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オオカミさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1070
性別 男性
ホームページ http://vvolf.exblog.jp/5301623
年齢 22歳
自己紹介     <2016年03月03日21時58分JST版>68

1) レビューに関して:
☆ 4点以下は評価対象外、平均点は7と考えてます。
☆ 未見の映画については、基本的に余計な情報を入れないために他の御方のレビューを拝見せずレビューを書くため意見の重複などもあると思いますが、本人はオリジナルレビューのつもりでおります。

2) 観る・観ない映画のジャンル:
好きなのは、戦争映画、アクション、歴史もの、コメディ、SF、ファンタジー、動物もの、ホラー、アニメなどなど。最近の邦画実写もの、芸術色の強い(といわれる)ものなどはあまり観ません。

3) ひとこと:(2016-03-03)
星戦争は好いぞ!

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161.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 《ネタバレ》 
身体の不調で遠出をしてなくて、本日久々に映画館に足を運びました。そこそこ楽しめたと思います。でも期待したほど「感動のフィナーレ」という印象にはなりませんでした。3部作の中では「二つの塔」がいちばんできが好いという感じです。なぜか?それは、映画製作者の「指輪物語」へのオマージュが中途半端になってしまった感が強いからなんです。いちおうのフィナーレとして指輪の始末をしたメンバーが一堂に会して再開する場面(フロドの覚醒のシーン)で終結した方が、私としては好かったような気がしてます。たしかに原作ではその後も延々とホビット庄へ帰還したあとの彼らのその後が描かれているのですが、それは文章として後日譚的に語られるからこそ、効果があると思うのです。映画では、メリアドクやピピンの身長の件も語られず、サムの一族がその後どうなったかも語られもせず、ましてや、アラゴルン、ギムリ、レゴラスたちがその後どうなったかも語られません。それらを省略した上で、フロドの回復シーンから灰色港からの旅立ちのシーンまで、中途半端にエピソードが挿入されたために、感動が薄れてしまった感じが強くします。サルマンや”蛇の舌”のその後も省略されてますしねえ。もちろん、それまでの過程で印象に残るような感動的なシーンはたくさんありますし、全体のできとして悪くはないので、8点は妥当だと思います。今回の立て役者は、ずばりピピンです! 1作目はガンダルフ、2作目はサムが美味しいところを持っていったというのが私の評価ですが、3作目のいちばん印象的なシーンを持っていったのはピピンです。中盤で、ミナス・ティリスから追い出されるように、葬列のように出陣するファラミアのシーンがありますね。意を決して騎兵突撃するところで、オーバーラップしながらピピンが歌を唄いますね。スローモーションで馬たちが疾走し、オークたちの矢が宙に放たれる場面は、見事な演出だったと思います。兄ほど期待されなかった弟の悲劇を非常に印象深く魅せた名場面です。これを観るためだけでも映画館に足を運ぶ価値があると断言します。
8点(2004-04-01 17:32:30)
162.  イルカの日 《ネタバレ》 
私のベスト映画にしてもいい作品です。ジョージ・C・スコットは大好きな役者です。イルカの音声はコンピュータ合成ですが、とてもよくできています。動物ものといったら、必ずそれを悪用する人間が出てきますね。暗殺計画と、それを知らず無邪気に泳ぐイルカ。青い海が印象的です。音楽が泣かせます。 <2003年12月5日追記>アメリカという国は、国家の政策として動物を兵器に使うことをしている国です。今年のイラク戦争でも、アシカ、イルカなどがペルシャ湾に停泊中のアメリカ軍の艦艇を守るために利用されました。もちろんこの映画のように爆弾を背負って船に突っ込むということはしていないようですが、その逆に、自爆テロを仕掛ける船に対して目印を付けるという作業をしていたようです。人間の命令に対してなんの疑問も持たずに盲目に従う彼らのことを考えると悲しい気持ちになってしまいます。第二次世界大戦中に旧ソ連では犬に地雷を背負わせてドイツ軍戦車の下に突っ込ませることを実戦で行っていました。いつの世にも、人間のエゴで罪のない動物たちの命が危険にさらされているのは悲しいことだと思います。本作のイルカたちは、心優しい博士の悲しい判断で、海に追い出され、人間の言いなりになることを避けられました。それがこの映画の救いになったのかも知れません。 <2004年3月31日追記>原作者のロベール・メルル氏がお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。それにしても(←口癖(笑))95歳とは長生きしたねえ!
