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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1761.  奇人たちの晩餐会 《ネタバレ》 
「バカを笑う晩餐会」。主人公の奥さんが言うように、確かに悪趣味です。これをそのまま見せられても多分笑えない。どうコメディに仕立てるのかと案じましたが、上手いやり方でした。タイトルに偽りも無いですし。“バカを笑う”という行為は含まれているものの、むしろバカに振り回される主人公を笑う感覚の方が強い。観客は、主人公の親友と同じ立場です。“他人をバカって言う奴が本当のバカ。”“人を笑う者は、いつか自分も笑われる”といった、子供の頃に教わった“世の中の法則”が守られているのも心地がいい。最後にホロリとさせて、笑いで締める手際もお見事。腰痛で動けないはずの主人公が、後半結構歩き回っていたのはご愛嬌。フランス産正統派コメディは初体験でしたが、とても楽しめました。ところで主人公とユニークな彼氏は、このあと友達になれたのでしょうか。多分なれない気がする。でも時々思い出して苦笑いするんだと思う。長い人生、こんな出会いも悪くない。良くもないけど。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-08-03 18:13:13)(良:1票)
1762.  レザボア・ドッグス
レストランでの打ち合わせ。ひとクセも、ふたクセもありそうワルばかり。各キャラクターがさらりと紹介されます。サングラスに黒のスーツ。揃って襲撃へ向かう奴ら。ここでクレジット。ここまでの雰囲気は最高です。この先何が起こるのか(何が起こったのか)興味津々でした。しかし、どうにも物語にギアが入らない。いつまでも話が進まないのです。期待していた密室での心理戦も不発ぎみ。“警察の犬”の正体が明かされても驚きはありません。で、はたと気付きました。自分はこの作品の楽しみ方を間違っていたのではないかと。楽しむべきは心理戦でも事の真相でもなく、随所に織り込まれたガンアクション。そしてジョークを中心とした会話ではないかと考え直しました。そう頭を切り替えると結構面白い。台詞に品はありませんが、逆にそれがいい感じ。救いのない結末も悪くないと思えてきます。そういえばレンタル時に、「レザボア・ドッグス面白いッスよ」と若い男の店員さん(今どき風のイケメン)が話しかけてきました。彼のような若者世代に、大いに受け入れられる要素ありのようです。もちろん自分もヤングですから、楽しめましたよ。
[DVD(字幕)] 6点(2007-08-02 18:22:44)
1763.  椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 
僅か100分足らずの尺ながら、物語は充実しています。かといって忙しない印象もありません。動を際立たせる静。緊張を和らげる粋な笑い。その脚本、演出の巧みさには舌を巻きます。登場人物も魅力的。脇役も際立っていますが、やはり主演の三船に尽きます。身分は素浪人。名は椿三十郎。偽名です。“ヒーローは名を名乗らない(名乗ってはいけない)”という大前提が、きちんと守られています。『月光仮面』と同じ。それは見返りを求めないという宣言です。「義を見てせざるは勇なきなり」よりも「君子危うきに近寄らず」が主流な昨今、やはりヒーローはこうでなくては!と思います。おまけに頭もキレます。しかし欠点もある。粗野な振る舞い、独断専行。奥方には「抜き身」と評されます。彼の人物像を見事に言い表している。そんな主人公が、奥方の人柄にほだされたのが本作の肝。奥方は世間知らずです。でも計算がない。飾り無い無垢な言葉だから、世俗にまみれた主人公の心に響いたのでしょう。「人を殺してはいけません。」「本当によい刀は鞘に納まっているものです。」しかし事態は甘くありません。殺生は避けたいが避けられない。奥方の言葉と現実との間で、主人公の心は揺れ動きます。その葛藤は言葉と態度に表れます。だから彼に深く感情移入できる。最後の決闘。もはや何の益もありません。でも武士であるが故に立ち会わざるを得ない。勝利の余韻よりも虚しさが勝ります。「お見事!」と言われて一喝する椿の姿が心に残ります。紛うことなき娯楽時代劇の傑作。思い入れの要素を差し引いても、10点は動きません。
