1561. 宮本武蔵(1961)
子どもの頃に三船敏郎の宮本武蔵を見ていたので、すんなりと見ることができた。それどころか、以前筋がわからなかったところも手に取るようにわかった。 この映画は東映時代劇スター中村錦之助が主役をつとめているのでまったく申し分がない。また度量の大きさとともに生臭さも感じられる三国連太郎の沢庵坊主も光る。 この映画はまた、入江たか子の娘入江若葉のデビュー作でもある。八千草薫の可憐なお通とはたどたどしいのは残念ではあるが・・・。 DVDで三船敏郎と錦之助を並べて見ることができるようになった今日、比較することは可能になったが、それぞれの持ち味があり無意味とも思う。しかし、映画はたしかにスケールが大きくなった。 [映画館(邦画)] 6点(2011-11-03 06:34:38) |
1562. 宮本武蔵(1954)
子どもの頃見た宮本武蔵、筋は理解できなくとも結構覚えていた。それだけインパクトが強かったのだろうと思う。宮本村の武蔵は悪蔵とか鬼蔵と呼ばれ、暴れん坊のならず者だった。それがお通と巡り会い、沢庵和尚の教えによって人間らしい宮本武蔵になって旅に出る。その長い長いお話の序の部分だと知ったのはずっと後のことだった。 八千草薫のお通は、けなげでとてもいじらしい。 [映画館(邦画)] 6点(2011-11-02 22:37:09) |
1563. 人生、ここにあり!
精神病院を廃止するといっても、その後のケアをするシステムがなければむずかしいし、周囲の正しい理解がなければなおさらのことである。 映画は実在の人物をモデルにし、実際に協同組合の活動に基づいているという。そういえば、映画の中で元患者らが娼館へ行くシーンがあったが、実に生々しいではないか。 私には馴染みにくい映画ではあったが、イタリア人の気質を垣間見たような気もする。 [映画館(字幕)] 6点(2011-11-02 14:49:30) |
1564. 新・三等重役
社長シリーズは子どもの頃たくさん見たので、今はどれがどれだかわからないのが現状だか、この映画だけは新珠三千代さんの箱田章子役が大変すてきだったのでよく覚えている。この役は原作ではオールドミスということになっているのだが、映画の新珠さんは大変若々しく美しかった。 DVDが出ていないので確かめようがなく、ちょっと点がつけにくいのだが・・・。原作は大変おもしろい。 [映画館(邦画)] 6点(2011-11-01 22:10:35) |
1565. 社長三代記
へそくり社長に続いて鑑賞、子どもの頃見た映画だが全編を通じて笑い満載、何といってもそのテンポが良い。森繁・小林のコンビはすばらしくも今度は加東大介も登場し、より賑やかとなる。加東が出た分だけ三木のり平の出番が減っている。司葉子杉葉子という二人の葉子の美しさが目を引く。 栃錦・若乃花の横綱、月給1万5千円に対してテレビが5万円の時代であった。この映画ももちろん続社長三大記へと続く。 [映画館(邦画)] 6点(2011-11-01 19:58:00) |
1566. 黒い画集 ある遭難
サスペンス小説としてはおもしろいかもしれないが、実際の犯罪としては成り立たないのではなかろうか。いかに策を巡らしたとしても、天候などの自然現象や偶然を操ることは不可能だと思う。それに悪天候は一つ間違えば自分自身も巻き込まれてしまう。 登山のグループは本当の信頼関係ができていなければ成り立たないだろうし、自然の驚異をおそれ、山を愛するものでなければ登山家の資格なし。 [DVD(邦画)] 6点(2011-10-30 21:25:04)(良:1票) |
1567. 迷子の警察音楽隊
言葉が通じず、音楽でわかり合う物語かと思ってみたが、そうでもなかった。コメディと思ったのは最初の部分だけで、あとは静かに淡々と流れていく。それでいて、文化も人種も違う対立する二つ国イスラエルとエジプト、この距離感が何とも言えず良い。 少しもあきることなく、興味深く見ることができた。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-26 16:14:07) |
1568. ハムナプトラ/失われた砂漠の都
恐ろしさは残っていても、ホラー映画独特の気味悪さが押さえられ、コミカルなアドベンチャー映画になっている。終盤はスリル感もあって目が離せず、全体として大変おもしろい映画だ。 プロローグの3000年前の古代エジプトは、神秘敵であると同時に壮大感があって引きつける。CG映像の見事さの上に音響効果が実によい。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-22 22:50:48) |
1569. かげろう(2003)
男の方は素性を明かさないが、だいたい予測はつく。しかし女の方の行動の変化はDVDの表紙から予測がつくものの、いきなりという感じだった。それだけ心を温めていたということだろう。そしてもっと衝撃はラスト、あれれれという感じだった。 フランス映画は雰囲気で見せて、観客に感じ取らせたり、想像を書きたたせる映画も多い。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-21 02:56:05) |
1570. ショパン 愛と哀しみの旋律
以前に作られた「楽聖ショパン」より、事実に基づいて作られ真実に近い映画、ショパンとジョルジュ・サンド、そして彼女の子どもたちを中心に描かれている。いわば人間くさいショパンだ。 ショパンの曲を中心にたくさんのピアノ曲がちりばめられてはいるが、やや断片的で惜しい。その中でしっかり聴けるのはサンドとの愛のテーマにもなっている遺作のイ短調ワルツ、非常に哀愁を帯びた私の大好きな曲である。 [映画館(字幕)] 6点(2011-10-19 14:44:02) |
