共演してましたが最近はこの組み合わせを見ませんね。マジックテープの財布がバカにされるのってアメリカでも同じなんですね(笑)。夫としては特に問題ないが男としては魅力がない人物が主人公というお話なのですが、それならば年下の若い娘に好かれるというのが不自然に感じます。ライアン・ゴズリングからは女性の楽しませ方を、スティーヴ・カレルからは女性に一途であることの大切さを学ぶというお互いを尊敬し合える成長物語にすれば良かったと思うのですが、その辺りはおざなりでエマ・ストーン関係を見てもせいぜい謎で引っ張り意外性のある展開にしておけばいいという安易さを感じます。車から飛び降りるシーンは最近是枝裕和監督の怪物でも似たシーンがありましたがただの偶然なのでしょうか。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-09-10 23:31:23)
124.  コーダ あいのうた
性に対してあっけらかんとしているのはフランス映画のリメイクだからでしょうか。いくらなんでも映像や編集にこだわりがなさすぎるような、なんだかテレビドラマを見ているような気分になります。家族と学校のような狭い世界の問題しか描かれないところもその印象に拍車をかけます。米国の事情には詳しくないですし漁師の生活も勿論大事ですので安易に批判するのも良くないのですが、乱獲の規制がまるで悪いことのように描かれているのも違和感があります。ろうあ者であろうと何一つ特別視するべきではない普通の人間であるというのはその通りだと思います。しかしこの映画はろうあ者を主要な登場人物に据えているところを特別視しなければ目新しいところもない平凡なドラマでしかないと思います。まあ斬新な設定や深刻なテーマ、グロテスクな描写等にうんざりしてベタなドラマを見たい時にはちょうどいいのかもしれません。アカデミー賞の審査員もそういう気分だったのでしょう。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-09-05 22:35:50)
125.  スクールガールズ
舞台となる1992年は長く続いたフランコ独裁が終わってから15年が経ちオリンピックと万博が公開された年であり、スペイン人にとっては日本にとっての1964年オリンピックと同じような意味を持っていそうです。とはいえこの作品はそんな世相とはほぼ関係ないシングルマザー家庭の少女が主人公で、その学校と家庭での出来事が淡々と描かれているだけです。スペイン人ならば当時の空気感が再現されていると評価もできるのでしょうが、激しいドラマもメッセージ性もないため当時のスペインの雰囲気をよく知っている人間以外が楽しむのは難しいと思います。ミツバチのささやきのアナ・トレントを生んだスペイン映画らしく主演のアンドレア・ファンドスはかわいいのでそこは救いです。劇中で映画を見る場面もありますし意外と意識しているのかもしれませんね。他にも保守的なカトリックの学校に通い母親との軋轢もあるというプロットはグレタ・ガーウィグ監督のレディ・バードに似ているところもありますね。修道院学校の押し付ける窮屈な道徳と世俗的な文化のもたらす自由という対比ですが、アメリカに比べると世俗文化の力が弱いためかどうしても暗く陰鬱な印象の方が強くなってしまっています。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-30 23:11:18)
126.  マネーボーイズ
監督はアジア系で中国で幼少期を過ごしてはいるもののオーストリア在住のほぼヨーロッパの人間であり、台湾で撮影されていながら舞台設定は架空の中国の都市という複雑な背景の作品です。頻出する水のモチーフ、曇天の中の薄暗い映像、ロングショット中心で長回しを多用、同性愛やセックスワーク、田舎の貧しさと抑圧的な価値観、まあ確かに私もこのような映像美やテーマに期待してこの映画を見たわけなのですが、物語に没入するよりも今はこういう要素を散りばめとけば映画祭等で作家性がある作品として高く評価されるだろうという戦略のようなものが見えてくるのでうんざりしてきます。こういういかにもアート映画っぽい要素を取り除けば、内容はややシリアスな恋愛映画程度のものでしかないと思います。嬉しそうにバイクで相乗りする場面なんか何度も同じようなシーンを過去の映画で見た気がします。ヨーロッパの人間が監督した架空の都市を舞台にした作品であることを考慮すれば、これが現実の中国の同性愛者の境遇や社会問題を描いたものとしてそのまま受け取ることもできないでしょう。別にステレオタイプだとか差別的とまでは言いませんし真面目に作られてはいるのですが、新しい視点を得られるような作品ではなかったです。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-27 22:21:26)
