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花守湖さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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161.  それでもボクはやってない 《ネタバレ》 
痴漢にあった女性の心を傷つける権利が本当にこの映画にあるのですか?そんなに少数の冤罪者に同情したいならば、在日外国人の冤罪事件でも取り上げればいいのです。日本は痴漢大国です。それをどうやって防止していくか、ということを警察や地域が一体になって努力しているなかで、この映画の内容はあまりにも悪質すぎる。こういうわがままな男の視点に立ったものをつくるから、「痴漢される女性にも落ち度がある。男はむしろ被害者だ」と、勘違いする男が出てくる。この物語のなかで言っていることは、ようするに、痴漢男のなかにも無実のものが1%いるということでしょう。だけどね、そんなのは北朝鮮のなかにも善人が1%いるし、オウム信者のなかにも1%まもとなのがいると言っていることを同じなのですよ、監督さん。あなたはわざと問題の本質をゆがめている。いいでですか?痴漢をされた女性はですね、心に大きな傷を受けるのです。それはトラウマとなって、まともな社会生活すらおくれなくなるケースもある。その事実は無視ですか?主人公が痴漢と間違われたのだって、じつは女性のほうが過去に痴漢の被害を受けて恐怖でパニックになっていた可能性が高い。それなのに痴漢されたと思い込んだ女性が100%悪いというみせかたをするのはおかしい。一番はらただしいのは、この映画が男ばかりを擁護して、本当の弱者の心の痛みにまったく鈍感であることです。私はこの監督の偽善をぜったい許さない。  
[地上波(邦画)] 0点(2009-01-01 17:51:23)(笑:2票) (良:4票)
162.  4ヶ月、3週と2日 《ネタバレ》 
これはルーマニアの独裁政権が引きこした特殊な物語ではありません。「男社会」に身をおく女性たちの普遍的な物語なのです。どこの国においても、女は子供を産む機械だ、という思想が根強く残っています。そして、いつの時代でも、どんな場所であろうとも、妊娠したことを家族に言えず、1人で悩みつつ、赤ん坊を生んで殺してしまい、逮捕される女性のニュースは、めずらしくありません。こういう話を聞いて、いつも悲しみと同時に腹が立ってきます。なぜ女性をこんな目にあわせた男が、逮捕もされずに、のうのうと、まっとうな社会人のふりをして生きていけるのでしょうか?それどころか世間は、傷ついた女性たちに、マグダラのマリアのように娼婦の烙印をおして非難しようとする。特にバカ女という言い方は許しがたい。逮捕されて当然の悪女だと罵る人間もいる。しかしどんなときも、原因をつくった男たちに批判は飛び火しない。これが男社会の正体です。中絶した女性に対して、責任のとれないことをするなと、偉そうに説教した闇医者がその典型です。彼はレイプまがいに女性と性交し、避妊もしなかった。自分の責任のとれないことをするなだって?バカ男の説教なんてクソ食らえである。こういう男は、女性をレイプしても、「男にすきを与えた女のほうが悪い」と、のたまうのだ。おまえはルーマニアにおいて、中絶禁止の法律は破るが、避妊禁止の法律だけは律儀に守るのか?おまえたちが男社会を利用し、女性たちを虐げているのではないか。闇医者はあらゆる男たちの象徴だ。女性を説教し、お金を搾取し、恫喝し、強制的に体を奪い、そして急いでいなくなる。もう笑うしかない。手に入れた男のIDカードを利用してそこらじゅうで借金をつくってやれ。それから主人公がルームメイトを必死になって助けた理由について1つ言いたいことがある。これは男社会に対する、女たちのジハード(聖戦)だ。主人公は友人のためではなく、ましてや自分のためでもなく、すべての女性のために行動したのです。「わたしが妊娠したらあなたはどうする?」と、オティリアが聞いたときの、男の言い分は死刑に値する。彼女は男社会に耐えるだけではなく、立ち向かう勇気を備えている。いつか男から盗んだあのナイフが役立つ日がやってくるでしょう。 
