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なんのかんのさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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1701.  網走番外地 北海篇 《ネタバレ》 
東映のヤクザ映画はだいたい新宿昭和館という名画座で観てて、ここは本物のヤーサンと並んでヤクザ映画を鑑賞できるという貴重な体験ができるとこだった。トイレで二人きりになったりすると緊張したものだ。ほかにも「一般市民」とはとうてい言えないいろんな異形の観客が平然とあたりにいて(ヘルメットかぶって頭との隙間にぐるりとチラシをたくさん差し込んでいるおじいさんとか)、思い出すと懐かしい。休憩時間には川中美幸の演歌が流れたりしてた。でこれ、アクション映画という前に、トラックに乗り合わせた人々の人間模様ドラマいう面がある。経営者の娘、ワケアリッぽい杉浦直樹、骨折した娘とその母、自殺未遂の女、それに若造と安部徹とくる。こういった面子なら安部徹がどうしたって目立つ。彼以外は善の方向を向く結末になるわけ。重厚な健さんの新作が次々作られていたころ観たので、チンピラ役は若干痛々しかった。男がムショに入っている間、嫁はしっかり姑に仕えてうんぬん、というのはちょっと無茶だな。
[映画館(邦画)] 6点(2010-02-01 12:06:42)
1702.  シリアの花嫁 《ネタバレ》 
遠く極東に暮らすものにとっては、イスラエル占領地域からは出てシリアには入っていけない花嫁の歩むラストを、寓意ととっていいのかリアリズムととっていいのか、そこらへんからして曖昧で、ただ、占領地の住人は「無国籍」ってことになるのか、ってことは分かった。ニュースではパレスチナとの摩擦はよく出るが、北でもこすれてるんだよな、この国は。映画そのものより、この作品がどういう環境で製作されたのか、イスラエル内でどういう反応を得たのか、ってほうに興味がいった。なんか最近この国の映画はちょっと元気がいいようなのだ。軍のガザ侵攻に90%の国民が賛同している、なんてニュースを聞くと溜め息が出ていたものだが、一方でこういう映画も作られている。「我々」を歌うのではなく、「我々」によって疎外されているものに目を向け出している。かつてラビン首相を暗殺したような極右によって、「売国映画」と騒がれたりスクリーンを切られたりはしなかったのか。こういうフィルムが存在していること自体が、希望である。あの「修正液」に、まず正すべきはイスラエルの占領政策だ、とまで読み込んでいいのか。あちらの花婿をコメディアンに設定したのは、テレビでしか会えないということ以上の意味はあるのか。といろいろ湧き起こる疑問に遠い地の観客は戸惑いっぱなしだが、そういう疑点を得たことが私にとっては収穫である。
[DVD(字幕)] 6点(2010-01-30 11:56:51)
1703.  不滅の恋/ベートーヴェン 《ネタバレ》 
楽聖映画ってジャンルが昔はあったが、これはそれよりも、どちらかというとミステリー映画だった。「彼の不滅の恋人とは、音楽の女神のことだった」なんてなるんじゃないかと心配してたら、ちゃんと答えがあるのがいい。誤解のポイントに説明があって、一応推理ものとしてずるくない。16番の弦楽四重奏曲の楽譜に書き込まれていた言葉も使われていたりする(ただしそのときバックに流れていたのは13番)。馬車のぬかるみって伏線もあって(クロイツェル)、それらの解答が第九を背景に出てくる仕掛け。「月光」をピアノの蓋に共鳴させて耳当てて弾いているとこ、作曲家が聴覚を失っていく痛ましさが、彼の孤独とともに出ていた。甥への溺愛に自分の少年時代が重なる、この溺愛もまあ、伏線ってことになるんだけど。
[映画館(字幕)] 6点(2010-01-29 11:58:27)
1704.  誰も守ってくれない 《ネタバレ》 