127.  蝿男の恐怖
青を基調とした夜の場面とプレス機はターミネーターに継承されているのかもしれません。序盤の雰囲気は結構悪くないとは思ったのですが、結局ほぼ原作を忠実に映像化しただけの作品でしかないので物足りませんでした。原作にはない映画独自の演出と言えるのは転送に失敗した猫の鳴き声が静寂の中で聞こえる場面と蝿男の複眼の主観ぐらいでしょうか。手紙での語りを回想に変えるのは単純な置き換えでしかなく、舞台が一軒家からほとんど移動がないのも映画としては明確な欠点です。カラー撮影であるため今でも見やすく、そこは50年代のSF映画としては強みです。しかしこの映画に限ったことでもないのですが、この時代のハリウッドのシネマスコープ画面の映画はクローズアップをあまり用いずにほとんどロングショットだけで物語が語られるため映像のメリハリがなく見ていてダレてくるところがあります。この映画でクローズアップが用いられているのは蝿と文字を映す場面ぐらいのものです。文字は大きく映さないと読めないというだけですし、結果として蝿が映される場面が一番刺激的にはなっています。
[DVD(字幕)] 5点(2023-08-22 23:19:42)
128.  スターリングラード 史上最大の市街戦
ロシア映画初のIMAX・3D映画でありロシア映画史上最大のヒット作らしいです。監督のフョードル・ボンダルチュクは名前からわかる通りあのセルゲイ・ボンダルチュクの息子さんらしく親子揃って超大作を任されるポジションにいるみたいです。序盤から水面を歩く兵士だったり火だるまになりながら突撃する兵士だったりリアリティよりも幻想的な絵作りを志向しているのかなという感じです。屋外のシーンでは終始灰が降り続け、屋内では部屋の隅々まで灰が積もっています。爆撃を受けた後は確かにこうなるのでしょうが、数日経過しているはずなのにいつまでも灰が降り続けているので逆に不自然で絵として映えるから作り込んだだけなのかなと思ってしまいます。戦闘シーンではスローモーションが多用され銃を持ってるのにやたら接近して殴りかかっていくので正直馬鹿っぽく見えます。紀里谷和明やザック・スナイダーが戦争映画を撮るとこうなりそうです。5人のソ連の兵士が一軒のアパートを守るために奮闘するというお話ですが、説明不足なところが多くロシア人でないと正直よくわからない部分が多いです。スターリングラード攻防戦の激戦区となったパヴロフの家という史実をベースにしたフィクションのようですが、舞台がほぼアパート一軒のみで進むので単にスケールが小さいだけに感じてしまいます。主人公たちのバックボーンは直接映像としては出てこずナレーションのみで語られるのも不満点です。ロシア人女性を愛人に持つドイツ軍将校はハリウッド映画にも出演するドイツ人俳優トーマス・クレッチマンが演じており、ロシア側だけでなく彼の登場する場面にも結構な尺が割かれております。冒頭がなぜか東日本大震災の際にロシア人がドイツ人の被災者を救出する場面で始まるのも含めてロシア人のドイツ人に対する何らかの感情が描かれてそうですがそこもはっきりとは伝わってこないです。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-16 22:32:48)
129.  ミナリ
アジア系の移民が主役というのも珍しいのですが、その上農業で成功を目指すというのは今まで見たことがない例です。実際この時代の韓国からの移民(に限ったこともなさそうですが)は圧倒的に都市への移民が多かったみたいで、劇中の家族は都会の韓国人を嫌っているあたりからしてもかなり珍しいパターンのようです。何の根拠もなく自身たっぷりな父親に対し現実を見据えている母親、男の子と女の子が一人ずつ、おばあちゃんがいてもおじいちゃんはいない、一昔前は日本でもよく見られたような家族像は懐かしさを感じさせますが日本人としては新鮮味も薄いです。移民の物語だからといって差別や迫害を描けば良いというわけでもなく人種を超えた友情を描いているのはこの映画の美点ではあります。しかし監督の自伝的内容とはいえ作品の焦点がどこにあるかよくわからずテーマも不明瞭で終始ぼやけている感じなのは欠点です。父親の農業への情熱、おばあちゃんへの思い、生活の中のキリスト教、どれも素っ気なく描かれるだけで作品を通して誰が主人公なのかもよくわかりません。部分部分に光るものがあっても全体としては希薄な印象しか残らないというのが正直な感想です。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-10 23:18:39)
130.  オーディション(2000)
