1461. 関の彌太ッぺ(1963)
《ネタバレ》 中村錦之助は男の中の男を演じている。 川で溺れる少女を助け、お金まで払って安全な家へと引き渡す。 そして10年後。 ヤクザとの果し合いに、死を覚悟で臨む。 死ぬやもしれないその前に、ひと目あの娘を見ておきたいと、10年前預けた家へと向かう。 そこには、めっきり美しくなっていた、一人の女性がいた。 男なら、ここで女性を引き取り、恩を着せて自分のものにしてしまおうという邪念が働いて当然だ。 そして喧嘩はとんずらこいて、その美しい女性と楽しく過ごす。 しかし、こんな誘惑をいとも簡単に振り払った中村錦之助の男粋。 これはすごい! すばらしい!! よっ!男の中の男! 「・・・・・。」 ん?! 待てよ? どうもしっくりこないぞ? そんなんあり得るんか?? 宮本武蔵にしてもそうだが、どうして時代劇のヒーローにはストイック、それも性的なストイックさが要求されるのか? そんなん要求されるなら、ボクは時代劇ヒーローになんてなりたくない。 たとえカッコ良くてもなりたくない。 そんな強い思い(?)を胸に、「終」の文字を観た。 ボクなら、十朱幸代を手篭めにして・・・(以下、自主規制) [映画館(邦画)] 6点(2008-11-12 13:41:17) |
1462. 妻という名の女たち
《ネタバレ》 おっと、青観さん、お待たせいたしました! 日本で一番、スーツとスカートと腕時計の似合う女優、ばはは~い!けろよ~ん!司葉子を目当てで鑑賞。 いやはや、美しい。 清楚でいて、クール。 そして、腕時計。 小津作品の雰囲気と、成瀬作品のストーリー、両者のいいとこ取りのような本作。 そう表現すれば聞こえはいいけど、どうも中途半端。 大体、小泉博と児玉清という俳優陣が役不足。 そもそも、小泉博と司葉子が夫婦ってのがおかしい。 つりあいがとれていない! 更に、そんな美しい司葉子を奥さんに持ちながら、浮気をする小泉博。 証券マンだか何だか知らないが、身の程知らずにも程があるぞ、コラァ。 殴るぞ、小泉博! 児玉清は優男風だが、少し司葉子とデートできたもんだからって、すぐ口説きにかかるし。 殴るぞ、児玉清! ゴラァ! あんたら、小粒のくせに・・・ おっと、口が過ぎてしまった。 すいません。 ほんと申し訳ない。 だけど、これ話をうまくまとめすぎじゃないかなぁ。 強引に話をまとめ上げた感があって、どうも満足できない。 同じ系統の作品でも、成瀬作品の足元にも及ばないなぁ。 やっぱり、成瀬巳喜男はすごいね。 この作品を観て、ますます成瀬が好きになった。 それはそうと、司葉子がもう少し腕をまくるなり、半袖なりを着てくれたらなぁ。 スラリとした白い腕と、そこにからまる腕時計とのコラボレーションが観たかったよ! 監督!ツボを外しているよ!ダメだよ! [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-11-08 00:00:58)(良:1票) |
1463. うつせみ
《ネタバレ》 最後に女性が発する「愛してる」以外は全て無言劇という異色作。 その独自性は評価するが、リアリティの欠如は否めず。 しかも、女性の夫や汚職警察官が完全なる悪役を演じているなど、アメリカ映画にありがちな「勧善懲悪」的志向が鼻につく。 でも、独房シーンにおける主人公の“かくれんぼ”は趣向が凝らされていて楽しめた。 映像と音楽もなかなか良い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-02 03:35:06) |
1464. 次郎長三国志 第一部 次郎長売出す
あぁ、大好きなお蝶ちゃんからもらったカンザシ。 それをちょんまげ頭に刺したら百人力! なんてロマンチックなんだろう♪ お蝶ちゃんの声かわいい!! [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-11-01 23:26:09) |
1465. 気のいい女たち
《ネタバレ》 実にヌーヴェル・ヴァーグ的な魅力に溢れる一本ではあるが、話にまったく脈絡がない。 そこがまたヌーヴェル・ヴァーグ的だと言えばヌーヴェル・ヴァーグ的なのだが・・・ 挿話の全てが突飛なものばかりで、パリジェンヌ達の怠惰な日常をつらつらと綴っただけの内容。 それでいて、どこかミステリアスで刺激的な内容に仕上がっている。 内容を楽しむというより、このいかにもフランス映画的で、写実的な雰囲気を楽しむといった趣の作品だろうか。 それにしてもラストの猟奇的殺人シーンはなんだったのか。 全く前後につながりがないだけに解釈のしようもないが、納得がいかないと同時に、とても印象に残るラストでもあった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-29 00:10:26) |
1466. ライアンの娘
