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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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161.  DEAD OR ALIVE 犯罪者
いかにも三池な過激なグロが押し寄せる。どんな映画にも意外と馴染む哀川翔とどんな映画でも同じオーラを発散している竹内力がそんな三池の世界から一歩引いたところで別々の物語を生きる。その二人が遂に相見える。ああVシネっぽい、ありがちな対決シーンだ。と思いつつも両巨頭の決着の仕方を心待ちに見る。・・・。車の下から哀川が出てきた。腕をもぎ取る。え?ここでようやく二人は三池の世界に合流するのか。と思ったらそのあと。え?え? で、そのあと。えーーーーっ!? 合流じゃなくてまたいじゃったよ。別の世界に行っちゃったよ。こういうことにお金かけちゃうのってまじで凄い。
[DVD(字幕)] 6点(2011-03-09 16:20:27)
162.  青いドレスの女 《ネタバレ》 
現時点で平均点4.08点(私の投稿前)。うーん、そんなにひどかったっけか。見てる間じゅうポランスキー『チャイナタウン』がちらちらしたのを覚えている。今改めてさらに思う。どちらもハードボイルド。時代は少し違うけどどちらも昔の設定。場所はロス。謎の女は被害者の顔を持つ。政治がからむ。社会問題もからむ。・・・。『チャイナタウン』を絶対意識してると思う。原作通りなのだとしたら原作が『チャイナタウン』の影響下にあるのだろう。とまあそんなわけで『チャイナタウン』が大好きな者としては、同じ匂いを持つこの作品もその雰囲気だけでけっこう酔えちゃったりするのかもしれない。その雰囲気に似合わないドン・チードルのぶっ飛んだキャラも悪くない。「からくり」を見せることに寄り過ぎの面があるし、その「からくり」自体が若干幼稚な面も、またその顚末もまた幼稚(政敵の弱みのなんたるばかばかしさ)ではあるが、私の中ではじゅうぶんに及第点。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-09 16:17:01)
163.  パリ、18区、夜。 《ネタバレ》 
フランスが移民国家であることは、サッカー・フランス代表の顔ぶれを見れば一目瞭然なのだが、映画はそこから派生する諸問題を浮かび上がらせることができる。それを提示する意志のあるなしにかかわらず。レオス・カラックス『ポーラX』然り、ミッシェル・オスロ『アズールとアスマール』然り。そしてこの『パリ、18区、夜。』然り。こういった外国の社会問題を映画ファンは新聞から得れる情報以上のものを得ているんだから映画は侮れないのだ。といった話は置いといて、クレール・ドゥニ、彼女の映画はコレ以外だと『ネネットとボニ』『ガーゴイル』しか見ていないのだが、共通するものといえば「孤独」だろうか。主人公の女性はパリに着いたばかりでフランス語すら話せない。しかし何か問題を抱えているようには見えない。映画は連続殺人事件の犯人がアフリカ系移民であり、それゆえに問題を抱えていることを犯人の兄夫婦の諍いによって伝えている。しかし同じく移民である主人公は淡々とそのドラマにつかずはなれずにいるだけ。でもラストシーンで彼女はある行動を起こす。新たなる犯罪者誕生の瞬間である。そこに移民問題があるとは言ってない。しかし彼女が「孤独」だったのだと思い当たるのだった。この瞬間に立ち会うまでちょいと退屈かもしれんが。
[ビデオ(字幕)] 6点(2010-12-16 15:49:55)
164.  ノーバディーズ・フール
ポール・ニューマンはどの映画に出てもポール・ニューマンで、しかもいるだけで目立っちゃう人。スターだから。ブルース・ウィリスもまたどの映画でもブルース・ウィリスで、やっぱりこの人もいるだけで目立っちゃう人。クセのある人気俳優だから。メラニー・グリフィスもどの映画でもメラニー・グリフィスで、やっぱりこの人もいるだけで目立っちゃう人。容貌なのかキャラなのか、なんか濃いから。なのにこの映画、三人ともがそれほど目立たず、我を張らず、地味なストーリーに馴染んでいる。元来持ち合わせた存在感が際立っているぶん、でしゃばらなくてもそれなりに印象に残る。言い換えればこの三人だからこそ、この地味なストーリーを引っぱってゆけたのかも。ジェシカ・タンディも、ちょい役フィリップ・シーモア・ホフマンも含めてけっこう個性的な面子が揃ってるのも効果的。キャスティングがうまい。にしても地味だ。
[DVD(字幕)] 6点(2010-09-02 15:27:00)