[DVD(字幕)] 10点(2008-12-26 21:40:05)(笑:1票) (良:3票)
163.  ブレイブ ワン 《ネタバレ》 
あなたは暴力を受けたことがありますか?という明確な問いかけがありました。激しい暴力を受けた経験がある人は、もし誰かが暴力を受けている場面に遭遇したらどのように感じるか分かるでしょうか?体が震えてきます。それは恐怖じゃない、怒りで震えてくる。暴力を受けている他人に自分自身を投影させ、暴力をふるわれても「ごめんなさい、やめてください」としか言えなかった屈辱的な自分を思い出すこともある。怒りや憎しみという感情は生まれもってのものではなく、悪意を持った他人から植えつけさせられるものだとおもう。ジョディが何度も危険な場面に偶然遭遇するのは不自然だという意見が多くみられますが、それは偶然ではなく必然なのです。法治国家は建前にすぎず、現実は力の強い者が、力の弱い者を打擲する世の中だ、警察はすべての暴力に対応できるわけではない、非力な弱者は恐怖で震えているだけはなく、怒りで震えている、主人公はいつしか恐怖を怒りに変え、そのためこんだ怒りを放出するために危険な地域をさ迷い歩いていたと考えます。ラストは素直に驚いた。たとえどんな理由があるにせよ、連続殺人を犯した主人公に残された道は、みなさんもご存知のとおり、大抵の場合は、敵と相打ちの末に死んでしまうケースが圧倒的に多く、その次に多いのが自殺です。(死刑はない)つまり法律的な罰ではなく、見えない力による罰(神の裁き)を受けるのが当然という意識が、作り手にも観客にも、心の底に根強く残っている。そして主人公が死ぬことによって、彼女の行動の是非は問わないことにする、つまり死んでしまったのだから今さら何を言っても仕方ないという、うやむやな展開にしてしまう。それがなんと主人公を生かしてしまった。だから観客は主人公の「罪」をうやむやにできなくしてしまった。あえて主人公を生かすことによって「あなたは許せますか?」というキャッチコピーがはじめて意味を持ちはじめる。  
[DVD(字幕)] 8点(2008-12-07 10:43:29)(良:2票)
164.  犯人に告ぐ
くだらない。邦画は地に堕ちた。いいですか?巻島史彦が主人公です。巻島を語る観客がいると思いますか?いませんよ、1人もいません。みんな豊川を語るのみです。俳優が役名の人物になりきれず、本名で呼ばれるようになったらオシマイだ。豊川に告ぐ。あんたの露出度の多さが、俳優からテレビのタレントに成り下がったのだ。もはやあんたが弁護士を演じようが、刑事を演じようが、殺人犯を演じようが、あんたは豊川という本名で批評されるだろう。俳優失格だ。彼だけじゃない。 日本の映画界はいつまでたっても俳優が育たない。この国は俳優不在だからどの映画もTVドラマに見えるのだ。はらがたつ。
[地上波(邦画)] 2点(2008-11-23 07:46:32)(良:2票)
165.  ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 《ネタバレ》 
起業家というのはエコ運動とは無縁の究極のエゴイストじゃなければ務まらないと思っているので主人公ダニエルがことさら悪人には見えませんでしたし、むしろ大阪商人だったらこの程度は「ふつうじゃん」と言うだろうなと思いながら観ていたのですがしかし人格者と言われている松下幸之助や風雲児と言われている本田宗一郎や天才ビルゲイツのように美化されて偉人化されていないぶんだけ、主人公の人物像に客観性を感じることができて好感が持てました、何よりもこの男は自分の行動のすべてが「目的」にむかっていることに気がつき、気がついたとたんにこういう男が成功するんだよなと考えだすと、そういうことができない自分と比較してブルーになったり尊敬したりしてました、自分の行動のすべてが「目的」に関連づけされていることをコンセプトっていいますがダニエルは子供を拾ったことも、子供を捨てたことも、人を殺したことも、大ッ嫌いな教会で土下座して懺悔したことも、すごくむかつく若造の神父に殴られて半笑いを浮かべてられるのもぜんぶ自分の目指す「目的」のために害があるか有益なのかを判断しての行動であり、こういうのってなにげにすごいと思います。