今見直すとなんとなくドライブ・マイ・カーに似ていますね。村上春樹と村上龍原作ですし、こういう作品が海外受け良かったりするんでしょうか。三池崇史監督作品にしてはくだらないギャグがないので見やすい方ではあります。この作品の一番面白いところって序盤の男同士のコイバナ(?)のゲスい部分も含めた楽しさだと思いますね。そのゲスくていやらしい部分を中和してバランスを取るために痛いしっぺ返しを食らう展開が用意されているわけですが、男同士の会話の生っぽさに比して後半のホラーパートになると一気に台詞も演出も現実味に欠けた陳腐なものになってしまいます。男側の丁寧で共感もできる心理描写に対し女側はこんな女現実にはいないだろうという大袈裟な表現になってしまっているのがつまらないんですよね。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-08-07 23:16:00)
131.  地球防衛軍
こういう映画を劇場で見て思うのは現代の設備の整った映画館で見るには画質の方は何とかなっても音響面が結構きついということです。冒頭の東宝マークに流れる伊福部昭の音楽からして音割れしているような印象すら受けます、家で見た時の方がずっと印象がいいです。皮肉な話ですが音響という面から考えると日本映画黄金時代の作品は現代では映画館の大画面で鑑賞する価値が薄れてしまっている側面があります。とはいえやはり4Kリマスターの恩恵は十分にあったとは思いました。特撮場面はこの時代にしてはという但し書き付きではありますがかなり丁寧に作られていることがよくわかります。序盤の自衛隊によるモゲラの火炎放射器攻撃場面ではカメラをパンさせたように編集することでワンカットで両者を捉えるように見せているところが努力を感じさせます。物語の面では平田昭彦演ずる白石は劇中の描写だけだとああいう行動に至った動機がよくわかりません。兄妹・婚約者設定も物語上特に活かされていないので不必要に感じます。無理難題を押し付ける怪異が若い娘を差し出せと要求する姿はSFというより土俗的な民話を思わせます。やや危ういと感じたのは放射能によって身体に異常が生じたミステリアンが地球人との結婚を求めそれを拒絶されるのは現実の被爆者の婚姻差別を連想させるところです。まあその辺を深く考えずおおらかな時代のSF戦記を楽しめばよいのでしょうが、その場合でも戦闘シーンが結構単調ですね。伊福部昭の音楽を垂れ流しにして画面のリズムを意識することなくミサイルや砲撃が淡々と繰り返されるだけです。まあ伊福部昭の音楽自体が同じモチーフを何度も繰り返す傾向があるので合っているといえば合ってるのでしょうが。マーカライトファープがなぜミステリアンに有効なのかもよくわかりませんね、無粋ながら脚を狙えば終わりではないかと(笑)。
[映画館(邦画)] 5点(2023-08-05 19:50:41)
132.  ブレット・トレイン
アクション映画の主人公までがセラピーを受けるとは世知辛い時代ですな。まあ主人公と言ってもブラッド・ピットは災難に巻き込まれただけで物語の重要な部分は真田広之が持って行ってますけどね。よくこんな映画に出たとも思いますが現場は楽しかったかもしれませんので余計な心配はしないことにしましょう。日本が舞台となるわけですがおそらくロケーション撮影は全くされておらずほぼセットとCGで再現された新幹線内のみでストーリーが進行します。夜や夕焼けを表現した照明のカラフルでノスタルジーも感じさせる雰囲気は悪くなくリアリティを無視したいい加減な内容ですがこのアプローチは一応成功しているとは言えます。とにかくステレオタイプな描写とそれをおちょくったようなシーンしか出てきませんのでクエンティン・タランティーノというよりそれを真似ただけのダメな日本映画を見ているような気分にすらなります。まあ伊坂幸太郎自体がそういうところありますので逆輸入という形にはなるんでしょうね。ジョーイ・キングや福原かれんがかわいかったのでとりあえず見て損したとまでは思いませんでした。
[インターネット(吹替)] 5点(2023-08-03 23:58:15)
133.  忘れられた人々
盲目の老人の人物造形がすごいですね、障害者でありながらとにかく傲慢なクズという描き方でインパクトがあります。ただそれは結局見世物的な魅力であってそれが現実の社会へ何らかのメッセージを伝えるものになっているとは思えません。少女のエロティックな見せ方、障害者や動物への暴力シーン等も当時は斬新だったのでしょうが、時代を下ればシリアスな社会派映画だけでなく低俗なホラー映画でも頻繁に採用されるような描写でしかないです。物語性が希薄で誰が主人公かもよくわからない構成ですが、かと言って既にイタリアン・ネオレアリズモが存在したことを考えると当時の劇映画から大きく逸脱したような内容でもありません。ルイス・ブニュエル監督らしいシュールレアリスティックな夢のシーンはこの映画でも見られますが、結局そういうシーンが一番魅力的であり逆にこういうリアリズムを基調とした社会派映画のような作品はあまり向いていないことを強調しているとすら感じました。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-08-02 23:20:30)