10点(2004-03-31 11:50:33)(良:4票)
163.  ワイルドシングス 《ネタバレ》 
いやあ、面白かったねえ。見事に予想を裏切られてしまいました。なんとなくモーホーを感じさせるマット・ディロンがヨットを操る辺り、制作者たちは「太陽がいっぱい」を意識してるよねえ。それから「スクリーム」シリーズのネーヴ・キャンベルが、イメージを変えるように頑張ってましたねえ。ところで、テレサ・ラッセルが登場してきたシーンで、下っ腹がポッコンに目が行ってしまったのは私だけでしょうか?(苦笑) 「マリリンとアインシュタイン」の頃はまだ若かったね。それとロバート・ワーグナー! 老けちゃったねえ。「タワーリング・インフェルノ」で情事を楽しんで焼け死んじゃった頃と比べてシワが増えて太ってしまった。あの頃のプレイボーイは面影もない!(泣) そういう昔の俳優を楽しむのもあったけど、あくまでも話の本線はどんでん返しですねえ。思ったこと列挙します。(1)ビル・マーレーはあれで出番終わり? (2)え?あの歯は誰のだったの? (3)ケビン・ベーコンはやっぱりケビン・ベーコンだったの?(笑) ←これらの疑問を丁寧に解決してくれたので、見事にやられたと感じました。余韻が残る終わり方ではないけど、劇中のもやもやがスッキリと解決されたのはよかったと思ったね(笑)。
7点(2004-03-31 08:52:16)(良:2票)
164.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!栄光のヤキニクロード
賞なんか要らない!そういうスタンスが前面に出た、単なるおバカ映画になってしまった(苦笑)。以前から映画版やテレビ版で使われていたリアル野原一家(劇画調)の描写は、個人的にかなりツボなんですが(とくにシロ!(笑))、いかんせん、ストーリーが破綻していて、ぶつ切りの一発ギャグが続いているだけという印象です。やたらに敬礼するマサオくんとか、ブラックホーク・ダウンとか、E.T.のパロディとか、地獄の黙示録のサーフィンとか、そういうの、かなり好きなんですけど、やっぱり今回はダメだなあ。ぶりぶり左右衛門がたくさん出て来ても、「塩沢さんがもういないんだな」って思うと逆に虚しいだけだったしねえ・・・。ところで、やたらに青空を見上げるのとか、寝っ転がるのとか、「シン・レッド・ライン」を意識してますかね?(笑)
5点(2004-03-28 19:21:09)
165.  引き裂かれたカーテン
ヒッチコック監督50作品目だっけ? ”ヒッチは金髪がお好き”ってことで、男女ともブロンドでブルーアイのふたりに主役が決まったのでしょうか?(笑) ま、冗談はさておき、駄作の誉れ高い本作ですが、そこそこ楽しめるのではないでしょうか。冷戦下の状況を具体的にイメージできない人には緊張感が伝わらないかもしれませんが、当時の東西対立をおぼえている人には、ある程度の緊迫感が伝わると思います。このタイトルのカーテンというのは、当時東西ドイツを分離していた「鉄のカーテン」というチャーチルの演説から来たものでしょうね。そういう時代背景を考えた上で、本作を楽しまないと、単なる”ちょっと物足りないサスペンス”という印象になってしまうでしょう。音楽のジョン・アディソンは「遠すぎた橋」のスコアで有名ですが、本作でもそこそこ頑張っていたのではないでしょうか。とくに有名なバスのシーンでの音楽は、もたつくことのもどかしさとか、追いかけられる緊迫感が伝わって、名場面だとは思います。
7点(2004-03-20 13:52:10)
166.  飛べ!フェニックス 《ネタバレ》 
遭難した男達が自力で脱出する過程を描いた傑作ですね。飛行機の設計技師だと思われていた男(<2004年3月20日追記>実はこれハーディー・クリューガーだったんだね!後の男臭い演技と比べて、なんとなく線が細い印象だったので忘れてましたよ。でも「シベールの日曜日」なんかを考えると不自然じゃないね)が実は模型しか作ったことがなかったりと、それぞれの人間の人生模様が個性的に描かれていて、ストーリーもたくみに計算されていますね。<2004年3月20日追記2。ここから→>ジェームズ・スチュワートのベテラン機長が、プライドだけで設計技師の指摘に反発する頑固オヤジだったり、アッテンボローの役割が「大脱走」のビッグXとは反対だったりといった楽しみもあります。エンジンの始動のシーンは、カートリッジを無駄に空撃ちするように思わせて、しっかりと機長の計算が働いていたりしますが、正常に回転するまではハラハラドキドキですね。そしてなによりも、<←ここまで>やっぱりラストシーンでの離陸には、思わず拍手しないではいられません。