成功する人間は自分の行動のすべてが「目的」の方向にむかっている人だと改めて思いましたしそれは仕事時間だけではなくて食事の時間も睡眠の時間もすべて含まれるわけで、怪我の多いプロ野球選手はこのコンセプト意識が欠如しているから練習と試合の時間帯だけを一生懸命頑張ればあとは銀座で夜遅くまで騒いでいても大丈夫だろうと考えているからだめなわけで逆にイチロー選手のようにもしここで睡眠時間を1時間少なくしたら明日の試合の集中力は5%落ちて怪我をする確率は1%増えるというふうに計算する人が最後には勝者になるのだと思います。ようするに成功する人はどこまで自分の行動を「目的」と関連付けすることができるのか?ということが言いたかったわけですね。「成功」とは偶然の産物ではなくすべて必然なのだと改めて思いました。 
[DVD(字幕)] 7点(2008-10-24 21:51:57)(良:3票)
166.  列車に乗った男 《ネタバレ》 
「殺人の追憶」は、セピア色の映像で独特の世界観を作り上げましたが、この映画はまさにブルー。とても心地いいブルーです。 この映画を観てふっと「乞食と王様」を思い出しました。 アウトローの生き方に憧れる平凡な元学校の先生は乞食に憧れる王様のように見えました。 しかしそれも仕方ないかもしれない。 彼は自分があと数日で死ぬかもしれないと思い始めたとき、今までの自分の人生に疑問を持ち始めたのだと思う。それが手術を控えたジャン・ロシュフォールの演技から切実に伝わってきました。 たぶん死を前にしたときの人間は自分の過去を振り返り、疑問や後悔やいろいろな思いがあふれてくるのだと思う。姉に対しての行動もその1つだと思う。 みっともないようにも思えるがそれが人間の本当の姿のようにも思える。 「列車」というのはもちろん「人生」の比喩のことを指しています。 ラストは「生まれ変わった」ということを言いたかったのでしょう。 生まれ変わってこれからあの死んだ男のような人生を送るということを暗示しているように見えました。その是非はともかく、後悔のない人生を送りたいものですね。 印象に残ったのはこのカッコいい2人の男は1人ぼっちで死にました(1人は生き返りましたが)。それをみて、どんな人生を送るにせよ、1人ぼっちで死にたくはないな、と・・・それだけは強く思いましたね。 面白い映画ですよ、これは。いったい自分はどういう最後を迎えるのか久しぶりに深く考えてしまいました。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-10-24 21:50:29)
167.  西遊記(2007) 《ネタバレ》 
もしこれが中国に対するあてつけだとするならばとても高度な政治的な嫌がらせだと思いましたが、悲しいことに真面目にやっているつもりらしいです。わが国の大作映画は、芸能人を大動員をして、そして大宣伝をして、あとは知らんぷり、広告戦略にすべてのエネルギーをつぎ込み、観客があとで期待はずれだったと文句を言っても、お金を払わせたほうが勝ちだと思い込んでいる。いわゆる「作り逃げ」というものが蔓延しています。しかも芸能事務所との馴れ合いがますます顕在化し、どんな映画にも必ずといっていいほどスマップがオマケのようについてくる。今では邦画はすっかりTVの二軍に定着してしまいました。もはや作り手にとって「孫悟空」という人物イメージなどはどうでもよくて、孫悟空を演じるスマップのディナーショーを、映画という形に置き換えて利益を上げようとしているのが明白です。