165.  スターシップ・トゥルーパーズ
『ロボコップ』や『トータル・リコール』でもそうだったんだけど、この監督の未来世界の未来世界たる部分への皮肉めいた描き方っていかにもSFミステリー小説みたい(実際、原作がSFミステリーなんだけど)。現代の視点で現代の諸悪や問題を誇大にしてみせて未来世界とするという、皮肉を言うために作ったような世界を背景としている。単純化された人間の行動パターンによって短絡的に進んでゆくスカスカのストーリーそのものが皮肉となり、スプラッター描写を強調することでさらなる皮肉を生み出す。終わってみればその完成された皮肉の塊に感心しきりなのだが、はたしてこれは面白いのだろうか。いや、面白いんだけど、見ている間の興奮ってのは単純なインパクトの羅列のせいで(もちろん意図的に)中の下ぐらいなわけで、所謂ヴァーホーヴェン・ワールドは堪能できたんだけど、うーん、どうなんだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2010-06-23 14:26:19)
166.  木と市長と文化会館/または七つの偶然 《ネタバレ》 
文化会館建設にまつわる意見交換であっても、ロメールのいつもの恋する男女のたわいなく、どうでもいいような内容の会話同様に、どうでもいい会話なのだった。ただし大人、しかも政治がからんでるのでいつも以上に理屈っぽい。こんなどうでもいい会話を延々と聞いていたってちっとも面白くない。ところがラストシーンでひっくり返される。子供によって。 <超ネタバレ注意> 小さな女の子が大人顔負けの政治的見解を述べる。文化会館よりもみんなが楽しめる公園を。みんなが歌いだす。笑顔で楽しそうに。このラスト数分にはまいった。全てはこのエンディングのための「フリ」だったのだ。ちょっと長かったけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-12 13:48:54)
167.  コップランド
デ・ニーロ、カイテルのタクシードライバーコンビに押しも押されぬアクションスター、スタローンの異色の共演ということで既成概念に凝り固まった期待をさせてしまっているのがもったいない。ストーリーだけ見てみると社会派色が強いのだが、映画はそこに重点を置かない。かといってサスペンスにも力を入れていない。警官の汚職、真相の追究と社会派でありサスペンスであることは間違いないのだが、映画はひたすら、過去にニューヨーク市警に憧れたが人としての正しい行いと不器用な愛ゆえに断念せざるを得なかった男の人間臭い生活と葛藤と哀愁を丁寧に描いてゆくのだ。それをスタローンにさせているのだが、巷の悪評はアテにならない。なかなかどうして、いいんです、スタローンが。クライマックスの耳の不自由さを活かした演出も見せ場を効果的に盛り上げていてよかった。安定した生活をけって男としての決断を見せるというのは、今思えば同じマンゴールド作品『3時10分、決断のとき』に通じてゆくんですよね。ちなみにスタローンの演じたフレディ・へフリンという名は『3時10分、決断のとき』のオリジナルに当たる『決断の3時10分』の主演俳優ヴァン・へフリンからとったのだそうです。なので『決断の3時10分』と『3時10分、決断のとき』をつなぐ重要な作品ということにもなりそうです。
[DVD(字幕)] 6点(2010-04-22 14:20:43)
168.  ブギーナイツ
長回しから始まるアルトマン風オープニングがなかなかにきまっててカッコイイ。なにげに豪華なキャストが豪華ぶらずにいるのもアルトマンの映画を彷彿させる。主人公がごくごく普通の人間でありながら特別な何かを持っているというのがポール・トーマス・アンダーソン的だと思えるのは『マグノリア』を先に見ているせいか。その特別な才能ゆえに成功し成功したがゆえに挫折するあのクイズ王にこの作品の主人公と通じるものを感じた。一人の青年を主人公にしたドラマはその挫折感と共に重々しくなっていき、映画の勢いまでもが削がれてゆく。ちょいと退屈。そこでドラマは外に飛び出した青年の代わりに豪華キャストのその他大勢を映し出すのだが、このあたりの怒涛の展開は見応えあり。この見応えも前半にちょこっと映されるだけのときにしっかりと皆が個性を見せていたから。脚本がそうなっているのだろう。次に撮ったのが『マグノリア』であるのも頷ける。お見事。
[DVD(字幕)] 6点(2009-12-10 16:50:33)
169.  女優マルキーズ