[DVD(邦画)] 10点(2007-08-01 18:06:03)(良:3票)
1764.  16ブロック 《ネタバレ》 
イーストウッド監督主演の某作品を髣髴とさせるプロット。ポイントになるアイテムまでソックリです。ただスケールが違う。某作が州をまたぐロードムービーであるのに対して、本作の移動距離は“たった”16ブロック。その“たった”が本作のセールスポイント。僅かな距離なのに途方も無く遠い。簡単な仕事のはずなのに困難極まりない。そこが魅力。でも、どの程度の距離なのか肌で分からないのがツライところ。雑踏はどれも同じ景色に見えてしまいます。せっかくの時間制限も活かされているとは言い難い。今置かれている状況を掴めなければ、絶望することも希望を持つことも出来ません。ただオチは好みでした。“人は変われる”というメッセージがいい。ただし、刑に服する過程を踏んでいる主人公に対し、エディの方は濡れ手で粟の大金でやり直しただけ。本来ならば感動が割引される要素です。しかし彼のキャラクターの良さがそれを補っています。それにゼロからのスタートで成功が手に入れられるほど、今の社会が万人に公平だとも思えません。多少のアドバンテージは許容範囲。主人公の名前を冠した店の名前にグっときます。
[DVD(字幕)] 6点(2007-07-31 19:51:34)(良:2票)
1765.  修羅雪姫(2001)
釈由美子は不思議。まず目を惹かれるのが、そのキュートなルックス。でもよく見てみると、そう美形でもないことに気付きます。エビちゃんとか、伊東美咲には及ばない。顔、平べったいし。でもこの愛くるしさ何なのでしょう。本作ではほとんどムスッと顔だけ。だのに、胸がキュンとする。元ワンギャル。元祖天然キャラ。“釈お酌”って何だそりゃ。EPS●NのCMで「ぶ~ッ。正解♡」。気がつくと顔がほころんでいる自分がいます。彼女の初主演映画が本作でした。役どころは暗殺集団の女剣士。『あずみ』とほぼ同じです。やっぱり美少女には刃物がよく似合う。アクションはまずまず。吹替えがあからさまだったりもしますが、気になる程ではありません。世界観が薄っぺらいとか、台詞が聞き取れないとかも、この際問題なし!彼女の女優としての可能性が垣間見られただけでOK。(事実、今はイイ感じにキャリアを積んでいる気がします。)何よりもフェチ心をくすぐる釈のノースリーブ姿が拝めたことで、自分的には満足です。ちなみに、自分は彼女のファンではないですよ。ただ彼女を観ていると、顔がニヤけてしまう病気なのです。
[DVD(邦画)] 6点(2007-07-30 19:03:05)
1766.  ディセント 《ネタバレ》 
光の届かぬ洞窟。いずれ尽きるであろう食料、電源。閉じ込められる恐怖は半端じゃありません。例えるなら、地底の『ポセンドン・アドベンチャー』。パニック作品として十分イケる設定。それだけに、後半ありきたりなホラーに移行してしまったのは惜しいと思いました。極限下のドラマだけで十分に魅せられる題材。それにしても地底人は、存在を疑いたくなるほど設定が穴だらけです(穴だけにネ!)。もっとも洞窟での惨事は、全て主人公の妄想と考えることも出来なくはない。精神に異常をきたした彼女がみんなを殺した。それなら冒頭の自動車事故にも意味が出てきます。ただし、仮にそうだとしても評価は変わりません。いずれにしても、誰かが地上までたどり着いてくれないと締まりが悪いです。
[DVD(字幕)] 5点(2007-07-29 00:08:49)(良:1票)
1767.  深紅 《ネタバレ》 