《ネタバレ》 ベタ褒めする程の魅力は感じなかったが、時間の流れがゆったりとしていて、リラックスしながら観ることができた。 いずれにしても、不倫というものは絶対的に間違っている。 まして、この女は自ら中年男を誘惑し、結婚までしておいて、若い優男とセックスまでしている。 こんな勝手な女は、髪を切られるだけでなく、絞首刑に処すべきだ。 厳しさの足らない甘ったるい作品だ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-19 23:16:56) |
1467. 炎上
やっぱり市川雷蔵と市川崑の組み合わせがイマイチな気がする。 市川雷蔵はカッコいいか、もしくは渋いキャラを演じさせて、初めてその魅力が発揮される俳優だと思っているので、こういう朴訥なキャラを演じさせてしまうと、その魅力が半減してしまう。 暗い作品は嫌いではないが、本作の暗さを退屈さをも招き入れてしまっていた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-10-13 22:51:35) |
1468. ぼんち
話としては楽しめたが、どこか物足りない。 どこか突き詰められていない気がする。 市川雷蔵は大好きだけど、もう少し渋い役柄が好きだし。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-10-13 20:15:52) |
1469. ファニー・ガール
バーブラ・ストライサンドの魅力が一杯に詰まった作品。 彼女は、ベビーフェイスで幼さを残しながら、女の色気も十分に持ち合わせている。 キュートありながらセクシー。 まさに理想の外見だが、どうにもキャラが騒々しく疲れる印象。 だけど、最後には人間として成長する。 そういった部分がうまく描けていた。 しかし、ミュージカル調であるところと、アメリカ映画の特徴である“都合のよさ”がどうにも鼻につく。 長さはそれほど気にならなかったが、満足もできなかった。 ただ、“愛”というものの持つ大切さ、力などはとても良く表現できていたし、“愛”というものを人生で体感した人なら、意味の分かる印象的なセリフや歌も多く、その辺は評価したい。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-13 14:35:34) |
1470. 鶴八鶴次郎(1938)
池袋・新文芸坐にて鑑賞。 成瀬巳喜男作品の鑑賞は、自身29作品目。 話としては、なかなか濃密なのだが、どうも楽しめない。 芸道ものが苦手というのもあるし、何といっても、長谷川一夫と山田五十鈴が苦手ってのがある。 だけど、二人の演技はうまい!と認めざるを得ない。 二人はまだ駆け出しの頃だと思うが、それを全く感じさせない職人芸の域に達していた。 二人の演技は、観ていて安心感さえ感じた。 [映画館(邦画)] 6点(2008-09-23 08:14:53) |
1471. 蜘蛛巣城
うーん、、期待していたほどじゃなかった。 そもそも、黒澤明と相性が悪い私は、黒澤作品に期待をしても無駄なのか、とさえ思った。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-15 19:37:03) |
1472. 暖流(1939)
《ネタバレ》 観ている最中、どうも分かりづらかったのですが、元々は前後篇に分かれた作品だったのですね。 戦前の作品なので、全長版は消失してしまっているのですかね? 個人的に苦手な高峰三枝子と佐分利信が主演という時点で、既に私にとっては致命的なんですが、それでも名作と言われるだけあって、随所に印象的なシーンがありました。 高峰三枝子と水戸光子と佐分利信の三角関係。 二人の女性は佐分利信を実は好きなのだが、女性二人で話し合っても、言葉では本心を明かさない。 その二人の女性の微妙なやりとり、その心理描写がとても巧かったですね。 それと、高峰三枝子にフラれたばかりの佐分利信が、水戸光子と結婚を決めるシーン。 高峰三枝子にフラれた直後に、水戸光子から言い寄られ、あっさり結婚を了承してしまう佐分利信。 これはある意味、男として情けないが、水戸光子の自分を一途に思ってくれるその気持ちに心打たれたからこそ、結婚を了承した。 この辺りの演出もとても見事で、水戸光子がいかに佐分利信に惚れているかが、絶妙に演出されていました。 なにぶん戦前の作品なので、古さ臭さは否めませんでしたが、名シーン・名ゼリフも多く、1930年代の作品としてはかなり楽しめた部類に入りました。 [映画館(邦画)] 6点(2008-09-15 00:15:14) |
1473. 花影(1961)