当然のことながら今この国では本当の映画俳優は育たない事実がある。本当の俳優とは自分の「個性」や「性格」を人目にさらしてはいけないと思います。常に自分をさらけ出しているTVタレントの俳優化は最悪の選択だと言わなくてはいけません。観客はですね、これを孫悟空が大騒ぎしている映画とは見ないのですよ、スマップが大騒ぎしている映画と思うだけなのです。つまり観客に固定概念をすでに与えてしまっている時点で役者はできないのです。スマップがやかましく騒ぐたびに、なんで貴様のくだらないディナーショーなど拝まなきゃいけないんだよと毒づきながらも日本映画の荒んだ現状を憂えずにはいられなくなり、気がついたら涙が出てきました。もし映画を愛する中国人がこんな笑えない西遊記をみたら、怒るよりむしろ私たち日本人に同情してくれでしょう。 
[地上波(邦画)] 3点(2008-10-24 21:47:15)(良:1票)
168.  キングダム/見えざる敵 《ネタバレ》 
サウジとアメリカのぐだぐだな関係が、娯楽映画を通して、ソフトに知ることができます。ようするにアメリカとサウジのような関係は、沖縄問題でも同じように、どこにでもあるのでしょう。悲しいことにアメリカ兵の存在そのものが現地の人々に攘夷主義的な感情を抱かせてしまう。アメリカは守っているつもりでも、守られている国はそうは思わない。もちろんアメリカは利権も狙っている。しかしそれのどこが悪い?役務の提供には対価が存在するのは当然なのです。FBIはボランティア団体ではなく、アメリカ国民の税金で成り立っているとだけ言っておきましょう。サウジに乗り込んできたアメリカ人を最後まで一人も殺さないというこの物語は、強烈なアメリカ批判のメッセージがあります。これをみてごらん、アメリカ人が他国を蹂躙したんですよ!と叫びたいわけです。私のようにアメリカに同情的な者にとっては、ちょっとひどすぎやしないかい?と思ってしまう。左翼根性むき出しにして、両国の関係をここまで善悪に分けて描いていいものだろうか。この映画をみたサウジの人々は、逆にアメリカ人に同情するかもしれませんよ。アメリカ人が1人も死なない+サウジの人がいっぱい死んだ=サウジの人が怒る→アメリカはけしからんという。このように監督の意図した展開になるとは正直言って思えない。この情報社会において、そんな短絡的な考えかたをしてしまう人々は北朝鮮を除いて他にいないのではないか?理屈で見ると青臭い映画。しかし理屈なしで見ると、久しぶりに手ぶれ映像で酔わなかったので満足できました。ようするに、アメリカがアウェーで大暴れする映画だと思えば楽しめます。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-10-14 20:06:17)
169.  サイコ(1960)
あまりにも怖くて、観終わったときは、体がぶるぶると震えたし、夜中は悪夢をみたし、この映画を観たショックで、トラウマを持ち、いまだに社会復帰ができない、ということは、もちろん冗談だけれども、率直に怖いか怖くないかと他人から聞かれれば、私は怖くない、といつも答えることにしている。昔の映画のわりには、こわい、という言い方もしたくない。昔と今を比較して、昔の映画に、意味不明のハンディなんて与えたくないのです。有名なあのシャワーの惨殺シーンは、お世辞でも怖いとは言えない。あれは、こわい、のではなくて、巧いと言うべきでしょう。 ぶっちゃけた話をさせていただくと、ヒッチコックの作品の「怖い」というのは、その知的さに裏打ちされたものであり、ゆえに、映画ファンは最大限の賛辞の意味をこめて、「こわい」と褒めるのである。ようするに、さほど笑えない喜劇に、「お腹が痛いくらいに笑いました」と賛辞をおくるチャップリン映画と共通したものがある。しかし、ヒッチコックがこの分野において、パイオニアであることは間違いないので、私はそのことについてはいつも敬意を惜しみません。しかし友達からすごく怖い映画を教えて、と聞かれたときに、ヒッチコックのサイコだ、とは口が裂けても言いません。 