ヨーロッパ絶対王政時代の性に対する価値観にはいつも呆気にとられるのだが、この作品のいいところはまずそのことを隠していないこと。そのうえで今の価値観を差し込んでいないところ。つまり夫以外の男と寝ることについて相手がためらったり自身が葛藤したりといったことがなく、実に普通のこととして描かれているということ。もちろんそれは意図的にされていて、時代考証にはそれなりに気を使っているように思った。いきなりストーリーとは関係の無いご婦人たちの排尿シーンがあったり、意味も無く太陽王の排便方法がなにげに映されたりするのも時代考証をちゃんとしてますよということなんだと思う。マルキーズがどう見てもつり合わない太った旦那を心底愛しているという描写が現代の観客に安心感を与えている。性に対する価値観と異なり愛に対する価値観は普遍ということでしょうか。ストーリーは伝記ものにありがちな大雑把なあらすじの連なりでしかないのだが、話題豊富なルイ14世の時代におけるアレコレを完全封印し、あくまでマルキーズ周辺の出来事に徹しているだけでも良しとしたい。ソフィー・マルソーも女優として最も輝いていた時期だったんじゃないだろうか。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-12-04 15:48:23)
170.  女優霊(1996)
一部のコアな映画ファンに支持される『ラストシーン』が全くダメだったので同じ劇中劇ならぬ映画中映画の『女優霊』もさほど期待せずに見たのだが、意外に楽しめてしまったのはこれがホラー映画だからだろうか。だって見えるはずのないものが見えたとき、それを感動ではなく恐怖へと昇華させるほうがずっと簡単そうだもん。いや、全くの素人意見ですけど・・。で、この映画はその見えるはずのないもの、つまり幽霊の出し惜しみがうまいと思う。心霊写真のようなあやふやさを醸しながら、遠めでしかも一瞬、でもはっきりと確実に見せている。いるだけで何も起こらないのかもと思わせて何かが起こったときには幽霊は映されない。女性スタッフの「誰かが抱きついているのを見た」というセリフでその恐ろしいシーンを想像させてしまうのは幽霊が映されていないからだ。急展開のラストは、それまで恐怖の対象が幽霊が出るかもしれない「撮影所」だったものが一気に幽霊そのものに変わってしまい、当然ながら恐怖の質も大きく変わってしまうのだが、このバカバカしいまでのストレートな決着にこそ後にハリウッド進出を果たした中田監督の特徴が現れているのかもしれない。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-12-02 17:27:18)
171.  シビル・アクション 《ネタバレ》 
ポルシェだったか。ブイーンとすっ飛ばしすぎの画の後にスピード違反のキップきられてる画。さっさと金にならない仕事を断って次の仕事に移りたい。そんな心境を皮肉とユーモアを交えて見せる。さっさと断っての帰り道にブイーンとすっ飛ばして捕まるという全く同じ展開が映し出される。繰り返しの妙によるさらなる笑いを提供する。と同時にこのシーンをストーリーが動き出す転機にまでしてみせる。なかなか巧いではないか。金になると判断した金満弁護士は端から原告のことなど考えておらず、和解金をせしめるという目論みは最初から原告の「謝罪と環境改善」という訴えを無視している。しかしある証言を切欠に原告の思いを代弁する真の弁護士となってゆき、この第二の転機から大きく物語が動き出すのである。ところが丁寧に作られたストーリーの中で唯一この第二の転機となる描写が弱い。たしかに子供が親の願いも叶わず目の前で息を引き取るという世にも悲しい出来事は人を変えるにじゅうぶんな出来事かもしれない。しかしチームの誰もが変わらない中でこの金満弁護士だけが唐突に変わる理由としてはあまりに説得力に欠ける。このあたりを丁寧に掘り下げて描いてくれればその後の無謀な独り相撲により悲壮感を出せただろうし、ラストの笑顔により感動できたような気がする。娯楽映画としての詰めがちょい甘かった。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-11-12 13:40:57)
172.  アサシン(1993)
元々『ニキータ』自体がハリウッド映画を模したような作品なのでこれをハリウッドでリメイクするとなると相当派手なものが出来上がるんじゃないかと思ったが、派手なようで意外に地味で堅実な演出をするジョン・バダムのおかげで無難な佳作に仕上がった。ブリジット・フォンダが個人的に好きなのでけっこうポイント高いです。ニキータはめそめそしているのが良かったのだが、アメリカ女は強さを前面に出す。終盤の対決がいかにもハリウッド的展開なんだけどけして悪くない。舞台がアメリカ(しかも旅先の殺しのシーンもオリジナルのベニスに対しニューオーリンズ)というだけでどこかサバサバとした爽快感が漂う。『ニキータ』のほうが印象的なシーンが多いが、全体のバランスでは『アサシン』に軍配をあげたい。