《ネタバレ》 東京・阿佐ヶ谷にある「ラピュタ阿佐ヶ谷」にて鑑賞。 この映画館に行ったのは初めてだが、とんでもなくみつけにくかった。 でも、いったん眼にとまると、あからさまに「ラピュタ」と分かる建物。 凄いインパクト。 映画館の外観でこれほどインパクトを受けたのは初めてかもしれない。 座席数が非常に少ない映画館だったのだが、池袋・新文芸坐あたりとタメをはる貴重な邦画ラインナップを連日上映しているだけに、人が少ししか集まらないのがとても不思議だ。 新文芸坐くらいの勢いで人が集まったら、あっという間に満席になってしまうところだろう。 今後の上映作品をみても、貴重な作品と魅力あふれる作品が多いので、座れない日が来るのでは?と不安だ。 さてさて、本作は川島雄三監督の作品である。 川島監督の「喜劇」イメージとはまったく異なる作品で、純粋な恋愛ものである。 文芸作品ばりにストレートな展開で、比較的好きなジャンルなのだが、残念ながら特別面白くはなかった。 その要因の一つに、ヒロインが池内淳子だったというのがある。 劇中ではモテモテの役なのだが、私の好みのせいかどうか分からないが、どうもそうは見えず、感情移入できなかったのだ。 しかも最後は恋愛人生にくたびれての自殺。 つまらない最悪のまとめ方だ。 大体、大恋愛に失恋したとかならともかく、だらしのない男と薄っぺらな恋愛を重ねて失敗したからって、死ぬこたぁないよ! しかも、そんなに世を憂うほど美人じゃあないし!(クドイですし、池内淳子ファンに失礼ですよね、スイマセン) まあとにもかくにも、ヒロインに対して魅力を感じなかったことと、ヒロインをとりまく男達に感情移入できなかったことが、いまいち満足できなかった最大の理由である。 もっと自分好みの女優がヒロインで、しかも成瀬巳喜男あたりが監督だったら、きっとお気に入りの作品になったんだろうけど・・・ [映画館(邦画)] 6点(2008-09-13 20:07:47) |
1474. 野蛮な遊戯
《ネタバレ》 東京・銀座の「有楽町朝日ホール」にて鑑賞。 比較的、入り込みやすい作品。 でも、テーマが拡散しすぎ。 とにかく色んな題材を詰め込み過ぎている。 恋愛、失恋、障害者教育、家庭内暴力、殺人、精神異常、エロス・・・ とにかく、よくありがちな題材を無理矢理取り込んでいる。 主人公の少女はとても魅力的だし、両足に障害を持ち、その父親が暴力的にそれを教育する、という内容だけで面白いものが撮れそうなものを、もったいない気がした。 [映画館(字幕)] 6点(2008-09-07 00:10:50) |
1475. 秋立ちぬ
子供たちが主役を演じており、そういった意味では小津安二郎の初期作品群を想起させる。 中盤は、子供二人の会話が延々と続くが、これははっきり言って面白くはない。 子供たちを扱わせたら、やはり小津の方が数段上である。 成瀬巳喜男監督は、大人の男女の愛憎劇や、腐れ縁などを演出させるとピカイチだが、本作のような子供をメインに据えた作品には不向きの様に思う。 ただ、子供二人の不幸の背後には、大人たちの勝手な色恋沙汰が見え隠れしている。 そういった部分を見れば、確かに成瀬作品であることが分かる。 背景描写や音楽の使い方などは、まさに成瀬作品らしい内容となっており、成瀬ファンにとっては、「愛すべき小品」となるに違いない。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-03 23:32:00) |
1476. 綴方教室
高峰秀子が若い!というか、幼い! こんなに若い彼女を見たのは初めてなので、とても新鮮味があった。 後に、日本映画史上を代表する女優になったかと思うと、実に興味深い作品であった。 しかし、内容的には好みに合わず。 どうも、1930年代の日本映画ってのは、清水宏作品にしてもそうだけど、真面目すぎるキライがある。 [ビデオ(邦画)] 6点(2008-08-20 23:45:56) |
1477. 牢獄
前半はベルイマン作品らしからぬ軽妙な語り口だが、後半から一気にベルイマンらしさが加速する。 特別面白い作品ではないが、ベルイマン作品特有の世界観を味わうことのできる作品である。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-08-17 19:39:48) |
1478. 眠狂四郎 無頼剣
ううむ・・・単純な娯楽時代劇で、特別目をみはるべきものはない。 市川雷蔵の美しさのみにインパクト。 藤村志保は苦手。 “ニヒル”天知茂も、雷蔵の前には霞む。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-14 21:33:57) |
1479. ひめゆりの塔(1953)
なんと言うか、ただ漫然と沖縄戦の惨さを描いているだけ。 面白さという点においては不満が残る。 しかし、香川京子が本作では特別にかわいい! 特に、歌を詠っているときの彼女はサイコーだった。 [ビデオ(邦画)] 6点(2008-08-12 20:41:04) |
1480. ジャスミンの花開く
《ネタバレ》 映像のレベルからすると、ここ最近の邦画より遥かに上。 特に冒頭の、淡いグリーンで統一された映像は素晴らしいの一言。 内容的には、母子の三代記的な内容で、やや飽きがくる。 ただし、最後の出産シーンは、あざとい演出ながらも感動できた。 チャン・ツィイーのワンマンショー的な映画で、彼女のファンなら十分に堪能できるはず。 色っぽいチャイナドレスを惜しげもなく披露してくれてます。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-07-31 00:00:02) |