[DVD(字幕)] 1点(2008-10-14 20:03:45)
170.  ゾディアック(2007) 《ネタバレ》 
物語性のない実話をベースにしているので、派手なアクションも、刺激的なバイオレンスシーンもありませんが、監督は観客を退屈させないように、スピードだけは絶対に落とさないように気を使っていたことがうかがえます。1つの連続殺人事件がはじまってから迷宮入りするまでの長い年月のあいだに、さえないバツイチの漫画家は再婚し、アットホームな家庭を築く。かと思えばかつての敏腕新聞記者はアル中の酔いどれになっていたりする。他愛のないエピソードだけど、なぜか退屈しない、その理由は時の流れのはやさが、ごうごうと音をたてて流れていることを、意図的に作り手が観客に実感させているからです。日時の表示も効果的でした。「時間」というものは不思議なもので、私たちは「限りある時間」を、どうしても日常生活において意識することができません。一寸の光陰軽んずべからず、まだ時間はあるさ、と思っていても私たちはあっという間に棺桶に片足を突っ込む時期が差し迫っている。この映画の主題の連続殺人事件などはメタファーに過ぎません。人は何かを解決できる、何かを成し遂げられると思って生きている、誰もが何かに対し、「いつかは~」という思いを抱いて生きているが、時間は信じられないはやさで過ぎていく、そしてあっというまにフィナーレはやってくる。そのときになってはじめて「いつかは」は永遠にやってこないことに気がつく。その瞬間、人は何を思うのか?漫画家は焦燥感で我を忘れ、刑事は悟りを開いたように諦めていた。大抵の人間の行動パターンは、焦る、諦めるという2つのパターンに分かれる。私たちが普段は気にとめない「時間」を意識するのは、いつのときも終わりが近づいてきてからのようです。殺人事件だけではなく、すべての人の人生そのものが未解決のまま終わるのです。隠喩に満ちた作品でした。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-10-01 20:20:23)(良:3票)
171.  バーバー 《ネタバレ》 
率直にいうと面白くありません。何が不満かと聞かれたら、名シーンが1つもないことだと私は答えます。観終えたあとに1つ1つのシーンが脳裏に浮かんでこないのです。この物語の舞台は、床屋の店の中か法廷がメインになっています。低予算も結構ですが映画としてこれほど画にならない舞台設定も他にありません。わざわざ映像化する意味がどこにあるのでしょうか?あげくのはてに、けだるい夫婦仲や不倫、お金が絡んでの脅迫、そして殺人と続く。まるでTV番組でよくある○○殺人事件と同レベルでした。かりに監督の名を伏せて、サスペンス劇場としてこれがテレビで放映されていたら、誰も有名監督の作品だとは気づかないでしょう。それほどありきたりな物語なのです。ブラックジョークが笑えるよ、と言いたい気持ちだけど、この程度でいちいち笑っていたら胃を壊してしまう。コーエンから暴力描写を除外したら萎んで凡作になってしまった。そんな感じが否めません。そもそもなにゆえにバーバーなのか?タイトルのみが個性的で思わせぶりですが、主人公の職業が床屋である必然性はまるでありません。しかも床屋のくせに、くわえタバコをしてまわりに煙をもくもく充満させながら、お客様である子供の髪の毛を切る。ありえない。もしあれがかっこよさをみせるための演出ならば、バーバというよりもバーカと言ってやりたい。冗談じゃありませんよ。この兄弟は日常の中の非日常の世界観をいつもつくりだしてきた。いわば彼らの作り出す非日常の画はファンタジーに近いものがあった。それがこの作品にはまったく感じられない。モノクロだとかカラーだとかを議論する以前に、元の映像が兄弟のものとは思えないほど凡庸でした。期待していただけにがっかりです。 
[DVD(字幕)] 1点(2008-09-04 19:13:13)