こういうのはリアリティが大事で、といってこちらも実際の捜査の手順なんて知らないから、いかにもありそうだな、と思わせてほしいわけ。15歳の一般人乗せて警察の車がマスコミ振り切るために乱暴な運転するのは、なさそうだなあ、とつまずく。容疑者宅の表札にガムテープを貼るなんてのは、ありそうだなあ、とうなずく。検挙してすぐその日に家族の姓を変えるってのは、半信半疑、微妙なところ。少し時間をはしょってるんじゃないか、と疑うが、あるかも知れないとも思う。つまりそのようにリアリティがデコボコしてるので、せっかく「ありそうだなあ」の部分も薄れてしまう。後半のボーイフレンドが来ての警察の対応も、ないだろうなあ圏内。おそらく一番リアリティがあったのは、ネット社会の眼だろう。「もっとさらしてあげましょう」。バーチャルな世界を飛び交う情報が、現代では一番リアリティを持っている。ああいう連中は、「現実」をネットの空間に導き入れたいという欲求に突き動かされているわけだ。そのことで「現実」を手懐けたい・タカをくくりたい、という隠れた欲求があるのかも知れない。そこらへんが面白かったんだけど、盗撮機器の回収という目的はあっても実際現実社会に出てきて刑事に暴力ふるうとなると、途端に「なさそうだなあ」になってしまう。佐々木蔵之介の記者が尻すぼみ。
[DVD(邦画)] 6点(2010-01-27 12:03:18)
1705.  スラムドッグ$ミリオネア 《ネタバレ》 
クイズの質問が、彼の半生の場面を次々に導いていくという趣向。その意外なつながり具合の楽しさで見せていく。最後は、前もって提示しておいた「三銃士」がクエスチョンに出てくるというヒネリがあって、これもいい。でも、そういったやや寓話性のある話に合った演出だったかなあ。なんか目まぐるしく、まさにテレビのショーを見ている感じ。テレビショーをテレビ的な演出で描いたら、映画の余地がなくなってしまう。カットが多くても落ち着いている映画はあるもので、展開の落ち着きのなさ、だ。語っていくことにばかり夢中で、その語り口を豊かにしようという工夫があまり感じられなかった。シンプルなラブストーリーでもあるのだから、もう少しじっくりした部分もほしい。結局、もう語るものがなくなったエンディングのダンスが一番落ち着いて見られたことになる。全体、音楽が調子いい。
[DVD(字幕)] 6点(2010-01-24 11:57:12)
1706.  黙秘 《ネタバレ》 
日蝕で一日だけにぎわう田舎町ってのがいい。死んだような島の一日だけの祝祭。ハレの日、夫が古井戸に落ちたとき、天にダイヤモンドが輝く。あたりに満ちるドロリとした光に、何か「四谷怪談」的なたそがれ感があって実に不気味。女の友情物語だ。「不幸な女には事故という親友がいるのよ」。現在と過去が自由に往還するのって、目新しくもないけど好きで、映画ならではの楽しみだ。現在のドアに過去の人物が帰ってきたり、現在の電話が鳴りだし昔のいやがらせ電話が聞こえてくる。フェリーの横に父が現われてコーヒーとココアを買い少女時代に導いていく。ただしこれなら100分以内に抑える内容だろう。
[映画館(字幕)] 6点(2010-01-16 11:59:20)
1707.  新仁義なき戦い(1974)
正編に比べてラストへ向けての集中感にやや弱みがあった。若山に盃を返すところで互いにビビッてしまうあたりのユーモア、あるいは田中邦衛のフトンや手旗信号のあたりなんかはいいんだけれども、たぶん一本気の若者がいないのが寂しかったんだと思う。このシリーズでは、菅原文太とは別に、死んでいく副主人公格の若者がいて、その一本気ゆえの悲痛さが、成田三樹夫や金子信雄と対比され、映画の核になっていた。その悲痛さを立派であると賞揚するのでもなく、馬鹿だねと嘲笑するのでもなく、決して一本気ではないボス連中と互いに照射しあっているところに面白味があった。それがこれではなく、そこんとこ薄味。それと少しカメラを振り回しすぎたか。
[映画館(邦画)] 6点(2010-01-15 11:56:44)
1708.  裸の大将放浪記 山下清物語
こういう人物を演じた上での笑いというのは難しいと思う。下手すると山下清を見下した笑いになってしまう。たしかに観客は幾多の山下の失敗を笑うわけだけれども、笑いのポイントはその失敗に対する彼のヒョウヒョウとした応対に対しての場合が多く、見下してはいなかった。また失敗を笑うこと自体が即差別かと言うとこれまた難しい問題で、そういう笑いの中にも小さな驚きを秘めた感動が同居している場合もあるのだ。そんなことをあれこれ考えさせられただけでも、貴重な映画だった(つい“障害者の映画”というジャンルでくくって構えてしまうこと自体、差別につながるかもしれないんだけど、でもどうもすんなり観られず意識してしまう困った性格)。監督の設計もあるだろうが、役柄をすっかり手に入れている芦屋雁之助のうまさに安定感。高松宮をスリとダブらせるなんて反骨精神も見事である。ラストの歌、そのものはまあダサいのだけど、山田典吾監督による詞の「天国は空にあるのではなくて地の中にある」というのが力強い。