8点(2004-03-20 10:25:27)
167.  フロム・ヘル 《ネタバレ》 
主人公のデップがラリってるという感じで、その回想シーンがオーバーラップするので、ストーリーがラリってしまった感じです(苦笑)。切り裂きジャックに対するどんな新解釈が出てくるのか興味津々だったのですが、始まってすぐに想像のつく結論だったので残念でした。ラスト近くのイアン・ホルムの姿は、なんとなくジョージ・オーウェルの「1984」を彷彿とさせました。ビッグ・ブラザーに洗脳され後のね(苦笑)。それから”頭カーン!”は、リアルに想像すると怖いね(笑)。作品の傾向として、同じようなゴシックホラーといった雰囲気のデップ出演作品では、「スリーピーホロウ」の方が私はずっと好きです。
5点(2004-03-20 10:03:15)
168.  アメージング・ハイウェイ60 《ネタバレ》 
まず、贋作美術館の館長がなんとあのアン=マーグレットですねえ! 撮影当時61歳とは思えない若さと美しさで、相変わらずだったのは驚きでした。我らがマイケル・J・フォックスが冒頭でかましてくれたり、ポニーテイルにしたカート・ラッセルが出てきたりといった演出も面白いんですが、特筆はやっぱりクリス・クーパーの爆弾おじさんでしょう(笑)。嘘ででっち上げたコピーライトばかり書いてきた広告マンが、人生の末期に当たって、真実を追究するという設定は、過激なんですが面白いですね。こういうアイロニーは大好きです。ただ、隣の席でタバコ吸われるのは勘弁して欲しいけどね(苦笑)。ストーリーとしては、青年の経験する「邯鄲の夢」って感じですかね。私だったら、奨学金もらって弁護士目指しつつ絵を描くだろうな(笑)。せっかく利用させてくれるものを使わない手はないでしょう。BMWのオープンも売り飛ばして好きな車を買います。若いっていうのは、先が見えないから葛藤して”All or nothing”的な発想になることがあるけど、私くらいの歳になると、こう思うんですよね。もらえるものは全部もらって、利用できるものは利用するって(笑)。う~ん、マキアベリの「君主論」の影響かなあ(苦笑)。 ちなみに、本作の監督ボブ・ゲイルは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズの制作・脚本を手がけた人ですね。
7点(2004-03-20 09:56:40)
169.  山猫は眠らない2 狙撃手の掟
やっぱり前作に比べて緊張感が薄れるのは、ジャングルが出てこないからでしょうか。アメリカの敵はアラブのテロリストか、コロンビアの麻薬王、あるいは旧ユーゴスラビアの軍人という図式ができあがりつつあるんでしょうかね(苦笑)。ご多分に漏れず本作はその中の三つ目が敵になります。”アメリカの論理”による暗殺の図式は相変わらずなんですが、今回はベケットがその論理にべったりではなく、多少の葛藤と、人間的な感情の涙を見せるというのが進歩なのでしょうか。前半、意外なほど簡単に暗殺が終了し、これは何があるんだと思っていたら、相変わらずCIAらしい下らない作戦を考えるなあという印象です。逃走劇の緊迫感が今ひとつ盛り上がらず、後半の廃墟での狙撃合戦もジャングルほど緊迫感が感じられなかったのはなぜでしょうね? てっきり間に合うと思っていた敵の援軍もただのお見送りに成り下がるし、作戦を立てたCIAのその後も何も出ず、かなり欲求不満の残るストーリー展開となりました。
6点(2004-03-15 12:00:12)
170.  山猫は眠らない
実戦経験豊富なスナイパーと、技術はあるが実戦経験のない男とのぶつかり合いを通してストーリーを展開するわけですが、惜しい点が多すぎて残念な作品です。まず細かいプロットをいっぱい敷いてその連続で描写するので、理解力が要求されます。さらに、ジャングルの中のシーンが大半を占めるので、目的地までの行動がわかりにくくなります。ただ、けっこうお気に入りのシーンもあるので、全体として嫌いじゃないんですけどね。ひとつだけ挙げるとしたら、トム・ベレンジャーが降伏すると見せかけて銃を掲げて弾を一発だけ抜くところなんか、それまでの伏線と相まって秀逸なシーンだと思います。また、敵対する傭兵スナイパーとの対決など、緊張感高まる演出もあり、その点は楽しめるのですが、しかしながら、暗殺の理由が相変わらず”アメリカの論理”中心なところが受け入れがたいので、残念ながら7点にはできません。