“幼子を含む一家惨殺”という事件は、現実に存在します。非常に重い。そしてデリケートな題材です。映画においても、それ相当の気配りと覚悟が必要だと考えます。それは製作サイドにも、観客側にも言えること。まず自分にその覚悟が足りなかったことが最初の躓き。内山理名+水川あさみ。彼女たちが主演と聞いて、軽く考えてしまったのがいけなかった。これは自分のミスです。ただ彼女たちが、この役に相応しかったとも思いません。彼女らでは力量不足だと感じます。ただし、もう一人のキーパーソン、緒形直人については文句なし。その狂気に心が震えました。彼の存在が本作の土台を支えています。物語は、加害者と被害者それぞれの娘を軸に進行します。復讐をする者、される者。どちらも心を痛めている。復讐によって傷は癒されない。結局、前を向いて生きて行くしかない。その方向性は自分も支持するところです。どちらも赦しを求めていた。だからあの結末なのでしょう。しかし、安易な結末である感は否めない。みんな救われたい。赦されたい。そんな事は百も承知です。でも出来ないから苦しんでいる。その葛藤を、心の奥を、本作が描けているとは思えません。象徴的なのが2人のキスシーン。360度ぐるぐるのカメラワーク。このセンスを疑います。何故こんなに安っぽくするのか分からない。その直前には、一家惨殺の真相が明かされ、観客はやるせない気持ちで一杯になっているはず。より一層このシーンの軽薄さが際立ちます。最後に希望を持たせれば、観客が満足すると思ったら大間違いです。そんなに簡単に答を出せる問題ではありません。覚悟の無い映画に、本当の希望が描けるとは自分には思えない。
[DVD(邦画)] 5点(2007-07-28 22:20:05)
1768.  女子高生チェーンソー
気になるタイトルのDVDを見つけました。でもレンタル中。その1週間後もその次も。隠れた人気作のようです。自分と同じ“チェーンソー好き”が多いのでしょうか。ところが今日はありました。ラッキー!しかも料金は100円です。これも何かの縁。既に手にしていた『キューティーハニー』と共にレジへ。のっけから想像どおり、金髪ボイン&ミニスカの女子高生登場。でもティーンには見えません。成熟しきっています。きっとビーフを食べているから発育がいいのでしょう。さすがアメリカ。もっともそんな事に興味はありません。お目当てはチェーンソーですから。物語も中盤に差し掛かり、やっと待望のチェーンソーがお目見え。ヤッホー!でも目立った活用がなくてガッカリしました。ちなみにギャルが誰一人としてバストトップを見せませんでしたが、何とも思いませんでした。店へ返却に行くと、レジには若い娘さんが。「このDVDがホラーコーナーに置いてあるのは間違いですよ。コメディが正しいです。でもホラーコーナーはアダルトのすぐ横なので、AVを借りられないチキンが仕方なく借りるかもしれないので、このまま置いておくのも商売的にはアリだと思います。」と心の中でアドバイス。黙って返却しました。するとお姉さんは「ありがとうございました~」。何だかその言葉が心に沁みました。
[DVD(吹替)] 3点(2007-07-27 18:21:09)(笑:4票)
1769.  CUTIE HONEY キューティーハニー
ノリを楽しめるかどうか、センスが合うかどうか。本作のポイントはそこに尽きると思います。ハマる人はハマるであろう要素は感じられるものの、残念ながら自分はNOでした。基本的にダメだったのが、狙っているマンガっぽさ。話題の「ハニーメーション」も、その他のアクションシーンも、単に安っぽく見えてしまいました。コスチュームデザインもダサイと思います。でもそういう(自分が思う)不具合がむしろ本作のウリ。てっきり縫製が悪くて服のボタンが取れているのだと思ったら、「そういうデザインですから」と言われた時のような。仮にそれが言い訳だとしても、言い切られてしまうと黙るしかありません。同じようなことが、主演のサトエリと主題歌を歌う倖田さんにも言えそうです。(おっと、この話題を広げても得は無さそうなので、もう止めておきます。)でもでも本当はサトエリ大好きなんですよ。プロポーションは抜群。髪は長いし、声はカワイイし。完璧なフォローが終了したところで、仕事を選ばぬプロ根性を見せてくれた片桐はいりと、市川実日子のメガネ&スーツ姿に+1点でお願いします。