[映画館(邦画)] 6点(2010-01-13 12:04:32)
1709.  EAST MEETS WEST 《ネタバレ》 
どうも焦点がボケているためにハズんでくれない。真田とそれを追う竹中いう設定が、あまり活きなかったんじゃないか。いっそラストの悪の街に乗り込むとこだけに焦点を絞ったほうが、シャキッとしたと思う。喜八らしさは、忍術で体をクネクネして牢格子を抜けるあたり、老人たちに銃を持たせたとこ、インディアンの歌と木遣りが重なる音響効果、など。刀とピストルで対決するってのは、『用心棒』を初めいろいろ試みられているが、どうもスッキリするアイデアは生み出せていないようだ。二人が対決する距離設定が難しいんだろうな、両者有利不利なしの対等な距離ってのが思い描きづらい。これ、永遠のテーマ。
[映画館(邦画)] 6点(2010-01-09 12:02:05)
1710.  人類創世
ネアンデルタール時代と原始文明時代の間のどこか、その猿と人との間での信仰・家屋・道具・化粧などを描いていく。芯に火を求めての冒険の旅を置いてあるのもストーリーとしての安定感、ユーモアも適度に散らばっている。しかし言葉がないことが、映画として枠に感じられてしまうんだなあ。言葉のない自由さよりも、不自由さを感じてしまう場面のほうが多い。せっかくのユニークな目の付けどころがあんまり生きてこない。つまり隠された言葉の台本がまずあって、それにジェスチャーを振り付けていったというような。まあこれは難しいことかも知れないけど、もっとまったく新しいものを期待してしまっていたので、ちょっとがっかりした。悪役が悪役らしい表情をしていることなんかにも、言葉の下地が透けて見えている気がする。音楽がやたら荘重な後に滑稽シーンが続いたりして、映画としてのリズムへの気配りも足りない。進化の進んでいる村は、どことなくパゾリーニの世界を思い出させて懐かしかった。
[映画館(字幕)] 6点(2010-01-03 11:54:04)
1711.  モスクワは涙を信じない
たしかこれ公開のちょっと前あたりにテレビで山田太一の「想い出づくり」ってのがあって、なんかそれと似た印象を持ったことを覚えている。ソ連映画って言うと、もうタルコフスキーやミハルコフのようなデリケートなタッチか『戦争と平和』みたいな重量級ものかだったので、ああこういう世俗的なテレビドラマのような映画もちゃんとあるんだ、って安心したものだ。画面作りや大筋は粗いけど、細部はけっこう丁寧で、適度なユーモアもある(ラストで男を探すとき、名前をずらっと並べていくとこは笑ってしまった)。昔の男を決然と振り切ってしまうさっそうさ、いつか玉の輿にと思いつつ不幸な人生を送っているはずの友だちがけっこう朗らかで魅力的など、世俗スケッチならではの味わいが出ている。三人目の(「想い出づくり」だったら森昌子に相当か)が、本当に別人のようにフケるのには驚いた。ベサメ・ムーチョが二つの時代をそれぞれに表現している、なんてのも、当時のソ連のイメージからは斬新だった。
[映画館(字幕)] 6点(2010-01-01 11:58:18)
1712.  芝居道
『歌行燈』の翌年だが、同じ芸道ものでもかなり作りの状況が厳しくなっているのが分かる。まずアタマに「撃ちてし止まむ」がドーンと出て、タイトルのあとキャスティングが出ない(あるいは後にカットされたのか)。ロッパが愛国を啓蒙しようとしてもあんまり効き目があったとは思えない、そういうことに最も似合わないキャラクターだろう。長谷川一夫の役者の、傲慢から成長していく経過が話の芯。ラスト近くロッパは「興行師は時代に後れても時代におもねってもあきまへんのや」てなことを言う。昭和19年では、この映画なんかは、まだ「おもねってない」方なのかも知れない。おこそ頭巾をかぶって路地をこちらにやってくる山田五十鈴、その向こうに長谷川一夫を乗せた人力車が停まる、なんてシーンは、実に戦時を忘れさせてくれる。山田は『鶴八鶴次郎』の新内、『歌行燈』の仕舞いに続いて、今回は女義太夫と諸芸万端、のちの舞台での「たぬき」などの下地は戦前からすでにあったのだ。