134.  カード・カウンター
若者がグーグルアースを得意げに説明するシーンを見たとき、ああこれはおじいちゃんが脚本を書いた映画なんだなと思ってしまいました。熱いギャンブラー同士の対決が見たい方にはオススメできません。カードゲームの場面はすべて淡々としており娯楽性はほぼありません。前作魂のゆくえは環境問題という現代的なテーマで一本筋が通っていたのでわかりやすかったのですが今作はその辺りがあやふやです。一応米軍の闇のようなものが描かれていますがそれが主人公の稼業と何の関係があるのかよくわかりません。ウクライナ出身のミスターUSAという意味ありげな人物が登場しますがそれを深読みする気になるだけの強固な芯がこの映画には欠けています。魂のゆくえに引き続き主人公がノートに何かを書き記しながらモノローグで語る構成を採用していますが、同じような演出を二度採用するのは焼き直しと感じてしまいます。ただ捕虜収容所の魚眼レンズで撮影したような映像の感覚は新鮮で良かったです。結局この映画はザ・ヤクザの脚本家がまた日本の任侠映画のような作品をやりたかっただけのように思えます。主人公が博徒であるのはそれ以上の意味があるとは思えません。
[映画館(字幕)] 5点(2023-07-31 23:16:30)(良:1票)
135.  仁義なき戦い
序盤の戦後の闇市の様子の再現は良いです。山守親分はこういうタイプの親父いるなあと思いますし、個々の台詞やキャラクターのインパクトはあります。しかしこの映画は正直音楽が酷いと思います。殺人シーンに毎度例の曲が流れるのはほとんどギャグみたいな演出です。また本来は粗製濫造されたプログラムピクチャーの一本に過ぎないので撮影も美術もチープと言わざるを得ません。それが戦後日本の貧しさと猥雑さを表現できていると言えなくもないのですが、役者のアップを多用したカメラで誤魔化しているのも苦しいところです。脚本もこれで良いのでしょうか、事実をベースにしているとはいえ登場人物の出番をうまく整理できていないように感じます。ドキュメンタリータッチといえば聞こえはいいですが、気がついたら人物が仲良くなっていたり死んでいたりするのでこっちの感情の持って行き場がありません。海外ではこの映画の評価は必ずしも高くなく国内と異なり日本映画の代表作とは認識されていません。それはやはり描かれる世界の狭さと劇映画としての完成度の低さが原因だと思います。
[インターネット(邦画)] 5点(2023-07-24 23:07:09)
136.  ファイナル・デスティネーション
2000年と比較的新しい方の作品にはなるのでしょうが、この時代でも既に映像のルックというのは古びている感じがしますね。事故時の飛行機の内部のシーン等は普通にセットに見えてしまいます。死は日常のすぐそばにあることを気づかせるというアイデアは興味深いものです。序盤の飛行機事故から追悼式の場面まではその辺りを作品のテーマとして掘り下げることができるかと思わせてくれるのですが、結局それ以降は面白殺人ピタゴラスイッチ部分ばかり凝っているのが残念ですね。飛行機での旅行中に事故に遭うかもしれないという恐怖は多くの人間が経験し得ることですが、そこから死の運命に翻弄されるなんて現実とは何の関係もないので身に迫る恐怖に欠けているのがコメディのようにも見えてしまう要因です。編集のテンポはいいので気楽に見る分には悪くないです。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-07-21 23:17:39)
137.  Mommy/マミー
一応管理社会のような設定が冒頭で示されますが、描かれるのは何ら特別でない現代社会のようで設定にほとんど意味がないどころか却って物語が陳腐で嘘くさくなっているように感じます。個人の視野の狭い世界を描くという体で社会の方へ目を向けることを放棄しているようにも思えます。1:1のアスペクト比はスマホ画面というより西洋の肖像画に近く、かっちりした美しい構図を生み出しているとは言えるでしょう。しかしいざそのアスペクト比が横に広がり通常のビスタサイズになってしまうとそれは解放感というよりもむしろ通常の映画と変わらない平凡で退屈な画面という印象を受けてしまいます。彼らの望む幸せ自体が平凡なものでしかないという皮肉なのかと勘ぐりたくもなります。スーサイド・スクワッドみたいな妄想シーンがあるのには苦笑いです。ミュージックビデオ風の演出もいかにも通俗的で特筆すべき内容のある映画だとは思えませんでした。
[DVD(字幕)] 5点(2023-07-17 18:06:57)
138.  