[DVD(邦画)] 5点(2007-07-26 18:27:40)(良:2票)
1770.  4人の食卓 《ネタバレ》 
何気ない電車内の風景。母親が2人の子供を空いている席に座らせます。この時、何となく嫌な予感はしました。向かい合わせの席に座らせているから。母は一人。子は2人。両方を一度に見ることは出来ません。どちらか誘拐されやしないかと落ち着かない。でも待っていたのはそれ以上の最悪の事態。序盤の惹きつけ方は上手いと思いました。キーワードは「子供」「トラウマ」。封印された記憶を持つ主人公と赤子殺しの被告人。その2人を繋ぐのがチョン・ジヒョンです。彼女は“霊能力”の持ち主。彼女は乞われて2人を霊視した。しかし呼び起こした記憶は、苦悩と悲劇しか生まなかった。ジヒョンは子を無くし、友人を失った。建築デザイナーも過去を知らないほうが幸せだった。ジヒョンは自責の念に駆られます。そして言いようも無い疎外感に襲われた。自分の見えるもの(霊)を、他人は信じてくれない。人は、自分が受け入れられるものしか信じない。彼女を肯定してくれる人は誰もいません。ついには彼女までも命を絶つことに。ラストシーンでタイトルに行き着きます。家族を失った者たちで構成された4人の食卓。満足そうなジヒョンの顔。「これであなたも信じられるでしょう。」ラストの余韻は悪くありません。しかしそれ以上にショッキングな描写が、頭から離れない。幼子が命を落とすシーンの痛ましさは、筆舌に尽くし難い。マジでトラウマになりそうです。その苦味は作品の雑味。悪趣味であることに長けていても、本作の場合そこに価値は見出せないのでマイナスです。
[DVD(字幕)] 5点(2007-07-25 20:19:53)(良:1票)
1771.  チアガール VS テキサスコップ
オヤジ刑事と女子大生チアガールのジェネレーションギャップをコミカルに、かつハートウォーミングに描く。そのコンセプトに惹かれました。ただし、トミー・リー・ジョーンズが渋くてカッコ良すぎるのは難点です。小うるさくても、小汚くはない。結局その辺にいる(自分を含めた)オヤジとは根本的に違います。主人公と女子大生たちが打ち解けても、「だって、彼カッコイイもん」と思ってしまいます。(すいません単なる僻みです。)チアガールという設定はさりげなく上手い。イヤイヤお色気部分ではなく。モチそれもありますけど(笑)。何だかんだ言ってもみんなしっかりしている。“チアの精神”が彼女たちを大人にしています。オジサンとの会話が成り立っているから、言い争いも微笑ましい。事件解決にあたっても、チアガールの特技を活かしているのがニクイ。サプライズはありませんが、安心して楽しめます。  なんか無駄にカタカナ多いなあ。
[DVD(字幕)] 6点(2007-07-23 18:31:39)(良:1票)
1772.  ランド・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
ロメロソンビ正統の系譜。描かれるのはゾンビが発生してから数年後の世界。人間は相も変わらず人間でした。完全に崩壊した世界においても、旧態以前の社会を形成している様は滑稽ですらあります。街が崩壊して逃げだそうとする資本家。そんな時でも後生大事に抱えているのはマネー。もうアホかと。ライブドアの株券よりも価値は無いのに。結局人間は何も学んでいない。考えることを放棄しています。それに比べるとゾンビは立派。ちゃんと進化している。先頭をきったオッサンの利発そうなこと。次の地球の支配者は、猿でもロボットでもなく、ゾンビではないかと思わせます。いや、もう既に支配者かもしれません。人間を襲いはらわたを食らう様は、まるで肉食獣の捕食風景のよう。不思議とグロいとは感じませんでした。イヤな奴はキッチリお仕置き。主人公の仲間は全員無事という筋書きは、ある意味ホラーのお約束を破っているとも言えますが、後味は悪くありません。うん、面白かった。
[DVD(字幕)] 7点(2007-07-21 19:09:11)