[DVD(字幕)] 6点(2009-10-28 15:26:35)(良:2票)
173.  相続人(1998) 《ネタバレ》 
邦題がネタバレになっちゃってるんですけど、まあばれててもいいというか、どっちにしろすぐばれるというか・・。だいたい離婚した弁護士、しかも女たらし、で敏腕、しかも強引なやり口で警察を敵に、となると大まかな流れも予想できようってもの。実際今あげたものは全て伏線となっている。しまいには「ジンジャーブレッドマン」の童話(うまくやってると思ってたら最後に裏切られるお話)。そしてクライマックスに向けて接近するハリケーン。結末でドッキリではなく結末を必然とするための伏線を楽しむ映画。遊んどるがな。というのは言いすぎにしても少なくともアルトマンは観客を煙にまこうとかびっくりさせようなんて考えていない。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-08 13:42:35)
174.  人間椅子(1997)
「倒錯した性癖」が描かれた乱歩「人間椅子」に、「性の倒錯」をモチーフとしたオリジナルストーリーを加えた脚色が巧い。送られた原稿に書かれた内容を知りたいという欲求、送り主は誰なのか知りたいという欲求、倒錯の世界に足を踏み入れた女流作家の行く末を見たいという欲求、、、観客の興味を持続させながらもどうもそんな単純なお話でもなさそうだと思わせる主人の謎めいた動向の差し込み方がまた巧い。だから腹話術だったのか!というカラクリの妙!まさしく乱歩の世界であった。後から考えれば少々ムリのあるお話なのかもしれないが、見事なまでの乱歩的ストーリーに脱帽。残念なのはエロス。裸を見せろとかそういうことじゃない。直接的な描写はむしろ無い方がいい。でも、もっとソソルものが欲しい。「性の倒錯」はお話の上ではあったが画面の上では乏しかった。
[DVD(邦画)] 6点(2009-07-30 15:32:56)
175.  D坂の殺人事件(1998)
乱歩の「D坂の殺人事件」と「心理試験」の合わせ技ではあるがこの作品において殺す者も殺される者も原作二作には登場しない。「D坂の殺人事件」からは団子坂の古本屋で殺人事件があったこと、古本屋の向かいが喫茶店であること、古本屋の並びに蕎麦屋があること、登場人物のSM趣味、ぐらいが抜き出されているだけでストーリーじたいはオリジナルと「心理試験」を巧みに融合させたものである。このオリジナルの部分に名前だけ登場する責め絵師「大江春泥」は乱歩「陰獣」に登場する人物の名を借りたもので、これは乱歩ファンへのサービスでしょうか。本作同様に嶋田久作が明智を務めた前作『屋根裏の散歩者』のアパートの住人も責め絵を描いていましたが、絵は本物の裸よりも艶かしく、とくに本作における真田広之によって描かれる贋作作りの過程は圧巻と言えるほどの艶かしさ。真田は前作の三上同様に怪しい色香を発散しており、このシリーズのキャスティングはなかなかに巧いなと思った。一番怪しさ満開なのは最後にちょっとだけ登場する三輪ひとみの小林少年だが。前作のような無駄なエロシーンや怪しい世界観のための過剰な演出が抑えられているのも好印象。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-07-28 14:07:27)
176.  ナインスゲート 《ネタバレ》 
世間が言うほどつまらなくはなく、むしろ面白かったのだが何か物足りない気もしてしまうのは「悪魔崇拝」が描かれたポランスキーのオカルト映画というところでどうしても『ローズマリーの赤ちゃん』を想起してしまうからだけではなさそうだ。主人公は本に携わった仕事をしているが本を愛しているわけではなさそうで(貴重な古書をタバコを吸いながら触りまくる)、金で動くいわゆる商売優先の人。こう書くと悪魔に魅入られる人間という気もしないでもないが、正義の人ではないけどどこか憎めないキャラは彼が演じた某海賊映画の船長をこじんまりとした感じに似ていなくもなく、だからこそ面白かったわけでもあるが、結末がああなるとちょっと愛嬌がありすぎるような気もしないでもない。『ローズマリーの赤ちゃん』や『テナント』や『反撥』のような妄想がなく、オカルトを現実の世界のものとして描く。だからあの女はバイクにも乗り怪我もしセックスもする。何度も言うがだから面白い。でもやっぱり何か足りない。何かはたぶん「狂気」。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-17 14:15:55)
177.  ゴッホ