知る人は知っているインド映画の伝説的大ヒット作です。英語版Wikipediaによると公開当時インドの大衆に支持されながらも批評家には酷評されているみたいなのですがそれには納得ですね。長いしダラダラしてるので全編夢中になって楽しむのは難しいですが、案外インド人もそんなに集中せずに面白いシーンが来るのを待ちながら楽しんだりしてるのかもしれません。そういう昔の大ヒット映画って日本や欧米でもありますよね。西部劇というより日活無国籍アクションみたいなムードです。ヒトラーみたいな所長と馬車ひきの娘のキャラは印象的です。明るい話と思ってたら陰惨な復讐劇の部分もあります。というかこの頃から既に香港カンフー映画っぽいところがあるんですね。現在U-NEXTで配信されているのは2014年に公開された3D版のようで、不自然にデジタル合成が施されたシーンがあります。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-07-06 21:00:44)
139.  aftersun/アフターサン
本編より予告編の方が感動できました。ビデオカメラで撮った映像は申し訳程度に挿入されるのみで大部分はフィルム撮影なので意味があったのかどうか疑問です。せいぜい90年代という時代を象徴している程度でしょうか。繊細なニュアンスで行間を読み取ることを求めているというよりは、わざと説明不足にして謎を作り出しそれへの興味で引っ張っているだけのように感じます。父親の影の側面を深読みさせるための描写を除けば基本的には父と娘の一夏のトルコ旅行が描かれるだけです。インタビューによると今作の父親像は監督個人の経験を投影している部分もあるそうなのですが、内容が本当に個人のホームビデオのようでは困ります。ただ休日の外出先での夕暮れや夜の心地よい雰囲気はよく再現されていてあくまで雰囲気に浸って楽しむ作品としては悪くないです。トルコはあの山の感じといい夏に虫の鳴き声が聞こえるところといい日本を思わせるところがあってそういう意味でも郷愁を誘うところがあります。カラオケ(めっちゃ下手でしたね)や観光客の老人の多さもなんだか日本っぽいです(笑)。父親の苦悩に着目するよりも全体的にノスタルジックな雰囲気が強すぎて最終的には好きな人とこういう旅行ができたら楽しいだろうなーぐらいの感想しか出てきませんでした。
[映画館(字幕)] 5点(2023-07-02 22:53:33)
140.  炎のデス・ポリス
言うほど炎のデス・ポリス感はなく、真面目に作られているアクション・スリラー映画です。邦題のイメージ通り奇天烈なキャラクターを揃えたコメディに振り切ってくれたらもうちょっと楽しめたと思います。クエンティン・タランティーノ監督作品風のだらだら会話劇が続きますがセンスがない人がやると本当にだらだら退屈なシーンが続くだけという感じです。黒人女性のアレクシス・ラウダーが主役という点以外にジャンルとして斬新といえる要素はないです。人物の掘り下げもあまり行われないので魅力的なキャラクターといえばサイコパスの爺さん(トビー・ハス)ぐらいなもので、彼が登場しアレクシス・ラウダーを追撃する中盤が一番盛り上がります。防弾ガラスにマシンガンを撃ちこみ破片が飛び散る描写は新鮮で良かったです。それにしても最近はなぜかやたら西部劇風の映画が作られてるような気がします。
[インターネット(字幕)] 5点(2023-06-27 22:32:07)
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