1773.  ロッキー・ホラー・ショー 《ネタバレ》 
どアップの真っ赤な唇が延々と映し出されるオープニング。「SF映画二本立て~」のよく分からない歌詞。でも何故か惹きつけられる。しかもご丁寧に2番まで歌い上げてくれます。もう最初っから、センスが尋常でないことが分かります。案の定、中身もぶっ飛んでる。とは言っても、およそ意味が無いストーリー。でもそんなの関係ねぇ!(@小島義雄)。どうにも心を掴んで放さない歌と音楽、奇天烈なキャラと衣装があればいい。その世界観を味わえれば問題ないです。映画というよりはミュージックプロモ。ですから家庭のテレビで観ては驚きがありません。そんなものかと思ってしまう。やはり映画館で観た方が断然、脳に来るはずです。カルトな人気を誇るのもよく分かる。個人的にもこのセンスはかなりツボです。でも35歳になってからの初見ゆえ、インパクトはさほど大きくありません。多感な時期に本作に出合っていないことは、自分にとって幸か不幸か。んん~難しい(笑)
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-07-20 18:39:56)
1774.  頑張れ!グムスン 《ネタバレ》 
開始10分足らずで、登場人物のキャラクター、一家の生活環境、結婚に至った経緯など必要な設定が漏れなく説明されます。このあたりの手際がいい。男の子に間違われる赤ちゃん=丈夫な赤ちゃん。だから夜連れまわしても大丈夫なんですよ、という論法は力技ですが一応計算されている。“夜の繁華街で赤子を背負って奮闘する若妻“という、かなり無理矢理な設定がどうにか成立しています。どんどんトラブルに巻き込まれていく主人公。この流れも悪くない。都会の暗部を見せることで、主人公の正義感を煽る。アホだからトラブルに巻き込まれた訳ではありません。ちゃんと必然性がある。ヤクザを相手にしたことで肝が据わり、結果ダンナも無事に取り返すことが出来た。大筋の脚本は悪くありません。ただしドタバタで終始してしまったのはもったいない。この設定ならば、ベタに人情アピールをしても良かった。また、本作の基本スタイルは「グムスン+赤ちゃん」。そこに魅力がある。天空平手打ちをするグムスンの背中に、赤子がいてこそ画になります。クライマックスで彼女が子供をおぶっていないのはマイナス。この場面に限らず、赤ちゃんという強力な切り札を活用する意識があまり感じられません。もっともっと”お姫様“を利用すればいい。演技が出来なくても、キャラを発揮させる方法はいくらでもあります。結果、この一家に感情移入するまでには至らず、「頑張れ!グムスン!」と声を大にして叫びたくなることはありませんでした。残念。でもドゥナ好きとしては、可愛い彼女が沢山見られて十分満足なんですけど。
[DVD(字幕)] 6点(2007-07-19 19:52:42)
1775.  サイレントヒル 《ネタバレ》 
物語開始早々、主人公はサイレントヒルに到着。実にあっけない。普通の映画なら、辿り着くまでにひと悶着ありそうなもの。サイレントヒルはゲームのフィールド。ここからが勝負だということ。手っ取り早く本題に入ります。話が早いのは観ていて楽です。ただしリスクはある。「ここから本番ですよ。」といきなり言われても戸惑ってしまいます。主人公に感情移入する暇もなければ、世界観を掴む余裕もありません。物語に厚みも出ない。そこで重要なのが“割り切ること”。原作ゲームのプレイ経験よりも、ゲーム慣れしていることが大事だと思いました。作り自体がゲーム。舞台は廃墟。雪の如く舞い落ちる灰。この世のモノとは思えぬ生き物たち。問答無用、視覚で圧倒されます。絶対にヤバイ。早く逃げたい。でもそうはいきません。娘を救い出さなくては!母の想いは一貫しています。手錠をしていようと関係ない。その覚悟の瞳に心を打たれます。さらに驚くべきは、子供と血が繋がっていないということ。その事実を知って感極まりました。母親とはそういうものなのか。もちろん主人公は、シャロンに魅入られていたという解釈が可能です。彼女がシャロンを引き取った時点から、復讐のシナリオは始まっていたと考えるほうが自然でしょう。