[映画館(邦画)] 6点(2009-12-28 12:00:14)
1713.  フロスト×ニクソン 《ネタバレ》 
こういう実話ものってのは、どこまでが事実でどこからが創作なのかが分からなく、それでかまわないのもあるけど、これなんか気になった。つまり出来すぎて感じられるんだな。最初二三発食らうが、最後にダウンを奪うボクシングみたいなもので、リアルな勝負なら最高に面白いだろうが、段取りが整えられてたとしたらシラけてしまう。まあ、こういうインタビューがあったってのは史実なのだろうが、誇張の度合いの程度が気にかかる。映画の芯は、一寸の虫にも五分の魂、ほとんどショーマンのフロストにも、ジャーナリストの魂がちゃんとあった、って話で、ついつい日本のジャーナリズムの情けなさに思いが行ってしまった。こっちでは、タイコ持ちになるか感情的な罵倒を垂れ流すだけで、基本の“調査”ってのが抜けてるもんなあ。しかも彼フロストは、自分で広告主を探し回るんだ。弱気になって「周囲に止めてほしかった」と愚痴ったりもするが、ジャーナリストとしての栄光をちゃんと夢見ている。マスコミ企業に飼われているわけじゃない。そんなあっちとこっちの違いを、しみじみ感じた。
[DVD(吹替)] 6点(2009-12-27 12:04:33)
1714.  上海異人娼館/チャイナ・ドール
技法的にはそれまでのおさらいといった感じで、残る影・たたずんだりうずくまったりしている少年像・色付きの画面・ドアの外の海・川の中から浮かび上がるピアノ、など印象深い。テーマとしては、「依存と解放」ってなことを思った。「今のままの中国のほうがいいのではないか」とステファンが革命家たちに言う場面があって、もちろん圧政を肯定するわけじゃないんだけども、そういうレベルとは違ったマゾヒスティックな依存による安逸ってものもこの世には確かに存在する。Oの自立を通して、解放に向かう精神的な心構えのようなものを描きたかったのではないか。その困難さとともに。
[映画館(字幕)] 6点(2009-12-26 11:57:58)
1715.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
最初はただ人物像を出すため程度の設定と思っていた朝鮮戦争の戦歴が、東洋人への複雑な思いの源と分かってくるあたりの厚み。この結末は彼にとっての東洋人に対する決着だったんだな。元ダーティ・ハリーにしては考えた結末かも知れないが、ちょっとかっこよすぎないか。服を新調し、懺悔を済ませ、まるで唐獅子牡丹が流れ出すような気分。仁侠映画ならそれでもいいが、現実的な市井の映画と思って観ていたので、このかっこよさは素直には味わい損ねた。かっこいいってのは、ちょっと間違うと、あのチンピラ連中と同列になってしまうもので、もっとみっともなくていいから、ニコニコ笑って終わらせられる手立てを講じてほしかった。でも考えてみればイーストウッドの映画なのだから、悲劇に傾斜するのは予想していてもよかったんだ、ガンコ老人ぶりのユーモアにうっかり忘れてしまっていたのだった。ただそのユーモアも、“男の訓練”を床屋でさせるとこなんか、私はそれほど笑えなかった。たぶんああいう男同士を過剰に誇示した付き合いってのが、こっちが苦手という個人的な理由によるのだろう。その彼らの古風さをも笑ってるシーンであるのは分かるんですけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2009-12-21 12:01:33)
1716.  人でなしの恋 《ネタバレ》 
時間も手ごろ、テンポもよし、だけどなんか稀薄な感じが全編にあるんだな。映画としてドキリとする瞬間を待ち続けて、ついに訪れなかった、というか。日本美にばかり寄りかからない姿勢はよく、出だしもスマート。料理もイキている。つやつや輝いているカユと、冷たくなっているカユの質感の違い。別に女性監督だからということでなく、感性の問題だろう。“道具”がなおざりにされてなかったのもいい。絵の道具、料理の器具など。青い世界と赤い世界の対比があり、赤は愛の色。蔵の中はもう少し暗いほうがいいんじゃないかと思ったが、あとで翳った場面との対比を見せたかったのだろう。男の「人でなしの恋」が、ラストで女によって反復される。
[映画館(邦画)] 6点(2009-12-20 11:56:57)
1717.  9か月