172.  コンスタンティン 《ネタバレ》 
ようするにたばこを吸っていると、血を吐いて末期がんになって、あげくのはてに地獄に突き落とされるという話です。悪魔と付き合いたくない人はタスポ導入をきっかけに、タバコをやめたほうがよさそうです。それから自殺という甘美な休息を求めたものは大きな代償を支払わなくてはいけない。地獄への片道切符を強制的に買わされるわけです。ですから生きるという意味は喜びである以上に、神の試練だという意識が強い。神と悪魔が対立しているのではなく、どこかでお互いを必要とし合っている。私には神と悪魔が談合しているように見えました。  
[地上波(吹替)] 6点(2008-06-30 22:41:01)(良:1票)
173.  ゲド戦記 《ネタバレ》 
ゲド戦記というより吾朗日記でした。ゲドの名を借りて、偉大な父をもつ吾朗氏が、己の苦悩を隠喩を用いて告白するというものでした。ようするにこれは壮大な自分探しの冒険です。個人的にはクモという魔女が素敵でした。最後になるとクモは、「千と千尋」のカオナシのように無力になってしまうのですが、テルーはそれでも容赦なく、竜に大変身して、口から何かよからぬものを吐き出して、放心状態の魔女を爽快にぶち殺してしまいました。かわいそうでした。おまえが命を大事にしろよ。また賢人のハイタカに従うアレンの姿は、鈴木氏に従う吾朗氏の姿を連想させて泣けてきました。それから性格の悪いおばはん2人組のことを「あれでも子供を気遣っているからマシだ」と言ったテナーの言葉は重要です。王様と対比されているからです。家族をかえりみずに国民のためだけに働いてきた王様は、日本の大勢の子供のために映画をつくってきた宮崎駿氏のことであり、吾朗氏はそのことを皮肉っているのです。この映画の副題は「いかにしてボクは虚無から脱したのか」にしましょう。人間は不安が深くなると無意識に感情のスイッチを切り防御します。それで不安は消えますが喜びもなくなる。この状態を「鬱」といいます。つまりアレンは不安に耐え切れず「こころ」を捨てたのです。その「こころ」が影の正体だと考えます。そこから脱する方法がこの映画のメッセージです。「生」の充実は「死」を肯定することで実感できる。これだと分かりにくいので言い直すと、春のありがたみは冬を経験してこそ実感できる、つまり喜びは不安が存在してこそ成立するということです。哲学です。子供の視点は皆無でした。しかしこの作品はそれでもハウルより上です。ハウルはもっと1人よがりで子供を激しく置き去りにしました。多分宮崎駿氏はもう才能が枯れ果てていると思う。だから鈴木氏の危機意識も理解できる。ジブリはいま世代交代を模索している時期です。私としてはカンヌで立派な賞なんて取らなくていいからワクワクするアニメを作ってくれる人を後継者に選んでほしいです。 
[DVD(字幕)] 6点(2008-06-30 22:37:56)(良:3票)
174.  28日後... 《ネタバレ》 
主人公は感染していませんがとても凶暴でした。兵士のめんたまのなかに指をいれてぐりぐりして絶命させています。もしゾンビが喋れるならば「やりすぎ!」と言うと思います。もしこれで主人公が感染したら恐ろしいゾンビになりそうです。ちなみに人間たちはゾンビに殺されてしまう恐怖よりも、集団から孤立している事実に怯えている。この映画の本質はゾンビとの戦いではなく、孤独との戦いだと思います。そして孤立している人間が他の人間と出会ったときの安堵感がひしひしと伝わってくるのが素晴らしい。主人公がハローと叫びながら、無人の荒野と化した街をさ迷い歩いているシーンがあり、そこから2人の男女の仲間と出会ったときなどは、観ているこちらのほうが思わず安堵してしまう。またマンションの最上階でがんばっている父娘がようやく仲間と出会えたときも、なにかとても嬉しい気持ちになれる。死ぬか生きるか?という問題よりも、いつ孤独から解放されるのか?ということに興味をもって最後まで観る事ができました。そういう意味でDVD版のラストシーンはとても満足できる。ヘルプではなくハローには大きな意味がある。主人公は常にハローと言ってきた。彼は強烈にコミニケーションを求めていたことが分かります。孤独からの脱出。これこそこのゾンビ映画の本質です。ラストシーンにカタルシスを得ることができました。孤独な世界観が素晴らしいゆえに、人と人とのふれあいの重要性を再認識させてくれます。  