でもどんな親も子に魅入られているようなもの。子供にとって母親が神であるなら、母にとって子は命そのもの。理屈ではなく共感できます。惜しいのは、クライマックス前に主人公が恐怖から開放されてしまうこと。事実上、彼女があの部屋に到着した時点でゲームクリア。恐怖の源である闇の力を我が身に宿してしまえば、もう怖れるものはありません。復讐の殺戮は、もうSHOWでしかない。オチには納得しました。ただ好みを言えば、もう少し希望を残して欲しかった。ゲーム原作の映画としては、破格の出来だと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2007-07-18 18:25:15)(良:2票)
1776.  ヴィタール 《ネタバレ》 
博史と涼子。首を絞め合い、擬似の死を味わうことで生を感じ、同時につながりを確認する。相手が分からない。自分が分からない。分かるはずなのに分からない。それは見た夢を思い出せない感覚に近いのかも。記憶を失った博史。彼が涼子の体を解剖することになったのは必然だった。彼女を知ることは、彼女を通じて自分自身を知る作業でもありました。彼女の体の隅々まで観察する彼。体の仕組みを知ることで、心までも理解する。非科学的です。でもその感覚は分からなくはない。解剖はいわば死体との会話。いやSEXに近いか。その人の全てを知り尽くす感覚はそれ以上のものがある。博史の心の中で、生を謳歌するが如く踊る彼女。生きているときよりも活き活きと。そして深く交わる2人。彼女は今まで見せたことのないような、穏やかな表情を見せます。分かり合い、今を認識することで歩き出せる。「博史はまだまだ生きなきゃならないから」という彼女の言葉が胸をつきます。それが彼の妄想だとしても、希望を感じずにはいられない。さて、本作を理解する上で避けて通れないのが、“4本の煙突”の解釈。これが難しい。一見、工場の煙突。男性シンボルの象徴か。何で4本なのか。自信のある答えはとても出ませんが、自分の解釈は次のとおりです。煙突は献体(死体)焼却の意。(↓【トナカイ】様ご指摘のとおりです)。つまり4つの煙突は4つの死を表している。指し示すのは、作中で死が確認された涼子、中井教授、涼子の母。でも一人足りない。4人目は主人公と推測します。でも彼が亡くなっていたとは思えません。彼の場合は心の死。記憶喪失も言い換えれば、それまでの自分の死と言える。死んで、そして生まれ変わる。主人公はこの経験を乗り越えて、やはり医者を目指すといいます。希望は、COCCOのエンディングテーマと相まって、より強く光を増します。
[DVD(邦画)] 7点(2007-07-17 18:29:55)
1777.  クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ 《ネタバレ》 
クレしん映画史上おそらく最恐。世界観がお子様向けであるため、ちょっとしたホラー要素でも殊更怖いものに感じられるのでしょう。親がいつの間にか別人に入れ替わっている。幼い子供たちにとって、親は特別な存在です。生活の基盤であり心の拠所。ニセモノと疑いつつも、お母さんが好きだという風間くんの気持ちは切ないですね。普段は意識しない家族のつながりの大切さをクレしん映画はいつも教えてくれます。前半のホラー部分は上々。事態収拾に向けての流れも悪くない。ただ、「尺稼ぎでは?」と思われるような描写が散見されたのが惜しい。また、逃げ惑うこんにゃく人間たちを、子供たちが一方的に消去していく描写は、見ていて気持ちが良いものではありません。殺戮に見えてしまう。シューティングゲーム的爽快感を狙ったのかもしれませんが、的外れ。反撃してこない敵を倒したところで面白くありませんし。長州小力は完全にだだスベリ。素直にゲストは鈴木亜美でよかったんじゃないかと。ボスと女エイジェントとのサンバ対決は、相当シュール。でもこんなのも嫌いじゃありません。ボニーピンク風、受け口ヒロインの健康的なエロさに+1点。
[DVD(邦画)] 7点(2007-07-16 19:44:50)(良:1票)