6点(2004-03-15 11:51:49)(良:1票)
171.  おろしや国酔夢譚
邦画の場合、どうしても予算の都合などで、特撮や海外ロケ、衣装代などに制限が出てしまうので、江戸時代の風俗やロシアの宮廷などにちゃちさが出てしまうのはしょうがないんでしょうね。その分、ドラマ性があればまだ好いのですが、感動を与えるかどうかとなると、ちょっと物足りないというのが実感です。人肉を食べるというシーンはCMでも散々やっていたので、さすがに緊張感がありますが、光太夫がサンクトペテルブルクまで行ってエカテリーナ女帝に面会し、日本に帰国するまでのストーリーがどうしても薄っぺらになってしまうのは仕方ないことでしょう。だって、何十年ものできごとを、たったの数時間であらわそうとするのに無理がありますよね。でも、この映画の題材になった光太夫のように、当時は海外に漂流した漁民が、その後の日本と外国との関係に大きな影響を与えたという歴史的事実は興味深いものがありますね。語学辞書の編纂など、何も知らないところからはじめるわけですから、その努力には頭が下がります。光太夫のように有名な歴史上の人物なら映画になるのでしょうが、個人的には、薩摩の漁民だったゴンザとソウザの話の方がもっと興味深いものがありますね。ゴンザのデスマスクだかなんだかが今もロシアにありますね。世界最初の「露日辞典」の作者になったソウザですが、その翻訳される日本語が薩摩弁というのも大変興味深いです。光太夫に興味を持った方は、ぜひソウザのエピソードも調べてください。楽しめますよ。
6点(2004-03-12 22:28:33)
172.  クレージーモンキー/笑拳
いやあ、筋肉が凄い! あそこまで鍛えると気持ちいいだろうね。ストーリーは相変わらずのもので、敵討ちのためにパワーアップして勝つというお決まりのパターンなんですが、ほぼリアルタイムで見た当時は、なんの違和感もなく観ていたのに、今観ると、BGMがうるさい!(笑) 何かというとすぐに「クレイジーモンキー~♪」って流れるのが、かなり耳障りです(苦笑)。ところで、清朝の時代設定が好きだよね、ジャッキーの映画って。でも、弁髪にするなら、頭のてっぺん以外は剃らないといかんのよ。単にオールバックで後ろで三つ編みだと、当時の法律違反だったんじゃないかな?(笑) しっかし、相変わらず「どうでもいいような動作を、意味ありげにする」という演出が多かったね(笑)。「ただ単に家のドアから外に出てみろ」っていうのとかね。で、いつの間にかカンフーが始まって修行になっているというの(笑)。そういうのとっても好きです(笑)。ちなみにどうでもいいのですが、この映画を観た頃、ジャッキーの髪型を真似してました(笑)。
7点(2004-03-12 21:38:58)(笑:1票)
173.  ダブル・ビジョン
期待してなかっただけに、意外に面白かったですね。老荘によって始まった道教っていうのは、基本的に隠遁生活と仙人になることが目的だったわけだけれど、そのオカルト的な面が強調されて神仙思想が一人歩きしてしまったのが、本作のような道教の描き方をしてしまうんでしょうね。実際の道教は本質的には無害なもんです(笑)。ところで、映画の内容ですが、連続殺人の異常さもなかなか好かったし、「セルピコ」のような、過去に曰くありげな主人公の警察官も好演でした。議員の愛人問題なんて実際に台湾であったことだし、そういう点ではけっこうリアルさを追求もしているんでしょうね。犯人が何者だったのか、なぜそういうことをしたのか、という問題は、映画の最重要課題なのですが、その辺がいろいろな解釈のできる描写になっているので、納得できない人もいるのでしょう。家族愛のドラマと考えれば、2年間ことばを失った娘と、離婚を考えていた妻が、大きな鍵を握っていたという解釈ができますよね。主人公の涙は感謝と謝罪のしるしであったのだろうかとも。ところで、デビッド・モースは太っちゃったね。
7点(2004-03-11 08:21:30)
174.  バティニョールおじさん 《ネタバレ》 