[DVD(字幕)] 6点(2008-06-30 22:36:38)(良:2票)
175.  28週後... 《ネタバレ》 
出だしはよかった。気持ちよさそうなふさふさした大草原で、パパとゾンビが追いかけっこ。ゾンビと大自然という神秘的なアンバランスさに衝撃を受けました。ところがパパが感染してパパゾンビになってからがひどい。パパゾンビが暗闇のなかで人を襲うシーンがありましたが光をピカピカさせながらカメラをグルグル振り回しやがる。死ぬかと思った。気絶しなかったのが不思議なくらいだ。ああいう映像は正気の沙汰とは思えない。自律神経が乱れてうつ病になったらどうする気だ?手ぶれ映像は増える傾向にあるが、そのうち映画館で事故が起きると前もって予言しておく。アネロンを飲むヒマすら与えてくれなかったことに憤りを覚える。特にアクション映画の手ぶれは、ドグマ映画における自然な手ぶれとはあきらかに違う。カクテルをシェイクするときのようにカメラをシャカシャカ振り回している。冗談じゃない。観客は地震を疑似体験したいわけではない、映画が観たいのだ。手ぶれなどクソ食らえである。それと子役の姉は美人だが顔の表情が冷たすぎて、弟に対する母性愛が感じられなかった。主役の姉弟が可愛くないから助かって欲しいという気持ちがわかない。むしろ姉弟は感染を拡大させた責任をとって切腹してほしいと思ったくらいです。このぶんじゃ続編はあるとおもう。続編は28ヵ月後か28年後に違いない。調子にのって280年後まで作ってしまいそうで怖い。280年後というと未来のSF型ゾンビ映画だ。宇宙ステーションにゾンビが大量発生し、宇宙遊泳しながら近づいてくるゾンビは怖いかもしれない。そうなればゾンビは歩くべきか、それとも走るべきか、というツマラナイ議論など吹き飛ぶと思う。ネタは尽きることはない。私は何だかんだ言ってもゾンビは好きだ。ゾンビバンザイ! 
[DVD(字幕)] 7点(2008-06-21 19:47:06)(笑:5票) (良:1票)
176.  クリムゾン・タイド
潜水艦ものN01。 デンゼルの中でも特にお気に入りの映画。 潜水艦の主権争いが緊迫感があっていい。
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-17 20:12:44)
177.  バイオハザードIII
これはひどい。監督の頭がすでにゾンビ化している。ゾンビよりむしろ監督にアリスの血清が必要かもしれない。 ただしアリスが強くなるのは大賛成です。今後もどんどんスキルアップしてもらいたい。沈黙シリーズにでてくるおじさんのように無敵になってください。
[DVD(字幕)] 4点(2008-05-05 23:17:51)(笑:1票)
178.  アイ・アム・レジェンド 《ネタバレ》 
もうすこしB級色の濃い明るいゾンビ映画を期待していましたが、すごく真面目なゾンビ映画でした。だから息が詰まりそうでした。まずゾンビが頭がいい。主人公が宙吊りのトラップをしかけたのを見てゾンビたちは真似をする。主人公は難しい研究をしているくせにイライラするほどマヌケです。突然マネキンにキレて銃を乱発したあげく、罠にはまって宙吊りにされて気絶してしまう。それなのに飼い犬に「おれは大丈夫だぜ」と余裕をかましておきながらヒモを切った自分のナイフに足を突き刺してしまう。さっさと死ねよ、と真剣に思いました。主人公のドジのせいで死んだイヌがかわいそうです。ところで人間が失望をするときはどういうときでしょうか?それは希望を持っているときです。