1778.  ハサミ男 《ネタバレ》 
原作既読。とは言いつつも、随分前に読んだので細かい部分はすっかり忘れていました。ですから物語自体は新鮮に楽しめました。ただし、本作の目玉である“仕掛け”については忘れるはずがない。どう表現するのかと案じていると、冒頭から麻生とトヨエツの並び立つ姿が。「なるほど、そう来たか!」という感じ。でも考えてみれば、この方法以外無かったとも言える。あとはいかに観客に対してフェアに(嘘をつかずに)、かつ無理なく物語を進めていくかを注視することになります。この点については十分満足。ヒントも小まめに出ていましたし、致命的に不自然な描写は見受けられませんでした。繊細な気配りが感じられました。麻生久美子もこういう役にはうってつけ。トヨエツもいい感じ。キャストについて不満はありません。画の質感も好き。ただしBGMは趣味じゃない。それにネタバレ以降の展開がまどろっこしい。主人公のパーソナリティについて、カタをつけないといけないのは分かります。でも言い訳がましい。個人的には、父親の代わりに殺した娘の人格と今後はやっていくというのが面白いと思いました。
[DVD(邦画)] 6点(2007-07-15 18:56:21)(良:1票)
1779.  スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ 《ネタバレ》 
石川梨華が松浦に言い放った「お前の全存在がウゼえんだよ!」。斉藤由貴の娘である松浦が言う「親子どんぶり」。この2つの台詞があるだけでも、本作には価値がある。脚本家の執念(悪ふざけとも言う)を感じずにはいられません。さて内容について。正直、思っていたよりは全然悪くなかったです。真面目なつくりに好感が持てました。アイドル松浦のセーラー服姿は良かったですし(ブレザー制服の学院に無理矢理セーラー服。そのこだわりに脱帽。)、アクションも頑張っていたと思います。今の時代に「スケバン」は流石に厳しいと思いましたが、なかなかどうして。アイテムがヨーヨーである必然性は皆無ですが、「それがスケバン刑事だから」で納得させられてしまう。結末がショボイのもこの際関係ないです。次回作があるなら、加護亜依・若槻千夏・あびる優の風間3姉妹を希望。武器はそれぞれ、タバコ・ハズレ馬券・ダンボール箱でどうですか。
[DVD(邦画)] 6点(2007-07-14 23:03:11)(笑:2票)
1780.  武士の一分 《ネタバレ》 
個人的に危惧していた木村拓哉の演技は悪くなかった。殺陣もいい。壇れいの清楚な雰囲気も素晴らしい。総じて悪い部分は見当たりません。結末もハッピーエンドだし良かった良かった。ただ、前2作に比べると圧倒的に厚みが足りない気がする。それは心情が1色で表現されているから。例えば木村。根底にあるのは妻、坂東、そして己に対する憤り。渦巻く感情のせめぎあい、葛藤が感じられません。壇れいにしても、感じられるのは後悔の念ばかり。その結果、本作の見所は木村と坂東の果し合いに絞られています。むしろ決闘に行くまでの心情の描写がメインであった、前2作との大きな違いです。木村は最初から死を覚悟している。いや正確には、視力を失った時点で“武士として”既に死んでいる。一分は、彼に残された矜持。勝ち負け(生死)はもはや関係ない。立ち会うこと自体に意味がある。当時の倫理観をもってすれば、それは当然のことでしょう。彼の選択がオカシイとは思いません。ただし、山田監督が描いてきた時代劇は、そういうものではなかったはず。主人公に義務付けられていたのは、生きること。生きなくてはならないから、切ない。そこに観客は自身を重ねて、共感してきたのだと思います。本作にある共感は、いわば可哀想レベル。そこから更に踏み込んだ部分に価値がある。作品の出来は標準以上だとは思いますが、自分にはキレイすぎました。
[DVD(邦画)] 6点(2007-07-14 18:13:27)(良:1票)
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