1942年のパリというと、他のドイツ占領下の国々と違いはなく、ユダヤ人への弾圧がまかり通り、密告などが公然と行われていたという暗い時代です。そんな中、主人公ジェラール・ジュニョ演じるエドモン・バティニョールは、時代に翻弄される不器用な精肉店主をしています。彼の目を通して描かれる当時のフランス社会は、自由・平等・博愛の精神などどこにも感じられない、その場の雰囲気に流されがちな人々が大半を占める社会です。もちろん自分たちがナチスドイツやその手下に捕まりたくないと思っているし、だからといってユダヤ人を、ナチス親衛隊やゲシュタポのようには扱わないけれど、ユダヤ人の住居を手に入れ財産をのっとるなどのことは、ごく自然なことであり、エドモンも成り行きで隣の大邸宅を手に入れます。このあたり、主人公を単なる善人に描かないところが、自然で好いですね。ドイツ軍を上手く手玉にとって儲けることしか考えていない妻や、狂信的なナチス協力者の娘婿などに囲まれ、その日その日を成り行きに任せて過ごしていた彼の人生が、隣家の息子シモンの帰宅で大きく変化します。エドモンとの会話は、当時のフランス社会がユダヤ人に対して持っていた偏見や嫌み、さらにそういうフランス人自身への皮肉も効いています。やがてシモンの従姉妹が二人増え、いつまでも隠し続けられず、秘密はバレてしまいます。その後、ある事情で家にいられなくなったエドモンは、娘と妻をノルマンディーの親戚に避難させ、自分は子供たちを連れスイスへと逃げることにするわけです。この過程で、捕まった警察署でエドモンが抗議する場面は、なかなか感動ものです。単なる一介の肉屋のオヤジが、先の戦争(第一次世界大戦)の話を出したり、納税や、社会正義、真の自由などについて説教をタレるわけですが、この辺、隣家のユダヤ人に対する謝罪の気持ちなども込められ、それをシモンに聞かせるという意味合いもあります。金持ち医者の生意気な息子であったシモンが、エドモンとの交流を通じて、人間として成長する過程も見ものです。ナチスドイツのやフランス警察などに追われて、緊迫の逃亡をしているはずなのに、ピクニックに来ているかのような綺麗な青空とのどかな田園風景、これは戦争などなかったら、世界はこんなに素晴らしいんだよということを教えてくれるのだと思います。彼らがどうなったかは、ご自分の目で確かめて下さい。
8点(2004-03-09 06:04:17)(良:1票)
175.  新・刑事コロンボ/汚れた超能力<TVM>
文字通り命懸けの引っかけをするあたり、頑張ってるけど、一方で卑劣で汚いコロンボが前面に出た作品ですね。マジシャンや子供を小道具に使うのはお約束のようなパターンだね。
7点(2004-03-04 23:49:42)
176.  ハーヴェイ 《ネタバレ》 
主人公にしか見えない不思議なものの存在。それがこの作品のモチーフですね。ハーヴェイの正体がなかなかわからず、それでかなりの場面を引っ張るわけですが、その間に巻き起こされるさまざまなエピソードが一般社会への皮肉や風刺になっていて、クスリ、ニヤリの連続です。スチュアート演じる主人公は、ハーヴェイの件をのぞけば、心優しい紳士で、ほのぼのとした雰囲気の好人物を楽しませてくれます。きっちりとした身なりで、物腰も柔らかく、誰にでもフレンドリーであり、「ホントにこんないい人がいるのか?」と思わせる役柄ですが、彼本人の醸し出す雰囲気がそれを違和感無く印象づけるので、観ているこちらの心も温かくなるんですね。私もできればああいう人物になりたいと願います(多額の遺産で生活に苦労しないという前提が必要だが(笑))。ケルトの神話にも出て来るという不思議な妖精pookaが、けっきょく他の人にも見えていたわけで、それを現実として受け入れられないところに、頭の固い現代人の問題があるんでしょうね。Missケリー役のペギー・ダウはグレース・ケリーを彷彿とさせる(寡作ですぐに引退など)美人で、私だって彼女には花を贈ったり親切にしたくなります(笑)。もともとが舞台劇であるけど、固定された空間よりも、映画としての演出の方が楽しめると思います。ハーヴェイはなかなか正体をあらわしませんが、肖像画の演出が1カ所だけ楽しめますからお見逃し無く(微笑)。 <2004年3月3日誤字修正>
9点(2004-03-03 23:47:17)(良:1票)
177.  クリフハンガー 《ネタバレ》 