希望を持っているからこそ失望という感情が芽生えるのだと思います。たとえば主人公が非常に怒ったシーンがありましたよね。その理由は別な場所に人間が生存していると、女性から聞かされたからです。あのときそれを聞かされた主人公は恐くて仕方なかったのだと思います。なぜなら主人公はすでに何度も希望を抱いてそのたび失望してきたからです。治療薬をつくる作業もまさに希望と失望の繰り返しです。あまりにも多くの失望を経験しすぎたため希望を持つことを無意識のうちに避けるようになった。もう二度と希望を抱いてそのために失望を繰り返して傷付きたくなかった。それがあのときの彼の怒りの源泉です。彼は希望を捨てた男だったのです。その男が死ぬ間際になって希望を持った。そのシーンがかなり感動的です。主人公にとって治療薬の完成は、今までずっと沈黙してきた神がようやく姿を見せたということに他になりません。「この治療薬でゾンビになっているおまえたちを救ってやれる!」と涙を流して叫んでいる主人公の様子にもらい泣きしそうになりました。救ってやりたいなら車でひき殺すなよ、と少しだけ思いましたが。いろいろな意味で今回のウィルスミスはヘタレなのか救世主なのか天才のか天然ボケなのかつかみにくいキャラでした。だけどこれが人間の本当の姿なのでしょう。これはけっこうヒューマンドラマです。 
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-05 23:12:39)(良:4票)
179.  オーロラの彼方へ 《ネタバレ》 
父親を助けるために過去を変えてしまったために、次々とややこしい問題がひき起こってしまう。 これがドラえもんなら「のびた君、歴史を変えちゃいけないんだよ!」と言って注意するだろうが、この映画では何がなんでも歴史を変えて思い通りのハッピーエンドにもっていてしまった。  ある意味でその強引さを高く評価したい。 まず最初に息子が父親の事故死を防いだために未来の父親の死に方は事故死から肺がん死に変わってしまった。すると今度はタバコをやめろと忠告する息子。 挙句の果てに将来値上りするヤフー株まで過去の人間に教えてしまう始末だ。 そんなことをしでかしているうちに、今度は母親が殺されるという運命に変わってしまい、過去と現在の両方で父と息子が殺人犯を探す展開に移っていく。 ここは緊迫した雰囲気が漂うがなにか変だ・・。 過去では犯人が分かっていながら父親が逃してしまったから、現在の息子の前に犯人が現れたことになる。 そんなに長い間、犯人の正体が分かっていながら逮捕できないことがあるのだろうかと思う。 どうせなら犯人に息子を殺させておいて、観客を驚かせ、その後に過去のオヤジが犯人をつかまえることにする。すると・・な、なんと!現在の犯人の姿は消え息子はよみがえる! と、このような展開はどうか?どちらにしてもタイムトラベルはどうしてもどこか突っ込みたくなるが、作品自体は面白かったのでそれを評価したい。 過去のオヤジと現在の息子が、お互いを信じあうネタが大リーグのワールドシリーズというのがとても面白い。 こういう父子の共通の価値観の話題が温かく感じられたのが良かった。    
[DVD(字幕)] 7点(2008-05-01 17:43:56)
180.  サウンド・オブ・ミュージック
この時代でここまでのミュージカル作品を作った事は評価できると思う。 この映画を青年期に観た方はさぞかし驚かれたのだと思う。 それが今に至っても薄れることのない感動として記憶に残っているのではないだろうか。 それが高得点につながっている。 そういうことはあると思う。私も今観て感動した映画は、時がたって映画が格段に進歩しても色あせない思い出として残るだろうと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2008-05-01 17:41:45)
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