伝記とはまたアルトマンらしからぬ。と思うも、『M★A★S★H/マッシュ 』がアメリカ軍というシステムを、『ザ・プレイヤー』がハリウッドのシステムを揶揄したように、芸術が商品として売買される絵画の世界のシステムを揶揄する構成はやっぱりアルトマン。生前一枚しか売れなかったというゴッホの絵がオークションでとてつもない金額にせりあがってゆく現代のシーンを冒頭に持ってくるあたりが心憎い。嫌いな絵ばかりが売れ、好きな絵は売れないと言う画商の弟テオ。彼は画商でありながら芸術を知っている。芸術を知っているからこそ苦悩する。芸術の価値とかけ離れた商品価値に苦悩し、それでも売らなければ生活できないことに苦悩する。本物の芸術家であると確信する兄を支えるために芸術に対する背信行為を続けることに苦悩する。その苦悩を見て苦悩する兄ヴィンセント。芸術を解からない大半の中で芸術を解かっってしまったがゆえの二人の孤独。単にゴッホの生前を語った物語なんかじゃない。芸術を正当に評価できない世の中に物申す。そんな映画だった。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-10 15:35:24)(良:1票)
178.  カナディアン・エクスプレス
ヘリからの銃撃と山の中のカーチェイスでド派手なアクションを見せて、その後列車内という限られた場所でしか展開しない動きの乏しさとのバランスをとる。同じ列車に乗っている殺し屋から証人を守る。ただそれだけの話でそれ以外の話は無い。無駄がない。テンポも実に軽快である。気軽に楽しめる娯楽映画の王道。列車内なのにあまり密室という感じがなく、いつ見つかるのかという緊張に乏しいのが難。夜のシーンが多かったり、通路に窓がなかったりのせいで列車が走っているという感覚も乏しい。いや、感覚はあるんだけど、そこから生まれる危機感がないというか。だから気楽に楽しめるんだろうけど。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-03 15:00:53)
179.  愛を乞うひと 《ネタバレ》 
子を持つようになっての実感として「母」ってずるいなと。どんな母でも子は母にこそなにかを求めている。父はどう頑張っても母にかなわない。10ヶ月も母と一体となっていたのだからかなうわけもないのか。この映画で、子は自分を虐げ続ける母にそれでも「かわいい」と言ってもらいたかった。そのことが語られるシーンはあまりにもテーマを直接に語りすぎてはいまいか。とも思うが、子がそのことを母の前では一切口にせず、それどころか主人公は心の内をけして誰にも語らず、そのうえでラストシーンで初めて吐露する本心は、本心の内容よりも初めて本心が口から出ること自体に感動がある。原田美枝子の二役もさることながら二つの時代を戸惑わせることなく行き来する語り口は絶品。惜しむらくは虐待の原因を示すようなエピソードや言葉や原田の表情。そして虐待ではなくより視覚的にインパクトを得ることができる暴力こそを見せた演出。暴力は虐待の一部であって虐待そのものではない。例えば『長い散歩』(奥田瑛二監督)の高岡早紀が子に行う虐待はまさに虐待だった。ちょいとドラマチックに仕上げすぎた。 まあ、とにかく母はずるいってことだ。そもそもお前らの元は父の体で作られたんだぞ。なんの話や。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-03-16 16:55:10)
180.  リバー・ランズ・スルー・イット
レッドフォード監督の作品は全く食指が動かなくて、でも観てみるといい映画で、でも再見するかっちゅうと躊躇してしまう。なんでか考えたんだけど、単に内容が刺激的じゃないってことなんかじゃなくて、真面目なテーマを扱ってるからでもなく、真摯に映画に尽くしているからでも当然なく、たぶん、今書いたことが全部そろっちゃったってことなんだと思う。観れば映画に引きこまれ感動もするのは、ちゃんと作られてるから。すごく丁寧。とくにこの作品だと、その家族だけが持ちうる独特の空気というのがあって、それはだいたいその家族にとっては居心地の良い空気なんだけど、そればっかりでもなく、家族の一員でもそれを鬱陶しく感じることもあって、でもそれは鬱陶しいだけで違和感ではないという微妙なニュアンスをしっかり表現できてるような気がする。家族の中のそれぞれのそれぞれに対するけして単純ではない感情も非常に繊細に描かれている。うん。いい映画だと思う。物足りない部分はあるんだけど、こういう監督は絶対必要だと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2009-02-04 17:15:06)(良:1票)
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