この監督は絶対共和党だな。子どもはうるさいけど宝、ファミリー至上主義。でも映画というものが大衆へ向けられた商品である以上、この保守性・予定調和性は仕方のないこと、前提として受け入れなければならないのか。喜劇映画としてなら、ラスト近く病院へ駆けつける主人公の車に次々と怪我人が増えていくあたりから出産までのドタバタに、やや気が入っていた。途中おもちゃ屋でぬいぐるみの怪獣がしつこく絡んでくるところに、不気味な過剰さがあって、心騒いだ。しかし監督が意図したのではないかも知れない。この監督は3分の2ぐらいのところで歌を流し、細かなコントシーンを繋ぐのが、観客へのサービスだと思い込んでいるフシがある。あの怪我したほかの連中には一応オチをつけておくべきだったのではないか。
[映画館(字幕)] 6点(2009-12-18 11:54:54)
1718.  ダウト ~あるカトリック学校で~
最初の説教で神父が「疑惑によって人は連帯できる」ってなことを言う。カトリックの大統領が暗殺された翌年という設定。なんかベルイマン的な神の沈黙ってテーマに降っていくのか、と思っているとそうでもなく、マイノリティ差別と戦う神父の社会派ものなのかな、と思ったらそうでもなく、「人は何によって確信に至るのか」ってなあたりに向かった。たしかに興味深い問題ではある。人は信念を持ったり確信を得たりするが、それを分析していってみると、好き嫌いが根元にあって、単にそいつの爪が長すぎる、ってことだったりする。神父の弁明で若いシスターはすぐに納得するが、校長は「それは楽したいからでしょ」ってなことを言い、ある意味では真理で、人が確信に至るのは、疑惑の宙ぶらりん状態に耐え切れないからかも知れない。宗教学校を舞台にしたのは、宗教というものが無条件の信頼を前提としている世界だからだろう。歴史の悲惨の多くは信念と信念の対立から来るもので、最初の神父の説教のように「疑惑による連帯」っていう打開策は有意義だ。でもそういうところを言ってる映画と決めつけるにはもひとつ全体がモコとしており、「確信」に至れないところがもどかしかった。そのモコぶりが多義的に読み取れる豊かさ、っていうより焦点を絞らないズルさに受け取れて。
[DVD(字幕)] 6点(2009-12-16 12:06:47)
1719.  メランコリー 《ネタバレ》 
原題「モルモット」のほうがいい。クリスマスイブから新年へのバカンスで、悪天候からラストで青空がのぞく仕組み。こういう“社交”を舞台にしたドラマってのがあちらは好きね。ロープウェイの中で、それぞれの独白が呟やかれたりする。惨憺たる私生活を抱えながらも「これは楽しいバカンスでなければならぬ」という社交の精神が優先される。立派なものだ。ジャクリーン・ビセットの女の直感が怖い。些細な発見からピンと亭主の浮気に感づき、亭主が言い訳しても「そう言われればそうだわ、思い過ごしかもしれない」なんてふうには全然考えないで、パッとその直感が確信に移行している、それまでの絶対的な信頼と同じように。これが怖い。そのあとでの“社交”、みんながエロ話をしているとこで、ジャクリーンが三角関係の話を淡々と語り、場が緊張してくるところがヤマか。女は怖いけど、またすぐ自殺しようとしたりもするんで、まことに厄介な存在である、というフランス人らしい微苦笑の映画。
[映画館(字幕)] 6点(2009-12-08 11:57:52)
1720.  スクープ・悪意の不在
“みんなが自分の任務を一生懸命に務めた”結果としてのドラマなら確かに面白いし、問題提起にもなるんだろうけど、どうもサリー・フィールドの役どころが単純すぎるんだよなあ。といって、“マスコミとはこうも単純な世界なのだ”という警告のドラマでもなかった。もう少し推理したり裏を考えたりするんじゃないか。自殺しちゃうことになる女が朝、新聞を拾い集めるシーンなどはかなり良かったんだけど。…といった感想を観た当時ノートに記しているが、いやいやマスコミなんてのはこんなもんらしいぞ、と昨今のテレビや週刊誌報道を眺めていると、改めたくなってくる。「新聞の文面作る機械が面白かった」とも記されていて、コンピューターで新聞作るようになり始めた頃だったのだろう。
[映画館(字幕)] 6点(2009-12-06 11:58:19)
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