1571. 楽聖ショパン
先のお二方のご指摘通り、伝記映画として見れば大変ひどい。事実とずいぶん異なっているし、作曲された時期もめちゃめちゃ。しかし作られたショパンの物語、映画としての出来はまずまずだと思う。(かなり劇的になっている) 祖国を愛しながら戻ることができなかったショパン、ワルシャワ陥落の知らせに、「革命のエチュード」を作曲したというのは、あまりにも有名だ。 マール・オベロンのサンドは美しいし、強い女としてしっかり描かれている。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-18 23:43:25) |
1572. マグダレンの祈り
最初見たときは実話とは信じられなかったが、DVD特典映像で彼女たちの証言を聞くと、映画以上の恐ろしさを感じた。 だから、初めはどうしてとかなぜという疑問を持ったが、特典映像を見たら何も言えなくなった。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-15 17:47:12) |
1573. 居酒屋(1956)
前半は原作に忠実というか、原作以上のすばらしい演出。ジェルヴェーズを初めとして周囲の人物もリアルに描かれていて名作の予感。 だが後半の転落ぶりは、悲惨さだけが目につき、じっくりと描かれていない。原作をつまみ食いし、駆け足でストーリーを追っているだけのように思える。 この物語の続編として、娘のナナが娼婦となるわけだが、予感させるようなところで終わるのが印象的。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-14 21:14:25) |
1574. スイミング・プール
現実と空想(小説)の区別がわかりにくいが、そこは見る人によっていろいろな判断があるようだ。それに何となく伏線みたいなものもあるし・・・。 裸体の美しさもさながら、映画全体が美しく謎めいていて雰囲気がある。ランプリングにぴったり。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-12 12:53:45) |
1575. お嬢さん乾杯
《ネタバレ》 34歳の自動車修理工と26歳の学習院出のお嬢さんか、よさこい節と幻想即興曲との違いは何といっても大きすぎる。うまく行きかければだめになるし、だめになったかと思ったら・・・。追っかけていくところで終わるのが、いかにも木下恵介らしい人情劇。昔はこういうのが多かったなあ。 [DVD(邦画)] 6点(2011-10-10 14:19:31) |
1576. ピンクの豹
昔見たときはたわいもないコメディと思っていたのだが、改めてDVDで見ると結構おもしろいし笑える。有名なテーマ曲だが、途中で歌われる「It had better be tonight」も印象的で、ヘンリー・マンシーニの音楽が冴える。 [映画館(字幕)] 6点(2011-10-08 07:12:42) |
1577. アデルの恋の物語
ここまでくると情熱的を通り越して狂信的としか思えない。ピンソン中尉は二枚目かもしれないが、どうもそれほどの人物ではなさそうなのに・・・。親(ビクトル・ユゴー)も大変だったろう。これが実話だとは恐れ入る。 これがイザベル・アジャーニでなければ、とても見られたものではない。 [映画館(字幕)] 6点(2011-10-06 22:14:00) |
1578. 泥だらけの純情(1963)
私の少年時代のあこがれは何といっても吉永小百合、歌に映画に大活躍で人気はすごかった。この映画は、どうしようもないチンピラ少年に恋する良家のお嬢様役。ちょっと親切にされ、助けてもらっただけで一途に思い詰めるところが、まさにお嬢様であり、吉永小百合にはぴったりだった。 こういう二人の成り行きはおよそ見当がつく、怖いヤクザが出てきて・・・。コロンボの声の小池朝雄の演技が渋い。声優だけあって、声に迫力があり、迫力十分。 [映画館(邦画)] 6点(2011-10-05 23:27:17) |
1579. 越後つついし親不知
《ネタバレ》 戦後の恵まれた日本しか知らない者にとって、おしんや留吉の不幸を理解するのが難しいと思う。戦後まもなくの生まれである私ですら、何か策はなかったのだろうかと思ってしまう。 おしんが権助に無理矢理犯されたこと、そして身ごもったことをなぜ正直に打ち明けられなかったのか疑問に思ってしまう。 しかし、戦前の貧しい家で育ち、父母の面影さえなかったおしんを責めることはできないのかもしれない。哀れでならない。 [DVD(邦画)] 6点(2011-10-03 17:49:07) |
1580. 晩春
原節子主演の小津映画の最初の作品であるが、私が見るのは一番後になってしまった。 父親となかなか嫁ごうとしない娘の細やかな感情を描いた良い映画だったことはよく覚えているが、いまいち他の映画(東京物語など)と比べると印象が薄い。その少ない記憶の中で、笑顔を絶やさなかった原節子が急に真顔になったのを覚えている。そして嫁ぐことになったのだが、花婿さんがどんな人か、誰が演じるのだろうかと思っているうちに終わってしまったことも・・・。 今思えば、せめてカラーの「秋日和」より先に見るべき映画だったのだろうということ。 [DVD(邦画)] 6点(2011-10-01 09:42:52) |