雪山だろ? 半袖で暴れるし、氷水に飛び込むし、濡れたままだし、私だったら風邪引いて大変なことになってるよ(苦笑)。撮影当時スタローン47歳? 頑張ってるよねえ。ジョン・リスゴーの悪役っぷりはよかったけれど、ヘリで墜落するシーンは興ざめでしたね。
6点(2004-02-29 19:43:23)
178.  メラニーは行く! 《ネタバレ》 
期待した通りの展開になったが、私は楽しめました。主人公メラニーの父親役で「ライトスタッフ」の”ガス”が出てきたのにはニヤリです(フレッド・ウォードね)。南軍の制服姿が格好良かったねえ。家の中でだらけた姿で居たのと好対照で好い演出でした。離婚しない夫も、ダメ男なんだけど頑張っていたんだよね。その辺もわたし的には好印象です。落雷の伏線がああいう形で表れるとはねえ。それから、たしかに市長の息子は結果としてああいう形になってしまうんだろうなと同情してしまいますが、彼も引き際が格好良かったね。悪役を、あのキャンディス・バーゲン!(老けたねえ)が一身に背負ってしまったのはちょっと不服だけど、それも仕方ないんだろうか? ダコタ・ファニングはあれだけ?って感じだったけど、お目目のおっきい感じがそのまま大人になったらああなるのかなと想像できて楽しかったね。結婚したい理由、よかったね。私もそう思う(笑)。惜しいのは、せっかくオカマのデザイナーが出てきたのに、それがあまり活かされなかったなと感じたことでしょうか。あれはちょっと小根多すぎたね。また、犬のエピソードはちょっとホロリとさせられるんだけど、なんで居なくなって、なんで新しく飼ったのかがハッキリ理解できなくて残念。ところで、ダイナマイトつきの猫の話(安楽死より爆死って)を聞いたときは苦笑だったんだけれど、ラストには大爆笑でした。お見逃し無く!
8点(2004-02-29 19:01:22)(良:1票)
179.  ディープ・インパクト(1998)
本作の米国大統領は孤独だったね。何もかも自分で結論して、誰も補佐が出て来ない。モーガン・フリーマンだから重々しく感じたのかな。ロバート・デュバル演じる役が、最後に美味しいところを持っていった感じですね。ティア・レオーニのキャスターはとっても好みでしたが、いろいろな意味でもったいなかったねえ。マクシミリアン・シェルがあんなに老けてしまったのは驚きです。地球の最大の危機が米国一国の主導で解決をしようとする姿勢は相変わらず米国映画だなって感じですが(苦笑)、同じような趣旨の映画に比べれば、まだまだマシな方だったのかな。いちおう映像として被害が描かれたのは米国本土だしね。でも、ホントに、地球が滅亡するような最後の瞬間に、自分が誰と一緒にいて何をしていたいのかを考えてしまいました。
7点(2004-02-29 18:47:16)(良:1票)
180.  ドリームキャッチャー
最初の50分まで非常に好い感じでストーリー展開してたんだよね。「IT」や「スタンド・バイ・ミー」を彷彿とさせるような、キングお得意の回顧調のお話で。なんか不思議な少年にまつわるお話になるのだろうかと思いつつ、「お、モーガン・フリーマン登場だ! 黒人の星一徹か?(笑)」などと観ていたら、54分あたりから急に変な方向に話が展開しだしたのは興ざめです。「おや?もしかして、モーガン・フリーマンは、悪い宇宙人に身体を乗っ取られていて、ダディッツの仲間の好い宇宙人をやっつけようとしているんじゃないか?」、「それをトム・サイズモアが阻止しようとして、彼ら3人は協力するんじゃないのか?」、「ダディッツはいったいどういう役割をするんだろう?」などと勝手な妄想がふくらんでいたところを、変なエイリアンがせこく暴れ回ってるだけの演出には笑止! あれ、「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」に出てくる食虫植物と似てないか?(笑) それと、テレビでやっていた「ランゴリアーズ」で空を飛んでパクパク食べていた奴らにも(笑)。前半の雰囲気がとても良かっただけに、後半のドタバタがあまりにも唐突で、落としどころもなんかまだ続きがありそうな中途半端な感じで残念。聞くところによると、キングの原作は半端じゃない量があるらしく、それを135分にまとめるのには無理があるのかもしれないね。
5点(2004-02-27 17:17:24)
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